JP2019027416A - 燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法 - Google Patents

燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法 Download PDF

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智 飯塚
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修 向原
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史博 板羽
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明靖 宮本
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Abstract

【課題】燃料噴射装置内のコンタミを適切に除去する。【解決手段】ECU101は、燃料が噴射される噴孔を閉弁可能な弁体303のリフト量を変更可能なエンジン用の燃料噴射弁108を制御するECU101であって、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出すると共に、弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、弁体303のリフト量を、閉弁不可状態判断タイミング1201に対応する弁体303のリフト量よりも大きくするように制御する制御部102を備える。【選択図】図14

Description

本発明は、燃料噴射装置(燃料噴射弁)の燃料が噴射される噴孔を開弁可能な弁体のリフト量を制御する、燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御駆動方法に関する。
従来、燃料を内燃機関のシリンダ内に直接噴射(以下、直噴)する高圧燃料噴射弁が知られている。例えば、高圧燃料噴射弁として、その弁体のリフト量によって噴孔から噴射される燃料の噴射量を調整可能な燃料噴射弁が、知られている。高圧燃料噴射弁では、弁体は、例えば、ソレノイドと可動子とによる磁気吸引力によって駆動される。この種の高圧燃料噴射弁では、例えば、可動子とその可動子が衝突する非衝突部とのギャップ(間隔)に応じてフルリフト量が固定されている。
燃料噴射弁においては、燃料が噴射される噴孔に至るまでの燃料通路に侵入するコンタミネーション(以下、コンタミ)と、燃焼時に発生するススなどが燃料噴射弁の先端の外表面に付着するデポジットとより、燃料の噴射が阻害される。このため、コンタミと、デポジットとに対する対策が必要である。例えば、デポジットに対する対策として、特許文献1には、ポート噴射用の燃料噴射弁による燃料の噴射を直噴用の燃料噴射弁による燃料の噴射に切り替えて、直噴用の燃料噴射弁による燃料の噴射量を増やすことによって、直噴用の燃料噴射弁に付着したデポジットを洗浄する方法が開示されている。また、デポジットに対する対策として、特許文献2には、燃料噴射弁のリフト量を小さくして噴射される燃料の流速を速めることによって、洗浄能力を向上させる方法が開示されている。これに対して、コンタミに対する洗浄手法は、何れの特許文献にも開示されていない。
コンタミに対する対策として、燃料噴射弁は、上流に配される燃料ポンプからコモンレールに至る燃料に混入するコンタミが燃料噴射弁の内部に侵入するのを防ぐため、燃料通路の上流側にフィルタを有しているものがある。この燃料噴射弁においては、フィルタのメッシュサイズよりも大きいコンタミが、燃料噴射弁内に、侵入しないようになっている。
特開2009−257100号公報 特開2013−185514号公報
近年は、燃費、排気ガス性能向上を狙った多段噴射が用いられるようになり、弁体のリフト量がフルリフト量よりも小さいリフト量で燃料を噴射することがある。従って、リフト量によっては、フィルタのメッシュサイズよりも小さいコンタミや燃料噴射弁内の部品間の摩耗で発生したコンタミを弁体と弁座との間で噛み込むリスクが高くなる。コンタミの噛み込みが発生した場合には、燃料噴射弁の閉弁動作が実施できなくなり、燃料が噴射され続ける。これにより、回復不能な内燃機関の障害(例えば、エンジンブロー)を発生させてしまうことがある。従って、コンタミの噛み込みが発生した場合の対応が必要となる。
例えば、コンタミの噛み込みを防止する方法として、フィルタのメッシュサイズを細かくすることが考えられるが、フィルタのメッシュサイズを細かくした場合には、フィルタでコンタミが補足され易くなり、フィルタに蓄積するコンタミの量が増加するため、燃料噴射時の圧力損失が増加し、燃料噴射量が減少してしまうことや、フィルタの破損を招くことが発生する虞がある。
そこで、本発明の目的は、燃料噴射装置内のコンタミを適切に除去することにある。
本発明の一観点に係る燃料噴射制御装置は、燃料が噴射される噴孔を閉弁可能な弁体のリフト量を変更可能な内燃機関用の燃料噴射装置を制御する燃料噴射制御装置であって、前記弁体の動作状態が異常であるか否かを検出する弁動作異常検出部と、前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、前記弁体のリフト量を、前記弁体の動作異常時に対応する当該弁体のリフト量よりも大きくするように制御するリフト制御部と、を備える。
本発明によれば、燃料噴射装置内のコンタミを適切に排出することが可能となる。
実施例1に係る内燃機関システムを示す構成図。 実施例1に係る燃料噴射弁駆動部及びその周辺回路を示す回路図。 実施例1に係る燃料噴射弁の一部拡大構成図。 実施例1に係る燃料噴射弁の動作の一例を示す図。 実施例1に係る燃料噴射弁のリフト量の変化を説明する図。 実施例1に係る燃料噴射弁における噴射量特性を示す図。 実施例1に係る燃料噴射弁のハーフリフト制御を説明する図。 実施例1に係る燃料噴射弁のリフト量と弁速度との関係を説明する図。 実施例1に係る噴射パルス、駆動電圧、駆動電流、及びリフト量の関係を説明する図。 実施例1に係る駆動電流及び駆動電圧それぞれの変曲点を説明する図。 実施例1に係る燃料噴射弁の閉弁不可状態を説明する図。 実施例1に係る内部洗浄噴射を説明する図。 実施例1に係る再内部洗浄噴射を説明する図。 実施例1に係る燃料噴射制御処理のフローチャート。 実施例2に係る内部洗浄噴射の一例を説明する図。 実施例2に係る内部洗浄噴射の他の例を説明する図。 実施例3に係る内部洗浄噴射後の点火タイミングの変更の一例を説明する図。 実施例3に係る内部洗浄噴射後の点火タイミングの変更の他の例を説明する図。
