JP2019019126A - オルト構造を有する新規トリアジン化合物 - Google Patents

オルト構造を有する新規トリアジン化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】従来公知のトリアジン化合物に比べて、有機電界発光素子の寿命特性及び発光効率を顕著に向上させる特定のトリアジン化合物の提供。【解決手段】一般式(1)で示されるトリアジン化合物、及びこれを構成成分とする有機電界発光素子の作製。【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子の構成成分として有用な新規トリアジン化合物、及びそれを含有する有機電界発光素子に関するものである。
有機電界発光素子は、発光材料を含有する発光層を、正孔輸送層と電子輸送層で挟み、さらにその外側に陽極と陰極を取付け、発光層に注入された正孔及び電子の再結合により生ずる励起子が失活する際の光の放出(蛍光又はりん光)を利用する素子であり、小型のディスプレイだけでなく大型テレビや照明等へ応用されている。なお、正孔輸送層は正孔輸送層と正孔注入層に、発光層は、電子ブロック層と発光層と正孔ブロック層に、電子輸送層は電子輸送層と電子注入層に分割して構成される場合もある。また、有機電界発光素子のキャリア輸送層(電子輸送層又は正孔輸送層)として、金属、有機金属化合物又はその他有機化合物をドープした共蒸着膜を用いる場合もある。
従来の有機電界発光素子は、無機発光ダイオードに比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低く、素子寿命も著しく低く、幅広い分野での実用化には至っていなかった。最近の有機電界発光素子は前記欠点が徐々に改良されており、モバイル用途を中心に実用化が始まっている。しかしながら、更なる用途拡大には性能向上が必須であり、発光高効率特性、長寿命特性のより優れた材料が求められている。
有機電界発光素子用の材料として、特許文献1又は特許文献2で開示されたトリアジン化合物が挙げられる。しかしながら、発光効率の向上及び長寿命特性の改善の点で更なる改良が求められていた。
特開2011−121934号公報 特開2008−280330号公報
本発明は、従来公知のトリアジン化合物に比べて、有機電界発光素子の発光効率及び寿命特性を顕著に向上させる特定のトリアジン化合物を提供することをその目的とする。
また、本発明は、当該特定のトリアジン化合物を用いてなる発光効率及び長寿命特性に優れた有機電界発光素子用材料を提供することをその目的とする。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表される、2,5−ジ置換フェニル基を有する事を特徴とする新規なトリアジン化合物を電子輸送層として用いた有機電界発光素子が、従来公知の材料を用いたときに比べて、顕著に高発光効率化、及び長寿命化を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物(以下、トリアジン化合物(1)と称する)及びそれを含有する有機電界発光素子に関するものである。
Figure 2019019126
(一般式(1)中、Arは、同一の基を表し、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基(これらの基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
Ar、及びArは、各々独立に、炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、ピラジル基、ピリミジル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)、又は6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
nは、0〜3の整数を表す。
mは、0〜4の整数を表す。)
本発明のトリアジン化合物(1)は、電子輸送層として用いた際に従来公知のトリアジン化合物に比べて、発光効率及び長寿命特性が顕著に優れる有機電界発光素子を提供することができる。更に、オルト構造の寄与により、膜質のアモルファス性を向上させることができることから、膜の耐熱性及び平滑性を向上させることができるという効果を奏する。このため有機電界発光素子の駆動安定性の向上や、発光効率の向上等の効果が期待される。また、本発明のトリアジン化合物(1)は、そのオルト構造の寄与により、有機溶媒への溶解性が高く、塗布プロセスによる薄膜形成が可能であるという効果を奏する。なおかつ、本発明のトリアジン化合物(1)は、そのオルト構造の寄与により、Ar及びArがフェニレンを介して共役する事により化学的安定性が向上するという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、前記一般式(1)で示されるトリアジン化合物に関するものである。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物において、2つのArは、同一の基を表し、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基(これらの基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
前記ナフチル基としては、特に限定するものではないが、例えば、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。このうち、有機電界発光素子性能が優れる点で2−ナフチル基が好ましい。
また、前記ビフェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、1,1’−ビフェニル−2−イル基、1,1’−ビフェニル−3−イル基、1,1’−ビフェニル−4−イル基が挙げられる。このうち、有機電界発光素子性能が優れる点で、1,1’−ビフェニル−2−イル基が好ましい。
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖、分岐、又は環状アルキル基と言い換えることができ、特に限定する物ではないが、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、又はt−ブチル基等が挙げられる。このうち、有機電界発光素子性能が優れる点でメチル基が好ましい。
前記炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、又は炭素数3〜4の直鎖、分岐、又は環状アルコキシ基と言い換えることができ、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。このうち、有機電界発光素子性能が優れる点で、メトキシ基が好ましい。
すなわち、Arは、有機電界発光素子の寿命に優れる点で、同一の基を表し、無置換のフェニル基、無置換のナフチル基、又は無置換のビフェニリル基であることが好ましく、同一の基を表し、フェニル基、1−ナフチル基、又は1,1’−ビフェニル−3−イル基であることがより好ましく、合成が容易な点で無置換のフェニル基であることがより好ましい。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物において、Ar、及びArは、各々独立に、炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、ピラジル基、ピリミジル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)、又は6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖、分岐、又は環状アルキル基と言い換えることができ、特に限定する物ではないが、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、又はt−ブチル基等が挙げられる。このうち、有機電界発光素子性能が優れる点でメチル基が好ましい。
