JP2019019713A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】低負荷領域での運転が続くような場合であっても、部品を追加することなく、少なくとも一つの排気通路で酸化触媒を活性化させてフィルタの再生を可能とする。【解決手段】制御装置は、再生モード中に(S100にてYES)、エンジンの運転領域が低負荷運転領域であって(S102にてYES)、かつ、排気の温度がしきい値以下である場合には(S104にてYES)、偏差噴射処理を実行するステップ(S106)と、エンジンの運転領域が低負荷運転領域でない場合(S102にてNO)、あるいは、排気の温度がしきい値よりも高い場合(S104にてNO)、同量噴射処理を実行するステップ(S108)とを含む、制御処理を実行する。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関し、より詳しくは、内燃機関の排気浄化装置における排気に含まれる粒子状物質を捕集するためのフィルタを再生させる際の内燃機関の排気温度を制御する技術に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関においては、その排気経路上に、内燃機関から排出される排気を浄化するための排気浄化装置が設けられる。排気浄化装置は、たとえば、排気に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するPM除去フィルタと、その上流に配置される酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)と、排気に燃料を添加する燃料添加装置とを含んで構成される。PM除去フィルタで捕集されるPMの量、すなわちPM堆積量が多くなると、フィルタが目詰まりを起こして排気の圧損が増加する。このため、PM堆積量が所定値以上となるとPM除去フィルタを昇温させることによってPM除去フィルタに堆積したPMを燃焼除去する、所謂、PM除去フィルタの再生が行なわれる。
PM除去フィルタの再生では、PM除去フィルタの上流に設けられた酸化触媒が活性温度以上になると、燃料添加装置から排気に燃料が添加される。排気に添加された燃料は酸化触媒において反応し、その反応熱によって排気の温度がPM除去フィルタの再生が可能な温度にまで昇温する。そして、高温となった排気がPM除去フィルタに流れることで、PM除去フィルタの温度が高温となり、PM除去フィルタに堆積するPMが燃焼除去される。
ところで、左右バンクを有するV型のディーゼルエンジンにおいては、2本の排気管がエンジン本体に並列的に接続される場合がある。この場合、2本の排気管の各々において、酸化触媒とPM除去フィルタとがこの順に設けられる。そして、PM除去フィルタの再生が行なわれる場合には、2本の排気管のそれぞれに設けられた酸化触媒が活性化温度以上になると各排気管において燃料の添加が実行され、添加された燃料が各酸化触媒で反応することで排気温度が高温となり、PM除去フィルタに堆積するPMが燃焼除去される。
たとえば、特開2007−56756号公報(特許文献1)には、V型エンジンに接続される2本の排気管の各々に設けられる排気浄化装置を昇温する技術が開示される。
しかしながら、アイドル運転のような低負荷領域での内燃機関の使用が頻繁になると、内燃機関から排出される排気の温度が低くなって酸化触媒がなかなか活性化温度まで上昇しないので、燃料を排気に添加してPM除去フィルタの再生を実行する機会が少なくなってしまう。その結果、再生完了までに要する時間が長くなり、再生制御において排気に添加される燃料の量が多くなって燃費が悪化する。また、再生がなかなか実行されないことで、PM除去フィルタへのPM堆積量が過大になって排気の圧損が増加し、エンジン性能を悪化させてしまうという虞がある。なお、排気絞り弁の追加設定やバルブタイミング調整装置の追加採用等によって、内燃機関の低負荷域での使用が頻繁になったとしても排気温度を酸化触媒の活性化温度以上にするという方法も考えられるが、追加部品を設けることになってしまう。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の排気通路のそれぞれにフィルタと酸化触媒が設けられた内燃機関の排気浄化装置において、低負荷領域での運転が続くような場合であっても、部品を追加することなく、少なくとも一つの排気通路で酸化触媒を活性化させてフィルタの再生を可能とする内燃機関の排気浄化システムを提供することである。
この発明のある局面に係る内燃機関の排気浄化システムは、エンジン本体に設けられる複数の気筒群にそれぞれ接続される互いに独立した複数の排気通路と、複数の排気通路のそれぞれに設けられ、排気通路内を流通する排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと排気の流れに対してフィルタよりも上流側に設けられる酸化触媒とを有する排気浄化装置と、複数の気筒群のそれぞれに燃料を噴射する複数の燃料噴射装置と、複数の燃料噴射装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、フィルタの再生要求がある場合であって、かつ、内燃機関の運転領域が低負荷運転領域である場合には、複数のフィルタのうちの対象フィルタが設けられた排気通路における酸化触媒を活性化させるように、対象フィルタに対応する気筒群に対して燃料噴射装置から噴射される燃料の量を、他のフィルタに対応する気筒群に対して燃料噴射装置から噴射される燃料の量よりも多くする偏差噴射処理を行なう。
このようにすると、内燃機関の低負荷運転領域においては、対象フィルタに対応する気筒群への燃料の噴射量が他のフィルタに対応する気筒群への燃料の噴射量よりも多くなるため、対象フィルタが設けられる排気通路を流通する排気の温度を上昇させることができる。そのため、対象フィルタより上流側に設けられた酸化触媒を活性化させることができる。その結果、対象フィルタの再生の機会が増えるので、対象フィルタの再生を早期に完了させることができる。
