以下に、本発明の作物引抜機の一例としての大根引抜機について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の大根引抜機1の左側面図であり、図2は、図1に示す大根引抜機1の平面図(その1)である。
また、図3は、図1に示す大根引抜機1の平面図(その2)であり、図4は、図1に示す大根引抜機1の正面図である。
図2では、後述する引抜搬送装置200や肩揃え装置300等の内部構造を示し、図3では、引抜搬送装置200が左右一対の引抜搬送装置カバー202L、202Rで覆われている状態を示す。
また、図4では、引抜搬送装置200やエンジン4等の図示を省略した。
図1〜図4に示すように、本実施の形態の大根引抜機1は、機体の右前側に配置されたゲージ輪2と、駆動輪としての左右一対の後輪3L、3Rと、機体の動力源としてのエンジン4と、機体を操縦する操縦ハンドル5と、を備えている。
ゲージ輪2を回動可能に支持する支持ステー2aの上端部は、支持ステー移動機構10に連結されている。また、支持ステー移動機構10は、支持ステー2aにその一端が連結されると共に他端が支持ステー移動機構10を回動させる回動ハンドル10aの前端部に傘歯車を介して連結された調節ロッドを上下スライド可能に保持している。支持ステー移動機構10の外壁部は、機体側に固定されている。
調節ロッドは、支持ステー2aに連結された一端側の第1ロッドと、傘歯車を介して回動ハンドル10aに連結された他端側の第2ロッドとから構成されている。第1ロッドは円筒状を成し、その内周壁面に雌ねじが形成された穴部を有し、第2ロッドは第1ロッドの穴部に挿入されており、その外周面において、第1ロッドの雌ねじと嵌合する雄ねじが形成されている。
回動ハンドル10aを回動することにより、傘歯車を介して第2ロッドが回動すると、第1ロッドが、回動ハンドル10aの回動方向に応じて上方向又は下方向に移動する。
これにより、第1ロッドの下端部に連結された支持ステー2aが上下方向(図1の矢印T参照)に移動すると共に、ゲージ輪2が上下方向に移動する構成である。
また、ゲージ輪2は、圃場の畝の溝部を走行する構成とする。なお、ゲージ輪2のタイヤの空気圧に関しては後述する。
これにより、大根引抜機1の前側の車高を自在に変更することが出来、引抜搬送装置200の前端部の圃場Yの畝面Y1からの高さ(引抜作業高さ)を調節することが出来る。
なお、本実施の形態のゲージ輪2は、本発明の接地輪の一例にあたり、本実施の形態の支持ステー2aは、本発明の支持ステーの一例にあたる。また、本実施の形態の支持ステー移動機構10は、本発明の高さ調節装置の一例にあたる。
エンジン4からの駆動力は、ミッションケース6及び当該ミッションケース6の左右方向に突出した出力軸6aを介して左右一対のチェーンケース7L、7R内のチェーン(図示省略)に伝達され、左右一対の後輪3L、3Rを駆動する。
また、左右一対のチェーンケース7L、7Rは、作業者がチェーンケース回動ハンドル11L、11Rを回動させることにより、左右方向に突出した出力軸6aを回動中心として、矢印U方向(図1参照)にそれぞれ個別に回動可能に構成されている。
これにより、大根引抜機1の後輪側の車高を左右独立して調整することが出来る。
なお、左側のチェーンケース7Lの位置は左右方向に変更可能に構成されている。また、左右一対の後輪3L、3Rの位置も、左右一対のチェーンケース7L、7Rの左右の何れの側にも取り付け可能に構成されている。
これにより、車輪間隔を変更可能とすることで、例えば、2条植えや3条植え等、植付条数が異なる畝の場合でも、大根の引抜作業が行える。
また、本実施の形態の大根引抜機1は、図1〜図4に示すように、(1)圃場Yに広がった大根Wの茎葉部W1を引き起こす引起こし機構100と、(2)引起こし機構100により引き起こされた大根Wの茎葉部W1を挟持したまま機体の走行速度と概ね同期して機体斜め上後方に向けて搬送することで大根Wを圃場Yから概ね垂直に引き上げる引抜搬送装置200と、(3)引抜搬送装置200の下方に水平配置され、引抜搬送装置200により搬送されてくる大根Wの茎葉部W1を引き継いで当該大根Wの本体部W2の上端の肩部W2aの、側面視での上下方向における位置を揃えると共に、茎葉部W1の下部を挟持したまま機体の走行速度と概ね同期して後方に搬送する肩揃え装置300と、(4)肩揃え装置300により肩部W2aの位置が揃えられた大根Wの茎葉部W1を、引抜搬送装置200により挟持される位置と肩揃え装置300により挟持される位置との間の所望の位置で切断する、円盤状の単一の茎葉回転刃410と、茎葉部W1が当該回転刃410に押されて逃げるのを防ぐために当該回転刃410側に茎葉部W1を案内する切断案内バー420と、を有する第1切断装置(茎葉部切断装置)400と、(5)第1切断装置400により茎葉部W1が切断された後、肩揃え装置300により茎葉部W1の残った部分が挟持されたまま後方に搬送されてくる大根Wの本体部W2の上端部W2bを切断する、左右一対の円盤状の胴切り回転刃510L、510Rを有する第2切断装置(胴部切断装置)500と、を備えている。
なお、本実施の形態では、第1切断装置400により茎葉部W1が完全に切断された後、第2切断装置500が大根Wの本体部W2の上端部W2bの切断を開始する構成について説明するが、これに限らず例えば、第1切断装置400により茎葉部W1が完全に切断される前に、第2切断装置500が大根Wの本体部W2の上端部W2bの切断を開始する構成であっても良い。
エンジン4からの駆動力は、ミッションケース6の前端部から前方に突き出した伝動軸6bを介して引抜搬送装置に伝達されると共に、左右に配置された伝動ケース8L、8R内の伝動機構に伝達されて、肩揃え装置300、第1切断装置400、及び第2切断装置500を駆動する。
なお、左右に配置された伝動ケース8L、8Rの前端部は、機体の骨格部分を構成する、側面視で略逆ヘの字形状で円筒状の左右一対のメインフレーム9L、9Rにそれぞれ固定された左右一対の伝動ケース支持ステー9La、9Raにより支持されている。
また、引抜搬送装置200が有する左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rの前端部は、左右一対のメインフレーム9L、9Rの前端部にそれぞれ固定された左右一対の引抜搬送装置支持ステー201L、201R(図1参照)により、引抜搬送装置200が側面視で後方斜め上向きに所定の作業角度θ(図6参照)で傾斜する様に下方から支持されて固定されている。また、引抜搬送装置200が有する左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rの後端部は、後述する伝達分岐ケース6d(図1参照)の上面部に固定された上部支持ステー205により支持されて固定されている。
また、引抜搬送装置200は、少なくとも上面側が、左右一対の引抜搬送装置カバー202L、202Rで覆われている(図1、図3参照)。左右一対の引抜搬送装置カバー202L、202Rについては更に後述する。
上記構成により、本実施の形態の大根引抜機1は、前進走行しながら、引起こし機構100で大根Wの茎葉部W1を引起こしながら、引抜搬送装置200で大根Wの茎葉部W1を挟持して圃場Yから大根Wを引き上げて、第1切断装置400で茎葉部W1の上部を切断した後、更に、第2切断装置500で大根Wの本体部W2の上端部W2bを切断することにより、大根Wを圃場Yの元の穴に戻す構成である。
これにより、作業者は、大根Wを圃場Yから軽い力で抜き取ることが出来、且つ、後加工で大根Wの本体部W2の上端部W2bの切断作業を行う必要が無く、作業能率の向上や労力の軽減が図られる。
次に、図1〜図4を用いて、上述した引起こし機構100について更に説明する。
引起こし機構100は、(1)圃場Yの畝面に広がって伸びている大根Wの茎葉部W1の内、主として機体の左右幅方向に伸びている茎葉部W1を上方に引き起こす左右一対の縦引起こし装置110L、110Rと、(2)左右一対の縦引起こし装置110L、110Rの後側に配置され、縦引起こし装置110L、110Rによって上方に引き起こされた茎葉部W1を引き継ぐと共に、主として機体の前後方向に伸びている茎葉部W1を上方に引き起こす左右一対の横引起こし装置130L、130Rと、(3)これら左右一対の縦引起こし装置110L、110R、及び左右一対の横引起こし装置130L、130Rに駆動力を伝達する引起こし装置駆動機構150と、を備えている。
左右一対の縦引起こし装置110L、110Rのそれぞれは、上下一対の縦引起こし駆動プーリ111a及び縦引起こし従動プーリ111bと、これら上下一対のプーリ111a、111bに巻き回された無端ベルトであって外周面に細長い縦引起こし突起112aが複数形成された縦引起こしベルト112と、を備えている。
また、左右一対の横引起こし装置130L、130Rのそれぞれは、上下一対の横引起こし駆動プーリ131a及び横引起こし従動プーリ131bと、これら上下一対のプーリ131a、131bに巻き回された無端ベルトであって外周面に細長い横引起こし突起132aが複数形成された横引起こしベルト132と、を備えている。
また、引起こし装置駆動機構150は、図3に示す様に、エンジン4からの駆動力が伝動軸6bを介して入力される引起こし駆動チェーン伝動部151と、駆動チェーン伝動部151からの駆動力を左側の横引起こし駆動プーリ131aに伝達するユニバーサルジョイント部152と、後端部に左側の横引起こし駆動プーリ131aが挿入固定され且つ前端部に第1傘歯車153aが挿入固定されており、左側の縦引起こし駆動プーリ111aに第1傘歯車153aを介して駆動力を伝達する第1伝動軸153と、両端部に第2傘歯車154aが挿入高低され且つその内側近傍に左右一対の縦引起こし駆動プーリ111a、111aが挿入固定された第2伝動軸154と、前端部に第3傘歯車155aが挿入固定され且つ後端部に右側の横引起こし駆動プーリ131aが挿入固定された第3伝動軸155とを備えている。
また、引起こし駆動チェーン伝動部151は、図3に示す様に、伝動軸6bの前端部から左右方向に分岐された回転駆動力の内、左側に伝達される回転駆動力が入力される引起こし入力スプロケット151aと、当該回転駆動力を引起こし装置100側に出力する引起こし出力スプロケット151bと、それら引起こし入力スプロケット151a及び引起こし出力スプロケット151bに巻き回された引起こし伝動チェーン151cと、これらを収納する引起こし伝動チェーンケース151dと、を備えている。
また、第1伝動軸153、第2伝動軸154、及び第3伝動軸155は、それぞれ、円筒状の金属製の第1パイプ部材153b、第2パイプ部材154b、及び第3パイプ部材155bにより覆われており、第1パイプ部材153bは、左側の横引起こし装置130Lと左側の縦引起こし装置110Lとを締結部材で連結固定する固定部材の機能を兼ねており、また、第2パイプ部材154bは、左側の縦引起こし装置110Lと右側の縦引起こし装置110Rとを連結固定する固定部材の機能を兼ねており、また、第3パイプ部材155bは、右側の縦引起こし装置110Rと右側の横引起こし装置130Rとを締結部材で連結固定する固定部材の機能を兼ねている(図2、図3参照)。
また、ユニバーサルジョイント部152は、蛇腹状のゴム製カバー152bにより覆われている(図2、図3参照)。
