JP2019024032A - 樹脂封止装置用の封止型 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムを適切に用いて、露出部分を確実に露出させて電子部品を樹脂で封止できる樹脂封止装置用の封止型を提供する。【解決手段】本発明の樹脂封止装置用の封止型は、封止対象物の一方から取り付けられる第1型枠と、封止対象物の他方から取り付けられ、第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、を備え、封止対象物は、電子部品とこれに積層された露出部材とを有し、第1型枠は、封止対象物の周囲に樹脂封止空間の一部を形成する第1凹部を有し、第2型枠は、外部型と中間型とを有し、中間型は、第1凹部と対になる第2凹部を有すると共に、外部型が挿入される挿入孔を有し、中間型は、封止対象物を介して、第1型枠と組み合わされ、外部型は、挿入孔に挿入される凸部を有して、中間型と組み合わされ、第2凹部は、封止対象物の外周に樹脂封止空間の一部を形成し、凸部の表面(凸部表面)は、露出部材の露出表面に略一致する。【選択図】図9

Description

本発明は電子部品が外部を樹脂で封止する樹脂封止装置に用いられ、電子部品の一部を露出させつつ残部を樹脂で封止する樹脂封止装置用の封止型に関する。
多くの電子機器、測定機器、電気機器、輸送機器は、電気信号を処理する電子基板を備えている。これらの電子基板には、半導体素子や集積回路などの多くの電子部品が、実装されている。単体の半導体素子であったり、マイクロプロセッサなどの半導体集積素子であったり、高電圧を利用するパワー素子などが、電子部品として電子基板上に実装されている。
電子部品を実装した電子基板は、電子機器や測定機器などに格納されて動作を行う。このとき、実装されている電子部品の中には、電子基板でむき出しの状態では好ましくないものもある。耐久性や衝撃等への対応性を高めるために、電子部品が樹脂で封止されることが必要である場合もある。
このように電子基板に実装された電子部品(単数であったり複数であったりする)を、樹脂で封止する樹脂封止装置が、様々な場面で使用されている。通常の樹脂封止装置は、電子基板に実装されている電子部品を、完全に樹脂で封止する。もちろん、電子基板には複数で異なる種類の電子部品が実装されており、これらの一部もしくは全部が樹脂で封止されていることもある。
このとき、全ての電子部品が樹脂で封止されていることもあるが、一部の電子部品が樹脂で封止されることも多い。半導体集積回路やパワー半導体素子などのような大型でかつ外部からの衝撃への対応性をより必要とする電子部品に、樹脂が封止されることが多い。
ここで、このように樹脂で封止される電子部品は、他の電子部品などと共に電子基板に実装される前に、予め樹脂で封止される処理がされることもある。あるいは、他の電子部品などと共に電子基板に実装された後で、当該電子部品についてのみ樹脂で封止されることがある。このようにして、最終的な電子基板においては、必要となる電子部品についてのみ樹脂封止がされた状態となる。
通常、樹脂で封止される必要のある電子部品は、表面と裏面の全体が樹脂で封止される。電子部品の保護等を確実に実現するためである。
一方で、電子部品の表面には、放熱素子(ヒートシンク、放熱板、ヒートパイプなど)やセンサー素子が積層されていることもある。このような場合には、半導体集積回路などである電子部品の上に、放熱素子やセンサー素子が取り付けられている。一例としては、マイクロプロセッサの上に、ヒートシンクが積層されている場合である。このヒートシンクは、フィンを有する構成であることもあるが、フィンの無い平板状のものなどもある。このように、電子部品によっては、放熱部材やセンサー素子を備えていることがある。
このような放熱部材やセンサー素子は、その性質上、樹脂で封止される必要のある電子部品に備わっている場合でも、その表面については、樹脂で封止されないことが必要である。すなわち、電子部品が樹脂で封止される場合に、積層されている放熱部材やセンサー素子の表面については、樹脂で封止されずに露出させておく必要がある。表面が露出されることで、放熱部材やセンサー素子が、その機能を発揮できるからである。もちろん、樹脂で封止されてしまうと、その性質上、放熱部材やセンサー素子は、機能を発揮できなくなってしまう。
このように、放熱部材やセンサー素子を積層している電子部品において、放熱部材やセンサー素子の表面を露出させつつ、残部を樹脂で覆うように封止する樹脂封止が求められている。
樹脂封止装置は、封止対象となる電子部品を封止型に入れて、封止型の内部に樹脂を注入することで、電子部品を樹脂で封止する。このとき、封止型は、上部型枠と外部型枠とを備えており、上部型枠と外部型枠によって電子部品を挟む。挟まれた電子部品の周囲には上部型枠と外部型枠との組み合わせによって空間が生じる。この空間に樹脂が注入されることで、電子部品の周りが樹脂で封止される。
しかし、上部型枠と外部型枠との組み合わせによって生じる空間に樹脂が流し込まれると、電子部品の表面と裏面とのすべてが樹脂で封止されてしまう。上述したように、電子部品に放熱部材やセンサー素子が積層されている場合には、これらの表面まで樹脂で封止されてしまう。
このため、積層されている放熱部材やセンサー素子の表面を露出させて樹脂で封止するために、種々の技術が提案されている。その一つに、封止枠において、放熱部材やセンサー素子の表面にフィルムを設置して上部型枠と外部型枠で電子部品を挟む工法がある。フィルムが設置されていることで、放熱部材やセンサー素子の表面に樹脂が入り込まない。この結果、封止型の内部空間に樹脂が注入されて封止される場合でも、放熱部材やセンサー素子の表面が露出されて樹脂封止されるようになる。
しかしながら、このフィルムを設置する工法では、次のような問題がある。
フィルムは、上部型枠と電子部品との間、もしくは外部型枠と電子部品との間に設置される。上部型枠と外部型枠とが組み合わさって電子部品と共にフィルムが挟まれて圧力が加わる。すなわち、フィルムは電子部品と型枠とによって挟まれる状態となる。