幾つかの実施例を、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る内燃機関システムを示す構成図である。
内燃機関システム100は、「内燃機関」の一例としてのエンジン(図示せず)と、「燃料噴射制御装置」の一例としてのECU(Engine Control Unit)101と、「燃料噴射装置」の一例としての燃料噴射弁108とを備える。エンジンは、例えば、直列4気筒のガソリンエンジンである。ECU101は、入力された各種信号に基づいて、各種処理を実行する。例えば、ECU101は、電磁ソレノイド式の燃料噴射弁108を制御する。燃料噴射弁108は、エンジンのシリンダ内に燃料を噴射する筒内噴射式(DIG)の燃料噴射弁である。
ECU101は、「弁動作異常検出部」、「リフト制御部」及び「点火タイミング変更部」の一例としての制御部102と、駆動IC(Integrated Circuit)105と、高電圧生成部106と、燃料噴射弁駆動部107a,107bとを備える。高電圧生成部106と、燃料噴射弁駆動部107aとには、図示しないバッテリから供給されるバッテリ電圧109が、ヒューズ103及びリレー104を介して供給される。
制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(記録装置)と、I/Oポートとを備えるマイクロコンピュータ(マイコン)によって構成されている。制御部102は、パルス信号演算部102aと、駆動波形指令部102bとを有する。
パルス信号演算部102aは、入力されるパラメータ(例えば、センサ等が検出したセンサ値)に基づいて、燃料噴射弁108を駆動させるための燃料噴射パルス信号(以下、パルス信号)の幅(通電時間)を決定し、駆動IC105に出力する。入力されるパラメータとしては、例えば、燃料温度、冷却水温、潤滑油温、燃料圧力等がある。
駆動波形指令部102bは、前述したパラメータに基づいて、燃料噴射装弁108を駆動させるための電流の駆動波形を決定し、駆動IC105に指令(要求)として出力する。
駆動IC105には、パルス信号演算部102aの出力と、駆動波形指令部102bからの指令とに基づいて、燃料噴射弁108の駆動期間(通電時間)、駆動電圧の選択(高電圧110又はバッテリ電圧109の何れとするかの選択)、及び駆動電流の設定値が設定される。駆動IC105は、この設定に従って、高電圧生成部106及び燃料噴射弁駆動部107a,107bを駆動する。
高電圧生成部106は、バッテリ電圧109から、燃料噴射弁108が備える弁体303(図3参照)を開弁する際に燃料噴射弁108に供給する高い電源電圧(高電圧110)を生成し、燃料噴射弁駆動部107aに供給する。具体的には、高電圧生成部106は、駆動IC105からの指令に基づいて、所望の目標高電圧に至るようにバッテリから供給されるバッテリ電圧109を昇圧し、バッテリ電圧109よりも高い高電圧110を生成する。これにより、燃料噴射弁108に電圧を供給する電源としては、弁体303の開弁力確保を目的とした高電圧110と、開弁した後に弁体303が閉弁しないように開弁保持をさせるバッテリ電圧109との2系統の電圧が備わる。
燃料噴射弁駆動部107aは、燃料噴射弁108のコイル305(図3参照)の上流側に電気的に接続されている。燃料噴射弁駆動部107aは、燃料噴射弁108への電圧の供給を制御すると共に、供給する電圧(高電圧生成部106によって生成された高電圧110又はバッテリ電圧109)を選択する。
燃料噴射弁駆動部107bは、燃料噴射弁108のコイル305の下流側に電気的に接続されている。燃料噴射弁駆動部107bは、駆動IC105を介した制御部102による制御に基づいて、燃料噴射弁108を接地するか否かを切替える。
次に、燃料噴射弁駆動部107a,107bを詳細に説明する。
図2は、燃料噴射弁駆動部及びその周辺回路を示す回路図である。
燃料噴射弁駆動部107aは、ダイオード201と、駆動回路203と、ダイオード202と、駆動回路204とを備える。ダイオード201は、一端が高電圧生成部106と電気的に接続され、他端が駆動回路203と電気的に接続されている。ダイオード201は、高電圧生成部106への電流の逆流を防止する。駆動回路203は、例えば、トランジスタであり、コレクタがダイオード201と電気的に接続され、ベースが駆動IC105と電気的に接続され、エミッタが燃料噴射弁108(具体的には、コイル305)と電気的に接続されている。駆動回路203は、駆動IC105からベースに入力される信号に基づいて、ダイオード201から燃料噴射弁108への電流の供給を制御する。
ダイオード202は、一端がバッテリ電圧109と電気的に接続され、他端が駆動回路204と電気的に接続されている。ダイオード202は、バッテリ電圧109への電流の逆流を防止する。駆動回路204は、例えば、トランジスタであり、コレクタがダイオード202と電気的に接続され、ベースが駆動IC105と電気的に接続され、エミッタが燃料噴射弁108(具体的には、コイル305)と電気的に接続されている。駆動回路204は、駆動IC105からベースに入力される信号に基づいて、ダイオード202から燃料噴射弁108への電流の供給を制御する。
燃料噴射弁駆動部107aは、制御部102からの出力及び指令に基づいて、駆動IC105から駆動回路203をONにする信号が入力された場合、高電圧生成部106で生成された高電圧110を燃料噴射弁108に印加し、駆動IC105から駆動回路204をONにする信号を入力された場合、バッテリ電圧109を燃料噴射弁108に印加する。
