JP2019016523A - 燃料電池セル及びセルスタック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、クラックを抑制する燃料電池セル及びセルスタック装置を提供する。【解決手段】本発明の燃料電池セル(100)は、一端から他端に向けて延びるとともに、反応ガスが一端側から供給され他端側から排出されるガス流路を有する絶縁性の支持基板(110)と、支持基板(110)の外表面に配置され、燃料極、電解質、及び空気極を有する発電素子部と、支持基板(110)の他端側に配置される金属製の熱伝導部材(170)と、を備える。熱伝導部材(170)は、支持基板(110)の他端側において、ガス流路を挟んで対向する外表面を被覆する被覆部(173)と、この被覆部(173)と連なるとともに、支持基板(110)の他端から突出する突出部(174)と、を有する。被覆部(173)における一端から他端に向かう距離(D1)は、突出部(174)における一端から他端に向かう距離(D2)よりも長い。【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池セル及びセルスタック装置に関する。
従来、ガス流路を有する支持基板と、この支持基板上に形成された燃料極、電解質、及び空気極とを有する発電素子部とを備える燃料電池セルが知られている。燃料電池セルにおいて、水素含有ガスを燃料極に供給するとともに、酸素含有ガスを空気極に供給することによって発電する。余剰の水素含有ガス及び酸素含有ガスを燃焼させて、熱源として用いられる。このような燃料電池セルとして、例えば、特開2012−14850号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に開示の燃料電池セルは、支持基板においてガス流路の排出口が位置する他端部に、金属製の筒状部材の一端部が装着されている。これにより、燃焼域を燃料電池セルの他端部から離すことができるので、燃焼域からの熱の影響を受けにくいことが特許文献1に開示されている。その結果、燃料電池セルの他端部の破壊を防ぐことができ、さらに反応ガスがガス流路に流れ込むことを抑制できるという効果を有することが特許文献1には開示されている。
特開2012−14850号公報
上記特許文献1の燃料電池セルは、燃焼位置を遠ざけるために、筒状部材が取り付けられている。上記特許文献1に記載の効果を奏するためには、筒状部材と燃料電池セルとの接合部は、反応ガスが漏れて燃焼が起こることを防止する必要があるので、気密であることが要求される。接合部を気密にするために、接合材を用いると、接合部には残留応力などが発生しやすく、クラックの起点になってしまう。
そこで、本発明者は、上記特許文献1に開示の筒状部材と異なる観点から、余剰の反応ガスの燃焼時に支持基板に発生するクラックを抑制することを課題とした。すなわち、本発明は、クラックを抑制する燃料電池セル及びセルスタック装置を提供することを課題とする。
余剰の反応ガスの燃焼時に支持基板にクラックが発生するという問題は、支持基板の他端部において、ガス流路を流れる第1反応ガスの排出口近傍と、排出口を挟んで対向する外表面近傍との温度差によって、外表面近傍に引張応力が加えられることに起因することを本発明者は見出した。具体的には、支持基板における反応ガス排出口近傍は、燃焼による炎によって温度が最も高い。一方、支持基板の外表面近傍には第2反応ガスが流れるため温度が低い。燃焼時のこの大きな温度差によって、支持基板の外表面近傍に引張応力が加えられて、クラックの起点となることを本発明者は突き止めた。そこで、本発明者は、燃焼時に支持基板に生じる温度差を低減する手段について鋭意検討し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の燃料電池セルは、一端から他端に向けて延びるとともに、反応ガスが一端側から供給されて他端側から排出されるガス流路を有する絶縁性の支持基板と、この支持基板の外表面に配置され、燃料極、電解質、及び空気極を有する発電素子部と、支持基板の他端に配置される金属製の熱伝導部材と、を備え、熱伝導部材は、支持基板の他端において、ガス流路を挟んで対向する外表面を被覆する被覆部と、この被覆部と連なるとともに、支持基板の他端から突出する突出部と、を有し、被覆部における一端から他端に向かう距離は、突出部における一端から他端に向かう距離よりも長い。
本発明の燃料電池セルによれば、被覆部の距離は突出部の距離よりも長いので、支持基板の他端においてガス流路を挟んで対向する外表面近傍に熱伝導部材が配置される。余剰の反応ガスの燃焼時、支持基板の他端においてガス流路を挟んで対向する外表面近傍は、第2反応ガスが流れるため、相対的に温度が低い。この温度が低い領域近傍に、支持基板を構成する材料よりも熱伝導率の高い金属製の熱伝導部材が配置される。このため、燃焼により発生する熱を受けた熱伝導部材が、相対的に温度の低い外表面近傍に、高温の燃焼熱を伝達する。これにより、支持基板の他端の外表面近傍が加熱されるので、排出口近傍と外表面近傍との温度差を低減できる。したがって、支持基板の他端部の外表面近傍に加えられる引張応力を低減できるので、余剰の反応ガスの燃焼時に支持基板に発生するクラックを抑制できる。よって、燃料電池セルのクラックを抑制できる。
本発明の燃料電池セルにおいて好ましくは、支持基板は、幅方向に沿って設けられた複数のガス流路を有する円筒平板型であり、被覆部は、幅方向において両端に位置するガス流路間を挟んで対向する外表面を被覆する。
