JP2019023491A - プーリ - Google Patents
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Abstract
Description
図1から図5に基づいて、本発明の第一実施形態に係るプーリ10、及び、それを用いたベルト伝動装置1について説明する。図1に示すように、ベルト伝動装置1は、プーリ10、対向プーリ12、及び、ベルト14を備える。
プーリ10は、第一回転軸16が設けられている。
第一回転軸16は、例えば、電動・発電機(ISG、Integrated Starter Generator)の回転軸である。
対向プーリ12は、第二回転軸18が設けられている。
第二回転軸18は、例えば、エンジンのクランクシャフトである。
ベルト14は、プーリ10と対向プーリ12とに掛け回される。本実施形態において、ベルト14は、ベルト14の長手方向に沿った複数の山状のリブを有するVリブドベルトである。
プーリ10が第一回転軸16を中心として回転すると、ベルト14を介して対向プーリ12の第二回転軸18に動力を伝達する。このとき、プーリ10は駆動プーリとして動作し、対向プーリ12は従動プーリとして動作する。
対向プーリ12が第二回転軸18を中心として回転すると、ベルト14を介してプーリ10の第一回転軸16に動力を伝達する。このとき、対向プーリ12は駆動プーリとして動作し、プーリ10は従動プーリとして動作する。
プーリ10の回転方向Cwを二点鎖線で図示する。このときベルト14は二点鎖線で示す矢印141の方向に移動する。このとき、回転方向Cwの反対回転を反回転方向CCwとする。
部分円筒201は、円筒の一部分であり、本実施形態においては、円筒を均等に5分割したものの一つである。
足部202は、部分円筒201の軸方向に沿った方向の両端部から径内方向に向かって延びる薄板として設けられている。足部202には、軸方向に貫通する「第二嵌合部」としての長孔206が形成されている。長孔206に後述するトルクピン30が挿入される。長孔206は、トルクピン30が当接しつつも自由に移動可能なように形成されている。二つの足部202同士の軸方向に沿った方向の間隔は、ディスク32の軸方向に沿った方向の長さよりも長いように形成されている。すなわちベルト支持部材20は、足部202がディスク32を軸方向に跨ぐように配置される。
孤状部203は、部分円筒201の外周部に形成されている。孤状部203の表面は、ベルト14のリブと嵌合可能な複数の長溝207を有する。長溝207は、回転方向に沿って形成されている。
部分円筒201が5個配置されると、円筒状となり、その円筒の外周部にベルト支持面204が形成される(図6参照)。
「第二規制部」としての突起部205は、足部202のディスク32と反対側の面に、径方向に沿って設けられる。
後述するフランジ保持ピン343を通すための切り欠き210が、足部202の側面に形成されている。
図3(b)に示すように長孔206は、プーリ10が停止しているときのトルクピン30の中心C1から回転方向Cw側、あるいは反回転方向CCw側に行くにつれて、第一回転軸中心Cからの距離が小さくなる。
トルクピン30が長孔206内を移動し、もっとも回転方向Cw側に移動したときのトルクピン30の軸中心位置をC2とする。トルクピン30が長孔206内を移動し、もっとも反回転方向CCw側に移動したときのトルクピン30の軸中心位置をC3とする。
第一ガイドフランジ341は、中心に貫通孔344が設けられた円盤状部材である。第一ガイドフランジ341は、フランジ保持ピン343の数に対応したピン固定孔345を有する。第一ガイドフランジ341は、突起部205と嵌合する「第一規制部」としての溝部346を有する。溝部346は中心方向から、外周に向かい径方向に沿うように設けられる。第一ガイドフランジ341は、ディスク32に対してシャフト22側に設けられる。
第一ガイドフランジ341と、第二ガイドフランジ342とが有するピン固定孔345に円柱状のフランジ保持ピン343が嵌合し、第一ガイドフランジ341と、第二ガイドフランジ342とが相対移動しないように固定される。このとき、切り欠き210をフランジ保持ピン343が通る。
