JP2009103156A - 動力伝達チェーンの組立治具および組立方法 - Google Patents

動力伝達チェーンの組立治具および組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ピッチ長が異なる2種類以上のリンクを使用して、ピッチ長が異なるリンクをランダム配列とした動力伝達チェーンを製造するに際し、組立治具の種類数削減によるコスト削減が可能となるとともに、リンクの配列が異なるチェーンを製造する時の段取り工数を削減することができる動力伝達チェーンの組立治具および組立方法を提供する。
【解決手段】 組立治具31は、円盤状の本体32に環状溝33が設けられることによって形成されている。環状溝33は、ピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面33aを有しており、ピン14を任意の周方向間隔で環状溝33に配置可能とされている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、動力伝達チェーンの組立治具および組立方法、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの組立治具および組立方法に関する。
自動車用無段変速機として、図13に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するもの(チェーン式無段変速機)が知られている。
このような無段変速機に適した動力伝達チェーンとしては、ピンが挿通される複数のリンクと、チェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンとを備え、各ピンが圧入によりリンクに固定されるものが知られており、特許文献1には、その組立方法として、所要数のピンがチェーンとして組み立てられたときの配列状態となるように所要数のピン挿通孔が設けられた組立治具を使用し、所要数のピンを組立治具の各ピン挿通孔に嵌め合わせ、これらのピンにリンクを順次圧入していくものが提案されている。
特開2006−95583号公報
上記従来の動力伝達チェーンでは、ピッチ長が異なるリンクをランダムに配列して騒音低減効果を得るようになっている。しかしながら、従来の組立方法によると、リンクの配列を変更する必要が生じた場合、チェーン全長は変化しないがピン挿通孔位置を変更する必要があるため、組立治具全体を新しいものに作り替える必要があり、必要とする組立治具の完成までに長い期間が必要で、しかも、組立治具の製造コストも高く付くことになる。
この発明の目的は、ピッチ長が異なる2種類以上のリンクを使用して、ピッチ長が異なるリンクをランダム配列とした動力伝達チェーンを製造するに際し、組立治具の種類数削減によるコスト削減が可能となるとともに、リンクの配列が異なるチェーンを製造する時の段取り工数を削減することができる動力伝達チェーンの組立治具および組立方法を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンの組立治具は、ピッチ長が異なる2種類以上のリンクからなる複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンを有しかつ各ピンが圧入によりリンクに固定される動力伝達チェーンを製造する際に使用される組立治具であって、ピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成されており、ピンを任意の周方向間隔で環状溝に配置可能とされていることを特徴とするものである。
組立てに際しては、ピンの長手方向中央部から一端部にかけて配置されているリンクの圧入と、ピンの長手方向中央部から他端部にかけて配置されているリンクの圧入とを別の組立治具を使用して行ってもよく、また、チェーン幅方向の一端部から他端部にかけて配置されているリンクの圧入すべてを1つの組立治具を使用して行ってもよい。ピンの長手方向中央部から一端部にかけて配置されているリンクの圧入に使用される第1組立治具は、円盤状の本体にピンの長さの略半分の深さの環状溝が設けられたものとされ、ピンの長手方向中央部から他端部にかけて配置されているリンクの圧入に使用される第2組立治具は、円盤状の本体にピンの出代に相当する深さの環状溝が設けられたものとされる。ここで、「略半分」は、長手方向ちょうど半分であってもよく、長手方向ちょうど半分からリンクの1〜3枚程度分の厚みに相当する大きさ程度はずれていてもよいことを意味している。
組立治具は、炭素工具鋼や合金工具鋼などを用いて製作される。従来は、ピン挿通用の有底孔を所要数しかも所要ピッチで加工する必要があったのに対し、これを環状溝の加工とすることができるので、組立治具の製作が容易となる。しかも、ピッチ長が異なるリンクをランダム配列とした動力伝達チェーンを製造するに際し、異なる配列のものが必要となった場合でも、同じ組立治具を使用することができ、これにより、組立治具の種類数削減によるコスト削減が可能となるとともに、リンクの配列が異なるチェーンを製造する時の段取り工数を削減することができ、製造コストを削減しかつ製造効率を向上することができる。
