JP2019022276A - 回転電機の固定子、及びその固定子の製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子、及びその固定子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定子コアのスロット内において絶縁シートを適正状態で保持する。【解決手段】回転電機の固定子は、周方向に複数のスロット21を有する固定子コア20と、スロット21に巻装された固定子巻線30と、スロット21の内周面と固定子巻線30との間に挟まれた状態で設けられる絶縁シート26とを備える。絶縁シート26は、シート状の基材61と、基材61の両面のうち少なくともスロット21の内周面に対向する側である外側面に設けられ、外部刺激により発泡及び硬化する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層62とを有している。絶縁シート26には、固定子コア20の軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きで拡張された拡張部65が設けられ、絶縁シート26の外側面には拡張部65を含む範囲で樹脂層62が設けられている。【選択図】図7

Description

本発明は、車両等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機の固定子、及びその固定子の製造方法に関するものである。
回転電機の固定子においては、固定子コアのスロットに固定子巻線が巻装される。この場合、固定子コアと固定子巻線との絶縁性を確保し、かつスロット内で固定子巻線を固定状態で保持すること等を目的として、固定子巻線を囲むようにして絶縁シートを設ける構成が知られている。また、絶縁シートの構成として、シート状の基材の両面に、例えば熱硬化性を有する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層を積層した構成が知られている。
例えば特許文献1には、少なくとも表面が発泡性樹脂により構成されてなる矩形のシート状の発泡樹脂シート(絶縁シート)を、スロットにおけるステータコア内壁面とコイルとの間に挟んだ状態で加熱し膨張させることにより、コイルをステータコアに固着させるようにした技術が開示されている。発泡樹脂シートとして具体的には、シート状のフィルム(例えばポリエチレンナフレタートを用いたPENフィルム)と、球状の発泡剤を複数内包するとともに熱硬化性を有する樹脂(例えばエポキシ樹脂)とを積層した構成が開示されている。
特開2011−244596号公報
ところで、スロット内に絶縁シートが挿入される場合において、その絶縁シートが固定子コアの軸方向にずれると、絶縁性が低下すること等が懸念される。例えば、スロット内に絶縁シートを先入れし、その状態で絶縁シートの内側に固定子巻線(例えば導体セグメント)を挿入する場合には、絶縁シートと固定子巻線との間の摩擦力により絶縁シートが軸方向にずれてしまうことがあると考えられる。なお、スロット内における占積率を高めるにはスロット内の隙間を極力小さくすることが望ましく、その占積率の向上を図る場合には絶縁シートのずれがより生じやすくなることが考えられる。上記のとおり絶縁シートとして発泡樹脂シートを用いる構成においても、やはり絶縁シートのずれの懸念があり、技術的に改善の余地があると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、固定子コアのスロット内において絶縁シートを適正状態で保持することができる回転電機の固定子、及びその固定子の製造方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成の符号を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
第1の手段では、
円環状をなし、周方向に複数のスロット(21)を有する固定子コア(20)と、
前記スロットに巻装された固定子巻線(30)と、
前記スロットにおいて前記固定子コアの内周面と前記固定子巻線との間に挟まれた状態で設けられる絶縁シート(26)と、
を備える回転電機の固定子(13)であって、
前記絶縁シートは、
シート状の基材(61)と、
前記基材の両面のうち少なくとも前記スロットの内周面に対向する側である外側面に設けられ、外部刺激により発泡及び硬化する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層(62)と、
を有しており、
前記絶縁シートには、前記固定子コアの軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きで前記スロットの外側に拡張された拡張部(65)が設けられ、
前記絶縁シートにおいて、前記外側面には前記拡張部を含む範囲で前記樹脂層が設けられている。
回転電機の固定子において、固定子コアのスロットには固定子コアのスロット内周面と固定子巻線とに挟まれた状態で絶縁シートが設けられている。この場合、固定子コアの軸方向において絶縁シートの位置がずれると、固定子コアと固定子巻線との絶縁性が低下するおそれがある。この点、上記構成によれば、絶縁シートには、固定子コアの軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きでスロットの外側に拡張された拡張部が設けられているため、その拡張部により絶縁シートの位置ずれが抑制される。また特に、絶縁シートにおいて、スロットの内周面に対向する側である外側面には、拡張部を含む範囲で樹脂層が設けられているため、固定子コアの軸方向端面上に拡張部の樹脂層が介在することになり、その樹脂層によりコア端面に対する拡張部の位置が保持される。そのため、絶縁シートの位置ずれが一層好適に抑制される。その結果、固定子コアのスロット内において絶縁シートを適正状態で保持することができる。
例えば、固定子の製造時において、スロット内に先入れされた絶縁シートの内側に、固定子巻線を構成する導体が挿入される場合には、その導体挿入時の摩擦力により絶縁シートが軸方向に押し込まれることが懸念される。しかしながら、上記構成によれば、巻線組み付け時における絶縁シートの位置ずれを抑制できる。
また、絶縁シートの拡張部において固定子コアの軸方向端面の側に樹脂層が設けられているため、固定子コアの軸方向端部におけるスロット角部により絶縁シートの基材が破損するといった不都合が抑制される。したがって、スロット角部の面取り加工を省略できる等の効果を期待できる。
第2の手段では、前記絶縁シートにおいて、前記固定子コアの軸方向両方の端部のうち一方の端部には前記拡張部が設けられ、他方の端部には、前記固定子コアの軸方向端面よりも外側に突出する突出部(68)が設けられており、前記絶縁シートの前記外側面には、前記突出部を含む範囲で前記樹脂層が設けられている。
上記構成によれば、絶縁シートにおいて、コア軸方向の一方の端部には拡張部が設けられ、他方の端部には、固定子コアの軸方向端面よりも外側に突出する突出部が設けられている。そして、絶縁シートの外側面において突出部を含む範囲で樹脂層が設けられていることから、その突出部の樹脂層によりアンカー効果が生じ、絶縁シートの軸方向の位置ずれを一層適正に抑制できる。この場合、樹脂層が膨張変化することで、軸方向における絶縁シートの位置が強固に保持される。