シャフト22の回転シャフト223、シャフトカラー24、ナット28、トルクピン30、及び、トルクピン30が固定されたディスク32が一体になって回転可能である。
図6から図8は、図4において、第二ガイドフランジ342、キャップカラー26、及び、ナット28を取り除いた状態の正面図である。図6に、停止状態のプーリ10を示す。プーリ10が停止状態のとき、トルクピン30の軸中心は、長孔206において位置C1にある。このとき、ベルト支持部材20は、もっとも径内方向側にある。ベルト支持面204から第一回転軸中心Cまでの距離はもっとも小さく、ベルト14にかかる張力はもっとも小さい。
第一回転軸16にCw方向の回転力が加えられたとき、上述したように、回転シャフト223、シャフトカラー24、ナット28、トルクピン30、及び、ディスク32が一体となって回転する。ゆえに、トルクピン30が、長孔206の中を回転方向Cw側に移動する。このとき、ベルト支持面204に掛けられているベルト14の摩擦力や、対向プーリ12の第二回転軸18の抵抗により、ベルト支持部材20は回転方向Cwに回転しようとせず、その場に留まろうとする。長孔206は、回転方向Cw側に行くほど、第一回転軸中心Cからの距離が短くなるように形成されている。
やがて、ベルト14の張力が対向プーリ12を回転させるための負荷に対応した値まで上昇すると、ベルト支持部材20も回転方向Cwに回転するようになる。このようにして、ベルト14を通じて対向プーリ12の第二回転軸18に動力を伝える。
やがて、ベルト14の張力が第一回転軸16を駆動させるための負荷に対応した値まで上昇すると、第一回転軸16と接続している回転シャフト223も回転方向Cwで回転する。このようにしてベルト14を通じて対向プーリ12の第二回転軸18から第一回転軸16に動力を伝える。
(a)駆動状態及び従動状態のどちらにおいてもベルト14の張力を増加させることができる。そのため、ベルト14により、動力を確実に伝達できる。
(b)負荷に対応した値までベルト14の張力が自動的に調整されるので、ベルト伝動装置1にオートテンショナ等の外部機構を設ける必要がない。そのため、ベルト伝動装置1の部品点数を少なく、かつコンパクトな構造にできる。
(c)駆動状態及び従動状態のどちらにおいても、伝達する動力の大きさに従ってベルト支持面204は自動的に必要なだけ半径が大きくなる。そのため、ベルト14を最初に掛け回すときに必要なベルト張力を一番低くすることができ、ベルト14を掛け回す作業が容易になる。
(d)ガイドフランジ34により、複数のベルト支持部材20を周方向に沿った方向にずらすことなく、径方向に均一に移動させることができる。これより、ベルト支持面204が略円形を保てる。これより、ベルト14とベルト支持面204との接触面積を大きくできる。したがって、ベルト14とベルト支持面204との間の摩擦力を大きくできるので、動力を確実に伝達できる。
(e)従来、Vリブドベルトにおいては、テンショナ等を使用することなく張力を変更することは困難であった。一方、プーリ10を使用すれば、Vリブドベルトであっても張力を変更することは可能である。Vリブドベルトは、ベルト支持面との摩擦力が大きいため、Vベルトよりも大きな駆動力を伝達可能である。そのため、コールドスタート時にエンジンを始動させるような大きな駆動力を必要とする場合にも、プーリ10を用いたベルト伝動装置1をオートテンショナ等の外部装置を必要とすることなく適用できる。
図9から図11に基づいて、本発明の第二実施形態に係るプーリ50とそれを使用したベルト伝動装置5とについて説明する。図9に示すように、ベルト伝動装置5は、プーリ50を備える。
図10、及び、図11に示すように、プーリ50は、複数のベルト支持部材60、シャフト62、シャフトカラー64、「第二嵌合部」としてのトルクピン70、及び、ディスク72等を備える。なお、図11の断面の観察方向は、図5と同一である。
部分円筒601は、円筒の一部分であり、本実施形態においては、円筒を均等に5分割したものの一つである。
