JP2019024360A - エチル−α−D−グルコシドの製造方法及びその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
清酒粕を含む醪を蒸留し焼酎を製造する工程において、
前記醪にデンプン原料及びα−グルコシターゼを添加して混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を、15℃以上25℃以下の温度で発酵させる工程と、
を含む。
前記デンプン原料は前記白糠であり、当該白糠は、前記酒粕の重量1に対して、重量比2.5倍量以上15倍量以下の割合で添加してもよい。
また、醪に白糠を添加する場合、醪を発酵させやすくする為に、例えば白糠をα−アミラーゼなどで液化し、液化した白糠を醪に添加しても良い。
醪を発酵させる期間は、特に限定されず、例えば、15日間、20日間、25日間、30日間などであってもよい。
具体的には、白糠の添加量は、清酒粕の重量1に対して、重量比2.5倍量以上15倍量以下の割合で添加してもよい。そして、α−グルコシターゼの添加量は、清酒粕の重量1に対して、重量比0.00075以上0.005以下の割合で添加してもよい。
具体的には、醪の全重量に対して2重量%程度のα−EGを含有させることが可能になると考えられる。これは、通常、清酒中にα−EGは0.5重量%前後含まれているのみであり、また、通常の焼酎の製造工程においてα−EGは生成しないことから、このような清酒や焼酎の製造工程と比較して、多くのα−EGを製造することができる。
また、清酒粕を原料としてα−EGを製造することができるので、経済的なメリットがある。そして、清酒粕は清酒の原料となる米と比較して安価であるので、安価にα−EGを製造することが可能になる。
そのため、通常廃棄処分されている蒸留残渣を、α−EGを含有する組成物として有効利用することが可能になる。
酵母を添加することで、酵母のアルコール発酵能によって、醪中のグルコースからエタノールが生成され、そのエタノールはα−EGの基材となることができる。酵母としては、例えば、きょうかい7号酵母、きょうかい701号酵母、きょうかい9号酵母、きょうかい901号酵母、焼酎酵母などを用いることができる。
また、清酒粕を用いてα−EGを製造したが、清酒粕を用いなくてもα−EGを製造することは可能である。
具体的には、α−EGを含有する化粧品や水溶液の塗布、及びα−EGを含有する飲料の飲用により、真皮におけるコラーゲン線維の密度を高める方法について、実施例により説明する。ここで、下記の実施例では、α−EGによるコラーゲンスコアへの影響を検証する為に、α−EGを含有する純米酒を用いたが、清酒に含まれるα−EGと上述した焼酎の蒸留残渣中のα−EGとは、酵母の発酵物中のα−EGとしては同等のものである。
(実施例1)
1.7重量%のα−EGを含有する純米酒を、ハンドクリームに配合させ、ハンドクリームに0.09重量%のα−EGを含有させた。このα−EGを含有するハンドクリームを、2週間の間、毎朝晩の1日2回、8名の被験者(平均年齢22歳)の腕に塗布した。塗布の方法は、被験者の腕にハンドクリームを爪楊枝で5点塗布し、指でなじませる方法により行った。そして、2週間後におけるハンドクリームを塗布した部位のコラーゲンスコア(コラーゲン線維の密度)を測定した。コラーゲンスコアの測定は、株式会社インテグラル製の商品名「ダーマラボ(登録商標)」により行った。
コラーゲンスコアは、ハンドクリームが塗布された5点のコラーゲンスコアのうち、最大の値と最小の値のスコアを除いた3点の平均値により算出した。
ハンドクリームに、α−EGを配合させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、コラーゲンスコアを算出した。
(実施例2)
1.7重量%のα−EGを含有する純米酒を、ハンドクリームに配合させ、ハンドクリームに0.1重量%のα−EGを含有させた。このα−EGを含有するハンドクリームを、2週間の間、毎朝晩の1日2回、10名の被験者(大学4年生8人と大学3年生2人、平均年齢22歳)の腕に塗布した。塗布の方法は、被験者の腕にハンドクリームを爪楊枝で5点塗布し、指でなじませる方法により行った。そして、2週間後におけるハンドクリームを塗布した部位のコラーゲンスコアを測定した。コラーゲンスコアの測定は、株式会社インテグラル製の商品名「ダーマラボ(登録商標)」により行った。
コラーゲンスコアは、ハンドクリームが塗布された5点のコラーゲンスコアのうち、最大の値と最小の値のスコアを除いた3点の平均値により算出した。