このとき、電子部品の厚みが大きくなると、挟まれるフィルムの折れ曲がりの大きさが大きくなり、加わる圧力と合わせて、フィルムに大きな負荷がかかる。また、複数の電子部品をまとめて樹脂封止するので、1枚のフィルムが複数の電子部品に設置される。このとき、電子部品の厚みや実装角度の細かなばらつきによって、フィルムには、場所によって加わる負荷が異なることも生じる。
このような強い負荷や場所によって異なる負荷が加わることで、樹脂封止処理中に、フィルムが破れてしまうことがありえる。フィルムが破れてしまえば、放熱部材やセンサー素子の表面に樹脂が付着してしまうことにもなる。あるいは、樹脂内部にフィルムが残ってしまうなどの問題もある。
このように、フィルムを電子部品と型枠で挟む構成では、種々の問題があった。このような問題に対応するために、外部型枠を2つの部材に分けてフィルムを挟む技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−330697号公報
特許文献1は、樹脂成形型に、相対向して設けられた下型1A及び上型2Aと、下型1A・上型2A間に昇降自在に設けられ開口4を有する中間型3と、開口4を取り囲むようにして上型2Aに設けられたクランプ部9と、上型2A・中間型3間に張設されたフィルム10とを備える。上型2Aを下降させて、型締め完了前にクランプ部9がフィルム10を挟んだ状態で上型2Aの凸部5がフィルム10を押動し、更に上型2Aを下降させてクランプ部9がフィルム10を固定した状態で凸部5がフィルム10を押動して伸長させ、フィルム10を介してチップ12が押圧された状態で型締めを完了する。これにより、クランプ部9の内側においてフィルム10のしわ15やたるみ16を防止し、仮に発生してもこれを解消する樹脂封止用型を開示する。
特許文献1は、上部型枠、外部型枠の2つの型枠で電子部品とフィルムを挟む従来の構成と異なり、上部型、外部型、中間型の3つの構成を有する。電子部品に積層されている放熱部材の上にフィルムが設置されるが、このフィルムは、中間型と上部型とによって挟まれる。すなわち、フィルムは中間型と上部型によってクランプされて圧力が加わる。
この構成により、フィルムは、電子部品の厚みによって折れ曲がることがなくなり、厚みにより問題を解消することができる。
しかしながら、特許文献1には次のような問題がある。
(問題1)放熱部材などの樹脂封止から露出させたい露出領域の幅よりも、設置されるフィルムの幅が極めて大きい。このため、フィルム使用量が多くなり、コストが高くなる。
(問題2)問題1のように、設置されるフィルムの幅が大きく、幅方向の両端が、クランプされる上部型と中間型とによって強く引っ張られる。結果として、フィルムに強い負荷が掛かり、フィルム破損などの問題が生じうる。
(問題3)樹脂硬化が終わった後で、フィルムを電子部品から取り外す際に、樹脂面の全てがフィルムで覆われている。このため、フィルムの無い電子部品が実装されている実装基板に部材を押し当てて圧力を付与する必要がある。このため、実装基板の損傷が生じうる問題がある。
特許文献1は、このような問題を有している。
本発明は、上記課題に鑑み、フィルムを適切に用いて、露出部分を確実に露出させて電子部品を樹脂で封止できる樹脂封止装置用の封止型を、提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の樹脂封止装置用の封止型は、封止対象物の一方から取り付けられる第1型枠と、
封止対象物の他方から取り付けられ、第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、を備え、
封止対象物は、電子部品とこれに積層された露出部材とを有し、
第1型枠は、封止対象物の周囲に樹脂封止空間の一部を形成する第1凹部を有し、
第2型枠は、外部型と中間型とを有し、
中間型は、第1凹部と対になる第2凹部を有すると共に、外部型が挿入される挿入孔を有し、
中間型は、封止対象物を介して、第1型枠と組み合わされ、
外部型は、挿入孔に挿入される凸部を有して、中間型と組み合わされ、
第2凹部は、封止対象物の外周に樹脂封止空間の一部を形成し、
凸部の表面(凸部表面)は、露出部材の露出表面に略一致する。
本発明の樹脂封止装置用の封止型は、電子部品に積層されている放熱部材やセンサー素子などの表面を確実に露出させた上で、樹脂封止できる。また、露出させるために設置されるフィルムに過重な負荷や偏った負荷がかからずに、フィルムの損傷が生じにくい。同様に、フィルムの変形などが生じないことで、樹脂封止空間において、フィルム内部に樹脂が侵入して、露出領域に樹脂が付着してしまうことが防止できる。
また、フィルム使用量を低減でき、樹脂封止に係る材料コスト、工程コストを低減できる。
また、樹脂封止後にフィルムを離形させる場合において、実装基板に余分な負荷をかけることが無く、実装基板や電子部品の変形や損傷などを防止できる。
露出面を必要とする電子部品の側面図である。 複数の電子部品が実装された実装基板の正面図である。 樹脂封止された後の電子部品の側面図である。 従来技術その1における樹脂封止装置用の封止枠の側面図である。 従来技術その2の封止型の側面図である。 従来技術その2における実装基板にフィルムが設置された状態を示す模式図である。 従来技術その2で樹脂封止が終わった後の電子部品の様子を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における封止対象物を示す側面図である。 本発明の実施の形態1における封止型の側面図である。 本発明の実施の形態1における第1型枠の正面図である。 この樹脂封止された後の状態を示す側面図である。 、樹脂封止された後の状態を示す正面図である。 本発明の実施の形態1におけるフィルムを取り外す状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2における封止型の側面図である。 本発明の実施の形態2における封止型の側面図である。 本発明の実施の形態2における押し出し部材の挿入されている状態の封止型の側面図である。 本発明の実施の形態2における押さえ部材によって封止対象物を押さえ固定できる封止枠の側面図である。 本発明の実施の形態2における第1型枠が外部型と中間型を備える構成の封止型の側面図である。 本発明の実施の形態3における樹脂封止装置の模式図である。