これにより、左右一対の縦引起こしベルト112は、左側面視で、時計方向に回動し(図1の矢印P参照)、左右一対の横引起こしベルト132は、矢印Q1、Q2方向(図4参照)に回動する構成である。
また、左右一対の縦引起こし装置110L、110Rは、それぞれ、縦引起こし突起112aによる茎葉部W1の引起こし機能を効果的に発揮させると共にベルト及びプーリなどの回動部への茎葉部W1の巻き込みを防ぐために、下方及び前方に突き出した縦引起こし突起112aだけが完全に外に露出する様に、外側カバー113aと内側カバー113bとで両側が覆われている。
また、左右一対の横引起こし装置130L、130Rは、それぞれ、ベルト及びプーリなどの回動部への茎葉部W1の巻き込みを防ぐために、前側カバー133aと後側カバー133bとで前後両側が覆われている。
また、左右一対の縦引起こし装置110L、110Rのそれぞれを内側から覆う内側カバー113bの後端部は、左右一対の横引起こし装置130L、130Rのそれぞれを前側から覆う前側カバー133aに締結部材で連結固定されている。
また、左右一対の横引起こし装置130L、130Rのそれぞれを後側から覆う、後側カバー133b、133bの背面側には、引起こし機構100の上下方向の位置を調節する引起こし機構位置調節装置160が有する左右一対の平行リンクアーム161L、161Rのそれぞれの前端部161La、161Raが締結部材で連結固定されている(図1、図3、図5参照)。
次に、引起こし機構位置調節装置160について、主として図3、図5、図6を用いて説明する。
図5は、本実施の形態の大根引抜機1における引起こし機構位置調節装置160を説明するための機体前側の概略側面図であり、引起こし機構100が最も降下した状態を示す図である。
また、図6は、本実施の形態の大根引抜機1における引起こし機構100が上昇した状態を示す概略側面図である。
引起こし機構位置調節装置160は、図3、図5に示す様に、(1)左右一対の平行リンクアーム161L、161Rと、(2)引起こし機構100を、左右一対の平行リンクアーム161L、161Rを介して、左右一対の略逆U字形状のパイプ部材203L、203Rのそれぞれの前端側に設けられた左右一対の回動支点162L、162Rを中心に上下方向に回動させる回動操作部170と、を有している。ここで、左右一対の略逆U字形状のパイプ部材203L、203Rは、側面視で略逆U字形状を成し、その逆U字形状の両端部が、後述する引抜搬送装置200の左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rの上面側に固定されている(図1、図3、図5参照)。
即ち、左右一対の平行リンクアーム161L、161Rのそれぞれの前端部161La、161Raは、上述した通り、左右一対の横引起こし装置130L、130Rのそれぞれを後側から覆う、後側カバー133b、133bの背面側に連結固定されており、且つ、左右一対の平行リンクアーム161L、161Rのそれぞれの後端部161Lb、161Rbは、上述した通り、左右一対の略逆U字形状のパイプ部材203L、203Rのそれぞれの前端側に設けられた回動支点162L、162Rに回動可能に連結されている。
また、回動操作部170は、(1)左側の平行リンクアーム161Lの上記回動支点162Lの近傍における外周面上の内側に、側面視で略三角形の板状部材であって、その底辺部が溶接固定された回動アーム部材171と、(2)雌ねじ軸部172の前端部172aの突き出しの長さが変更可能に構成された突き出し長さ可変装置175と、(3)左右一対の略逆U字形状のパイプ部材203L、203Rのそれぞれの後側の湾曲部の上側外周面近傍を連結すると共に、平面視で左右方向に配置された円筒状の突き出し長さ可変装置支持部材176と、を有している。
また、突き出し長さ可変装置175は、(1)その内周壁面に雌ねじが形成されると共に、その前端部172aに、回動アーム部材171の上端部が回動可能に連結された雌ねじ軸部172と、(2)その前端側173aの外周面に雄ねじが形成され、その中央部が突き出し長さ可変装置支持部材176により回動可能に支持されると共に、その後端部173bに回転ハンドル174が連結された雄ねじ軸部173と、(4)雄ねじ軸部173の前端側173aを覆う蛇腹状のカバー部材173cと、を有している。
ここで、雄ねじ軸部173の中央部は、突き出し長さ可変装置支持部材176により回動可能に支持されているが、軸方向に沿って移動することは無い。
これにより、突き出し長さ可変装置175は、雄ねじ軸部173の外周面の雄ねじが、雌ねじ軸部172の内周壁面の雌ねじに対して嵌合しているので、雌ねじ軸部172が、回転ハンドル174の回動方向に応じて軸方向に沿って移動することにより、雌ねじ軸部172の前端部172aの突き出しの長さが変更される構成である。
これにより、作業者が、回転ハンドル174を、例えば、背面視で時計回りの方向に回動させることで、雌ねじ軸部172の前端部172aは、側面視での突き出し長さ可変装置支持部材176の位置を基準として、その前端部172aの前方への突き出し長さが短くなる方向(図5中の矢印I参照)に移動するので、左側の平行リンクアーム161Lが回動アーム部材171を介して、左側の回動支点162Lを中心に左側面視で時計回りに回動すると共に、左右一対の横引起こし装置130L、130R、及び左右一対の縦引起こし装置110L、110Rが一体として、左右一対の平行リンクアーム161L、161Rを介して、左右一対の回動支点162L、162Rを中心に左側面視で時計回りに回動し上昇する(図6参照)。
また、作業者が、回転ハンドル174を、例えば、背面視で反時計回りの方向に回動させることで、雌ねじ軸部172の前端部172aは、側面視での突き出し長さ可変装置支持部材176の位置を基準として、その前端部172aの前方への突き出し長さが長くなる方向(図5中の矢印Iの示す方向の反対の方向)に移動するので、左側の平行リンクアーム161Lが回動アーム部材171を介して、左側の回動支点162Lを中心に左側面視で反時計回りに回動すると共に、左右一対の横引起こし装置130L、130R、及び左右一対の縦引起こし装置110L、110Rが一体として、左右一対の平行リンクアーム161L、161Rを介して、左右一対の回動支点162L、162Rを中心に左側面視で反時計回りに回動し降下する(図5参照)。
本実施の形態では、図5に示す様に、引起こし機構100が最も降下した際には、引起こし機構100は、圃場Yの表面に対して概ね垂直の姿勢となる構成である。即ち、この時、左右一対の横引起こし装置130L、130Rが、側面視で、圃場Yの畝面Y1と成す角度としての引起こし装置傾斜角度θは、概ね90°である。
なお、本実施の形態の引起こし機構100は、本発明の引起こし機構の一例にあたる。また、本実施の形態の左右一対の縦引起こし装置110L、110Rは、本発明の左右一対の第1引起こし装置の一例にあたり、本実施の形態の左右一対の横引起こし装置130L、130Rは、本発明の左右一対の第2引起こし装置の一例にあたる。
また、本実施の形態の引起こし機構位置調節装置160は、本発明の引起こし機構位置調節装置の一例にあたる。また、本実施の形態の左右一対の平行リンクアーム161L、161Rは、本発明の左右一対の連結アームの一例にあたり、本実施の形態の回動操作部170は、本発明の回動操作部の一例にあたる。
上記構成により、引起こし機構100が、上述した従来の1本の回動アームに比べて長さの短い左右一対の平行リンクアーム161L、161Rにより、左右一対の略逆U字形状のパイプ部材203L、203R上の左右一対の回動支点162L、162Rにおいて、回動可能に連結されているので、走行作業中でも引起こし機構100の上下位置が大きく変動することなく引起こし作業を安定して行うことが出来る。
また、引起こし作業が安定して行えるので、茎葉部W1を取りこぼすことなく引抜搬送装置側に確実に案内することが出来、大根Wの引き抜きに失敗することが防止出来る。
また、上記構成によれば、茎葉部W1の長さに合わせて、引起こし作用高さLh(図6参照)を適切に調整することが出来、圃場の畝面Y1に広がって伸びた茎葉部W1を確実に引き起こして引抜搬送装置200に挟持させることが出来る。
ここで、引起こし作用高さLh(図6参照)とは、左右一対の縦引起こし装置110L、110R、及び左右一対の横引起こし装置130L、130Rにより、圃場の畝面Y1に広がって伸びた茎葉部W1を確実に引き起すことが出来る、引起こし機構100の下部の圃場の畝面Y1からの高さをいう。なお、引起こし機構100の下部の具体例としては、例えば、最下端に位置する縦引起こし突起112aの先端部としても良いし、最下端に位置する横引起こし突起132aの先端部として良く、或いは、それ以外の部位としても良い。本実施の形態で引起こし作用高さLhとは、下端に位置する縦引起こし突起112aの先端部の、圃場の畝面Y1からの高さをいうものとする。
また、本実施の形態の引起こし機構位置調節装置160によれば、引起こし装置傾斜角度θは、引起こし機構100を最も下降させた時に概ね90°を成し(図5参照)、引起こし機構100を最も上昇させた時に概ね60°を成すものとする(図6参照)。
これにより、左右一対の横引起こし装置130L、130Rの最下端に位置する横引起こし突起132aの先端部と、引抜搬送装置200の前端部との、側面視での水平距離L(図6参照)が前後に変化しにくく、且つ、引起こし作用高さLhは大きく変更可能となる。
また、引起こし装置傾斜角度θ=60°の時でも、左右一対の横引起こし装置130L、130Rの最下端に位置する横引起こし突起132aの先端部と、引抜搬送装置200の前端部との、側面視での水平距離L(図6参照)を、大根Wの株間(例えば、25cm)より短くなる様に構成したことにより、茎葉部のすり抜けが防止出来、引抜搬送装置200に確実に引き渡すことが出来る。
また、引起こし機構100を上昇させた状態では、左右一対の横引起こし装置130L、130Rの上端側が、側面視で、引抜搬送装置200の前端部をオーバーラップ距離L(図6参照)だけ、上方で覆い被さる様に配置されることにより、茎葉部のすり抜けが防止出来、引抜搬送装置200に確実に引き渡すことが出来る。
また、図5に示す様に、側面視で、左右一対の横引起こし装置130L、130Rの横引起こし突起132aの前後中央部から、左右一対の縦引起こし装置110L、110Rの前面(縦引起こし突起112aを除く)までの水平距離Lは、大根Wの株間(例えば、25cm)以下としたことにより、茎葉部W1が、左右一対の縦引起こし装置110L、110Rから左右一対の横引起こし装置130L、130Rに引き継がれる際、茎葉部W1が落下することが防止出来、その結果、引き起こされた茎葉部W1を引抜搬送装置200に確実に引き渡すことが出来る。
また、本実施の形態では、縦引起こし突起112aの長さL(例えば、矢概ね70mm)(図3参照)を、従来の長さより短くした。
これにより、左右一対の縦引起こし装置110L、110Rが、図3に示す様に、平面視で、第1伝動軸153と、第3伝動軸155の軸間の範囲内に配置された構成であっても、引起こし機構100の前後方向の幅を狭めることが出来、大根引抜機1の前後方向の幅を小さくすることが出来る。
また、本実施の形態では、横引起こし突起132aの長さL(例えば、矢概ね110mm)(図3参照)を、従来の長さより長くした。
