JP2019024473A - 容器入り高濃度液状調味料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】味噌を配合し粘性が高い液状調味料であっても、容器残りがしにくい味噌含有調味料の製造方法の提供。【解決手段】味噌、糖類、食用油、水及び必要に応じ他の原料を配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法において、他の原料との混合に先立って味噌と糖類、混練する設備に応じて食用油も併せて混練する工程を有する、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。混練手段は横軸ニーダーでありであることが好ましい。味噌を含む固形原料(糖類を除く)が55重量%以上含まれ、水及び食用油の配合割合が重量比で水:食用油=43:2〜32:13であり、糖類が味噌、糖類、食用油の合計量との重量比で1/12以上であることが好ましい。又、糖類は粒度の小さい上白糖・粉末黒糖・三温糖・ぶどう糖・オリゴ糖・液糖を選択できる。【選択図】なし

Description

本発明は、容器入り高濃度液状調味料、とりわけ鍋料理に利用される濃縮鍋用スープの素であって、ポーションタイプの小容器に充填される、味噌を含有した容器入り高濃度液状調味料の製造方法に関する。
家庭における鍋料理の簡便化に資する鍋用調味料が広く支持されている。そうした調味料には粉末状、固形状、ペースト状、液状ストレートタイプ、液状高濃度タイプなど種々の性状で流通し販売されており、その容器も性状に応じて適宜選択されている。
また近年は個食化の傾向、また開封後の品質保持への懸念から使い切りを念頭に置いた小さいサイズの容器に封入した調味料が支持を集めている。例えば本願出願人は非特許文献1に記載の液状高濃度タイプの鍋用調味料の提供を行っている。こうした小容器に少量の高濃度タイプの液状調味料が封入されている場合、仮に調味料が容器内面に付着残存した場合、その分量によっては出来上がる料理の味の濃淡への影響が大きい。また付着残存が生じると、容器廃棄時にも容器を念入りに洗浄する必要がありユーザーにとって手間である。原材料に味噌が含まれる場合、その物性的特徴として粘性が高く、小容器に充填して販売する場合に容器残りは課題となっていた。
味噌の容器残りに関して、例えば特許文献1では、耐冷凍性容器の内底部を覆うように敷き詰められた第1の具材と、この第1の具材の上層に充填された調味味噌と、別の耐冷凍性容器に盛り付けた第2の具材とが、それぞれの耐冷凍性容器内に凍結収納されてなる容器入り即席冷凍味噌汁が提案されている。これは粘性を有する味噌が直接容器内面に接触しないようにしたものであり、具材に相当するバッファを有しない調味料においては適用することができない。
また一定量の油分を配合することによってある程度容器表面の滑りを良くすることができるが、水分含量によっては混練を行っても分離が生じやすく、小容器に均一に充填することが難しくなる。特許文献2ではペースト状の固形部分とオイル部分とを混合して均一化してから一液充填する方法として、50℃〜80℃の温度下においてペースト状の固形部分とオイル部分を混合し、均一化した後に包装パックに充填する充填方法が開示されている。しかしこうした方法によってもなお、充填後の容器残りは十分に解決されず、また調味料が保存中に分離を生じ品質的に適切でない。
また、小容器に封入される調味料において味噌を含む原料を混合する際にはその均一分散が課題となるところ、特許文献3には味噌と調味液体とを混合して味噌含有液状調味料を製造するにあたり、先ず糖類の存在下で味噌を醤油を含有する調味液体の一部に溶解して粘度が1000〜10000cp(25℃)の液状物を調製し、次いで、得られた液状物に残りの調味液体を加えて攪拌し粘度が100〜1500cp(25℃)の液状調味料を製造することを特徴とする味噌含有液状調味料の製造方法が開示されている。しかし高濃度タイプの液状調味料における容器封入後の容器残りという課題に対する解決策は提示されていない。
特開平8−33467号公報 特開2016−182071号公報 特許第2894969号公報
「エバラ食品工業株式会社Webサイト」[2017年7月21日検索]<URL:https://www.ebarafoods.com/products/petit/nabe/>
すなわち本発明は、パウチのように絞り出すことができない成型容器において、味噌のように粘度の高い原料を多く使用する調味料を充填する場合、開封時に注ぎ出し辛く、容器内壁面に調味液が残ってしまう課題を解決することを目的とする。
そこで本発明者らは、味噌を含有する、小容器に封入した高濃度鍋用調味料であって容器残りがしにくい味噌含有調味料の製造方法について鋭意検討した結果、図らずも糖類を所定の条件で配合することにより容器への付着度合いが著しく改善し、容器残りしにくくなることを知見するに至った。