前記炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、又は炭素数3〜4の直鎖、分岐、又は環状アルコキシ基と言い換えることができ、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。このうち、有機電界発光素子性能が優れる点で、メトキシ基が好ましい。
前記炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレキニル基、トリフェニレニル基、フルオランテニル基、クリセニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基等が好ましい例として挙げられ、詳しくは、フェニル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、1,1’:4’,1’’−テルフェニル−2−イル基、1,1’:4’,1’’−テルフェニル−3−イル基、1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4−イル基、1,1’:4’,1’’−テルフェニル−2’−イル基、1,1’:3’,1’’−テルフェニル−2−イル基、1,1’:3’,1’’−テルフェニル−3−イル基、1,1’:3’,1’’−テルフェニル−4−イル基、1,1’:3’,1’’−テルフェニル−2’−イル基、1,1’:3’,1’’−テルフェニル−4’−イル基、1,1’:3’,1’’−テルフェニル−5’−イル基、1,1’:2’,1’’−テルフェニル−2−イル基、1,1’:2’,1’’−テルフェニル−3−イル基、1,1’:2’,1’’−テルフェニル−4−イル基、1,1’:2’,1’’−テルフェニル−3’−イル基、1,1’:2’,1’’−テルフェニル−4’−イル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−トリフェニレニル基、2−トリフェニレニル基、1−フルオランテニル基、2−フルオランテニル基、3−フルオランテニル基、7−フルオランテニル基、8−フルオランテニル基、テトラセン−1−イル基、テトラセン−2−イル基、テトラセン−5−イル基、アセナフチレニル基、クリセン−1−イル基、クリセン−2−イル基、クリセン−3−イル基、クリセン−4−イル基、クリセン−5−イル基、クリセン−6−イル基、フルオレン−1−イル基、フルオレン−2−イル基、フルオレン−3−イル基、フルオレン−4−イル基、フルオレン−9−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−1−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−2−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−3−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−4−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−5−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−6−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−7−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−8−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−9−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−10−イル基、ベンゾ[a]フルオレン−11−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−1−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−2−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−3−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−4−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−5−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−6−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−7−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−8−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−9−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−10−イル基、ベンゾ[b]フルオレン−11−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−1−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−2−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−3−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−4−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−5−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−6−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−7−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−8−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−9−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−10−イル基、ベンゾ[c]フルオレン−11−イル基等が挙げられる。
前記6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環含窒素芳香族基としては、特に限定するものではないが、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、アザナフチル基、アザアントリル基、アザフェナントリル基、ジアザフェナントリル基等が好ましい例として挙げられ、詳しくは、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、アクリジン−1−イル基、アクリジン−2−イル基、アクリジン−3−イル基、アクリジン−4−イル基、アクリジン−9−イル基、フェナントリジン−1−イル基、フェナントリジン−2−イル基、フェナントリジン−3−イル基、フェナントリジン−4−イル基、フェナントリジン−6−イル基、フェナントリジン−7−イル基、フェナントリジン−8−イル基、フェナントリジン−9−イル基、フェナントリジン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基等が挙げられる。