これにより、引抜作業中の大根Wの茎葉部W1を確実に引き継いで引抜搬送装置200に案内出来る。
また、引起こし装置傾斜角度θを調整することにより、引起こし機構100の姿勢(引起こし作用高さLh、及び水平距離Lを含む)(図6参照)を適切な状態に変更出来る回転ハンドル174を、引抜搬送装置200の上端側の上方に配置したことにより、作業者は、引起こし機構100の下端部と、大根の茎葉部W1の位置関係を目視で確認しながら、引起こし機構100の姿勢を適切に調整することが出来る。
また、回転ハンドル174は、左側の略逆U字形状のパイプ部材203Lの、平面視で左側において、突き出し長さ可変装置支持部材176上に回動可能に配置されている。
これにより、後述する引抜搬送装置200の搬送路より、平面視で、左側に離れた位置に配置されており、搬送中の茎葉部に回動ハンドル174が接触することを防止出来る。
また、本実施の形態では、縦引起こし突起112aのピッチP(図6参照)と、縦引起こしベルト112の周速度V1と、作物引抜作業走行中の走行速度Vsは、大根引抜機1が所定の株間Pk(例えば、25cm)を走行する間に、縦引起こし突起112aが、当該所定の株間Pkで植え付けられている大根Wの茎葉部W1に少なくとも1回は接触する様に調整されている。
即ち、株間Pk(m)、縦引起こし突起112aのピッチP(m)、縦引起こしベルト112の周速度V1(m/sec)、及び作物引抜作業走行中の走行速度Vs(m/sec)は、次の式1を満たすものとする。
1≦Pk÷Vs×V1÷P・・・・・・・・・・・・(式1)
ここで、式1の右辺は、大根引抜機1が株間を走行する間に圃場の畝面Y1を通過する縦引起こし突起112aの本数を表している。
具体的な数値例を用いて説明すると次の通りである。
株間Pk=0.25m、作物引抜作業走行中の走行速度Vs=0.236m/sec、
縦引起こしベルト112の周速度V1=0.57m/secの場合において、縦引起こし突起112aのピッチPが、例えば、0.057mに設定された装置では、Pk÷Vs×V1÷P≒10.59(本/株)となり、式1は満たされている。
これにより、走行速度Vsを最低速にしても、式1を満たす様に各値を調整することで、大根の株間Pkの一例である25cmを移動する間に、最低1回は、縦引起こし突起112aを茎葉部W1に接触させ掻き上げることが出来、縦引起こし装置110L、110Rが、低速走行時に茎葉部W1を引起こし損なうことが防止される。
また、式1に関しては、左右一対の横引起こし装置130L、130Rについても同様の関係がある。
即ち、本実施の形態では、横引起こし突起132aのピッチP(図4参照)と、横引起こしベルト132の周速度V2と、作物引抜作業走行中の走行速度Vsは、大根引抜機1が所定の株間Pk(例えば、25cm)を走行する間に、横引起こし突起132aが、所定の株間Pkで植え付けられている大根Wの茎葉部W1に少なくとも1回は接触する様に調整されている。
即ち、株間Pk(m)、横引起こし突起132aのピッチP(m)、横引起こしベルト132の周速度V2(m/sec)、及び作物引抜作業走行中の走行速度Vs(m/sec)は、次の式2を満たすものとする。
1≦Pk÷Vs×V2÷P・・・・・・・・・・・・(式2)
ここで、式2の右辺は、大根引抜機1が株間を走行する間に圃場の畝面Y1を通過する横引起こし突起132aの本数を表している。
具体的な数値例を用いて説明すると次の通りである。
株間Pk=0.25m、作物引抜作業走行中の走行速度Vs=0.236m/sec、横引起こしベルト132の周速度V2=0.57m/secの場合において、横引起こし突起132aのピッチPが、例えば、0.084mに設定された装置では、Pk÷Vs×V2÷P≒7.18(本/株)となり、式2は満たされている。
これにより、走行速度Vsを最低速にしても、式2を満たす様に各値を調整することで、大根の株間Pkの一例である25cmを移動する間に、最低1回は、横引起こし突起132aを茎葉部W1に接触させ掻き上げることが出来、横引起こし装置130L、130Rが、低速走行時に茎葉部W1を引起こし損なうことが防止される。
なお、本実施の形態の左右一対の平行リンクアーム161L、161Rのそれぞれの前端部161La、161Raは、本発明の左右一対の連結アームのそれぞれの一端にあたり、本実施の形態の左右一対の平行リンクアーム161L、161Rのそれぞれの後端部161Lb、161Rbは、本発明の左右一対の連結アームのそれぞれの他端にあたる。
また、本実施の形態の左右一対の縦引起こしベルト112、112は、本発明の左右一対の第1引起こしベルトの一例にあたり、本実施の形態の左右一対の横引起こしベルト132、132は、本発明の左右一対の第2引起こしベルトの一例にあたる。
また、本実施の形態の縦引起こし突起112aは、本発明の第1突起部の一例にあたり、本実施の形態の横引起こし突起132aは、本発明の第2突起部の一例にあたる。
また、本実施の形態の左側の縦引起こし装置110Lが有する上下一対の縦引起こし駆動プーリ111a及び縦引起こし従動プーリ111bと、右側の縦引起こし装置110Rが有する上下一対の縦引起こし駆動プーリ111a及び縦引起こし従動プーリ111bとは、本発明の左右一対の第1引起こしプーリユニットの一例にあたる。
また、本実施の形態の左側の横引起こし装置130Lが有する上下一対の横引起こし駆動プーリ131a及び横引起こし従動プーリ131bと、右側の横引起こし装置130Rが有する上下一対の横引起こし駆動プーリ131a及び横引起こし従動プーリ131bとは、本発明の左右一対の第2引起こしプーリユニットの一例にあたる。
また、本実施の形態の第1伝動軸153と第3伝動軸155は、本発明の左右一対のプーリ回動軸の一例にあたる。また、本実施の形態の左右一対の略逆U字形状のパイプ部材203L、203Rは、本発明の左右一対の連結アーム取付部材の一例にあたる。
また、本実施の形態の、縦引起こし突起112aのピッチPは、本発明の第1突起部のピッチの一例にあたり、縦引起こしベルト112の周速度V1は、本発明の第1引起こしベルトの周速度の一例にあたり、作物引抜作業走行中の走行速度Vsは、本発明の作物引抜作業走行中の走行速度の一例にあたる。
次に、引抜搬送装置200について、主として図7を用いて更に説明する。
図7は、引抜搬送装置200の要部の概略平面図である。
引抜搬送装置200は、図7に示す様に、(1)左右一対の無端状の引抜搬送ベルト210L、210Rと、(2)当該左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rを駆動するために後端側に配置された左右一対の引抜駆動プーリ220L、220Rと、(3)前端側に配置せれた左右一対の引抜従動プーリ230L、230Rと、(4)左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rのそれぞれの内側であって引抜従動プーリ230L、230Rの直後に配置され、大根Wの茎葉部W1を挟持するための強い押圧力を引抜搬送ベルトに付与するための4つの挟持ローラから構成された左右一対の挟持ローラ群240L、240Rと、(5)上記挟持ローラ群と引抜駆動プーリとの間において、挟持された茎葉部W1が搬送される搬送路に沿って搬送方向A(図7の矢印A参照)を基準として上流側から下流側に向けて配置された左右一対の第1テンションローラ250L、250R、左右一対の第2テンションローラ251L、250R、及び左右一対の第3テンションローラ252L、252Rと、(6)左側の引抜搬送ベルト210Lの外側と内側に配置され、左側のベルト全体のテンションを調節する左引抜テンションプーリ群260L、及び右側の引抜搬送ベルト210Rの外側と内側に配置され、右側のベルト全体のテンションを調節する右引抜テンションプーリ群260Rと、(7)内部が中空の略角柱部材であって、それぞれの後端部に軸受け部271を有する左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rと、を備えている。
左右一対の引抜駆動プーリ220L、220Rのそれぞれの駆動軸221の上端部は、左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rのそれぞれの軸受け部271により回動可能に支持されており、且つ、それぞれの駆動軸221の下端部は、左右一対のユニバーサルジョイント6c、6cに連結され、伝動軸6bの前端部から左右方向に分岐された動力が伝達される構成である(図1参照)。
なお、左右一対のユニバーサルジョイント6c、6cのそれぞれの下端部は、平面視で略T字形状の伝達分岐ケース6d(図1、図3参照)の左右両端の上下の部位に設けられた軸受け部材により回動可能に支持された垂直伝達軸6e(図1、図3参照)の先端部に連結されている。伝達分岐ケース6dは、伝動軸6bを収納した伝動軸ケースの前端部に連結されており、伝動軸6bの前端部から左右方向に分岐された動力を上下方向に伝達する上記垂直伝達軸6eなどの伝動機構を収納している。
また、左側の引抜従動プーリ230Lと左側の挟持ローラ群240Lは、左側の引抜搬送フレーム270Lの先端部の下面に位置変更可能に取り付けられた左側挟持力調整フレーム280Lに対して、それぞれ回動可能に装着されている。
また、右側の引抜従動プーリ230Rと右側の挟持ローラ群240Rは、右側の引抜搬送フレーム270Rの先端部の下面に位置変更可能に取り付けられた右側挟持力調整フレーム280Rに対して、それぞれ回動可能に装着されている。
更に、左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rのそれぞれには、左右方向に長い長孔281が前後2箇所に設けられており、その長孔281の範囲内で左右方向(図7中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めした後、ボルト・ナット等の締結部材282により、左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rのそれぞれを、左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rに固定する構成である。
これにより、作業者が、締結部材282を緩めて左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rを左右方向(図7中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めした後、締結部材282により、左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rのそれぞれを、左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rにしっかりと固定することで、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210R同士の間隔G(図7参照)を容易に調節することが出来る。
