JP2019030964A - 締付工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ込み作業の作業性を向上可能な締付工具を提供する。【解決手段】木ネジ2をねじ込むための締付工具1は、木ネジ2の頭部8に形成された穴部9に差し込み可能な形状を有する差込部18を有するドライバービット11と、ドライバービット11の中心軸線A1に沿って延在し、一端側にはドライバービット11が挿通される挿通部23が形成され、他端側には差込部18が配置されると共に木ネジ2の頭部8の外形形状と同形状のソケット穴部24が形成されたソケット12と、を備えている。挿通部23と、ソケット穴部24と、ドライバービット11とは、それぞれの中心軸線A1〜A3が同一線上に位置するように配置されている。ソケット12は、ドライバービット11に対してドライバービット11の中心軸線A1回りの回転移動が規制されている。【選択図】図3
Description
本発明は、ネジをねじ込むための締付工具に関する。
このような分野の技術が特許文献1〜3に開示されている。特許文献1には、ネジの保持が確実に行われ、手が十分に届かない箇所の作業において、ネジの脱落を防ぐ締付工具が記載されている。特許文献1の締付工具では、ビットが六角穴付ボルトのボルト頭に差し込まれて六角穴付ボルトにトルクを伝達する。この締付工具は、ボックス部の先端に設けられ、六角穴付ボルトのボルト頭を保持する係止アームを有している。
特許文献2には、ドライバー等の締付け時及び緩め時に煩雑な操作を必要とすることなく、適度な保持力でビス等を保持し、ドライバー等の操作性を格段に高めるようにしたキャッチアダプタが記載されている。特許文献2のキャッチアダプタは、ドライバー先端部の外径と略同径の嵌合筒穴と、ビス頭部の最大外径と略同径のビス保持筒穴とを有し、ドライバー先端部に差し込まれるようにして取り付けられる。
特許文献3には、ドライバーに取り付けることによって、ボルトとナットの組付けや取外しに用いるソケットレンチとして使用できるようにしたドライバー用ソケットが記載されている。特許文献3のドライバー用ソケットは、ドライバーのビットが差し込まれるソケット本体と、ソケット本体の両端部において、例えば六角形状に形成されてボルトが嵌め込まれるソケット部とを備えている。
ところで、ネジ山が形成された軸部が長いネジや軸部が太いネジは、母材にねじ込む場合に大きいトルクが必要になるため、ねじ込み作業の作業性が低下する虞があった。
そこで、本発明は、ねじ込み作業の作業性を向上可能な締付工具を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、ネジをねじ込むための締付工具である。この締付工具は、ネジの頭部に形成された穴部に差し込み可能な形状を有する差込部を有するドライバービットと、ドライバービットの中心軸線に沿って延在し、一端側にはドライバービットが挿通される挿通部が形成され、他端側には差込部が配置されると共にネジの頭部の外形形状と同形状のソケット穴部が形成されたソケットと、を備えている。挿通部と、ソケット穴部と、ドライバービットとは、それぞれの中心軸線が同一線上に位置するように配置されている。ソケットは、ドライバービットに対してドライバービットの中心軸線周りの回転移動が規制されている。
締付工具は、ドライバービットの差込部がネジの穴部に差し込まれると共に、ソケットのソケット穴部に対してネジの頭部が嵌め込まれる。また、挿通部と、ソケット穴部と、ドライバービットとは、それぞれの中心軸線が同一線上に位置するように配置されている。このため、締付工具とネジとの位置関係は、差込部及びネジの穴部と、ソケット穴部及びネジの頭部との両方の関係において維持されることになる。また、ソケットは、ドライバービットに対する回転移動が規制されているので、ドライバービットに締付トルクを付与するとその締付トルクはソケットにも伝達される。ドライバービットに締付トルクを付与すると、その締付トルクは、ドライバービットの差込部を通じてネジに伝達されると共に、ソケットのソケット穴部を通じてネジに伝達される。従って、ドライバービットに付与された締付トルクが分散してネジに効率よく伝達されるので、容易にネジをねじ込むことができる。従って、ねじ込み作業の作業性を向上させることができる。更には、ネジにおいてドライバービットやソケットと接触する部分に作用する負荷を軽減し、ネジの頭部を保護することができる。