この構成によれば、円筒平板型の支持基板を備える燃料電池セルにおいて、余剰の反応ガスの燃焼時、支持基板において温度差が大きく、かつ温度が低くなる領域を被覆部が被覆している。このため、支持基板の他端部の外表面近傍に加えられる引張応力を効果的に低減できる。したがって、余剰の反応ガスの燃焼時に、燃料電池セルのクラックを効果的に抑制できる。
本発明の燃料電池セルにおいて好ましくは、支持基板と被覆部とは、少なくとも一部において隙間を介して対向する。
燃焼熱によって、熱伝導部材及び支持基板の少なくとも一方が熱膨張しても、隙間によって熱膨張を許容できる。
本発明の燃料電池セルにおいて好ましくは、熱伝導部材は、非接合状態で配置される。なお、「非接合状態」とは、支持基板と被覆部との間に他の部材(例えば、ガラス、金属ろう、セラミックス等)を介して、物理的に固定されていないことを指す。
上述したように、本発明は、燃焼時に熱伝導部材によって支持基板の他端の排出口近傍と外表面近傍との温度差を低減することで、支持基板に加えられる引張応力を低減することにより、クラックの発生を抑制している。このため、熱伝導部材と支持基板とを気密に接合しなくても、すなわち非接合状態でもクラックを抑制することができる。非接合状態であるために、熱伝導部材、支持基板や接合材との熱膨張差によって接合部周辺に残留応力が加えられて、クラックの起点になることを防止できる。
本発明の燃料電池セルにおいて好ましくは、熱伝導部材は、支持基板の他端に位置する面(他端面)上に載置されるとともに、被覆部及び突出部の少なくとも一方と連なる載置部をさらに有する。
これにより、支持基板の他端に熱伝導部材を配置できる構造を容易に実現できる。
本発明の燃料電池セルにおいて好ましくは、載置部は、支持基板の他端に位置する面(他端面)において相対的に温度の低い領域と当接する。
燃焼熱で加熱された載置部によって、支持基板の他端面において相対的に温度の低い領域を加熱できる。このため、支持基板の他端部において、燃焼の際に生じる温度差をより低減できる。したがって、クラックの発生をより抑制できる。
なお、上記「相対的に温度の低い領域」とは、支持基板のガス流路を流れる第1反応ガスと、支持基板の外表面を流れる第2反応ガスとによって発電する燃料電池において、余剰の第1反応ガスと第2反応ガスとの燃焼時に生じる温度分布に基づく。
本発明のセルスタック装置は、上記燃料電池セルと、この燃料電池セルの一端側のガス流路に反応ガスを供給するマニホールドとを備えている。
本発明のセルスタック装置によれば、燃焼による熱を熱伝導部材で支持基板の他端の外表面近傍に広げることによって、燃焼時のクラックの原因となる温度差を低減している燃料電池セルを備えている。このため、本発明のセルスタック装置は、クラックの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本発明は、クラックを抑制する燃料電池セル及びセルスタック装置を提供することができる。
実施の形態のセルスタック装置を概略的に示す斜視図である。 実施の形態の燃料電池セルを概略的に示す斜視図である。 実施の形態の燃料電池セルを概略的に示す斜視図である。 実施の形態の燃料電池セルを概略的に示す拡大断面図である。 実施の形態の燃料電池セルを概略的に示す斜視図である。 実施の形態の燃料電池セルを概略的に示す平面図である。 図5におけるVII−VII線に沿った断面図である。 従来の燃料電池セルの課題を説明する模式図である。 実施の形態の燃料電池セルの作用を説明する模式図である。 図9におけるX−X線に沿った模式図である。 実施の形態の変形例1の燃料電池セルを概略的に示す平面図である。 実施の形態の変形例2の燃料電池セルを概略的に示す斜視図である。 実施の形態の変形例2の燃料電池セルを概略的に示す平面図である。 実施の形態の変形例4の燃料電池セルを概略的に示す斜視図である。 実施の形態の変形例4の燃料電池セルを概略的に示す平面図である。 実施の形態の変形例4の燃料電池セルを概略的に示す正面図である。 実施の形態の変形例3の燃料電池セルを概略的に示す正面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施の形態)
図1〜図7を参照して、本発明の一実施の形態であるセルスタック装置及び燃料電池セルについて説明する。セルスタック装置及び燃料電池セルは、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に用いられる。なお、図1〜図7におけるx軸方向、y軸方向、及びz軸方向のそれぞれは、各燃料電池セル100及び支持基板110の長手方向、短手方向(幅方向)、及び厚さ方向に対応する。
<セルスタック装置>
図1に示すように、セルスタック装置10は、複数の燃料電池セル100と、マニホールド20とを備えている。各燃料電池セル100は、マニホールド20によって支持されている。
マニホールド20は、各燃料電池セル100のガス流路111(図2参照)に第1反応ガスを分配する。マニホールド20は、中空状の箱体であり、内部空間を有する。マニホールド20の内部空間には、導入管21を介して第1反応ガスが供給される。
<燃料電池セル>
図1に示すように、燃料電池セル100は、一端(図1における下側)から他端(図1における上側)に向けて延びる。燃料電池セル100の一端部は、マニホールド20に固定されている。燃料電池セル100の他端は、自由端である。燃料電池セル100は、マニホールド20によって、片持ち状態で支持され、自立している。
具体的には、複数の燃料電池セル100の長手方向(x軸方向)は、上方に延びている。また、各燃料電池セル100は、マニホールド20の長手方向(z軸方向)に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。各燃料電池セル100は、集電部材(図示せず)を介して互いに電気的に接続されている。集電部材は、例えば、酸化物セラミックスの焼成体、金属などの導電性を有する材料から形成されている。