すなわち本発明は、以下に示す構成を有する。
(1)少なくとも味噌を含む複数原料が配合された容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、各原料を加熱混合する工程の前に、味噌と糖類と食用油とを含んだ状態で攪拌処理を行う工程を有することを特徴とする容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
(2)混練手段を具備した混合槽で製造する、味噌・糖類・食用油・水を少なくとも配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、(a)味噌、糖類、食用油を練り込んだ混合物を製造する工程、(b)その後他の原料を投入し加熱混合する工程、を有することを特徴とする、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
(3)混練手段を具備した混合槽で製造する、味噌・糖類・食用油・水を少なくとも配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、前記混練手段は斜軸ニーダーであり、(a)食用油を前記混合槽に投入する工程、(b)味噌と糖類とを投入し練り込む工程、(c)その後他の原料を投入し加熱混合する工程、を有することを特徴とする、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
(4)混練手段を具備した混合槽で製造する、味噌・糖類・食用油・水を少なくとも配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、前記混練手段は横軸ニーダーであり、(a)味噌と糖類とを練り込む工程、(b)その後食用油を練り込む工程、(c)更にその後他の原料を投入し加熱混合する工程、を有することを特徴とする、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
(5)味噌を含む固形原料(但し糖類を除く)が55重量%以上含まれている条件下において、前記水及び前記食用油の配合割合が重量比で水:食用油=43:2〜32:13であることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
(6)前記糖類の配合割合が、前記味噌・糖類・食用油の合計量との重量比で1/12以上であることを特徴とする、(1)から(5)のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
(7)前記糖類が上白糖・粉末黒糖・三温糖・ぶどう糖・オリゴ糖・液糖から選択される一種又は複数種を併用したものであることを特徴とする、(1)から(6)のいずれか1に記載の容器入り高濃度状調味料の製造方法。
(8)前記高濃度液状調味料がポーション状の小容器に封入されることを特徴とする、(1)から(7)のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
本発明にかかる容器入り高濃度液状調味料の製造方法によれば、味噌を配合し粘性が高い液状調味料であっても、容器残りがしにくい味噌含有調味料を提供することが可能となる。
なお、本発明において、「加熱混合」とは複数の原料を配合する際に常法としておこなう条件での加熱及び攪拌混合をいう。配合原料などにより条件は異なるが、概ね60℃〜90℃で所定時間(例えば30分)、焦げ付き等を防止するべく適度に攪拌しながら行う混合工程を意味する。所望する調味料の性状により加熱温度及び加熱時間は適宜設定可能である。「混練手段を具備した混合槽」としては、撹拌機付きのニーダーを用いることができ、斜軸ニーダー(例えばクッキングミキサーOAM[株式会社カジワラ製])や横軸ニーダー(例えばN型サンニーダー[株式会社ヤエス製])を採用することができる。
また本発明における「味噌」としては、特に限定されるものではないが、白味噌、赤味噌、合わせ味噌、米味噌(大豆と米を発酵・熟成させたもの)、麦味噌(大豆と大麦またははだか麦を発酵・熟成させたもの)、豆味噌(大豆を発酵・熟成させたもの)、調合味噌(米味噌、麦味噌、豆味噌の各味噌を混合したもの)等が挙げられる。好ましい例は、米味噌、又は白味噌である。具体的には、例えば「M白A(特)[マルコメ株式会社製]」を挙げることができる。
本発明における「糖類」には、単糖類及び二糖類に加え、オリゴ糖も含まれる。固形状ないし粉末状のものであって水溶解性のあるもののほか、液糖であってもよい。なお固形状ないし粉末状の糖類にあっては、味噌との混練によって所望の性状を得るためには、結晶の大きさが小さいものが好ましく、具体的には上白糖・粉末黒糖・三温糖のほか、ぶどう糖(含水結晶ぶどう糖)やオリゴ糖、或いはこれらを混合したものを採用することが好ましい。結晶の大きいものであっても混練の過程においてその粒径は小さくなり、味噌の性状を滑らかにするという効果は得られるが味噌と馴染むのに混練の時間を要するためである。味噌の性状が滑らかになることにより、容器に充填された状態から取り出す際にもスムーズに容器内壁面から離脱しやすくなる。固形状ないし粉末状の糖類を用いる場合、その平均粒径としては0.6mm以下が好ましく0.2mm以下がより好ましい。