第3の手段では、前記固定子巻線は、略U字状をなす複数の導体セグメント(40)を接続することで構成され、前記複数の導体セグメントは、前記固定子コアの軸方向両方の端部のうち一方の端部側から、所定ピッチで離間した2つの前記スロットに挿入されるとともに、他方の端部側において周方向に捻られた状態で端部どうしで互いに接続されており、前記固定子コアの前記一方の端部側に前記拡張部が設けられている。
略U字状をなす複数の導体セグメントにより固定子巻線が構成され、固定子のコイルエンド部において各導体セグメントが周方向に捻られた状態で互いに接続される場合には、導体セグメントの捻り加工に際し、各導体セグメントの挿入側となるコア端面側においてスロット角部が絶縁シートの基材や導体セグメントに食い込むことが考えられる。この点、上記構成では、絶縁シートのセグメント挿入側となるコア端部側において、絶縁シートの外側面に樹脂層が設けられているため、スロット角部が基材や導体セグメントに食い込むこと、さらにはその食い込みにより絶縁性が低下することを抑制できる。
第4の手段では、前記絶縁シートには、前記固定子巻線の側である内側面において少なくとも前記拡張部の裏側となる部分を除く範囲で前記樹脂層が設けられている。
上記構成によれば、絶縁シートの内側面には、少なくとも拡張部の裏側となる部分を除く範囲で樹脂層が設けられており、換言すれば、拡張部におけるシート内側には樹脂層が設けられていない構成となっている。この場合、例えば絶縁シートの内側面に拡張用治具を押し当てて拡張部を形成するにしても、その拡張用治具の押し当てに伴う外部刺激により樹脂層が発泡及び硬化することが抑制される。したがって、拡張部の内側において樹脂層の発泡及び硬化が生じることに起因して固定子巻線の挿入に支障が及ぶといった不都合を抑制できる。
第5の手段では、前記基材は、前記スロットの内周面における角部(A1,A2)に応じて形成された折り曲げ部(B1,B2)を有し、前記絶縁シートにおいて、前記外側面には、前記折り曲げ部に沿って延びる第1範囲と、前記拡張部の隣となる位置において前記第1範囲に交差するように延びる第2範囲とに、前記樹脂層の厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部(63,81)が設けられている。
上記構成によれば、絶縁シートの外側面において、基材の折り曲げ部に沿って延びる第1範囲に、樹脂層の厚さをゼロとした又は薄くした厚さ調整部が設けられているため、基材の折り曲げ部において樹脂層のクラックや剥がれ等を抑制することができる。
また、第1範囲に設けられる厚さ調整部によって、スロット内に固定子コアの軸方向に延びる空隙が形成されるため、その空隙を利用した固定子巻線の冷却が可能となっている。さらに、第1範囲に交差するように延びる第2範囲にも厚さ調整部が設けられているため、スロット内の固定子巻線を囲むようにして環状の空隙が形成され、その環状の空隙により、スロットの横断面方向の全体において固定子巻線を冷却することが可能となっている。
第6の手段では、
円環状をなし、周方向に複数のスロット(21)を有する固定子コア(20)と、
前記スロットに巻装された固定子巻線(30)と、
前記スロットにおいて前記固定子コアの内周面と前記固定子巻線との間に挟まれた状態で設けられる絶縁シート(26)と、
を備える回転電機の固定子(13)の製造方法であって、
前記絶縁シートは、
シート状の基材(61)と、
前記基材において前記スロットの内周面に対向する側となる外側面であって、かつ軸方向の端部となる位置に設けられ、外部刺激により発泡及び硬化する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層(62)と、
を有し、前記基材は、前記軸方向において前記固定子コアの長さ寸法よりも大きい幅寸法を有しており、
前記スロットの内周面に沿わせ、かつ前記樹脂層が前記固定子コアの軸方向端面よりも外側に配置されるようにして前記スロット内に前記絶縁シートを挿入するシート挿入工程と、
その後、所定の治具(70)を用い、前記樹脂層を前記固定子コアの軸方向端面に押し付けるような状態にして、前記絶縁シートに、前記軸方向端面に沿う向きで前記スロットの外側に拡張された拡張部を形成する拡張部形成工程と、
その後、前記固定子コアの軸方向両端のうち前記絶縁シートの前記拡張部が形成された側から、前記スロット内において前記絶縁シートの内側に前記固定子巻線を挿入する巻線挿入工程と、
を有する。
本手段の製造方法では、シート挿入工程において、スロット内に絶縁シートが挿入された後、拡張部形成工程において、治具を用い、絶縁シートに拡張部が形成される。ここで、絶縁シートの基材には、スロットの内周面に対向する側となる外側面であって、かつ軸方向の端部となる位置に、硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層が設けられており、拡張部形成工程では、治具により、樹脂層が固定子コアの軸方向端面に押し付けられるような状態にして拡張部が形成される。そしてその後、巻線挿入工程では、固定子コアの両端のうち絶縁シートの拡張部が形成された側から、スロット内において絶縁シートの内側に固定子巻線が挿入される。
上記製造方法によれば、絶縁シートには、固定子コアの軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きで拡張部が設けられるため、その拡張部により絶縁シートの位置ずれが抑制される。この場合特に、拡張部の形成時には、治具により、樹脂層が固定子コアの軸方向端面に押し付けられるような状態になり、その際の外部刺激により、樹脂層において硬化性発泡樹脂が発泡及び硬化する。したがって、スロット内への固定子巻線の挿入時に、絶縁シートと固定子巻線との間に摩擦力が生じても、固定子コアの軸方向端面上に拡張部の樹脂層が介在することによって、コア端面に対する拡張部の位置が適正に保持され、絶縁シートの位置ずれが一層好適に抑制される。その結果、固定子コアのスロット内において絶縁シートを適正状態で保持することができる。
また、絶縁シートの拡張部において固定子コアの軸方向端面の側に樹脂層が設けられているため、固定子コアの軸方向端部におけるスロット角部により絶縁シートの基材が破損するといった不都合が抑制される。したがって、スロット角部の面取り加工を省略できる等の効果を期待できる。
第7の手段では、前記絶縁シートにおいて、前記外側面には、前記拡張部と前記スロット内に収容される被収容部(67)とに前記樹脂層が設けられており、前記スロット内に前記固定子巻線が挿入された後に、前記固定子コアに対して外部刺激を付与して、前記被収容部に設けられた前記樹脂層を発泡及び硬化させる樹脂硬化工程を有する。
上記製造方法によれば、スロット内に固定子巻線が挿入された後に、固定子コアに対する外部刺激により、スロット内の絶縁シートにおいて樹脂層が発泡及び硬化される。この場合、スロット内周面に対する絶縁シートの密着性が高められることにより、やはり絶縁シートの軸方向の位置ずれを適正に抑制できることとなる。
また、絶縁シートには、巻線挿入前及び巻線挿入後においてそれぞれ外部刺激が付与されるようになっており、巻線挿入前には、拡張部に限定して外部刺激が付与され、巻線挿入後には、拡張部以外、又は拡張部を含むシート全体に外部刺激が付与される。この場合、巻線挿入工程で軸方向に絶縁シートに力が加わることを考慮しつつ、樹脂層を適切に発泡及び硬化させることができる。