環状溝の内周面は、円の一部が直線部で置き換えられた形状とされていることがある。このようにすると、環状溝の外周面に沿ってピンを配置していく場合と内周面の直線部に沿ってピンを配置していく場合とで、チェーン周長が異なるものとすることができ、組立治具の種類数削減によるコスト削減が可能となるとともに、周長が異なるチェーンを製造する時の段取り工数を削減することができ、製造コストをさらに削減してかつ製造効率を向上することができる。
環状溝は、ピンの嵌め入れを容易とするためにその幅がピンの幅よりも大きくなされており、ピンを環状溝の内周面または外周面に押し付けるためのピン位置決め手段が付加されていることがある。環状溝の底面が傾斜していることから、傾斜面に沿ってピンが移動して、ピンの出代のばらつきが大きくなる可能性があるが、ピン位置決め手段によってピンの位置を規定することで、出代のばらつきをなくすことができ、製品品質を向上させることができる。
この発明による動力伝達チェーンの組立方法は、所要数のピンを所要のピッチで円形の組立治具に配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持し、これらのピンにピッチ長が異なる2種類以上のリンクを順次圧入していく動力伝達チェーンの組立方法において、ピンの長さの略半分の深さでかつピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成された第1組立治具を使用して、所定間隔でピンを第1組立治具の環状溝に嵌め入れるピン保持工程と、すべてのピンの長手方向中央部から一端部にかけてチェーン幅方向に並ぶ所要数のリンクの略半数を順次圧入する第1圧入工程と、ピンの出代分の深さでかつピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成された第2組立治具を使用して、リンクの略半数が圧入された状態のすべてのピンの一端部と他端部とを逆にしてピンを第2組立治具の環状溝に嵌めるピン反転工程と、逆にされたすべてのピンの長手方向中央部から他端部にかけてチェーン幅方向に並ぶ所要数のリンクの残り略半数を順次圧入する第2圧入工程とを備えていることを特徴とするものである。
「略半数」は、ちょうど半数であってもよく、一方の工程で圧入されるリンクの枚数が他方の工程で圧入されるリンクの枚数よりも1〜3枚程度多くても少なくてもよいことを意味している。
リンクの圧入は、プレス機を使用して行い、1枚ずつ行ってもよく、複数枚ずつ行ってもよく、また、チェーン幅方向同位相のリンクすべてを同時に圧入するようにしてもよい。各リンクをピンの所定位置まで押し込む際に使用される押圧治具は、従来と同じものでよく、例えば、大きさがリンクよりも若干大きい略方形の板状で、これを貫通するピン挿通孔が設けられているものとされる。
組立治具および押圧治具は、プレス機等に取り付けられ、この際、組立治具は、中心軸(例えば垂直軸)回りにリンク供給装置に対して相対的に回転可能に支持され、押圧治具は、組立治具に対して相対的に中心軸方向に移動可能に支持される。
第1組立治具を使用した圧入工程の終了後は、無端状チェーンとしての形態が出来上がっているので、第2組立治具は、無端状に形成された状態を保持できればよく、ピンの外周側への移動を防止する外周壁(溝の外周面)は不要とされる。すなわち、第1組立治具の環状溝は、底面、内周面および外周面によって規定されるのに対し、第2組立治具の環状溝は、底面および内周面によって規定されるだけでよい。
上記の組立治具および組立方法は、圧入を必要とする種々の動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士のチェーン長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に圧入により固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に圧入により固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。この場合の圧入は、挿通部のチェーン長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われることが好ましい。
上記動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
この発明の動力伝達チェーンの組立治具によると、ピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成されており、ピンを任意の周方向間隔で環状溝に配置可能とされているので、組立治具の製作が容易となり、しかも、ピッチ長が異なるリンクをランダム配列とした動力伝達チェーンを製造するに際し、異なる配列のものが必要となった場合にでも、同じ組立治具を使用することができ、これにより、組立治具の種類数削減によるコスト削減が可能となるとともに、リンクの配列が異なるチェーンを製造する時の段取り工数を削減することができ、製造コストを削減しかつ製造効率を向上することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの組立治具および組立方法を使用して製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士をチェーン長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)と後挿通部(13)との間には、柱部(21)が介在させられており、前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士のチェーン長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面がインターピース(15)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面がピン(14)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図13に示したCVTで使用されるが、この際、図12に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
