JP2019027474A - ガスタンク検査装置 - Google Patents

ガスタンク検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019027474A
JP2019027474A JP2017145405A JP2017145405A JP2019027474A JP 2019027474 A JP2019027474 A JP 2019027474A JP 2017145405 A JP2017145405 A JP 2017145405A JP 2017145405 A JP2017145405 A JP 2017145405A JP 2019027474 A JP2019027474 A JP 2019027474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
temperature
tank
gas tank
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017145405A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6881130B2 (ja
Inventor
恭司郎 井上
Kyoshiro Inoue
恭司郎 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017145405A priority Critical patent/JP6881130B2/ja
Publication of JP2019027474A publication Critical patent/JP2019027474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6881130B2 publication Critical patent/JP6881130B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

【課題】ガスタンクの検査時間を短縮しつつ、ガス放出時の過剰な温度低下を抑える。【解決手段】ガスタンク検査装置10は、混合ガスをガスタンク100に供給するガス供給部24と;ガスタンクに充填されたガスの漏れを検出するガス漏れ検出部30と;検出の後に、ガスタンクからガスを放出させるガス放出部50と;ガスタンクの温度を検出する温度センサ320と;混合ガスを供給する前のガスタンク温度と、混合ガスの温度と、ガスタンクからガスを放出させたときのガスタンク温度と、の関係を記憶する記憶部と;を備える。ガス供給部が備える温度調節部は、複数のガスの混合比率によって混合ガスの温度を調節し、混合ガスを供給する前のタンク温度と、下限温度と、記憶部に記憶された前記関係と、に基づいて、ガスタンクからガスを放出させたときのガスタンクの温度が下限温度以上になるように、混合ガスの温度を調節する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタンクにおけるガス漏れの有無を検査するためのガスタンク検査装置に関する。
ガスタンクにおけるガス漏れを検査する方法として、検査対象のガスタンクに対して検知ガスを含むガスを充填し、ガスタンクから漏れる検知ガスを検出する方法が知られている。一般に、ガスタンクにガスを充填する際には、ガスタンク内の温度が上昇する。そのため、ガスタンクの検査時には、ガスタンクに充填するガスとして、比較的低温のガスが用いられる。具体的には、ガスタンク検査装置として、低温ガスと、当該低温ガスを昇温させた昇温ガスと、を混合して得られる比較的温度が低いガスをガスタンクに充填して、検査を行なう装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、ガスタンクの検査時において、温度が低いガスを用いることで、ガス充填に起因するガスタンクの過剰な温度上昇を抑えている。
特許第5775486号
ガスタンクの検査時には、上記のように、検知ガスを含むガスをガスタンク内に充填して検知ガスの漏れを検査した後、充填したガスをガスタンク内から放出する動作を行なう。ガスタンクからガスを放出する際には、一般に、ガスタンク内の温度が低下する。ガスタンクは、その構成材料等によって、許容される温度の下限値である下限温度が定められており、この下限温度を下回らないように取り扱うことが要求される。ガスタンクの生産性を向上する観点から、ガスタンクの検査時において、ガスの放出速度をより速くして検査時間を短縮したいという要請が高まっている。しかしながら、ガスの放出速度を速くするほど、ガスタンクの温度はより低くなり、ガスタンクの温度が下限温度を下回る可能性が高まる。ガスタンクの検査時間を短縮しつつ、ガス放出時の過剰な温度低下を抑える技術については、従来、十分に検討されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、ガスタンク内に充填されたガスに含まれる成分を前記ガスタンクの外部で検出して、前記ガスタンクからのガス漏れを検知するガスタンク検査装置が提供される。このガスタンク検査装置は、温度の異なる複数のガスを混合した混合ガスを前記ガスタンクに供給するガス供給部と;前記混合ガスが供給された前記ガスタンクの外部において、前記成分を検出するガス漏れ検出部と;前記ガス漏れ検出部による検出の後に、前記ガスタンクに充填されたガスを前記ガスタンクから放出させるガス放出部と;前記ガスタンクの温度を検出する温度センサと;前記混合ガスを前記ガスタンクに供給する前の前記ガスタンクの温度と、前記ガス供給部が前記ガスタンクに供給する前記混合ガスの温度と、前記ガス供給部が前記ガスタンクに前記混合ガスを供給した後に前記ガス放出部が前記ガスタンクに充填されたガスを放出させたときの前記ガスタンクの温度と、の関係を記憶する記憶部と;を備える。前記ガス供給部は、前記複数のガスの混合比率によって前記混合ガスの温度を調節する温度調節部を備え;前記温度調節部は、前記温度センサが検出した前記ガスタンクの温度であって、前記混合ガスを前記ガスタンクに供給する前の前記ガスタンクの温度と、前記ガスタンクに許容された温度の下限値である下限温度と、前記記憶部に記憶された前記関係と、に基づいて、前記ガス放出部が前記ガスタンクに充填されたガスを放出させたときの前記ガスタンクの温度が、前記下限温度以上になるように、前記混合ガスの温度を調節する。