Ar、及びArについては、有機電界発光素子性能が優れる点で、炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、又は6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基(これらの基は、各々独立して、メチル基、フェニル基、フェナントリル基、ピラジル基、ピリミジル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)が好ましく、各々独立して、無置換の炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、ピリジル基で置換された炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、ピラジル基で置換された炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、ピリミジル基で置換された炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、無置換の6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基、又はフェニル基で置換された6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基であることがより好ましく、各々独立して、フェニル基、ビフェニル基、若しくはフェナントリル基(これらの基は、ピリジル基で置換されていてもよい)、又は無置換の6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基であることがより好ましく、各々独立して、フェニル基、ビフェニリル基、ピリジルフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピリジル基、フェニルピリジル基、キノリル基、又はイソキノリル基であることがより好ましい。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物において、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、チル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖、分岐、又は環状アルキル基と言い換えることができ、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、又はt−ブチル基等が挙げられる。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物において、nは、0〜3の整数を表す。nは、有機電界発光素子性能が優れる点で0〜1が好ましく、合成が容易な点で0が好ましい。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物において、mは0〜4の整数を表す。mは、有機電界発光素子性能が優れる点で0〜1が好ましく、合成が容易な点で0が好ましい。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物の具体例としては、以下の(A−1)から(A−99)を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2019019126
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Figure 2019019126
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次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明のトリアジン化合物(1)は、金属触媒の存在下又は塩基及び金属触媒の存在下に、次の反応式(1)
Figure 2019019126
(反応式(1)中、Ar、Ar、Ar、R、R、m、及びnは、前記一般式(1)と同じ定義を表す。X及びXは、各々独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。Y及びYは、各々独立に、ZnR、MgR、Sn(R又はB(ORを表す。但し、R及びRは、各々独立に、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rは、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、B(ORの2つのRは同一又は異なっていてもよい。また、2つのRは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成することもできる。)、又は反応式(2)
Figure 2019019126
(反応式(2)中、Ar、Ar、Ar、R、R、m、及びnは、前記一般式(1)と同じ定義を表す。X及びXは、各々独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。Y及びYは、各々独立に、ZnR、MgR、Sn(R又はB(ORを表す。但し、R及びRは、各々独立に、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rは、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、B(ORの2つのRは同一又は異なっていてもよい。また、2つのRは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成することもできる。)
で示される方法により製造することができる。
また、以降、一般式(2)で表される化合物については化合物(2)と称する。なお、化合物(3)〜化合物(7)についても同義とする。
前述の通り、Y、Y、Y及びYは、各々独立に、ZnR、MgR、Sn(R又はB(ORを表す。但し、R及びRは、各々独立に、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rは、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、B(ORの2つのRは同一又は異なっていてもよい。また、2つのRは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成することもできる。
前記のZnR、及びMgRとしては、特に限定するものではないが、例えば、ZnCl、ZnBr、ZnI、MgCl、MgBr、又はMgI等が例示できる。
Sn(Rとしては、特に限定するものではないが、例えば、Sn(Me)、又はSn(Bu)等が例示できる。
B(ORとしては、特に限定するものではないが、例えば、B(OH)、B(OMe)、B(OPr)、又はB(OBu)等が例示できる。また、2つのRが一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成した場合のB(ORの例としては、特に限定するものではないが、例えば、次の(C−1)から(C−6)で示される基が例示でき、収率がよい点で(C−2)で示される基が望ましい。
Figure 2019019126
反応式(1)で用いられる化合物(2)は、下記の反応式(3)で表わされるカップリング反応によって合成可能である。
Figure 2019019126
(反応式(3)中、Ar、R、R、m、及びnは、前記一般式(1)と同じ定義を表す。X、X、及びXは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