本発明の第1の発明に係る樹脂封止装置用の封止型は、封止対象物の一方から取り付けられる第1型枠と、
封止対象物の他方から取り付けられ、第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、を備え、
封止対象物は、電子部品とこれに積層された露出部材とを有し、
第1型枠は、封止対象物の周囲に樹脂封止空間の一部を形成する第1凹部を有し、
第2型枠は、外部型と中間型とを有し、
中間型は、第1凹部と対になる第2凹部を有すると共に、外部型が挿入される挿入孔を有し、
中間型は、封止対象物を介して、第1型枠と組み合わされ、
外部型は、挿入孔に挿入される凸部を有して、中間型と組み合わされ、
第2凹部は、封止対象物の外周に樹脂封止空間の一部を形成し、
凸部の表面(凸部表面)は、露出部材の露出表面に略一致する。
この構成により、露出表面を確実に露出させるとともに、フィルムの破損による不具合なども防止できる。また、フィルムの使用量も低減できるので、部材コストや製造コストを下げることができる。
本発明の第2の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第1の発明に加えて、凸部表面と露出表面の間に、フィルムが設置可能である。
この構成により、フィルムに加わる負荷やストレスを軽減できる。また、折れ曲がりなどの偏ったストレスも軽減できる。
本発明の第3の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第2の発明に加えて、フィルムは、凸部表面と露出表面とによって挟まれる。
この構成により、フィルムへの偏ったストレスを低減できる。また、露出させるべき露出表面への樹脂の入り込みを確実に防止できる。
本発明の第4の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第2または第3の発明に加えて、フィルムの幅は、露出表面の幅と略同一もしくは若干量の分大きい幅である。
この構成により、フィルムの使用量を低減できる。
本発明の第5の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第4の発明に加えて、若干量は、露出表面の両端のそれぞれで1mm以下である。
この構成により、フィルムの設置を確実にしつつも、フィルムの使用量を低減できる。
本発明の第6の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、樹脂封止空間に樹脂を注入する樹脂注入口を更に備える。
この構成により、樹脂封止空間に樹脂を容易に注入できる。
本発明の第7の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第2から第6のいずれかの発明に加えて、外部型は、フィルムを露出表面に押し当てる吹き出し空気を通す、空気孔を備える。
この構成により、フィルムの露出表面への密着度を高めて、樹脂の入り込みを防止できる。
本発明の第8の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第7の発明に加えて、空気孔は、封止対象物を樹脂封止空間から取り出すことを補助する、吸引空気を送ることが可能である。
この構成により、フィルムの取り外しも確実にできる。
本発明の第9の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第7の発明に加えて、空気孔は、封止対象物を封止空間から取り出す押し出し部材を挿入可能である。
この構成により、樹脂封止空間から取り出しやすい。
本発明の第10の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、第1型枠は、樹脂封止空間にある封止対象物を押さえる押さえ部材を挿入可能な押さえ部材挿入部を、備える。
この構成により、樹脂封止空間での封止対象物の姿勢を維持しつつ、フィルムとの密着度を上げることができる。
本発明の第11の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、第1型枠および第2型枠のそれぞれは、封止対象物の上下のいずれかに配置され、いずれが上側であってもよい。
この構成により、封止対象物の状態にフレキシブルに合わせることができる。
本発明の第12の発明に係る樹脂封止装置用の封止型では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、第1型枠も、外部型および中間型を有する。
この構成により、両面実装の封止対象物についても対応できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(発明者による分析)
まず、従来技術およびその問題点等について、発明者による分析を説明する。
(露出面を必要とする電子部品)
図1は、露出面を必要とする電子部品の側面図である。電子部品100には、放熱部材やセンサー素子などの表面を樹脂封止において露出する必要のある露出部材101が積層されている。露出部材101は、図1のように一つの素子でもよいし複数の素子からなっていてもよい。電子部品100が樹脂で封止される際には、この露出部材101の露出表面103が露出される必要がある。電子部品100は、電子基板102に実装されている。実装基板102は、リードフレームや樹脂基板などである。
図2は、複数の電子部品が実装された実装基板の正面図である。複数の電子部品100は、実装基板102上に、実装されている。この実装基板102に複数の電子部品100が実装されている状態で、この電子部品100のそれぞれを、同時あるいは順次に樹脂封止することが行われる。このとき、上述したように、露出部材101の露出表面103が樹脂で覆われずに、樹脂からは露出した状態で封止されることが必要である。
図3は、樹脂封止された後の電子部品の側面図である。図1、図2のような状態の電子部品100に樹脂層200が覆っている状態である。すなわち、電子部品100の周囲が、樹脂層200で封止されている状態である。このとき、電子部品100の周囲は樹脂層200で覆われているが、露出部材101の露出表面103は、樹脂層200がなく、露出した状態となっている。
