JP2019023565A - 温度履歴表示体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保管温度を逸脱した時刻を特定可能な温度履歴表示体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係わる温度履歴表示体は、連続多孔質からなり表面に発色剤を保持している発色層と、発色剤の発色を促す顕色剤を含む顕色層と、所定温度を超えると顕色剤の発色層への浸透を抑制するバリア剤を含むバリア層と、拡散層の拡散を遮断する遮断層を備え、発色層はバリア層上に積層しており、発色層と顕色層は、バリア層と発色層の積層方向に対して垂直方向に遮断層を介して隣接していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の温度を超えたことを表示可能な温度・時間履歴表示体に関する。
医薬品、冷凍食品等、世の中には冷蔵、或いは冷凍保存する必要のある商品が非常に多い。工場で製造されたこれらの商品はそのまま保冷機能を有する車両等で病院、スーパー、卸売業者等の顧客に輸送される。
商品の変質を防ぐためには、輸送・保管の際、適正な温度で管理しなければならない。適正な温度で管理されないと、医薬品の場合は薬効の低下や有害な物質が発生するといった問題が生じる。また冷凍食品の場合も変性による味、風味の劣化、腐敗等の変質といった問題が生じる。
そのため、EU(Europian Union)では医薬品について適切な温度管理等を定めたGood Distribution Practice of Medical Products for Human Use(2013/C 68/01)が2013年9月より施行されている。これにより、医薬品を輸送するコンテナ内の温度管理は温度センサによるリアルタイム管理、ペンレコーダー等による記録が行われるようになってきた。工場からかなりの数がまとまって輸送される場合はこのような管理が可能であるが、卸売り業者から1個〜数個ずつ病院等に搬送される場合はここまで厳密な管理は、人員・コスト等の観点から見て困難な状況である。
そこで、ある一定の温度(保存上限温度)に達した場合に不可逆的に着色する不可逆的サーモクロミックマーキング(温度履歴表示体)が検討されている。これは保管温度が適切であれば発色しないが、保管温度が適正値を超えると発色し、再び冷却してもその発色が消色しないマーキングである。このようなマーキングを行うことにより適正な保管温度を超えた履歴が残り、このことが商品の変性が起こった場合の原因と判断することが可能となる。
特許文献1には、インジケーターインク層が部分的に付着している基材シートにインク浸透シートが接着している温度履歴インジケーターに、基材シートとインク浸透シートとの間に、少なくともインジケーターインク層を覆って剥離可能に介在する離型シートを設けた温度履歴インジケーターが開示されている。離型シートを曳き剥がして取り去ると、インク浸透シートとインジケーターインク層とが接触し、ある一定温度を超えると発色することが開示されている。
一方、特許文献2には、所定期間の温度推移を表示する温度履歴表示装置が開示されている。この温度履歴表示装置は、CPUやメモリ等のハードウェア構成を有し、制御装置から贈られるデータをLEDを用いて表示する。
特開平10−267761号公報 特開2005−106774号公報
特許文献1に記載された温度履歴インジケーターは、温度逸脱を記録することが可能だが、温度逸脱が生じた時刻は記録できない。温度履歴表示体を装着した商品が生産現場から顧客に到着するまで複数の輸送業者によって配送される場合、顧客到着時に配送過程で保管温度が逸脱したことが分かっても、どの輸送業者が保管温度以上の温度に保管したか不明である。輸送に関してそれぞれの輸送業者はその商品を何時から何時まで預かっていたかタイムテーブルで管理できている場合、輸送開始時点から何時間後に保管温度以上の温度に保管したか判れば、管理温度を逸脱した輸送業者を特定できる。そのため、温度逸脱が生じた時刻を特定可能な温度履歴表示体が望まれている。
一方、特許文献2に記載の温度履歴表示装置は、時間や温度情報を記録することが可能である。しかしながら、シール状デバイスのように安価な構造ではなく、さらに大型である。そのため、輸送品を個別に管理することは困難であると考えられる。したがって、低コストかつ小型な温度履歴表示体を提供することが期待されている。
したがって、本発明の目的は、保管温度を逸脱した時刻を特定可能な温度履歴表示体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る温度履歴表示体は、連続多孔質からなり表面に発色剤を保持している発色層と、発色剤の発色を促す顕色剤を含む顕色層と、所定温度を超えると顕色剤の発色層への浸透を抑制するバリア剤を含むバリア層と、拡散層の拡散を遮断する遮断層を備え、発色層はバリア層上に積層しており、発色層と顕色層は、バリア層と発色層の積層方向に対して垂直方向に遮断層を介して隣接していることを特徴とする。