化合物(2)は、特に限定するものではないが、例えば、以下の(B−1)から(B−27)で示される化合物を例示する事ができる。
Figure 2019019126
Figure 2019019126
Figure 2019019126
続いて、反応式(1)について説明する。反応式(1)は化合物(2)を、塩基の存在下又は非存在下に、パラジウム触媒の存在下に、化合物(3)及び化合物(4)と反応させ、本発明のトリアジン化合物(1)を得る方法であり、鈴木−宮浦反応、根岸反応、玉尾−熊田反応、スティレ反応等の、一般的なカップリング反応の反応条件を適用することにより、収率よく目的物を得ることができる。
反応式(1)で用いることのできるパラジウム触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等の塩を例示することができる。さらに、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、又はジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム等の錯化合物を例示することができる。中でも、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は反応収率がよい点でさらに好ましく、入手容易であり、反応収率がよい点で、トリフェニルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が特に好ましい。
第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は、パラジウム塩又は錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。この際用いることのできる第三級ホスフィンとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、又は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が例示できる。入手容易であり、反応収率がよい点で、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル又はトリフェニルホスフィンが好ましい。第三級ホスフィンとパラジウム塩又は錯化合物とのモル比は、1:10〜10:1が好ましく、反応収率がよい点で1:2〜5:1がさらに好ましい。
反応式(1)で用いることのできる塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、又はフッ化セシウム等を例示することができ、収率がよい点で炭酸カリウムが望ましい。塩基と化合物(2)とのモル比は、1:2から10:1の範囲が望ましく、収率がよい点で1:1から3:1の範囲がさらに望ましい。
反応式(1)で用いる化合物(2)と化合物(3)とのモル比は、1:2から5:1の範囲が望ましく、収率がよい点で1:2から2:1の範囲がさらに望ましい。
反応式(1)で用いる化合物(2)と化合物(4)とのモル比は、1:2から5:1の範囲が望ましく、収率がよい点で1:2から2:1の範囲がさらに望ましい。
反応式(1)で用いることのできる溶媒として、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、エタノール、メタノール又はキシレン等が例示でき、これらを適宜組み合わせて用いてもよい。収率がよい点でジオキサン又はテトラヒドロフランと水の混合溶媒を用いることが望ましい。
反応式(1)は、0℃から150℃から適宜選ばれた温度で実施することができ、収率がよい点で50℃から100℃で行うことがさらに望ましい。
本発明のトリアジン化合物(1)は、反応式(1)の終了後に通常の処理をすることで得られる。必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー又は昇華等で精製してもよい。
また、反応式(1)は化合物(2)と化合物(3)を反応させて1置換体を単離した後、化合物(4)を反応させて本発明のトリアジン化合物(1)を得る事もできる。
反応式(2)は、反応式(1)と同様な条件を用いて本発明のトリアジン化合物(1)を得る事が可能である。
反応式(3)は、反応式(1)と同様な条件を用いて化合物(2)を得る事が可能である。
本願発明のトリアジン化合物(1)については、特に限定するものではないが、例えば、有機電界発光素子、や光電素子等の有機電子素子用途に用いることができる。
以下、本発明のトリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子について説明する。
有機電界発光素子における発光層は、広義の意味では、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する層のことを指す。具体的には、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する蛍光性化合物を含有する層のことを指す。通常、有機電界発光素子は一対の電極の間に発光層を挟持した構造をとる。
本発明の有機電界発光素子は、必要に応じ発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、陽極バッファー層及び陰極バッファー層等を有し、陰極と陽極で挟持された構造をとる。具体的には以下に示される構造が挙げられる。
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明のトリアジン化合物(1)については、上記のいずれの層に含まれていてもよいが、有機電界発光素子の発光特性に優れる点で、発光層、電子輸送層、電子注入層、又は電子バッファー層等の層に含まれることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子における発光層には、従来公知の発光材料を用いることができる。発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により薄膜を形成する方法がある。
又、この発光層は、樹脂などの結着材と共に発光材料を溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法などにより塗布して薄膜形成することにより得ることができる。このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
次に正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等、発光層と組み合わせて有機電界発光素子を構成するその他の層について説明する。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
また、陰極から注入され、電子注入層及び/又は電子輸送層より発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層もしくは正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層もしくは正孔輸送層に漏れることなく発光層内の界面に累積され、発光効率が向上するなど発光性能の優れた素子となる。
上記正孔注入材料、正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。この正孔注入材料、正孔輸送材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などがあげられる。
又、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記正孔注入材料、正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