また、ドライバービットは、ソケットに対してドライバービットの中心軸線方向に沿って移動可能である。そして、締付工具は、ソケットの挿通部から突出したドライバービットの軸部とソケットとの間に配置され、ドライバービットを、ソケットのソケット穴部から挿通部に向かって相対的に移動させる付勢力を発生させる付勢手段を更に備えていてもよい。この構成によれば、ソケット穴部から挿通部に向かう方向にドライバービットが付勢されているので、ソケットが母材に当接するまではソケット穴部内に差込部が配置された位置関係が維持されている。従って、ソケットとドライバービットとの両方でネジに締付トルクを伝達できる。そして、母材にソケットが当接した後に、付勢力に抗する力を加えると、ドライバービットに対してソケットが相対的に後退する。すなわち、ドライバービットの差込部がソケット穴部から突出するように移動することになる。そうすると、母材に対してソケットが当接した後であっても、差込部をネジの穴部に確実に差し込むことができるので、ドライバービットからネジに締付トルクを伝達し続けることが可能になる。従って、ネジの頭部を母材内までねじ込むことができる。
また、ドライバービットの軸部には、ドライバービットの中心軸線に沿った付勢手段の移動を規制する移動規制部が設けられ、付勢手段は、一端が移動規制部に当接し、他端がソケットに当接していてもよい。この構成によれば、ドライバービットに対してソケットが相対的に後退すると、圧縮コイルバネはドライバービットの移動規制部とソケットの挿通部との間において、圧縮コイルバネの全縮長まで縮められる。すなわち、ソケットが相対的に後退したときの最大後退位置は圧縮コイルバネの全縮長によって規定される。従って、ネジの頭部を母材内までねじ込む深さを一定に保つことができる。
また、ドライバービットの差込部は、ヘクスローブ形状であってもよい。ヘクスローブ形状を有するドライバービットによれば、ドライバービットの差込部からネジの頭部に形成された穴部に対して効率よく締付トルクを伝達することが可能になる。従って、一層効率よくネジをねじ込むことができる。
本発明によれば、ねじ込み作業の作業性を向上可能な締付工具が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、締付工具1は、木ネジ2等を木材3等の母材にねじ込むものである。締付工具1は、電動工具4のチャック6に取り付けられる。締付工具1には、電動工具4からトルクが付与される。締付工具1を介して、締付工具1に嵌め合された六角形状の頭部を有する木ネジ2にトルクが伝達されて木ネジ2が木材3にねじ込まれる。
木ネジ2は、木材又は木質系部材に螺着されて、その部材を締結固定するためのものである。木ネジ2は、例えば、重ね梁の接合、柱と梁との接合、パネル接合などに利用される。木ネジ2は、鋼材やステンレス材からなり、本体をなす軸部7と、軸部7の基端側に形成された頭部8と、を有している。軸部7には、螺旋状のネジ山7aが形成されている。頭部8は六角形状の外形を有し、頭部端面8aには穴部9が形成されている。頭部8の外形形状は、いわゆる六角ボルトの頭部と同様の構成を有している。穴部9の形状は、いわゆるヘクスローブ形状である。また、頭部8の中心軸線は、軸部7の中心軸線と略一致し、穴部9の中心軸線もこれら中心軸線と略一致している。
例えば、木ネジ2は、ネジ山7aの外径L1が6mm〜10mm程度であり、軸部7と頭部8とを含む全長L2が110mm〜320mm程度である。また、例えば、頭部8の外径L3は、8mm〜12mm程度である。従って、この木ネジ2は、頭部8の外径L3に対して、全長L2が比較的長い。
図2に示されるように、締付工具1は、ドライバービット11と、ソケット12と、圧縮コイルバネ(付勢手段)13と、第1のワッシャ14(移動規制部)と、第2のワッシャ16とを備えている。なお、以下の説明において、説明の便宜上、木ネジ2が嵌め込まれる側を「前」とし、電動工具4に取り付けられる側を「後」と呼ぶ。
棒状のドライバービット11は、基端側が電動工具4のチャック6に取り付けられ、先端側が木ネジ2の穴部9に差し込まれる。ドライバービット11は、基端側に形成され、電動工具4に着脱可能に取り付けられる連結軸部17と、先端側に形成され、木ネジ2の頭部8に形成された穴部9に差し込み可能な形状を有する差込部18と、連結軸部17と差込部18との間に形成された回転規制軸部19と、を有している。差込部18は、中心軸線A1の方向から見ていわゆるヘクスローブ形状をなしている。また、回転規制軸部19の断面は、例えば、略六角形状や、略円形であると共に円周上に等間隔に設けられた凸部を有する形状をなしている。また、ドライバービット11は、連結軸部17と回転規制軸部19との間に形成された第1の溝部21を有している。この第1の溝部21は、第1のワッシャ14を嵌め込むためのものであり、ドライバービット11の中心軸線A1の方向に沿った第1のワッシャ14の移動を規制する。また、ドライバービット11は、回転規制軸部19と差込部18との間に形成された第2の溝部22を有している。この第2の溝部22は、第2のワッシャ16を嵌め込むためのものであり、ドライバービット11の中心軸線A1の方向に沿った第2のワッシャ16の移動を規制する。