よって、作業者は、大根Wの茎葉部W1の太さや作業時間(朝露の有無)に合わせて引抜搬送装置200の搬送路の上流側における挟持力を容易に調節することができるので、挟持力が弱すぎて、大根Wが圃場から引き抜かれず、人手で引き抜くという手間の発生が防止されると共に、挟持力が強すぎて、茎葉部W1を潰してしまい、肩揃え装置300が茎葉部W1を引き継ぐことが出来ず、大根Wの本体部W2の上端部W2bが残ったまま圃場の元の穴に戻されることを防止できるので、後工程で大根Wの本体部W2の上端部W2bを除去するという作業は発生しない。
また、締結部材282を緩め、左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rのそれぞれをスライド移動させるという作業により、引抜搬送装置200の搬送路の上流側における挟持力の調節操作を簡単に行うことができるので、作業能率が向上する。
なお、上述した締結部材282を用いて引抜搬送装置200の挟持力の調節操作を行う構成に代えて、例えば、レバー機構により、生食用の大根、加工用(例えば、おでん用)の大根、漬け物用の大根について、3段階に上記挟持力をワンタッチで切り換える構成としても良い。
次に、左右一対の挟持ローラ群240L、240Rを構成する4つの挟持ローラについて、図8(a)、図8(b)を用いて説明する。
図8(a)は、左右一対の挟持ローラ群240L、240Rを構成する4つの挟持ローラの内の二段式ローラ部材241aを説明するための概略図であり、図7中におけるE−E断面矢視図である。また、図8(b)は、左右一対の挟持ローラ群240L、240Rを構成する4つの挟持ローラの内の一段式ローラ部材241bを説明するための概略図であり、図7中におけるF−F断面矢視図である。
左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rに装着された、左右一対の挟持ローラ群240L、240Rを構成する4つの挟持ローラは、図7に示す通り、左右一対の引抜従動プーリ230L、230Rに近い方から順に二段式ローラ部材A241a(図8(a)参照)が1つ、その次に一段式ローラ部材241b(図8(b)参照)が1つ、その次に二段式ローラ部材241a(図8(a)参照)が2つ、それぞれ配置されている(図1、図7参照)。
二段式ローラ部材241aは、図8(a)に示す様に、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rのそれぞれの内壁面に接触する上下二段のローラが長軸241a1に回動自在に取り付けられており、その上下二段のローラの隙間に、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rの内壁面から内側に向けて突き出したリブ状突起211が挿入されることで、ローラによる押圧力がベルト側に確実に伝わる構成である。
一段式ローラ部材241bは、図8(b)に示す様に、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rのそれぞれの内壁面に接触する上一段のローラが短軸241b1に回動自在に取り付けられており、その上一段のローラが、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rの内壁面から内側に向けて突き出したリブ状突起211の上側に配置されたことで、上側のローラで押圧力をベルト側に伝達すると共に、そのローラの下側には空間を確保した構成である。
また、一段式ローラ部材241bは、引抜搬送装置200から肩揃え装置300に大根Wの茎葉部W1を引き継ぐ位置に対応して配置されているため、引抜搬送装置200の底面側の一段式ローラ部材241bの上記空間に対して肩揃え装置300の左右一対の肩揃えベルト310L、310Rの前端部を挿入して配置することが出来るので(図8(b)参照)、引抜搬送装置200と肩揃え装置300との隙間を短く出来、茎葉部W1の引き継ぎが確実に行える。
これにより、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rのリブ状突起211の両側に二段式ローラ部材241aを接触させて挟持力を強めることにより、大根Wを引き抜く際の反力に負けて挟持状態が解除されることを防止できるので、圃場から大根Wを確実に引き抜くことができる。
また、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rにおいて、下段のローラの無い部分に肩揃え装置300の前端部を隣接配置させると共に、一段式ローラ部材241bによりベルトを介して茎葉部W1を挟持することが出来るので、肩揃え装置300に引き継ぐ際に茎葉部W1が脱落することが防止される。
また、左側の引抜搬送フレーム270Lには、左側の第1テンションローラ250L、左側の第2テンションローラ251L、及び左側の第3テンションローラ252Lを、それぞれの一端部に回動可能に支持すると共に、それぞれの他端部に第1引っ張りバネ250aの前端部、第2引っ張りバネ251aの前端部、及び第3引っ張りバネ252aの前端部が取り付けられた、第1回動アーム250b、第2回動アーム251b、及び第3回動アーム252bが、第1回動支点250c、第2回動支点251c、及び第3回動支点252cを中心として回動可能に取り付けられている。
これにより、第1回動アーム250b、第2回動アーム251b、及び第3回動アーム252bには、ぞれぞれの後端部が左側の引抜搬送フレーム270Lの側面に固定されている、第1引っ張りバネ250a、第2引っ張りバネ251a、及び第3引っ張りバネ252aの弾性力(収縮力)により、平面視で、常時、時計回りに回動しようとする付勢力が働いている。その付勢力により、左側の第1テンションローラ250L、左側の第2テンションローラ251L、及び左側の第3テンションローラ252Lは、左側の引抜搬送ベルト210Lの内周面を、それぞれ異なる押圧力で押圧する構成である。
即ち、本実施の形態では、左側の第1テンションローラ250L、左側の第2テンションローラ251L、及び左側の第3テンションローラ252Lによる上記押圧力は、搬送路の上流側から下流側に向かうに従って弱くなる様に、第1引っ張りバネ250a、第2引っ張りバネ251a、及び第3引っ張りバネ252aの弾性力が予め調整されている。
また、右側の引抜搬送フレーム270Rについても、上述した左側の引抜搬送フレーム270Lと同様に、第1回動アーム250b、第2回動アーム251b、及び第3回動アーム252bが、第1回動支点250c、第2回動支点251c、及び第3回動支点252cを中心として回動可能に取り付けられている。
これにより、右側の第1テンションローラ250R、右側の第2テンションローラ251R、及び右側の第3テンションローラ252Rは、右側の引抜搬送ベルト210Rの内周面を、この記載の順番に順次弱くなる様に予め設定された押圧力で押圧する構成である。
また、引抜搬送装置200の後端部には、第1切断装置400により切断された茎葉部W1を、右側の引抜駆動プーリ220Rの外周縁部の後方側を通り、機体の右側に向けて排出する様に、茎葉排出部材290が設けられている。
茎葉排出部材290は、図2に示す様に、平面視で、略ヘの字状に湾曲し、当該湾曲部が、引抜搬送装置200の搬送路の出口側から右側の引抜駆動プーリ220Rの外周縁部の後方側に沿う様に、当該右側の引抜駆動プーリ220Rの上方と下方にそれぞれ配置された、断面が円形の棒状部材である上側茎葉排出ガイド291と、下側茎葉排出ガイド292とから構成されている。
上側茎葉排出ガイド291の基部291aは、左側の引抜搬送装置カバー202Lにボルトにより着脱可能に固定されており、上側茎葉排出ガイド291の先端部291bは、機体の右側に向けて伸びている。
また、下側茎葉排出ガイド292の基部292aは、左側の引抜搬送フレーム270Lの内側側面に一端が固定され他端が下方に向けて伸びているガイド固定プレート(図示省略)に対してボルトにより着脱可能に固定されており、下側茎葉排出ガイド292の先端部292bは、機体の右側に向けて伸びている。
なお、本実施の形態の大根Wは、本発明の作物の一例にあたる。また、本実施の形態の茎葉部W1は、本発明の葉部の一例にあたる。
また、本発明の作物の葉部とは、作物の太くなっているところから上の部分(図1の符号W1参照)をいう。なお、本明細書では、作物(例えば、大根)の太くなっているところから下の部分(図1の符号W2参照)を作物(例えば、大根)の本体部という。
また、本実施の形態の引抜搬送装置200は、本発明の引抜搬送装置の一例にあたる。
また、本実施の形態の左右一対の引抜搬送ベルト210L、210R、左右一対の引抜駆動プーリ220L、220R、及び左右一対の引抜従動プーリ230L、230Rを含む構成は、本発明の左右一対の引抜搬送ベルトユニットの一例にあたる。
また、本実施の形態の左右一対の引抜搬送フレーム270L、270Rは、本発明のベルトユニット支持フレームの一例にあたる。
次に、上述した肩揃え装置300について、主として図9を用いて更に説明する。
図9は、肩揃え装置300の要部の概略平面図である。
肩揃え装置300は、図9に示す様に、(1)上述した引抜搬送装置200の下方に配置された左右一対の無端状の肩揃えベルト310L、310Rと、(2)当該左右一対の肩揃えベルト310L、310Rを駆動するための後端側に配置された左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rと、(3)前端側に配置せれた左右一対の肩揃え従動プーリ330L、330Rと、(4)搬送方向A’(図9中の矢印A’参照)を基準として、左右一対の肩揃え従動プーリ330L、330Rの下流側に配置された左右一対の肩揃え第1ローラ340L、340Rと、(5)左右一対の肩揃え第1ローラ340L、340Rの下流側であって左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの上流側に配置された左右一対の肩揃え第2ローラ350L、350Rと、(6)左側の肩揃えベルト310Lの外側と内側に配置され、左側のベルト全体のテンションを調節する左肩揃えテンションプーリ群360L、及び右側の肩揃えベルト310Rの外側と内側に配置され、右側のベルト全体のテンションを調節する右肩揃えテンションプーリ群360Rと、(7)平面視で略長四角形状の板状部材であって、それぞれの前端部に、左右一対の肩揃え従動プーリ330L、330Rのそれぞれを下方側から回動可能に支持する従動プーリ支持部331を、その取り付け位置を変更可能に保持し(図9中の矢印H参照)、且つそれぞれの後端部に、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rのそれぞれの肩揃え駆動軸321を下方に貫通させて回動可能に支持する駆動プーリ支持部(図示省略)が溶接固定された左右一対の肩揃えステー370L、370Rと、を備えている。
なお、左右一対の肩揃えステー370L、370Rは、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320R及び左右一対の肩揃え従動プーリ330L、330Rの下面側に配置されており、且つ、それぞれの前端側に溶接固定された取り付けプレート(図示省略)を介して、左右一対のメインフレーム9L、9Rの前端部に着脱可能に連結されている。