本発明の有機電界発光素子において、電子輸送層は上記一般式(1)で表されるトリアジン化合物を含むことが好ましい。
当該電子輸送層は、上記一般式(1)で表されるトリアジン化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜形成法により製膜して形成することができる。電子輸送層の膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。また、この電子輸送層は、一般式(1)で表されるトリアジン化合物を含み、かつ従来公知の電子輸送材料を含んでいてもよく、一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、或いは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、又は土類金属錯体としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、又は高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
電子注入層として望ましい化合物としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等が挙げられる。また、上記に記した金属錯体やアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、及び酸化窒化物のような無機化合物等も使用できる。 本願発明のトリアジン化合物(1)については、共蒸着や積層させることによって、上記の電子輸送性材料と併用して有機層を形成させることもできる。
又、本発明においては、発光材料は発光層のみに限定することはなく、発光層に隣接した正孔輸送層、又は電子輸送層に1種含有させてもよく、それにより更に有機電界発光素子の発光効率を高めることができる。
本発明の有機電界発光素子に好ましく用いられる基板は、ガラス、プラスチックなどの種類には特に限定はなく、又、透明のものであれば特に制限はない。本発明の有機電界発光素子に好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムを挙げることができる。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子を作製する好適な例を説明する。例として、前記の陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機電界発光素子の作製法について説明する。
まず適当な基板上に、所望の電極用物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させて陽極を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層/電子注入層からなる薄膜を形成させる。
なお、陽極と発光層又は正孔注入層の間、及び、陰極と発光層又は電子注入層との間にはバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
更に上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、例えば正孔ブロック層、電子ブロック層などのような機能層を有していてもよい。
次に、本発明の有機電界発光素子の電極について説明する。有機電界発光素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、酸化インジウム−スズ(ITO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
上記陽極は蒸着やスパッタリングなどの方法によりこれらの電極物質の薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いは蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好適である。上記陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
前記の様に、適当な基板上に所望の電極用物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させて陽極を作製した後、該陽極上に前記の通り正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層/電子注入層からなる各層薄膜を形成させた後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させて陰極を設け、所望の有機電界発光素子が得られる。
本発明の有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。又、異なる発光色を有する本発明の有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
実施例で作製する単層素子の断面図である。
1.ITO透明電極付きガラス基板
2.正孔注入層
3.電荷発生層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.電子輸送層
7.陰極層
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
FDMS測定は、日立製作所製のM−80Bを用いて行った。
H−NMR測定は、Gemini200(バリアン社製)を用いて行った。
ガラス転移温度、結晶化温度、及び融点の測定はDSC装置(日立ハイテクサイエンス製、DSC7020)を用いて行った。DSC測定におけるリファレンスは酸化アルミニウム(Al)を使用し、測定サンプルは10mgで測定を行った。測定の前処理として、試料を30℃から融点以上の温度まで15℃/分の速度で温度を上昇させて融解させた後、液体窒素にて急冷を行った。続いて、前処理させたサンプルを30℃から5℃/分の速度で温度を上昇させ、ガラス転移温度、結晶化温度、及び融点を測定した。
有機電界発光素子の発光特性は、室温下、作製した素子に直流電流を印加し、LUMINANCEMETER(BM−9)(TOPCON社製)の輝度計を用いて評価した。
合成実施例−1
Figure 2019019126
窒素気流下、2−[3−{(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル}]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(15.0g,34.5mmol)、1−ブロモ−2,5−ジクロロベンゼン(8.56g,37.9mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.796g,0.689mmol)をテトラヒドロフラン(150mL)に溶解した。これに、2Mのリン酸カリウム水溶液(51.7mL,103mmol)を加え、70℃で8時間撹拌した。室温まで放冷後、析出した固体を濾別し、水(50mL)、アセトン(50mL)で固体を洗浄した。この固体を再結晶(溶媒:トルエン)によって精製し、目的の2−[2’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(以下、「化合物 B−1」とも称する)の白色固体(収量12.6g、収率81%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.33(dd,J=8.7Hz,2.4Hz,1H),7.47−7.49(m,2H),7.56−7.63(m,6H),7.67(d,J=5.4Hz,2H),8.78−8.83(m,6H).
