JP2009068675A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベルトのセンター位置ずれを解消して効率の向上を図ることができる無段変速機を提供する。
【解決手段】 無段変速機10は、プライマリ側シャフト11及びセカンダリ側シャフト18の軸方向に進退移動自在に挿通されるテーパ状押圧部材12,19と、プライマリ側シャフト11及びセカンダリ側シャフト18に係合されるホルダ13,20と、ホルダ13,20から起立する起立位置からホルダ13,20側に倒れる倒れ位置までの間を回動自在にホルダ13,20に取り付けられ、起立位置から倒れ位置までの間で、大径の円周方向に略連続するとともに小径の円周方向に連続するベルト支持面を形成する複数の傾動支持部材14,21と、テーパ状押圧部材12,19の進退移動に伴い、傾動支持部材14,21を起立位置と倒れ位置との間で傾動させる被押圧部材15,22と、傾動支持部材14,21のベルト支持面45に掛け渡されるベルト1と、を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、産業機械や自動車の変速機等に内蔵され、ベルトを介してプライマリ側シャフトからセカンダリ側シャフトへ動力を伝達する無段変速機に関する。
従来の無段変速機の一例として、図5に示した無段変速機60は、プライマリ側シャフト51に固定された固定側シーブ52と、プライマリ側シャフト51に軸方向に移動可能に挿通された可動側シーブ53とを備えた駆動側プーリ54と、セカンダリ側シャフト55に固定された固定側シーブ56と、セカンダリ側シャフト55に軸方向に移動可能に挿通された可動側シーブ57とを備えた従動側プーリ58と、を備えている。
この無段変速機60は、可動側シーブ53,57を各シャフト51,55の軸方向に移動することで、各シーブ52,53,56,57に掛け渡されているベルト59を介して、プライマリ側シャフト51の回転を変速させてセカンダリ側シャフト55に伝えるようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−106454号公報
ところが、上記特許文献1では、可動側シーブ53を軸方向に移動させることで可動側シーブ53の固定側シーブ52から間隔を変更させるとともに、可動側シーブ53に対向配置されている可動側シーブ57を軸方向に移動させることで可動側シーブ57の固定側シーブ56からの間隔を変更させることで変速比を変更させるようにしている。このため、ベルト59にセンター位置ずれが生じて、捩れや撓みに伴う効率ロスを生じる虞がある。特に、ベルト59が、金属製の複数の並列配置されたエレメントと、両端接続された無端の積層金属製担持帯と、から構成される場合、センター位置ずれによる効率ロスが顕著である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルトのセンター位置ずれを解消して効率の向上を図ることができる無段変速機を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係る無段変速機は、動力源の動力が与えられるプライマリ側シャフトと、前記プライマリ側シャフトに平行に配置されて従動側へ動力を与えるセカンダリ側シャフトと、テーパ面を有し、前記プライマリ側シャフト及び前記セカンダリ側シャフトの軸方向に進退移動自在に挿通されるテーパ状押圧部材と、前記プライマリ側シャフト及び前記セカンダリ側シャフトに係合されるホルダと、前記ホルダから起立する起立位置から当該ホルダ側に倒れる倒れ位置までの間を回動自在に前記ホルダに取り付けられ、当該起立位置から当該倒れ位置までの間で、大径の円周方向に略連続するとともに小径の円周方向に連続するベルト支持面を形成する複数の傾動支持部材と、前記テーパ状押圧部材の進退移動に伴い、前記傾動支持部材を前記起立位置と前記倒れ位置との間で傾動させる被押圧部材と、前記傾動支持部材の前記ベルト支持面に掛け渡されるベルトと、を備えることを特徴としている。
上記記載の発明によれば、テーパ状押圧部材の進退移動に伴い、被押圧部材が押圧されることで傾動支持部材が起立位置と倒れ位置との間で傾動される。傾動支持部材は、ホルダから起立する起立位置でベルト支持面を大径の円周方向に略連続させ、ホルダ側に倒れる倒れ位置でベルト支持面を小径の円周方向に連続させてベルトを支持する。これにより、傾動支持部材が起立位置と倒れ位置との間で傾動されるのに伴って、ベルト支持面の径を変更するため、ベルトにセンター位置ずれを生じることがなく、ベルトのセンター位置ずれを解消して効率を向上させることができる。
