JP2019020708A - 防眩性シートおよび防眩性合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】防眩性の定量的な評価方法を確立し、防眩性に優れた防眩性シートおよび当該防眩性シートを用いた防眩性合わせガラスを提供する。【解決手段】A光源を用いたときの視感透過率(%)をYA、D65光源を用いたときの視感透過率(%)をYD65としたときに、(YA−YD65)≦0である防眩性シートである。また、当該防眩性シートを2枚のガラス板で挟んだ構成を有する防眩性合わせガラスである。防眩性シートは、前記YD65が85%以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、防眩性シートおよび当該防眩性シートを有する防眩性合わせガラスに関するものである。
自動車の乗員や住宅の居住者にとって、強い太陽光が差し込むことによって生じる眩しさは、不快なものである。このような眩しさを低減させるために、防眩性を有したシートやガラス板等が従来から開発されている。
防眩性には、透過光に対する防眩性と反射光に対する防眩性とがある。反射光に対する防眩性をガラス板等に付与するためには、表面を粗面化させる方法が広く行われている。一方、透過光に対する防眩性をガラス板等に付与するためには、太陽光の一部の光を吸収する色素を含有させる方法が知られている。ここでは、透過光に対する防眩性を対象とする。
透過光に対する防眩性をガラス板等に付与する技術として、太陽光の一部の光を吸収する色素が、例えば、特許文献1、特許文献2等に開示されている。特許文献1には、テトラアザポルフィリン化合物を含有するガラス用中間膜が開示されている。また、特許文献2には、ネオジム化合物を含有する合わせガラス用中間膜が開示されている。
特許第5292651号公報 特開2007−55839号公報
シートやガラス板に防眩性を付与する方法を検討する際に、防眩性の程度を評価することが必要となる。防眩性の評価方法に関しては、複数の被験者を使った相対的な官能評価によるものが多く、定量的な評価方法はあまり知られていない。防眩性の定量的な評価方法が確立されると、透過光に対する防眩性に有効な色素をより効率的に選別し、抽出することが可能となる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、防眩性の定量的な評価方法を確立し、防眩性に優れた防眩性シートおよび当該防眩性シートを用いた防眩性合わせガラスを提供することを課題とする。
夕陽や朝陽は、比較的水平に近い方向から光が差し込むため、肉眼に飛び込み易く、交通車輌の運転者等の視界が遮られて、問題となる場合がある。そのため、夕陽や朝陽(以下適宜、夕陽と記載する。)の光に対する防眩性を有したシートやガラス板に対するニーズは高い。
そこで、夕陽に相当する波長の可視光線は遮り、それ以外の波長の可視光線を透過するという特性に着目した。夕陽は、可視光線の長波長領域の強度が高いスペクトルを有している。このような夕陽に近いスペクトルを有する光源としてA光源を採用し、日中の太陽光に近いスペクトルを有する光源としてD65光源を採用することとした。そして、A光源とD65光源に対する視感透過率の差が防眩性の評価指標となることを見出して、本発明に到達することができた。
すなわち、本発明は以下のような構成を有している。
(1)本発明の防眩性シートは、A光源を用いたときの視感透過率(%)をY、D65光源を用いたときの視感透過率(%)をYD65としたときに、(Y−YD65)≦0である。
(2)前記YD65は、85%以下であることが好ましい。
(3)前記防眩性シートは、フタロシアニン系化合物およびインダンスレン系化合物の少なくとも一方を含有することが好ましい。
(4)前記防眩性シートは、日射透過率が70%以下であることが好ましい。
(5)本発明の防眩性合わせガラスは、前記防眩性シートを2枚のガラス板で挟んだ構成を有している。
本発明の防眩性シートおよび防眩性合わせガラスは、夕陽に対する防眩性に優れている。
比較例の防眩性シートの透過率のスペクトルである。 実施例の防眩性シートの透過率のスペクトルである。 実施例の防眩性シートの透過率のスペクトルである。 A光源とD65光源の分光スペクトルである。
本発明の実施形態について説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明者は、防眩性を定量化するための方法として、夕陽に相当する波長の可視光線は遮り、それ以外の太陽光の可視光線を透過するという特性を用いることとした。