好ましくは、制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて内燃機関に供給すべき燃料の量である供給燃料量を決定し、供給燃料量に対する、対象フィルタに対応する気筒群に対して噴射される燃料の量の割合が他のフィルタに対応する気筒群に対して噴射される燃料の量の割合よりも大きくなるように複数の燃料噴射装置を制御する。
このようにすると、対象フィルタの温度を再生可能な温度範囲内に速やかに昇温させるとともに、決定された供給燃料量を超えて燃料が供給されることが抑制されるため、燃費の悪化を抑制することができる。
さらに好ましくは、制御装置は、複数のフィルタのうちの粒子状物質の堆積量が最も多いフィルタを対象フィルタに設定する。
このようにすると、粒子状物質の堆積量の多い対象フィルタよりも上流側に設けられた酸化触媒を活性化させることができる。そのため、対象フィルタの温度を再生可能な温度範囲内に速やかに昇温させることが可能となる。その結果、対象フィルタの再生の機会が増えるので、対象フィルタの再生を早期に完了させることができる。
さらに好ましくは、制御装置は、内燃機関の運転領域が低負荷運転領域であって、かつ、複数の排気通路のそれぞれを流れる排気の温度がしきい値よりも低い場合に、偏差噴射処理を行ない、内燃機関の運転領域が低負荷運転領域であって、かつ、複数の排気通路のそれぞれを流れる排気の温度がしきい値よりも高い場合に、複数の気筒群に対して同量の燃料を噴射する同量噴射処理を行なうように複数の燃料噴射装置を制御する。
このようにすると、排気の温度がしきい値よりも低い場合には、偏差噴射処理が行なわれることによって対象フィルタより上流側に設けられた酸化触媒を活性化させることができる。そのため、対象フィルタの温度を再生可能な温度範囲内に速やかに昇温させることが可能となる。一方、排気の温度がしきい値よりも高い場合には、同量噴射処理が行なわれることによって複数のフィルタより上流側にそれぞれ設けられた複数の酸化触媒を活性化させることができる。そのため、複数のフィルタの温度を再生可能な温度範囲内に昇温させることが可能となる。
さらに好ましくは、制御装置は、偏差噴射処理を行なう場合に、気筒群毎の出力トルクの差が小さくなるように、他のフィルタに対応する気筒群に対する燃料噴射装置において燃料の噴射態様を変更する。
このようにすると、対象フィルタに対応する気筒群に対する燃料噴射量と他のフィルタに対応する気筒群に対する燃料の噴射量とが異なる場合にも、噴射態様を変更することによって内燃機関の出力トルクに変動が生じないようにすることが可能となる。
この発明によると、複数の排気通路のそれぞれにフィルタと酸化触媒が設けられた内燃機関の排気浄化装置において、低負荷領域での運転が続くような場合であっても、部品を追加することなく、少なくとも一つの排気通路で酸化触媒を活性化させてフィルタの再生を可能とする内燃機関の排気浄化システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態におけるエンジン10の構成を示す図である。エンジン10は、燃焼室内で燃料と空気の混合気を燃焼して作動する内燃機関である。エンジン10は、たとえば、車両の駆動源として搭載される。本実施の形態においては、エンジン10は、たとえば、V型8気筒のディーゼルエンジンである場合を一例として説明する。
エンジン10は、エンジン本体15と、第1排気通路17と、第2排気通路19と、図示しない吸気通路とを備える。エンジン本体15は、第1バンク11aと第2バンク11bとを含む。第1バンク11aには、4つの気筒から構成される気筒群が設けられる。また、第2バンク11bにも、4つの気筒から構成される気筒群が設けられる。各気筒には、図示しない吸気ポートと排気ポートとが接続される。
第1バンク11aには、第1燃料噴射装置13aが設けられる。第1燃料噴射装置13aは、制御装置100から送信される制御信号に応じて第1バンク11aに設けられた気筒群の各気筒に対して燃料の供給動作を行なう複数のインジェクタを含む。インジェクタからの燃料の噴射量は、たとえば、インジェクタの開弁時間によって制御される。
第1排気通路17は、第1エキゾーストマニホールド12と、第1過給機16のタービンと、第1排気管20とによって構成される。第1排気管20には、第1排気浄化装置23が設けられる。第1排気浄化装置23は、第1排気温度センサ36と、第1酸化触媒24と、第1PM除去フィルタ28と、第1燃料添加装置32とを含む。
第1バンク11aの各気筒に接続される排気ポートには、第1エキゾーストマニホールド12が接続される。第1エキゾーストマニホールド12は、第1バンク11aの各気筒の排気ポートに接続されるヘッダーパイプと、複数のヘッダーパイプを集合させるコレクターとを有する。第1エキゾーストマニホールド12のコレクターの出口部は、第1過給機16に接続される。第1エキゾーストマニホールド12のコレクターの出口部の近傍には、排気に燃料を添加するための第1燃料添加装置32が設けられる。第1燃料添加装置32は、制御装置100によって制御される制御弁を含む。第1燃料添加装置32の制御弁が開弁することによって、第1エキゾーストマニホールド12内を流れる排気に燃料が添加される。燃料の添加量は、たとえば、制御弁の開弁する時間によって制御される。
第1過給機16は、タービンとコンプレッサとを有する。第1過給機16のコンプレッサの流入口には、外部から吸入された空気が流通する吸気通路(図示せず)が接続される。第1過給機16のコンプレッサの流出口には、インタークーラ(図示せず)を介してエンジン10のインテークマニホールド(図示せず)に接続される。インテークマニホールドは、分岐して第1バンク11aおよび第2バンク11bの各気筒の吸気ポートに接続される。第1過給機16のタービンの流入口には、第1エキゾーストマニホールド12のコレクターの出口部が接続される。第1過給機16のタービンの流出口には、第1排気管20の一方端が接続される。