この形態のガスタンク検査装置によれば、ガスタンクの検査時において、ガスタンクからガスを放出させる速度をより速くしても、ガス放出時の過剰な温度低下を抑えることができる。そのため、ガスタンクの検査時間を短縮することが可能になる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、ガスタンク検査方法、ガスタンク製造装置、あるいはガスタンク製造方法などの形態で実現することが可能である。
第1実施形態のガスタンク検査装置の概略構成を例示した説明図である。 第1実施形態のガスタンク検査処理の概要を示すフローチャートである。 タンク温度およびタンク内圧力の変化の様子を示す説明図である。 第1の比較例のガスタンク検査処理の概要を示すフローチャートである。 タンク温度およびタンク内圧力の変化の様子を模式的に示す説明図である。 第2の比較例のガスタンク検査処理の概要を示すフローチャートである。 タンク温度およびタンク内圧力の変化の様子を模式的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
(A−1)装置の全体構成:
図1は、第1実施形態のガスタンク検査装置10の概略構成を例示した説明図である。ガスタンク検査装置10は、検査対象のガスタンク100にガス漏れが生じているか否かを検査するために用いられる装置である。ガスタンク検査装置10は、ガス充填部20と、ガス漏れ検出部30と、制御部40と、ガス放出部50と、を備えている。
ガス充填部20は、ガスタンク100に検査ガスを充填するための装置である。本実施形態のガスタンク検査装置10は、ガスタンク100内に充填されたガスに含まれる成分を、ガスタンク100の外部で検出して、ガスタンク100からのガス漏れを検知する装置である。より具体的には、ガスタンク100に対して、予め定めた濃度の検知ガスを含む検査ガスを、予め定めた圧力にて充填し、ガスタンク100から漏れ出した検知ガスの量を測定することによって、ガスタンク100からのガス漏れを検知している。本実施形態では、検査ガスは検知ガスと充填ガスとを含み、検知ガスとしてヘリウムを用い、充填ガスとして窒素を用いている。
ガス充填部20は、検知ガス充填部22と充填ガス充填部24とを備える。検知ガス充填部22は、ヘリウムが収容されるヘリウムタンク200と、ヘリウム充填ラインHELと、を備える。充填ガス充填部24は、窒素が収容される液体窒素タンク210と、常温ラインNOLと、低温ラインNLLと、を備える。窒素(沸点:−196℃)は、少なくとも一部が液相となるような低温状態で収容されている。
なお、検知ガスとしては、ヘリウムに代えて、例えば、水素、窒素、酸素、あるいはネオンを用いることができる。ただし、ガス漏れ検出の精度等の観点から、検知ガスとしては、ヘリウムあるいは水素を用いることが望ましい。また、充填ガスとしては、窒素に代えて、例えば、ヘリウムなどの不活性ガス、空気、水素、あるいは酸素を用いることができる。充填ガスは、検知ガスとは異なるガスであって、ガスタンク100内における検知ガス濃度と、ガスタンク100に充填された検査ガス圧力を調節するために用いることができ、少なくとも一部が液相となる低温状態で収容可能であればよい。
ヘリウム充填ラインHELは、ヘリウムタンク200に収容されているヘリウムをガスタンク100に供給するためのラインであり、配管221,287、減圧弁Vd1、流量制御弁V1,V2、温度センサ220、および圧力センサ230を備える。以後、ガス充填部20において、ヘリウムタンク200や液体窒素タンク210が配置されている側を「上流側」と呼び、ガスタンク100が配置されている側を「下流側」と呼ぶ。配管221には、上流側から順に、減圧弁Vd1および流量制御弁V1が配置されている。また、配管287には、上流側から順に、流量制御弁V2、温度センサ220、および圧力センサ230が配置されている。減圧弁Vd1は、ヘリウムタンク200に収容されたヘリウムを減圧して下流側に供給する。流量制御弁V1,V2は、閉弁によって各配管におけるガスの流通を遮断し、また、開度を変化させることによって流通するガスの流量を調整する。温度センサ220は、流量制御弁V2の下流側、すなわち、ガスタンク100に流入するガスの温度Tg(以後、「流入ガス温度Tg」とも呼ぶ)を検出する。圧カセンサ230は、ガスタンク100の入口の圧力Ptを検出する。ガスタンク100の入口の圧力Ptは、検査ガスの流れによる圧損の発生はあるが、ガスタンク100内の圧力と実質的に等しいため、圧力センサ230が検出する圧力を、「タンク内圧力Pt」とも呼ぶ。ガスタンク100内の圧力を検出するためのセンサは、上記のように配管287に設ける代わりに、ガスタンク100内に設けることとしてもよい。なお、ヘリウム充填ラインHELは、常温ラインNOLおよび低温ラインNLLと、配管287を共有している。
常温ラインNOLは、液体窒素タンク210に収容されている窒素をガスタンク100に供給するためのラインであり、配管226,227,287、液ポンプ240、熱交換器250、流量制御弁V3,V2、温度センサ220、および圧カセンサ230を備えている。常温ラインNOLは、既述したように、配管287がヘリウム充填ラインHELと重複している。配管226には、液ポンプ240が配置されている。配管227には、上流側から順に、熱交換器250および流量制御弁V3が配置されている。
液ポンプ240は、液体窒素タンク210に収容されている窒素を下流方向(配管227や配管228に向かう方向)に向けて圧送する。液ポンプ240は、回転数を変更することによって、窒素の吐出量を適宜調節することができる。熱交換器250は、液ポンプ240によって圧送された窒素と大気との間で熱交換をおこなうための装置であり、気化器とも呼ぶことができる。なお、熱交換器250は、大気以外にも水蒸気や温水を熱交換媒体とする構成としてもよい。液ポンプ240によって圧送された窒素(例えば、−150℃程度)は、熱交換器250において常温程度まで昇温されて、気化して窒素ガスとなる。なお、熱交換器250は、常温ラインNOLを流通する窒素の温度が配管287を流通する窒素の温度よりも高くなる程度に昇温させればよいため、必ずしも窒素を常温程度まで昇温させなくてもよい。