図4は、A光源とD65光源の分光スペクトルである。横軸は波長、縦軸は光強度を表している。可視光線の波長領域380〜780nmにおいて、D65光源の分光スペクトルは、太陽光に近いものであり、標準的な光源として従来から使用されている。一方、A光源の分光スペクトルは、波長が大きくなるにつれて光強度が大きくなるものであり、長波長すなわち赤色の光強度が大きい。
本発明者は、夕陽に近い可視光線の光源としてA光源を採用し、太陽光に近い可視光線の光源としてD65光源を採用した。すなわち、A光源が発する光が夕陽に相当する可視光線に相当し、D65光源が発する光がそれ以外の太陽光の可視光線に相当する。
さらに、本発明者は、JISにおける視感透過率という指標に着目した。一般に、視感透過率は、光源の放射スペクトル分布と明所視における平均的な人眼の比視感度関数との積から求められる。視感透過率の測定方法は、JIS T 7333:2005に規定されている。本発明者は、シートまたはガラス板(以下適宜、まとめて単に「シート」と記載する。)を透過してきた可視光線の強度を定量化するのに、上記視感透過率の考え方を利用し、光源毎の視感透過率Yを提示することとした。
すなわち、まず、可視光線の波長毎に、光源の光強度、当該波長におけるシートの透過率および当該波長の比視感度関数の3者の積を求め、当該積の数値を380〜780nmの可視光線領域にわたって積分した数値を求めた。次に、同様にして、光強度と比視感度関数の2者の積を380〜780nmの可視光線領域にわたって積分した数値を求めた。前者の3者の積の積分値を後者の2者の積の積分値で割った数値として、視感透過率Y(%)を算出した。こうして得られた視感透過率Y(%)は、シートを透過して肉眼に入る光の感じ方(強さ)を定量化したものである。
以上の検討を踏まえて、光源としてA光源を用いたときにシートを透過してきた可視光線に対する視感透過率Yと、光源としてD65光源を用いたときにシートを透過してきた可視光線に対する視感透過率YD65を求めた。さらに、YとYD65の差の値(Y−YD65)を求めた。
D65の数値に比べてYの数値が大きいほど、夕陽の光を強く感じることとなり、眩しく感じることとなる。一方、Yの数値に比べてYD65の数値が大きいほど、夕陽の光の感じ方が低減し、眩しさは感じにくくなる。すなわち、(Y−YD65)が、正の値であって、絶対値が大きい値ほど当該シートの防眩性が劣ると判定することができる。一方、(Y−YD65)が、負の値であって、絶対値が大きい値ほど当該シートの防眩性が優れていると判定することができる。
以上のことから、YとYD65との差の値(Y−YD65)を防眩性の評価指標として用いることとした。(Y−YD65)≦0であるシートは、防眩性が優れているシートと判定される。
本発明者は、上記の防眩性の定量的な評価方法を用いて、透過光に対する防眩性に有効な色素の選定を進めた。図1〜図3は、各種の色素を含有したシートA〜G、X〜Zの透過率のスペクトルを示したものである。横軸は波長、縦軸は透過率を表している。シートA〜G、X〜Zは後記する実施例におけるシートA〜G、X〜Zに相当するシートである。
シートA〜Cは、シート中にメロシアニン染料を含有するものであり、シートDはアンスラキノン染料を含有するものであるが、いずれのシートも(Y−YD65)は正の値であり、防眩性に劣っていた。一方、シートE〜Gはフタロシアニン化合物を含有するものであり、シートX〜Zはインダンスレン化合物を含有するものであるが、いずれのシートも(Y−YD65)は負の値であり、防眩性に優れていた。
図1には、防眩性に劣るシートA〜Dの透過率のスペクトルが示されており、図2には、防眩性に優れたシートE〜Gの透過率のスペクトル、図3には防眩性に優れたシートX〜Zの透過率のスペクトルが示されている。両者のスペクトルの比較から、防眩性に優れたシートは、夕陽の可視光線において光強度が大きい600〜750nmの波長領域に透過率が最小となる最大吸収波長を有している。一方、防眩性に劣るシートは、当該波長領域に透過率が最小となる最大吸収波長を有していない。すなわち、防眩性シートは、600〜750nmに最大吸収波長を有することが好ましい。