このように露出部材101の露出表面103が露出して残りが樹脂層200で封止されることで、樹脂封止による耐久性向上と露出部材101の機能発揮とを実現することができる。
(従来技術その1:フィルムの使用)
従来技術で説明した、フィルムを使用して露出部材101の露出表面103を露出させて樹脂封止する従来技術その1を、図4を用いて説明する。図4は、従来技術その1における樹脂封止装置用の封止枠の側面図である。封止枠300は、従来技術その1の構成であり、内部が分かるように、必要な内部構造を可視状態にして図4が示されている。
封止枠300は、第1型枠301と第2型枠302とを備える。第1型枠301と第2型枠302のそれぞれは、電子部品100を挟み込む領域に凹部を有する。第1型枠301と第2型枠302とが組み合わさって電子部品100を挟み込むと、この凹部同士も組み合わさって、封止空間310が形成される。電子部品100は、積層している露出部材101と共に、その表面および裏面が樹脂で封止されるように、封止空間310内部に存在する状態となる。
このとき、フィルム330は、封止空間310内部に設置された状態であり、露出部材101の露出表面103に密着して設置される。この設置状態により、第1型枠301と第2型枠302とが組み合わさると、フィルム330は、電子部品100(露出部材101)と第1型枠301とによって挟まれて圧力がかけられる状態となる(クランプ状態となる)。
封止空間310に樹脂が注入される。注入された樹脂310は、第1型枠301と第2型枠302との組み合わせの圧力によりその封止形状が形成されて硬化する。硬化した後で、第1型枠301と第2型枠302とが取り外されると、封止空間310が樹脂によって封止された状態として、電子部品100が取り出される。電子部品の取り出しの際、あるいはその後でフィルム330が取り外されると、露出部材101の露出表面103には、樹脂が存在しない状態となる。
しかしながら、フィルム330は、電子部品100(と露出部材101)と、第1型枠301とによって挟まれて圧力が加わった状態となる。フィルム330は、引っ張られる。この状態で封止空間310に樹脂が注入されて内部圧力が高まると、フィルム330には、図4の丸印で囲んだ部分などを中心に強い負荷が加わる。電子部品100と露出部材101との高さが高いことで、フィルム330の折れ曲がり量が大きくなるからである。また、電子部品100と露出部材101とは、その厚み、形状、角部の角度などにばらつきがあり、フィルム330が引っ張られた状態では、図4の露出部材101との角部との接触部分において、フィルム330に強い負荷が加わってしまう。
また、樹脂を注入する前においては、フィルム330は第1型枠301の凹部に張り付いている状態であるが、フィルム330が第1型枠301の角部において、十分に密着せず隙間が生じることがある。ここで、樹脂が注入されると、樹脂は第1型枠の内部形状に沿ってフィルム330表面に接触しながら流動する。樹脂が流動している最中に、フィルム330と樹脂が接触している部分は、伸びることが無い。
このような状態で樹脂の注入が完了する直前には、樹脂は、フィルム330の内側にほぼ充填しているが、フィルム330の屈曲部(第1型枠301の角部に対応する部分)と第1型枠301の角部が密着していないと、第1型枠301の角部には、樹脂が充填しきれていない状態となりうる。
樹脂の注入が完了した後で、樹脂の圧力によりフィルム330を伸ばしながら、第1型枠301の角部への樹脂の充填が行われる。しかしながら、フィルム3300に密着した部分の樹脂は均一には膨張しないので、フィルム330の屈曲部に部分的に負荷が掛かり、フィルム330の屈曲部の伸長の限界を超えた箇所で、フィルム330の破れとなってしまう。
特に、電子部品100や露出部材101の形状や厚みなどは、様々であり、封止型300でこれらに対応しようとすると、フィルム330には、電子部品100のそれぞれによって異なる折れ曲がり量が発生したり、負荷が発生したりする。このような折れ曲がりや負荷によって、フィルムが破損する問題がある。これは、厚み、形状、角度、その他の違いやばらつきのある電子部品100でフィルム330を挟むことが原因であり、従来技術その1では、フィルム330を用いた露出部材101の露出表面103を露出させつつ樹脂封止を完全に行うことが難しかった。
フィルム330が破損すれば、封止空間310に注入された樹脂が露出表面103に進入して付着することもあり得るし、露出表面103の角部に、樹脂がバリとして残ることもあり得る。もちろん、フィルム330を離形させることも難しくなり、樹脂封止された電子部品100の品質問題にもつながってしまう。
(従来技術その2:特許文献1などの従来技術)
従来技術その2として、上述した特許文献1などの技術がある。この従来技術その2は、第1型枠を2つに分解して、フィルムをこれで挟む構成としている。図5は、従来技術その2の封止型の側面図である。従来技術その2の封止型320は、第1型枠301が上部型303と中間型304とに分離されている。この分離された上部型303と中間型304との間に、フィルム330が設置される形態である。
上部型303と中間型304とによって形成される封止空間310の上部では、電子部品100と積層される露出部材101とが含まれる。このとき、上部型303が露出部材101の露出表面103と対向する。フィルム330は、上部型303と中間型304との間に挟まれてクランプされる。このクランプの中で、上部型303と露出表面103とが対向するので、この対向の中でフィルム330は、露出表面103に密着する。
フィルム330は、露出表面103と密着しつつも、その全体としては、上部型303と中間型304とにクランプされる。このため、図4に示す従来技術その1に比較して、電子部品100などの厚み、形状、角度などに依存してクランプされることが低減される。このため、従来技術その1の問題については低減できている。
しかしながら、図5で示される通り、フィルム330の幅は、露出部材101の露出表面103の幅よりも非常に大きい。これは、図2のように、実装基板102に複数の電子部品100が並んでおり、この一列の電子部品100をまとめて樹脂封止する際には、一列の電子部品100に1枚のフィルム330が設置される。この際のフィルムの列と直交する方向がフィルム330の幅であるが、この幅が、露出させるべき露出表面103の幅よりも非常に大きい。