本発明によれば、保管温度を逸脱した時刻を特定可能な温度履歴表示体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の模式図である。 本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の使用方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の上面図である。 本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の上面図である。 本発明の一実施形態に係る発色層の上面図である。 本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の模式図である。 本発明の一実施形態に係る発色層の上面図である。 温度履歴表示体の使用方法の一例である。 本発明に係る温度履歴表示体の適用方法を示す図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
(1)基本構造
本発明の温度履歴表示体の断面模式図を図1に示す。温度履歴表示体は、表面に発色剤3を保持している発色層4と、発色剤の発色を促す顕色剤を含む顕色層1と、所定温度を超えると顕色剤の発色層への浸透を抑制するバリア剤を含むバリア層5と、拡散層の拡散を遮断する遮断層2を備え、発色層はバリア層上に積層しており、発色層と顕色層は、バリア層と発色層の積層方向に対して垂直方向に遮断層を介して隣接していることを特徴とする。バリア層、発色層、顕職層、及び遮断層は、基材6上に配置されている。基材6の下部には粘着層8により基材に接着された離形シート9が設けられている。また、顕色層及び遮断層の下部には、顕色層及びバリア層を遮断する調整層7が設けられている。
ここで、発色剤とは、無色、或いは淡色の状態から、酸性、或いは塩基性の薬品と接することにより発色する薬剤と定義する。また本発明で顕色剤とは、酸性、或いは塩基性を示す無色、或いは淡色の薬剤と定義する。遮断層とは、顕色層の発色層への拡散を遮断し、発色層の発色を防ぐものと定義する。輸送開始時点など、温度履歴表示体の利用を開始する際に、遮断層を除去する、あるいは破壊することにより、顕色層の発色層への拡散が開始する。その際に、一定時間経過すると、顕色剤と発色剤が接触し、発色剤が発色することで、時刻を記録する仕組みである。連続多孔質体とは、複数の気孔から構成されており、隣接した気孔間の壁が開口している素材をいう。バリア剤とは、所望の管理温度以上で溶解、或いは軟化する物質と定義する。所望の温度以上で溶解、或いは軟化することにより、バリア剤を含むバリア層が、発色層に拡散する。これにより、顕色層の発色層への拡散を防ぎ、発色剤の発色を停止する。これにより、保管温度以上の温度に達した時刻を記録する仕組みである。
次に本発明のデバイスの使用方法について図2を用いて説明する。図2は本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の機能を説明する図である。顕色剤は遮断層が無ければ発色層側に浸透し始めるが、遮断層によりその浸透が止められている(図2(a))。温度履歴表示体の遮断層2が取り除かれると、スイッチオン状態となる。遮断層を取り外すと、顕色剤が発色層側へ徐々に拡散し、顕色剤と発色剤とが接触し発色した発色剤10が形成される。その結果、顕色層側の発色剤から順に発色していく(図2(b))。顕色層からの距離が離れるほど顕色剤の到達時間が長くなるので、発色剤は顕色剤からの距離が離れるほど発色するまでの時間が長くなる。発色した発色剤の位置から遮断層が除去されてからの経過時間が判る。所定温度を超えると、バリア層が溶融或いは軟化し、バリア剤が発色層に拡散する。その結果、顕色層の発色層への拡散が遮断され、発色剤の発色が停止する(図2(c))。発色が停止した位置から、温度逸脱した時刻を特定できる。
図3は、本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体の上面図である。図3(a)はスイッチオフの状態の温度履歴表示体である。図3(b)は、遮断層が除去され時刻のカウントが始まった状態の温度履歴表示体、図3(c)は管理温度を逸脱することなく保管された状態の温度管理表示体、図3(d)は管理温度を逸脱した時の温度履歴表示体である。遮断層を除去すると温度履歴表示体は(b)〜(c)の順に変化する。(c)の時刻に達するまでに管理温度を超えた場合、(d)のように、発色が停止し、管理温度を超えた時刻を記録する。ドット状の発色剤の付近には目盛11が設けられており、発色したドットに対応する目盛をみることにより保管温度を超えた後の経過時間が判る。図4に示すように、発色剤で形成されるドットそのもので目盛を構成しても良い。