本発明における「食用油」としては、牛脂、乳脂、豚脂等の動物油脂、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボカド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、及びそれらのサラダ油等の植物油脂、を例示することができる。これらは、食品用として精製した油であればよいが、植物油脂が好ましく、特にサラダ油を用いることがより好ましい。これらは、複数混合して使用することも可能である。
本発明における「固形原料」としては、味噌のほか、食塩、豆板醤、ガーリック、山椒等の香辛料粉末やグルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料、胡麻粉砕物などの固形物が想定される。本発明に係る濃縮液状調味料には、既述の原材料のほかに醤油、酢、料理酒などの液状原料も適宜配合可能である。なお、「他の原料」には水も含まれる。
なお、容器残りの不具合が改善される高濃度液状調味料にあっては、味噌を含む固形原料が55重量%含まれている条件下(但し配合されている糖類は当該重量比率には算入しない)において、水と食用油の重量比率43:2から32:13の範囲内であることが望ましい。これよりも水の食用油に対する割合が多いと容器残りの問題が十分に解決されない。また逆にこれよりも水の食用油に対する割合が少ないと混練をおこなっても分離してしまい容器への均一充填が妨げられる。また全体に対する食用油の量が多くなることでかえって味噌が食用油を抱き込むことができず、やはり適切な物性が実現されない。
また、容器残りの不具合が改善される高濃度液状調味料を実現するにあたっては、味噌と食用油を最初に練り込む工程での砂糖の配合割合を味噌・糖類・食用油の合計量との重量比で1/12以上とすることが望ましい。これより砂糖の配合割合が少ないと、味噌と食用油が十分に均一化せず、所望の物性を得ることができない。
製造の手順として、味噌と食用油を練り込み、水を加えてから糖類を加えると糖類が「ダマ」になってしまう。一方味噌と糖類を先に練り込むと味噌が軟らかくなり、糖類も味噌も「ダマ」になりにくい。食用油を配合することで味噌を緩めることができるが、味噌と食用油を最初に練り込む工程で糖類を配合することで味噌と食用油の均一化が促され、滑らかな物性が得られる。
なお、ニーダーが横軸ニーダーの場合攪拌羽根は上下方向に回転することから攪拌力は大きく、食用油を加えないで先に味噌と糖類を練り込んでも十分な分散ができる。一方斜軸ニーダーは相対的に流動性のある液体の混合に適しており、予め食用油を投入することで被混合物の流動性が高まりスムーズな混合ができるとともにニーダー内壁への被攪拌物の付着を防止することができる。
以下に、本発明の実施例を示す。但し、本発明は以下の実施例に開示された範囲に限定されるものではない。
[検証例1:製造工程]
まず以下の配合原料とその割合、及び配合手順による練り込みやすさの違いを確認した。なお混練手段を具備した混合槽を疑似的に再現するべく、ボウルに配合原料を投入し攪拌棒で手動による攪拌を行い、攪拌の抵抗具合を確認するとともに練り込みの具合を目視確認した。
<配合原料>
(1)味噌(マルコメ株式会社「M白A(特)」)
(2)上白糖
(3)大豆サラダ油
(試験例1)味噌55部をボウル内で攪拌棒にて攪拌を行った。味噌のみでは、味噌の粒子がそのまま残る状態で、滑らかさが得られなかった。
(試験例2)味噌44部に対し上白糖11部を添加し、同様に攪拌を行った。試験例1に比して味噌が滑らかに伸びた。
(試験例3)味噌44部に対し大豆サラダ油11部を添加し、同様に攪拌を行った。味噌と大豆サラダ油のみでは味噌の粒子がそのまま残ってしまい、均一化しなかった。
上記各試験例から、味噌のみを混ぜようとしても粘度があり、混ぜにくく、滑らかな物性を得ることができず組成物が均一にならなかった。味噌の一部を上白糖に置き換えることにより抵抗が少なく、混ぜやすくなり、滑らかな物性が得られ組成物が均一になった。一方上白糖に変えて大豆サラダ油を加えるだけでは、上白糖のように味噌を滑らかにする効果は得られなかった。
そこで次に、味噌44部に対し大豆サラダ油11部を添加し、その後に上白糖を以下の所定量加えて攪拌することでの得られる物性の違いを確認した。
(試験例4)味噌44部に対し大豆サラダ油11部を添加し、その後に上白糖を1部添加して攪拌を行った。
(試験例5)上白糖の添加分量を5部とした以外は試験例4と同様に処理した。