図2〜図7に示すように、燃料電池セル100は、支持基板110と、複数の発電素子部120と、熱伝導部材170と、を備えている。各発電素子部120は、支持基板110の両面に配置されている。なお、各発電素子部120は、支持基板110の片面のみに配置されていてもよい。各発電素子部120は、燃料電池セル100の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施の形態に係る燃料電池セル100は、いわゆる横縞型である。各発電素子部120は、電気的接続部160(図4参照)によって互いに電気的に接続されている。
[支持基板]
図2及び図3に示すように、支持基板110は、第1反応ガスが流れるガス流路111を有している。ガス流路111は、一端から他端に向けて延びる。第1反応ガスは、ガス流路111において、一端側から供給され、他端側から排出される。つまり、ガス流路111の一端側に、第1反応ガスの流入口が形成され、他端側に、第1反応ガスの排出口が形成されている。ガス流路111の排出口は、外部空間に直接接続される。このため、ガス流路を流れる第1反応ガスは、排出口から外部空間に直ちに排出される。
本実施の形態では、支持基板110は、燃料電池セル100の長手方向に延びる複数のガス流路111を内部に有している。各ガス流路111は、互いに実質的に平行に延びている。各ガス流路111は、燃料電池セル100の長手方向の両端部において開口している。複数のガス流路111は、幅方向(y軸方向)に沿って設けられている。各ガス流路111は、燃料電池セル100の幅方向の両端部に形成されていないことが好ましい。
支持基板110は、絶縁性である。すなわち、支持基板110は、電子伝導性を有していない。支持基板110は、例えば、セラミックスで形成される。具体的には、支持基板110は、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板110は、多孔質である。支持基板110の気孔率は、例えば、20〜60%である。
本実施の形態の支持基板110は、長手方向に延びる扁平な円筒平板型である。このため、図5に示すように、支持基板110は、第1主面112と、この第1主面112の反対側の第2主面113と、第1主面112と第2主面113とを接続する一対の側端面114とを有している。第1主面112、第2主面113及び一対の側端面114は、支持基板110の外表面を構成する。第1主面112と第2主面113とは、ガス流路111を挟んで対向し、互いに平行に延びる。第1主面112と第2主面113との間隔、すなわち支持基板110の厚さは、例えば1〜10mmである。一対の側端面114は、幅方向(y軸方向)の両端である。第1主面112及び第2主面113は平面であり、一対の側端面114は、平面もしくは曲面、もしくは平面と曲面との両方が存在する。
また、支持基板110は、一端(図5では下端)に位置する一端面115と、他端(図5では上端)に位置する他端面116とを有している。一端面115及び他端面116は、対向している。一端面115は、第1主面112、第2主面113及び一対の側端面114の一端と連なる。他端面116は、第1主面112、第2主面113及び一対の側端面114の一端と連なる。
図4に示すように、支持基板110は、複数の第1凹部117を有している。各第1凹部117は、支持基板110の第1主面112及び第2主面113に形成されている。各第1凹部117は支持基板110の長手方向において互いに間隔をあけて形成されている。
[発電素子]
図2及び図3に示すように、支持基板110の外表面には、複数の発電素子部120が配置されている。複数の発電素子部120は、支持基板110の1つの主面上において、電気的に直列に接続されている。発電素子部120は、支持基板110のガス流路111を流れる第1反応ガスと、支持基板110の外表面を流れる第2反応ガスとによって発電する。
図4に示すように、各発電素子部120は、燃料極130、電解質140、及び空気極150を有している。また、各発電素子部120は、反応防止膜121をさらに有している。本実施の形態では、支持基板110の第1主面112及び第2主面113上に燃料極130が配置され、燃料極130上に電解質140が配置され、電解質140上に反応防止膜121が配置され、反応防止膜121上に空気極150が配置されている。このため、第1反応ガスは、燃料極130に供給される燃料ガスであり、第2反応ガスは、空気極150に供給される酸素を含有するガスである。
燃料極130は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極130は、燃料極集電部131と、燃料極活性部132とを有する。燃料極集電部131は、第1凹部117内に配置されている。各燃料極集電部131は、第2凹部131a及び第3凹部131bを有している。燃料極活性部132は、第2凹部131a内に配置されている。
燃料極集電部131は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部131の厚さ、すなわち第1凹部117の深さは、50〜500μmである。なお、酸化ニッケルは、還元性ガスが燃料極130に供給されることで金属ニッケルに変化する。
燃料極活性部132は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部132の厚さは、5〜30μmである。なお、酸化ニッケルは、還元性ガスが燃料極130に供給されることで金属ニッケルに変化する。