発色層は、主鎖部12と、主鎖部から分岐した枝部13とを有する構造としても良い。図5に主鎖部と枝部とを有する発色層を備える温度履歴表示体を示す。図5において、発色剤は、枝部に保持されている。顕色剤が発色剤と接触し、発色した場合、発色したドットは顕色剤の動きを妨げることがある。これは発色構造が発色剤に比べて極性が大きい場合に生じる。また発色したドットも顕色剤とともに徐々に拡散するため、ドットがテーリングする事象も発生することがある。図5ように、主鎖部と枝部とを有し、枝部に発色剤を保持した発色層を用いることにより、発色部分の顕色剤の移動の妨げを抑制できる。
発色層、顕色層、バリア層は、保護膜で覆われていることが好ましい。発色層、顕色層、バリア層をフィルムで覆い密封することにより、顕色剤に含まれる溶剤の揮発を抑制できる。その結果、デバイスとしての保管寿命を延ばすことができる。図6に発色層、顕色層、及びバリア層が透明のフィルムで覆われた温度履歴表示体を示す。保護膜を透明なフィルムとすることで、発色層の変化を容易に観察することができる。ここで、透明とは、JIS(Japanese Industrial Standards)の規格番号であるJIS K 7136で規定されるようにヘイズメーターで測定される曇度(Haze値)が5%以下であることをいう。また、目視での観察しやすさを考慮すると、透明なフィルムとしては、人間の可視領域である400〜700nmの波長域において、400nm、700nm以外の波長で吸収極大を持たない物質からなるフィルムを用いることが好ましい。
保護膜としては、非透明なフィルムを用いても良い。図7に発色層、顕色層、及びバリア層が非透明のフィルムで覆われた温度履歴表示体を示す。このとき、非透明のフィルムには、発色層の変化を表示するための穴16を所定の間隔で設ける必要がある。穴16は、例えば、透明のフィルム等で形成することができる。なお、穴16は図7に示すようにメモリの機能を備えることが好ましい。顕色剤が色を有する材料であれば、発色層は発色剤を有するドットである必要はなく、どの位置まで発色層が顕色剤の色に変化したかで時刻を特定できる。
<発色層>
発色層は連続多孔質部材から構成され、連続多孔質部材の表面に発色剤を保持している。
発色剤は、発色層の表面に部分的に保持されていることが好ましい。発色剤の位置を調整することにより遮断層が除去されてからの経過時間を容易に推定できる。また、発色剤で文字、数字、記号等を形成してもよい。発色剤は、例えば、ドット状とすることができる。
発色剤としては、目視では無色、或いは淡色であるが、酸性物質或いは塩基性物質に触れることにより構造が変化し目視で発色する物質が該当する。ここで、おおよそpH5以上pH8未満の中性付近ではほぼ無色或いは淡色で、おおよそpH5未満で発色する物質を「酸性材料に触れて発色する物質」とし、おおよそpH8以上で発色する物質を「塩基性材料に触れて発色する物質」とする。また物質によっては酸性、中性付近、塩基性でそれぞれ異なる発色を示す化合物もあるので、「酸性材料に触れて発色する物質」と「塩基性材料に触れて発色する物質」両方に記す物質もある。
また、マーキング形成後の商品を種々の角度に傾けて保管する時に流れてしまったりしないよう常温では固体のものが望ましい。
酸性材料と触れて発色する物質としては、メチルバイオレットカルビノールベース、マラカイトグリーンカルビノールベース、チモールブルー、メチルイエロー、メチルオレンジ等が挙げられる。
塩基性材料に触れて発色する物質としては、チモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、アリザニンイエロー等が挙げられる。
ところで、発色剤の材料は発色の際、酸性或いは塩基性の顕色剤層に接触しただけでは発色が弱く、視認性が低い場合がある。その際は、水分を共存させてもよい。水分を含むことにより発色が高くなる発色剤材料もある。例えばフェノールフタレインは水分を共存させないと、ごく薄いピンク色の発色であるが、水分を僅か共存させると良くピンク色発色するようになる。
発色層は、アミノ基を有する高分子を含有することが好ましい。酸性物質に触れて発色する物質は空気中の炭酸ガス、或いはSO、NOといった酸性のガスに接触しても発色するため、本来着色しない温度領域に保存していても発色する虞がある。アミノ基は塩基性を示すためアミノ基を有する化合物を共存させることによりマーキング形成後も発色剤層材料が常に塩基性に保てる。その結果、酸性ガス暴露による発色を抑制することが可能となる。アミノ基を有する化合物は結晶性が低い高分子、或いは非晶質の高分子であることが好ましい。結晶性が低い或いは非晶質の高分子は、発色剤層材料と混合後、ほぼ均一に分散した状態で発色剤層を形成できる。
アミノ基を有する高分子としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が好適である。
発色層を構成する連続多孔質体は、顕色剤、発色剤、バリア剤をドープ可能なように細かな細孔が存在し、しかも内部を浸透できるよう連続多孔質になっている。材質は、顕色剤、発色剤、バリア剤が長期間接触していても変性しないような材質が求められる。そのため、高分子として具体的にはポリエチレン、或いはポリプロピレン、セルロースなど、通常の有機溶媒に溶解しにくい材質が好適である。無機化合物としては二酸化珪素も好適である。
