JP2011215433A - 感放射線性樹脂組成物、重合体及び化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
[A]下記式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有する感放射線性樹脂組成物である。
重合体[A]は、上記式(1)で表される構造単位を有する。
重合体[A]には、ArFエキシマレーザーの吸収を有する構造単位(1)が組み込まれているので、反射防止膜を形成することなく、上述の定在波の影響を抑えることができる。また、重合体[A]を含有する塗膜の消衰係数が適当な範囲に制御されているので、
良好な感度を有する上に、露光余裕度、焦点余裕度も同時に満足する。すなわち、薄膜で基板上に反射防止膜を形成していない場合であっても、段差のある基板上であっても、良好なパターン形状を有し、パターン変動幅の小さいレジスト膜を形成可能である。
メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、へプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基等の2価の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基、ペンテンジイル基、ヘキセンジイル基、ヘプテンジイル基、オクテンジイル基、ノネンジイル基、デケンジイル基等の2価のアルケンジイル基を挙げることができる。
シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基、ノルボルナンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基、アダマンタンジイル基等2価のシクロアルカンジイル基;
シクロブテンジイル基、シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基、シクロヘプテンジイル基、ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の2価のアルケンジイル基等を挙げることができる。
エーテル基、カルボニル基、スルフィド基、イミド基、エステル基、ウレタン基、アミド基、カーボネート基等の2価の官能基で置換されていてもよい。
本発明の感放射線性樹脂組成物がポジ型である場合、上記重合体[A]は、下記式(2)で表される構造単位(2)を有することが好ましい。
上記重合体[A]は、構造単位(3)として、ラクトン構造及び環状カーボネート構造を含む構造単位をさらに有することが好ましい。構造単位(3)の具体例としては、例えば、下記式で表されるラクトン構造を含む構造単位及び環状カーボネート構造を含む構造単位等が挙げられる。
また、重合体[A]は、親水性官能基を有する構造単位(以下、「構造単位(4)」ともいう)を含有してもよい。構造単位(4)としては、下記式(4−1)〜(4−17)で表される官能基を有する構造単位及びメタクリル酸又はアクリル酸由来の構造単位が好ましいものとして挙げられ、中でも下記式(4−17)で表される官能基を有する構造単位がより好ましいものとして挙げられる。
上記重合体[A]は、ラジカル重合等の常法に従って合成することができる。例えば、(1)単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(2)単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(3)各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
酸発生体[B]は、放射線によって酸を発生するものである。放射線とは、電離性を有する高いエネルギーを持った電磁波や粒子線をいう。この電磁波としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線等を含む概念である。
酸拡散制御体[C]は、露光により酸発生体[B]から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御する。酸拡散制御体[C]は、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。酸拡散制御体[C]の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、後述するような化合物である酸拡散制御剤の形態でも、重合体[A]又は上述の他の重合体の一部として組み込まれた酸拡散制御構造単位の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;
ピペラジン、1−(2’−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は通常、溶媒[D]を含有する。用いられる溶媒は、少なくとも重合体[A]、酸発生体[B]、及び所望により後述の添加剤[E]を溶解可能な溶媒であれば、特に限定されるものではない。このような溶媒[D]として、例えばアルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル・ラクトン類、ニトリル類及びその混合溶媒等を使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分の添加剤[E]として、フッ素含有樹脂、脂環式骨格含有化合物、界面活性剤、増感剤、架橋剤等を含有することができる。各添加剤の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
フッ素含有樹脂は、特に液浸露光においてレジスト膜表面に撥水性を発現させる作用を示す。また、レジスト膜から液浸液への成分の溶出を抑制する効果を奏し、さらに高速スキャンにより液浸露光を行ったとしても液滴を残さない為、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制する効果がある。
フッ素含有樹脂は現像液に不溶で、酸の作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂;
フッ素含有樹脂は現像液に可溶で、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂;
フッ素含有樹脂は現像液に不溶で、アルカリの作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂;
フッ素含有樹脂は現像液に可溶であり、アルカリの作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂等を挙げることができる。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。脂環式骨格含有化合物としては、例えば、