(試験例6)上白糖の添加分量を6部とした以外は試験例4と同様に処理した。
(試験例7)上白糖の添加分量を7部とした以外は試験例4と同様に処理した。
(試験例8)上白糖の添加分量を8部とした以外は試験例4と同様に処理した。
(試験例9)上白糖の添加分量を11部とした以外は試験例4と同様に処理した。
(試験例10)上白糖の添加分量を22部とした以外は試験例4と同様に処理した。
上記をまとめた結果を表1に示す。
Figure 2019024473
[混合しやすさ]
◎:味噌が極めて滑らかに伸び、容易に均一に混合することができた。
〇:味噌が滑らかに伸び、比較的容易に均一に混合することができた。
×:味噌の粒子がそのまま残ってしまい、均一に混合することができなかった。
味噌と大豆サラダ油とが存在する状況下にあっては、合計量60部に対して上白糖を5部以上添加したとき、混合しやすさの改善が見られた。合計量62部に対して上白糖を7部以上添加したとき、一層混合しやすさの改善が見られた。
[検証例2:水・食用油の比率]
次に、水と食用油の配合量による容器への充填のしやすさ及び充填された容器からの注ぎやすさについて検証を行った。
(試験例11)高濃度液状調味料における味噌:水:食用油の比率を55:44:1で加熱混合を行い、ポーション容器に充填を行う際の均一性及びハンドリングの良否の評価、及びポーション容器から中身を一気に注いだ後、5回振り続けて中身を出した際の出しやすさの評価を行った。各試験例の資料を3ポーションずつ5名のパネルが評価を行った。
(試験例12)味噌:水:食用油の比率が55:43:2であるほかは試験例11と同様に処理した。
(試験例13)味噌:水:食用油の比率が55:42:3であるほかは試験例11と同様に処理した。
(試験例14)味噌:水:食用油の比率が55:40:5であるほかは試験例11と同様に処理した。
(試験例15)味噌:水:食用油の比率が55:34:11であるほかは試験例11と同様に処理した。
(試験例16)味噌:水:食用油の比率が55:32:13であるほかは試験例11と同様に処理した。
(試験例17)味噌:水:食用油の比率が55:31:14であるほかは試験例11と同様に処理した。
上記をまとめた結果を表2に示す。
Figure 2019024473
[出しやすさ]
◎:容器を傾け、振るだけでするりと容易に出すことができる
○:容器を傾け、振るだけで出すことができるが容器内にやや残存する
×:容器を傾け、振っても十分に出すことができない
[充填時の均一性]
◎:分離は生じず均一に充填することができた
○:分離はほぼ生じず概ね均一に充填することができた
×:分離が生じ均一に充填することができなかった
味噌:水:食用油の比率が55:43:2かそれ以上に食用油が多い状態においては、充填した調味料の出しやすさに関しては適正な品質が得られた。味噌:水:食用油の比率が55:42:3かそれ以上に食用油が多い状態において、充填物がより出しやすい物性の調味料が得られた。一方充填段階の均一性に関しては、味噌:水:食用油の比率が55:32:13か食用油がそれ以下の場合に許容できる品質の調味料が得られた。味噌:水:食用油の比率が55:34:11か食用油がそれ以下の場合により好ましい均一性が保持された調味料が得られた。
[検証例3:他の糖類、及び固形原料に置換した場合の例]
次に、加熱混合前に練り込む原料として上白糖以外の粉末状原料または液糖にも味噌を均一化して滑らかにする効果を発現するものは無いかについて検証を行った。味噌:粉末状原料または液糖=44:11をボウルに投入し、攪拌棒で手動による攪拌を行い、攪拌の抵抗具合を確認するとともに練り込みの具合を目視確認した。
(試験例18)試験例2における上白糖を粉末黒糖に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例19)試験例2における上白糖を三温糖に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例20)試験例2における上白糖を異性化糖(液糖)に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例21)試験例2における上白糖をオリゴ糖(粉末)に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例22)試験例2における上白糖をぶどう糖(含水結晶ぶどう糖)に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例23)試験例2における上白糖を中双糖に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例24)試験例2における上白糖をL−グルタミン酸ナトリウム(「MSG」と略記する)に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