図12において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、所要数のピン(14)およびインターピース(15)を保持した後、所要数のリンク(11)を順次圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。
組立てに際しては、ピン(14)の長手方向中央部から一端部にかけて配置されているリンク(11)の圧入と、ピン(14)の長手方向中央部から他端部にかけて配置されているリンク(11)の圧入とを別の組立治具(31)(34)を使用して行うことが好ましい。図3および図4には、ピン(14)の長手方向中央部から一端部にかけて配置されているリンク(11)の圧入に使用される第1組立治具(31)が示され、図5および図6には、ピン(14)の長手方向中央部から他端部にかけて配置されているリンク(11)の圧入に使用される第2組立治具(34)が示されている。
図3および図4に示すように、第1実施形態の第1組立治具(31)は、円盤状の本体(32)に環状溝(33)が設けられることによって形成されている。環状溝(33)は、底面(33a)、内周面(33b)および外周面(33c)によって規定されている。環状溝(33)の底面(33a)は、水平面に対して傾斜させられており、この傾斜角は、ピン(14)端面の傾斜角すなわちプーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)の傾斜角(図12参照)に等しいものとされている。環状溝(33)の深さは、ピン(14)の長さの略半分とされている。
図5および図6に示すように、第1実施形態の第2組立治具(34)は、円盤状の本体(35)に環状溝(36)が設けられることによって形成されている。環状溝(36)は、底面(36a)および内周面(36b)によって規定されており、外周面側は開放されている。環状溝(36)の底面(36a)は、水平面に対して傾斜させられており、この傾斜角は、ピン(14)端面の傾斜角すなわちプーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)の傾斜角に等しいものとされている。環状溝(36)の深さすなわち内周面(36b)の高さは、ピン(14)の出代に相当する大きさとされている。
上記の組立治具(31)(34)を使用した動力伝達チェーン(1)の組立ては、まず、第1組立治具(31)を使用して、チェーン(1)で使用されるすべてのピン(14)およびインターピース(15)を対にして第1組立治具(31)の環状溝(33)に嵌め入れるピン保持工程と、すべてのピン(14)およびインターピース(15)の長手方向中央部から一端部にかけてチェーン幅方向に並ぶ所要数のリンク(11)の略半数を順次圧入する第1圧入工程とを行った後、第2組立治具(34)を使用して、リンク(11)の略半数が圧入された状態のすべてのピン(14)およびインターピース(15)の一端部と他端部とを逆にしてピンを第2組立治具(34)の環状溝(36)に嵌めるピン反転工程と、逆にされたすべてのピン(14)およびインターピース(15)の長手方向中央部から他端部にかけてチェーン幅方向に並ぶ所要数のリンク(11)の残り略半数を順次圧入する第2圧入工程とを行うものとされる。
第1組立治具(31)は、垂直軸回りに回転可能とされ、まず、チェーン(1)で使用されるすべてのピン(14)およびインターピース(15)がその環状溝(33)に挿入される。次いで、リンク(11)がピン(14)およびインターピース(15)の上端部に配置されて、押圧治具(図示略)が下降させられるが、環状溝(42)の深さがピン(14)およびインターピース(15)の長手方向略半分の長さに等しくされているので、最初に圧入されるリンク(11)は、チェーン幅方向の略中央に位置させられる。この後、リンク(11)が順次圧入される。押圧治具の下降量は、1層目のリンク(11)と2層目のリンク(11)とを密着させるのではなく、隣り合う層のリンク(11)間に所定量の隙間が形成されるように制御される。このようにして、第1組立治具(31)を使用した圧入により、ピン(14)およびインターピース(15)の長手方向の略中央部から上端部にかけての部分にすべてのリンク(11)の略半数が配置され、第1圧入工程が終了する。