また、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの肩揃え駆動軸321、321の上端部のそれぞれは、左右に配置された伝動ケース8L、8R内に収納された後述する左右一対の第2スプロケットの回動軸に対してスプライン接続により着脱可能に挿入連結されており、且つ、肩揃え駆動軸321、321の下端部のそれぞれは、左右一対の円盤状の胴切り回転刃510L、510R(図9参照)が所定厚みの円盤状のスペーサ(図示省略)と共に着脱可能に装着されている。
即ち、左右一対の円盤状の胴切り回転刃510L、510Rは、肩揃え駆動軸321上において、側面視で上下方向に互いに少しずれた位置に取り付けられ、且つ、それぞれの直径は、図9に示す様に、互いの回転刃の外周部が、平面視で、左右一対の肩揃えベルト310L、310R同士の間に形成される搬送路の下方において重なる様に設定されている。また、左右一対の円盤状の胴切り回転刃510L、510Rは、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面との間に着脱可能に装着する上記スペーサ(図示省略)の数を変更出来る構成である。
これにより、第2切断装置500の左右一対の胴切り回転刃510L、510Rを、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの肩揃え駆動軸321、321に設けることにより、肩揃え装置300の駆動力を利用して第2切断装置500を駆動することができるので、部品点数が軽減され、機体の軽量化が図られる。
また、胴切り回転刃510L、510Rを左右一対設けたことにより、大根Wの上端部W2bを左右から挟み切ることができるので、大根Wの上端部W2bを完全に切断することができ、圃場Yから引き抜かれた大根Wの切断面が綺麗に仕上がる。
また、左右一対の円盤状の胴切り回転刃510L、510Rの上面と、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面との間に上記スペーサを着脱可能に装着出来る構成としたことにより、大根Wの本体部W2の上端部W2bの切断位置を変更することができるので、大根の大きさや出荷時の条件に合わせた切断位置を実現することができ、作業能率が向上する。
また、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面には、その中心部に所定高さのボス(図示省略)が設けられており、(1)上記スペーサを装着していない場合は、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面と、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面との間に上記ボスの存在による所定高さを確保することで一定の隙間を形成し、また、(2)上記スペーサを装着した場合は、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面側に装着された上記スペーサの下面と、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面との間に上記ボスの存在による所定高さを確保することで一定の隙間を形成する構成である。
これにより、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面には、常に一定の隙間を確保出来るので、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rにより切断された大根Wの上端部W2b等の破片が、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面と、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面との間、或いは、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面側に装着された上記スペーサの下面と、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面との間に、詰まることを防止出来るので、詰まった大根Wの破片を除去する作業が不要となる。また、上記スペーサが装着されない場合でも、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの下面と、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rの上面との間には、一定の隙間が確保されるので、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rが、左右一対の肩揃えベルト310L、310Lの下面と接触することが防止出来る。
また、上述した通り、左右一対の肩揃えステー370L、370Rが、取り付けプレート(図示省略)を介して、左右一対のメインフレーム9L、9Rの前端部に締結部材(例えば、ボルトとナット)で着脱可能に取り付けられると共に、肩揃え駆動軸321、321の上端部のそれぞれは、後述する左右一対の第2スプロケット620L、620Rの回動軸に対してスプライン接続により着脱可能に挿入連結された構成としたことにより、茎葉部W1の切断位置を揃えない粗切り作業のみの場合は、肩揃え装置300を取り外すことができるので、対応可能な作業内容の幅(自由度)が広がる。
また、左側の肩揃え第1ローラ340Lは、左側の肩揃えステー370Lの下面に位置変更可能に取り付けられた左側ベルト間隔第1調整プレート341Lに対して、回動可能に装着されている。
また、右側の肩揃え第1ローラ340Rは、右側の肩揃えステー370Rの下面に位置変更可能に取り付けられた右側ベルト間隔第1調整プレート341Rに対して、回動可能に装着されている。
更に、左右一対のベルト間隔第1調整プレート341L、341Rのそれぞれには、左右方向に長い長孔342が設けられており、その長孔281の範囲内で左右方向(図9中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めした後、ボルト・ナット等の締結部材343により、左右一対のベルト間隔第1調整プレート341L、341Rのそれぞれを、左右一対の肩揃えステー370L、370Rに固定する構成である。
また、左側の肩揃え第2ローラ350Lは、左側の肩揃えステー370Lの下面に位置変更可能に取り付けられた左側ベルト間隔第2調整プレート351Lに対して、回動可能に装着されている。
また、右側の肩揃え第2ローラ350Rは、右側の肩揃えステー370Rの下面に位置変更可能に取り付けられた右側ベルト間隔第2調整プレート351Rに対して、回動可能に装着されている。
更に、左右一対のベルト間隔第2調整プレート351L、351Rのそれぞれには、左右方向に長い長孔342が設けられており、その長孔281の範囲内で左右方向(図9中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めした後、ボルト・ナット等の締結部材343により、左右一対のベルト間隔第2調整プレート351L、351Rのそれぞれを、左右一対の肩揃えステー370L、370Rに固定する構成である。
これにより、作業者は、左右一対の従動プーリ支持部331、331のそれぞれを左右一対の肩揃えステー370L、370Rに個別に固定している固定部材(図示省略)を緩めて、肩揃え装置300の搬送路の入り口側のベルト間隔J1が所望の寸法になる様に、
左右方向(図7中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めした後、それぞれの固定部材により、左右一対の従動プーリ支持部331、331を左右一対の肩揃えステー370L、370Rにしっかりと固定する。
更にまた、作業者は、締結部材343を緩めて、搬送路のベルト間隔が上流側から下流側に向かうに従って徐々に狭くなり、平面視で、第1切断装置400(図1、図9参照)により茎葉部W1の切断が開始される位置に概ね対応する、左右一対の肩揃え第2ローラ350L、350Rが対抗する位置におけるベルト間隔J2(図9参照)が最小寸法になる様に、左右一対のベルト間隔第1調整プレート341L、341R、及び、その下流側の左右一対のベルト間隔第2調整プレート351L、351Rを、それぞれ個別に左右方向(図9中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めした後、それぞれの締結部材343により、左右一対のベルト間隔第1調整プレート341L、341R、及び、左右一対のベルト間隔第2調整プレート351L、351Rのそれぞれを、左右一対の肩揃えステー370L、370Rにしっかりと固定することで、左右一対の肩揃えベルト310L、310R同士の間隔J1〜J2(図9参照)を容易に調節することが出来る。
よって、上記構成によれば、作業者が、左右一対の従動プーリ支持部331、331、左右一対のベルト間隔第1調整プレート341L、341R、及び、その下流側の左右一対のベルト間隔第2調整プレート351L、351Rを、それぞれ個別に左右方向(図9中の矢印H参照)へスライド移動させて位置決めし、左右一対の肩揃えステー370L、370Rにしっかりと固定することが出来るので、左右一対の肩揃えベルト310Lと310Rとにより形成される通路の幅(図9中の符号J1、J2参照)を、例えば、おでん用の大径の大根茎径(20mm〜60mm)の場合は広く調整し、漬け物用の小径の大根茎径(10mm〜40mm)の場合は狭く調整することが出来る。
また、上述した第1切断装置400の単一の茎葉回転刃410は、左側の伝動ケース8L内に収納された後述する第1切断装置用第2スプロケット720から上方に突き出した回動軸721に対してスプライン接続により着脱可能に挿入連結されており、当該単一の茎葉回転刃410の取り付け高さは変更可能に構成されている。
また、上述した第1切断装置400の切断案内バー420は、側面視で、略逆L字形状を成し、その下端部は、右側の肩揃えステー370Rの側面に溶接固定されており、その上端部の先端側は、単一の茎葉回転刃410と干渉しない様に当該回転刃410の上方に位置すると共に、平面視で、当該回転刃410の外周部と重複する位置に配置されている(図9参照)。
上記構成によれば、引抜搬送装置200の左右一対の挟持ローラ群240L、240Rの左右方向(図7中の矢印H参照)を適切に行うことで、大根Wを引き抜く際に引抜搬送装置200に対して最も大きな負荷がかかる範囲において、各挟持ローラによる押圧力が左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rに確実に伝わり、大根Wの茎葉部W1がしっかりと挟持されて後方斜め上方へと移動されることにより、大根Wの本体部W2は圃場Yから確実に引き抜かれていく。
その後、左右一対の第1テンションローラ250L、250Rから第3テンションローラ252L、252Rに向けて搬送されるに従って、引抜搬送装置200の各テンションローラによるベルトの挟持力は弱くなる。