低温ラインNLLは、液体窒素タンク210に収容されている窒素をガスタンク100に供給するためのラインであり、配管226,228,287、液ポンプ240、流量制御弁V4,V2、温度センサ220、および圧カセンサ230を備えている。低温ラインNLLは、配管226,287が常温ラインNOLと重複し、配管287がヘリウム充填ラインHELと重複している。低温ラインNLLは、熱交換器250など窒素を昇温させるための構成要素を備えていないため、液ポンプ240によって圧送された液体窒素を低温のままガスタンク100に供給する。なお、低温ラインNLLは、流通する窒素の温度が配管287を流通する窒素の温度よりも低くなる構成であれば、窒素を昇温させる構成要素を含んでいてもよい。
常温ラインNOLと低温ラインNLLは、液ポンプ240が配置された配管226を共有し、配管227で配管228が分岐した後、再度、配管287で合流する。そのため、液ポンプ240によって圧送された窒素は、一部が配管227を流通して熱交換器250によって昇温され、残りが配管228を低温のまま流通する。そして、配管287において、配管227を流通した窒素と、配管228を流通した窒素と、が混合されてガスタンク100に供給される。配管227を流通する窒素の流量と、配管228を流通する窒素の流量は、それぞれ流量制御弁V3と流量制御弁V4の開度によって調節することができる。すなわち、ガス充填部20では、流量制御弁V3と流量制御弁V4の開度を調節することによって、配管227を流通した窒素と、配管228を流通した窒素との混合比率を変化させて、配管287を流通する窒素の温度を調節することができる。例えば、配管227の窒素の流量を減らし、配管228の窒素の流量を増やすことによって、配管287を流通する窒素の温度を低下させることができる。混合された窒素の温度は、温度センサ220にて検出する。液体窒素タンク210と常温ラインNOLと低温ラインNLLとを備える充填ガス充填部24は、本願発明に係る「ガス供給部」に相当する。
ガス放出部50は、ガス排出ラインGELを備える。ガス排出ラインGELは、ガスタンク100に充填された検査ガスなどのガスを大気に排出するためのラインであり、配管229と流量制御弁V5とを備えている。流量制御弁V5は、ガスタンク100に充填されたガスをガスタンク検査装置10の外部に排出するか否かの切り換えを行ない、また、開度を変化させることによって排出するガスの流量を調節する。
ガス漏れ検出部30は、チャンバ300と、リーク検出器310と、温度センサ320と、を備えている。チャンバ300は、ガスタンク100を気密状態で収納するためのハウジングである。リーク検出器310は、検知ガスを検出するためのセンサであり、ガスタンク100からチャンバ300の内部に漏れた検知ガスを検知する。温度センサ320は、ガスタンク100の内部の温度Tt(以後、「タンク温度Tt」とも呼ぶ)を検出する。温度センサ320は、本願発明に係る「温度センサ」に相当する。
なお、本実施形態では、温度センサ320として、ガスタンク100の内部温度を検出するために検査対象であるガスタンク100に予め設けられている温度センサを用いている。具体的には、本実施形態のガスタンク100では、ガスタンク100の開口部に配置したバルブ110において、ガスタンク100の内部の空間の温度を検出する温度センサが設けられており、さらに、この温度センサの検出信号をガスタンク100の外部に出力するための出力端子が、バルブ110に設けられている。ガスタンク100を検査するためにガスタンク100をチャンバ300内に配置する際には、ガスの供給に係る配管287とガスの排出に係る配管229とがバルブ110に接続されると共に、上記出力端子は、ガスタンク検査装置10が備える所定の配線に接続される。
本実施形態では、温度センサ320として、検査対象である個々のガスタンク100に設けられている温度センサを用いているが、ガスタンク100の温度を検出可能であれば、上記以外の種々の態様を選択可能である。例えば、ガスタンク100の内部空間(ガスタンク100内のガス)の温度を検出する温度センサに代えて、ガスタンク100のタンク外壁の温度を検出する温度センサを用いてもよい。具体的には、例えば、チャンバ300内に固定して、非接触にて対象物の表面温度を測定する温度センサを設け、このような温度センサを用いて、ガスタンク100のタンク外壁の温度を測定することとしてもよい。
制御部40は、CPU、ROM、およびRAMを備えるコンピュータによって構成され、ガスタンク検査装置10の各構成要素を制御する。また、制御部40は、ガスタンク100のガス漏れ検査のための処理を実行する。制御部40は、後述するように、本願発明に係る「記憶部」を備えると共に、「温度調節部」の一部を構成する。
(A−2)ガス漏れ検知の動作:
図2は、本実施形態のガスタンク検査装置10において、制御部40が実行するガスタンク検査処理の概要を示すフローチャートである。また、図3は、ガスタンク検査装置10においてガスタンク100に対して検知ガスおよび充填ガスを供給する際の、ガスタンク100のタンク温度Ttおよびタンク内圧力Ptの変化の様子を模式的に示す説明図である。ここで、ガスタンク検査処理が開始される際には、予め、チャンバ300内にガスタンク100が配置されて、ガスタンク100のバルブ110に、配管287および配管229が接続されている。また、流量制御弁V1〜V5は閉弁しているものとする。
ガスタンク検査処理が開始されると、制御部40は、まず、温度センサ320により初期のタンク温度Tt1を測定する(ステップS100)。次に制御部40は、ガスタンク100に対して、検知ガスであるヘリウムの供給を開始する(ステップS105)。具体的には、制御部40は、流量制御弁V1,V2を開弁状態、流量制御弁V3〜V5を閉弁状態にする。これにより、ヘリウムタンク200に収容されたヘリウムは、ヘリウム充填ラインHELを経由してガスタンク100に供給される。図3では、ヘリウムの供給を開始した時点を、時間t1として示している。
なお、本実施形態では、ガスタンク100に検知ガスを充填するための充填時間は、予め設定されている。ガスタンク100に充填される検知ガスの流量は、上記した予め設定された充填時間で、ガスタンク100内の圧力が予め定めた目標圧力(後述する第1の判定値P1)になるように定められている。そして、ステップS105では、ガスタンク100に充填される検知ガスの流量が、上記した予め定めた流量となるように、流量制御弁V1の開度が調節される。