筒状のソケット12は、ドライバービット11の先端側に取り付けられる。ソケット12には、木ネジ2の頭部8が嵌め込まれる。ソケット12は、ドライバービット11の中心軸線A1に沿って延在し、一端側に形成されてドライバービット11が挿通される挿通部23と、他端側に形成されて差込部18が配置されるソケット穴部24とを有している。図3の(a)部に示されるように、ソケット12をドライバービット11に取り付けたときに、挿通部23がドライバービット11の連結軸部17側に配置され、ソケット穴部24がドライバービット11の差込部18側に配置される。挿通部23には、貫通穴26が形成され、この貫通穴26には、ドライバービット11の回転規制軸部19が配置されている。貫通穴26は、回転規制軸部19の断面形状と同様の断面形状を有している。例えば、貫通穴26は、略六角形状や、略円形であると共に円周上に等間隔に設けられた凹部を有する形状をなしている。この凹部には回転規制軸部19の凸部が嵌め込まれる。ソケット穴部24は、木ネジ2の外形形状と略同じ断面形状を有する穴部であり、貫通穴26と同軸上に形成されている。挿通部23の貫通穴26とソケット穴部24との間には、段差部27が形成されている。より詳細には、挿通部23に形成された貫通穴26の穴径よりも、ソケット穴部24の穴径が拡大しているため、ソケット穴部24の底において輪状の底面が段差部27として形成されている。
圧縮コイルバネ13は、ドライバービット11に取り付けられた第1のワッシャ14とソケット12の挿通部23側の端面12aとの間に配置されている。すなわち、圧縮コイルバネ13の一端はドライバービット11に取り付けられた第1のワッシャ14に当接し、圧縮コイルバネ13の他端はソケット12の端面12aに当接している。圧縮コイルバネ13は、ドライバービット11を、ソケット12のソケット穴部24から挿通部23に向かって相対的に移動させる付勢力F2を発生させている。
続いて、ドライバービット11と、ソケット12と、圧縮コイルバネ13と、第1のワッシャ14と、第2のワッシャ16とを組み合わせた構成について詳細に説明する。
ドライバービット11は、回転規制軸部19がソケット12の貫通穴26に位置するように配置されている。貫通穴26の形状に対応する断面形状の回転規制軸部19が貫通穴26に配置されることにより、ドライバービット11とソケット12とは、ドライバービット11の中心軸線A1周りの相対的な回転移動が規制される。換言すると、ソケット12は、ドライバービット11の中心軸線A1の周りにドライバービット11に対して回転移動させることはできない。従って、ドライバービット11が回転するとソケット12もそれに伴って回転することになる。なお、ドライバービット11とソケット12とは、中心軸線A1の周りに完全に固定されているものではなく、互いの相対位置が僅かに移動してもよい。換言すると、ドライバービット11とソケット12との連結部分は、中心軸線A1の周りに遊びを有していてもよい。このような構成によれば、木ネジ2の頭部8の外形形状に対する穴部9の位置ずれに対応することができるので、ねじ込み作業を効率的に実施することができる。
締付工具1では、ドライバービット11の中心軸線A1の方向に沿ってドライバービット11とソケット12とが相対的に移動可能とされている。より詳細には、締付工具1は、ドライバービット11の差込部18がソケット12のソケット穴部24の内部に配置された第1の状態(図3の(a)部参照)と、ドライバービット11の差込部18がソケット12のソケット穴部24から突出した第2の状態(図3の(b)部参照)と、を有している。
図3の(a)部に示されるように、締付工具1では、付勢力F2が常に作用している。この付勢力F2は、ドライバービット11がソケット12のソケット穴部24から挿通部23に向かう方向に移動させるような力である。ドライバービット11がソケット12のソケット穴部24から挿通部23に向かう方向(すなわち後方)に移動させられると、第2のワッシャ16が段差部27に当接する。第2のワッシャ16は、ドライバービット11に対して固定されているため、第2のワッシャ16が段差部27に当接した状態からドライバービット11が後方に移動することはない。このように、第2のワッシャ16が段差部27に当接した状態が第1の状態である。従って、ドライバービット11とソケット12との間に常に付勢力F2を作用させるためには、圧縮コイルバネ13を自然長よりも短く保つ必要がある。このため、第2のワッシャ16が段差部27に当接した状態において、第1のワッシャ14とソケット12の端面12aとの間の長さL4が圧縮コイルバネ13の自然長よりも短くなるように、第1のワッシャ14がドライバービット11に対して取り付けられている。