フタロシアニン系化合物は、フタル酸イミドが環状につながった化合物であり、金属元素と結合して、安定な錯体を形成する。金属元素の種類や環状化合物に結合した官能基の種類等を変えることによって、種々の吸収スペクトルを有した化合物となる。多くのフタロシアニン系化合物の中から、600〜750nmに最大吸収波長を有する化合物を選択して、シート中に含有させることによって、600〜750nmに最大吸収波長を有する防眩性に優れたシートとすることができる。600〜750nmに最大吸収波長を有するフタロシアニン系化合物としては、例えば、ε型フタロシアニン(銅)顔料、β型フタロシアニン(銅)顔料、フタロシアニン(コバルト)染料、フタロシアニン(銅)染料、フタロシアニン(ニッケル)染料、フタロシアニン(酸化バナジウム)染料、フタロシアニン(白金)染料、等が挙げられる。括弧内の金属は、環状構造の分子の中心部に存在する金属元素や金属化合物を意味する。フタロシアニン系化合物は、結晶構造(β型、ε型等)によって、吸収スペクトルが異なることがある。水や溶剤に不溶のときは顔料となり、水や溶剤に溶解するときは染料となる。これらの中では、防眩性と耐光性を向上させる観点からβ型またはε型フタロシアニンの顔料が好ましい。
インダンスレン系化合物は、2−アミノアントラキノンをカリウム塩の存在下で、水酸化カリウムで処理することにより得られる有機化合物である。インダンスレン系化合物は、結晶構造(α型、β型、γ型、δ型等)によって、吸収スペクトルが異なることがある。水や溶剤に不溶のときは顔料となり、水や溶剤に溶解するときは染料となる。これらの中では、防眩性と耐光性を向上させる観点からα型またはδ型のインダンスレンの顔料が好ましい。
本実施形態の防眩性シートは、上記のように所定の色素(顔料、染料)を含有している。シートに色素を含有させる方法は、特に限定されない。シートを構成する樹脂中に色素を練り込んで製膜する方法、シート表面に色素を含有する皮膜を形成する方法、シート表面に色素を含有する接着層を形成する方法、色素を含有するシートと積層する方法等、いずれの方法であっても構わない。シート表面に色素を含有する皮膜を形成する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を溶剤に溶かして、色素を混合し、その溶液をシート上にコーターを用いて塗工し、乾燥、硬化させることによって形成することができる。フタロシアニン系化合物およびインダンスレン系化合物の含有量は、特に限定されないが、乾燥後の質量で樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度が好ましく、1〜10質量部程度がより好ましい。また、フタロシアニン系化合物およびインダンスレン系化合物の形成量は、特に限定されないが、0.01〜0.5g/m程度が好ましく、0.02〜0.5g/m程度がより好ましい。
防眩性シートを構成する材料としては、通常、透明樹脂や透明ガラスが使用される。透明樹脂としては、アクリル系、ポリカーボネート系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、水添環状樹脂、フッ素系、シリコーン系、ウレタン系など種々の樹脂が使用できる。防眩性シートの用途や目的に応じて、これらの樹脂を使い分けることができる。これらの透明樹脂の中では、耐候性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系が好ましい。シートの厚さは、用途や使い方に応じて適宜設定することができる。
防眩性シートは、夕陽の光以外の可視光線はある程度透過することが好ましい。具体的には、D65光源を用いたときの視感透過率(%)をYD65としたときに、YD65が20%以上であることが好ましい。一方、防眩性を向上する観点からは、YD65が85%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
防眩性シートの可視光線に対する透明性を確保するために、防眩性シートは、ヘイズが3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
防眩性シートは、日射透過率が70%以下であることが好ましい。ここで、日射透過率とは、波長300〜2500nmの範囲の可視光線に対する透過率である。日射透過率は、JIS R3106:1998に準拠して、赤外反射測定機を用いて測定することができる。日射透過率が70%以下であると、熱線の透過が抑制されて、遮熱性が増大する。日射透過率は60%以下であると、より好ましい。