その後、制御部40は、圧力センサ230によりタンク内圧力Ptを検出し、タンク内圧力Ptが第1の判定値P1以上になったか否かを判定する(ステップS110)。第1の判定値P1は、ガスタンク100に検査ガスを充填してガス漏れ検査を行なう際のタンク内の検知ガス濃度が、予め定めた値となるように、適宜設定すればよい。第1の判定値P1は、例えば、1MPaとすることができる。第1の判定値P1は、制御部40のROMに予め記憶されている。制御部40は、タンク内圧力Ptが第1の判定値P1以上になったと判定するまで、ヘリウムの供給を続行させつつ、ステップS110の判断を繰り返し実行する。タンク内圧力Ptが第1の判定値P1以上になると、制御部40は、ヘリウムの供給を停止する(ステップS115)。すなわち、流量制御弁V1,V2を閉弁状態にする。図3では、ヘリウムの供給を停止し温度が安定した時点を、時間t2として示している。
ステップS115においてヘリウムの供給を停止すると、次に制御部40は、温度センサ320により、ヘリウム充填後のタンク温度Tt2を測定する(ステップS120)。図3に示すように、時間t1においてヘリウムの供給を開始すると、タンク温度Ttは急激に上昇する。これは、ヘリウムの供給を開始することによりガスタンク100内に存在した空気が圧縮されて、いわゆる断熱圧縮様の現象により、温度が上昇するためである。その後、ガスタンク100からの放熱による温度低下、および、供給されたヘリウムガスの圧縮による温度上昇等の影響を受けるが、一般的に、ヘリウムガスの充填後(時間t2)のタンク温度Tt2は、ヘリウムガス供給開始時(時間t1)のタンク温度Tt1よりも高温となる。
その後、制御部40は、後述するステップS130においてガスタンク100に対して混合ガスを供給する際の目標温度Tg0を導出する(ステップS125)。目標温度Tg0の意義、および目標温度Tg0の求め方については、後に詳しく説明する。
続いて、制御部40は、液体窒素タンク210内の窒素を、ステップS125で導出した目標温度Tg0にてガスタンク100に充填する(ステップS130)。具体的には、制御部40は、流量制御弁V2〜V4を開弁状態、流量制御弁V1,V5を閉弁状態とし、液ポンプ240を駆動させる。これにより、液体窒素タンク210に収容された窒素は、常温ラインNOLまたは低温ラインNLLを経由してガスタンク100に供給される。常温ラインNOLを経由する比較的温度が高い窒素と、低温ラインNLLを経由する低温の窒素と、が混合されたガスは、「混合ガス」とも呼ぶ。
ステップS130では、流量制御弁V3,V4の開度により、常温ラインNOLを経由する窒素と低温ラインNLLを経由する窒素との混合比率を調節することによって、ガスタンク100に供給される窒素の温度が目標温度Tg0となるように温度調節している。流量制御弁V3,V4の開度は、目標温度Tg0毎に予め設定して制御部40内に記憶しておいてもよく、さらに、温度センサ220を用いて流入ガス温度Tgを検出し、流入ガス温度Tgが目標温度Tg0に近づくように、流量制御弁V3,V4の開度を調節してもよい。制御部40、流量制御弁V3,V4、および液ポンプ240は、本願発明に係る「温度調節部」を構成する。
なお、本実施形態では、ガスタンク100に混合ガスを充填するための充填時間は、予め設定されている。ガスタンク100に充填される混合ガスの流量は、上記した予め設定された充填時間で、ガスタンク100内の圧力が予め定めた目標圧力(後述する第2の判定値P2)になるように定められている。そして、ステップS130では、ガスタンク100に充填される混合ガスの流量が、上記した予め定めた流量となるように、流量制御弁V3,V4の開度が調節される。
その後、制御部40は、圧力センサ230によりタンク内圧力Ptを検出し、タンク内圧力Ptが第2の判定値P2以上になったか否かを判定する(ステップS135)。第2の判定値P2は、ガスタンク100においてタンク内圧力Ptの上限値として保証された圧力である使用上限圧力Pth以下、公称使用圧力Ptn以上の圧力として、適宜設定可能である。第2の判定値P2は、例えば80MPaとすることができる。第2の判定値P2は、制御部40のROMに予め記憶されている。制御部40は、タンク内圧力Ptが第2の判定値P2以上になったと判定するまで、混合ガスの供給を続行しつつ、ステップS135の判断を繰り返し実行する。タンク内圧力Ptが第2の判定値P2以上になると、制御部40は、混合ガスの充填を停止する(ステップS140)。すなわち、制御部40は、液ポンプ240の駆動を停止すると共に、流量制御弁V2〜V4を閉弁状態にする。これにより、ガスタンク100は、ガス漏れ検査に必要な圧力で混合ガスが充填された状態で、封止される。図3では、混合ガスの供給を停止した時点を、時間t3として示している。
図3に示すように、時間t2において混合ガスの供給を開始すると、タンク温度Ttは急激に上昇する。これは、混合ガスの供給を開始することによりガスタンク100内に存在したヘリウムガス等が圧縮されて、いわゆる断熱圧縮様の現象により、温度が上昇するためである。その後、ガスタンク100からの放熱による温度低下、および、供給された混合ガスの圧縮による温度上昇等の影響を受けるが、一般的に、混合ガスの充填完了時(時間t3)のタンク温度Tt4は、混合ガスの供給開始時(時間t2)のタンク温度Tt2よりも高温となる。なお、図3では、混合ガスの供給中にタンク温度Ttが到達する最高温度を、温度Tt3として示している。最高温度Tt3は、ガスタンク100に許容される温度の上限値である上限温度Tth以下とする必要がある。
ステップS140で混合ガスの供給を停止した後、制御部40は、ガスタンク100から漏れだした検知ガスのリーク量を測定する(ステップS145)。具体的には、制御部40は、リーク検出器310を制御してガスタンク100からチャンバ300に漏れだしたヘリウム(検知ガス)の量(リーク量)を測定する。測定したリーク量が、予め定めた基準値以上であれば、ガスタンク100においてガス漏れが生じていると判定する。
既述したように、混合ガスの充填を停止した時間t3においてタンク温度がTt4に達した後には、ガスタンク100からの放熱により、タンク温度Ttは若干低下する。それと共に、タンク内圧力Ptも若干低下し、その後安定する。本実施形態では、時間t3において混合ガスの供給を停止した後、予め定めた待ち時間を設定しており、タンク内圧力Ptが安定してからリーク量の測定を行なっている。リーク量の測定は、図3に示す時間t4において終了する。なお、混合ガスを充填する際の目標圧力である第2の判定値P2は、ステップS145においてリーク量を測定する際にも、タンク内圧力Ptが、ガスタンク100の公称使用圧力Ptnを超える圧力となるように、十分に高く設定することが望ましい。