1.7重量%のα−EGを含有する純米酒の代わりに、1.7重量%試薬(純品)のα−EG水溶液を用いたこと以外は実施例2と同様にして、コラーゲンスコアを算出した。
被験者を20歳代〜60歳代の11名に変更し、コラーゲンスコアを以下の方法で測定した。
すなわち、被験者の両腕における肘と手首との中間点付近の5点の部位のコラーゲンスコアを測定した。コラーゲンスコアの測定は、株式会社インテグラル製の商品名「ダーマラボ(登録商標)」により行った。コラーゲンスコアは、上記の両腕につきそれぞれ5点の部位で2回の測定を行い、その平均値により算出した。
ハンドクリームに、α−EGを含有させなかったこと以外は、実施例2と同様にして、コラーゲンスコアを算出した。
(実施例5)
8日間の間、毎晩、1.7重量%のα−EGを含有する純米酒180mlを9名の被験者(平均年齢22歳)に飲用させた。この際、純米酒180mlを飲用することによるα−EGの摂取量は3.1gであった。
そして、その初日を含む週を0週目とし、0週目〜4週目の5回を測定日とし、被験者の両腕における肘と手首との間の5点の部位のコラーゲンスコアを測定した。コラーゲンスコアの測定は、株式会社インテグラル製の商品名「ダーマラボ(登録商標)」により行った。ただし、0週目の測定日は、純米酒の飲用前にコラーゲンスコアを測定した。
測定条件は、室温20℃以上25℃以下で、湿度は50%以上60%以下であった。
コラーゲンスコアは、上記の両腕のそれぞれ5点のコラーゲンスコアの内、最大の値と最小の値のスコアを除いたそれぞれ3点の平均値により算出した。
6日間の間、毎晩、1.1重量%のα−EGを含有する純米酒50mlを5名の被験者(20歳代〜40歳代)に飲用させた。この際、純米酒50mlを飲用することによるα−EGの摂取量は0.55gであった。
そして、その初日を含む週を0週目とし、0週目〜6週目の7回を測定日とし、被験者の両腕における肘と手首との中間点付近の5点の部位のコラーゲンスコアを測定した。コラーゲンスコアの測定は、株式会社インテグラル製の商品名「ダーマラボ(登録商標)」により行った。ただし、0週目の測定日は、純米酒の飲用前にコラーゲンスコアを測定した。
測定条件は、室温20℃以上25℃以下で、湿度は50%以上60%以下であった。
コラーゲンスコアは、上記の両腕につきそれぞれ5点の部位で2回の測定を行い、その平均値により算出した。
(実施例7)
8日間の間、毎晩、3.4重量%のα−EGを含有する試料(日本酒8合分を4合分に濃縮しアルコールを除去したもの)90mlを8名の被験者(平均年齢22歳)に飲用させた。この際、試料90mlを飲用することによるα−EGの摂取量は3.1gであった。
そして、その初日を含む週を0週目とし、0週目〜5週目の6回を測定日とし、被験者の両腕における肘と手首との間の5点の部位のコラーゲンスコアを測定した。コラーゲンスコアの測定は、株式会社インテグラル製の商品名「ダーマラボ(登録商標)」により行った。ただし、0週目の測定日は、試料の飲用前にコラーゲンスコアを測定した。
測定条件は、室温20℃以上25℃以下で、湿度は50%以上60%以下であった。
コラーゲンスコアは、上記の両腕のそれぞれ5点のコラーゲンスコアの内、最大の値と最小の値のスコアを除いたそれぞれ3点の平均値により算出した。
また、図1は、試験開始から2週間後における、被験者2名に関する第1のハンドクリームの塗布試験の結果を示すダーマラボ(登録商標)の画像(それぞれaとb)であり、aとbのそれぞれの画像の左側が比較例1の結果であり、右側が実施例1の結果を示している。被験者2名について、α−EGを含有するハンドクリームを塗布した方が、α−EGを含有しないハンドクリームを塗布した場合と比較して、コラーゲンスコアが上昇していることが理解できる。
また、図2は、試験開始から2週間後における、被験者1名に関する第2のハンドクリームの塗布試験の結果を示すダーマラボ(登録商標)の画像である。aにおける左側の画像が比較例2の結果を示し、aにおける右側の画像が実施例3の結果を示している。また、bにおける左側の画像が比較例2の結果を示し、bにおける右側の画像が実施例2の結果を示している。
このダーマラボの画像から、α−EGを含有するハンドクリームや水溶液を塗布した方が、α−EGを含有しないハンドクリームを塗布した場合と比較して、コラーゲンスコアが上昇していることが理解できる。