図6は、この幅が広い状態を示している。図6は、従来技術その2における実装基板にフィルムが設置された状態を示す模式図である。
このように、フィルム330の幅が大きいことで、フィルム330の使用量が大きくなり、材料コストや製造コストが増加する問題がある。これが従来技術その2の問題点の一つ目である。
また、図5の矢印に示される幅においてフィルム330が存在しているので、フィルム330は、露出すべき露出表面103の幅よりも大きく広がって、上部型303と中間型304とにクランプされる。このクランプによって、幅方向にフィルム330が引っ張られて、負荷が加わってしまう。幅があるために、引っ張られる圧力が強く掛かるからである。
電子部品100の厚みなどによる問題を回避していながら、やはり、フィルム330に強いあるいは偏った負荷がかかることでの問題を、従来技術その2は、解消できていない問題がある。
また、封止型320が取り除かれた後では、図7のように、フィルム330が残って樹脂封止がなされた状態となる。図7は、従来技術その2で樹脂封止が終わった後の電子部品の様子を示す模式図である。樹脂層200によって電子部品100が封止され、フィルム330が残った状態である。このフィルム330を取り除く(離形させる)ために、押し出し部材350が圧力を付与する。このとき、図5のようにフィルム330は、封止空間310全体に渡っているので、樹脂層200の幅全域に渡って、フィルム330が覆っている状態となる。
このため、フィルム330を樹脂層200から離形させるには、フィルム330のいない実装基板102に、押し出し部材350をあてがう必要がある。図7に示される通りである。この状態で押し出し部材350をもって実装基板102に圧力が加わると、実装基板102が曲がったり折れたりなどの損傷が生じたりする可能性がある。これを防止するために、フィルム330の離形性を高めると、図5のように封止型320で封止して樹脂を注入するときに、フィルム330と露出表面103に樹脂が入りやすくなる懸念もある。こうなると、露出させるべき露出表面103に樹脂が付着することの問題も生じる。
このように、フィルム330の幅が露出させるべき露出表面103の幅よりも極めて大きいことを起因とする問題点が、従来技術その2においても存在する。
発明者は、これらの分析の結果、本発明に至ったものである。
(実施の形態1)
(全体概要)
図8、図9を用いて、実施の形態1の樹脂封止装置用の封止型(以下、必要に応じて「封止型」と略す)の全体概要について説明する。図8は、本発明の実施の形態1における封止対象物を示す側面図である。図9は、本発明の実施の形態1における封止型の側面図である。封止型1を側面から見た状態を示している。図9は、内部構造や封止型1の要素同士の関係が分かるように、内部の断面状態を含めて示している。
封止型1は、実装基板102に実装された電子部品100とこれに積層される露出部材101を合わせて樹脂で封止する際に用いられる。このとき、露出部材101の外周および電子部品100は、樹脂で封止されるが、露出部材101の露出表面103は、樹脂が付着せずに露出された状態で樹脂封止されることが必要である。電子部品100、露出部材101(および実装基板102の一部)が、樹脂封止装置によって樹脂封止される封止対象物となる。
封止型1は、第1型枠2、第2型枠3とを、備える。第1型枠2は、封止対象物の一方から取り付けられる。図9では、封止対象物である電子部品100の実装されていない実装基板102側に取り付けられている。もちろん、逆でもよい。
第2型枠3は、第1型枠2の他方から封止対象物に取り付けられる。図9では、封止対象物である電子部品100側から取り付けられている。第1型枠2と第2型枠3とが対向するようにして、封止対象物を挟むことで、封止対象物を樹脂で封止できる。
第1型枠2は、封止対象物の周囲に樹脂封止空間11の一部を形成する第1凹部21を有する。図9は側面図であるので、図9では、第1凹部21が封止対象物の下方で凹んでいる状態として示されている。実際には、図10のように、第1型枠2の中央部付近が凹んだ状態であり、樹脂封止空間11を形成できるように、外周のある凹みとなっている。
図10は、本発明の実施の形態1における第1型枠の正面図である。
第2型枠3は、外部型5と中間型4とを有する。側面図である図9では、外部型5が上側で下側に中間型4が配置されている状態が示されている。第2型枠3は、外部型5と中間型4とによって構成される。
中間型4は、第1凹部21と対になる第2凹部41を有すると共に、外部型の一部が挿入される挿入孔42を有する。図9では、第2凹部41が第1凹部21と対になって、封止対象物の両側のそれぞれに凹部が形成される。この両側のそれぞれの凹部(第1凹部21と第2凹部41)が合わさることで、樹脂封止空間11が形成される。
中間型4は、封止対象物を介して(挟んで)第1型枠2と組み合わされる。この組み合わせによって、上述のように第1凹部21と第2凹部41とによる樹脂封止空間11が形成される。
外部型5は、挿入孔42に挿入される凸部51を備える。中間型4と外部型5が組み合わされると、この凸部51が挿入孔42に挿入される。凸部51は、挿入孔42を通じて、樹脂封止空間11へ近づき、樹脂封止空間11の一部の外周を形成する。
すべてが組み合わされると、図9の側面図のように、第1凹部21、第2凹部41が樹脂封止空間11を形成しつつ、樹脂封止空間11の一部の外周を、凸部51が形成する。これらに囲まれる内部空間が樹脂封止空間11であり、ここに樹脂が流し込まれると、封止対象物である電子部品100、露出部材101および実装基板102の一部が樹脂で封止される。
ここで、凸部51の表面(凸部表面)は、露出部材101の露出表面103に略一致する。略一致することによって、フィルム330とあいまって、露出部材101の露出表面103が露出した状態となる。露出表面103とは、露出部材101において、樹脂で封止されずに露出させるべき表面である。