この後、第2組立治具(34)を使用したピン反転工程および第2圧入工程に移行し、この工程において、まず、略半数のリンク(11)が配置されたピン(14)およびインターピース(15)は、上下が逆にされて、第2組立治具(43)の環状溝(36)に嵌められる。次いで、リンク(11)がピン(14)およびインターピース(15)の上端部に配置されて、押圧治具が下降させられるが、ピン(14)およびインターピース(15)には既に略半数のリンク(11)が圧入により固定されているので、最初に圧入されるリンク(11)は、チェーン幅方向の略中央に位置させられる。この後、リンク(11)が順次圧入される。押圧治具(45)の下降量は、第1圧入工程と同様、隣り合う層のリンク(11)間に所定量の隙間が形成されるように制御される。このようにして、第2組立治具(36)を使用した圧入により、ピン(14)およびインターピース(15)の長手方向の略中央部から上端部にかけての部分に残りのリンク(11)が配置され、組立てが完了する。
こうして、ピン(14)およびインターピース(15)の下端側から上端側へと積層する工程を1回だけ行うのではなく、圧入工程を2回に分けて、いずれの工程でも、ピン(14)およびインターピース(15)の長手方向の略中央部からリンク(11)を積層することにより、ピン(14)およびインターピース(15)の一端側と他端側とでその出代を等しくすることができる。
図7は、第1組立治具の他の実施形態を、図8は、これと対で使用される第2組立治具の実施形態を示している。
図7に示す第2実施形態の第1組立治具(41)は、円盤状の本体(42)に環状溝(43)が設けられることによって形成されており、環状溝(43)が底面(43a)、内周面(43b)および外周面(43c)によって規定されている点、環状溝(43)の底面(43a)がピン(14)端面の傾斜角に対応して傾斜させられている点および環状溝(33)の深さがピン(14)の長さの略半分とされている点は、第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態の第1組立治具(31)では、環状溝(33)の内周面(33b)および外周面(33c)がともに完全な円形の環状であるのに対し、第2実施形態の第1組立治具(41)においては、環状溝(43)の内周面(43b)について、円の一部が直線部(43d)で置き換えられた形状とされている。
また、図8に示す第2実施形態の第2組立治具(44)は、円盤状の本体(45)に環状溝(46)が設けられることによって形成されており、環状溝(46)が底面(46a)および内周面(46b)によってのみ規定されている点、環状溝(36)の底面(36a)がピン(14)端面の傾斜角に対応して傾斜させられている点および環状溝(36)の深さがピン(14)の出代に相当する大きさとされている点は、第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態の第2組立治具(34)では、環状溝(36)の内周面(36b)が完全な円形の環状であるのに対し、第2実施形態の第2組立治具(44)においては、環状溝(46)の内周面(46b)について、円の一部が直線部(46c)で置き換えられた形状とされている。
図7および図8に示す組立治具(41)(44)を使用した場合、第1組立治具(41)の環状溝(43)の外周面(43c)に沿ってピン(14)を配置していくことで、第1実施形態の第1組立治具(31)を使用する場合と同じ長さのチェーン(1)を得ることができ、チェーン(1)の全長について、第1実施形態のものよりも短くする必要が生じた場合、第1組立治具(41)の環状溝(43)の内周面(43b)の直線部(43d)に沿って(または、直線部(43d)に沿わないが外周面(43c)からは離れるように)ピン(14)を配置していくことにより、組立治具(41)(44)を変更することなく、仕様の変更に対応することができる。これにより、組立治具の種類数削減によるコスト削減が可能となるとともに、チェーン周長が異なるものを製造する時の段取り工数を削減することができ、製造コストを削減しかつ製造効率を向上することができる。
上記において、第1組立治具(31)(41)の環状溝(33)(43)は、ピン(14)との間に1mm程度の間隙が存在するようになされている。これにより、ピン(14)を嵌め入れていく際の作業性が向上させられるが、環状溝(33)(43)の底面(33a)(43a)が傾斜しており、これに沿ってピン(14)が間隙分だけ移動可能となっている分、ピン(14)の出代のばらつきが大きくなる可能性がある。そこで、この出代のばらつきをなくすために、第1組立治具(31)にピン位置決め手段(51)(52)(53)を付加するようにしてもよい。これを図9から図11までに示す。
図9において、位置決め手段(51)は、環状溝(33)の外周面(33c)(内周面(33b)でも可)とピン(14)との間に挿入されるゴム製または樹脂製の弾性体(54)とされており、全てのピン(14)を環状溝(33)に嵌め入れた後に、この弾性体(54)を各ピン(14)と環状溝(33)の外周面(33c)との間に挿入することにより、ピン(14)が位置決めされ、出代のばらつきをなくすことができる。
図10において、位置決め手段(52)は、環状溝(33)の底面(33a)に対応する本体(32)内に埋設された底面側永久磁石(55)と、環状溝(33)の内周面(33b)に対応する本体(32)内に埋設された内周面側永久磁石(56)とからなるものとされており、これにより、軸受鋼などの磁性体によって形成されたピン(14)を環状溝(33)に嵌め入れると、ピン(14)が永久磁石(55)(56)に引き付けられることで位置決めされ、出代のばらつきをなくすことができる。