第1排気温度センサ36は、第1過給機16のタービン通過後の第1排気管20内の排気の温度を検出する。第1排気温度センサ36は、検出された第1排気管20内の排気の温度を示す信号を制御装置100に送信する。
第1PM除去フィルタ28は、第1排気管20を流通する排気中のPMを捕集する。第1PM除去フィルタ28は、たとえば、セラミックやステンレス等によって形成される。捕集されたPMは、第1PM除去フィルタ28に堆積することとなる。
上述の第1燃料添加装置32と第1酸化触媒24とは、第1PM除去フィルタ28に堆積したPMを燃焼させ、除去する(再生する)再生機構として機能する。第1酸化触媒24は、排気の流れに対して第1PM除去フィルタ28の上流側に設けられる。第1酸化触媒24は、排気が通過することを許容し、通過する排気中の窒素酸化物(NOx)および炭素酸化物(COx)などを酸化するとともに、第1燃料添加装置32から供給された燃料を酸化する。燃料の酸化に伴う反応熱によって第1酸化触媒24を通過する排気の温度が上昇する。第1酸化触媒24で昇温されて高温になった排気が第1PM除去フィルタ28を通過することによって第1PM除去フィルタ28に堆積したPMが酸化除去される(燃焼させられる)。これにより第1PM除去フィルタ28が再生される。
なお、第2バンク11b、第2燃料噴射装置13b、第2エキゾーストマニホールド14、第2過給機18、第2排気通路19、第2排気管22、第2排気浄化装置25、第2酸化触媒26、第2PM除去フィルタ30、第2燃料添加装置34、第2排気温度センサ38は、第1バンク11a、第1燃料噴射装置13a、第1エキゾーストマニホールド12、第1過給機16、第1排気通路17、第1排気管20、第1排気浄化装置23、第1酸化触媒24、第1PM除去フィルタ28、第1燃料添加装置32、第1排気温度センサ36とそれぞれ同様の構成であり、同様の機能を有する。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
エンジン10の動作時に生じる排気の経路としては、第1バンク11aに設けられる各気筒の排気ポートから第1エキゾーストマニホールド12および第1過給機16を経由して第1排気管20を流通する経路と、第2バンク11bに設けられる各気筒の排気ポートから第2エキゾーストマニホールド14および第2過給機18を経由して第2排気管22を流通する経路とがある。
エンジン10の動作は、制御装置100によって制御される。制御装置100は、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)と、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)と、CPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)と、外部との情報のやり取りを行なう入・出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。入力ポートには、上述したセンサ類(たとえば、第1排気温度センサ36および第2排気温度センサ38等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、第1燃料噴射装置13a、第2燃料噴射装置13b、第1燃料添加装置32および第2燃料添加装置34等)が接続される。
制御装置100は、入力ポートに接続された各機器から信号を受信し、受信した信号に基づいて出力ポートに接続された各機器に制御信号を送信することによって出力ポートに接続された各機器を制御する。制御装置100は、たとえば、アクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と記載する)および車両の速度等に基づいてエンジンの運転状態を予測し、そのエンジンの運転状態に基づいて1サイクル当たりの第1燃料噴射装置13aからの1気筒当りの燃料噴射量と、第2燃料噴射装置13bからの1気筒当りの燃料噴射量とを設定する。そして、制御装置100は、設定された燃料噴射量に基づいて第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bを制御する。本実施の形態における内燃機関の排気処理システムは、第1燃料噴射装置13aと、第2燃料噴射装置13bと、第1排気通路17と、第2排気通路19と、第1排気浄化装置23と、第2排気浄化装置25と、制御装置100とによって構成される。
以上のような構成を有するエンジン10においては、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30におけるPMの堆積量が多くなると、フィルタ部分が目詰まりを起こし排気の圧損が大きくなってエンジン性能が低下する場合がある。そのため、制御装置100は、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30を再生するための再生制御を実行する。
より具体的には、制御装置100は、第1PM除去フィルタ28により捕集されたPMの第1堆積量PM(1)を取得する。制御装置100は、たとえば、エンジン10の運転条件(たとえば、エンジン回転数や第1バンク11aに設けられる気筒群への燃料噴射量や吸入空気量等)から第1バンク11aの気筒群からのPMの排出量の推定値を算出する。制御装置100は、算出された推定値を積算することによって第1堆積量PM(1)を取得する。同様に、制御装置100は、第2PM除去フィルタ30により捕集されたPMの第2堆積量PM(2)を取得する。なお、PMの排出量の具体的な算出方法については周知の技術を用いればよくその詳細な説明は行なわない。
制御装置100は、第1堆積量PM(1)および第2堆積量PM(2)のうちの少なくともいずれかがしきい値を超える場合に、再生モードフラグをオン状態にして、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の再生を行なうための再生制御を実行する。