FDMS:453
合成実施例−2
Figure 2019019126
窒素気流下、合成実施例−1で得た2−[2’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.50g,3.30mmol)、2−ビフェニルボロン酸(2.57g,13.0mmol)、酢酸パラジウム(14.8mg,0.066mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(62.9mg,0.132mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。これに、2Mのリン酸カリウム水溶液(9.90mL,19.8mmol)を加え、70℃で24時間撹拌した。室温まで放冷後、水層を取り除き、有機層から低沸点成分を留去した。得られた析出物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、目的の2−[5’−(ビフェニル−2−イル)−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−4)の白色固体(2.15g,収率94%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):6.54(d,J=7.8Hz,1H),6.67(d,J=7.5Hz,2H),7.00−7.61(m,26H),8.00(s,1H),8.48(d,J=8.1Hz,1H),8.69(d,J=6.9Hz,4H).
FDMS:689
合成実施例−3
Figure 2019019126
窒素気流下、合成実施例−1で得た2−[2’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.50g,3.30mmol)、9−フェナントレンボロン酸(2.20g,9.90mmol)、酢酸パラジウム(14.8mg,0.066mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(62.9mg,0.132mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。これに、2Mのリン酸カリウム水溶液(9.90mL,19.8mmol)を加え、70℃で10時間撹拌した。室温まで冷却後、水(30mL)及びメタノール(30mL)を加えた。析出した固体を濾別し、水(50mL)、アセトン(50mL)で固体を洗浄した。得られた析出物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、目的の2−[2’,5’−ビス(9−フェナントリル)−ビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−7)の白色固体(2.10g,収率86%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ(ppm):7.20(t,J=7.8Hz,1H),7.46−7.80(m,19H),7.94−8.03(m,4H),8.30(d,J=8.4Hz,1H),8.46(d,J=7.8Hz,1H),8.59(d,J=7.8Hz,4H),8.64−8.69(m,2H),8.73(s,1H),8.78(d,J=8.1Hz,1H),8.85(d,J=7.8Hz,1H).
FDMS:737
得られた化合物 A−7のガラス転移温度は158℃であった。また、350℃までの測定領域で結晶化温度及び融点は検出されなかった。
合成実施例−4
Figure 2019019126
窒素気流下、合成実施例−1で得た2−[2’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.50g,3.30mmol)、4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸(1.71g,8.59mmol)、酢酸パラジウム(14.8mg,0.066mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(62.9mg,0.132mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。これに、2Mのリン酸カリウム水溶液(9.90mL,19.8mmol)を加え、70℃で4時間撹拌した。室温まで冷却後、水層を取り除き、有機層から低沸点成分を留去した。得られた析出物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、目的の4,6−ジフェニル−2−{5’−[4−(2−ピリジル)フェニル]−4’’−(2−ピリジル)−1,1’:2’,1’’−テルフェニル−3−イル}−1,3,5−トリアジン(化合物 A−19)の白色固体(収量2.10g、収率92%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ(ppm):7.16(brt,J=5.7Hz,1H),7.26(brs,1H),7.39−7.44(m,4H),7.53−7.63(m,7H),7.67(d,J=7.8Hz,2H),7.78−7.92(m,8H),8.14(d,J=8.4Hz,2H),8.62−8.68(m,2H),8.72−8.78(m,6H).