足部602は、部分円筒601の軸方向に沿った両端部から径内方向に向かって延びる薄板として設けられている。足部602は、軸方向に貫通する丸孔606を有する。丸孔606に後述するトルクピン70が圧入され固定される。第一実施形態のベルト支持部材20と異なり、丸孔606はトルクピン70を固定しており、丸孔606の中をトルクピン70が相対移動することはできない。二つの足部602同士の間隔は、ディスク72の軸方向に沿った方向の長さよりも長いように形成されている。すなわちベルト支持部材60は、足部602がディスク72を軸方向に跨ぐように配置される。
孤状部603は、部分円筒601の外周部に形成されている。孤状部603の表面は、ベルト14のリブと嵌合可能な複数の長溝607を有する。長溝607は、回転方向に沿って形成されている。
ベルト支持部材60は、後述するディスク72の径外方向に5個連続して配置される。これにより、ベルト支持部材60の外周部にベルト支持面604が形成される(図12参照)。
「第二規制部」としての突起部605は、足部602のディスク72と反対側の面に、径方向に沿って設けられている。
フランジ保持ピン343を通すための切り欠き610が、足部602の側面に形成されている。
第一回転軸中心Cと中心C11との距離L11が、第一回転軸中心Cと中心C12との距離L12よりも短くなるように長孔722は形成されている。第一回転軸中心Cと中心C13との距離L13は、距離L12よりも長いように長孔722は形成されている。
シャフト62の回転シャフト624、ナット28、及び、ディスク72は一体になって回転可能である。
図12から図14は断面図であり、図13及び図14の断面観察方向は図12と同一である。第一実施形態のように、第二ガイドフランジ342、キャップカラー26、及び、ナット28を取り除いた状態の正面図を視点とすると、ベルト支持部材60の足部602により視線が遮られる。そのため、長孔722の内部をトルクピン70が移動する状態を観察できない。したがって、断面図を説明に使用する。
図12に、停止状態のプーリ50を示す。トルクピン70の軸中心は、位置C1にある。このとき、ベルト支持部材60は、もっとも径内方向にある。複数のベルト支持部材60の孤状部603により形成されるベルト支持面604は、もっとも半径が小さく、ベルト14にかかる張力はもっとも小さい。
第一回転軸16にCw方向に回転力が加えられたとき、第一回転軸16と連結している回転シャフト624、ナット28、及び、ディスク72が一体となっているため、長孔722が形成されているディスク72が、回転方向Cw側に移動する。このとき、ベルト支持面604に掛けられているベルト14の摩擦力や、対向プーリ12の第二回転軸18の抵抗等により、ベルト支持部材60は回転方向Cwに回転しようとせず、その場に留まろうとする。このため、トルクピン70は、相対的に長孔722の中を反回転方向CCwに移動する。長孔722は、反回転方向CCw側に行くほど、第一回転軸中心Cからの距離が長くなるように形成されている。
やがて、ベルト14の張力が対向プーリ12を駆動させるための負荷に見合った値まで上昇すると、ベルト支持部材60も回転方向Cwで回転する。これより、ベルト14を通じて対向プーリ12に動力を伝えることができる。
やがて、ベルト14の張力が第一回転軸16を駆動させるための負荷に見合った値まで上昇すると、回転シャフト223もディスク72も回転方向Cwで回転する。これより、ベルト14を通じて対向プーリ12の第二回転軸18から第一回転軸16に動力を伝える。
(a)上記実施形態ではベルト支持部材20、60の足部202、602は、部分円筒201、601の軸方向に沿った方向の両端部に形成されていた。二つの足部202、602同士の間隔は、ディスク32、72の軸方向の厚みよりも厚い。そのため、二つの足部202、602がディスク32、72を跨いでいた。
これに代えて、以下のような構成にしてもよい。ベルト支持部材の足部を部分円筒の軸方向に沿った方向の中間部から径内方向に一つのみ突出させる。さらに、ディスクの軸方向に沿った方向の両端部を径外方向に突出させる。この場合、ディスクの二つの突出部が、ベルト支持部材の一つのみの足部を跨いでいる。このようにしても、第一、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