第8の手段では、前記絶縁シートにおいて、前記被収容部の内外両面に前記樹脂層が設けられており、前記樹脂硬化工程では、前記固定子コア及び前記固定子巻線に対して同時に外部刺激を付与して、前記被収容部に設けられた前記樹脂層を発泡及び硬化させる。
上記製造方法によれば、樹脂硬化工程において、固定子コア及び固定子巻線に対して同時に外部刺激が付与され、その外部刺激により、スロット内において絶縁シートの内外両側に設けられた樹脂層が発泡及び硬化される。この場合、絶縁シートの内外両側において同時に樹脂層の発泡及び硬化が行われるため、樹脂層の均質化が可能になることに加え、作業時間の短縮が可能となる。
また、スロット内において絶縁シートの内外両側に樹脂層が設けられることで、固定子コアに対する絶縁シートの位置ずれ抑制効果が得られることに加え、絶縁シートに対する固定子巻線の位置ずれ抑制効果が得られるものとなっている。
第9の手段では、前記絶縁シートには、前記固定子巻線の側となる内側面において少なくとも前記拡張部の裏側となる部分を除く範囲で前記樹脂層が設けられており、前記拡張部形成工程では、前記絶縁シートの前記内側面において前記樹脂層が設けられていない部位に接触する状態で前記治具をセットし、当該治具により前記拡張部を形成する。
上記製造方法によれば、絶縁シートの内側面において樹脂層が設けられていない部位に接触する状態で治具がセットされ、当該治具により拡張部が形成される。この場合、仮に絶縁シートの内側面において樹脂層に接触する状態で治具がセットされ、その状態で拡張部が形成されるものになっていると、治具からの外部刺激によって意図せず樹脂層が発泡及び硬化してしまい、固定子巻線の挿入に支障が及ぶといった不都合のおそれがある。この点、絶縁シートの内側面において樹脂層の発泡及び硬化が生じないものとなっているため、その樹脂層の発泡及び硬化により固定子巻線の挿入に支障が及ぶといった不都合を抑制できる。
第10の手段では、前記シート挿入工程において、前記基材は、前記スロットの内周面における角部(A1,A2)に応じて折り曲げ加工され、前記絶縁シートの前記内側面には、前記拡張部の裏側となる部分を除く範囲に前記樹脂層が設けられ、かつ前記折り曲げ加工により形成される折り曲げ部(B1,B2)に沿って延びる所定範囲に、前記樹脂層の厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部(63)が設けられている。
絶縁シートの内側面において、拡張部の裏側となる部分を除く範囲に樹脂層が設けられている場合には、スロット挿入前の折り曲げ加工において、絶縁シートの入隅部分にて樹脂層が拡張部の裏側に向けて膨らむことが考えられる。この場合、拡張部形成工程において、樹脂層の膨らみ部分が意図せず治具に接触してしまうことが懸念される。この点、上記のとおり折り曲げ部に沿って延びる所定範囲に、樹脂層の厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部が設けられていることで、樹脂層が意図せず治具に接触してしまうことを抑制できる。
実施形態に係る固定子を搭載した回転電機の軸方向断面図。 固定子の全体を示す斜視図。 固定子コアに導体セグメントを挿入する状態を示す説明図。 固定子の部分断面図。 絶縁シートの断面図。 固定子コアと絶縁シートと導体セグメントとの分解斜視図。 スロット内に絶縁シートと導体セグメントとを挿入した状態を示す断面図。 折り曲げ加工前の絶縁シートを示す図であり、(a)はシート厚さ方向の断面図、(b)は絶縁シートの外側面の平面図、(c)は絶縁シートの内側面の平面図。 固定子の製造手順を示す断面図。 折り曲げ加工前の絶縁シートを示す図であり、(a)はシート厚さ方向の断面図、(b)は絶縁シートの外側面の平面図、(c)は絶縁シートの内側面の平面図。 折り曲げ加工後の絶縁シートを示す図。 別の構成の絶縁シートを示す図であり、(a)はシート厚さ方向の断面図、(b)は絶縁シートの外側面の平面図、(c)は絶縁シートの内側面の平面図。 別の構成の絶縁シートを示す図であり、(a)はシート厚さ方向の断面図、(b)は絶縁シートの外側面の平面図、(c)は絶縁シートの内側面の平面図。 スロット内に絶縁シートと導体セグメントとを挿入した状態を示す断面図。
以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
本実施形態に係る回転電機10は、車両用交流発電機として用いられるものである。回転電機10は、図1に示すように、回転軸11に固定された回転子12と、回転子12を包囲する位置に設けられる固定子13と、これら回転子12及び固定子13を収容するハウジング14とを備えている。ハウジング14は、有底筒状の一対のハウジング部材14a,14bを有し、ハウジング部材14a,14bが開口部同士で接合された状態でボルト15の締結により一体化されている。
ハウジング14には軸受け16,17が設けられ、この軸受け16,17により回転軸11及び回転子12が回転自在に支持されている。回転子12は、固定子13の内周側に対して径方向に対向する外周側に、周方向に所定距離を隔てて極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有する。これらの磁極は、回転子12の所定位置に埋設された複数の永久磁石により形成されている。回転子12の磁極の数は、回転電機により異なるため限定されるものではない。本実施形態では、8極(N極:4、S極:4)の回転子が用いられている。
次に、固定子13について説明する。固定子13は、図2〜図4に示すように、周方向に複数のスロット21を有する円環状の固定子コア20と、固定子コア20の各スロット21に分布巻で巻装された3相(U相、V相、W相)の固定子巻線30と、を備えている。
固定子コア20は、円環状の複数の電磁鋼板20a(図1参照)を固定子コア20の軸方向に積層して形成された一体型のものである。この固定子コア20は、円環状のバックコア部23と、バックコア部23から径方向内方へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース24とを有し、隣り合うティース24の間にスロット21が形成されている。各ティース24の先端部にはフランジ25が形成されており、このフランジ25が、周方向に延びる内側壁部に相当する。固定子コア20に形成されたスロット21の数は、回転子12のNS磁極数(8磁極)に対し、固定子巻線30の1相あたり2個の割合で形成されている。本実施形態では、8×3×2=48により、スロット数が48個とされている。48個のスロット21は、周方向に繰り返し2個ずつ配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットよりなる。
スロット21は、固定子コア20の径方向を長手として延びる開口形状をなし、そのスロット長手方向に複数の導体セグメント40を並べて配置可能となっている。本実施形態では、固定子コア20のスロット21を、コア内周側のスロット21の端部がフランジ25により狭められ、かつ一部が開通する、いわゆるセミクローズドスロットとしている。ただしこれに代えて、スロット21を、コア内周側のスロット21の端部が内側壁部により閉鎖されたクローズドスロットとしてもよい。
固定子巻線30は、略U字状をなす複数の導体セグメント40を用いて構成されている。導体セグメント40は、一対の直線部41と、一対の直線部41の一端同士を連結するターン部42とからなる。一対の直線部41は、固定子コア20の軸方向の厚さよりも大きい長さを有している。ターン部42の中央部には、固定子コア20の端面20bに沿って延びる頭頂段部43が設けられており、頭頂段部43の両側には、固定子コア20の端面20bに対して所定の角度で傾斜した傾斜部44が設けられている。