測定の後、制御部40は、ガスタンク100の内部の検査ガスを排出し(ステップS150)、ガスタンク検査処理を終了する。具体的には、制御部40は、流量制御弁V5を開弁状態にすると共に、流量制御弁V1〜V4を閉弁状態にする。これにより、ガスタンク100に充填された検査ガスは、ガス排出ラインGELを経由して大気中に排出される。
図3に示すように、ステップS150においてガスタンク100から検査ガスを排出すると、タンク内圧力Ptが急激に低下すると共に、タンク温度Ttも急激に低下する。これは、ガスタンク100内において、いわゆる断熱膨張様の現象が生じるためである。図3では、検査ガスの排出開始時(時間t4)のタンク温度を温度Tt5として示し、その後にタンク温度Ttが低下したときに到達する最低温度を、温度Tt6として示している。
(A−3)目標温度Tg0について:
本実施形態では、ステップS125において混合ガスの目標温度Tg0を適切に設定することにより、ステップS150で検査ガスを放出する際の最低温度Tt6が、ガスタンク100に許容された温度の下限値である下限温度Ttl以上になるように制御している(図3参照)。より具体的には、混合ガスをガスタンク100に供給する前のタンク温度Tt2と、ガスタンク100の下限温度Ttlと、に基づいて、ステップS150で検査ガスを放出する際の最低温度Tt6が下限温度Ttl以上になるように、ステップS125における混合ガスの目標温度Tg0を設定している。なお、ガスタンク100の下限温度Ttlとは、例えば、ガスタンク100を構成する各材料の耐寒温度のうちの最も低い温度とすることができる。ガスタンク100を、例えば、樹脂ライナの表面を繊維強化プラスチック(FRP)で覆ったタンクとする場合には、ガスタンク100の下限温度Ttlは、ライナを構成する樹脂の耐寒温度として設定することができる。
本実施形態において、ガスタンク検査装置10が備える各部の熱容量は予め定まっている。また、ステップS130で混合ガスを充填する際の充填時間およびガス流量、混合ガスを充填する際の目標圧力(第2の判定値P2)、および、ステップS150で検査ガスを放出する際の放出時間も、予め設定されている。例えば、ガスタンクに供給するガスの温度が同じであっても、ガスタンクの熱容量が異なれば、ガスを充填した後にガスタンクが到達する温度は異なり、また、ガスを充填した後のガスタンクからの放熱量も異なる。また、ガスタンクにガスを充填する際の充填時間が短いほど、あるいは充填時の目標圧力が高いほど、ガスを充填した後にガスタンクが到達する温度は高くなる。本実施形態のガスタンク検査装置10では、上記したように、このようなガスタンクの温度に影響する各部の熱容量や、ガス充填やガス放出を含む検査時の条件が定まっている。
そのため、本実施形態では、混合ガスをガスタンク100に供給する前のタンク温度Tt2と、ガスタンク100に供給する混合ガス温度とが定まれば、混合ガスの充填時にガスタンク100が到達する最高温度Tt3、混合ガスの充填終了時のタンク温度Tt4、検査ガスの排出開始時のタンク温度Tt5、さらに、検査ガスを放出する際の最低温度Tt6が定まる。このとき、混合ガスをガスタンク100に供給する前のタンク温度Tt2、あるいはガスタンク100に供給する混合ガス温度が高いほど、上記した最高温度Tt3、タンク温度Tt4,Tt5、および最低温度Tt6が高くなる傾向がある。また、混合ガスをガスタンク100に供給する前のタンク温度Tt2、あるいはガスタンク100に供給する混合ガス温度が低いほど、上記した最高温度Tt3、タンク温度Tt4,Tt5、および最低温度Tt6が低くなる傾向がある。
本実施形態では、混合ガスをガスタンク100に供給する前のタンク温度Tt2と、ステップS130でガスタンク100に混合ガスを供給する際の混合ガスの温度と、ステップS150で検査ガスを放出する際の最低温度Tt6と、の関係を、予め実験的に調べて、マップとして制御部40に記憶している。ステップS125では、ステップS120で測定したタンク温度Tt2を用いて、上記マップを参照することによって、ガスタンク100が到達する最低温度Tt6が下限温度Ttl以上となるように、混合ガスを供給する際の目標温度Tg0を設定している。上記マップを記憶する制御部40は、本願発明に係る「記憶部」を含むといえる。
なお、上記マップは、混合ガスの充填時にガスタンク100が到達する最高温度Tt3を、パラメータとしてさらに備えることとしてもよい。そして、ステップS125では、上記マップを参照することで、ガスタンク100が到達する最高温度Tt3が上限温度Tth以下となり、ガスタンク100が到達する最低温度Tt6が下限温度Ttl以上となるように、混合ガスを供給する際の目標温度Tg0を設定してもよい。あるいは、混合ガスの目標温度Tg0の最高値として、予め定めたガス流量にて混合ガスを充填する場合にはタンク温度Ttが上限温度Tthを超えない温度を予め定めておいてもよい。目標温度Tg0を、このような最高値以下の値とする場合には、ステップS125で目標温度Tg0を導出する際に、ガスタンク100が到達する最高温度Tt3を考慮しなくてもよい。
また、混合ガスの目標温度Tg0を設定する際に、最高温度Tt3や最低温度Tt6に影響する他のパラメータを、さらに考慮してもよい。例えば、ガスタンク検査装置10の使用環境の温度変化が比較的大きく、ガスタンク100からの放熱量の変動が無視できない場合には、ガスタンク検査装置10に外気温センサをさらに設け、ステップS125で参照する既述したマップのパラメータとして、さらに外気温を加えることとすればよい。
また、混合ガスの目標温度Tg0は、混合ガスを供給する前のタンク温度Tt2に応じて連続的に変化する値を設定するのではなく、段階的に変化する値を設定してもよい。例えば、タンク温度Tt2が40℃以上のときには目標温度Tg0を−40℃に設定し、タンク温度Tt2が30℃以上、40℃未満のときには目標温度Tg0を−30℃に設定し、タンク温度Tt2が30℃未満のときには、目標温度Tg0を−20℃に設定することとしてもよい。
