JP2009255121A - 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置 - Google Patents

動力伝達チェーンの予張方法および予張装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009255121A
JP2009255121A JP2008106620A JP2008106620A JP2009255121A JP 2009255121 A JP2009255121 A JP 2009255121A JP 2008106620 A JP2008106620 A JP 2008106620A JP 2008106620 A JP2008106620 A JP 2008106620A JP 2009255121 A JP2009255121 A JP 2009255121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
holder
roller
power transmission
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008106620A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Miura
義久 三浦
Teruko Nagaoka
照子 長岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008106620A priority Critical patent/JP2009255121A/ja
Publication of JP2009255121A publication Critical patent/JP2009255121A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

【課題】 予張装置を簡素化するとともに、チェーンの周長を簡単にかつ精度良く決定することを可能にする動力伝達チェーンの予張方法および予張装置を提供する。
【解決手段】 予張装置31は、無端状チェーン1が巻き掛けられた際にその内周が円筒面となるようなチェーン保持面を有する円盤状のチェーン保持具32と、チェーン保持具32と同心状に配置されたローラ保持具33と、チェーン保持具32を回転させるモータ34と、ローラ保持具33の軸に対して偏心した軸を有しローラ保持具33に回転自在に支持された圧力付与ローラ35とを備えている。圧力付与ローラ35の周縁部をチェーン1内周の所定部分に押し当てた状態でチェーン保持具32を回転させて予張力を付与する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、動力伝達チェーンの予張方法および予張装置、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンを製造する際に用いられる予張方法および予張装置に関する。
自動車用無段変速機として、図6に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するもの(チェーン式無段変速機)が知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
そして、この種の動力伝達チェーンでは、耐久性を向上させるために、その製造工程において、張力をチェーンに予め付与(予張)することにより、リンクに適当な残留圧縮応力を付与することが行われている。
特開2005−233275号公報
予張装置としては、実際に使用される無段変速機に類似した構成のものが知られているが、ドライブプーリおよびドリブンプーリに相当する2軸を使用しているので、装置が大がかりなものになっており、また、チェーンの周長を精度よく計測するには手間がかかるものとなっている。
この発明の目的は、予張装置を簡素化するとともに、チェーンの周長を簡単にかつ精度良く決定することを可能にする動力伝達チェーンの予張方法および予張装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンの予張方法は、複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンに予張力を付与する方法であって、無端状チェーンが巻き掛けられた際にチェーン内周が円筒面となるようなチェーン保持面を有する円盤状のチェーン保持具と、チェーン保持具と同心状に配置されたローラ保持具と、チェーン保持具およびローラ保持具のいずれか一方を他方に対して回転させる回転手段と、ローラ保持具の軸に対して偏心した軸を有しローラ保持具に回転自在に支持された圧力付与ローラとを使用し、圧力付与ローラの周縁部をチェーン内周の所定部分に押し当てた状態でチェーン保持具とローラ保持具とを相対回転させて予張力を付与することを特徴とするものである。
この発明による動力伝達チェーンの予張装置は、複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンに予張力を付与する装置であって、軸部材および軸部材上に対向するように配置されて無端状チェーンが巻き掛けられた際にチェーン内周が円筒面となるようなチェーン保持面が形成されたチェーン保持具と、チェーン保持具の1対の円盤状部材間にこれと同心状に配置されたローラ保持具と、チェーン保持具およびローラ保持具のいずれか一方を他方に対して回転させる回転手段と、ローラ保持具の軸に対して偏心した軸を有しローラ保持具に回転自在に支持された圧力付与ローラとを備え、チェーン保持具の軸部材の軸心から圧力付与ローラの軸心までの距離と圧力付与ローラの半径との和がチェーン保持具に巻き掛けられた無端状チェーンの内径よりも大きくなされていることを特徴とするものである。
無段変速機においては、動力伝達チェーンは、ドライブプーリとドリブンプーリとの間に巻き掛けられるので、実際に使用される無段変速機に類似した構成の従来の予張装置においても、2軸(ドライブプーリの軸およびドリブンプーリの軸)間での保持となるのに対し、この発明の予張方法および予張装置においては、全体として円盤状をなしその外周面に無端状チェーンの全体が巻き掛けられる1軸のチェーン保持具によって、チェーンが保持される。
チェーン保持具とローラ保持具とを相対回転させるには、例えば、ローラ保持具の方が固定されて、チェーン保持具が回転し、これに伴ってチェーンが回転し、圧力付与ローラは、軸の位置を変えずに自転する形態とされてもよく、また、チェーン保持具およびチェーンの方が固定されて、ローラ保持具が回転し、圧力付与ローラは、公転しながら自転する形態とされてもよい。
圧力付与ローラの軸心は、通常、ローラ保持具に対してはその位置を変えないものとされるが、圧力付与ローラの軸心の径方向の位置を調整可能または変更可能としてもよい。
ローラ保持具の外径は、無端状チェーンの内径よりも小さくされ、圧力付与ローラは、その周縁部がローラ保持具の外周面よりも径方向外方に突出させられて、無端状チェーンに予張力を付与する。
この発明の動力伝達チェーンの予張方法および予張装置によると、チェーンの内周面が円筒面となるので、その周長(ピンの接触位置における周長)は、接触径Rを使用して、2πRとして容易に求めることができる。
この発明による予張方法および予張装置で得られる動力伝達チェーンは、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる各プーリのシーブ間距離の変化に伴って巻き掛け径が無段階に変更されて無段階の変速が行われる無段変速機で使用されるのに適している。