電解質140は、燃料極130上を覆うように配置されている。詳細には、電解質140は、あるインターコネクタ161から他のインターコネクタ161まで燃料電池セル100の長手方向に延びている。すなわち、燃料電池セル100の長手方向において、電解質140とインターコネクタ161とが交互に配置されている。
電解質140は、イオン伝導性を有し、かつ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質140は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成されてもよいし、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質140の厚さは、例えば、3〜50μmである。
反応防止膜121は、緻密な材料から構成される焼成体であり、平面視(z軸方向視)において、燃料極活性部132と略同一の形状であり、燃料極活性部132と略同じ位置に配置されている。反応防止膜121は、電解質140内のYSZと空気極150内のSrとが反応して電解質140と空気極150との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜121は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成される。反応防止膜121の厚さは、例えば、3〜50μmである。
空気極150は、反応防止膜121上に配置されている。空気極150は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極150は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成されてもよいし、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極150は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極150の厚さは、例えば、10〜100μmである。
電気的接続部160は、隣り合う発電素子部120を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部160は、インターコネクタ161及び空気極集電膜162を有する。インターコネクタ161は、第3凹部131b内に配置されている。インターコネクタ161は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ161は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成されてもよいし、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ161の厚さは、例えば、10〜100μmである。
空気極集電膜162は、隣り合う発電素子部120のインターコネクタ161と空気極150との間を延びるように配置される。空気極集電膜162は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極集電膜162は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成されてもよいし、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよいし、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜162の厚さは、例えば、50〜500μmである。
[熱伝導部材]
図2、図3、図5〜図7に示すように、熱伝導部材170は、支持基板110の他端に配置されている。具体的には、熱伝導部材170は、マニホールド20に支持されて自立する支持基板110の上端部の第1主面112及び第2主面113を覆うように嵌合している。熱伝導部材170は、支持基板110の上端部のみに配置され、支持基板110の下端部には配置されない。
熱伝導部材170は、金属製である。熱伝導部材170を構成する金属の熱伝導率は、支持基板110を構成する材料の熱伝導率よりも高い。熱伝導部材170は、例えば、耐熱性のFe基合金(ステンレス鋼)、Fe−Ni基合金、Ni基合金、Co基合金等で構成される。燃焼により高温に長時間曝されることから、熱伝導部材170を構成する材料は、酸化被膜として酸化クロムを主成分とする膜や酸化アルミニウムを主成分とする膜を形成する金属材料が好ましく、さらに好ましくは高い耐酸化性を有する酸化アルミニウムを主成分とする膜を形成する金属材料が好ましい。なお、主成分とは、全体の50質量%以上であることを意味する。また、支持基板110と熱伝導部材170とが当接する部分において、支持基板110中の元素と熱伝導部材170中の元素とが相互に反応することがある。反応によって支持基板110と熱伝導部材170とが意図せずに物理的に接合した状態になることがある。酸化クロムを主成分とする膜は、酸化クロムと支持基板110中の元素が反応しやすいが、酸化アルミニウムを主成分とする膜を形成する金属材料を用いた場合、酸化アルミニウムと支持基板110中の元素は反応性が乏しいため、支持基板110と熱伝導部材170間の相互反応が起こらず、意図せずに物理的に接合した状態になることを防止できる。そのため、熱伝導部材170を構成する材料は、酸化アルミニウムを主成分とする膜を形成する金属材料が最も好ましい。