また、好ましくは上記記載の無段変速機であって、前記複数の傾動支持部材の軸方向両側に一対の側板が組み付けられ、当該傾動支持部材が当該側板に支持されていることを特徴としている。
上記記載の発明によれば、傾動支持部材が、例えばピン等で側板に支持されれば、ベルトを支持する際の負荷を傾動支持部材に加えて両側板で受けることができるので、大きい負荷にも耐えることができる。
本発明に係る無段変速機によれば、ベルトのセンター位置ずれを解消して効率を高くすることができる無段変速機を提供できる。
以下、図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1〜図4は本発明に係る無段変速機の一実施形態を示すもので、図1は本発明の一実施形態に係る無段変速機の駆動側における各部品の分解斜視図、図2は図1の無段変速機の一部破断平面図、図3は図1の無段変速機の駆動側における第1側板を取り除いた小径傾動時の一部破断正面図、図4は図1の無段変速機の駆動側における第1側板を取り除いた大径傾動時の一部破断正面図である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施形態である無段変速機10は、ベルト1と、駆動側において、プライマリ側シャフト11と、テーパ状押圧部材12と、ホルダ13と、複数の8個の傾動支持部材14と、複数の8個の被押圧部材15と、側板の一方である第1側板16と、側板の他方である第2側板17と、から構成されている。また、従動側においては、セカンダリ側シャフト18と、テーパ状押圧部材19と、ホルダ20と、複数の8個の傾動支持部材21と、複数の8個の被押圧部材22と、側板の一方である第1側板23と、側板の他方である第2側板24と、から構成されている。そして、この無段変速機10は、自動車のトランスミッションケース内に収容される。なお、駆動側と従動側とは、同様の構造であるために、以下の説明では駆動側のみの説明を行い、従動側の説明は省略する。
ベルト1は、両端部にスリットを形成した複数の金属製エレメントと、金属製エレメントを並列配置させ、両端接続された無端の積層金属製担持帯と、から形成されている。
プライマリ側シャフト11は、動力源に結合されており、動力源から動力が与えられる。セカンダリ側シャフト18は、プライマリ側シャフト11に平行に配置されて従動側に結合されており、従動側に動力を与える。
テーパ状押圧部材(カプラーとも言う。)12は、テーパ面25を有するとともに中央にシャフト挿通孔26を有し、プライマリ側シャフト11の軸方向に移動自在に挿通されている。テーパ状押圧部材12は、不図示のモータやばね機構等の駆動源に連結されているため、この駆動源から与えられた動力によってプライマリ側シャフト11の軸方向に最後位置A1と最前位置A2との間で進退移動される。駆動源は、不図示のトランスミッションコントローラに電気的に接続されている。
ホルダ13は、筒部27の両側に一対のフランジ28,29を有し、筒部27の中央にシャフト孔30が形成されている。一方のフランジ28には、円周方向に等間隔に8個のピン孔31が形成されており、他方のフランジ29には、一方のフランジ28のピン孔31と対をなす8個のピン孔32が形成されており、外周部に被押圧部材15収容用の8個の凹溝33が等間隔に形成されている。
傾動支持部材14は、ホルダ13の両フランジ28,29間の長さよりも僅かに短い幅寸法を有しており、ホルダ13側に先細状の胴部34を有し、反対側に略L字形状の頭部35を有し、胴部34と頭部35との間に括れ部36を有する。また、胴部34の端部寄りには、ピン37が両側部に向けて突出され、頭部35の括れ部36側には、ピン38が両側部から突出されている。
傾動支持部材14は、胴部34側のピン37が、両フランジ28,29の各ピン孔31,32に挿入されているため、頭部35がピン37を支点としてホルダ13側に倒れる倒れ位置(図3に示す)B1と、頭部35がホルダ13から離れる起立位置(図4に示す)B2と、の間を回動される。
傾動支持部材14は、先細状の胴部34と、略L字形状の頭部35と、括れ部36と、を有するため、倒れ位置B1では頭部35が括れ部36に進入することで径方向へ突出する部位を無くすことができるとともに、起立位置B2では頭部35を径方向外側に配置させることができる。