フィルム330は、外部型5と中間型4との間に挟まれて設置される。図9では、この設置状態が示されている。フィルム330が、このような設置状態であることで、凸部51の表面と露出表面103との間にフィルム330が設置された状態となる。
樹脂封止空間11に樹脂が注入された後でも、露出表面103がフィルム330で覆われている状態なので、露出表面103には樹脂が付着しない。最終的な樹脂の硬化が終わって第1型枠2と第2型枠3とが取り外されると、フィルム330によっておおわれていた露出表面103は樹脂が付着せずに、樹脂封止空間11に対応する部分だけが樹脂封止された状態となる。
図11は、この樹脂封止された後の状態を示す側面図である。図12は、樹脂封止された後の状態を示す正面図である。このように樹脂封止されてフィルム330が取り除かれると、露出表面103に樹脂が付着しない状態となって、封止対象物が樹脂で封止される。露出表面103が露出されていることで、露出部材101の機能が発揮できる状態が実現される。
ここで、フィルム330は、図9のように外部型5と中間型4との間に挟まれた状態である。フィルム330は、外部型5の凸部51によって露出表面103と対向して接触する。このとき、凸部51は、上述の通り、露出表面103と略一致する。略一致とは、凸部51の形状、面積が、露出表面103の形状・面積と略一致することである。
この略一致のため、露出表面103を覆う必要のあるフィルム330の量は、従来技術その2よりも少なくて済む。結果として、部材コストや製造コストを低減できる。
また、フィルム330は、露出表面103に対して凸部51の幅だけが接触する。そのうえで、外部型5と中間型4とにはさまれてクランプされる。従来技術その1やその2と異なり、幅が広すぎて幅方向に引っ張られることが軽減する。このため、クランプされても、フィルム330に加わるストレスが小さくなる。結果として、フィルム330の破損や損傷などが生じにくくなる。
また、図13のように、第1型枠2と第2型枠3とが取り外されてからフィルム330が取り外される際には、フィルム330は、従来技術その2と異なり樹脂層200の全てを覆っている状態ではない。露出表面103とその周辺を覆う程度である。図13は、本発明の実施の形態1におけるフィルムを取り外す状態を示す模式図である。
このため、樹脂層200の表面には、フィルム330が存在していない領域が残る。図7で説明した従来技術その2では、フィルム330を取り外すために、押し出し部材350を、実装基板102に押し当てなければならなかった。しかしながら、図13に示されるように、実施の形態1の封止型1の場合であれば、フィルム330が存在しない樹脂層200の表面が残っているので、この領域に押し出し部材400を押し当てればよい。この結果、フィルム330を外す際に、実装基板102に不要なストレスを与えることが無くて済む。
このように、実施の形態1の封止型1は、従来技術その1、その2などで分析された問題点や不足点を解消して、露出部材101の露出表面103を確実に露出させて、封止対象物を樹脂封止することができる。
次に、各部の詳細などについて説明する。
(第1型枠2)
第1型枠2は、封止型1の一方側を構成する。第1型枠2は、上述した通り、第1凹部21を有し、この第1凹部21が第2凹部41と組み合わさって、樹脂封止空間11を形成できる。
第1型枠2は、金属、合金、セラミックス、樹脂、木質など種々の素材で形成されればよい。耐久性と強度が十分に実現できる素材であればよい。また、第1型枠2は、第2型枠3と共に使用されるので、第2型枠3との組み合わせができる形状、大きさである。
(第2型枠3)
第2型枠3は、第1型枠とセットで用いられる。第2型枠3も第1型枠2と同様の素材で形成されればよい。また、その形状および大きさも、第1型枠2との組み合わせに対応していればよい。
第2型枠3は、外部型5と中間型4との組み合わせを有する。この2つの要素が組み合わされることで、フィルム330を、少ない折れ曲がりでクランプできる。少ない折れ曲がりでクランプできることで、フィルム330への負荷を軽減できる。
また、外部型5と中間型4との組み合わせは、凸部51と挿入孔42とによる。このとき、挿入孔42と凸部51との大きさが、露出部材101の露出させるべき露出表面103に相当する。この結果、露出表面103と凸部51とによって挟まれるフィルム330は、露出表面103に相当する範囲でクランプされる。この結果、フィルム330に対する負荷が軽減される。また、上述したように、フィルム330の必要量が低減する。
(フィルム330)
フィルム330は、図9に示されるように、外部型5と中間型4とによって挟まれて設置される。このとき、凸部51表面と露出表面103との間に、フィルム330が設置される。すなわち、フィルム330は、凸部51表面と露出表面103との間で挟まれてクランプされる。
ここで、凸部51と露出表面103とは、略同一であるので、フィルム330は、露出表面103の面積に合わせた範囲でクランプされる。このため、フィルム330の必要量が少なくて済む。また、クランプによる負荷も低減される。
外部型5と中間型4との間に設置されるフィルム330の幅は、露出表103の幅と略同一もしくは若干量の大きい幅である。図9などでは、若干量大きい幅として示されている。この程度の幅であることで、フィルム330の使用量が少なくできる。また、フィルム330は、凸部51表面と露出表面103とによって挟まれるので、フィルム330の幅は、この程度で十分である。
また、フィルム330が、凸部51と露出表面103とで挟まれることで、フィルム330の折れ曲がり部分が少なくなり、フィルム330に余分なストレスが加わるのを低減できる。
ここで、若干量は、露出表面103の両端のそれぞれで1mm以下であることが好ましい。1mm以下であることで、十分なクランプができつつも、不要なフィルム330の使用量を抑えることができるからである。また、折れ曲がりや両端からの引き張り圧力を軽減できるからである。
これらの軽減によって、フィルム330が破損したり浮いたりすることを防止でき、露出表面103への樹脂の付着を確実に防止できる。
以上のように実施の形態1における封止型1は、従来技術その1、その2の問題点を解決できる。結果として、コストを低減しつつ、製造精度を高めて、露出部材101の露出表面103を確実に露出して封止対象物を樹脂封止できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