このとき、制御装置100は、各排気通路に配置された第1酸化触媒や第2酸化触媒の温度が活性温度以上であると判断した場合に、第1燃料添加装置32または第2燃料添加装置34から燃料添加を開始する。制御装置100は、たとえば第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の温度がそれぞれ目標温度となるような燃料の添加量を設定し、設定された燃料の添加量に従って第1燃料添加装置32および第2燃料添加装置34を制御する。
上述のような再生制御により、第1PM除去フィルタ28では、第1燃料添加装置32から排気に燃料が添加され、添加された燃料が第1酸化触媒24で反応し、その反応熱によって排気が昇温する。そして、高温となった排気が第1PM除去フィルタ28に流れることによって、第1PM除去フィルタ28の温度が、第1PM除去フィルタ28の再生が可能な温度範囲内の目標温度まで昇温し、第1PM除去フィルタ28内のPMが燃焼される。制御装置100は、第1PM除去フィルタ28の温度が目標温度を維持した状態で所定時間が経過した場合に、第1PM除去フィルタ28の再生が完了したと判定する。
第2PM除去フィルタ30では、第2燃料添加装置34から排気に燃料が添加され、添加された燃料が第2酸化触媒26で反応し、その反応熱によって排気が昇温する。そして、高温となった排気が第2PM除去フィルタ30に流れることによって、第2PM除去フィルタ30の温度が目標温度まで昇温し、第2PM除去フィルタ30内のPMが燃焼される。制御装置100は、第2PM除去フィルタ30の温度が目標温度を維持した状態で所定時間が経過した場合に、第2PM除去フィルタ30の再生が完了したと判定する。
しかしながら、アイドル運転のような低負荷領域での内燃機関の使用が頻繁になると、エンジン10から排出される排気の温度が低くなって第1酸化触媒24や第2酸化触媒26がなかなか活性化温度まで上昇しないので、燃料を排気に添加してPM除去フィルタの再生を実行する機会が少なくなってしまう。その結果、再生完了までに要する時間が長くなり、再生制御において排気に添加される燃料の量が多くなって燃費が悪化する。また、再生がなかなか実行されないことで、PM除去フィルタへのPM堆積量が過大になって排気の圧損が増加し、エンジン性能を悪化させてしまうという虞がある。なお、排気絞り弁の追加設定やバルブタイミング調整装置の追加採用等によって、エンジン10の低負荷域での使用が頻繁になったとしても排気の温度を酸化触媒の活性化温度以上にするという方法も考えられるが、追加部品を設けることになってしまう。
そこで、本実施の形態においては、制御装置100は、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の再生要求がある場合であって、かつ、エンジン10の運転領域が低負荷運転領域である場合には、複数のフィルタのうちの対象フィルタが設けられた排気通路における酸化触媒を活性化させるように、対象フィルタに対応する気筒群に対して燃料噴射装置から噴射される燃料の量を、他のフィルタに対応する気筒群に対して燃料噴射装置から噴射される燃料の量よりも多くする偏差噴射処理を行なう。
このようにすると、エンジン10の低負荷運転領域においては、少なくとも対象フィルタが設けられる排気通路を流通する排気の温度を上昇させることができる。そのため、排気の流れに対して対象フィルタよりも上流側に設けられる酸化触媒を活性化させることができる。その結果、燃料添加の実行機会が増えて、低負荷運転領域であってもフィルタの再生制御を実行することができる。なお、本実施の形態において「対象フィルタ」は、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30のうちのいずれか一方に対応し、「他のフィルタ」は、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30のうちのいずれか他方に対応し、「気筒群」は、第1バンク11aに設けられる気筒群および第2バンク11bに設けられる気筒群のうちのいずれかに対応する。
図2を参照して、本実施の形態における制御装置100で実行される制御処理について説明する。図2は、制御装置100で実行される制御処理を示すフローチャートである。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、制御装置100は、再生モード中であるか否かを判定する。制御装置100は、たとえば、上述の再生モードフラグがオン状態である場合に、再生モード中である(すなわち、フィルタの再生要求がある)と判定する。再生モード中であると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。
S102にて、制御装置100は、エンジン10の運転領域が低負荷運転領域であるか否かを判定する。
制御装置100は、たとえば、エンジン10に対する出力要求値と、エンジン10の回転数(以下、エンジン回転数と記載する)とに基づいてエンジン10の運転領域が低負荷運転領域であるか否かを判定する。
具体的には、制御装置100は、たとえば、出力要求値としてのアクセル開度と、エンジン回転数とが図3に示す斜線の領域内である場合にエンジン10の運転領域が低負荷領域であると判定する。制御装置100は、たとえば、アクセルペダルのストローク量を検出するセンサ(図示せず)からの検出信号を用いてアクセル開度を取得する。また、制御装置100は、たとえば、エンジン10のクランク角を検出するセンサ(図示せず)からの検出信号を用いてエンジン回転数を取得する。
図3は、低負荷運転領域を説明するための図である。図3の縦軸は、アクセル開度を示す。図3の横軸は、エンジン回転数を示す。図3に示す低負荷運転領域としては、境界線と縦軸と横軸とによって囲まれる領域が設定される。