燃料噴射弁駆動部107bは、駆動回路205と、シャント抵抗206とを備えている。駆動回路205は、例えば、トランジスタであり、コレクタが燃料噴射弁108と電気的に接続され、ベースが駆動IC105と電気的に接続され、エミッタがシャント抵抗206と電気的に接続されている。駆動回路205は、駆動IC105からベースに入力される信号に基づいて、燃料噴射弁108からシャント抵抗206への電流の供給を制御する。シャント抵抗206は、一端が駆動回路205に電気的に接続され、他端が接地されている。シャント抵抗206は、抵抗間に流れる電流を検知し、駆動IC105に出力する。
燃料噴射弁駆動部107bは、制御部102からの指令に基づいて、駆動IC105から駆動回路205をONにする信号が入力されると、シャント抵抗206の抵抗間に流れる電流を検知する。
次に、燃料噴射弁108の構成及び動作について説明する。
図3は、燃料噴射弁の一部拡大構成図である。図3(a)は、燃料噴射弁108のコイル305が通電されていない状態を示す。図3(b)は、駆動電流をコイル305に供給した直後の状態を示す。図3(c)は、小リフト範囲のフルリフト量の状態を示す。図3(d)は、大リフト範囲のフルリフト量の状態を示す。
燃料噴射弁108は、第一可動コア301と、第二可動コア302と、弁体303と、固定コア304と、固定コア304に巻回されたコイル305と、燃料を噴射する噴孔が形成された弁座306と、スプリング308とを有する。
図3(a)に示すように、コイル305が通電されていない状態では、コイル305による磁束が発生していないので、第一可動コア301及び第二可動コア302に対する磁気吸引力はゼロである。このため、第一可動コア301及び第二可動コア302は、固定コア304側に吸引されず、弁体303は、スプリング308によって弁座306側に付勢されて、下流端が弁座306に当接した閉弁状態となっている。このため、弁座306の噴孔が開放されておらず、燃料噴射は行われない。
図3(b)に示すように、弁体303をリフトさせるための駆動電流がコイル305に供給されると、第一可動コア301及び第二可動コア302が磁気吸引力によって固定コア304側に吸引される。これにより、弁体303の上流側に設けられたフランジと、第二可動コア302との間の間隔St0(予備リフト。図3(a)参照。)がゼロになる。この状態では、弁体303が閉弁状態を維持しており、燃料噴射は行われない。
図3(c)に示すように、図3(b)の状態から弁体303を更にリフトさせるための駆動電流がコイル305に供給されると、図3(b)の状態よりも更に第一可動コア301及び第二可動コア302が磁気吸引力によって固定コア304側に吸引される。これにより、第一可動コア301は、固定コア304に当接する。このとき、第二可動コア302は、下流端が第一可動コア301と接触した状態が維持されている。この場合には、弁体303のフランジが、第2可動コア302の上流端の内周面によって、上流端の外周面が固定コア304に当接する手前の位置まで押し上げられる。これにより、弁体303の下流端が弁座306から離れて、弁座306の噴孔への燃料流路が形成され、開弁状態となる。図3(c)に示す状態では、弁体303のリフト量は、St1(第1量)となる。ここで、コイル305に供給する駆動電流を適切に制御することにより、図3(c)に示すように、第二可動コア302の下流端が第一可動コア301と接触した状態で、第一可動コア301を固定コア304に当接した状態で維持させることができる。すなわち、弁体303のリフト量をSt1(第1量)で安定させることができる。本実施例では、このように、第二可動コア302の下流端が第一可動コア301と接触した状態で、第一可動コア301を移動させることにより実現できるリフト範囲、すなわちリフト量が0からSt1までのリフト範囲を小リフト範囲(第1リフト範囲)ということとする。この小リフト範囲における弁体303のフルリフトは、図3(c)に示す状態に対応し、このフルリフト時のフルリフト量は、St1となる。
図3(d)に示すように、図3(c)の状態から更に弁体303をリフトさせるための駆動電流がコイル305に供給されると、図3(c)の状態よりも更に第二可動コア302が磁気吸引力によって固定コア304に吸引される。この結果、第二可動コア302が、第一可動コア301から離れて上昇し、弁体303のフランジを押し上げながら固定コア304に当接する。これにより、弁体303が更に弁座306から離れ、図3(c)に示す状態よりも更に開弁した状態となる。このときに、弁体303のリフト量は、St1+St2となる。本実施例では、第一可動コア301が固定コア304に当接した後に、第二可動コア302が第一可動コア301から離れて上昇することにより実現される弁体303のリフト範囲、すなわち、リフト量が小リフト範囲のフルリフト量であるSt1よりも大きく、St1+St2となるまでの範囲を、大リフト範囲(第2リフト範囲)ということとする。大リフト範囲における弁体303のフルリフトは、図3(d)に示す状態に対応し、このフルリフト量は、St1+St2(第2量)となる。
図4は、燃料噴射弁の動作の一例を示す図である。図4には、パルス信号と、燃料噴射弁108に供給される駆動波形の電流の変化と、弁体303のリフト量とを示している。
制御部102には、燃料噴射弁108を駆動するために、燃料噴射弁108の特性に基づき、駆動電流プロフィール402が予め設定されており、この駆動電流プロフィール402による燃料噴射弁108の噴射量特性が記録されている。制御部102は、エンジンの運転状態(吸入空気量)と、燃料噴射弁108の噴射量特性とに基づいて、燃料噴射弁108の駆動指令時間(パルス信号)401を算出して、パルス信号401のONとOFFとを制御する。
駆動IC105は、制御部102で算出された所望の噴射タイミングの時点T404からパルス信号401をONにして、予め制御部102内に記憶されている駆動電流プロフィール402に従って、燃料噴射弁108の電流を印加することになる。
駆動電流プロフィール402は、燃料噴射弁108を開弁する開弁ピーク電流の電流値402a、開弁を保持する第1保持電流の電流値402b、及び第2保持電流の電流値402cなどの複数の目標電流値から構成される。駆動IC105は、予め設定された制御シーケンスに基づいて、パルス信号401をONにする時点T404からパルス信号401をOFFにする時点T408まで駆動電流プロフィール402に応じた駆動電流を燃料噴射弁108に対して印加する。