予張力は、リンクに発生する最大主応力がリンクの弾性限界応力以上となる大きさとされる。このようにすることで、予張力によって、リンクが塑性変形し、リンク内部に適正な残留圧縮応力が付与され、疲労耐久性能が向上する。
上記の予張方法は、種々の無段変速機用動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、上記のようにして予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が高精度に付与される。
この発明の動力伝達チェーンの予張方法および予張装置によると、全体として円盤状をなす1軸のチェーン保持具によってチェーンが保持されるので、2軸のプーリを使用する予張方法および予張装置に比べて、予張装置を簡素化することができ、また、予張時のチェーンの内周が円筒面となるので、その半径からチェーン周長を求めることで、チェーンの周長を簡単にかつ精度良く決定することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの予張方法および予張装置で製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)は、前挿通部(12)の前面形状を形成するための前側柱部(20)と、後挿通部(13)の後面形状を形成するための後側柱部(22)と、前挿通部(12)と後挿通部(13)との間の中間柱部(21)とを有している。リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面がインターピース(15)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面がピン(14)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図3に示したV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、例えば、インターピース(第2ピン)(15)がピン(第1ピン)(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図3において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるアンダードライブ状態(最減速状態)から、変速比が1であるドライブプーリ(2)の巻き掛け径とドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が等しい状態、さらに、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のオーバードライブ状態(最増速状態)が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には予張力が付与される。
図4および図5に、この発明による動力伝達チェーンの予張装置を示す。以下の説明において、左右は、図4の左右をいうものとする。
予張装置(31)は、円盤状のチェーン保持具(32)と、ローラ保持具(33)と、チェーン保持具(32)を回転させるモータ(回転手段)(34)と、ローラ保持具(33)に回転自在に支持された圧力付与ローラ(35)とを備えている。
チェーン保持具(32)は、回転軸(軸部材)(41)と、回転軸(41)の左端側および右端側に互いに対向するように固定された1対の円盤状部材(42)(43)とからなる。
各円盤状部材(42)(43)は、それぞれプーリ式CVTと同様の傾き(例えば11°)の円すい面(チェーン保持面)(42a)(43a)を有しており、巻き掛けられた無端状チェーン(1)のピン(14)を左右両側から挟持する。1対の円盤状部材(42)(43)に巻き掛けられた際の無端状チェーン(1)の内周は、回転軸(41)と同心の円筒面となる。1対の円盤状部材(42)(43)がモータ(34)によって回転軸(41)の軸心回りに回転駆動されることで、無端状チェーン(1)が回転させられる。
ローラ保持具(33)は、1対の円盤状部材(42)(43)のそれぞれ軸方向内側において互いに対向するように配置された1対の固定円板(44)(45)によって圧力付与ローラ(35)の両端部を回転可能に支持するものであり、固定円板(44)(45)は、回転軸(41)が回転した場合でも回転しないように、回転軸(41)にゆるく嵌められている。
圧力付与ローラ(35)の回転軸(35a)の軸心は、チェーン保持具(32)の回転軸(41)の軸心から径方向に所定距離離れた位置に設けられている。圧力付与ローラ(35)は、チェーン保持具(32)の回転軸(41)の軸心から圧力付与ローラ(35)の回転軸(35a)の軸心までの距離と圧力付与ローラ(35)の半径との和がチェーン保持具(32)に巻き掛けられた無端状チェーン(1)の内径よりも大きくなるように、その大きさが設定されており、これにより、圧力付与ローラ(35)の周縁部が無端状チェーン(1)内周の所定部分に押し当てられて、図4にDで示す変位量の強制変位が無端状チェーン(1)に付与される。チェーン保持具(32)の回転に伴って、無端状チェーン(1)が移動すると、圧力付与ローラ(35)は、無端状チェーン(1)によって回転(自転)させられ、この状態で、無端状チェーン(1)が所定量移動することで、無端状チェーン(1)に均等に予張力が付与される。
張力の大きさは、リンク(11)内部(特にピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)における圧入部)に発生する最大主応力値がリンク(11)の弾性限界以上でかつ塑性限界以下となるように設定され、これにより、リンク(11)内部に適正な残留圧縮応力が付与される。
この予張装置(31)によると、従来のようにピン(14)の中心を特定しなくても、接触位置の径Rが分かれば、2πRとすることで、予張付与後のチェーン周長が決定される。したがって、チェーン(1)の周長を簡単にかつ精度良く決定することができる。
なお、上記において、チェーン保持具(32)が回転する構成とされているが、チェーン保持具(32)を固定しておいて、ローラ保持具(33)を回転させるようにしてもよい。
上記予張力の付与は、第1ピンおよび第2ピンの長さが略等しく、両方ともがシーブ面に接触するチェーンにも適用することができ、さらに、第1ピンおよび第2ピンの両方が前後挿通部に対し移動可能に嵌め入れられるチェーンにも適用可能である。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの予張方法および予張装置で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、図1の要部の拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンが無段変速機のプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、予張装置を模式的に示す縦断面図である。 図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。 図6は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(31) 予張装置
(32) チェーン保持具
(33) ローラ保持具
(34) モータ(回転手段)
(35) 圧力付与ローラ
(41) 回転軸(軸部材)
(42)(43) 円盤状部材