この境界線は、エンジン回転数が増加するほどアクセル開度が減少する所定の傾きを有する直線によって設定される。また、境界線は、たとえば、図3のグラフにおけるアクセル開度がゼロのときにエンジン回転数がNe(0)となる位置と、アクセル開度がACC(0)のときにエンジン回転数がゼロとなる位置とを結ぶ直線によって設定される。
エンジン10の運転領域が低負荷運転領域であると判定される場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。
S104にて、制御装置100は、排気の温度がしきい値以下であるか否かを判定する。しきい値は、たとえば、後述する同量噴射処理が継続すると、排気の温度が第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の温度を目標温度まで昇温させることが困難となる温度であるか否かを判定するための値であって、たとえば、第1酸化触媒24および第2酸化触媒26が活性化する温度よりも高い値(酸化触媒の活性温度に対してマージンを持たせた値)である。しきい値は、実験等により適合される。
制御装置100は、第1排気温度センサ36により検出される排気の温度と、第2排気温度センサ38により検出される排気の温度とのうちのいずれか小さい方の温度がしきい値以下である場合に、排気の温度がしきい値以下であると判定する。排気の温度がしきい値以下であると判定される場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。
S106にて、制御装置100は、偏差噴射処理を実行する。偏差噴射処理は、1サイクルにおける第1燃料噴射装置13aからの1気筒当りの噴射量と第2燃料噴射装置13bからの1気筒当りの噴射量とを異ならせる処理である。偏差噴射処理の詳細については後述する。なお、再生モード中でないと判定される場合(S100にてNO)、処理は終了される。また、エンジン10の運転領域が低負荷運転領域でないと判定される場合(S102にてNO)、あるいは、排気の温度がしきい値よりも高いと判定される場合(S104にてNO)、S106にて、制御装置100は、同量噴射処理を実行する。同量噴射処理は、1サイクルにおける第1燃料噴射装置13aからの1気筒当りの噴射量と第2燃料噴射装置13bからの1気筒当りの噴射量とを同量(通常値)にする処理である。
次に図4を参照して、偏差噴射処理について説明する。図4は、制御装置100で実行される偏差噴射処理を示すフローチャートである。
S200にて、制御装置100は、第1PM除去フィルタ28におけるPMの第1堆積量PM(1)を取得する。制御装置100は、たとえば、第1バンク11aからのPMの排出量をエンジン10の運転を開始した時点からあるいは前回の第1PM除去フィルタ28の再生が完了した時点から1サイクル毎に積算していくことによって第1堆積量PM(1)を更新し、メモリ等に記憶する。制御装置100は、メモリ等から第1堆積量PM(1)を取得する。PMの排出量の算出方法は、上述したとおりであるためその詳細な説明を繰り返さない。
S202にて、制御装置100は、第2PM除去フィルタ30におけるPMの第2堆積量PM(2)を取得する。制御装置100は、たとえば、第2バンク11bからPMの排出量をエンジン10の運転を開始した時点からあるいは前回の第2PM除去フィルタ30の再生が完了した時点から1サイクル毎に積算していくことによって第2堆積量PM(2)を更新し、メモリ等に記憶する。制御装置100は、メモリ等から第2堆積量PM(1)を取得する。
S204にて、制御装置100は、第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bを用いた噴射態様を設定する。
具体的には、制御装置100は、第1堆積量PM(1)および第2堆積量PM(2)のうちのいずれか大きい一方のPM除去フィルタ(すなわち、「対象フィルタ」に対応)に対応する気筒群に噴射される燃料量を他方のPM除去フィルタに対応する気筒群に噴射される燃料量よりも多くして、対象フィルタが配置された排気通路における酸化触媒を活性化させるように1サイクルにおける第1燃料噴射装置13aからの第1噴射量と第2燃料噴射装置13bの第2噴射量とを設定する。
制御装置100は、たとえば、第1堆積量PM(1)が第2堆積量PM(2)よりも多い場合には、第1噴射量を、第1排気管を流れる排気の温度が第1酸化触媒を活性化させるような温度となる噴射量であって、かつ、第2噴射量よりも多い噴射量に設定する。また、制御装置100は、たとえば、第2堆積量PM(2)が第1堆積量PM(1)よりも多い場合には、第2噴射量を、第2排気管を流れる排気の温度が第2酸化触媒を活性化させるような温度となる噴射量であって、かつ、第1噴射量よりも多い噴射量に設定する。
制御装置100は、たとえば、第1噴射量と第2噴射量との総量を維持しつつ、総量に対する割合を変化させて、PMの堆積量の大きい一方のPM除去フィルタに対応する噴射量(以下、増量側の噴射量とも記載する)を他方のPM除去フィルタに対応する噴射量(以下、減量側の噴射量とも記載する)よりも多くなるように第1噴射量および第2噴射量を設定する。制御装置100は、第1噴射量の通常値(第1噴射量と第2噴射量とを同量とする場合の第1噴射量)と第2噴射量の通常値とを加算した値を総量として取得する。この総量は、上述したとおり、アクセル開度や車両の速度等に基づいて設定される供給燃料量である。
制御装置100は、たとえば、通常値よりも所定量だけ増加させた値を増量側の噴射量として設定し、通常値よりも所定量だけ減少させた値を減量側の噴射量として設定してもよい。
あるいは、制御装置100は、制御装置100は、第1噴射量と第2噴射量との総量に第1係数α(0.5<α<1.0)を乗算した値を増量側の噴射量とし、総量に第2係数β(=1−α)を乗算した値を減量側の噴射量として設定してもよい。