(樹脂注入口)
図14は、本発明の実施の形態2における封止型の側面図である。図14に示される封止型1は、樹脂封止空間11に樹脂を注入する樹脂注入口12を更に備える。樹脂注入口12を介して、外部から樹脂が注入される。樹脂の注入によって、樹脂封止空間11内部が樹脂で充填される。充填された樹脂が硬化することで、樹脂封止が完了する。
図14では、第1型枠2および第2型枠3のいずれにも樹脂注入口12が示されている。樹脂封止空間11内部に樹脂を充填できる構造であれば、樹脂注入口12は、第1型枠2もしくは第2型枠3のいずれかに設けられることでもよい。
樹脂注入口12は、外部から樹脂を注入できるように外部と連通する。このとき、樹脂が充填された後で、樹脂封止空間11が密封されるように、樹脂注入口12が閉鎖される構造であってもよい。
樹脂注入口12は、単数でもよいし、複数でもよい。例えば、第1型枠2に複数の樹脂注入口12が設けられる構造でもよい。また、第2型枠3に設けられる場合には、外部型5、中間型4のいずれに設けられてもよい。外部型5と中間型4との合わせ目に、樹脂注入口12が設けられてもよい。
(吸引空気によるフィルムの固定)
図15は、本発明の実施の形態2における封止型の側面図である。図15に示される封止型1では、外部型5が、空気孔13を備える。空気孔13は、外部型5の外部と内部とに連通しており、フィルム330が設置される部分に重なっている。空気孔13は、吹き出し空気を通すことができる。吹き出し空気は、フィルム330を露出表面103に押し付ける。
この押し付けによって、フィルム330は、確実に露出表面103に接触して、露出表面103に樹脂が入り込むことを防止できる。結果として、露出表面103を確実に露出させた状態で樹脂封止を行える。
空気孔13は、外部の空気発生装置と接続されており、この空気発生装置で発生された吹き出し空気をフィルム330に吹き付ける。空気孔13の数は単数でも複数でもよい。
(空気孔による吸引空気)
空気孔13は、吹き出し空気だけでなく、吸引空気を送ることもできる。吸引空気が送られることで、フィルム330は、外部型5に引き寄せられる。外部型5に引き寄せられることで、フィルム330は、露出部材101の露出表面103から外れやすくなる。
第1型枠2および第2型枠3が取り外される際には、フィルム330も取り外されることが必要である。樹脂封止が終了しているからである。このとき、外部型5の外側から吸引空気でフィルム330が外部型5に引き寄せられることで、フィルム330は、露出表面103から取り外しがしやすくなる。すなわち、フィルム330の取り外しの補助ができる。
(押し出し部材の挿入)
図16は、本発明の実施の形態2における押し出し部材の挿入されている状態の封止型の側面図である。封止型1の外部型5は、上述の通り、空気孔13を備える。
この空気孔13は、封止対象物を樹脂封止空間11から取り出す押し出し部材14を挿入可能である。図16は、この押し出し部材14が挿入されている状態を示している。なお、図の見易さのために、空気孔13の一方のみに押し出し部材14が挿入されているが、両方に押し出し部材14が挿入されてもよい。
押し出し部材14は、空気孔13に挿入されて、露出部材101に到達できる。露出部材101に到達できると、押し出し部材14は、露出部材101を含めて封止対象物を押すことができる。押すことで、樹脂封止空間11から封止後の封止対象物が取り外されやすくなる。
(押さえ部材)
図17は、本発明の実施の形態2における押さえ部材によって封止対象物を押さえ固定できる封止枠の側面図である。
第1型枠2は、樹脂封止空間11にある封止対象物を押さえる押さえ部材16を挿入可能な押さえ部材挿入孔15を備えることも好適である。図17では、第1型枠2の下側から上に向けて押さえ部材16を挿入可能なように、押さえ部材挿入孔15が設けられている。
押さえ部材16は、押さえ部材挿入孔15に挿入されて封止対象物を押さえる。このとき、樹脂封止空間11に樹脂が注入される前であれば、図17の左側の押さえ部材16のように、実装基板102の裏側を押さえる。すなわち、封止対象物を直接押さえる。
逆に、樹脂が注入された後であれば、図17の右側に挿入されている押さえ部材16のように、樹脂が注入された後の樹脂の表面から押さえる。
いずれの場合でも、樹脂封止空間の封止対象物の固定を強化でき、樹脂封止時の実装基板102の変形などを防止でき、樹脂封止の封止強度や密度を上げることもできる。
(第1型枠)
第1型枠2も、第2型枠3と同様に、外部型と中間型とによって構成されてもよい。この場合には、第1型枠2も、図9の第2型枠3と同じ構成となる。このような場合には、図18のような上下に電子部品100および露出部材101が実装されている封止対象物に対しても、封止を行うことができる。
図18は、本発明の実施の形態2における第1型枠が外部型と中間型を備える構成の封止型の側面図である。
図18に示される通り、第1型枠2も外部型25と中間型24とを備える。この構成によって、第1型枠2側に電子部品100や露出部材101が実装されていても、フィルム330を設置でき、フィルム330によっておおわれた露出部材101の露出表面103を露出させつつ、樹脂封止できる。
第1型枠2を構成する外部型25と中間型24の詳細や機能については、第2型枠3を構成する外部型5および中間型4と同様である。
なお、実施の形態1、2のいずれの場合でも、第1型枠2と第2型枠3との上下関係や左右関係などはいずれでもよい。
以上のように、実施の形態2の封止型は、樹脂封止の精度を向上させて、封止時の処理手順のレベルアップを図ることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。図19は、本発明の実施の形態3における樹脂封止装置の模式図である。
樹脂封止装置500は、実施の形態1、2で説明された封止型1と、樹脂供給部510と、圧力付与部520と、を備える。封止型1については、実施の形態1、2で説明した通りの構成、機能を有する。図19では、封止型1の一例が図示されているが、この一例に限られるものではなく、また、図の見易さのため、すでに説明した符号の一部については記していない。