図5及び図6に示すように、熱伝導部材170は、載置部171と、この載置部171と連なる熱伝導部172とを有する。熱伝導部172は、後述する被覆部173と、突出部174とを含む。載置部171と熱伝導部172とは、一体成形されてもよく、別部材が連結されることで形成されてもよい。図5及び図6においては、熱伝導部172の上端は、載置部171の下方に位置するが、この限りではない。
載置部171は、支持基板110の他端に位置する面(他端面116)において相対的に温度の低い領域上に載置される。ガス流路111の排出口は、その直上で燃焼する燃焼領域であるので、相対的に温度が高い。このため、本実施の形態の載置部171は、ガス流路111が形成されていない領域、すなわち非燃焼領域上に配置される。具体的には、載置部171は、支持基板110の他端面116において、幅方向(y軸方向)の両端部上に載置されている。すなわち、載置部171は、支持基板110の他端面116上において、一対の側端面114から内側に延びるように構成されている。
自立した支持基板110上に載置部171を載置することで、熱伝導部材170が係止される。このため、熱伝導部材170は、非接合状態で配置される。つまり、熱伝導部材170は、載置部171によって、接合材などの他の部材を用いずに、取り付けられている。
載置部171は、支持基板110の他端面116において相対的に温度の低い領域と当接することが好ましい。なお、載置部171と支持基板110との間に、支持基板110を構成する材料よりも熱伝導率の高い材料で構成された部材がさらに配置されてもよい。
熱伝導部172は、支持基板110の他端側において、ガス流路111を挟んで対向する外表面に、燃焼により発生する高温の燃焼熱を伝達する。なお、「外表面」とは、一端から他端に向かう方向に延びる面である。また、「ガス流路111を挟んで対向する外表面」とは、ガス流路111を挟んで最も近い両側の外表面を意味する。例えば図5に示すように燃料電池セル100の幅方向(y軸方向)に沿って複数の長手方向に延びるガス流路111が設けられている場合には、「ガス流路111を挟んで対向する外表面」は、幅方向に延びる他端を有する第1主面112及び第2主面113である。
熱伝導部172は、支持基板110の他端側において、ガス流路111を挟んで対向するとともに、支持基板110の他端面116から突出する。換言すると、熱伝導部材170は、支持基板110の他端において、ガス流路111を挟んで対向する外表面を被覆する被覆部173と、支持基板110の他端から突出する突出部174とを有している。図5〜図7に示すように、平面視において、被覆部173は、支持基板110の第1主面112及び第2主面113と重なっている部分であり、突出部174は、支持基板110の他端面116から上方に突出している部分である。
被覆部173は、支持基板110においてガス流路111を挟んで対向する外表面の他端を覆っている。具体的には、被覆部173は、支持基板110においてガス流路111の排出口を挟んで対向する外表面の他端を含む他端部を覆っている。
被覆部173は、支持基板110においてガス流路111を挟んで対向する外表面の他端の一部を覆っていてもよいが、幅方向において両端に位置するガス流路111間を挟んで対向する外表面を被覆することが好ましい。本実施の形態では、ガス流路111を挟んで対向する外表面の他端の全部を覆っている。つまり、被覆部173は、第1主面112及び第2主面113の上端全体を覆っている。また、被覆部173は、支持基板110の外表面の他端の全周を覆っている。つまり、被覆部173は、支持基板110の他端面116の外郭全体を覆っている。具体的には、被覆部173は、第1主面112、第2主面113及び一対の側端面114の上端を含む上端部全体を覆っている。
突出部174は、被覆部173に連なる。突出部174と被覆部173とは、一体成形されている。突出部174は、被覆部173の上端全体から上方に延びている。被覆部173と突出部174とで構成される熱伝導部172は、筒状である。このため、本実施の形態の熱伝導部材170は、筒状の熱伝導部172と、この熱伝導部172の両端部上に連なる載置部171とを有する。熱伝導部172から支持基板110は突出しない。
図6及び図7に示すように、被覆部173における一端から他端に向かう距離(x軸方向の距離)D1は、突出部174における一端から他端に向かう距離(x軸方向の距離)D2よりも長い。本実施の形態では、熱伝導部172において、被覆部173の長手方向の距離D1は、突出部174の長手方向の距離D2よりも長い。距離D1は、例えば3mm以上50mm以下であり、距離D2は、例えば0.2mm以上5mm未満である。距離D2に対する距離D1の比(距離D1/距離D2)は、例えば1.05以上250以下である。このように、熱伝導部172において突出部174が占める割合が少ないので、熱伝導部材170は、燃焼により発生する炎を他端面116から遠ざけることを主目的としていない。
ここで、上記距離D1とは、被覆部173において、一端から他端に向かう最大の距離を意味する。上記距離D2とは、突出部174において、一端から他端に向かう最大の距離を意味する。
また、熱伝導部172において、支持基板110を被覆する被覆部173の面積は、支持基板110の他端から突出する突出部174の面積よりも大きい。被覆部173及び突出部174の面積とは、平面視において区画される領域の表面積である。