これに対して、その下方において、圃場Yの面に対して水平に配置された肩揃え装置300における搬送路の入り口側のベルト間隔J1(図9参照)は、大根Wの上端の肩部W2aが上方へ通り抜けない程度に広く設定され、引抜搬送装置200による大根Wの上方への移動を妨げない様に構成されているが、肩揃え装置300の搬送路のベルト間隔は、上述した通り、上流側から下流側に向かうに従って徐々に狭くなり、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rによる挟持力は徐々に強くなる。
これにより、図1に示すように、大根Wの茎葉部W1は、引抜搬送装置200の搬送方向A(図7参照)に沿って後方斜め上方へと移動されることになるが、本体部W2の上端の肩部W2aは、肩揃え装置300の左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Ra(図8(b)参照)に当接することによって上方への移動が規制される。大根Wの上記肩部W2aが左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Raに当接すると、引抜搬送装置200による把持力が弱く、且つ、肩揃え装置300による把持力が強いので、その当接位置から下流側では当該肩部W2aの上方への移動が規制され、第1切断装置400(図1、図9参照)により茎葉部W1の切断が開始される位置の付近では、大根Wの肩部W2aの高さ方向の位置が揃えられる。
これにより、肩揃え装置300により大根Wの肩部W2aの位置が揃えられるので、第1切断装置400により、大根Wの茎葉部W1を所望の位置で切断することが出来、且つ、第2切断装置500により、大根Wの本体部W2の上端部W2bを所望の位置で確実に切断することが出来、切断面もきれいに仕上がる。
なお、大根Wの本体部W2の上端部W2bが切断された後、大根Wの本体部W2は落下して、元の穴に戻る(図1参照)。
従って、後加工で大根Wの本体部W2の上端部W2bの切断作業を行う必要が無く、作業能率の向上や労力の軽減が図られる。
また、第1切断装置400により切断された茎葉部W1は、大根Wの上端部W2bを有していないので、引抜搬送装置200の搬送路の出口部から上側茎葉排出ガイド291及び下側茎葉排出ガイド292により案内されて、引っ掛かり無くスムーズに機体の右側に排出される。
また、第2切断装置500により切断された大根Wの上端部W2bは、肩揃え装置300の搬送路の出口側からそのまま下方に排出される。
また、左右一対の胴切り回転刃510L、510Rを、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの肩揃え駆動軸321、321に取り付けた構成としたことにより、構造が簡素化出来、コストダウンや機体の軽量化が図られる。
次に、図9を用いて、エンジン4からの駆動力を、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320R、及び、それらに同軸上で配置された左右一対の胴切り回転刃510L、510Rに伝達する、左右に配置された伝動ケース8L、8R内に収納された左右一対の第1チェーン伝動機構600L、600Rについて説明すると共に、エンジン4からの駆動力を、単一の茎葉回転刃410に伝達する、左側に配置された伝動ケース8L内に収納された第2チェーン伝動機構700について説明する。
左右一対の第1チェーン伝動機構600L、600Rは、図9に示す様に、(1)伝動軸6b(図9参照)の前端部から左右方向に分岐された動力が、伝達分岐ケース6dの左右両端に垂直に配置された垂直伝達軸6eを介して伝達される左右一対の第1スプロケット610L、610Rと、(2)左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの肩揃え駆動軸321、321の上端部に配置され、当該左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rが着脱可能にスプライン接続された左右一対の第2スプロケット620L、620Rと、(3)左右一対の第1スプロケット610L、610Rと左右一対の第2スプロケット620L、620Rとを巻き回した左右一対の第1伝動チェーン630L、630Rと、を備えている。
また、第2チェーン伝動機構700は、図9に示す様に、(1)伝動軸6b(図9参照)の前端部から左方向に分岐された動力が伝達される、上記左側の第1スプロケット610Lと同軸上で当該第1スプロケット610Lの上方に配置された第1切断装置用第1スプロケット710と、(2)単一の茎葉回転刃410の回動軸と同軸上で、当該回転刃410の下方に配置され、当該回転刃410が着脱可能にスプライン接続された第1切断装置用第2スプロケット720と、(3)第1切断装置用第1スプロケット710と第1切断装置用第2スプロケット720とを巻き回した第2伝動チェーン730と、を備えている。
また、上記構成により、第2切断装置500の下方には空間が確保されているので、上端部W2bが切断されて圃場Yの元の穴に戻される大根Wに接触して本体部W2が傷つくことが無く、商品価値が低下することが防止される。
また、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rを圃場面に対して実質的に水平姿勢となる様に配置したことにより、大根Wの本体部W2の上端の肩部W2aの位置を揃える際に、大根Wの本体部W2の上端の肩部W2aが、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Raに当接し、それ以上は上方に引き上げられることを防止できるので、位置揃え搬送ベルトがめくれて外れることが防止される。
また、引抜搬送装置200に左右一対の挟持ローラ群240L、240Rを設けたことにより、引抜搬送装置200の搬送路の入り口近傍での挟持力が強くなるので、重量の重たい大根であってもしっかりと挟持することができるので、確実に圃場から引き抜くことができ、大根の回収作業の能率が向上する。
また、上述した左右一対の引抜搬送装置カバー202L、202Rのそれぞれは、図3に示す様に、平面視で概ね中央付近において前後に分割して構成されている。
即ち、左側の引抜搬送装置カバー202Lは、左前側カバー202Laと左後側カバー202Lbとで構成され、また、右側の引抜搬送装置カバー202Rは、右前側カバー202Raと右後側カバー202Rbとで構成されている。
これにより、例えば、右側の引抜駆動プーリ220R側を調節する場合、右側の引抜搬送装置カバー202Rの内、右後側カバー202Rbの部分だけ取り外すことで必要な作業が行えて、また、例えば、左側の引抜従動プーリ230L側を調節する場合、左側の引抜搬送装置カバー202Lの内、左前側カバー202Laの部分だけ取り外すことで必要な作業が行えるので、作業効率が向上する。
また、左右一対の引抜搬送装置カバー202L、202Rのそれぞれは、図1に示す様に、左右一対の引抜搬送ベルト210L、210Rの外周側面の内、大根Wの茎葉部W1を挟持して搬送する搬送路を構成する部分、左右一対の引抜駆動プーリ220L、220Rの周辺部分、及び、左右一対の引抜従動プーリ230L、230Rの周辺部分を除いた部分を覆う左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRを有している。
また、左後側カバー202Lb及び右後側カバー202Rbにおける左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRには、側面視で、第1切断装置400及び第2切断装置500を左右両側から覆うと共に、茎葉排出部材290の下方において、平面視で引抜搬送装置200の後端側を取り囲む様に覆う両側背面カバー204がボルト・ナットで着脱可能に固定されている。
これにより、第1切断装置400の上に切断された茎葉部W1が落下し切断不良が発生することが防止できる。
また、これにより、茎葉回転刃410、及び左右一対の胴切り回転刃510L、510Rを覆うことが出来るので、安全性が向上する。
次に、ゲージ輪2のタイヤの空気圧について説明する。
即ち、本実施の形態のゲージ輪2のタイヤの空気圧は、引抜搬送装置200により大根Wが引き抜かれる際に、引抜搬送装置200が、圃場に植えられている大根Wから受ける、引抜方向と逆向きの反力の全部又は一部を、ゲージ輪2のタイヤが変形することにより吸収出来る様に、作業者により調整可能に構成されている。具体的には、作業者は、ゲージ輪2のタイヤに、空気を限界値に到達するまで入れるのではなく、若干抜き気味で入れる。
これにより、引抜搬送装置200が大根Wを引き抜く際に生じる下向きの反力の全部又は一部は、ゲージ輪2のタイヤの変形により吸収されるので、引抜搬送装置200に対する大きな下向きの負荷により、機体の前側がゲージ輪2の位置と反対側、即ち、ゲージ輪2が取り付けられていない側に傾斜して引き抜き作業高さが上下方向で大きく変化してしまうということが防止される。
また、本実施の形態の大根引抜機1では、ゲージ輪2のタイヤの内圧を検知する内圧検知センサ(図示省略)をゲージ輪2の内部に設けた構成であっても良い。この構成の場合、大根引抜機1に搭載された制御部(図示省略)は、内圧検知センサにより検知される内圧が所定値以上に達したと判定すると、警報装置(図示省略)に対して警報音を発するための信号を出力すると共に、支持ステー2aを上下方向(図1の矢印T参照)に移動させる支持ステー移動機構10に設けられたモータ又は油圧シリンダ(図示省略)等に対して、引抜搬送装置200の引抜作業高さを高くするための信号を出力する。これにより、引抜搬送装置200による引抜作業をアシストすることが出来る。
そして、制御部は、その後、内圧検知センサにより検知される内圧が所定値より降下したと判定すると、引抜搬送装置200の引抜作業高さを高くするための信号を出力することを停止すると共に、警報装置に対して警報音を発するための信号を出力することを停止する。
これにより、引抜搬送装置200の前端部が下方に下がり過ぎた状態で引抜作業を続けることが無いので、大根Wの茎葉部W1の挟持に失敗し大根Wの引き抜きを失敗することが防止される。
また、これにより、制御部が自動的にモータ又は油圧シリンダ等をON/OFF(駆動、また、停止)させるので、煩雑な操作は不要であり、大根の引抜作業を確実に行うことが出来る。
また、本実施の形態の大根引抜機1では、機体前後方向の傾斜を検知する傾斜センサ(図示省略)を設け、機体の前後傾斜角度が±3°以上になったと上記制御部が判定すると、上述した支持ステー移動機構10に設けられたモータ又は油圧シリンダ(図示省略)等の駆動を停止させ、引抜搬送装置200の引抜作業高さの変化量を抑える構成としても良い。
これにより、引抜搬送装置200の引抜作業高さの変化幅が大きくなり過ぎることで引抜作業高さが不適正になることが防止されるので、大根の引抜作業をより確実に行える。
この構成の場合、傾斜センサは、引抜搬送装置200の搬送路の入り口付近に設けることが好ましい。これにより、引抜搬送装置200の姿勢変化の頻度が高い部分で傾斜角度の検知を行えるので、引抜作業高さの変化に鋭敏に対応することが出来る。
次に、引抜走行作業中において、大根Wの本体部W2から地中に伸びた根を切るためのソイラ800について、図10(a)〜図10(c)を用いて説明する。