防眩性シートは、JIS Z8722:2009に準拠して測定される色度a値、b値がそれぞれ0以下であることが好ましい。色度a値は、D65光源において−50以上、−10以下であり、A光源において−80以上、−40以下であることが好ましい。一方、色度b値は、D65光源において−70以上、−40以下であり、A光源において−80以上、−50以下であることが好ましい。色度a値、b値のいずれの場合も、D65光源のときの値よりA光源のときの値の方が小さいことがより好ましい。このとき、値(Y−YD65)を効果的に小さくすることができる。また、夕陽と日中における物の色の見え方の差を小さくすることができる。
シートの両側に接着層を設けて、2枚のガラス板で挟んだ構成とすることによって、合わせガラスが形成される。上記の防眩性シートを2枚のガラス板で挟んだ構成とすることによって、防眩性合わせガラスとすることができる。合わせガラスを製造する方法は、公知の方法を適宜用いることができ、特に限定されない。合わせガラスに使用されるガラスとしては、ソーダ石灰ガラスが代表的なものである。
接着層としては、遮熱フィルムとガラス板との中間層として汎用的に使用される樹脂膜であれば特に制限されないが、可視光線領域や赤外線領域に吸収が少ないものが好ましい。
接着層に使用される接着剤としては、例えば、室温では粘着性がないが、加熱処理することによって、粘着性・接着性を発現し、各層間を接着させることを可能とする接着剤がある。また、接着層に使用される接着剤としては、例えば、室温で粘着性を有しており、ガラス板に貼り合せるまでは接着層が剥離シートで保護されており、貼り合せるときに剥離シートを剥がしてから、ガラス板との接着に供されるという使い方の接着剤がある。
接着層に使用される接着剤としては、具体的に、ポリビニルブチラール系樹脂(PVB系樹脂)等のポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(EVA系樹脂)、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
接着層に使用される接着剤は、公知の方法を用いて製造したものでもよいが、市販品を利用してもよい。市販品としては、例えば、積水化学工業社製や三菱樹脂社製の可塑化PVB、デュポン社製や武田薬品工業社製のEVA樹脂、東ソー社製の変性EVA樹脂等がある。接着層の厚さは、100〜1000μmであることが好ましい。
接着層に使用される接着剤には、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
本実施形態の防眩性シートは、防眩性に優れていることから、自動車等の交通車輌の窓、建物の窓等において、窓ガラスに防眩性シートを貼り合わせて利用することができる。また、防眩性合わせガラスを窓ガラスとして利用することもできる。
本実施形態を下記の実施例によって、さらに具体的に説明する。
(1)使用色素
(i)メロシアニン染料FDB004(山田化学工業社製)
(ii)メロシアニン染料FDB007(山田化学工業社製)
(iii)メロシアニン染料FDG003(山田化学工業社製)
(iv)アンスラキノン染料Violet A-R(日本化薬社製)
(v)ε型フタロシアニン(銅)顔料、PB 15:6(D50=70nm)、MHIブルー#C362M(御国色素社製)
(vi)β型フタロシアニン(銅)顔料、PB 15:3(D50=130nm)、HTPブルー#B012M(御国色素社製)
(vii)α型インダンスレン顔料、C.I.ピグメントブルー60(D50=110nm)、MHIブルー#PD-289M(御国色素社製)
(2)塗工液の調製
(i)染料系の塗工液(シートA〜Dの場合)
MIBK(メチルイソブチルケトン)4gに表1に記載の色素0.06gを溶解させた。当該溶液に綜研化学社製アクリル樹脂塗料(サーモラックEF43 メタクリル酸エステル共重合物:トルエン:IPA=50:25:25)4gおよびヘキサメチレンジイソシアネート0.04gを添加して、塗工液(固形分濃度26.1%)を調製した。
(ii)顔料系塗工液(シートE〜Gの場合)
MIBK4.22gに表1に記載の色素0.137g(シートFのときは0.040g)を分散させた。当該分散液に、綜研化学社製アクリル樹脂塗料(サーモラックEF43、メタクリル酸エステル共重合物:トルエン:IPA=50:25:25)4gおよびヘキサメチレンジイソシアネート0.04gを添加して、塗工液(固形分濃度26.1%)を調製した。
(iii)顔料系塗工液(シートX〜Zの場合)
MIBK5.139gに表1に記載の色素0.571gおよび分散剤を添加して分散させた。当該分散液に、アイカ工業社製紫外線硬化型アクリル樹脂塗料(Z-607-9AFH、固形分40%)100gを添加して、塗工液(固形分濃度38.6%)を調製した。