次に、図3の(b)部に示されるように、中心軸線A1に沿ったソケット12の前方への移動が規制された状態において、ドライバービット11に対して前方に向かう力、すなわち圧縮コイルバネ13の付勢力F2に抗する押し付け力F1を与えると、ドライバービット11は、ソケット12に対して前方に移動する。圧縮コイルバネ13がその全縮長L5まで縮んだ状態までドライバービット11が押し込まれた状態が第2の状態である。このドライバービット11の移動量は、圧縮コイルバネ13の全縮長L5により規定されている。すなわち、圧縮コイルバネ13の全縮長L5を適宜選択することにより、ドライバービット11の出幅を調整することが可能になる。
次に、締付工具1を利用した木ネジ2のねじ込み作業について説明する。図4の(a)部に示されるように、ソケット12のソケット穴部24側の端面12bが木材3の表面3aに当接するまでは、締付工具1は第1の状態であり、ソケット12に頭部8が嵌め込まれると共に、頭部8の穴部9にドライバービット11の差込部18が差し込まれている。この状態では、電動工具4からドライバービット11に与えられたトルクは、ドライバービット11の差込部18から木ネジ2の穴部9に伝達される。その一方で、ドライバービット11に与えられたトルクは、ドライバービット11の回転規制軸部19からソケット12の挿通部23にも伝達され、そしてソケット穴部24を介して木ネジ2の頭部8の外周側に伝達される。このように、締付工具1では、締付トルクがドライバービット11を介する経路とソケット12を介する経路とに分散されて、木ネジ2に伝達される。
第1の状態で木ネジ2をねじ込んでいくと、図4の(b)部に示されるように、ソケット12の端面12bが木材3の表面3aに当接した状態になる。
図4の(c)部に示されるように、締付工具1に対して木材3に押し付ける方向に押し付け力F1を加えると、ソケット12は木材3の表面3aに当接しているので押し付け方向に移動することはできない。その一方で、ドライバービット11は、圧縮コイルバネ13の付勢力F2に抗して押し付け方向に移動する。従って、ソケット12が木材3の表面3aに当接した後は、ドライバービット11により木ネジ2が木材3に押し付けられつつ、主にドライバービット11から木ネジ2に対してトルクが伝達されることになる。そして、ドライバービット11は、圧縮コイルバネ13の全縮長L5まで木材3側に移動するので、木ネジ2は、毎回同じ深さまで木材3にねじ込まれることになる。
本実施形態に係る締付工具1は、ドライバービット11の差込部18が木ネジ2の穴部9に差し込まれると共に、ソケット12のソケット穴部24に対して木ネジ2の頭部8が嵌め込まれる。また、挿通部23と、ソケット穴部24と、ドライバービット11とは、それぞれの中心軸線A1〜A3が同一線上に位置するように配置されている。このため、締付工具1と木ネジ2との位置関係は、差込部18及び木ネジ2の穴部9と、ソケット穴部24及び木ネジ2の頭部8との両方の関係において維持されることになる。また、ソケット12は、ドライバービット11に対する回転移動が規制されているので、ドライバービット11に締付トルクを付与するとその締付トルクはソケット12にも伝達される。ドライバービット11に締付トルクを付与すると、その締付トルクは、ドライバービット11の差込部18を通じて木ネジ2に伝達されると共に、ソケット12のソケット穴部24を通じて木ネジ2に伝達される。従って、ドライバービット11に付与された締付トルクが分散して木ネジ2に効率よく伝達される。従って、容易に木ネジ2をねじ込むことができる。従って、ねじ込み作業の作業性を向上させることができる。更には、木ネジ2においてドライバービット11やソケット12と接触する部分に作用する負荷を軽減することが可能になるので、大きいトルクを要するねじ込み作業において、木ネジ2の頭部8の変形を抑制することができる。