次に、燃料噴射弁108の弁体挙動(リフト量403)について説明する。パルス信号401がONとなった時点T404から駆動電流プロフィール402が開弁ピーク電流の電流値402aに至るまで、高電圧110が燃料噴射弁108のコイル305に印加される。弁体303は、燃料噴射弁108に固有の電気的特性に基づく残留磁場が所定量となった時点T405から、第一可動コア301及び第二可動コア302が開弁方向に移動を開始し、これら第一可動コア301及び第二可動コア302に引き上げられて開弁を始める。その後も、ピーク電流の電流値402aに至るまで弁体303に開弁力の付与が持続することによって、弁体303は、開弁動作を継続する。このため、第一可動コア301及び第二可動コア302が固定コア304に到達し、弁体303は、フルリフト量に至る(時点T406)。その際、余剰な開弁力により、弁体303は、バウシング動作410が暫く生じた後、安定した開弁状態へ移行する(時点T407)。その後、パルス信号401をOFFにする時点T408まで完全に弁体303が開いた状態を持続した後、燃料噴射弁108の残留磁場が低下し、閉弁動作を経て、完全に弁体303が閉弁する(時点T409)。
図5は、燃料噴射弁108のリフト量の変化を説明する図である。
燃料噴射弁105は、小リフト範囲用の駆動電流が供給されると、弁体303のリフト量が符号501に示すような変化となり、大リフト範囲用の駆動電流が供給されると、弁体303のリフト量が符号502に示すような変化となる。
次に、図4の駆動電流プロフィール402を用いた場合の燃料噴射弁における噴射量特性について、説明する。
図6は、燃料噴射弁における噴射量特性を示す図である。図6において、図4に対応する部分は、図4と同一の符号を用いる。
噴射量特性は、駆動電流プロフィール402(図4参照)と、パルス信号401(図4参照)がONになっている期間とに基づいて決定される。このパルス信号401の長さを横軸とし、燃料噴射量を縦軸とした場合の噴射量特性を、図6中のグラフ601に示す。これを詳しく述べると、弁体303が開弁して、燃料噴射量が増加を始めるパルス信号401の幅(以下、パルス幅)の時点T405から、弁体303がフルリフト量に至るパルス幅の時点T406までのパルス幅範囲602では、パルス幅が長くなる程、弁体303のリフト量が大きくなり、燃料噴射量が増加する。このパルス幅範囲602では、弁体303の開弁速度に応じて燃料噴射量が決定されるため、符号601に示すように増加する。第一可動コア301が固定コア304に衝突するパルス幅の時点T406から時点T407までのパルス幅範囲603では、前述のバウシング動作410によって、噴射量特性にもバウシングが生じる。バウンシングが収束するパルス幅の時点T407以降のパルス幅範囲604では、弁体303がフルリフト位置を維持するため、符号601bに示すように、パルス幅に比例して増加する。
次に、燃料噴射弁108のハーフリフト制御について説明する。
図7は、燃料噴射弁のハーフリフト制御を説明する図である。図7において、図4と対応する部分は、図4と同一の符号を用いる。
ハーフリフト制御とは、フルリフト量に至らないリフト量まで弁体303をリフトする制御である。具体的には、駆動電流プロフィール402をフルリフト量に至らない所望のリフト量に応じて変化させる制御である。以下、弁体303のフルリフト量711よりもリフト量が小さい、3つの異なるリフト量に制御するための大ハーフリフト制御、中ハーフリフト制御、及び小ハーフリフト制御の3つのハーフリフト制御について説明する。
例えば、大ハーフリフト制御では、弁体303のリフト量の変化710の最大値を、
弁体303のフルリフト量711よりも小さくするため、駆動電流プロフィール707は、通常の駆動電流プロフィール402よりも開弁ピーク電流の電流値が小さい。そのとき、制御部102は、パルス信号701を時点T704でOFFにする。
中ハーフリフト制御では、弁体303のリフト量の変化709の最大値を、大ハーフリフト制御の弁体303のリフト量の変化710の最大値よりも小さくするため、駆動電流プロフィール706は、駆動電流プロフィール707の開弁ピーク電流の電流値よりも小さい。このとき、制御部102は、パルス信号701を時点T703でOFFにする。
小ハーフリフト制御では、弁体303のリフト量の変化708の最大値を、中ハーフリフト制御の弁体303のリフト量の変化709の最大値よりも小さくするため、駆動電流プロフィール705は、駆動電流プロフィール706の開弁ピーク電流の電流値よりも小さくし、パルス信号701を時点T702でOFFにする。
次に、閉弁不可状態について説明する。
燃料噴射弁108の弁体303が前述したように開弁することによって、弁体303と弁座306との隙間を通って燃料が噴射される。逆に閉弁することによって、その隙間が無くなるため、燃料の噴射が停止される。弁体303と弁座306との隙間よりも小さいコンタミが燃料噴射弁108内に侵入した場合、その隙間を通って燃料を噴射すると、それに伴ってコンタミが排出されるため、弁体303と弁座306との間にコンタミが挟まる噛み込みは発生し難い。一方、その隙間より大きいコンタミが燃料噴射弁108内に侵入した場合、その隙間にコンタミが堆積し、その隙間で噛み込みが発生することがある。噛み込みが発生した場合、閉弁不可状態となるため、燃料が噴き続ける。
このような燃料が噴き続ける状態になることを防ぐため、燃料噴射弁108には、供給された燃料を濾過するためのフィルタ(図示せず)が取付けられている。このフィルタは、小リフト範囲のフルリフト時に発生する弁体303と弁座306との隙間より大きいコンタミを補足できるように、メッシュサイズが小リフトのフルリフト量St1と同程度のサイズに設計されている。このため、小リフト範囲のフルリフト量St1よりも小さいリフト量で弁体303を駆動する場合、その小さいリフト量のときの隙間より大きいコンタミが噛み込まれて、燃料が噴き続ける可能性がある。
本実施例では、小リフトの使用時に、制御部102が閉弁不可状態を検知する。具体的には、制御部102は、開弁動作時には弁体303を移動させる第一可動コア301の加速度変化を駆動電流の変化に基づいて検知し、閉弁動作時には弁体303を移動させる第一可動コア301の加速度変化を駆動電圧の変化に基づいて検知する。制御部102は、閉弁不可状態となっていることを検知した場合、リフト量を変化させる内部洗浄噴射を実施する。