図7に示すように、熱伝導部172(被覆部173)は、支持基板110と隙間Hを介して対向している。つまり、被覆部173の少なくとも一部は、支持基板110の外表面と接触していない。被覆部173の対向する一部は、支持基板110と当接するとともに、被覆部173の残部が支持基板110と隙間Hを介して対向することが好ましい。この場合、被覆部173の当接する部分は、支持基板110と隙間を介さずに対向する。そのため、被覆部173が支持基板110を挟持できるので、セルスタック装置10を容易に運搬できる。なお、「当接する」とは、被覆部173が支持基板110に接していることを意味する。本実施の形態では、被覆部173は、複数箇所で支持基板110に点接触している。
支持基板110と熱伝導部172との隙間Hは、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは250μm以下であり、より一層好ましくは100μmである。この隙間Hの好ましい範囲は、隙間が一定でない場合(一部が当接する場合を含む)には、最大の隙間を意味する。
なお、熱伝導部材170は、熱伝導率が高い金属製であるので、隙間を介していても、輻射熱によって受けた燃焼熱を支持基板110の外表面に伝達することができる。また、火炎の熱も輻射によって金属製の熱伝導部材170に直接伝わるため、支持基板110に当接していなくても、熱伝導の効果は十分に発現することができる。
ここで、本実施の形態の熱伝導部材170は、支持基板110の1つの主面上に複数の発電素子部120が配置された横縞型の燃料電池セルに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明の熱伝導部材は、支持基板の1つの主面上に1つの発電素子が配置される縦縞型の燃料電池に適用してもよい。ただし、MgO等のセラミックスが支持基板に採用される横縞型の燃料電池セルは、支持基板の熱伝導率が小さいので、熱伝導部材170の適用効果は、横縞型の燃料電池セルにて極めて大きく現れる。
また、本実施の形態の熱伝導部材170は、円筒平板型の支持基板110に取り付けられる場合を例に挙げて説明したが、本発明の熱伝導部材は、円筒型の支持基板に取り付けられてもよい。また、本実施の形態の熱伝導部材170は、長手方向に延びるガス流路111を有する支持基板110に取り付けられた場合を例に挙げて説明したが、本発明の熱伝導部材は、短手方向に延びるガス流路を有する支持基板に取り付けられてもよい。つまり、一端から他端に向かう方向は、長手方向でもよく、短手方向でもよい。
また、本実施の形態では、熱伝導部材170は支持基板110の一部と離隔している構造を例に挙げて説明したが、本発明は、熱伝導部材170が支持基板110と隙間を介さずに嵌り合う構造であってもよい。
また、本実施の形態では、載置部171は、支持基板110の他端面116における幅方向両端部上に載置される構造を例に挙げて説明したが、本発明の載置部は、支持基板110の他端面116の外周全体上に載置される構造であってもよい。
<セルスタック装置の動作>
本実施の形態のセルスタック装置10の動作について、図1〜図7を参照して説明する。セルスタック装置10は、例えば以下のように動作する。
セルスタック装置10では、第1反応ガスとしての燃料ガス(水素ガス等)を、導入管21からマニホールド20内に供給する。そして、この燃料ガスを、各燃料電池セル100のガス流路111に供給する。一方、第2反応ガスとしての酸素含有ガス(空気等)を、各燃料電池セル100の外側に供給する。
このように燃料ガス及び酸素含有ガスを移動させることによって、各発電素子部120では、酸素分圧差すなわち電位差が、電解質140の表裏面間に生じる。この状態で、燃料電池セル100を外部の負荷に電気的に接続すると、空気極150において下記の式1に示す電気化学反応が起こり、燃料極130において下記の式2に示す電気化学反応が起こる。
(1/2)O+2e→O2− ・・・(式1)
+O2−→HO+2e ・・・(式2)
これにより、燃料電池セル100内にて電流が流れ、発電状態となる。この発電状態において、燃料電池セル100から電力が取り出される。
さらに、支持基板110のガス流路111を流れる燃料ガスのうち発電に使用されなかった余剰燃料ガスは、ガス流路111の他端側に位置する排出口から外部に排出される。そして、排出口から排出される余剰燃料ガスと、酸素含有ガスとを混合して、燃焼する。
<効果>
本実施の形態における燃料電池セル及びセルスタック装置の効果について、図8〜図10を参照して説明する。なお、図8は、図5の支持基板110の2つのガス流路111を上方から見たときの模式図である。図9は、図5の支持基板110の2つのガス流路111と、そのガス流路111を挟んで対向する外表面を覆う被覆部173を有する熱伝導部材170とを上方から見たときの模式図である。図10は、燃焼時、ガス流路111を挟んで対向する熱伝導部172と、支持基板110とを示す模式図である。
まず、図8を参照して、支持基板110にクラックが発生するメカニズムについて説明する。上述したように、燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼すると、燃焼による炎によって、支持基板110の他端に位置する燃料ガスの排出口近傍R1は、1000〜1200℃の高温になる。一方、支持基板110の外表面は、この高温の排出口から離れ、かつ、酸素含有ガスが流れるので、他端に位置する外表面近傍R2は、700〜900℃の低温になる。相対的に温度の高い排出口近傍R1と、相対的に温度の低い外表面近傍R2との距離Lは、0.5〜1mmである。このため、支持基板110の他端側には、短い距離Lにおいて数百度の温度差がある大きな温度分布が生じてしまう。この温度分布によって、外表面近傍R2には、図8の矢印に示すように、燃料電池セル100の幅方向(y軸方向)に引張応力が加えられる。