図11において、位置決め手段(53)は、本体(32)内に設けられて吸引口(57a)(57b)を環状溝(33)の底面(33a)および内周面(33b)に向けて開口させた吸引通路(57)と、吸引通路(57)内の空気を吸引するポンプ(図示略)とからなるものとされており、これにより、ピン(14)を環状溝(33)に嵌め入れた後に、ポンプを作動することにより、ピン(14)が負圧によって引き付けられることで位置決めされ、出代のばらつきをなくすことができる。
なお、上記の組立治具および組立方法は、リンク、ピンおよびインターピースの形状に限定されることはなく、圧入タイプの種々の動力伝達チェーンに適用することができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの組立方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクおよびピンの拡大側面図である。 図3は、この発明による動力伝達チェーンの第1組立治具の第1実施形態を示す斜視図である。 図4は、同垂直断面図である。 図5は、この発明による動力伝達チェーンの第2組立治具の第1実施形態を示す斜視図である。 図6は、同垂直断面図である。 図7は、この発明による動力伝達チェーンの第1組立治具の第2実施形態を示す平面図である。 図8は、この発明による動力伝達チェーンの第2組立治具の第2実施形態を示す平面図である。 図9は、この発明による動力伝達チェーンの第1組立治具の第3実施形態を示す垂直断面図である。 図10は、この発明による動力伝達チェーンの第1組立治具の第4実施形態を示す垂直断面図である。 図11は、この発明による動力伝達チェーンの第1組立治具の第5実施形態を示す垂直断面図である。 図12は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図13は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(31)(41) 第1組立治具
(33)(43) 環状溝
(33a)(43a) 底面
(33b)(43b) 内周面
(33c)(43c) 外周面
(43d) 直線部
(34)(44) 第2組立治具
(36)(46) 環状溝
(36a)(46a) 底面
(46c) 直線部
(51)(52)(53) ピン位置決め手段

Claims (4)

  1. ピッチ長が異なる2種類以上のリンクからなる複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンを有しかつ各ピンが圧入によりリンクに固定される動力伝達チェーンを製造する際に使用される組立治具であって、
    ピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成されており、ピンを任意の周方向間隔で環状溝に配置可能とされていることを特徴とする組立治具。
  2. 環状溝の内周面は、円の一部が直線部で置き換えられた形状とされていることを特徴とする請求項1の組立治具。
  3. 環状溝は、ピンの嵌め入れを容易とするためにその幅がピンの幅よりも大きくなされており、ピンを環状溝の内周面または外周面に押し付けるためのピン位置決め手段が付加されていることを特徴とする請求項1の組立治具。
  4. 所要数のピンを所要のピッチで円形の組立治具に配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持し、これらのピンにピッチ長が異なる2種類以上のリンクを順次圧入していく動力伝達チェーンの組立方法において、
    ピンの長さの略半分の深さでかつピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成された第1組立治具を使用して、所定間隔でピンを第1組立治具の環状溝に嵌め入れるピン保持工程と、すべてのピンの長手方向中央部から一端部にかけてチェーン幅方向に並ぶ所要数のリンクの略半数を順次圧入する第1圧入工程と、ピンの出代分の深さでかつピン端面の傾斜角度に対応する傾斜角度の底面を有する環状溝が形成された第2組立治具を使用して、リンクの略半数が圧入された状態のすべてのピンの一端部と他端部とを逆にしてピンを第2組立治具の環状溝に嵌めるピン反転工程と、逆にされたすべてのピンの長手方向中央部から他端部にかけてチェーン幅方向に並ぶ所要数のリンクの残り略半数を順次圧入する第2圧入工程とを備えていることを特徴とする動力伝達チェーンの組立方法。
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JP2012121057A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Jtekt Corp 動力伝達チェーン用ピンの組立治具
JP2014000581A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの組立治具および製造装置
JP2014231082A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 株式会社ジェイテクト 動力伝達チェーンの組立方法及び組立装置

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