S206にて、制御装置100は、燃料噴射制御を実行する。制御装置100は、たとえば、1サイクル中の所定のタイミングにおいて、設定された第1噴射量に対応する噴射時間が経過するまでインジェクタが開弁し、噴射時間を経過後にインジェクタが閉弁するように第1燃料噴射装置13aを制御する。
同様に、制御装置100は、たとえば、1サイクル中の所定のタイミングにおいて、設定された第2噴射量に対応する噴射時間が経過するまでインジェクタが開弁し、噴射時間を経過後にインジェクタが閉弁するように第2燃料噴射装置13bを制御する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る内燃機関であるエンジン10を制御する制御装置100の動作について図5および図6を参照しつつ説明する。
図5は、両方のPM除去フィルタにそれぞれ流入する排気の温度および両方のPM除去フィルタの温度の変化を示すタイミングチャートである。図5の上段のグラフの縦軸は、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30にそれぞれ流入する排気の温度を示し、図5の上段のグラフの横軸は、時間を示す。さらに、図5の下段のグラフの縦軸は、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30のそれぞれの温度を示し、図5の下段のグラフの横軸は、時間を示す。なお、図5における排気の温度Tgas(0)が図2における排気の温度のしきい値に対応する。
なお、図5の上段のグラフにおける実線は、偏差噴射処理が行なわれる場合の第1PM除去フィルタ28に流入する排気の温度の変化を示す。図5の上段のグラフにおける破線は、偏差噴射処理が行なわれる場合の第2PM除去フィルタ30に流入する排気の温度の変化を示す。図5の上段のグラフにおける一点鎖線は、同量噴射処理が行なわれる場合の第1PM除去フィルタ28(あるいは、第2PM除去フィルタ30)に流入する排気の温度の変化を示す。
また、図5の下段のグラフにおける実線は、偏差噴射処理が行なわれる場合の第1PM除去フィルタ28の温度の変化を示す。図5の下段のグラフにおける破線は、偏差噴射処理が行なわれる場合の第2PM除去フィルタ30の温度の変化を示す。図5の下段のグラフにおける一点鎖線は、同量噴射処理が行なわれる場合の第1PM除去フィルタ28(あるいは、第2PM除去フィルタ30)の温度の変化を示す。
また、図6は、両バンクにおける燃料の噴射量を説明するための図である。図6の横軸は、バンクを示し、図6の縦軸は、排気の温度を示す。
たとえば、第1堆積量PM(1)がしきい値を超えるなどして第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30を再生する再生制御が開始された場合を想定する。このとき、再生モードフラグがオン状態にされる(S100にてYES)。
時間t(0)以前において、エンジン10の運転領域が高負荷運転領域である場合や(S102にてNO)、エンジン10の運転領域が高負荷運転領域から車両が低速走行するなどして低負荷運転領域に移行した場合でも(S102にてYES)、排気の温度がしきい値よりも高い場合には(S104にてNO)、同量噴射処理が行なわれる(S108)。
このとき、第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bからそれぞれ同量の噴射量Aの燃料が第1バンク11aに設けられる気筒群および第2バンク11bに設けられる気筒群に噴射されるものとする。
1サイクル中に第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bから同量の燃料が噴射されることによって、排気の温度が実質的に同じ温度となる。排気の温度が第1酸化触媒24および第2酸化触媒26を活性化させることが可能な温度である場合には、排気への燃料添加が許可されて、添加された燃料による第1酸化触媒24において生じる反応熱と第2酸化触媒26において生じる反応熱とによって上昇した排気が第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30を流通する。その結果、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の温度が再生可能な温度範囲の下限値Td(1)よりも高い温度Td(0)で維持され、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の再生が行なわれる。
一方、エンジン10の運転領域が低負荷運転領域に移行した後(S102にてYES)、時間t(0)にて、排気の温度がしきい値Tgas(0)以下になると(S104にてYES)、偏差噴射処理が行なわれる(S106)。
偏差噴射処理が開始されると、第1堆積量PM(1)が取得され(S200)、第2堆積量PM(2)が取得される(S202)。そして、第1堆積量PM(1)が第2堆積量PM(2)よりも大きい場合には、第1噴射量が第2噴射量よりも多く、かつ、第1酸化触媒の活性が維持されるような排気温度となるように第1噴射量および第2噴射量が設定される(S204)。その結果、図6に示すように、第1バンク11aの気筒群への第1噴射量は、通常値に対応する噴射量Aよりも所定量だけ多い噴射量Bとなり、第2バンク11bの気筒群への第2噴射量は、通常値に対応する噴射量Aよりも所定量だけ少ない噴射量Cとなる。設定された第1噴射量および第2噴射量に基づいて燃料噴射制御が実行される(S206)。
第1噴射量が第2噴射量よりも多く、かつ、第1酸化触媒の活性が維持されるような排気温度となるように第1噴射量および第2噴射量が設定されるため、第1バンク11aに設けられる気筒群から排出される排気の温度は、第2バンク11bに設けられる気筒群から排出される排気の温度よりも高くなる。その結果、図5の上段のグラフの実線に示すように、第1バンク11aに設けられる気筒群から排出される排気の温度が第1酸化触媒24を活性化させることが可能な温度の下限値Tgas(1)よりも高い状態が維持される。そのため、第1酸化触媒24において生じる反応熱によって排気の温度が上昇させられるため、図5の下段のグラフの実線に示すように、第1PM除去フィルタ28の温度を再生可能な温度の下限値Td(1)よりも高い温度Td(0)で維持される。