そこで、本発明者は、上記特許文献1の筒状部材のように燃焼位置を遠ざけるのではなく、燃焼により支持基板110に生じる不均一な温度分布を低減するために鋭意検討し、図2、図3、図5〜図7に示すように、ヒートスプレッダとしての熱伝導部172を有する熱伝導部材170という着想を得た。すなわち、本実施の形態の燃料電池セル100及びセルスタック装置10は、支持基板110の他端側において、ガス流路111を挟んで対向する外表面を被覆する被覆部173と、この被覆部173と連なるとともに、支持基板110の他端から突出する突出部174とを有する熱伝導部材170を備え、被覆部173における一端から他端に向かう距離D1は、突出部174における一端から他端に向かう距離D2よりも長い。
続いて、図9及び図10を参照して、本実施の形態の熱伝導部材170の作用について説明する。熱伝導部材170は熱伝導率の高い金属で構成されている。燃料ガスと酸素含有ガスとの燃焼は、支持基板110のガス流路111直上で起こる。この燃焼による炎によって、熱伝導部材170が加熱される。被覆部173の距離D1は突出部174の距離D2よりも長いので、熱伝導部材170の熱伝導部172において支持基板110を覆う領域が多い。また、熱伝導部172は、ガス流路111を挟んで対向する、相対的に温度の低い外表面近傍R2に配置される。このため、燃焼により発生する熱を受けた熱伝導部材170が、相対的に温度の低い外表面近傍R2に、高温の燃焼熱を伝達できる。特に、被覆部173は、高温の燃焼熱を、被覆している温度の低い外表面近傍R2に伝達できる。これにより、他端の外表面近傍R2が加熱されて、温度が上昇するので、排出口近傍R1と外表面近傍R2との温度差を低減できる。したがって、支持基板110の温度分布が小さくなるので、他端部の外表面近傍R2に加えられる引張応力を低減できる。よって、燃料電池セル100のクラックの発生を抑制できる。
このように、熱伝導部材170の被覆部173及び突出部174が、支持基板110の外表面近傍R2に燃焼熱を伝達することによって引張応力を低減するという作用を奏するために、熱伝導部172において支持基板110から突出する距離D2を上記特許文献1のように大きくする必要がない。さらに、外表面近傍R2に燃焼熱を効率的に伝達するために、上記特許文献1と異なり、本実施の形態の熱伝導部材170において突出部174の距離D2は被覆部173の距離D1よりも短い。このように、本実施の形態の熱伝導部材170は、熱伝導部材の高い熱伝導を利用して、支持基板110においてガス流路111を挟んで対向する外表面近傍R2に燃焼熱を伝える部材であって、上記特許文献1に開示の筒状部材などの燃焼位置を遠ざけることを主目的とした部材ではない。つまり、本実施の形態の燃料電池セル100及びセルスタック装置10は、燃焼位置を遠ざけることを主目的とした部材を用いずに、クラックの発生を抑制することができる。
また、熱伝導部材170の熱伝導部172をヒートスプレッダとして作用させることによって、燃焼による熱を支持基板110の他端側の外表面に広げることで、支持基板110のクラックの原因となる温度分布を小さくしている。このため、熱伝導部材170と支持基板110との間に気密性が要求されない。したがって、本実施の形態では、熱伝導部材170を支持基板110に載置するだけであり、接合材を用いずに熱伝導部材170を支持基板110に取り付けている。さらに、本実施の形態では、支持基板110の他端部の強度を向上するための手段(例えば緻密な強化層の形成)が不要である。よって、本実施の形態の燃料電池セル100及びセルスタック装置10は、簡便な方法でクラックを効果的に防止できるので、工業的に有利である。
さらには、本実施の形態の熱伝導部材170は、支持基板110の他端面116において相対的に温度の低い領域上に載置される載置部171を有している。これにより、燃焼熱を受けた熱伝導部172から載置部171に燃焼熱が伝えられ、載置部171から載置部171下の他端面116における相対的に温度の低い領域に燃焼熱を伝えることができる。このため、支持基板110の他端面116において相対的に温度の低い領域を加熱できるので、支持基板110の他端面116における温度分布をさらに低減できる。
(変形例1)
図11に示す本実施の形態の変形例1における燃料電池セルは、基本的には図6に示す実施の形態における燃料電池セルと同様の構成を備えているが、熱伝導部172の上端の位置において異なる。
詳細には、図6に示す本実施の形態の燃料電池セルの載置部171の上端は、熱伝導部172(突出部174)の上端よりも上方に位置している。一方、図11に示す変形例1における燃料電池セルの載置部171の上端は、熱伝導部172の上端と同じ位置である。
なお、載置部171の上端は、熱伝導部172(突出部174)の上端よりも下方に位置してもよい。
(変形例2)
図12及び図13に示す本実施の形態の変形例2における燃料電池セルは、基本的には図5及び図6に示す実施の形態における燃料電池セルと同様の構成を備えているが、変形例2の熱伝導部材170は載置部を有していない点において異なる。
詳細には、変形例2の支持基板110は、他端近傍に設けられた突起部119をさらに有している。突起部119は、図12及び図13に示すように、一対の側端面114から幅方向(y軸方向)に突出するように設けられている。熱伝導部材170は、筒状である。この熱伝導部材170の下端は、突起部119上に載置されている。
なお、突起部119は、支持基板110の側端面114以外に設けられてもよく、全周に渡って設けられてもよい。また、熱伝導部材170が載置部を有していない構造として、支持基板110及び熱伝導部172の少なくとも一方がテーパ形状であってもよい。このように、支持基板110の他端面116に載置される載置部171が省略された熱伝導部材170を用いても、熱伝導部材170は非接合状態で配置され得る。