次に、閉弁不可状態の検出方法について、図8を用いて説明をする。
図8は、燃料噴射弁のリフト量と弁速度との関係を説明する図である。
弁体303と弁座306との隙間にコンタミが噛み込まれていない正常の場合、弁体303のリフト量に対する弁速度は、開弁動作時には点線801となり、閉弁動作時には点線806となる。一方、弁体303と弁座306との隙間にコンタミが噛み込まれた閉弁不可状態の場合、弁体303のリフト量に対する弁速度は、開弁動作時には実線802となり、閉弁動作時には実線807となる。以下、開弁動作時及び閉弁動作時それぞれの動作時における閉弁不可状態の弁体303のリフト量に対する弁速度について説明する。
閉弁不可状態の場合、開弁動作時、弁体303の動作開始点803は、正常時の弁体303の動作開始点よりもコンタミの厚み分だけ上昇している。そのため、閉弁不可状態の弁体303のリフト量は、正常時の弁体303のフルリフト量よりも減少する。弁体303は、開弁動作時、第一可動コア301に向かって加速を続けながら開弁方向に移動する。そのため、閉弁不可状態の弁体303がフルリフト量804に至ったときの弁速度は、正常時の弁体303がフルリフト量に至ったときの弁速度805よりも低下する。この変化は、駆動電流と駆動電圧とに発生する変曲点の正常時との差異に基づいて検出することができる。
閉弁不可状態の場合、閉弁動作時、弁体303の動作終了点809は、正常時の弁体303の動作終了点よりもコンタミの厚み分だけ上昇する。そのため、閉弁不可状態にフルリフト量から動作終了点809に至るまでの弁体303のリフト量808は、正常時の弁体303のリフト量に比べて減少する。弁体303は、開弁動作時、その弁体303の上流部側に取り付けられたスプリング308によって加速を続けながら閉弁方向に移動する。そのため、閉弁不可状態にフルリフト量から動作終了点809に至るまでの弁速度は、正常時にフルリフト量から動作終了点に至るまでの弁速度よりも低下する。この変化も、駆動電流と駆動電圧とに発生する変曲点の正常時との差異に基づいて検出可能である。
具体的には、上記したそれら変曲点は、第一可動コア301の動作変化に影響を受ける。つまり、開弁動作時及び閉弁動作時それぞれの動作時の弁速度が、正常時に比べて減少することによって、第一可動コア301及び第二可動コア302の移動速度も正常時に比べて減少するため、駆動電流と駆動電圧とに発生する変曲点の有無や位置が変化する。従って、制御部102は、この変化を検知することによって、閉弁不可状態を検知することが可能になる。制御部102は、この検知に基づいて、後述する閉弁不可状態判断フラグ1203を立てる。
図9は、噴射パルス、駆動電圧、駆動電流、及びリフト量の関係を説明する図である。
制御部102は、開弁動作を開始させるため、噴射パルスをONにし、駆動電圧を上昇させ、駆動電流を徐々に上昇させる。開弁動作開始後、制御部102は、駆動電流がピーク電流に至ると、駆動電圧を低下させた後に0V以上で保持させることによって、弁体303のリフト量は、フルリフト量となる。制御部102は、噴射パルスをOFFにし、駆動電流を低下させて、リフト量を減少させて閉弁させる。
図10は、駆動電流及び駆動電圧それぞれの変曲点を説明する図である。
制御部102は、開弁動作時及び閉弁動作時それぞれの動作時に、駆動電流及び駆動電圧それぞれを2階微分した値を算出する。弁体303と弁座306との隙間にコンタミが噛み込まれた場合、駆動電流及び駆動電圧それぞれには、コンタミが噛み込まれていない正常の場合とは異なる変曲点が検出される場合がある。つまり、駆動電流及び駆動電圧それぞれの変曲点の状態が変化する。例えば、制御部102は、開弁動作時及び返弁動作時のそれぞれの動作時に、駆動電流及び駆動電圧のそれぞれの変曲点に基づいて、弁体303の動作状態が異常であることを検出しても良い。
次に、内部洗浄噴射について以下に示す。
図11は、燃料噴射弁の閉弁不可状態を説明する図である。
正常時、燃料噴射弁108は、弁体303のリフト量が点線1103に示すような軌跡を描きながら開閉弁動作をする。しかし、燃料噴射弁108は、閉弁不可状態となった場合、点火タイミング1104になっても、開弁状態のままの弁体303のリフト量1101が維持される。従って、燃料噴射弁108は、開弁状態のままの噴射量1102で燃料を噴き続ける。
図12は、内部洗浄噴射を説明する図である。
制御部102は、閉弁不可状態判断フラグ1203に基づいて、「弁体の動作異常時」の一例としての閉弁不可状態判断タイミング1201を決定し、内部洗浄噴射1205を直ちに実行する。内部洗浄噴射1205において、制御部102は、弁体303のリフト量を、閉弁不可状態判定タイミング1201における弁体303のリフト量よりも大きくするように制御する。例えば、制御部102は、小リフト範囲に制御された弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御する。尚、制御部102は、実施される運転状況によっては、弁体303のリフト量を、ハーフリフト量に制御しても良い。「弁体の動作異常時に対応するリフト量」とは、閉弁不可状態判断タイミング1201の直前の燃料噴射における弁体303のリフト量である。
内部洗浄噴射1205は、閉弁不可状態判断タイミング1201後、可能な限り早期に(例えば、閉弁不可状態判断タイミング1201の直後に)実施することが好ましい。早期に実施することによって、燃料噴射弁108が燃料を噴き続けることを早期に防止でき、無駄な燃料噴射量を抑えることができる。特に、次の燃料噴射までの間隔が長い場合は、燃料を噴き続ける状態が長くなってしまうため、その効果は大きい。
図13は、再内部洗浄噴射の説明図である。
制御部102は、内部洗浄噴射1205を実施後に、再び閉弁不可状態となっていることを検出することがある。その場合、エンジンの同一燃焼サイクル(例えば、吸入、圧縮、燃焼、排気の4行程内)に再度、内部洗浄噴射1205を実施する。この内部洗浄噴射1205の実施可能期間は、弁不可状態判定タイミング1201から次の点火タイミング1204の開始点までの期間となる。
図14は、燃料噴射制御処理のフローチャートである。