被押圧部材15は、軸形状を有し、テーパ状押圧部材12側に向けて突出するように、傾動支持部材14の胴部34に結合されている。被押圧部材15は、先端部がテーパ状押圧部材12のテーパ面25に押圧摺接される。また、被押圧部材15の遠心力による第2側板17外径方向への開き過ぎを防止するために、プライマリ側シャフト11側に付勢力を発生させる1個のスプリングワッシャー46が8個の被押圧部材15の第2側板17から突出した基部外周側に嵌合されている。なお、従動側の被押圧部材22にもスプリングワッシャー47が嵌合されている。
第1側板16は、円板形状に形成されて中央部にシャフト孔39を有し、外周部の円周方向等間隔に、外縁部からシャフト孔39に向けてスリット状に切除された8個のピン支持溝40が形成されている。
第2側板17は、第1側板16と同一の外径を有し、中央部に円筒部41がホルダ13側に突出形成されており、円筒部41の内周にシャフト孔42が形成されている。第2側板17は、外縁部から円筒部41に向けてスリット状に切除されていて第1側板16のピン支持溝40と対をなす8個のピン支持溝43が外周部の円周方向に等間隔に形成されている。また、ピン支持溝43の円筒部41側に、被押圧部材15挿通用の8個の長孔44が形成されている。また、第2側板17は、円筒部41のシャフト孔42がプライマリ側シャフト11にスプライン結合されており、円筒部41がホルダ13のシャフト孔30に挿通されている。また、第2側板17は、長孔44に被押圧部材15が挿通される。
このような無段変速機10は、テーパ状押圧部材12,19が対角位置に配置され、第1側板16,23と、第2側板17,24と、被押圧部材15,23と、がそれぞれ対角位置に配置されて、傾動支持部材14,21のそれぞれの外側にベルト1が掛け渡される。
次に、図2を含め、図3、図4を参照して、無段変速機10の動作について説明する。
動力源の動力が与えられてプライマリ側シャフト11が回転すると、第1側板17がプライマリ側シャフト11とともに回転される。このとき、トランスミッションコントローラからの電気信号によって駆動源を介してテーパ状押圧部材12が最後位置A1にあるため、被押圧部材15はテーパ状押圧部材12のテーパ面25の小径側に当接されている。
図3に示すように、被押圧部材15がテーパ状押圧部材12のテーパ面25の小径側に当接されていることで、被押圧部材15の位置がプライマリ側シャフト11に近づいた位置にある。そして、傾動支持部材14がホルダ13側に倒れた倒れ位置B1にあり、8個の傾動支持部材14のそれぞれによって、傾動支持部材14の胴部34の側部に円周方向に連続する小径のベルト支持面45が形成されている。このとき、傾動支持部材14は、倒れ位置B1で頭部35が、隣り合う傾動支持部材14の括れ部36に進入することで、それぞれの傾動支持部材14が重なり合って径方向へ突出する部位がない状態となる。
次に、トランスミッションコントローラからの電気信号によって駆動源を介してテーパ状押圧部材12が最後位置A1から最前位置A2に向けてスライド移動を始めると、被押圧部材15はテーパ状押圧部材12のテーパ面25の小径側から大径側へと、その当接位置が変位されていく。
被押圧部材15がテーパ状押圧部材12のテーパ面25の小径側から大径側へと変位していくことで、被押圧部材15の位置がプライマリ側シャフト11から離れる位置になる。そして、傾動支持部材14のピン38が、第1側板16のピン支持溝40に、第2側板17のピン支持溝43に、それぞれ支持されながら外周方向に移動される。これにより、両側板16,17がホルダ13に対して相対的に略45度変位され、第1傾動支持部材14がホルダ13から起立して、8個の傾動支持部材14のそれぞれによって、円周方向に連続する小径から大径までの中間径のベルト支持面45が形成される。
次に、トランスミッションコントローラからの電気信号によって駆動源を介してテーパ状押圧部材12が最前位置A2に到達すると、被押圧部材15はテーパ状押圧部材12のテーパ面25の大径側に当接される。
図4に示すように、被押圧部材15がテーパ状押圧部材12のテーパ面25の大径側に当接されることで、被押圧部材15の位置がプライマリ側シャフト11から最も離れた位置になる。これにより、傾動支持部材14がホルダ13から起立する起立位置B2になり、8個の傾動支持部材14のそれぞれによって、傾動支持部材14の頭部35の天部に円周方向に連続する大径のベルト支持面45が形成される。