Claims (2)

  1. 複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンに予張力を付与する方法であって、
    無端状チェーンが巻き掛けられた際にチェーン内周が円筒面となるようなチェーン保持面を有する円盤状のチェーン保持具と、チェーン保持具と同心状に配置されたローラ保持具と、チェーン保持具およびローラ保持具のいずれか一方を他方に対して回転させる回転手段と、ローラ保持具の軸に対して偏心した軸を有しローラ保持具に回転自在に支持された圧力付与ローラとを使用し、圧力付与ローラの周縁部をチェーン内周の所定部分に押し当てた状態でチェーン保持具とローラ保持具とを相対回転させて予張力を付与することを特徴とする動力伝達チェーンの予張方法。
  2. 複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンに予張力を付与する装置であって、
    軸部材および軸部材上に対向するように配置されて無端状チェーンが巻き掛けられた際にチェーン内周が円筒面となるようなチェーン保持面が形成されたチェーン保持具と、チェーン保持具の1対の円盤状部材間にこれと同心状に配置されたローラ保持具と、チェーン保持具およびローラ保持具のいずれか一方を他方に対して回転させる回転手段と、ローラ保持具の軸に対して偏心した軸を有しローラ保持具に回転自在に支持された圧力付与ローラとを備え、チェーン保持具の軸部材の軸心から圧力付与ローラの軸心までの距離と圧力付与ローラの半径との和がチェーン保持具に巻き掛けられた無端状チェーンの内径よりも大きくなされていることを特徴とする動力伝達チェーンの予張装置。
JP2008106620A 2008-04-16 2008-04-16 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置 Withdrawn JP2009255121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008106620A JP2009255121A (ja) 2008-04-16 2008-04-16 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008106620A JP2009255121A (ja) 2008-04-16 2008-04-16 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009255121A true JP2009255121A (ja) 2009-11-05

Family

ID=41383234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008106620A Withdrawn JP2009255121A (ja) 2008-04-16 2008-04-16 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009255121A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102527917A (zh) * 2010-12-10 2012-07-04 株式会社捷太格特 动力传递链条用链销的组装夹具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102527917A (zh) * 2010-12-10 2012-07-04 株式会社捷太格特 动力传递链条用链销的组装夹具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4997538B2 (ja) 動力伝達装置
US20120159921A1 (en) Device and method for stretching a transmission chain
EP1818568A2 (en) Method of pretensioning power transmission chain, device for said method and power transmission apparatus
JP2008188597A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置
JP5347290B2 (ja) 動力伝達チェーンの予張方法
JP4910982B2 (ja) 動力伝達チェーンの製造方法
JP2009255121A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置
JP4770454B2 (ja) 無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法
JP2009103156A (ja) 動力伝達チェーンの組立治具および組立方法
JP4853017B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置
JP2009028737A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置
JP2008144824A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP2008267577A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置
JP2008168301A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP2008151317A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2011200874A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法
JP5035514B2 (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP2008238226A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張治具
JP5151140B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2009074671A (ja) 動力伝達装置および動力伝達チェーン
JP2008111494A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP4770610B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP5211346B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4882921B2 (ja) 動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入治具
JP2011069410A (ja) 動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110705