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等を挙げることができる。これらの脂環式骨格含有化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤は、当該組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を有する成分である。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNO.75、同NO.95(共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
増感剤は、酸発生体[B]に吸収される放射線のエネルギー以外のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを例えば電子やラジカルのような形で酸発生体[B]に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
本感放射線性樹脂組成物をネガ型として用いる場合は、上述のように重合体[A]をアルカリ可溶性とすると共に、添加剤[E]として架橋剤を配合させるとよい。この架橋剤は、酸の存在下で、重合体[A]を架橋しうる化合物である。このような架橋剤としてはグリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基等の架橋性官能基を有する化合物を挙げることができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の感放射線特性を有することができる。当該感放射線性樹脂組成物がポジ型の感放射線特性を有することで、当該感放射線性樹脂組成物は、感放射線照射によって結合が切れやすくなり、その結果、パターニング性の高いポジ型の感放射線特性を発揮することができる。ポジ型感放射線性組成物は、例えば、有機溶媒中で、重合体[A]成分、[B]成分及び任意成分を所定の割合で混合することにより、調製することができる。ポジ型感放射線性組成物は、適当な有機溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用され得る。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして有用である。ポジ型の化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生体から発生した酸の作用によって、樹脂成分、主に、重合体[A]中の酸解離性基が解離してカルボキシル基に代表される極性基を生じる。その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、この露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のフォトレジストパターンが得られる。
このようにして得られるレジストパターンは、トップロスが防止されて矩形性が良好であり、LWR及びパターン倒れも抑制されているので、リソグラフィー技術を応用した微細加工に好適である。
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いたイオンインプランテーション方法は、本発明の感放射線性組成物を用いて基板上にレジスト層を形成し、上記レジスト層に対して選択的に露光処理を行い、アルカリ現像してレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクとして、イオンインプランテーションを行うものである。
化合物Aの1H−NMR分析は、日本電子社製の核磁気共鳴装置(JNM−ECX400)を使用し、測定した。
(実施例1:化合物(M−6)の合成)
温度計及びリフラックスコンデンサを備えた500mlの三つ口フラスコに(+)−2,10−カンファースルタム15.0g(69.7mmol)、3−クロロプロピオニルクロリド13.3g(104.5mmol)、アセトニトリル300mlを加え、10時間還流させた。その後、室温まで冷却後、炭酸カリウムを19.2g(139.4mmol)を加え、さらに4時間還流させたのち室温まで冷却し反応終了とした。反応液と塩をろ過により分離し、反応液を250mlまで濃縮後、−78℃まで冷却して結晶を析出させた後、ろ過を行い、得られた結晶をヘキサン:イソプロピルアルコール=5:1(重量比)の溶液50gで洗浄し、化合物(M−6)を得た(11.01g、収率73%)。
1H−NMR(CDCl3)Δ 6.86(1H)、6.49(1H)、5.85(1H)、3.95(1H)、3.48(2H)、2.13(2H)、1.91(3H)、1.40(2H)1.17(3H)、0.97(3H)
アクリロイルクロライド24.4g(269.3mmol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解した溶液を準備した。温度計及び滴下漏斗を備えた1000mlの三つ口フラスコにチアゾリジン20.0g(224.4mmol)、トリエチルアミン34.1g(336.6mmol)、テトラヒドロフラン350mlを加え、氷浴中、15分攪拌を行った。そこへ、滴下漏斗を用い、あらかじめ準備しておいたアクリロイルクロライド溶液を40分かけて滴下した。滴下終了後、さらに氷浴中で10分攪拌したのち、水200ml、酢酸エチル200mlを加え、反応終了とした。反応終了後、分液漏斗に反応溶液を投入し、さらに酢酸エチル500mlを加え、激しく攪拌した後、油層を分取した。分取した油層を200mlの水で1回、200mlの飽和食塩水で1回洗浄したのち、油層を分取し、そこへ硫酸マグネシウムを加え乾燥を行った。油層を乾燥後、低沸点成分を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより化合物(M−7)を単離した(25.0g、収率78%)。
1H−NMR(CDCl3)Δ 6.45(2H)、5.74(1H)、4.63(2H)、3.93(1H)、3.84(1H)、3.11(1H)、3.02(1H)
(実施例3:重合体(A−1)の合成)
単量体(M−1)21.03g(50モル%)、単量体(M−5)22.23g(40モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.88gを投入して単量体溶液を準備した。一方、単量体(M−6)6.74g(10モル%)を予め50gの2−ブタノンを投入しておいた500mlの三口フラスコに投入した後、30分間窒素でパージした。窒素パージの後、反応釜(上記三口フラスコ)を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて上記反応釜に3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を200gのメタノールにてスラリー状で2回洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末(37.5g、収率75%)を得た。この白色粉末を重合体(A−1)とした。この重合体は、Mwが7100であり、Mw/Mn=1.51であった。