図10(a)は、本実施の形態の大根引抜機1に設けられたソイラ800を説明するための機体の部分概略左側面図である。大根の引抜作業時におけるソイラ800は実線で示し、非作業時(走行時)における退避状態のソイラ800は二点鎖線で示した。
図10(b)は、図10(a)に示すソイラ800のM−M断面矢視図である。また、図10(c)は、図10(a)に示すソイラ800とは片刃の傾斜面の向きが異なる別例のソイラについての、図10(b)と同様の断面における断面矢視図である。
本実施の形態のソイラ800は、図10(a)、図10(b)に示す様に、側面視で略L字形状を成し、片刃の刃先が前方を向き、且つ片刃の傾斜面801が平面視で機体の中心線CLと略平行となる様に配置されている。
また、右側のメインフレーム9Rの前端側には、ソイラ800をスライド移動可能に保持するための矩形状のソイラステイ810が固定されている。
ソイラステイ810には、前側から後側に向けて斜め上向きに傾斜した長孔811が形成されており、当該長孔811とソイラ800の上辺部の略中央に設けられた孔部とを貫通して配置されたソイラ保持ピン820の先端側には、抜け止め用割りピンが着脱可能に装着されている。
これにより、抜け止め用割りピンを引き抜くと、ソイラ保持ピン820を引き抜くことが出来るので、ソイラ800が不要な作業場所(例えば、土が柔らかく、ソイラ800を用いると畝が崩れすぎる場所)では、工具無しでソイラ800を外すことが出来、作業条件の変化に柔軟に対応することが出来る。
なお、ソイラ保持ピン820には、抜け止め用割りピンを装着するための孔が、当該ソイラ保持ピン820の中心軸に対して直交する様に、当該ソイラ保持ピン820の根本側から先端側に沿って異なる位置に複数設けられている。
これにより、抜け止め用割りピンを引き抜くと、ソイラ保持ピン820を引き抜くことが出来るので、ソイラ800をソイラステイ810の左右側面の何れの側面にも装着可能となる。
また、抜け止め用割りピンを装着するための孔が、複数設けられているので、ソイラ800とソイラステイ810との間にスペーサを挿入し、抜け止め用割りピンを差し込む孔として先端側の孔を選択することにより、ソイラ800の取付に際し、左右横方向の位置調整も可能となる。
大根の条間は、地域や圃場面積で異なることがあるが、それぞれの条間に適した取付位置となる様に、ソイラ800の取付位置を調整することが出来る。
また、右側のメインフレーム9Rの前後方向の略中央部には、ソイラ移動用油圧シリンダ830が、シリンダ作動時のパワーロスを軽減するために当該メインフレーム9Rと略平行な姿勢で配置されている。
また、ソイラ移動用油圧シリンダ830の前方には、略長方形状の回動アーム840がその長手方向の略中央部において、右側のメインフレーム9Rに対して回動可能に取り付けられている。
回動アーム840の一端部840aは、ソイラ移動用油圧シリンダ830のピストンロッド831の先端部と回動可能に連結されており、且つ、回動アーム840の他端部840bは、ソイラ800の上辺部の後端側に複数設けられた連結用孔802の何れか一つに回動可能に、長さ調節ロッド850で連結されている。
これにより、操縦ハンドル5に設けられたON/OFFスイッチ(図示省略)を作業者が操作することによりソイラ移動用油圧シリンダ830をON/OFFさせ、そのソイラ移動用油圧シリンダ830のピストンロッド831を伸ばしたり縮めたりすることで、回動アーム840を介して、ソイラ800を、ソイラステイ810の長孔811に沿って前後方向にスライド移動させることが出来る。
即ち、長孔811の前側の所定範囲内で、ソイラ800をスライド移動させることで、大根の引抜作業時における、ソイラ800の位置(前後方向の位置、及び畝の深さ方向の位置)を調整することが出来る(図1、図4参照)。
また、ソイラ800を、ソイラステイ810の長孔811の上記所定範囲よりも後方に移動させることで、非作業時において地面と接触させない様に、非作業位置に退避させることが出来る(図1中の二点鎖線で示したソイラ800参照)。
即ち、ソイラ800は、引抜作業時においては、図1、図4において実線で示す様に、側面視で、その刃先が引抜搬送装置200の前端部の近傍に位置し(図1参照)、正面視で、右側の縦引起こし装置110Rの内側近傍に位置している。また、ソイラ800は、非作業時においては、図1において二点鎖線で示す様に、側面視で、肩揃え装置300の下方に上昇し退避する。
また、長さを変更可能な長さ調節ロッド850の長さを適宜調節することにより、ソイラ800のスライド移動量を容易に調節することが出来る。
また、ソイラ800の上辺部の後端側に設けられた複数の連結用孔802に対する、長さ調節ロッド850の取り付け位置を変更することで、ソイラ800の位置を更に変更することが出来る。
なお、ソイラ800を使用しない場合は、ソイラ800を上下逆にして、ソイラステイ810に取り付けることにより、可動式のバランス用ウエイトとして使用することが出来る。
また、大根の引抜作業走行中において、ソイラ移動用油圧シリンダ830のピストンロッド831を所定の範囲内で自動的に往復移動させる構成としても良い。この構成により、ソイラ800の先端側を畝の中で上下及び前後方向に亘って往復移動するので、大根Wの片側の土を上下及び前後方向に亘ってほぐすと共に、大根Wの側方に伸びた側根を切断することが、より一層効果的に行えて、引抜搬送装置200による大根Wの引き抜き作業が容易に行えるものである。
また、本実施の形態では、上記の通り、ソイラ800の引抜搬送装置200の搬送路の入り口側の一方側、即ち右側に装着したことにより、ソイラを左右両側に装着する場合に比べて、エンジン4に対する負荷を軽くすることが出来る。
また、ソイラ800が右側にしか装着されていないために、このままでは、機体の進行方向は、ソイラ800が装着されている方向、即ち右方向にずれてしまい、このずれを修正するために左側のサイドクラッチを切る操作が必要となる。
しかし、本実施の形態では、図10(b)に示す様に、ソイラ800の片刃の傾斜面801が、平面視で、機体の中心線CLと略平行で、且つソイラ800の傾斜面801とは反対側に位置する反対面803の延長線が機体の中心線CLと前方において交差する様に配置されていることにより、機体の進行方向を、ソイラ800を装着した位置と反対方向、即ち、左方向にずらす力が作用するので、上述した右方向へずれようとする力と相殺されて、機体は直進することが出来る。これにより、サイドクラッチを切る操作を減らすことが出来る。
なお、上記の例では、ソイラ800を図10(b)に示す様に配置した場合について説明したが、これに限らず例えば、ソイラ800を図10(c)に示す様に配置しても良い。
即ち、図10(c)に示したソイラ800は、片刃の傾斜面801の延長線が、平面視で、機体の中心線CLと前方において交差し、且つソイラ800の反対面803が、機体の中心線CLと略平行となる様に配置されていても良い。この場合でも、ソイラ800の片刃の傾斜面801の延長線が、平面視で、機体の中心線CLと前方において交差する様に配置されていることにより、左方向にずらす力が作用するので、上述した右方向へずれようとする力と相殺されて、機体は直進することが出来る。
また、本実施の形態では、ゲージ輪2が設けられた側にのみソイラ800を装着する構成としたことにより、ゲージ輪2が進行方向の右方向へのずれを低減するので、機体の直進走行が可能となる。
また、ソイラ800の配置を工夫することにより、機体の右方向へずれようとする力と相殺させる力を発生させる構成について説明したが、これに限らず例えば、ゲージ輪2の設けられた側だけにソイラ800を装着可能とし、且つ、平面視で、ゲージ輪2を進行方向からやや内側に向けて固定出来る構成としても良い。この構成でも、ゲージ輪2の傾きで進行方向を補正することが可能であり、直進走行を実現出来る。
なお、上記実施の形態では、引抜搬送装置200、及び肩揃え装置300の水平方向への搬送速度成分は、機体の走行速度(例えば、0.18m/sec)と概ね同じに設定されている場合について説明したが、これに限らず例えば、引抜搬送装置200の作業角度θ(図6参照)を、引抜搬送装置200の水平方向の搬送速度成分Vhが機体の走行速度Vsよりも若干速くなる様に設定しても良い。例えば、VhがVsの約1.3倍となる様に、作業角度θ=28°に設定することが一例として挙げられる。ここで、作業角度θ=0°のとき、引抜搬送装置200の水平方向の搬送速度成分Vhが機体の走行速度Vsと一致するものとする。
これにより、大根Wを押し倒したり、折ったりすることが防止出来ると共に、大根Wの引き抜きに失敗することが防止出来る。
また、上記実施の形態では、大根引抜機1が肩揃え装置300を備えている場合について説明したが、これに限らず例えば、肩揃え装置300を備えていない構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、大根引抜機1が第2切断装置(胴部切断装置)を備えた場合について説明したが、これに限らず例えば、第2切断装置(胴部切断装置)を備えていない構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、左右一対の引抜搬送装置カバー202L、202Rのそれぞれは、引抜搬送装置200の外周部分を保護する搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRを有している場合について説明した。この場合において、図11に示す様に、左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRの下端辺202LLa、202RRaの高さ方向の位置が、側面視で、上述した肩揃え装置300の左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Ra(図8(b)参照)の高さ方向の位置と概ね一致する構成としても良い。
ここで、図11は、左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRの下端辺202LLa、202RRaの高さ方向の位置と、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Raの高さ方向の位置との関係を示すための大根引抜機1の要部拡大側面図である。
肩揃え装置300は、引抜搬送装置200の下方に配置されており、しかも、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rの前端部分における下面310La、310Raは、作業者が視認し難い場所に位置している。そこで、図11に示す様に、左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRの下端辺202LLa、202RRaの高さ方向の位置を、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Raの高さ方向の位置に、側面視で一致させた構成とすることにより、作業者は、引起こし機構100を通過することで大根Wの茎葉部W1が上方に引き起こされて、大根Wの肩部W2aが見える様になった時に、その肩部W2aの高さ方向の位置と、視認が容易な、左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRの下端辺202LLa、202RRaの何れか一方の高さ方向の位置と、を側面から比較することで、双方の高さ方向の位置の差Hd(図11参照)が、その後に、引抜搬送装置200によって引き抜かれるべき長さであることが事前に分かる。