制御部102は、小リフト範囲での燃料噴射を決定したときは(S1)、弁体303と弁座306との隙間にコンタミが噛み込まれているか否かを検出するために、弁体挙動が異常か否かを推定する。具体的には、制御部102は、弁体303の開弁動作状態及び閉弁動作状態それぞれの動作状態が異常であるか否かを検出する(S2,S3)。制御部102は、ステップS2及びS3の何れかの検出結果が真の場合(S2,S3:YES)、弁体303のリフト量を小リフト範囲に制御し、燃料噴射弁108に燃料を噴射させる(S5)。ステップS2又はS3の検出結果が偽の場合(S2,S3:NO)、制御部102は、同一の燃焼サイクルに噴射予定の燃料のうちの未噴射量となる残分割量を算出する(S4)。
制御部102は、残分割量を算出して特定した後(S4)、噴射タイミング及び点火タイミングを調整する内部洗浄噴射を実施させる。具体的には、制御部102は、噴射行程を確認し(S6)、現在の点火タイミングを調整しないで、特定した残分割量が大リフト範囲のフルリフト量St1+St2で燃料を噴射した場合に燃焼可能な量であるか否かを判定する(S7)。S7の判定結果が真の場合(S7:YES)、制御部102は、弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御し、燃料噴射弁108に燃料を噴射させる(S8)。S7の判定結果が偽の場合(S7:NO)、制御部102は、残分割量が大リフト範囲のハーフリフトで燃料を噴射して燃焼可能な量であるか否かを判定する(S9)。S9の判定結果が真の場合(S9:YES)、制御部102は、弁体303のリフト量を、大リフト範囲のハーフリフト量に制御し、燃料噴射弁108に燃料を噴射させる(S10)。S9の判定結果が偽の場合(S9:NO)、制御部102は、燃料の点火タイミングを調整し(S11)、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2で燃料を噴射して燃焼可能か否かを判定する(S12)。S12の判定結果が真の場合(S12:YES)、制御部102は、弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御し、燃料噴射弁108に燃料を噴射させる(S13)。S12の判定結果が偽の場合(S12:NO)、制御部102は、残分割量が大リフト範囲のハーフリフトで燃料を噴射して燃焼可能か否かを判定する(S14)。S14の判定結果が真の場合(S14:YES)、制御部102は、弁体303のリフト量を、大リフト範囲のハーフリフト量に制御し、燃料噴射弁108に燃料を噴射させる(S15)。
大リフト範囲のフルリフト量St1+St2或いは大リフト範囲のハーフリフト量で燃料を噴射した後(S8,S10,S13,S15)、又はS14の判定結果が偽の場合(S14:NO)、制御部102は、弁体303の閉弁動作状態が異常であるか否かを検出する(S16)。S16の検出結果が偽の場合(S16:NO)、燃料噴射弁108は、次の燃料サイクルに、強制的に弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御し、燃料噴射弁108に燃料を噴射させる(S17)。
以上、上記実施例のECU101は、燃料が噴射される噴孔を閉弁可能な弁体303のリフト量を変更可能なエンジン用の燃料噴射弁108を制御するECU101であって、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出すると共に、弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、弁体303のリフト量を、閉弁不可状態判断タイミング1201の弁体303のリフト量よりも大きくするように制御する制御部105を備える。
これにより、弁体303と弁座306との隙間に噛み込まれているコンタミのサイズよりも弁体303のリフト量を大きくでき、噛み込まれたコンタミを排出することを可能とする。この結果、エンジンの噴射動作において燃料を噴き続けることを抑制でき、エンジンの排ガス性能悪化と、回復不能なエンジンの障害(エンジンブロー)とを低減することができ。さらに、コンタミの排出性能が向上するため、ハード設計の制約を緩和することができる。
制御部102は、弁体303の閉弁動作及び閉弁動作時それぞれの動作時に、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出するので、弁体303の開閉動作時に弁体303と弁座306との隙間にコンタミが噛み込まれているか否かを適切に検出することができる。
制御部102は、燃料噴射弁108に印加する駆動電流及び駆動電圧それぞれに基づいて、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出するので、駆動電流及び駆動電圧に基づいてコンタミが噛み込まれているか否かを検出することができる。
制御部102は、駆動電流の変曲点及び駆動電圧の変曲点それぞれに基づいて、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出するので、コンタミが噛み込まれているか否かを適切に検出することができる。
弁体303のリフト量を、弁不可状態判断タイミング1201の弁体303のリフト量よりも大きくするように制御した後、エンジンの同一燃焼サイクルに弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、制御部102は、弁体303のリフト量を、再び弁不可状態判断タイミング1201の弁体303のリフト量よりも大きくするように制御する。これにより、コンタミを排出し易くなる。
燃料噴射弁108は、小リフト範囲と、大リフト範囲とで弁体303をリフト可能に構成され、制御部102は、小リフト範囲に設定された弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、弁体303のリフト量を、大リフト範囲に制御する。これにより、弁体303のリフト範囲を変更するだけでコンタミを排出できる。
燃料噴射弁108が有するフィルタのメッシュサイズは、小リフト範囲のフルリフト量St1と同程度に設定されているので、上流から流入するコンタミの噛み込みを抑制できる。