これに対して、第2バンク11bに設けられる気筒群から排出される排気の温度は、時間t(1)にて、下限値Tgas(1)よりも低い状態になる。そのため、第2PM除去フィルタ30の温度が再生可能な温度の下限値Td(1)よりも低くなるため、第2PM除去フィルタ30の再生は停止される。
なお、仮にこの偏差噴射処理が行なわれることに代えて同量噴射処理が継続される場合には、第1噴射量と第2噴射量とが同量となるように設定される。その結果、第1バンク11aに設けられる気筒群から排出される排気の温度も、第2バンク11bに設けられる気筒群から排出される排気の温度もほぼ同じ温度となり、当該温度は、時間t(2)にて、Tgas(1)よりも低い状態になる。そのため、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の温度は、いずれも再生可能な温度の下限値Td(1)よりも低くなるため、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の両方の再生が停止される。
以上のようにして、本実施の形態に係る内燃機関によると、エンジン10の低負荷運転領域においては、PM堆積量の多い一方の対象フィルタに対応する気筒群への燃料の噴射量が他のフィルタに対応する気筒群への燃料の噴射量よりも多くなるため、対象フィルタが設けられる排気通路を流通する排気の温度を上昇させることができる。そのため、対象フィルタよりも上流側に設けられる酸化触媒を活性化させることができる。その結果、対象フィルタの再生の機会が増えるので、対象フィルタの再生を早期に完了させることができる。したがって、複数の排気通路のそれぞれにフィルタと酸化触媒が設けられた内燃機関の排気浄化装置において、低負荷領域での運転が続くような場合であっても、部品を追加することなく、少なくとも一つの排気通路で酸化触媒を活性化させてフィルタの再生を可能とする内燃機関の排気浄化システムを提供することができる。
さらに、1サイクル当たりの第1噴射量と第2噴射量の総量(すなわち、エンジン10の運転状態に応じて供給すべき燃料の量である供給燃料量)を維持しつつ、対象フィルタに対応する気筒群に噴射される燃料量の割合が他のフィルタに対応する気筒群よりも大きくなるように第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bが制御される。そのため、対象フィルタの温度を再生可能な温度範囲内に速やかに昇温させるとともに、決定された供給燃料量を超えて燃料が供給されることが抑制されるため、燃費の悪化を抑制することができる。
さらに、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30のうちの粒子状物質の堆積量が最も多いフィルタを対象フィルタに設定されるので、粒子状物質の堆積量の多い対象フィルタより上流側に設けられた酸化触媒を活性化させることができる。そのため、対象フィルタの温度を再生可能な温度範囲内に速やかに昇温させることが可能となる。その結果、対象フィルタの再生の機会が増えるので、対象フィルタの再生を早期に完了させることができる。
さらに、低負荷運転領域であって、かつ、排気の温度がしきい値よりも低い場合に、偏差噴射処理を行なわれるので、対象フィルタの温度を再生可能な温度範囲内に速やかに昇温させることが可能となる。また、低負荷運転領域であって、かつ、排気の温度がしきい値よりも高い場合に、同量噴射処理が行なわれるので、第1PM除去フィルタ28および第2PM除去フィルタ30の両方の温度を再生可能な温度範囲内に昇温させることが可能となる。
以下、変形例について説明する。
上述の実施の形態においては、堆積量の多い方のPM除去フィルタを対象フィルタとしたが、特に堆積量の多い方に限定されるものではなく、再生が早期に完了する方、すなわち、堆積量の少ない方のPM除去フィルタを対象フィルタとしてもよい。
上述の実施の形態においては、堆積量の多い方のPM除去フィルタを対象フィルタとしたが、特に堆積量の多い方に限定されるものではなく、再生が早期に完了する方、すなわち、堆積量の少ない方のPM除去フィルタを対象フィルタとしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、第1エキゾーストマニホールド12および第2エキゾーストマニホールド14に第1燃料添加装置32および第2燃料添加装置34がそれぞれ設けられるものとして説明したが、たとえば、第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bを用いたポスト噴射によって第1酸化触媒24および第2酸化触媒26に燃料を供給する構成であってもよい。
さらに上述の実施の形態においては、偏差噴射処理においては、1サイクル中の第1噴射量と第2噴射量との総量を維持しつつ、第1噴射量と第2噴射量として異なる値を設定するものとして説明したが、少なくとも対象フィルタに対応する気筒群に噴射される燃料量が他のフィルタに対応する気筒群に噴射される燃料量よりも多くなり、かつ、対象フィルタの上流側に設けられる酸化触媒の活性が維持されるような排気温度となればよく、特に総量を維持することに限定されるものではない。たとえば、通常値に対して所定量を加算して増量側の噴射量を設定し、減量側の噴射量として通常値を設定してもよいし、通常値に対して所定量を減算して減量側の噴射量を設定し、増量側の噴射量として通常値を設定してもよい。
さらに上述の実施の形態においては、エンジン本体15の第1バンク11aおよび第2バンク11bに2つの排気管が並列的に接続され、各排気管に燃料添加装置と酸化触媒とPM除去フィルタとが搭載される場合を一例として説明したが、エンジン10に並列的に接続される排気管、燃料添加装置およびPM除去フィルタの数は2つに限定されるものではない。たとえば、エンジン本体15には、3つ以上のバンクが形成され、各バンクに3つ以上の排気管が並列的に接続され、各排気管に燃料添加装置と酸化触媒とPM除去フィルタとが搭載される構成であってもよい。