一方、上述した通り、第1切断装置400(図1、図9参照)により茎葉部W1の切断が開始される位置の付近では、引抜搬送装置200と肩揃え装置300によって、大根Wの肩部W2aの高さ方向の位置が揃えられている必要がある。
この要求を満たすためには、上述した双方の高さ方向の位置の差Hdをどの様な値に設定すれば良いかは、その大根引抜機1の固有の値として予め分かっている。
そのため、上述した双方の高さ方向の位置の差Hdを、予め分かっている所望の値(例えば、15cm)に設定するために、作業者は、回動ハンドル10aを回動させてゲージ輪2(図1参照)の高さを調節したり、チェーンケース回動ハンドル11L、11Rを回動させて、左右一対の後輪3L、3Rを出力軸6aを回動中心として矢印U方向(図1参照)にそれぞれ個別に回動させることにより、機体の高さや姿勢を修正することが出来る。
また、上記実施の形態では、図11に示す様に、左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRの下端辺202LLa、202RRaの高さ方向の位置を、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Raの高さ方向の位置に、側面視で一致させた構成について説明したが、これに限らず例えば、図11に示した左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRが、それぞれの下端辺202LLa、202RRaから、図12に示す様に、更に下方に突き出した突き出し部202LLb、202RRbを有する構成としても良い。図12は、図11に示す例とは別例を説明するための側面図であり、突き出し部202LLb、202RRbを有する左右一対の搬送ベルトカバー用張り出し部202LL、202RRを示す大根引抜機1の要部拡大側面図である。
図12に示す構成の場合、左右一対の突き出し部202LLb、202RRbのそれぞれの突き出し下端辺202LLb1、202RRb1の高さ方向の位置は、左右一対の肩揃えベルト310L、310Rのそれぞれの下面310La、310Raの高さ方向の位置との差Hsが、側面視で、上述した予め分かっている所望の値(例えば、15cm)になる様に設定してある。
よって、引起こし機構100を通過し大根Wの肩部W2aが見える様になった時に、その肩部W2aの高さ方向の位置が、左右一対の突き出し部202LLb、202RRbのそれぞれの突き出し下端辺202LLb1、202RRb1の何れかの高さ方向の位置と一致させるために、作業者は、回動ハンドル10aを回動させてゲージ輪2(図1参照)の高さを調節したり、チェーンケース回動ハンドル11L、11Rを回動させて、左右一対の後輪3L、3Rを出力軸6aを回動中心として矢印U方向(図1参照)にそれぞれ個別に回動させることにより、機体の高さや姿勢を修正することが出来る。
これにより、肩揃え装置300により大根Wの肩部W2aの位置が揃えられるので、第1切断装置400により、大根Wの茎葉部W1を所望の位置で切断することが出来、且つ、第2切断装置500により、大根Wの本体部W2の上端部W2bを所望の位置で確実に切断することが出来、切断面もきれいに仕上がる。
また、上記実施の形態では、肩揃え装置300の下方に第2切断装置(胴部切断装置)500が配置されており、作業者は、大根引抜機1を運転しながら、第2切断装置500の切断部分を視認することは出来ない構成について説明したが、これに限らず例えば、鏡をエンジン4の下方に配置し、当該鏡の反射面を前方斜め上方に向けて配置することで、大根引抜機1を運転しながら、第2切断装置500の切断部分を視認することが出来る構成としても良い。
また、上記実施の形態の大根引抜機1において、肩揃え装置300の下方に設けられた第2切断装置(胴部切断装置)500より下方に作業灯を設けた構成としても良い。これにより、大根を引き抜いて大根Wの本体部W2の上端部W2bを切断するまでの工程を確認し易くなる。
また、上記実施の形態では、引起こし機構100として、左右一対の縦引起こし装置110L、110Rと、左右一対の横引起こし装置130L、130Rとを備えた構成の場合について説明したが、これに限らず例えば、引起こし機構にそれぞれの一端が連結され、本体側にそれぞれの他端が回動可能に連結された左右一対の連結アームを備えておれば、縦引起こし装置が左側(又は右側)に一つ配置され、その背面の右側(又は左側)に横引起こし装置が一つ配置された構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、引抜搬送装置200において、左側の引抜従動プーリ230Lと左側の挟持ローラ群240Lとが、回動可能に取り付けられた左側の挟持力調整フレーム280Lと、右側の引抜従動プーリ230Rと右側の挟持ローラ群240Rとが、回動可能に取り付けられた右側の挟持力調整フレーム280Rとを備え、これら左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rの何れもが、左右方向(図7中の矢印H参照)に位置調整可能に構成されている場合について説明したが、これに限らず例えば、これら左右一対の挟持力調整フレーム280L、280Rの何れか一方が、左右方向に位置調整可能に構成されており、且つ他方のフレームは位置調整が出来ない構成であっても良い。この場合でも、引抜搬送装置200の搬送路の入り口側の幅(図7中の符号G参照)を容易に調整することが出来るので、上記構成の場合と同様の効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、左右一対の肩揃え従動プーリ330L、330R、左右一対の肩揃え第1ローラ340L、340R、及び左右一対の肩揃え第2ローラ350L、350Rが、それぞれ独立して左右方向(図9中の矢印H参照)に位置調整可能に構成されている場合について説明したが、これに限らず例えば、左側の肩揃え従動プーリ330L、肩揃え第1ローラ340L、及び肩揃え第2ローラ350Lが、一体として、左右方向に位置調整可能に構成され、且つ、右側の肩揃え従動プーリ330R、肩揃え第1ローラ340R、及び肩揃え第2ローラ350Rが、一体として、左右方向に位置調整可能に構成されていても良い。
また、上記実施の形態では、左右一対の肩揃え従動プーリ330L、330R、左右一対の肩揃え第1ローラ340L、340R、及び左右一対の肩揃え第2ローラ350L、350Rが、それぞれ左右方向(図9中の矢印H参照)に位置調整可能に構成されている場合について説明したが、これに限らず例えば、左側又は右側の、肩揃え従動プーリ、肩揃え第1ローラ、及び肩揃え第2ローラのみが、左右方向に位置調整可能に構成されていても良い。この場合でも、肩揃え装置300の搬送路の入り口側の幅(図9中の符号J1参照)を容易に調整することが出来るので、上記構成の場合と同様の効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、第1切断装置400が、単一の茎葉回転刃410を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、左右一対の回転刃を備えた構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、第1切断装置400が、単一の茎葉回転刃410を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、固定刃を備えた構成であっても良い。この場合、固定刃は、その刃の部分が、平面視で、肩揃え装置300の搬送路を傾斜して横断する様に配置されると共に、肩揃え装置300の搬送路を横断する刃の部分は、平面視で、左右一対の胴切り回転刃510L、510R(図9参照)より前側に位置している。この構成により、構造を簡素化することが出来る。
また、茎葉回転刃410に代えて固定刃を用いた構成の場合、固定刃に設けられた固定用の孔として、実際に固定する時に使用する数よりも多い数の孔を等間隔で設けた構成であっても良い。この構成により、複数の固定孔の内、実際に使用する孔を適宜ずらすことにより、固定刃の固定位置を変更することが出来、固定刃の切れ味を長期にわたり持続させることが出来る。
また、上記実施の形態では、本発明の作物の一例として大根Wを例に挙げて説明したが、これに限らず例えば、引抜対象の作物が、にんじんなどの根菜類であっても、上記と同様の効果を発揮する。
また、上記実施の形態で説明した、ミッションケース6から前方に突き出した伝動軸6bの高さ方向の位置(図1参照)を、下方に下げた構成とすることで、引抜搬送装置の傾斜を上記実施の形態の場合に比べて緩やかに出来る。この構成により、切断された茎葉部が排出される引抜搬送装置の後端部の排葉位置を上記実施の形態の場合に比べて低くすることが出来るので、茎葉部が風などで飛ばされ難くすることが出来る。
また、上記実施の形態では、肩揃え装置300の左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320R、左右一対の肩揃え第1ローラ340L、340R、及び左右一対の肩揃え第2ローラ350L、350Rは、それぞれの外周端部に、肩揃えベルトの内周面に突き出したリブ状突起に対応する略V字状の溝が形成され、且つ、それぞれの上面の外径と下面の外径が同じである構成の場合について説明したが、これに限らず例えば、それぞれの上面の外径を下面の外径より一回り大きい径とするために、上面の外周部に鍔部を設けた構成としても良い。この鍔部により、肩揃えベルト310L、310Rが上方に脱線することを防止することが出来る。また、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの上面の外周部に設けた上記鍔部の外周端縁部の全周に亘り凸部を設けた構成としても良い。この構成により、肩揃え装置300の肩揃えベルト310L、310Rの肩揃え駆動プーリ320L、320Rにおいて、ベルト間隔が広がった場合でも、摩擦力が減少するのを補い、搬送力を維持することが出来る。
また、上述した鍔部に加えて、肩揃え装置300の左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320R、左右一対の肩揃え第1ローラ340L、340R、及び左右一対の肩揃え第2ローラ350L、350Rのそれぞれの上面の上方近傍に、上記鍔部の径より大きな径を有する板状のベルト外れ阻止部材を設けた構成でも良い。この構成により、平面視で、ベルト外れ阻止部材が、鍔部より外側に向けて張り出しているので、仮にベルトが外れようとしても戻り易くすることが出来る。
また、左右一対の肩揃え駆動プーリ320L、320Rの外周を取り巻く左右一対の肩揃えベルト310L、310Rの外周面と、その外周面の下方に位置する左右一対の胴切り回転刃510L、510Rとの近傍にスクレーパを配置する構成としても良い。この構成により、胴切り回転刃510L、510Rの上面に茎葉部の切れ端や大根Wのへたの部分等が残るのを防止すると共に、肩揃えベルト310L、310Rがめくれ上がるのを防止することが出来る。