構造としては、一般的なスポンジ、不織布、織布等が挙げられる。セルロースの場合は書籍、書類を作成時に用いられる用紙でもかまわない。或いは二酸化珪素、ポリエチレン、ポリプロピレンの粉体を同様の化学構造のバインダーで保持して連続多孔質体を形成し、使用することも可能である。連続多孔質体は平均空隙サイズが小さいほど顕色剤が浸透しやすくなるので、顕色剤が発色剤に接触するまでの時間が短くなる。また空隙率が高まるほど顕色剤が発色剤に接触するまでの時間が長くなる。以上より、空隙率、平均空隙サイズを制御することにより、所望の管理温度以上の環境に曝した後の経過時間をどれだけ長く設定できるか制御が可能となる。数時間、或いは半日程度の短時間の搬送の場合は用いる連続多孔質体の平均空隙サイズを小さくし、空隙率を下げることが好ましい。また1〜2週間程度の長時間搬送の場合は用いる連続多孔質体の平均空隙サイズを大きくし、空隙率を上げることが好ましい。また、長時間搬送の場合は、発色剤を保持する位置を顕色層から離し、顕色剤と発色剤の距離を延ばしてもよい。
<顕色層>
顕色層は連続多孔質部材からなり、連続多孔質体中に顕色剤を含む。
連続多孔質部材としては、発色層に用いられる連続多孔質部材と同様なものを用いることができる。
顕色剤としては、酸性物質、或いは塩基性物質であり、発色剤の発色を促すものが該当する。また、遮断層を除去した際に、発色層に拡散する必要があるため、使用温度では液体のものが望ましい。
これに該当する酸性物質としては、カルボキシル基やスルホン酸基を有する物質の溶液が挙げられる。酸性物質が高分子の場合、具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、スチレンとポリアクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸プロピルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸オクチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとアクリル酸の共重合物、スチレンとポリメタクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸プロピルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸ブチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸オクチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸エチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとメタクリル酸の共重合物、スチレンとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸メチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸エチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸プロピルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸ブチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸オクチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸メチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸エチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとスチレンスルホン酸の共重合物、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリビニルフェノール等が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。また、酸性物質が脂肪族カルボン酸の場合、具体的には炭素数の大きなオクタン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸をアルコール系溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。
カルボキシル基を2個有するジカルボン酸の場合、シュウ酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸等が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。
