JP2019018868A - 袋容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】抽出口に向かう液状物の流路が確保される袋容器を提供することを課題とする。【解決手段】パウチ容器は、互いの端部が少なくとも一部を除いて接合されて、一部に口栓が設けられた袋体を形成する2つのフィルムを備え、2つのフィルムのうちの一方のフィルム3の内面に、それぞれが口栓に向かう方向(縦方向)について4.0mm以下の長さを有する横方向に並ぶ複数の凸部3bが、縦方向に0.5mm以上4.0mm以下の離間距離を隔てて設けられている。それにより、フィルム3に交差する方向に引張力が加えられても、複数の凸部3bが設けられていない0.5mm以上4.0mm以下の平坦部分の反力により複数の凸部3bが横方向に延びず、2つのフィルムが密着しないため、口栓に向かう縦方向に飲料の流路が確保される。【選択図】図2
Description
本発明は、液状物を収容する袋容器に関する。
スポーツドリンク、ゼリー等の飲料の容器としてパウチ容器が使用されている(例えば、特許文献1参照)。パウチ容器は、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルム、又はさらにアルミ箔が積層加工(ラミネート加工)された可撓性のフィルム等から形成される袋体状の容器である。
パウチ容器内に収容された飲料は、吸引口から吸引することで容器内が負圧になって排出される。それと同時に、容器の対向する内面が密着する。このとき、容器の内面がその下端(吸引口に相対する端部)から吸引口に向かって順に密着する場合、容器内部に飲料が残ることなくそのすべてが排出される。しかし、容器の内面が、例えば中央からなど吸引口と下端との間から密着すると、容器下部から飲料を抽出できず、容器内に残るという問題がある。
そこで、特許文献2では、内面に流出溝を形成することで、それが形成された部分では内面が密着せず、飲料を含む内容液の流路が確保される容器が開示されている。しかし、容器を形成するフィルムは柔軟性を有するため、容器に左右の引張力を加えると伸縮しないフィルムでも溝が開き流出溝は潰れ、容器の内面が密着することとなる(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、抽出口に向かう液状物の流路が確保される袋容器を提供することを課題とする。
本発明は、液状物を収容する袋容器であって、互いの端部が少なくとも一部を除いて接合されて、一部に抽出口が設けられた袋体を形成する第1及び第2シートを備え、第1シートの第2シートに対向する一面に、それぞれが抽出口に向かう一軸方向について4.0mm以下の長さを有する一軸方向に交差する方向に並ぶ複数の第2シートに向けて突出する凸部が、一軸方向に0.5mm以上4.0mm以下の離間距離を隔てて設けられていることを特徴とする。
これによれば、第1シートの第2シートに対向する一面に、抽出口に向かう一軸方向について4.0mm以下の長さを有する第2シートに向けて突出する凸部が、0.5mm以上4.0mm以下の離間距離を隔てて複数設けられていることで、第1シートに交差する方向に引張力が加えられても、複数の凸部が設けられていない0.5mm以上4.0mm以下の平坦部分の反力により複数の凸部が交差する方向に延びず、それにより第1シートと第2シートとが密着しないため、抽出口に向かう一軸方向に液状物の流路が確保される。
ここで、凸部の長さを4.0mm以下とするのは、凸部が伸びないことを保証するだけの反力を平坦部分から受けるためである。
また、平坦部分の長さを0.5mm以上4.0mm以下としたのは、反力を発生するのに十分であり(0.5mm以上)、平坦部分において第1シートと第2シートとが密着してしまうことがない(4.0mm以下)ようにするものである。
本発明の袋容器は、第1シートを一軸方向に直交する方向に伸ばした場合において、複数の凸部が潰れて伸びる長さをX、第1シートの非接合部分の幅をYとするとき、複数の凸部は、少なくとも4.0mm以下の長さにおける1箇所においてXがYの10%以上となるように形成されることを特徴とする。
これによれば、凸部は、平坦部分に対して10%以上伸びない限り、潰れない。凸部が潰れないことが確実になる。
本発明の袋容器は、複数の凸部は、0.5mm以上の高さを有することを特徴とする。
これによれば、複数の凸部が0.5mm以上の高さを有することで、複数の凸部が、それらが対向する第2シートに当接し、第1シートと第2シートとの間に十分な液状物の流路が確保される。
本発明の袋容器は、複数の凸部は、第1シートに成形されたエンボスであることを特徴とする。
これによれば、複数の凸部が交差する方向の引張力に対して十分な強度を有し、それにより第1シートが延びて第2シートに密着することなくそれらの間に十分な液状物の流路が確保される。