導体セグメント40は、断面が長方形の線状材よりなる銅製の導体51と、導体51の外周面を被覆する被覆材としての絶縁被膜52とからなる被覆導線(平角線)を用いて構成され、略U字形状に塑性変形させることで形成されている。図3に示すように、導体セグメント40において直線部41の端部(ターン部42とは逆側の端部)は、絶縁被膜52が切除されることで、導体51が露出した露出部53となっている。導体セグメント40においてスロット挿入状態でコア周方向となる側の幅寸法は、スロット21のコア周方向の開口寸法よりも小さいものとなっている。
固定子コア20には、スロット21内に、複数の導体セグメント40がコア径方向に一列に並べて挿入されている。より具体的には、固定子コア20には、周方向に隣接して同一相の2個ずつのスロット21A,21Bが設けられ、そのスロット21A,21Bには、2個で1組の導体セグメント40A,40Bが挿入配置される。この場合、2個の導体セグメント40A,40Bの各々の直線部41は、同一のスロット21ではなく、隣接した2個のスロット21A,21Bに別々に軸方向一端側(図3の上側)から挿入される。すなわち、図3の右側にある2個の導体セグメント40A,40Bにおいて、一方の導体セグメント40Aは、一方の直線部41が一のスロット21Aの最外層(第8層)に挿入され、他方の直線部41が固定子コア20の反時計回り方向に1磁極ピッチ(6スロットピッチ)離れた他のスロット21A(図示せず)の第7層に挿入される。
また、他方の導体セグメント40Bは、一方の直線部41がスロット21Aと隣接したスロット21Bの最外層(第8層)に挿入され、他方の直線部41が固定子コア20の反時計回り方向に1磁極ピッチ(6スロットピッチ)離れた他のスロット21B(図示せず)の第7層に挿入される。すなわち、2個の導体セグメント40A,40Bは、周方向に1スロットピッチずれた状態に配置される。このようにして、全スロット21に対して偶数本の導体セグメント40の直線部41が挿入配置される。本実施形態の場合には、図4に示すように、各スロット21内に、合計8本の直線部41が径方向1列に整列した状態で収容されている。
スロット21内には、固定子コア20と固定子巻線30(導体セグメント40)との間を電気絶縁する絶縁シート26が設けられている。絶縁シート26は、スロット21内に挿入される複数(本実施形態では8個)の導体セグメント40の形状及び大きさに応じて折り曲げられ、これら複数の導体セグメント40をまとめて囲むように設けられている。これにより、絶縁シート26は、スロット21内において固定子コア20の内周面(内壁面)と導体セグメント40との間に挟まれた状態で設けられている。絶縁シート26は、固定子コア20の端面20bよりも外側に突出して設けられている。
導体セグメント40において、スロット21から軸方向他端側(図3の下側)へ延出した一対の直線部41の先端部は、固定子コア20の端面20bに対して所定の角度をもって斜めに斜行するように互いに周方向反対側へ捻られ、略半磁極ピッチ分の長さの捻り部45(図2参照)が形成されている。そして、固定子コア20の軸方向他端側において、導体セグメント40の2層ずつの捻り部45の先端部同士が例えば溶接により接合されることで、各導体セグメント40が所定のパターンで電気的に接続されている。つまり、固定子13では、各導体セグメント40の一対の直線部41が径方向に1つずれた層にそれぞれ配置される構成において、層ごとに周方向反対側への捻り部45が形成されることで、各導体セグメント40同士が連続的に接続されている。
この場合、所定の導体セグメント40が直列に接続されて、各スロット21内に収容された第m層(mは1以上の自然数)と第m+1層のスロット収容部(直線部41)とが電気的に接続されることにより、固定子コア20のスロット21に沿って周方向に波巻きにて各相巻線31U,31V,31Wが巻回され、その各相巻線31U,31V,31Wにより固定子巻線30が形成されている。なお、固定子巻線30は、各相巻線31U,31V,31Wの巻線端が星型結線で結線されている。
固定子コア20に固定子巻線30が巻装された状態では、固定子コア20の軸方向一端側に、その一端側の端面20bからスロット21の外部に複数のターン部42が突出し、これにより全体としてリング状の第1コイルエンド部47(図2参照)が形成されている。また、固定子コア20の軸方向他端側には、その他端側の端面からスロット21の外部に複数の捻り部45及び端末接合部46が突出し、これにより全体としてリング状の第2コイルエンド部48(図2参照)が形成されている。第1コイルエンド部47では、導体セグメント40のターン部42により6スロットピッチでスロット間の電気接続がなされ、第2コイルエンド部48では、捻り部45及び端末接合部46により6スロットピッチでスロット間の電気接続がなされている。
次に、スロット21内において固定子コア20と導体セグメント40との間に設けられる絶縁シート26について詳しく説明する。
図5は、絶縁シート26の断面図である。絶縁シート26は、シート状の基材61と、基材61の両面に設けられ、外部刺激により発泡及び硬化する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層62とを有している。基材61は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂からなる所定強度を有するシート材である。また、樹脂層62は、例えば熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂に、熱刺激により発泡するビーズが分散されることで、熱硬化性発泡樹脂として構成されている。樹脂層62は、基材61の両面に塗布されることで設けられており、その厚さは例えば数10μm〜1m程度である。樹脂層62は、基材61の外側でスロット内周面に対して接着され、基材61の内側で固定子巻線30に対して接着される。その意味からすると、樹脂層62は接着層であるとも言える。
なお、基材61として、樹脂材に代えて不織布を用いることも可能である。また、樹脂層62において、発泡材として、ビーズ以外にアクリルやウレタンを用いることも可能である。熱硬化樹脂に代えて、紫外線の照射(紫外線刺激)により硬化する紫外線硬化樹脂や、嫌気により硬化する嫌気性硬化樹脂を用いることも可能である。
固定子13の製造に際しては、図6に示す状態で、固定子コア20に対して絶縁シート26と導体セグメント40(固定子巻線30)とが組み付けられる。この場合、固定子巻線30を構成する複数の導体セグメント40は、直線部41が8個ずつ一列に接合された状態で組み合わされている。また、絶縁シート26は、8個の導体セグメント40の直線部41を囲むことができるように、4カ所で折り曲げ成形されている。つまり、スロット21には、径方向外側においてバックコア部23とティース24とにより2カ所に第1角部A1が形成されるとともに、径方向内側においてティース24とフランジ25とにより2カ所に第2角部A2が形成されている。そして、絶縁シート26には、スロット21の第1角部A1に対応する2カ所に折り曲げ部B1が形成されるとともに、第2角部A2に対応する2カ所に折り曲げ部B2が形成されている。