次に塩基性物質としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアニリン等のアミノ基を有する高分子が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。また、常温で固体の脂肪族ジアミンの場合、具体的にはジアミノヘキサン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン等が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。脂肪族モノアミンの場合、具体的にはオクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。
<遮断層>
遮断層は、発色層と顕色層とを遮断でき、使用時に遮断を解除できれば良い。たとえば、シート状の構造物であり、除去することや、切れ目を入れることで、遮断を解除できるものなどを好ましく用いることができる。遮断層としては、例えば、ガラス板、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂テープ、ゴムシート等を用いることができる。
<バリア層>
バリア層は、所定温度を超えると顕色剤の発色層への浸透を抑制するバリア剤を含む。バリア剤は、連続多孔質部材に染み込ませていても良い。また、発色剤、バリア剤は同じ連続多孔質部材に染み込ませても、別々の連続多孔質部材に染み込ませてもかまわない。ただし、別々の連続多孔質部材に染み込ませた場合はお互いを接触させておく必要がある。これはバリア剤が溶解、或いは軟化後、発色剤を部分的に染み込ませた連続多孔質部材に浸透する必要があるためである。
バリア剤は、所定温度を超えると顕色剤の発色層への浸透を抑制する物質であれば特に限定されない。バリア剤としては、例えば、例えば、所定温度以下では固体であり、所定温度を超えると溶融又は軟化する物質が挙げられる。所定温度を超えると、溶融又は軟化し、バリア剤が発色層中に速やかに拡散する。その結果、顕色剤と発色剤とが接触しないようにする役割を果たす。
バリア剤は、バリア剤はカルボキシル基やスルホン酸基、フェノール性水酸基といった酸性基や、アミノ基のような塩基性基を持たない構造が好ましい。これはバリア層の拡散により、これらの酸性基、或いは塩基性基が発色剤と反応して、発色剤が着色してしまう可能性があるからである。
バリア剤の候補材料としては、酸性基や、塩基性基を含まない長鎖の炭化水素、或いは幾つかの分岐のある炭化水素が挙げられる。そのほか長鎖炭化水素鎖、或いは分岐炭化水素鎖を有するアルコール、或いはジオール、ケトン、長鎖炭化水素鎖或いは分岐炭化水素鎖を有するアミド、或いはエーテル、エステル等が挙げられる。
長鎖或いは分岐炭化水素鎖、或いは環状炭化水素鎖の炭化水素としては、デカン(−30℃)、2−メチルノナン(46℃)、シクロデカン(9℃)、ドデカン(−12℃)、テトラデカン(6℃)、ヘキサデカン(17℃)、オクタデカン(28℃)等が挙げられる。なおカッコ内は融点である。末端が水酸基のアルコール、或いはジオールとしては、1,3−プロパンジオール(−59℃)、1,4−ブタンジオール(20℃)、1,6−ヘキサンジオール(40℃)、1,2−オクタンジオール(37℃)、1−オクタノール(−16℃)、1−デカノール(6℃)、1−ドデカノール(24℃)、1,2−ドデカンジオール(58℃)、1,12−ドデカンジオール(82℃)、5,6−ドデカンジオール(47℃)、1−テトラデカノール(38℃)、2−テトラデカノール(34℃)、7−テトラデカノール(42℃)、1−ヘキサデカノール(50℃)等が挙げられる。ケトン構造を有する材料としては、2−オクタノン(−16℃)、3−オクタノン(−23℃)、2−デカノン(3℃)、2−ドデカノン(−20℃)、3−ドデカノン(−19℃)、2−テトラデカノン(35℃)、3−テトラデカノン(34℃)、3−ヘキサデカノン(43℃)、プロピオフェノン(18℃)、ブチロフェノン(12℃)、イソブチロフェノン(1℃)、ヘキサノフェノン(26℃)、オクタノフェノン(22℃)、デカノフェノン(35℃)、ドデカノフェノン(45℃)、テトラデカノフェノン(53℃)、ヘキサデカノフェノン(59℃)等が挙げられる。
これらバリア剤材料の選定は、マーキングする商品の保管上限温度によって異なる。例えば、肉類を原料とする冷凍食品の場合は−16℃前後なので、融点が−16℃の1−オクタノール、或いは2−オクタノンといった化合物をバリア剤として用いるとよい。魚介類等の肉類よりも低温で保管する冷凍食品の場合は、融点が−23℃の3−オクタノンが候補となる。炭水化物系の商品の場合、もう少し高温で保管を考える場合は融点が−12℃のドデカンが候補となる。これらのバリア剤は単独で使用することも可能であるが、それよりも高融点の化合物を混合したものを用いても良い。高融点の化合物を混合させることにより結晶性が低下し、非晶質性となるため、バリア剤が緻密となり、発色剤と顕色剤間の遮蔽性が向上するためである。特に類似の構造の化合物を混合することにより非晶質性が高まる。例えば融点が−12℃のドデカンに対して融点が6℃のテトラデカン、或いは融点が17℃のヘキサデカンを添加することによりバリア層が非晶質性となり、発色剤層と顕色剤層の間の遮蔽性が向上する。バリア層材料が種々の物質の混合物となっている場合のバリア層が軟化する温度は、混合されている材料の融点、添加率によって変わる。例えばお互いに相溶性の高い融点がA℃の材料aと融点がB℃の材料bを等量混合した場合は、融点は概ねAとBのほぼ中間となる。ただし、2つの材料の融点の差が大きい場合、具体的には50℃以上になると、バリア層の軟化・或いは溶解する温度は融点の低い方の材料の融点とほぼ同じになる。また相溶性の低い材料同士を用いた場合もバリア層の軟化・或いは溶解する温度は融点の低い方の材料の融点とほぼ同じになる。