樹脂供給部510は、樹脂注入口12を通じて、樹脂封止空間11に樹脂を供給する。樹脂の供給方法は種々あってよく、樹脂封止空間11に樹脂を充填できる方法で供給されればよい。
樹脂供給部510は、封止型1と近接していてもよいし、遠隔していてもよい。樹脂封止装置500の設置場所や構成によって、定められれば良い。
圧力付与部520は、第1型枠2と第2型枠3とを組み合わせる。この組み合わせによって、樹脂封止空間11が形成されると共に、フィルム330によっておおわれた露出表面103に樹脂が入り込まないようにできる。樹脂が入り込まないことで、露出表面103は、最終的に露出された状態で、樹脂層が形成できる。
また、図19には図示されていないが、必要に応じて、フィルム330や封止対象物を設置する機構や、時間や温度を計測する種々のセンサーが備わっていることも好適である。必要な要素が更に備わることで、樹脂封止装置500としての機能が更に拡張されるからである。
実施の形態3の樹脂封止装置500は、実施の形態1、2で説明したような効果を有して、従来技術その1、その2の問題を解消できる。
なお、実施の形態1〜3で説明された樹脂封止装置、樹脂封止システムは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 封止型
2 第1型枠
21 第1凹部
3 第2型枠
4 中間型
41 第2凹部
42 挿入孔
5 外部型
51 凸部
11 樹脂封止空間
12 樹脂注入口
13 空気孔
14 押し出し部材
15 押さえ部材挿入孔
16 押さえ部材
100 電子部品
101 露出部材
102 実装基板
103 露出表面
200 樹脂層
500 樹脂封止装置
510 樹脂供給部
520 圧力付与部
上記課題に鑑み、本発明の樹脂封止装置用の封止型は、封止対象物の一方から取り付けられる第1型枠と、
封止対象物の他方から取り付けられ、第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、を備え、
封止対象物は、電子部品とこれに積層された露出部材とを有し、
第1型枠は、封止対象物の周囲に樹脂封止空間の一部を形成する第1凹部を有し、
第2型枠は、外部型と中間型とを有し、
中間型は、第1凹部と対になる第2凹部を有すると共に、外部型が挿入される挿入孔を有し、
中間型は、封止対象物を介して、第1型枠と組み合わされ、
外部型は、挿入孔に挿入される凸部を有して、中間型と組み合わされ、
第2凹部は、封止対象物の外周に樹脂封止空間の一部を形成し、
凸部の表面(凸部表面)は、露出部材の露出表面に略一致し、
フィルムが、外部型と中間型との間に挟まれて設置され、
フィルムの幅は、露出表面の幅よりも若干量の分大きい幅であり、
フィルムは凸部と挿入孔との間にクランプされ、
中間型が封止対象物を介して、第1型枠と組み合わされる時、凸部表面と露出表面との間にフィルムが設置された状態となり、フィルムは凸部によって露出表面と対向して接触する。

Claims (13)

  1. 封止対象物の一方から取り付けられる第1型枠と、
    前記封止対象物の他方から取り付けられ、前記第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、を備え、
    前記封止対象物は、電子部品とこれに積層された露出部材とを有し、
    前記第1型枠は、前記封止対象物の周囲に樹脂封止空間の一部を形成する第1凹部を有し、
    前記第2型枠は、外部型と中間型とを有し、
    前記中間型は、前記第1凹部と対になる第2凹部を有すると共に、前記外部型が挿入される挿入孔を有し、
    前記中間型は、前記封止対象物を介して、前記第1型枠と組み合わされ、
    前記外部型は、前記挿入孔に挿入される凸部を有して、前記中間型と組み合わされ、
    前記第2凹部は、前記封止対象物の外周に樹脂封止空間の一部を形成し、
    前記凸部の表面(凸部表面)は、前記露出部材の露出表面に略一致する、樹脂封止装置用の封止型。
  2. 前記凸部表面と前記露出表面の間に、フィルムが設置可能である、請求項1記載の樹脂封止装置用の封止型。
  3. 前記フィルムは、前記凸部表面と前記露出表面とによって挟まれる、請求項2記載の樹脂封止装置用の封止型。
  4. 前記フィルムの幅は、前記露出表面の幅と略同一もしくは若干量の分大きい幅である、請求項2または3記載の樹脂封止装置用の封止型。
  5. 前記若干量は、前記露出表面の両端のそれぞれで1mm以下である、請求項4記載の樹脂封止装置用の封止型。
  6. 前記樹脂封止空間に樹脂を注入する樹脂注入口を更に備える、請求項1から5のいずれか記載の樹脂封止装置用の封止型。
  7. 前記外部型は、前記フィルムを前記露出表面に押し当てる吹き出し空気を通す、空気孔を備える、請求項2から6のいずれか記載の樹脂封止装置用の封止型。
  8. 前記空気孔は、前記封止対象物を前記樹脂封止空間から取り出すことを補助する、吸引空気を送ることが可能である、請求項7記載の樹脂封止装置用の封止型。
  9. 前記空気孔は、前記封止対象物を前記樹脂封止空間から取り出す押し出し部材を挿入可能である、請求項7記載の樹脂封止装置用の封止型。
  10. 前記第1型枠は、前記樹脂封止空間にある前記封止対象物を押さえる押さえ部材を挿入可能な押さえ部材挿入部を、備える、請求項1から9のいずれか記載の樹脂封止装置用の封止型。
  11. 前記第1型枠および前記第2型枠のそれぞれは、前記封止対象物の上下のいずれかに配置され、いずれが上側であってもよい、請求項1から10のいずれか記載の樹脂封止装置用の封止型。
  12. 前記第1型枠も、前記外部型および前記中間型を有する、請求項1から11のいずれか記載の樹脂封止装置用の封止型。
  13. 請求項1から12のいずれか記載の樹脂封止装置用の封止型と、
    前記樹脂封止空間に樹脂を供給する樹脂供給部と、
    前記第1型枠および前記第2型枠に圧力を付与する圧力付与部と、を備える、樹脂封止装置。
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