また、ステップS120で測定したタンク温度Tt2を用いて目標温度Tg0を設定する際に、既述したようにマップを参照するのではなく、計算により目標温度Tg0を求めることとしてもよい。例えば、ガスタンク100およびガスタンク検査装置10が備える各部の材質や形状に基づいて、これらの各部の熱容量、伝熱量および放熱量を特定し、タンク温度Tt2と、ガスタンク100に供給する混合ガス温度と、検査ガスの排出時にガスタンク100が到達する最低温度Tt6と、の関係を表わす近似式を予め作成してもよい。そして、この近似式に基づいて、最低温度Tt6が下限温度Ttl以上、上限温度Tth以下となるように、タンク温度Tt2に応じて混合ガスの目標温度Tg0を設定することとしてもよい。
既述した説明では、混合ガスをガスタンク100に供給する前のガスタンク100の温度として、検知ガスの充填後にステップS120で測定したタンク温度Tt2を用いたが、異なる構成としてもよい。例えば、タンク温度Tt2に代えて、ガスタンク100に検知ガスを供給する前にステップS100で測定したタンク温度Tt1を用いてもよい。ステップS105でガスタンク100に検知ガスを供給する際の検知ガスの流量および充填時間が予め定められているため、タンク温度Tt1が分かれば、検知ガスの充填完了時である時間t2におけるタンク温度Tt2が定まる。そのため、例えば、検知ガスをガスタンク100に供給する前のタンク温度Tt1と、ステップS130でガスタンク100に混合ガスを供給する際の混合ガスの温度と、ステップS150で検査ガスを放出する際の最低温度Tt6と、の関係を、予め実験的に調べて、マップとして制御部40に記憶しておけばよい。
また、混合ガスをガスタンク100に供給する前のガスタンク100の温度として、検知ガスの充填後にステップS120で測定したタンク温度Tt2に加えて、さらに、ガスタンク100に検知ガスを供給する前にステップS100で測定したタンク温度Tt1を用いてもよい。タンク温度Tt1は、タンク検査開始時の環境温度を反映する温度であるが、環境温度は、ガスタンク100に検知ガスを充填する際の放熱の程度に影響する。そのため、既述したようにタンク温度Tt2を用いて混合ガスの目標温度Tg0を導出する際に、タンク温度Tt1を用いて、例えばタンク温度Tt2と供給する混合ガス温度と最低温度Tt6との関係を修正することにより、目標温度Tg0を導出する際の精度を高めることができる。混合ガスの目標温度Tg0を導出する際に用いる混合ガスをガスタンク100に供給する前のガスタンク100の温度は、タンク温度Tt1およびタンク温度Tt2のうちの少なくとも一方であればよい。
以上のように構成された本実施形態のガスタンク検査装置10によれば、ガスタンク100の検査時において、ガス放出速度をより速くしても、ガス放出時の過剰な温度低下を抑えることができる。そのため、ガスタンク100の検査時間を短縮することが可能になる。すなわち、本実施形態では、混合ガスをガスタンク100に供給する前のガスタンク100の温度(Tt1および/またはTt2)と、ガスタンク100に供給する混合ガスの温度と、ガスタンク100に混合ガスを充填した後にガスタンク100からガスを放出させたときのガスタンク100の温度と、の関係に基づいて、ガスタンク100に供給する混合ガスの目標温度Tg0を設定している。そのため、ガスの放出速度をより速くしても、タンク温度Ttが到達する最低温度Tt6がガスタンク100の下限温度Ttlよりも低くなることを抑えることができる。
また、本実施形態では、充填ガス充填部24が、温度の異なる充填ガスを混合した混合ガスをガスタンク100に充填するため、十分に温度が低い混合ガスを充填することができ、ガス充填時におけるガスタンク100の過剰な温度上昇を抑えることが可能になる。そのため、混合ガスの充填速度をより速くすることが可能になる。これらの結果、ガスタンク100において、混合ガスの充填時の過剰な温度上昇の抑制と、ガス放出時の過剰な温度低下の抑制とを両立し、検査時間全体を短縮することが可能になる。
図4は、第1の比較例としてのガスタンク検査装置の制御部が実行するガスタンク検査処理の概要を示すフローチャートである。また、図5は、第1の比較例のガスタンク検査装置においてガスタンクに対して検知ガスおよび充填ガスを供給する際の、タンク温度Ttおよびタンク内圧力Ptの変化の様子を模式的に示す説明図である。第1の比較例のガスタンク検査装置は、図1に示す第1実施形態のガスタンク検査装置10と同様の構造を有しているため、共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
図4に示すように、第1の比較例は、混合ガスをガスタンク100に充填する前のタンク温度Tt1,Tt2を測定する工程(ステップS100,S120)、および、混合ガスの目標温度Tg0を導出する工程(ステップS125)を有しない点で、第1実施形態と異なる。そして、第1の比較例のステップS131では、予め設定された固定値である温度Tg1にて、混合ガスをガスタンク100に充填している。
このような構成とすれば、混合ガスを充填する際の温度Tg1を十分に低く設定することで、混合ガスの充填時にガスタンク100が到達する温度を、上限温度Tth以下に抑えることが可能になる。しかしながら、ステップS150におけるガス放出速度によっては、図5に示すように、ステップS150で到達するガスタンク100の最低温度Tt6が、下限温度Ttlよりも低くなることを、十分に抑えることができない場合がある。
図6は、第2の比較例としてのガスタンク検査装置の制御部が実行するガスタンク検査処理の概要を示すフローチャートである。第2の比較例のガスタンク検査装置は、図1に示す第1実施形態のガスタンク検査装置10と同様の構造を有しているため、共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
図6に示すように、第2の比較例は、混合ガスをガスタンク100に充填する前のタンク温度Tt1,Tt2を測定する工程(ステップS100,S120)、および、混合ガスの目標温度Tg0を導出する工程(ステップS125)を有しない点で、第1実施形態と異なる。そして、第2の比較例のステップS132では、温度センサ320を用いて逐次的にタンク温度Ttを検出し、タンク温度Ttが、上限温度Tth以下の特定の温度範囲となるように、ガスの混合割合を変更しつつ、ガスタンク100に混合ガスを供給する。