温度管理したい商品が10℃未満の保管を要求される医薬品の場合、融点が6℃のテトラデカン、或いは1−デカノール、または融点が3.5℃の2−ドデカンに融点が17℃のヘキサデカン、或いは融点が19℃の3−ドデカノン、20℃の2−ドデカノンを添加して融点をほぼ10℃に調整する。
また、バリア剤と顕色剤は相溶性の低い必要がある。たとえば、バリア剤が疎水性の材料の場合、顕色剤は親水性の材料を用いる。相溶性の低い場合、バリア剤と顕色剤が混ざり合わないため、バリア剤が発色層に拡散した後に、顕色剤が発色層に拡散することができなくなる。
<基材>
基材は、非多孔質部材からなる。また、粘着層8及び粘着層から取り外し可能なフィルム(離形フィルム)9と、を備えていても良い。温度履歴表示体を商品に固定する際に、離形フィルムを剥がし、露出する粘着層を商品に接触させることにより温度履歴表示体と温度管理対象とを容易に接着できる。なお、粘着層、離形フィルムは、基材の替わりとして用いても良い。
<調整層>
調整層は、顕色層およびバリア層を遮断できれば良い。調整層としては、例えば、ガラス板、PTFEなどの樹脂シート、ゴムシート等を用いることができる。また、顕色層の拡散速度を調整するために、体積が変化する構造体であったり、顕色層を貯める容器であっても良い。すなわち、ガラス板、PTFEなどの樹脂シート、ゴムシート等に、例えば、多孔質部材のスポンジ、ゲル等の体積が変化する材料を組み合わせ、用いることができる。
(2)温度履歴表示体の製造方法
顕色剤、発色剤はそれぞれ、それ自身が液体の場合、連続多孔質部材に接触して浸透させる。それ自身が固体の場合はそれらを溶解する溶媒に溶解し、連続多孔質部材に接触して浸透させる。その際、発色剤は浸透した場所を移動しにくいよう溶媒を乾燥させるが、顕色剤は遮断層を除去後、連続多孔質部材中を浸透しやすいよう溶媒が揮発しないことが望まれる。そのため、図6に示す透明フィルムで連続多孔質部材全体を覆い、溶媒の揮発を抑制することが必要となる。
発色層と、バリア層とが同じ連続多孔質体を用いて形成される温度履歴表示体は、例えば以下の方法で作製することができる。まず、連続多孔質体の所定の位置にバリア剤を塗布する。バリア剤は、連続多孔質体を加温しバリア剤を溶解させながら塗布するとよい。その後、バリア剤が塗布された連続多孔質体をすばやく冷却することにより、バリア剤の連続多孔質体内部への拡散を抑制する。その後、連続多孔質体に発色剤を所定の間隔で浸透させる。このようにして温度履歴表示体を形成できる。
(3)温度履歴表示体の適用方法
図8に本発明に係る温度履歴表示体を適用した例を示す。図8は梱包物等の平面に温度履歴表示体を貼付した例である。
図9を用いて、本発明に係る温度履歴表示体の適用方法の一例を説明する。ある商品が、製造工場から最初の配送業者、2番目の配送業者、3番目の配送業者を経て、顧客に商品が配送されるとする。まず、温度履歴表示体を商品包装箱に貼付し、配送開始時点で、遮断層を除去する。その後、最初の配送業者、2番目の配送業者、3番目の配送業者を経て、顧客に商品が配送される。配送業者が商品を預かった時刻、及び次の配送業者等に渡した時刻のデータは管理センタに伝えられる。このとき、配送業者は、指定された配送に要する時間、および管理温度を逸脱した場合、温度履歴表示体に表示される。
例えば、2番目の配送業者が配送時に管理温度を逸脱した場合は、3番目以降の配送業者が管理温度を逸脱したことを確認可能である。しかし、ここで管理温度を逸脱した時刻が判らないデバイスの場合は2番目の配送業者が「自分が受け取った時は既に管理温度を逸脱していた」というコメントをされると3番目以降の配送業者がその回答を否定できなかった。しかし本デバイスを用いた場合は、管理温度を逸脱した時刻を特定可能であるので、3番目以降の配送業者がその回答の真偽を知ることが可能となる。
輸送時に、本デバイスの発色の確認ができない場合であっても、商品が顧客に配送された際に、本デバイスを確認することにより、管理温度を逸脱した時刻を特定できるため、その時刻を管理センタに伝えることで、管理温度以上に曝した配送業者を特定できる。その結果、損害賠償請求等の対応が可能となる。
次に、実施例および比較例を示しながら本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)温度履歴表示体の作製