なお、スロット21内に絶縁シート26が挿入された状態では、絶縁シート26は折り曲げ部B1,B2で略90度で折り曲げられた状態となっているが、スロット21への挿入前は、絶縁シート26は90度よりも大きい角度(鈍角)で塑性変形された状態となっている。ただし、絶縁シート26が略90度の折り曲げ角度で塑性変形されるようになっていてもよい。また、図6では、スロット21の径方向外側で絶縁シート26の端部どうしが重ね合わされているが、これを変更し、スロット21の径方向内側で絶縁シート26の端部どうしが重ね合わされていてもよい。
固定子コア20に対して絶縁シート26と導体セグメント40とを組み付ける際には、例えば、固定子コア20に対して先に絶縁シート26の組み付けが行われ、その後に導体セグメント40の組み付けが行われる。そして、スロット21内に配置された絶縁シート26に対して熱刺激を付与することで、樹脂層62が発泡及び硬化される。なお、樹脂層62は、固定子コア20に対する組み付け前のシート折り曲げ成形時において、エポキシ樹脂が完全には硬化していない半硬化状態(いわゆるBステージ状態)となっており、固定子コア20への組み付け後の加熱及びその後の冷却により完全硬化する。
ところで、絶縁シート26は、スロット21内に収容された状態で、固定子コア20の軸方向に位置ずれが生じることが考えられ、その位置ずれによって固定子コア20と導体セグメント40(固定子巻線30)との絶縁性が低下するおそれがある。例えば、固定子13の製造時において、スロット21内に先入れされた絶縁シート26の内側に導体セグメント40が挿入される場合に、そのセグメント挿入時の摩擦力により絶縁シート26が軸方向に押し込まれることが懸念される。
そこで本実施形態では、図7に示すように、絶縁シート26において固定子コア20の軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きでスロット21の外側に拡張された拡張部65を設け、その拡張部65により絶縁シート26の位置ずれを抑制することとしている。また特に、絶縁シート26において、スロット21の内周面に対向する側である外側面に、拡張部65を含む範囲で樹脂層62を膨張させることで樹脂膨張部66を形成し、その樹脂膨張部66によりコア端面に対する拡張部65の位置を保持する構成としている。
また、図7において、絶縁シート26は、拡張部65に加え、スロット21内に収容される被収容部67と、固定子コア20の軸方向両端面のうち拡張部65とは逆側に突出する突出部68とを有している。突出部68には、固定子コア20の軸方向端面の外側において、絶縁シート26の外側面に、樹脂層62を膨張させることで樹脂膨張部69が形成されている。
以下に、絶縁シート26を更に詳細に説明する。図8には、折り曲げ加工前の絶縁シート26を示しており、(a)はシート厚さ方向の断面図であり、(b)は絶縁シート26の外側面の平面図であり、(c)は絶縁シート26の内側面の平面図である。なお、絶縁シート26において、図の上側が第1コイルエンド部47の側となる部位であり、図の下側が第2コイルエンド部48の側となる部位である。図8(b)では、山折りとなるラインを一点鎖線で示し、(c)では、谷折りとなるラインを破線で示している。
絶縁シート26には、基材61の両面に所定厚さで樹脂層62が形成されている。ここでは、説明の便宜上、シート両面の樹脂層62のうち外側を外側樹脂層62A、内側を内側樹脂層62Bとしている。外側樹脂層62Aと内側樹脂層62Bとは、基材61に対して設けられる範囲が相違しており、外側樹脂層62Aは、基材61の全面に設けられているのに対し、内側樹脂層62Bは、基材61の一部を除く範囲で設けられている。
ここで、基材61は、コア軸方向において固定子コア20の長さ寸法(固定子コア20の軸方向厚さ)よりも大きい幅寸法(図の上下寸法)を有している。図8(a)において、R1,R2,R3は、絶縁シート26をスロット21内に収容した状態での固定子コア20に対する位置を示している。R1は、第1コイルエンド部47側において固定子コア20の軸方向端面よりも外側に突出する部位であり、R2は、スロット21内に収容される部位であり、R3は、第2コイルエンド部48側において固定子コア20の軸方向端面よりも外側に突出する部位である。絶縁シート26が固定子コア20に組み付けられた状態では、R1が拡張部65となり、R2が被収容部67となり、R3が突出部68となる。
図9は、固定子コア20に対する絶縁シート26及び導体セグメント40の組み付け手順を示す図である。
まず図9(a)に示すように、スロット21の横断面形状に合わせて折り曲げられた絶縁シート26が、スロット21内に挿入される。このとき、スロット21の内周面に沿わせ、かつ外側樹脂層62Aを含む絶縁シート26の一部が固定子コア20の軸方向両端よりも外側に配置されるようにして、スロット21内に絶縁シート26が挿入される。この工程がシート挿入工程である。
その後、図9(b)に示すように、拡張部形成用の治具70により、絶縁シート26の一端側に拡張部65が形成される。治具70は、テーパ状をなす圧着面を有する本体部71と、スロット21内において絶縁シート26間に入り込む先端部72とを有している。そして、その治具70を、コア軸方向において絶縁シート26に対して圧着させることにより、外側樹脂層62Aを固定子コア20の軸方向端面に押し付けるような状態にして、絶縁シート26に拡張部65が形成される。このとき、治具70は、例えば80〜100℃程度に加熱され、その治具70の熱刺激により、拡張部65における外側樹脂層62Aが膨張して樹脂膨張部66が形成される。この工程が拡張部形成工程である。
ここで、絶縁シート26には、導体セグメント40側となる内側面において少なくとも拡張部65の裏側となる部分を除く範囲で内側樹脂層62Bが設けられている。より詳しくは、図9(a)に示すように、絶縁シート26の上端から、コア端面よりもスロット内側となる位置までの範囲が、内側樹脂層62Bが設けられていない部位となっている。そして、拡張部形成工程では、絶縁シート26の内側面において内側樹脂層62Bが設けられていない部位に接触する状態で治具70がセットされ、当該治具70により拡張部65が形成される。
ちなみに、仮に絶縁シート26の内側面において内側樹脂層62Bに接触する状態で治具70がセットされ、その状態で拡張部65が形成されるものになっていると、治具70からの外部刺激(熱刺激)によって意図せず内側樹脂層62Bが発泡及び硬化してしまい、後述する巻線挿入工程において、導体セグメント40の挿入作業に支障が及ぶおそれがある。この点、内側樹脂層62Bの発泡及び硬化が生じないものとなっているため、導体セグメント40の挿入作業に支障が及ぶといった不都合が抑制される。
その後、図9(c)に示すように、固定子コア20の両端のうち拡張部65が形成された側から、スロット21内において絶縁シート26の内側に導体セグメント40が挿入される。この工程が巻線挿入工程である。このとき、導体セグメント40は、絶縁シート26に対して摩擦力を生じさせつつ押し込まれるが、絶縁シート26の拡張部65によって、絶縁シート26の位置ずれや脱落が抑制される。
そして、導体セグメント40の挿入が完了すると、図9(d)の状態となる。この状態では、各スロット21に挿入された導体セグメント40の端部どうしを接続する導体接続作業と、スロット21内の樹脂層62A,62Bを発泡及び硬化させる樹脂硬化作業とが行われる。