本発明の袋容器によれば、抽出口に向かう液状物の流路が確保される袋容器を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るパウチ容器1の構成を示す。パウチ容器1は、2つの可撓性フィルム(単にフィルムと呼ぶ)2,3及び口栓4から構成される。なお、フィルム3は、フィルム2の裏側(図1において紙面奥側)に位置する。
2つのフィルム2,3は、高さHが約100mm及び横幅Wが約80mmの矩形状を有する。フィルム2,3の端部には、上端中央を除いてそれらを互いに貼り合わせるためのシール領域2a,3aが設けられている。シール領域2b,3bは、約5mmの幅Dを有する。なお、シール領域2b,3bの形状は任意に定めることができる。
フィルム2,3として、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルム、又はさらにアルミ箔が積層加工(ラミネート加工)されたフィルムを採用する。なお、飲料を収容して密封可能な可撓性、押圧しても破断することのない強度等を有するものであればいずれの素材を採用してもよい。
図2に、フィルム3の構成を示す。図2はフィルム3の内面の上面視における構造を示し、フィルム3の内面(フィルム2に対向する面)に、内面上側に突出する複数の凸部3bが縦方向に間隔h及び横方向に間隔wの格子状に配設されている。ここで、間隔h,wは一例として2.5mmである。複数の凸部3bは、一例としてドーム形状(上面視円形状)を有し、その直径dは1.0mm、高さは0.5mmである。
なお、例えば間隔h,wが1.5mm、直径dが0.5mmでもよい。つまり、複数の凸部3bは、縦方向(口栓4に向かう方向)について、4.0mm以下の長さを有し、3.0mm以下の離間距離で配設することとする。すなわち、d<4.0mm、h<4.0mmとする。また、高さは0.5mm以上とする。
図3(A)及び(B)に基準線L1についてのフィルム3の断面構造を示す。図3(A)に示すように、凸部3bに対応する箇所でフィルム3が湾曲している。図3(B)はフィルム3の非接合部分(フィルム2と接合されていない部分)全体にわたる図である。非接合部分の長さはW−2Dとなる。
いま、フィルム3に左右の引張力を加えて凸部3bを平坦に伸ばしたとすると、図3(C)に示すようにXだけ伸びることとなる。ここで、d=1.0mm、w=2.0mm、高さを0.5mmとして図3(A)にZで示した部分について考える。伸ばす前のZの長さは3.0mmである。伸ばした後の長さは円筒状の凸部3bの正確な形状に依存するが、高さが0.5mmあるので最低でも(凸部3bが円錐状のときに最低となる)3.414mmとなる。すなわち、フィルム3が、基準線L1においておよそ13.8%伸びない限り凸部3bが潰れることはない。フィルム3の非接合部分全体にわたる図3(C)において、X>0.138Yである。
全ての凸部3bが潰れるためには、図2における基準線L2から0.5mm(=d/2)だけ離れた基準線L1において、フィルム3が13.8%以上伸びることが必要となる。基準線L2ではフィルム3が伸びないので、かかる状態にはならない。すなわち、全ての凸部3bが潰れることはない。
複数の凸部3bは、フィルム3に成形されたエンボスとすることができる。それにより、複数の凸部3bが横方向の引張力に対して十分な強度を有する。後述するようにフィルム2とともにパウチ容器1を形成した際に、フィルム3が延びてフィルム2の内面に密着することなくそれらの間に十分な液状物の流路を確保することができる。
また、エンボスとした場合には、図3(A)に凸部3bとして示された部分が、(紙面垂直方向に)凸部と平坦部の繰り返しとなる。平坦部は凸部に比して伸びにくいことから、凸部3bが潰れる可能性がさらに小さくなる。
口栓4は、スパウト4a及びキャップ4bから構成される。スパウト4aは、一例として、一軸方向の長さが例えば20mm及び直径10mmを有し、その上端外周に雄ネジが形成された円筒形状の部材である。キャップ4bは、スパウト4aの雄ネジに螺合してスパウト4aの上端を塞ぐ雌ネジが下端内側に形成された円錐台形状の部材である。スパウト4a及びキャップ4bは、一例として、プラスチック(合成樹脂)から構成される。口栓4は、その下端、すなわちスパウト4aの下側の半部が2つのフィルム2,3の上端、すなわちシール領域2a,3aの間に挟まれて固定されることで、飲料を排出する排出口として機能する。
パウチ容器1は、2つのフィルム2,3を用いて形成される。まず、フィルム2,3の内面を互いに対向し、互いに対向するシール領域2a,3aを熱融着する。それにより、袋状の容器が形成され、フィルム2,3の上端中央に容器内部に通じる開口が設けられる。次に、その開口を介して、飲料を容器内部に注入する。最後に、開口に口栓4の下端を挿入し、これに対向するフィルム2,3の内面を口栓4に熱融着する。それにより、容器内に収容された飲料が密封される。