平均分子量250,000のポリアクリル酸(10g)を水(190g)と混合し、約60℃に加温しながらオーバーヘッドスターラーで撹拌してポリアクリル酸を溶解させ、5重量%ポリアクリル酸水溶液を調製した。これを顕色剤とした。なお、ポリアクリル酸はカルボキシル基を有する酸性の高分子である。
次に融点が9℃のシクロデカンと融点が6℃のテトラデカンを同重量ガラス容器に入れ、オーバーヘッドスターラーで撹拌、混合し、バリア剤を調製した。調製されたバリア剤の融点を調べたところ、約8℃であった。
次にマラカイトグリーンカルビノールベース(10g)を2−ブタノン190gに溶解し、マラカイトグリーンカルビノールベースの5重量%2−ブタノン溶液を調製した。これを発色剤とした。なお、マラカイトグリーンカルビノールベースは2−ブタノン溶液の状態では淡褐色であるが、酸性物質と接触すると、濃い緑色に変色する。
基材としては、裏面にペルチェ素子を複数個貼り付けたSUS304板を用いた。SUS304板の上に、調整層であるガラス板を置き、調整層の側面に、溶解したバリア剤を塗布した。その後、SUS304板を0℃に冷却した。これにより、塗布したバリア剤がすぐに固化させることで、バリア層を形成した。
連続多孔質体として東洋濾紙製定量ろ紙5Cを長さ200mm、幅10mmの長方形に切断した。これをバリア層の上部置いた。
遮断層として、ガラス板をろ紙の側面、かつ調整層であるガラス板の上に置き、調整層に顕色剤を塗布した。これにより、遮断層が顕色剤の発色層への拡散を抑制することを確認した。
また、ろ紙の上には発色剤で直径約2mmの円形ドットを数点描画し、その後、乾燥空気を吹きつけ、溶媒の2−ブタノンを揮発させた。このようにして温度履歴表示体が形成された。
(2)温度履歴表示体の実験
裏面にペルチェ素子を複数個貼り付けたSUS304板表面に上記方法で作製した温度履歴表示体において、温度を変え実験を実施した。作製時のSUS304板の表面温度は約5℃であった。その後、遮断層を除去したことで、顕色剤が発色剤を塗布したろ紙中に浸透を開始した。約10分後、遮断層から90mm離れたろ紙上に描画したドットが無色から緑色に発色した。その後、温度を8℃にしたところ、2〜3秒ほどでバリア剤が融解し、顕色層の浸透が停止した。
次に、遮断層から180mm離れたろ紙上に直径約2mmの円形ドットを描画した温度履歴表示体を作製し、上記と同様の実験を実施した。遮断層を除去したことで、顕色剤が発色剤を塗布したろ紙中に浸透を開始した。約20分後、発色剤で描画したドットが無色から緑色に発色した。温度を8℃にしたところ、やはり2〜3秒ほどでバリア剤が融解し、顕色層の浸透が停止した。
なお、ドットと遮断層の距離を約270mmにした場合、発色剤で描画したドットが無色から緑色に発色するまでに要する時間は約30分であった。
以上より、本発明の温度履歴表示体は、遮断層除去後、約10〜30分間の時刻情報の記録が可能であることが明らかになった。さらに、保管温度が5℃から8℃に上昇した場合、その前後時刻が記録できることも明らかになった。
バリア剤を9℃のシクロデカンと融点が6℃の1−デカノールを同重量ずつ混合したものを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で温度履歴表示体を形成した。調製されたバリア剤の融点を調べたところ、約7℃であった。
次にこの温度履歴表示体を用いて実施例1の温度履歴表示体と同様の実験を試みた。具体的には、遮断層を除去したことで、顕色剤が発色剤を塗布したろ紙中に浸透を開始した。約10分後、発色剤で描画したドットが無色から緑色に発色した。バリア剤と発色剤ドットの距離は約90mmであった。さらに、SUS304板の表面温度を5℃から7℃に高めたところ、SUS304板に貼付していたバリア剤が融解し、顕色層の浸透が停止した。
以上より、バリア剤を変えても所定の保管温度を超えた時刻を特定することが可能であることが明らかになった。
顕色剤として平均分子量70,000のポリエチレンイミンの10重量%水溶液を用い、発色剤としてフェノールフタレインの5重量%の2−ブタノン溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして温度履歴表示体を形成した。
次にこの温度履歴表示体を用いて実施例1の温度履歴表示体と同様の実験を試みた。具体的には、遮断層を除去したことで、顕色剤が発色剤を塗布したろ紙中に浸透を開始した。約10分後、発色剤で描画したドットが無色から赤色に発色した。バリア剤と発色剤ドットの距離は約90mmであった。さらに、SUS304板の表面温度を5℃から8℃に高めたところ、SUS304板に貼付していたバリア剤が融解し、顕色層の浸透が停止した。
以上より、顕色剤を変えても所定の保管温度を超えた時刻を特定することが可能であることが明らかになった。
連続多孔質体としてポリエチレン製連続多孔質部材(長さ;20mm、幅;10mm、厚さ;2mm空隙率95%、平均空隙の短辺サイズ;0.1〜0.3mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして温度履歴表示体を形成した。