FDMS:691
得られた化合物 A−19のガラス転移温度は124℃、結晶化温度は180℃、融点は280℃であった。
参考例−1
特開2008−28330の実施例6に記載の化合物である、2,4−ジフェニル−6−[4,4’’−ビス(2−ピリジル)−[1,1’:3’,1’’]−テルフェニル−5’−イル]−1,3,5−トリアジン(下記 ETL−2)のDSC測定を実施した。本化合物のガラス転移温度は108℃、結晶化温度は135℃、融点は282℃であった。尚、本化合物は特開2008−280330に記載された方法にて合成し、DSC測定は本願の合成実施例−4と同じ条件にて行った。
Figure 2019019126
合成実施例−5
Figure 2019019126
窒素気流下、合成実施例−1で得た2−[2’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.50g,3.30mmol)、3−キノリンボロン酸(1.37g,7.92mmol)、酢酸パラジウム(14.8mg,0.066mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(62.9mg,0.132mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。これに、2Mのリン酸カリウム水溶液(9.90mL,19.8mmol)を加え、70℃で14時間撹拌した。室温まで冷却後、水層を取り除き、有機層から低沸点成分を留去した。得られた析出物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、目的の2−[2’,5’−ビス(3−キノリル)−ビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−27)の白色固体(収量1.57g,収率74%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ(ppm):7.43−7.67(m,11H),7.74−7.81(m,3H),7.92−8.03(m,2H),8.01−8.03(m,2H),8.17−8.20(m,2H),8.48(s,1H),8.66(d,J=7.2Hz,4H),8.66−8.67(m,1H),8.78(brs,2H),9.35(brs,1H).
FDMS:639
得られた化合物 A−27のガラス転移温度は127℃であった。また、350℃までの測定領域で結晶化温度及び融点は検出されなかった。
以上の結果より、本願化合物は従来公知の化合物と比べて高いガラス転移温度、及び高い結晶化温度を有する事が見出された。特に、高い結晶化温度を有することによって薄膜形成時に高いアモルファス性が期待でき、本願化合物を用いた有機電界発光素子を作製した際に高い駆動安定性や高発光効率化が期待できる。
続いて、素子評価に用いた化合物の構造式及びその略称を以下に示す。
Figure 2019019126
素子実施例−1
基板には、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、断面図を図1に示すような発光面積4mm有機電界発光素子を作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。
その後、図1の1で示すITO透明電極付きガラス基板上に有機化合物層として、正孔注入層2、電荷発生層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、及び陰極層7を、この順番に積層させながら、いずれも真空蒸着で成膜した。
正孔注入層2としては、昇華精製したHILを0.15nm/秒の速度で65nm成膜した。
電荷発生層3としては、昇華精製したHATを0.05nm/秒の速度で5nm成膜した。
正孔輸送層4としては、HTLを0.15nm/秒の速度で10nm成膜した。
発光層5としては、EML−1とEML−2を95:5(重量比)の割合で25nm成膜した(成膜速度0.18nm/秒)。
電子輸送層6としては、本発明の合成実施例−2で合成した2−[5’−(ビフェニル−2−イル)−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−4)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜した(成膜速度0.15nm/秒)。
最後に、ITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、陰極層7を成膜した。陰極層7は、銀/マグネシウム(重量比1/10)と銀を、この順番に、それぞれ80nm(成膜速度0.5nm/秒)と20nm(成膜速度0.2nm/秒)で製膜し、2層構造とした。
それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。
さらに、この素子を酸素及び水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと前記成膜基板エポキシ型紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いた。
素子実施例−2
素子実施例−1において、電子輸送層6に、2−[5’−(ビフェニル−2−イル)−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−4)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、化合物 本発明の合成実施例−3で合成した2−[2’,5’−ビス(9−フェナントリル)−ビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−7)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作成した。
素子実施例−3
素子実施例−1において、電子輸送層6に、2−[5’−(ビフェニル−2−イル)−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−4)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、本発明の合成実施例−4で合成した4,6−ジフェニル−2−{5’−[4−(2−ピリジル)フェニル]−4’’−(2−ピリジル)−1,1’:2’,1’’−テルフェニル−3−イル}−1,3,5−トリアジン(化合物A−19)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作成した。
素子実施例−4
素子実施例−1において、電子輸送層6に、2−[5’−(ビフェニル−2−イル)−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−4)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、本発明の合成実施例−5で合成した2−[2’,5’−ビス(3−キノリル)−ビフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−27)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作成した。
素子参考例−1
素子実施例−1において、電子輸送層6に、2−[5’−(ビフェニル−2−イル)−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物 A−4)及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、化合物 ETL−1及びLiqを50:50(重量比)の割合で30nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作成した。
作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、TOPCON社製のLUMINANCE METER(BM−9)の輝度計を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度10mA/cmを流した時の電圧(V)、電流効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命を測定した。なお、当該素子寿命は、初期輝度を800cd/mで駆動したときの連続点灯時の輝度減衰時間を測定し、輝度(cd/m)が25%減じるまでに要した時間を測定したうえで、素子参考例−1において輝度(cd/m)が25%減じるまでに要した時間を100とした時の相対値で表した。結果を以下に示す。