また、図3は、被験者1名に関する実施例5の日本酒の飲用試験の結果を示すダーマラボ(登録商標)の画像である。aにおける左側の画像が0週目の結果を示し、aにおける右側の画像が1週目の結果を示している。また、bにおける左側の画像が2週目の結果を示し、bにおける右側の画像が3週目の結果を示している。ダーマラボ(登録商標)の画像から、α−EGを含有する日本酒を飲用すると、コラーゲンスコアが上昇することが理解できる。
また、図4は、被験者1名に関する実施例7のノンアルコール飲料の飲用試験の結果を示すダーマラボ(登録商標)の画像である。aにおける左側の画像が0週目の結果を示し、aにおける右側の画像が1週目の結果を示している。また、bにおける左側の画像が2週目の結果を示し、bにおける右側の画像が3週目の結果を示している。ダーマラボ(登録商標)の画像から、α−EGを含有するノンアルコール飲料を飲用すると、コラーゲンスコアが上昇することが理解できる。
Claims (4)
- 清酒粕を含む醪を蒸留し焼酎を製造する工程において、
前記醪にデンプン原料及びα−グルコシターゼを添加して混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を、15℃以上25℃以下の温度で発酵させる工程と、
を含む、エチル−α−D−グルコシドの製造方法。 - 前記デンプン原料は、白糠、米、麦、ソバ、イモ、コーンスターチ又はこれらの混合物である、請求項1に記載のエチル−α−D−グルコシドの製造方法。
- 前記α−グルコシターゼは、前記清酒粕の重量1に対して、重量比0.00075以上0.005以下の割合で添加し、
前記デンプン原料は前記白糠であり、当該白糠は、前記酒粕の重量1に対して、重量比2.5倍量以上15倍量以下の割合で添加する、請求項2に記載のエチル−α−D−グルコシドの製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたエチル−α−D−グルコシドを含む組成物を、皮膚に塗布又は飲用することで、真皮におけるコラーゲン線維の密度を高める方法。
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JP2017145314A JP2019024360A (ja) | 2017-07-27 | 2017-07-27 | エチル−α−D−グルコシドの製造方法及びその利用 |
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JP2019024360A true JP2019024360A (ja) | 2019-02-21 |
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JP2017145314A Pending JP2019024360A (ja) | 2017-07-27 | 2017-07-27 | エチル−α−D−グルコシドの製造方法及びその利用 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019024360A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024010355A1 (ko) * | 2022-07-07 | 2024-01-11 | 바이오스펙트럼 주식회사 | 고소리술 술지게미 추출물을 포함하는 항노화용 조성물 |
-
2017
- 2017-07-27 JP JP2017145314A patent/JP2019024360A/ja active Pending
Non-Patent Citations (1)
Title |
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坊垣隆之: "エチル−α−D−グルコシド発酵生産法の開発と新規保湿機能および線維芽細胞に与える影響に関する研究", 平成28年度博士学位論文 金沢工業大学大学院工学研究科バイオ・化学専攻, JPN6019011465, 13 June 2017 (2017-06-13) * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024010355A1 (ko) * | 2022-07-07 | 2024-01-11 | 바이오스펙트럼 주식회사 | 고소리술 술지게미 추출물을 포함하는 항노화용 조성물 |
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