次にこの温度履歴表示体を用いて実施例1の温度履歴表示体と同様の実験を試みた。具体的には、遮断層を除去したことで、顕色剤が発色剤を塗布したポリエチレン製連続多孔質部材中に浸透を開始した。約30分後、発色剤で描画したドットが無色から緑色に発色した。バリア剤と発色剤ドットの距離は約90mmであった。さらに、SUS304板の表面温度を5℃から8℃に高めたところ、SUS304板に貼付していたバリア剤が融解し、顕色層の浸透が停止した。
以上より、ポリエチレン製の連続多孔質体を用いた温度履歴表示体であっても、所定の保管温度を超えた時刻が目視で特定可能であることが明らかになった。
次に、遮断層から180mm離れたポリエチレン製連続多孔質部材上に直径約2mmの円形ドットを描画した温度履歴表示体を作製し、上記と同様の実験を実施した。遮断層を除去したことで、顕色剤が発色剤を塗布したポリエチレン製連続多孔質部材紙中に浸透を開始した。約60分後、発色剤で描画したドットが無色から緑色に発色した。温度を8℃にしたところ、やはり2〜3秒ほどでバリア剤が融解し、顕色層の浸透が停止した。
なお、ドットと遮断層の距離を約270mmにした場合、発色剤で描画したドットが無色から緑色に発色するまでに要する時間は約90分であった。
以上より、本発明に係る温度履歴表示体は、連続多孔質部材が異なる材質、空隙等であっても、所定の保管温度を超えた時刻を特定することが可能であることが明らかになった。
1…顕色層、2…遮断層、3…発色剤、4…発色層、5…バリア層、6…基材、7…調整層、8…粘着層、9…離形フィルム、10…発色した発色剤、11…目盛、12…主鎖部、13…枝部、14…透明フィルム、15…非透明フィルム、16…穴

Claims (14)

  1. 連続多孔質体からなり表面に発色剤を保持している発色層と、前記発色剤の発色を促す顕色剤を含む顕色層と、所定温度を超えると前記顕色剤の前記発色層への浸透を抑制するバリア剤を含むバリア層と、前記発色層の拡散を遮断する遮断層を備え、
    前記発色層は前記バリア層上に積層しており、
    前記発色層と前記顕色層は、前記バリア層と前記発色層の積層方向に対して垂直方向に前記遮断層を介して隣接していることを特徴とする温度履歴表示体。
  2. 請求項1に記載の時間履歴表示体であって、
    前記顕色剤は、前記遮断層が除去されると、前記遮断層側から前記顕色剤が前記発色層に拡散することを特徴とする温度履歴表示体。
  3. 請求項1又は2に記載の温度履歴表示体であって、
    所定温度を超えると前記バリア剤が溶融し、前記バリア剤が前記発色層に拡散することにより前記顕色剤の拡散を停止することを特徴とする温度履歴表示体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色剤は、前記発色層の長手方向に所定の間隔をもって保持されていることを特徴とする温度履歴表示体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記顕色剤は液体であることを特徴とする温度履歴表示体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記バリア層は、所定温度を超えると溶融又は軟化する物質を保持した連続多孔質体であることを特徴とする温度履歴表示体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色層は、アミノ基を有する高分子を含有することを特徴とする温度履歴表示体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    非多孔質体からなる基材を備え、
    前記顕色層、前記発色層、及び前記バリア層は、前記基材上に配置していることを特徴とする温度履歴表示体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色層は、主鎖部と記主鎖部から分岐した枝部とを有する構造であり、前記枝部に発色剤を保持していることを特徴とする温度履歴表示体。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色層、前記顕色層、及び前記バリア層は、保護膜で覆われていることを特徴とする温度履歴表示体。
  11. 請求項10に記載の温度履歴表示体であって、
    前記保護膜は、透明であることを特徴とする温度履歴表示体。
  12. 請求項10に記載の温度履歴表示体であって、
    前記保護膜は、非透明なフィルムから形成され、透明な孔が設けられていることを特徴とする温度履歴表示体。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色剤は目盛を構成していることを特徴とする温度履歴表示体。
  14. 請求項8に記載の温度履歴表示体であって、
    前記基材の前記バリア層と接する面とは反対の面に設けられた粘着層と、
    前記粘着層から取り外し可能なフィルムと、を備えることを特徴とする温度履歴表示体。
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