単量体(M−1)21.99g(50モル%)、単量体(M−5)26.14g(45モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)3.01gを投入して単量体溶液を準備した。一方、単量体(M−7)1.87g(5モル%)を、予め50gの2−ブタノンを投入しておいた500mlの三口フラスコに投入した後、30分間窒素でパージした。窒素パージの後、反応釜(上記三口フラスコ)を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて上記反応釜に3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を200gのメタノールにてスラリー状で2回洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末(36.6g、収率73%)を得た。この白色粉末を重合体(A−2)とした。この重合体は、Mwが7500であり、Mw/Mn=1.57であった。
単量体(M−1)11.52g(30モル%)、単量体(M−2)10.76g(20モル%)、単量体(M−4)6.40g(10モル%)、単量体(M−5)15.22g(30モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.63gを投入して単量体溶液を準備した。一方、単量体(M−6)6.15g(10モル%)を、予め50gの2−ブタノンを投入しておいた500mlの三口フラスコに投入した後、30分間窒素でパージした。窒素パージの後、反応釜(上記三口フラスコ)を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて上記反応釜に3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を200gのメタノールにてスラリー状で2回洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末(37.7g、収率75%)を得た。この白色粉末を重合体(A−3)とした。この重合体は、Mwが6800であり、Mw/Mn=1.51であった。
単量体(M−1)12.00g(30モル%)、単量体(M−2)11.14g(20モル%)、単量体(M−4)6.67g(10モル%)、単量体(M−5)18.49g(35モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.74gを投入して単量体溶液を準備した。一方、単量体(M−7)1.70g(5モル%)を、予め50gの2−ブタノンを投入しておいた500mlの三口フラスコに投入した後、30分間窒素でパージした。窒素パージの後、反応釜(上記三口フラスコ)を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて上記反応釜に3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を200gのメタノールにてスラリー状で2回洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末(36.2g、収率72%)を得た。この白色粉末を重合体(A−4)とした。この重合体は、Mwが6700であり、Mw/Mn=1.53であった。
単量体(M−1)22.1g(50モル%)、単量体(M−5)26.41g(45モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)3.04gを投入して単量体溶液を準備した。一方、単量体(M−3)1.38g(5モル%)を、予め50gの2−ブタノンを投入しておいた500mlの三口フラスコに投入した後、30分間窒素でパージした。窒素パージの後、反応釜(上記三口フラスコ)を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて上記反応釜に3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を200gのメタノールにてスラリー状で2回洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末(35.2%、収率70%)を得た。この白色粉末を重合体(a−1)とした。この重合体は、Mwが7300であり、Mw/Mn=1.53であった。
単量体(M−1)12.11g(30モル%)、単量体(M−2)11.25g(20モル%)、単量体(M−4)6.73g(10モル%)、単量体(M−5)18.67g(35モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.76gを投入して単量体溶液を準備した。一方、単量体(M−3)1.25g(5モル%)を、予め50gの2−ブタノンを投入しておいた500mlの三口フラスコに投入した後、30分間窒素でパージした。窒素パージの後、反応釜(上記三口フラスコ)を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて上記反応釜に3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を200gのメタノールにてスラリー状で2回洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末(35.4g、収率71%)を得た。この白色粉末を重合体(a−2)とした。この重合体は、Mwが6500であり、Mw/Mn=1.51であった。
上記合成例にて合成した重合体(A−1)、(A−2)以外の感放射線性樹脂組成物を構成する各成分(酸発生剤[B]、酸拡散制御剤[C]、溶媒[D]及び添加剤[E])について以下に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−2:1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート
C−1:N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
D−2:シクロヘキサノン
D−3:γ−ブチロラクトン
(実施例7)
上記重合体(A−1)100部、酸発生体[B]として(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−N−ブタンスルホネート8.4部、酸拡散制御剤[C]として(C−1):N−γ−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン0.9部、溶媒[D]として(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート950部、(D−2):シクロヘキサノン400部、及び(D−3):γ−ブチロラクトン30部を混合し均一溶液とした後、孔径0.2mmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物溶液(組成物溶液)を調製した。
上記重合体(A−2)100部、酸発生体[B]として(B−1)8.4部、酸拡散制御剤[C]として(C−1)0.9部、溶媒[D]として(D−1)950部、(D−2)400部、及び(D−3)30部を混合し均一溶液とした後、孔径0.2mmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。