さらに上述の実施の形態においては、エンジン10の運転条件に基づいてPMの堆積量を推定するものとして説明したが、たとえば、PM除去フィルタの上流側の圧力と下流側の圧力との差圧に基づいてPM堆積量を推定してもよい。
さらに上述の実施の形態においては、エンジン10の運転条件に基づいてPMの堆積量を推定するものとして説明したが、偏差噴射処理が行なわれる場合には、変更された第1噴射量および第2噴射量に基づいてPMの排出量が算出されることが望ましい。このようにすると、PMの堆積量を精度高く推定することができる。
さらに上述の実施の形態においては、偏差噴射処理において、第1燃料噴射装置13aおよび第2燃料噴射装置13bのうちのいずれか一方から各気筒に噴射される燃料噴射量は同一バンクの気筒間においては同量であるものとして説明したが、同一バンクにおいても気筒間で異なる量を設定してもよい。たとえば、片方のバンクに設けられる気筒のうちのエキゾーストマニホールドの出口部に近い等の排気の温度に与える影響が比較的大きい気筒に噴射される噴射量を増量あるいは減量してもよい。
さらに上述の実施の形態においては、対象フィルタに対応する気筒群への噴射量を増量するように偏差噴射処理を行なうものとして説明したが、たとえば、対象フィルタの再生が完了するまで偏差噴射処理を継続し(すなわち、増量側の噴射量および減量側の噴射量を固定し)、対象フィルタの再生が完了した後に他のフィルタに対応する気筒群への噴射量を増量するように偏差噴射処理を行なうようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、偏差噴射処理が行なわれる場合に、噴射態様として噴射量のみが異なる場合を一例として説明したが、たとえば、噴射量に加えて、噴射時期を変更してもよいし、あるいは、1サイクル中に多段噴射を行なう場合には、各噴射段階における噴射量および噴射時期を変更してもよい。たとえば、偏差噴射処理が行なわれる場合に、気筒群毎の出力トルクの差が小さくなるように他のフィルタに対応する気筒群に対する燃料の噴射態様を変更することによって、エンジン10のトルク変動を抑制することができる。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 エンジン、11a 第1バンク、11b 第2バンク、12 第1エキゾーストマニホールド、13a 第1燃料噴射装置、13b 第2燃料噴射装置、14 第2エキゾーストマニホールド、15 エンジン本体、16 第1過給機、17 第1排気通路、18 第2過給機、19 第2排気通路、20 第1排気管、22 第2排気管、23 第1排気浄化装置、24 第1酸化触媒、25 第2排気浄化装置、26 第2酸化触媒、32 第1燃料添加装置、34 第2燃料添加装置、36 第1排気温度センサ、38 第2排気温度センサ、100 制御装置。
Claims (5)
- エンジン本体に設けられる複数の気筒群にそれぞれ接続される互いに独立した複数の排気通路と、
前記複数の排気通路のそれぞれに設けられ、前記排気通路内を流通する排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと前記排気の流れに対して前記フィルタよりも上流側に設けられる酸化触媒とを有する排気浄化装置と、
前記複数の気筒群のそれぞれに燃料を噴射する複数の燃料噴射装置と、
前記複数の燃料噴射装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記フィルタの再生要求がある場合であって、かつ、内燃機関の運転領域が低負荷運転領域である場合には、複数のフィルタのうちの対象フィルタが設けられた排気通路における前記酸化触媒を活性化させるように、前記対象フィルタに対応する気筒群に対して前記燃料噴射装置から噴射される燃料の量を、他のフィルタに対応する気筒群に対して前記燃料噴射装置から噴射される燃料の量よりも多くする偏差噴射処理を行なう、内燃機関の排気浄化システム。 - 前記制御装置は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関に供給すべき燃料の量である供給燃料量を決定し、前記供給燃料量に対する、前記対象フィルタに対応する気筒群に対して噴射される燃料の量の割合が前記他のフィルタに対応する気筒群に対して噴射される燃料の量の割合よりも大きくなるように前記複数の燃料噴射装置を制御する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記複数のフィルタのうちの前記粒子状物質の堆積量が最も多いフィルタを前記対象フィルタに設定する、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記内燃機関の運転領域が低負荷運転領域であって、かつ、前記複数の排気通路のそれぞれを流れる排気の温度がしきい値よりも低い場合に、前記偏差噴射処理を行ない、前記内燃機関の運転領域が低負荷運転領域であって、かつ、前記複数の排気通路のそれぞれを流れる排気の温度が前記しきい値よりも高い場合に、前記複数の気筒群に対して同量の燃料を噴射する同量噴射処理を行なうように前記複数の燃料噴射装置を制御する、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記偏差噴射処理を行なう場合に、前記気筒群毎の出力トルクの差が小さくなるように、前記他のフィルタに対応する気筒群に対する前記燃料噴射装置において燃料の噴射態様を変更する、請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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