(c)上記実施形態において、ベルト支持部材20、60は円筒を5分割した部分円筒201、601を元にしている。これに代えて、円筒を4分割、6分割、あるいは8分割した部分円筒を元にベルト支持部材を形成してもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(d)上記実施形態において、本発明のプーリ10、50を搭載、或いは連結した第一回転軸は電動・発電機の回転軸としたが、エンジンのクランク軸としても上記実施形態と同様の効果が得られる。このとき、エンジンのクランク負荷の方が発電機の回転負荷より通常高い。そのため、ベルト支持部材20、60の径外方向への移動量を、従動時の方が駆動時より大きくなるように設定する。
(e)上記実施形態において、本発明のプーリ10、50は駆動側、或いは従動側となる回転軸に搭載、或いは連結する。他に、例えばプーリを複数有するベルト伝動装置のいずれか一つのプーリに本発明のプーリを使用すれば、ベルトの張力を伝動する動力の大きさに応じて上昇できるため、上記実施形態と同様の効果が得られる。
14 ベルト(Vリブドベルト)、 16 第一回転軸、 18 第二回転軸
20 ベルト支持部材、 204 ベルト支持面、 205 突起部(第二規制部)
206 長孔(第二嵌合部)
22、62 シャフト、 223、624 回転シャフト
30 トルクピン(第一嵌合部)
70 トルクピン(第二嵌合部)
32、72 ディスク、 722 長孔(第一嵌合部)
34 ガイドフランジ、 346 溝部(第一規制部)
60 ベルト支持部材、 604 ベルト支持面、 605 突起部(第二規制部)
606 丸孔
Claims (7)
- ベルト(14)で動力を伝達するベルト伝動装置(1、5)に用いられるプーリであって、
回転シャフト(223、624)と、
前記回転シャフトと一体となって回転可能なディスク(32、72)と、
前記ディスクの径外方向に配置され、前記ベルトが掛け回されるベルト支持面(204、604)を形成し、前記ディスクに設けられた第一嵌合部(30、722)と嵌合可能な第二嵌合部(206、70)を有し、径外方向に移動可能な複数のベルト支持部材(20、60)と、
を備えるプーリ。 - 前記第一嵌合部は、前記ディスク(32)に固定されて設けられたトルクピン(30)であり、
前記第二嵌合部は、前記ベルト支持部材(20)に設けられ、前記トルクピンが移動可能な長孔(206)である請求項1に記載のプーリ。 - 前記ベルト支持部材(20)に設けられた前記長孔(206)は、前記回転シャフトが静止しているときの前記トルクピンの中心(C1)と前記回転シャフトの中心(C)との距離が、前記トルクピンが移動したときの前記トルクピンの中心と前記回転シャフトの中心との距離よりも大きくなるように形成されている請求項2に記載のプーリ。
- 前記第一嵌合部は、前記ディスク(72)に設けられた長孔(722)であり、
前記第二嵌合部は、前記ベルト支持部材(60)に固定されて設けられ、前記長孔の中を移動可能なトルクピン(70)である請求項1に記載のプーリ。 - 前記ディスク(72)に設けられた前記長孔(722)は、前記回転シャフトが静止しているときの前記トルクピンの中心(C11)と前記回転シャフトの中心(C)との距離が、前記トルクピンが移動したときの前記トルクピンの中心と前記回転シャフトの中心との距離よりも小さくなるように形成されている請求項4に記載のプーリ。
- 前記ディスクの軸方向に沿った両端側に設けられ、前記回転シャフトを回転軸として回転可能であり、径方向に沿って設けられた第一規制部(346)を有するガイドフランジ(34)を、さらに備え、
前記ベルト支持部材は、前記第一規制部と嵌合可能であり、径方向に沿って設けられた第二規制部(205、605)を有する請求項1から5のいずれか一項に記載のプーリ。 - 前記ベルト支持部材は、回転方向に沿った複数の長溝(207、607)を外周部に有する請求項1から6のいずれか一項に記載のプーリ。
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JP2017142693A JP2019023491A (ja) | 2017-07-24 | 2017-07-24 | プーリ |
Applications Claiming Priority (1)
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