(試験例25)試験例2における上白糖を食塩に置換したほかは試験例2と同様に処理した。
上記をまとめた結果を表3に示す。
Figure 2019024473
上白糖の他、粉末黒糖や三温糖でも味噌を均一化し、表面がつややかで滑らかにすることが分かった。同じ糖類である中双糖では、粒子が大きく溶けにくいため、味噌の状態を滑らかにすることは難しいことがわかった。ただし、練り込んでいくうちに味噌のつや感は出てきた。塩やMSGは、味噌の均一化や滑らかさに寄与せず、逆に固くなった。
[検証例4:他の固形物も配合した例]
既述の検証においては味噌、砂糖、食用油、水のみでの容器からの出しやすさについて検証をしたのに対し、本検証では他の原料が存在する環境下における容器からの出しやすさ、及び内容物を出した後の壁面への付着の様子について検証を行った。試験例26から試験例31の各試験例において、表4に記載の割合にて各原料の配合を行った。ただし上白糖、味噌、食用油について先に練り込みを行って混合物を形成し、その後その他の原料を投入して加熱混合した。
Figure 2019024473
[出しやすさ]
◎:容器を傾け、振るだけでするりと容易に出すことができる
○:容器を傾け、振るだけで出すことができるが容器内にやや残存する
×:容器を傾け、振っても十分に出すことができない
上白糖を混合することで、添加する油の量を抑制しつつ容器からの出しやすさを得ることができた。検証例3において塩やMSGは味噌を固くする作用が認められたものの、上白糖と共に混合した場合にはその作用は見られず、上白糖により味噌が滑らかなものとなった。

Claims (8)

  1. 少なくとも味噌を含む複数原料が配合された容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、
    各原料を加熱混合する工程の前に、味噌と糖類と食用油とを含んだ状態で攪拌処理を行う工程を有することを特徴とする容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  2. 混練手段を具備した混合槽で製造する、味噌・糖類・食用油・水を少なくとも配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、
    (a)味噌、糖類、食用油を練り込んだ混合物を製造する工程
    (b)その後他の原料を投入し加熱混合する工程
    を有することを特徴とする、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  3. 混練手段を具備した混合槽で製造する、味噌・糖類・食用油・水を少なくとも配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、
    前記混練手段は斜軸ニーダーであり、
    (a)食用油を前記混合槽に投入する工程、
    (b)味噌と糖類とを投入し練り込む工程、
    (c)その後他の原料を投入し加熱混合する工程
    を有することを特徴とする、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  4. 混練手段を具備した混合槽で製造する、味噌・糖類・食用油・水を少なくとも配合した容器入り高濃度液状調味料の製造方法であって、
    前記混練手段は横軸ニーダーであり、
    (a)味噌と糖類とを練り込む工程、
    (b)その後食用油を練り込む工程、
    (c)更にその後他の原料を投入し加熱混合する工程
    を有することを特徴とする、容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  5. 味噌を含む固形原料(但し糖類を除く)が55重量%以上含まれている条件下において、前記水及び前記食用油の配合割合が重量比で水:食用油=43:2〜32:13であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  6. 前記糖類の配合割合が、前記味噌・糖類・食用油の合計量との重量比で1/12以上であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  7. 前記糖類が上白糖・粉末黒糖・三温糖・ぶどう糖・オリゴ糖・液糖から選択される一種又は複数種を併用したものであることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
  8. 前記高濃度液状調味料がポーション状の小容器に封入されることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1に記載の容器入り高濃度液状調味料の製造方法。
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