これに対して、テーパ状押圧部材12が最前位置A2から最後位置A1に戻り移動された場合は、傾動支持部材14が起立位置B2から倒れ位置B1まで上記とは反対方向に傾動されて、大径のベルト支持面45から小径のベルト支持面45へと移行する。無段変速機1は、このような動作を駆動側と従動側とで行うことでプライマリ側シャフト11の回転をセカンダリ側シャフト18に変速して伝達する。この間、ベルト1を支持するベルト支持面45は、駆動側と従動側とでベルト1の掛止方向にセンター位置の変位なく変速比の変更を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の無段変速機10によれば、テーパ状押圧部材12の進退移動に伴い、被押圧部材15が押圧されることで傾動支持部材14が起立位置B2と倒れ位置B1との間で傾動される。傾動支持部材14は、ホルダ13から起立する起立位置B2でベルト支持面45を大径の円周方向に連続させ、ホルダ13側に倒れる倒れ位置B1でベルト支持面45を小径の円周方向に連続させてベルト1を支持する。これにより、傾動支持部材14が起立位置B2と倒れ位置B1との間で傾動されるのに伴って、ベルト支持面45の径を変更するため、ベルト1にセンター位置ずれを生じることがなく、ベルト1のセンター位置ずれを解消して効率を向上させることができる。
また、無段変速機10によれば、傾動支持部材14が、ピン38を介して第1側板16及び第2側板17に支持されるとともに、ピン37を介してホルダ13に支持されるため、ベルト1を支持する際の負荷を傾動支持部材14に加えて両側板16,17とホルダ13とで受けることで、大きい負荷にも耐えることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、傾動支持部材の形状については、図示した先細状の胴部と、略L字形状の頭部と、括れ部と、を有するものに限定されることはなく、任意の形状に選択設定することができる。勿論、その場合に、倒れ位置においてそれぞれが重なり合って外周に突出しないようにすることが望ましい。
本発明の一実施形態に係る無段変速機の駆動側における各部品の分解斜視図である。 図1の無段変速機の一部破断平面図である。 図1の無段変速機の駆動側における小径傾動時の第1側板を取り除いた一部破断正面図である。 図1の無段変速機の駆動側における大径傾動時の第1側板を取り除いた一部破断正面図である。 従来の無段変速機の断面図である。
符号の説明
1 ベルト
10 無段変速機
11 プライマリ側シャフト
12,19 テーパ状押圧部材
13,20 ホルダ
14,21 傾動支持部材
15,22 被押圧部材
16,23 第1側板(側板)
17,24 第2側板(側板)
18 セカンダリ側シャフト
25 テーパ面
45 ベルト支持面

Claims (2)

  1. 動力源の動力が与えられるプライマリ側シャフトと、
    前記プライマリ側シャフトに平行に配置されて従動側へ動力を与えるセカンダリ側シャフトと、
    テーパ面を有し、前記プライマリ側シャフト及び前記セカンダリ側シャフトの軸方向に進退移動自在に挿通されるテーパ状押圧部材と、
    前記プライマリ側シャフト及び前記セカンダリ側シャフトに係合されるホルダと、
    前記ホルダから起立する起立位置から当該ホルダ側に倒れる倒れ位置までの間を回動自在に前記ホルダに取り付けられ、当該起立位置から当該倒れ位置までの間で、大径の円周方向に略連続するとともに小径の円周方向に連続するベルト支持面を形成する複数の傾動支持部材と、
    前記テーパ状押圧部材の進退移動に伴い、前記傾動支持部材を前記起立位置と前記倒れ位置との間で傾動させる被押圧部材と、
    前記傾動支持部材の前記ベルト支持面に掛け渡されるベルトと、
    を備えることを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記複数の傾動支持部材の軸方向両側に一対の側板が組み付けられ、当該傾動支持部材が当該側板に支持されていることを特徴とする無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019023491A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 株式会社デンソー プーリ
IT202000003059A1 (it) * 2020-02-17 2021-08-17 Technisea S R L Stabilizzatore, per gruppo puleggia a geometria variabile a settori

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