このような構成とすれば、検出したタンク温度Ttに基づいたガスの混合割合の変更を繰り返し行なうことで、混合ガスの充填時にガスタンク100が到達する温度を、上限温度Tth以下に抑えることが可能になる。しかしながら、第1の比較例と同様に、ステップS150においてガスを放出する際のガスタンク100の最低温度Tt6が、下限温度Ttlよりも低くなることを、十分に抑えることができない場合がある。
図7は、第1の比較例あるいは第2の比較例のガスタンク検査装置において、ステップS150のガス放出を、よりゆっくりと行なった場合の、タンク温度Ttおよびタンク内圧力Ptの変化の様子を模式的に示す説明図である。図7に示すように、ステップS150のガス放出の速度を抑えると、断熱膨張の速度が抑えられるとともにガスタンク100の外部から熱を吸収することによりタンク温度Ttの低下が抑制され、第1の比較例あるいは第2の比較例の場合であっても、ガスタンク100の最低温度Tt6が、下限温度Ttlより低くなることを避けることが容易になる。ただし、この場合には、ステップS150の期間が長期化するため、検査時間全体が、より長くなる。これに対して第1実施形態によれば、既述したように、第1あるいは第2の比較例とは異なり、ステップS150におけるガス放出時間をより短くしても、タンク温度Ttを下限温度Ttl以上にすることができる。
B.他の実施形態:
(B−1)混合ガスについて:
第1実施形態では、検査ガスとして検知ガスおよび充填ガスを用い、ガスタンク100に供給する混合ガスは、温度が異なる充填ガスを混合したガスとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、充填ガスを別途用意することなく、検査ガスとして純度が高い検知ガスである水素を用い、混合ガスとして、温度が異なる水素を混合したガスを用いてもよい。この場合には、例えば、図1のガスタンク検査装置10において、ヘリウムタンク200、配管221、減圧弁Vd1、および流量制御弁V1を設けることなく、液体窒素タンク210に代えて液体水素タンクを設ければよい。そして、図2に示すガスタンク検査処理では、ステップS120以降の処理を実行すればよい。この場合にも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第1実施形態では、混合ガスとして用いる窒素を、液体窒素の状態で液体窒素タンク210に収容したが、異なる構成としてもよい。例えば、窒素を気体の状態で収容するタンクを用い、窒素ガスを冷却する構造をさらに設けて、温度の異なる窒素ガスを用意する構成としてもよい。
また、第1実施形態では、混合ガスは常温ラインNOLを経由する窒素と、低温ラインNLLを経由する窒素という、温度が異なる2つのガスを混合しているが、異なる構成としてもよい。例えば、温度が異なる3以上のガスを混合してもよく、温度が異なる複数のガスを混合すればよい。
(B−2)検知ガスの供給について:
第1実施形態では、ステップS105において、検知ガスであるヘリウムのみをガスタンク100に供給したが、異なる構成としてもよい。例えば、ガスタンク検査装置において、ガスタンク100への供給に先立って検知ガスと充填ガスとを混合する混合部(バッファ)を設けることとしてもよい。そして、ステップS130で充填ガスを充填する動作に先立って、ステップS105において、検知ガスを充填ガスと混合した状態でガスタンク100に供給することとしてもよい。
(B−3)充填ガスについて:
第1実施形態では、充填ガスとして窒素のみを用いたが、複数種類のガスを、充填ガスとして用いてもよい。例えば、充填ガスとして用いるガスのうち、より温度が低いガスと、より温度が高いガスとで、異なる種類の不活性ガスを用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…ガスタンク検査装置
20…ガス充填部
22…検知ガス充填部
24…充填ガス充填部
30…ガス漏れ検出部
40…制御部
50…ガス放出部
100…ガスタンク
110…バルブ
200…ヘリウムタンク
210…液体窒素タンク
220,320…温度センサ
221,226,227,228,229,287…配管
230…圧カセンサ
240…液ポンプ
250…熱交換器
300…チャンバ
310…リーク検出器
GEL…ガス排出ライン
HEL…ヘリウム充填ライン
NLL…低温ライン
NOL…常温ライン
V1〜V5…流量制御弁
Vd1…減圧弁

Claims (1)

  1. ガスタンク内に充填されたガスに含まれる成分を前記ガスタンクの外部で検出して、前記ガスタンクからのガス漏れを検知するガスタンク検査装置であって、
    温度の異なる複数のガスを混合した混合ガスを前記ガスタンクに供給するガス供給部と、
    前記混合ガスが供給された前記ガスタンクの外部において、前記成分を検出するガス漏れ検出部と、
    前記ガス漏れ検出部による検出の後に、前記ガスタンクに充填されたガスを前記ガスタンクから放出させるガス放出部と、
    前記ガスタンクの温度を検出する温度センサと、
    前記混合ガスを前記ガスタンクに供給する前の前記ガスタンクの温度と、前記ガス供給部が前記ガスタンクに供給する前記混合ガスの温度と、前記ガス供給部が前記ガスタンクに前記混合ガスを供給した後に前記ガス放出部が前記ガスタンクに充填されたガスを放出させたときの前記ガスタンクの温度と、の関係を記憶する記憶部と、
    を備え、
    前記ガス供給部は、前記複数のガスの混合比率によって前記混合ガスの温度を調節する温度調節部を備え、
    前記温度調節部は、前記温度センサが検出した前記ガスタンクの温度であって、前記混合ガスを前記ガスタンクに供給する前の前記ガスタンクの温度と、前記ガスタンクに許容された温度の下限値である下限温度と、前記記憶部に記憶された前記関係と、に基づいて、前記ガス放出部が前記ガスタンクに充填されたガスを放出させたときの前記ガスタンクの温度が、前記下限温度以上になるように、前記混合ガスの温度を調節する
    ガスタンク検査装置。
JP2017145405A 2017-07-27 2017-07-27 ガスタンク検査装置 Active JP6881130B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017145405A JP6881130B2 (ja) 2017-07-27 2017-07-27 ガスタンク検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017145405A JP6881130B2 (ja) 2017-07-27 2017-07-27 ガスタンク検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019027474A true JP2019027474A (ja) 2019-02-21