具体的には、導体接続作業として、固定子コア20の両端のうち拡張部65とは反対側において、各導体セグメント40が周方向に捻られた状態で端部どうしが溶接等により互いに接続される。このとき、導体セグメント40の捻り加工により、各導体セグメント40が図の下方に引き寄せられ、挿入側である第1コイルエンド部47の側においてスロット角部(図のX部)が絶縁シート26の基材61や導体セグメント40に食い込むことが考えられる。この点、上記構成では、絶縁シート26において各導体セグメント40の挿入側となる第1コイルエンド部47の側に、外側樹脂層62A、すなわち樹脂膨張部66が設けられているため、スロット角部が基材61や導体セグメント40に食い込むこと、さらにはその食い込みにより絶縁性が低下することが抑制される。
また、樹脂硬化作業として、固定子コア20及び導体セグメント40に対して同時に熱刺激が付与され、スロット21内の樹脂層62A,62Bが発泡及び硬化される。この工程が樹脂硬化工程である。このとき、絶縁シート26の内外両側において同時に樹脂層62A,62Bの発泡及び硬化が行われるため、樹脂層62A,62Bの均質化が可能になることに加え、作業時間の短縮が可能となっている。
樹脂硬化工程では、絶縁シート26の拡張部65とは反対側の端部において、突出部68における外側樹脂層62Aが膨張して樹脂膨張部69が形成される。この場合、樹脂膨張部69のアンカー効果により、絶縁シート26の軸方向の位置ずれが抑制されるようになっている。
本実施形態では、絶縁シート26の樹脂層62A,62Bを外部刺激により発泡及び硬化させる工程を2回に分けて設けており、1回目は、セグメント挿入前においてスロット外側の拡張部65に外部刺激を付与し、2回目はセグメント挿入後において拡張部65以外、又は拡張部65を含むシート全体に外部刺激を付与するようにしている。
なお、樹脂硬化作業は、導体接続作業が行われた後に行われる。ただし、その順序を逆にして、樹脂硬化作業を、導体接続作業が行われる前に行うことも可能である。
また、図6に示す固定子13の製造過程では、絶縁シート26の折り曲げ成形時において樹脂層62でのクラックや剥がれの発生が懸念される。また、固定子コア20に対して絶縁シート26を組み付ける際に、絶縁シート26の折り曲げ部B1,B2がスロット内壁に当たることで、その折り曲げ部B1,B2において外側の樹脂層62にクラック等が生じることが懸念される。さらに、絶縁シート26の内側に導体セグメント40を組み付ける際に、導体セグメント40の角部が絶縁シート26の折り曲げ部B1,B2に当たることで、その折り曲げ部B1,B2において内側の樹脂層62にクラック等が生じることが懸念される。
そこで、絶縁シート26において、導体セグメント40の折り曲げ部B1,B2に相当する部位で樹脂層62を部分的に無くし、それにより樹脂層62におけるクラック等の発生を抑制するようにしてもよい。
図10には、折り曲げ加工前の絶縁シート26を示しており、(a)はシート厚さ方向の断面図であり、(b)は絶縁シート26の外側面の平面図であり、(c)は絶縁シート26の内側面の平面図である。なお、絶縁シート26において、図の上側が第1コイルエンド部47の側となる部位であり、図の下側が第2コイルエンド部48の側となる部位である。図10(b)では、山折りとなるラインを一点鎖線で示し、(c)では、谷折りとなるラインを破線で示している。また、図11は、折り曲げ加工後の絶縁シート26を示す図である。
図10に示す絶縁シート26は、上述した図8の絶縁シート26との違いとして、基材61の折り曲げ部B1,B2に相当する部位で樹脂層62A,62Bの厚さを部分的にゼロにして、その厚さゼロの部分を厚さ調整部63としたものとなっている。なお、厚さ調整部63は、樹脂層62A,62Bが部分的に無くなっていることからすると、間引き部であるとも言える。厚さ調整部63は、絶縁シート26において基材61の折り曲げ部B1,B2を含む所定範囲で複数設けられ、その所定範囲の幅は例えば0.5〜20mm程度であるとよい。折り曲げ部の頂点からの距離で言えば、例えば0.3〜10mm程度で厚さ調整部63が設けられているとよい。樹脂層62A,62Bにおいて、厚さ調整部63の両隣となる部位はスロット21内において直線状に配置される部分であり、その直線部分では樹脂層62A,62Bの厚さが均等になっているとよい。
絶縁シート26において、図10(b)、(c)の左右方向が導体セグメント40に対して巻き付けが行われる巻き付け方向であり、上下方向が固定子コア20の軸方向である。樹脂層62A,62Bにおける厚さ調整部63は、コア軸方向の一端から他端に延びるように設けられている。絶縁シート26において、巻き付け方向(図10の左右方向)の両端部は互いに重ね合わされ、樹脂層62どうしが互いに接触して重なるようになっている。絶縁シート26には、その重ね合わせ部分の隣となる折り曲げ部B1を含む所定範囲に厚さ調整部63が設けられている。
図10に示す絶縁シート26の製造に際しては、例えば、基材61において厚さ調整部63に相当する部位にマスキングを施しておき、その状態で基材61の表面に樹脂層62A,62Bを塗布するとよい。又は、基材61の全面に樹脂層62A,62Bを塗布した後に、厚さ調整部63に相当する部位において樹脂層62A,62Bの除去を行うようにしてもよい。
ここで、絶縁シート26の内側面において、拡張部65の裏側となる部分を除く範囲に内側樹脂層62Bが設けられている場合には、スロット挿入前の折り曲げ加工において、絶縁シート26の入隅部分(内角側となる部分)にて内側樹脂層62Bが拡張部65の裏側に向けて膨らむことが考えられる。この場合、拡張部形成工程において、内側樹脂層62Bの膨らみ部分が意図せず治具70に接触してしまうことが懸念される。この点、図10(c)に示すように、絶縁シート26の内側面において折り曲げ部B1,B2に沿って延びる所定範囲に厚さ調整部63が設けられていることで、内側樹脂層62Bが意図せず治具70に接触してしまうことが抑制される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
固定子13において、固定子コア20の軸方向に絶縁シート26の位置がずれると、固定子コア20と固定子巻線30(導体セグメント40)との絶縁性が低下するおそれがある。この点、上記構成によれば、絶縁シート26には、固定子コア20の軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きでスロット21の外側に拡張された拡張部65が設けられているため、その拡張部65により絶縁シート26の位置ずれが抑制される。また特に、絶縁シート26において、スロット21の内周面に対向する側である外側面には、拡張部65を含む範囲で樹脂膨張部66(外側樹脂層62A)が設けられているため、その樹脂膨張部66によりコア端面に対する拡張部65の位置が保持される。そのため、絶縁シート26の位置ずれが一層好適に抑制される。その結果、固定子コア20のスロット21内において絶縁シート26を適正状態で保持することができる。
固定子13の製造時において、スロット21内に先入れされた絶縁シート26の内側に、導体セグメント40が挿入される場合には、そのセグメント挿入時の摩擦力により絶縁シート26が軸方向に押し込まれることが懸念される。しかしながら、上記構成によれば、セグメント組み付け時における絶縁シート26の位置ずれを抑制できる。