Figure 2019019126
表1より、参考例に比べて、本発明のアジン化合物を用いた有機電界発光素子は、駆動電圧、発光効率及び素子寿命において顕著に優れることが見出された。
本発明は、有機電界発光素子の電子輸送層として用いることで素子の低電圧駆動、高効率化及び長寿命化を可能にする新規構造を有するトリアジン化合物を提供し、さらに当該化合物を用いた低電圧化を備えた有機電界発光素子を提供するものである。

Claims (12)

  1. 一般式(1)で表されるトリアジン化合物。
    Figure 2019019126
    (一般式(1)中、Arは、同一の基を表し、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基(これらの基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    Ar、及びArは、各々独立に、炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、ピラジル基、ピリミジル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)、又は6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    nは、0〜3の整数を表す。
    mは、0〜4の整数を表す。)
  2. Arが、同一の基を表し、無置換のフェニル基、無置換のナフチル基、又は無置換のビフェニリル基である請求項1に記載のトリアジン化合物。
  3. Arが、無置換のフェニル基である請求項1又は請求項2に記載のトリアジン化合物。
  4. Ar、及びArが、各々独立に、無置換の炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、ピリジル基で置換された炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、ピラジル基で置換された炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、ピリミジル基で置換された炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基、無置換の6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基、又はフェニル基で置換された6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトリアジン化合物。
  5. Ar、及びArが、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、若しくはフェナントリル基(これらの基は、ピリジル基で置換されていてもよい)、又は無置換の6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトリアジン化合物。
  6. 及びRが、メチル基である請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のトリアジン化合物。
  7. n及びmが0である請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のトリアジン化合物。
  8. 金属触媒の存在下又は塩基及び金属触媒の存在下に、一般式(2)で表される化合物と、一般式(3)及び(4)で表される化合物とをカップリング反応させることを特徴とする、一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法。
    Figure 2019019126
    (反応式(1)中、Arは、同一の基を表し、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基(これらの基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    Ar、及びArは、各々独立に、炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、ピラジル基、ピリミジル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)、又は6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    nは、0〜3の整数を表す。
    mは、0〜4の整数を表す。
    及びXは、各々独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
    及びYは、各々独立に、ZnR、MgR、Sn(R又はB(ORを表す。但し、R及びRは、各々独立に、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rは、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、B(ORの2つのRは同一又は異なっていてもよい。また、2つのRは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成することもできる。)
  9. 金属触媒の存在下又は塩基及び金属触媒の存在下に、一般式(5)で表される化合物と、一般式(6)及び(7)で表される化合物とをカップリング反応させることを特徴とする、一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法。
    Figure 2019019126
    (反応式(2)中、Arは、同一の基を表し、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基(これらの基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    Ar、及びArは、各々独立に、炭素数6〜18の単環、連結、若しくは縮環の芳香族炭化水素基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、ピラジル基、ピリミジル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)、又は6員環のみで構成される炭素数3〜13の単環、連結、若しくは縮環の含窒素芳香族基(該基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    nは、0〜3の整数を表す。
    mは、0〜4の整数を表す。
    及びXは、各々独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
    及びYは、各々独立に、ZnR、MgR、Sn(R又はB(ORを表す。但し、R及びRは、各々独立に、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rは、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、又はフェニル基を表し、B(ORの2つのRは同一又は異なっていてもよい。また、2つのRは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成することもできる。)
  10. 一般式(2)で表されるトリアジン化合物。
    Figure 2019019126
    (一般式(1)中、Arは、同一の基を表し、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基(これらの基は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、又はピリジル基で置換されていてもよい)を表す。
    及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    nは、0〜3の整数を表す。
    mは、0〜4の整数を表す。
    、及びXは、各々独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
  11. 請求項1に記載のトリアジン化合物を含有することを特徴とする、有機電界発光素子用材料。
  12. 請求項1に記載のトリアジン化合物を含有することを特徴とする、有機電界発光素子用電子輸送材料。
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