JP6881130B2 JP6881130B2 (ja) 2021-06-02

Family

ID=65478014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017145405A Active JP6881130B2 (ja) 2017-07-27 2017-07-27 ガスタンク検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6881130B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220020454A (ko) * 2020-08-11 2022-02-21 엘아이지넥스원 주식회사 냉각방식을 이용한 고압용기 질소 충진 시스템 및 이의 제어 방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11270792A (ja) * 1998-02-03 1999-10-05 Praxair Technol Inc 極低温流体シリンダ充填システム
JP2011089620A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Toyota Motor Corp ガス充填装置
JP5775486B2 (ja) * 2012-04-25 2015-09-09 トヨタ自動車株式会社 ガスタンク検査装置、および、ガスタンク検査方法
JP2018115697A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 トヨタ自動車株式会社 ガスタンク用のライナーおよびガスタンク

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11270792A (ja) * 1998-02-03 1999-10-05 Praxair Technol Inc 極低温流体シリンダ充填システム
JP2011089620A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Toyota Motor Corp ガス充填装置
JP5775486B2 (ja) * 2012-04-25 2015-09-09 トヨタ自動車株式会社 ガスタンク検査装置、および、ガスタンク検査方法
JP2018115697A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 トヨタ自動車株式会社 ガスタンク用のライナーおよびガスタンク

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220020454A (ko) * 2020-08-11 2022-02-21 엘아이지넥스원 주식회사 냉각방식을 이용한 고압용기 질소 충진 시스템 및 이의 제어 방법
KR102372827B1 (ko) 2020-08-11 2022-03-11 엘아이지넥스원 주식회사 냉각방식을 이용한 고압용기 질소 충진 시스템 및 이의 제어 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6881130B2 (ja) 2021-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4877434B2 (ja) ガス充填装置及びガス充填方法
JP6793259B2 (ja) 水素燃料補給システム
JP5428755B2 (ja) ガス充填装置
US10767925B2 (en) Method for dehydration and critical point drying
JP2012047234A (ja) ガス充填装置
CN112389277A (zh) 一种燃料电池车辆及其氢安全控制方法、装置和系统
JP2018507995A (ja) タンクに加圧ガスを充填する方法
JP4327559B2 (ja) 燃料充てん方法
KR101445751B1 (ko) 열교환을 이용한 극저온 밸브의 유체 누설량 측정장치
JP6881130B2 (ja) ガスタンク検査装置
JP2004157068A (ja) ガス透過率測定装置
US20180024026A1 (en) System And Method For Integrity Testing Of Flexible Containers
CN109373178B (zh) 用于检测低温绝热气瓶蒸发率的低温液体充装方法及系统
JP2008111716A (ja) リーク検査装置
JP7273596B2 (ja) 流量算出装置、流量算出システム、及び、流量算出装置用プログラム
JP2010001919A (ja) ガス充填方法及びガス充填装置
JP5708554B2 (ja) ガスタンク検査装置、および、ガスタンク検査方法
JP5775486B2 (ja) ガスタンク検査装置、および、ガスタンク検査方法
CN103808759A (zh) 一种燃烧法燃气热值测量装置的配气系统
JP5712037B2 (ja) 内容量推定装置
CN114459767B (zh) 一种火箭发动机低温供应系统特性模拟方法
JP2017106738A (ja) タンクの気密検査方法
JP5733265B2 (ja) ガス充填装置、ガスタンク検査装置及びガスタンク検査方法
JP6122230B1 (ja) 液化ガス供給方法
JP6600334B2 (ja) 宇宙環境試験装置、及び宇宙環境試験装置の運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210419

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6881130

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151