飲料時には、口栓4のキャップ4bを取り外し、スパウト4aの先端から飲料を吸引する。それにより、パウチ容器1内が負圧になり、飲料がスパウト4a介して容器外に排出される。飲料が排出されると、それと同時にパウチ容器1(フィルム2,3)の内面が近接し、フィルム3の内面に設けられた複数の凸部3bがフィルム2の内面に当接する。ここで、複数の凸部3bが0.5mm或いはそれ以上の高さを有することで、フィルム2,3の間に十分な飲料の流路が確保される。
以上詳細に説明したように、本実施形態のパウチ容器1は、互いの端部が少なくとも一部を除いて接合されて、一部に口栓4が設けられた袋体を形成するフィルム2,3を備え、フィルム3の内面に、それぞれが口栓4に向かう方向について4.0mm以下の長さを有する横方向に並ぶ複数の凸部3bが、縦方向に0.5mm以上4.0mm以下の離間距離を隔てて設けられている。それにより、フィルム3に交差する方向に引張力が加えられても、複数の凸部3bが設けられていない0.5mm以上4.0mm以下の平坦部分の反力により複数の凸部3bが横方向に延びず、フィルム2,3が密着しないため、口栓4に向かう縦方向に飲料の流路が確保される。
なお、フィルム3だけでなくフィルム2の内面にも複数の凸部を設けてもよい。このとき、フィルム2,3とで複数の凸部3dを対向する同じ位置に設けてもよいし、互いに位置をずらして設けても良い。また、複数の凸部3dを格子状に配設するに限らず、口栓4に向かう方向に0.5mm以上4.0mm以下の離間距離を設ければ、任意の配置で配設してもよい。それにより、フィルム2,3が密着しないため、口栓4に向かう縦方向に飲料の流路が確保される。
また、複数の凸部の形状は、上面視円形状に限らず、矩形柱状、矩形錐状等、任意の形状にすることができる。また、パウチ容器1の大きさ及び形状も、任意の大きさ及び形状にすることができる。
本実施形態のパウチ容器1は、口栓4を口に当てて吸引することで内容物を飲用することができるが、ポンプディスペンサを口栓4に挿入して洗剤などの内容物を吸引する使用方法も考えられる。
本発明の袋容器は、抽出口に向かう液状物の流路を確保するのに好適である。多くの飲料メーカーやシャンプーリンスなどの洗剤メーカーによる利用が考えられる。
1 パウチ容器
2 フィルム(第2シート)
2b シール領域
2a シール領域
3 フィルム(第1シート)
3b 凸部
4 口栓
4a スパウト
4b キャップ
2 フィルム(第2シート)
2b シール領域
2a シール領域
3 フィルム(第1シート)
3b 凸部
4 口栓
4a スパウト
4b キャップ
Claims (4)
- 液状物を収容する袋容器であって、
互いの端部が少なくとも一部を除いて接合されて、前記一部に抽出口が設けられた袋体を形成する第1及び第2シートを備え、
前記第1シートの前記第2シートに対向する一面に、それぞれが前記抽出口に向かう一軸方向について4.0mm以下の長さを有する前記一軸方向に交差する方向に並ぶ複数の前記第2シートに向けて突出する凸部が、前記一軸方向に0.5mm以上4.0mm以下の離間距離を隔てて設けられていることを特徴とする袋容器。 - 前記第1シートを前記一軸方向に直交する方向に伸ばした場合において、前記複数の凸部が潰れて伸びる長さをX、前記第1シートの非接合部分の幅をYとするとき、
前記複数の凸部は、少なくとも前記4.0mm以下の長さにおける1箇所においてXがYの10%以上となるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の袋容器。 - 前記複数の凸部は、0.5mm以上の高さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の袋容器。
- 前記複数の凸部は、前記第1シートに成形されたエンボスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋容器。
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JP2017136664A JP2019018868A (ja) | 2017-07-12 | 2017-07-12 | 袋容器 |
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Citations (5)
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Legal Events
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