また、本実施形態に係る締付工具1は、ソケット穴部24から挿通部23に向かう方向にドライバービット11が付勢されているので、ソケット12が木材3に当接するまではソケット穴部24内に差込部18が配置された位置関係が維持されている。従って、ソケット12とドライバービット11との両方で木ネジ2に締付トルクを伝達できる。そして、木材3にソケット12が当接した後に、付勢力F2に抗する押し付け力F1を加えると、ドライバービット11に対してソケット12が相対的に後退する。すなわち、ドライバービット11の差込部18がソケット穴部24から突出するように移動することになる。そうすると、木材3に対してソケット12が当接した後であっても、差込部18を木ネジ2の穴部9に確実に差し込むことができるので、ドライバービット11から木ネジ2に締付トルクを伝達し続けることが可能になる。従って、木ネジ2の頭部8を木材3の内部までねじ込むことができる。
また、本実施形態に係る締付工具1は、ドライバービット11に対してソケット12が相対的に後退すると、圧縮コイルバネ13はドライバービット11の回転規制軸部19とソケット12の端面12aとの間において、圧縮コイルバネ13の全縮長L5まで縮められる。すなわち、ソケット12が相対的に後退したときの最大後退位置は圧縮コイルバネ13の全縮長L5によって規定される。従って、木ネジ2の頭部8を木材3の内部までねじ込む深さを一定に保ち、容易に均一な面位置施工を実施することができる。
また、本実施形態に係る締付工具1のドライバービット11の差込部18は、ヘクスローブ形状である。ヘクスローブ形状を有するドライバービット11によれば、ドライバービット11の差込部18から木ネジ2の頭部8に形成された穴部9に対して効率よく締付トルクを伝達することが可能になる。従って、一層効率よく木ネジ2をねじ込むことができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
木ネジ2の頭部8の外形形状は六角形である例を説明したが、ソケット12との係合によりトルクを伝達可能な形状であれば六角形に限定されることはない。また、木ネジ2の穴部9の形状は、ヘクスローブ形状である例を説明したが、ドライバービット11との係合によりトルクを伝達可能な形状であればヘクスローブ形状に限定されることはない。例えば、六角穴や四角穴などであってもよい。
締付工具1は、木ネジ2に限らず、ソケット12との係合によりトルクを伝達可能な外形形状を有し、且つドライバービット11との係合によりトルクを伝達可能な穴部が形成されたネジのねじ込みに利用してもよい。
ドライバービット11の回転規制軸部19の断面形状とソケット12の貫通穴26の穴形状とは、上述した形状に限定されることはない。これらの形状は、ドライバービット11に対してソケット12の回転移動が規制されるような形状であればよく、例えば、回転規制軸部19の断面形状が正方形であり、貫通穴26の穴形状も正方形であってもよい。
付勢手段は、圧縮コイルバネ13に限定されることはない。例えば、ゴム製のスリーブのように、ソケット穴部24から挿通部23に向かって相対的に移動させる付勢力を発生させ得るものであればよい。この付勢力によれば、例えば、鉛直上向きに木ネジ2をねじ込むときであっても、ドライバービット11の差込部18がソケット12のソケット穴部24の内部に配置された第1の状態を維持することが可能になる。すなわち、締付工具1を上向きにしたときに、ドライバービット11に対してソケット12が下方に落ちてこないので、第1の状態が維持される。従って、締付工具1を利用する木ネジ2のねじ込み作業において締付工具1を取り扱う姿勢が制限されず、木ネジ2のねじ込み作業の作業性を向上できる。
1…締付工具、2…木ネジ、3…木材、3a…表面、4…電動工具、6…チャック、7…軸部、7a…ネジ山、8…頭部、8a…頭部端面、9…穴部、11…ドライバービット、12…ソケット、12a…端面、13…圧縮コイルバネ(付勢手段)、14…第1のワッシャ(移動規制部)、16…第2のワッシャ、17…連結軸部、18…差込部、19…回転規制軸部、21…第1の溝部、22…第2の溝部、23…挿通部、24…ソケット穴部、26…貫通穴、27…段差部、A1…ドライバービットの中心軸線、A2…挿通部の中心軸線、A3…ソケット穴部の中心軸線、F1…押し付け力、F2…付勢力、L1…ネジ山の外径、L2…木ネジの全長、L3…頭部の外径、L4…第1のワッシャとソケットの端面との間の長さ、L5…圧縮コイルバネの全縮長。
Claims (1)
- ネジをねじ込むための締付工具において、
前記ネジの頭部に形成された穴部に差し込み可能な形状を有する差込部を有するドライバービットと、
前記差込部が配置されると共に前記ネジの頭部の外形形状と同じ形状のソケット穴部が形成されたソケットと、を備える、締付工具。
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