また、絶縁シート26の拡張部65において固定子コア20の軸方向端面の側に外側樹脂層62A(樹脂膨張部66)が設けられた構成であるため、固定子コア20の軸方向端部におけるスロット角部により絶縁シート26の基材61が破損するといった不都合が抑制される。したがって、スロット角部の面取り加工を省略できる等の効果を期待できる。
絶縁シート26において、スロット21の内周面に対向する側である外側面に、被収容部67を含む範囲で外側樹脂層62Aを設けたため、スロット21内において外側樹脂層62Aを介して絶縁シート26をスロット内周面に密着状態にすることができる。そのため、絶縁シート26の軸方向の位置ずれを適正に抑制できる。
絶縁シート26において、固定子コア20の軸方向両端のうち一方の端部に拡張部65を設けるとともに、他方の端部に突出部68を設け、それら拡張部65及び突出部68に、外側樹脂層62Aによりそれぞれ樹脂膨張部66,69を形成する構成とした。この場合、樹脂膨張部66,69のアンカー効果によって、絶縁シート26の軸方向の位置ずれを一層適正に抑制できる。
また、突出部68には、固定子コア20の軸方向端面の側に外側樹脂層62A(樹脂膨張部69)が設けられているため、拡張部65と同様に、固定子コア20の軸方向端部におけるスロット角部により絶縁シート26の基材61が破損するといった不都合が抑制される。したがって、スロット角部の面取り加工を省略できる等の効果を期待できる。
絶縁シート26において各導体セグメント40の挿入側となる第1コイルエンド部47の側に樹脂膨張部66(外側樹脂層62A)を設けたため、各導体セグメント40が周方向に捻られた状態で接続される場合に、スロット角部が基材61や導体セグメント40に食い込むこと、さらにはその食い込みにより絶縁性が低下することを抑制できる。
絶縁シート26の内側面に、拡張部65の裏側となる部分を除く範囲で内側樹脂層62Bを設ける構成とした。換言すれば、拡張部65におけるシート内側には内側樹脂層62Bを設けない構成とした。この場合、絶縁シート26の内側面に治具70を押し当てて拡張部65を形成する際において、その治具70の押し当てに伴う外部刺激により内側樹脂層62Bが発泡及び硬化(膨張変化)することが抑制される。したがって、拡張部65の内側において内側樹脂層62Bの発泡及び硬化が生じることに起因して導体セグメント40の挿入に支障が及ぶといった不都合を抑制できる。
固定子コア20のスロット21に挿入される絶縁シート26において、基材61の折り曲げ部B1,B2を含む所定範囲に、樹脂層62の厚さをゼロにすることで厚さ調整部63を設ける構成とした。これにより、基材61の折り曲げ部B1,B2においてクラックや剥がれ等が生じにくくなる。その結果、絶縁シート26について樹脂層62のクラック等の不具合を抑制することができる。
つまり、上記構成により、絶縁シート26を折り曲げる際に樹脂層62にクラックが生じたり、絶縁シート26をスロット21に挿入する際や絶縁シート26の内側に導体セグメント40を組み付ける際に樹脂層62のクラックや剥がれが生じたりすることを抑制できる。これにより、回転電機10の固定子13において固定子巻線30に対する絶縁性や固定力が意図せず低下するといった不都合を抑制できるものとなっている。
固定子コア20のスロット21が、バックコア部23と一対のティース24とフランジ25とに囲まれて形成されている場合、スロット21においては径方向外側(すなわちバックコア部23側)だけでなく、径方向内側にも角部が形成される。上記構成では、スロット21における径方向外側の第1角部A1と径方向内側の第2角部A2とに対応する折り曲げ部B1,B2においてそれぞれ樹脂層62の厚さが調整されているため、スロット21における径方向外側及び内側のいずれにおいても絶縁シート26で樹脂層62のクラック等を抑制することができる。
絶縁シート26を導体セグメント40に巻き付ける際には、導体セグメント40への絶縁シート26の組み付け後に巻き付け端部の重ね合わせの作業が行われ、その重ね合わせ部分の隣となる折り曲げ部B2において樹脂層62のクラック等が懸念される。この点、巻き付け端部が重なり合う部分の隣となる折り曲げ部B2を含む所定範囲において厚さ調整部63を設けたため、導体セグメント40への絶縁シート26の巻き付け時における樹脂層62のクラック等を好適に抑制することができる。
絶縁シート26の内側面において折り曲げ部B1,B2に沿って延びる所定範囲に厚さ調整部63が設けられているため、内側樹脂層62Bが意図せず治具70に接触してしまうことを抑制することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・上記図8の構成では、絶縁シート26の外側面(スロット内周部側の面)において、基材61の全面に外側樹脂層62Aを設ける構成としたが、これを例えば図12のように変更してもよい。図12には、図8と同様に、折り曲げ加工前の絶縁シート26を示しており、(a)はシート厚さ方向の断面図であり、(b)は絶縁シート26の外側面の平面図であり、(c)は絶縁シート26の内側面の平面図である。すなわち、図12(a)、(b)に示すように、絶縁シート26の外側面において、拡張部65と被収容部67との境界部分に、外側樹脂層62Aの厚さをゼロとした、又は部分的に隣り合う部位よりも薄くした厚さ調整部81を設けてもよい。
固定子13の製造過程においては、シート挿入工程で、厚さ調整部81が固定子コア20の軸方向端面の外側に配置されるようにして、スロット21内に絶縁シート26が挿入される。そしてその後、治具70により絶縁シート26の端部に拡張部65が形成される。このとき、拡張部65がコア端面に押し付けられるような状態になることで、厚さ調整部81に硬化性発泡樹脂が存在していなくても、又は硬化性発泡樹脂が少量しかなくても、図7等に示すように、厚さ調整部81に隣合う外側樹脂層62Aによってコア端面に樹脂膨張部66が形成される。
・絶縁シート26を図13、図14のように構成することも可能である。図13には、折り曲げ加工前の絶縁シート26を示しており、(a)はシート厚さ方向の断面図であり、(b)は絶縁シート26の外側面の平面図であり、(c)は絶縁シート26の内側面の平面図である。図14は、スロット21内に絶縁シート26と導体セグメント40とを挿入した状態を示す断面図である。
図13(a)、(b)に示すように、絶縁シート26の外側面には、シート折り曲げ状態での折り曲げ部B1,B2(図6参照)に沿って延びる第1範囲に、外側樹脂層62Aの厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部63が設けられるとともに、拡張部65の隣となる位置において第1範囲に交差するように延びる第2範囲に、樹脂層62の厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部81が設けられている。なお、厚さ調整部63,81は、外側樹脂層62Aの発泡及び硬化の後においてもスロット21内で空隙として残るような幅寸法で設けられている。
そして、上記図13の絶縁シート26を用いる場合、固定子13では、第1範囲に設けられる厚さ調整部63によって、スロット21内に固定子コア20の軸方向に延びる空隙が形成されるため、その空隙を利用した固定子巻線30の冷却が可能となる。さらに、第1範囲に交差するように延びる第2範囲にも厚さ調整部81が設けられているため、スロット21内の固定子巻線30を囲むようにして環状の空隙が形成されることになり、その環状の空隙により、スロット21の横断面方向の全体において固定子巻線30を冷却することが可能となっている。固定子巻線30を囲む環状の空隙は、図14に示すように、スロット21内において固定子コア20の軸方向端部であって、拡張部65の隣となる位置に設けられている。