制御部102は、弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、同一燃焼サイクルのそれ以降の燃料噴射で予定されていた燃料噴射残量を特定し、特定した燃料噴射残量が大リフト範囲のフルリフト量St1+St2で噴射しても燃焼可能な量であれば、弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御し、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2で噴射すると燃焼が不可能な量であれば、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2よりも小さいハーフリフト量に制御する。これにより、コンタミを排出しつつ、適正な燃焼状態を維持することができる。
尚、制御部102は、弁体303のリフト量を、大リフト範囲に制御した後に、弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、次の燃焼サイクルに弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御しても良い。これにより、最初の内部洗浄噴射でコンタミが排出できない場合や、先の内部洗浄噴射後にコンタミが噛み込まれた場合に、コンタミを適切に排出することができる。
制御部102は、弁体303のリフト量を、大リフト範囲に制御した後に、弁体303の動作状態が異常であると検出された場合、直ちに弁体303のリフト量を、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2に制御しても良い。ここで、同一燃焼サイクルに燃料噴射が可能な時間は、燃料噴射弁108毎に異なる。これにより、多くの種類の燃料噴射弁108に対して、弁体303と弁座306との隙間に噛み込まれたコンタミを速やかに排出することができる。
燃料噴射弁108に取り付けられたフィルタのメッシュサイズは、弁体303の小リフト範囲のフルリフト量St1よりも細かくしても良い。これにより、コンタミの噛み込みを減少させることができる。
次に、図15,16を用いて実施例2を説明する。実施例2に係るECU101は、エンジンの同一燃焼サイクルに3回の燃料噴射を実施させる場合の内部洗浄噴射である。
図15は、実施例2に係る内部洗浄噴射の一例を説明する図である。
制御部102は、同一燃焼サイクルに3回の燃料噴射を実施させる場合、同一燃焼サイクルに予定した燃料噴射のうちの閉弁不可状態判断タイミング1201の時点で残った2回分の燃料噴射を内部洗浄噴射に用いる。そのため、制御部102は、予め演算された所望の噴射タイミング1501と噴射回数とを変更する。具体的には、制御部102は、予定噴射量に基づいて残り2回分の残分割量1502を算出した後、内部洗浄噴射1205のリフト量を決定し、パルス信号401の幅を調整し、早期に内部洗浄噴射1205を実施させる。ここで、残分割量1502が少ない又は無い場合においては、噴射量に関係なく、弁体303のフルリフト量で内部洗浄噴射1205を実施させても良い。図15では、噴射回数が3回のものを記載しているが、噴射回数は4回以上でも良い。
図16は、実施例2に係る内部洗浄噴射の他の例を説明する図である。
制御部102は、同一燃焼サイクルに複数回の燃料噴射のうちの2回目以降に、内部洗浄噴射1205を実行しても良い。つまり、制御部102は、複数回の燃料噴射のうちの何れか1回に内部洗浄噴射1205を実行しても良い。
次に、図17,18を用いて実施例3を説明する。実施例3に係るECU101は、「点火タイミング変更部」の一例としての制御部102を備えている。
図17は、内部洗浄噴射後の点火タイミングの変更の一例を説明する図である。
制御部102は、内部洗浄噴射を実施時において、閉弁不可状態判断タイミング1201と、予定していた点火タイミング1204との間隔が、所定の間隔よりも小さい場合、点火タイミング1204の変更を実施する。具体的には、図17に示すように、制御部102は、より適切な燃焼状態を確保可能な場合、点火タイミング1701を遅角する。これにより、内部洗浄噴射が可能な期間を伸ばし、且つ適切な燃焼状態を確保できる。
図18は、内部洗浄噴射後の点火タイミングの変更の他の例を説明する図である。尚、この他の例は、同一燃焼サイクルに複数回の燃料噴射を実施させる制御部102が、弁体303の動作状態の異常を、同一燃焼サイクルの2回目の噴射後に検出した場合である。
制御部102は、より適切な燃焼状態を確保可能な場合、点火タイミング1801を進角させても良い。
次に、実施例4を説明する。
実施例4に係るエンジンは、筒内噴射式の燃料噴射(DIG)108とは別の燃料噴射弁を備えている。例えば、エンジンは、ポートで噴射するポート噴射式の燃料噴射(以下、PFIとする)を更に備えており、両燃料噴射弁を用いて燃料を噴射することがある。制御部102は、内部洗浄噴射を実施する際に、点火タイミングまでに噛み込んだコンタミを排出できなかった場合、次の燃料噴射行程においてPFIの燃料噴射をカットし、その分をDIGで噴射させる。これにより、燃焼状態に応じた燃料の噴射量を保持しつつ、燃料の噴射総量を抑えられる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、制御部102は、燃焼状態を推定するための各種センサ値(O2センサ)や、排気温度等によって、燃料噴射が続いている燃料が過剰な状態であることに基づいて閉弁不可状態を検出しても良い。これにより、燃焼状態を良好に保つことができる。
制御部102は、弁体303の閉弁動作時又は閉弁動作時のうちの何れか一方の動作時に、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出しても良い。
制御部102は、燃料噴射弁108に印加する駆動電流又は駆動電圧のうちの何れか一方に基づいて、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出しても良い。
制御部102は、駆動電流の変曲点及び駆動電圧の変曲点のうちの何れか一方に基づいて、弁体303の動作状態が異常であるか否かを検出しても良い。