(3)シートA〜Gの作製
PETフィルム(東洋紡社製A4300、100μm厚)にメイヤーバーを用いて、上記の塗工液をコーティングし(塗工量:固形分で4〜20g/m)、120℃で3分間乾燥させて、シートA〜Gを作製した。
(4)シートX〜Zの作製
PETフィルム(東洋紡社製A4300、50μm厚)にメイヤーバーを用いて、上記の塗工液をコーティングし(塗工量:固形分で1〜10g/m)、80℃で1分間乾燥させた。その後、塗工面に高圧水銀灯にて紫外線(積算光量200mJ/cm)を照射することで硬化させ、シートX〜Zを作製した。
<評価項目>
(1)光学特性
分光光度計(島津製作所社製、Solid Spec−3700)を用い、各シートから切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを300〜2100nmの波長範囲で測定した。光源として、D65光源とA光源を使用した。
測定項目:
・最大吸収波長
・視感透過率Y:JIS T 7333:2005準拠
・色度a、b:JIS Z 8722:2009準拠
・日射透過率:JIS R3106:1998準拠
・ヘイズ:ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH7000)使用、JIS K7136:2000準拠
(2)耐光性
(2−1)サンプル作製
(i)粘着剤組成物の調製
下記組成の粘着剤組成物を調製した。
アクリル系粘着剤、SKダイン1429DT、綜研化学社製、41.820g
アルミ錯体系硬化剤、AD-5A、綜研化学社製、1.300g
UV吸収剤、Tinuvin477(ヒドロキシフェニルトリアジン系)BASF社製、0.390g
溶剤、MEK、6.490g
合計50.000g
粘着剤組成物の固形分濃度:26質量%
(ii)粘着層の調製
シリコーンで処理されたセパレータフィルム(三菱樹脂社製、PETフィルムセパレータ、MRF、25μm厚さ)上に上記組成の粘着剤組成物をアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、20μm厚さの粘着層を有した離型シートを作成した。
(iii)シートA〜G、X〜Zとガラス板との貼り合わせ
上記粘着層を有した離型シートをシートA〜G、X〜Zの塗工面に貼り合わせた後、セパレータフィルムを剥離して、粘着層をシートA〜G、X〜Zの塗工面上に積層させた。その後当該粘着層を介して、シートA〜G、X〜Zとアルカリガラス(2mm)とを貼り合わせた。
(2−2)耐光性試験
スガ試験機社製、キセノンウェザオメータXL75を用いて実施した。
キセノン光照射試験条件:放射照度180W/m(300〜400nm)、ブラックパネル温度63℃、槽内湿度40%RH、40日間。
キセノン光を照射する照射面はガラス板側とした。
耐光性試験の評価基準:耐光性試験の前後で最大吸収波長の透過率変化量が、3%未満の場合は「〇」、3%以上5%未満の場合は「△」、5%以上の場合は「×」とした。
シートA〜G、X〜Zの評価結果を表1に示した。
Figure 2019020708
表1から分かるように、シートE〜G、X〜Zは、(Y−YD65)≦0を満足し、防眩性に優れていた。また、シートE〜Gは、日射透過率が70%以下であり、遮熱性に優れ、ヘイズも2%以下で良好であった。また、シートE〜G、X〜Zは、耐光性にも優れていた。
一方、シートA〜Dは、(Y−YD65)≦0を満足せず、防眩性に劣っていた。また、シートA〜Dは、日射透過率が70%を超えており、遮熱性に劣っていた。また、シートA〜Cは、耐光性も劣っていた。

Claims (5)

  1. A光源を用いたときの視感透過率(%)をY、D65光源を用いたときの視感透過率(%)をYD65としたときに、(Y−YD65)≦0である防眩性シート。
  2. 前記YD65が85%以下である請求項1に記載の防眩性シート。
  3. フタロシアニン系化合物およびインダンスレン系化合物の少なくとも一方を含有する請求項1または請求項2に記載の防眩性シート。
  4. 日射透過率が70%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の防眩性シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩性シートを2枚のガラス板で挟んだ構成を有する防眩性合わせガラス。
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