・上記実施形態では、絶縁シート26の両面に樹脂層62A,62Bを設ける構成としたが、これを変更し、外側樹脂層62Aのみを設ける構成としてもよい。つまり、絶縁シート26の内側面に樹脂層を設けない構成としてもよい。この場合、スロット21内に導体セグメント40が挿入された後には、固定子コア20に付与される外部刺激により、被収容部67に設けられた外側樹脂層62Aが発泡及び硬化される。
・導体セグメント40は、断面矩形状をなすものに限られず、断面円形状をなすものであってもよい。
・回転電機は、車両に搭載される発電機、電動機、あるいはそれら両者の機能を発揮し得るものとして実用化できる。また、車両搭載以外の用途にて、上記構成の回転電機を用いることも可能である。
13…固定子、20…固定子コア、21…スロット、26…絶縁シート、30…固定子巻線、61…基材、62…樹脂層、65…拡張部。

Claims (10)

  1. 円環状をなし、周方向に複数のスロット(21)を有する固定子コア(20)と、
    前記スロットに巻装された固定子巻線(30)と、
    前記スロットにおいて前記固定子コアの内周面と前記固定子巻線との間に挟まれた状態で設けられる絶縁シート(26)と、
    を備える回転電機の固定子(13)であって、
    前記絶縁シートは、
    シート状の基材(61)と、
    前記基材の両面のうち少なくとも前記スロットの内周面に対向する側である外側面に設けられ、外部刺激により発泡及び硬化する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層(62)と、
    を有しており、
    前記絶縁シートには、前記固定子コアの軸方向端面よりも外側に、その軸方向端面に沿う向きで前記スロットの外側に拡張された拡張部(65)が設けられ、
    前記絶縁シートにおいて、前記外側面には前記拡張部を含む範囲で前記樹脂層が設けられている回転電機の固定子。
  2. 前記絶縁シートにおいて、前記固定子コアの軸方向両方の端部のうち一方の端部には前記拡張部が設けられ、他方の端部には、前記固定子コアの軸方向端面よりも外側に突出する突出部(68)が設けられており、
    前記絶縁シートの前記外側面には、前記突出部を含む範囲で前記樹脂層が設けられている請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記固定子巻線は、略U字状をなす複数の導体セグメント(40)を接続することで構成され、
    前記複数の導体セグメントは、前記固定子コアの軸方向両方の端部のうち一方の端部側から、所定ピッチで離間した2つの前記スロットに挿入されるとともに、他方の端部側において周方向に捻られた状態で端部どうしで互いに接続されており、
    前記固定子コアの前記一方の端部側に前記拡張部が設けられている請求項1又は2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記絶縁シートには、前記固定子巻線の側である内側面において少なくとも前記拡張部の裏側となる部分を除く範囲で前記樹脂層が設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記基材は、前記スロットの内周面における角部(A1,A2)に応じて形成された折り曲げ部(B1,B2)を有し、
    前記絶縁シートにおいて、前記外側面には、前記折り曲げ部に沿って延びる第1範囲と、前記拡張部の隣となる位置において前記第1範囲に交差するように延びる第2範囲とに、前記樹脂層の厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部(63,81)が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  6. 円環状をなし、周方向に複数のスロット(21)を有する固定子コア(20)と、
    前記スロットに巻装された固定子巻線(30)と、
    前記スロットにおいて前記固定子コアの内周面と前記固定子巻線との間に挟まれた状態で設けられる絶縁シート(26)と、
    を備える回転電機の固定子(13)の製造方法であって、
    前記絶縁シートは、
    シート状の基材(61)と、
    前記基材において前記スロットの内周面に対向する側となる外側面であって、かつ軸方向の端部となる位置に設けられ、外部刺激により発泡及び硬化する硬化性発泡樹脂よりなる樹脂層(62)と、
    を有し、前記基材は、前記軸方向において前記固定子コアの長さ寸法よりも大きい幅寸法を有しており、
    前記スロットの内周面に沿わせ、かつ前記樹脂層が前記固定子コアの軸方向端面よりも外側に配置されるようにして前記スロット内に前記絶縁シートを挿入するシート挿入工程と、
    その後、所定の治具(70)を用い、前記樹脂層を前記固定子コアの軸方向端面に押し付けるような状態にして、前記絶縁シートに、前記軸方向端面に沿う向きで前記スロットの外側に拡張された拡張部を形成する拡張部形成工程と、
    その後、前記固定子コアの軸方向両端のうち前記絶縁シートの前記拡張部が形成された側から、前記スロット内において前記絶縁シートの内側に前記固定子巻線を挿入する巻線挿入工程と、
    を有する回転電機の固定子の製造方法。
  7. 前記絶縁シートにおいて、前記外側面には、前記拡張部と前記スロット内に収容される被収容部(67)とに前記樹脂層が設けられており、
    前記スロット内に前記固定子巻線が挿入された後に、前記固定子コアに対して外部刺激を付与して、前記被収容部に設けられた前記樹脂層を発泡及び硬化させる樹脂硬化工程を有する請求項6に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  8. 前記絶縁シートにおいて、前記被収容部の内外両面に前記樹脂層が設けられており、
    前記樹脂硬化工程では、前記固定子コア及び前記固定子巻線に対して同時に外部刺激を付与して、前記被収容部に設けられた前記樹脂層を発泡及び硬化させる請求項7に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  9. 前記絶縁シートには、前記固定子巻線の側となる内側面において少なくとも前記拡張部の裏側となる部分を除く範囲で前記樹脂層が設けられており、
    前記拡張部形成工程では、前記絶縁シートの前記内側面において前記樹脂層が設けられていない部位に接触する状態で前記治具をセットし、当該治具により前記拡張部を形成する請求項6乃至8のいずれか1項に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  10. 前記シート挿入工程において、前記基材は、前記スロットの内周面における角部(A1,A2)に応じて折り曲げ加工され、
    前記絶縁シートの前記内側面には、前記拡張部の裏側となる部分を除く範囲に前記樹脂層が設けられ、かつ前記折り曲げ加工により形成される折り曲げ部(B1,B2)に沿って延びる所定範囲に、前記樹脂層の厚さをゼロとした又は部分的に薄くした厚さ調整部(63)が設けられている請求項9に記載の回転電機の固定子の製造方法。
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