前述した実施例の燃料噴射弁108は、図3(a),(b)に示したように、弁体303のリフト量を、小リフト範囲のフルリフト量St1と、大リフト範囲のフルリフト量St1+St2とに安定させることができた。これに限らず、燃料噴射弁108は、弁体303のリフト量を、閉弁状態からフルリフト量St1+St2までのリフト量に弁体303を安定させることができない構成の燃料噴射弁でも良い。
101…ECU、102…制御部、108…燃料噴射弁、303…弁体、1204…点火タイミング、1201…閉弁不可状態判定タイミング

Claims (13)

  1. 燃料が噴射される噴孔を閉弁可能な弁体のリフト量を変更可能な内燃機関用の燃料噴射装置を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記弁体の動作状態が異常であるか否かを検出する弁動作異常検出部と、
    前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、前記弁体のリフト量を、前記弁体の動作異常時に対応するリフト量よりも大きくするように制御するリフト制御部と、
    を備える燃料噴射制御装置。
  2. 前記弁動作異常検出部は、前記弁体の開弁動作時又は閉弁動作時のうちの少なくとも何れか一方の動作時に、前記弁体の動作状態が異常であるか否かを検出する、
    請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記弁動作異常検出部は、前記燃料噴射装置に印加する駆動電流又は駆動電圧のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、前記弁体の動作状態が異常であるか否かを検出する、
    請求項1又は2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記弁動作異常検出部は、前記駆動電流又は前記駆動電圧の少なくとも一方の変曲点に基づいて、前記弁体の動作状態が異常であるか否かを検出する、
    請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記弁体のリフト量を、前記弁体の動作異常時に対応するリフト量よりも大きくするように制御した後、前記内燃機関の同一燃焼サイクルに前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、
    前記リフト制御部は、前記弁体のリフト量を、再び前記弁体の動作異常時に対応するリフト量よりも大きくするように制御する、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記燃料噴射装置は、フルリフト量が第1量となる第1リフト範囲と、フルリフト量が前記第1量よりも大きい第2量となる第2リフト範囲とで前記弁体をリフト可能に構成され、
    前記リフト制御部は、前記第1リフト範囲に制御された前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、前記弁体のリフト量を、前記第2リフト範囲に制御する、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記燃料噴射装置が有するフィルタのメッシュサイズは、前記弁体の前記第1リフト範囲の前記第1量と同程度に設定されている、
    請求項6に記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記リフト制御部は、前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、同一燃焼サイクルのそれ以降の燃料噴射で予定されていた燃料噴射残量を特定し、特定した燃料噴射残量が前記第2リフト範囲の前記第2量で噴射しても燃焼可能な量であれば、
    前記弁体のリフト量を、前記第2リフト範囲の前記第2量に制御し、前記第2リフト範囲の前記第2量で噴射すると燃焼が不可能な量であれば、前記第2リフト範囲の前記第2量よりも小さいハーフリフト量に制御する、
    請求項6又は7に記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記リフト制御部は、前記弁体のリフト量を、前記第2リフト範囲に制御した後に、前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、次の燃焼サイクルに前記弁体のリフト量を、前記第2リフト範囲の前記第2量に制御する、
    請求項6乃至8の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  10. 前記リフト制御部は、前記弁体のリフト量を、前記第2リフト範囲に制御した後に、前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、直ちに前記弁体のリフト量を、前記第2リフト範囲の前記第2量に制御する、
    請求項6乃至8の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  11. 前記内燃機関の点火タイミングを変更する点火タイミング変更部を更に備え、
    前記点火タイミング変更部は、前記弁体のリフト量を、前記弁体の動作異常時に対応する当該弁体のリフト量よりも大きくするように制御した場合、前記内燃機関の前記点火タイミングを変更する、
    請求項1乃至10の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  12. 前記点火タイミング変更部は、前記点火タイミングを遅らせる、
    請求項11に記載の燃料噴射制御装置。
  13. 燃料が噴射される噴孔を閉弁可能な弁体のリフト量を変更可能な内燃機関用の燃料噴射装置を制御する燃料噴射制御装置による燃料噴射制御方法であって、
    前記弁体の動作状態が異常であるか否かを検出し、
    前記弁体の動作状態が異常であると検出された場合、前記弁体のリフト量を、前記弁体の動作異常時に対応する当該弁体のリフト量よりも大きくするように制御する、
    燃料噴射制御方法。
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