上記重合体(A−3)100部、酸発生体[B]として(B−2):1−(4−N−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−N−ブタンスルホネート7.3部、酸拡散制御剤[C]として(C−1)0.5部、溶媒[D]として(D−1)950部、(D−2)400部、及び(D−3)30部を混合し均一溶液とした後、孔径0.2mmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。
上記重合体(A−4)100部、酸発生体[B]として(B−2)7.3部、酸拡散制御剤[C]として(C−1)0.5部、溶媒[D]として(D−1)950部、(D−2)400部、及び(D−3)30部を混合し均一溶液とした後、孔径0.2mmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。
上記重合体(A−1)100部、酸発生体[B]として(B−1)8.4部、酸拡散制御剤として(C−1)0.9部、溶媒として(D−1)950部、(D−2)400部、及び(D−3)30部を混合して均一溶液とした後、孔径0.2mmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。
上記重合体(A−2)100部、酸発生体[B]として(B−2)7.3部、酸拡散制御剤として(C−1)0.5部、溶媒として(D−1)950部、(D−2)400部、及び(D−3)30部を混合して均一溶液とした後、孔径0.2mmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。
実施例7〜10及び比較例1、2で得られた感放射線性樹脂組成物について、ArFエキシマレーザーを光源として、感度、パターン形状、パターン幅変動、消衰係数、露光余裕度、焦点余裕度について評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
本評価を行うため、レジストパターンを備えたシリコン基板を以下のようにして作製した。まず、シリコンウエハー表面にヘキサメチルジシラザンを150℃で60秒間曝し、表面処理を施した。このシリコンウエハー上に、レジスト膜の膜厚が200nmとなるように上記感放射線性樹脂組成物溶液をスピンコートにより塗布した。その後、ホットプレートにて、110℃、60秒の条件でPBを行うことにより上記シリコンウエハーにレジスト膜を形成した。なお、このレジスト膜の膜厚は、WOOLLAM社製分光エリプソメーター(VUV−VASE:VU−303)を用いて測定した。次に、上記膜厚200nmのレジスト膜に、ニコン社製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.78)を用い、マスクパターンを介して露光した。露光後、130℃、60秒でPEBを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液によって25℃で60秒間現像した。その後、水洗、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを備えたシリコンウエハー(シリコン基板)を得た。
上記感度評価におけるレジスト膜のパターン断面を、日立社製の断面観察SEM(S4800)にて観察した。図1に示すように、基板1上に形成されたパターン2の上部の線幅をL1、下部の線幅をL2とした。(L1−L2)/L1が−0.15以上+0.15以下の範囲になる場合を「○」(良好)、(L1−L2)/L1が−0.15より小さい場合、又は+0.15より大きい場合を「×」(不良)として評価した。(L1−L2)/L1が−0.15以上+0.15以下の範囲になる場合、パターン形状が矩形であることを示す。
膜厚180nm〜220nmの範囲で8nm毎に膜厚を変動させて形成した各レジスト膜において、膜厚200nmにおける最適露光量(J/m2)を照射して解像した際の150nm1L/1Sパターンを観測した。全てのレジスト膜において観測されたパターン線幅の最大値と最小値の差が60nm以下の場合を「○」、60nmを超える場合を「×」として評価した。観測されたパターン線幅の最大値と最小値の差が60nm以下の場合、段差のある基板上でもパターン変動幅が小さいことを示す。
上記感放射線性樹脂組成物溶液を基板上にスピンコートにより塗布し、ホットプレートにて、110℃、60秒でPBを行い、膜厚200nmのレジスト膜を得た。得られたレジスト膜について、WOOLLAM社製の分光エリプソメーター(VUV−VASE:VU−303)を用いて、波長193nmの露光光の消衰係数kを測定した。
線幅150nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)が得られる設計のマスクを介し露光を行い、線幅が165nmとなる時の露光量と線幅が135nmとなるときの露光量の差の絶対値を「感度」で除し、100を乗じた値を露光余裕度とした。露光余裕度が25以上であれば「○」、25未満であれば「×」として評価した。
上記感度評価と同様にして線幅150nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を解像する場合において、同一露光量のもとに線幅が135nm以上165nm以下に収まるようにレーザーの焦点深度を0.05μmずつ変更した。線幅が135〜165nmに収まる焦点深度の範囲が0.40μm以上であれば「○」、0.40μm以下であれば「×」として評価した。
表3の結果より、実施例7〜10の感放射線性樹脂組成物は、比較例1〜2の感放射線性樹脂組成物に比べて、基板上に反射防止膜を形成していない場合であっても、良好な感度を有し、良好なパターン形状及びパターン変動幅の小さいレジスト膜を形成可能なだけでなく、焦点余裕度、露光余裕度も良好であることが明らかである。
2 パターン
L1 パターンの上部での線幅
L2 パターンの下部での線幅
Claims (10)
- 上記Xがカルボニル基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記R2及びR3が互いに結合してそれらの間にあるN、Y及びZと共に炭素数(Y以外の炭素数)が2〜20の複素環構造を形成する請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [B]感放射線性酸発生体をさらに含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記Xがカルボニル基である請求項5に記載の重合体。
- 上記R2及びR3が互いに結合してそれらの間にあるN、Y及びZと共に炭素数(Y以外の炭素数)が2〜20の複素環構造を形成する請求項5又は請求項6に記載の重合体。
- 上記Xがカルボニル基である請求項8に記載の化合物。
- 上記R2及びR3が互いに結合してそれらの間にあるN、Y及びZと共に炭素数(Y以外の炭素数)が2〜20の複素環構造を形成する請求項8又は請求項9に記載の化合物。
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