(変形例3)
図14〜図16に示す本実施の形態の変形例3における燃料電池セルは、基本的には、図5及び図6に示す実施の形態における燃料電池セルと同様の構成を備えているが、変形例3の被覆部173は支持基板110の外表面の他端の全周を覆っていない点において異なる。
詳細には、図14〜図16に示すように、被覆部173は、幅方向において両端に位置するガス流路111a、111b間を挟んで対向する外表面を被覆する。具体的には、被覆部173は、図16に示す左端に位置するガス流路111aから右端に位置するガス流路111bまで幅方向に延びる領域を挟んで対向する外表面を被覆し、残部の外表面を被覆していない。つまり、被覆部173は、支持基板110における外表面のうち幅方向両端部と、一対の側端面114とを被覆していない。
円筒平板型の支持基板110を備える燃料電池セルにおいて、余剰の反応ガスの燃焼時、支持基板110において温度差が非常に大きくなるのは、図9に示す排出口近傍R1と、排出口を挟んで対向する外表面近傍R2とである。その温度差が大きい部分において、温度が低くなる外表面近傍R2を被覆部173が被覆している。このため、燃焼による熱を支持基板110の温度の低い外表面近傍R2に広げることができるので、支持基板110のクラックの原因となる温度分布が小さくなる。したがって、変形例3の被覆部173のように、ガス流路111が形成されている領域を挟んで対向する外表面のみを被覆しても、支持基板110の他端部の外表面近傍R2に加えられる引張応力を効果的に低減できる。したがって、変形例3の燃料電池セル及びセルスタック装置は、余剰の反応ガスの燃焼時に、燃料電池セルのクラックを効果的に抑制できる。
なお、変形例3の熱伝導部材170の被覆部173は、支持基板110を挟持するように構成されていることが好ましい。さらに、被覆部173の一部は、支持基板110と当接して支持基板110を挟持するとともに、被覆部173の残部は、支持基板110と隙間を介して対向していることが好ましい。
(変形例4)
図17に示す本実施の形態の変形例4における燃料電池セルは、基本的には図16に示す変形例3における燃料電池セルと同様の構成を備えているが、変形例4の載置部175が支持基板110の他端面116において相対的に温度の高い領域と当接する点において異なる。
詳細には、変形例4の載置部175は、ガス流路111を挟んで対向する熱伝導部172を連結する。各載置部175は、厚さ方向(z軸方向)に延びる。図17に示す載置部175は、各ガス流路111間を横断するように複数設けられているが、単数であってもよく、所定のガス流路111間のみを横断するように複数設けられていてもよい。この場合であっても、熱伝導部材170を支持基板110に載置するだけでクラックの抑制が可能になるので、工業的に有利である。
以上のように本発明の実施の形態及び変形例について説明を行なったが、実施の形態及び変形例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態及び変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び変形例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 :セルスタック装置
20 :マニホールド
21 :導入管
100 :燃料電池セル
110 :支持基板
111 :ガス流路
111a :ガス流路
111b :ガス流路
112 :第1主面
113 :第2主面
114 :側端面
115 :一端面
116 :他端面
117 :第1凹部
119 :突起部
120 :発電素子部
121 :反応防止膜
130 :燃料極
131 :燃料極集電部
131a :第2凹部
131b :第3凹部
132 :燃料極活性部
140 :電解質
150 :空気極
160 :電気的接続部
161 :インターコネクタ
162 :空気極集電膜
170 :熱伝導部材
171 :載置部
172 :熱伝導部
173 :被覆部
174 :突出部
175 :載置部
D1 :距離
D2 :距離
H :隙間
L :距離
R1 :排出口近傍
R2 :外表面近傍
また、支持基板110は、一端(図5では下端)に位置する一端面115と、他端(図5では上端)に位置する他端面116とを有している。一端面115及び他端面116は、対向している。一端面115は、第1主面112、第2主面113及び一対の側端面114の一端と連なる。他端面116は、第1主面112、第2主面113及び一対の側端面114の端と連なる。

Claims (7)

  1. 一端から他端に向けて延びるとともに、反応ガスが前記一端側から供給されて前記他端側から排出されるガス流路を有する絶縁性の支持基板と、
    前記支持基板の外表面に配置され、燃料極、電解質、及び空気極を有する発電素子部と、
    前記支持基板の前記他端に配置される金属製の熱伝導部材と、
    を備え、
    前記熱伝導部材は、
    前記支持基板の前記他端において、前記ガス流路を挟んで対向する外表面を被覆する被覆部と、
    前記被覆部と連なるとともに、前記支持基板の前記他端から突出する突出部と、
    を有し、
    前記被覆部における前記一端から前記他端に向かう距離は、前記突出部における前記一端から前記他端に向かう距離よりも長い、燃料電池セル。
  2. 前記支持基板は、幅方向に沿って設けられた複数の前記ガス流路を有する円筒平板型であり、
    前記被覆部は、幅方向において両端に位置する前記ガス流路間を挟んで対向する外表面を被覆する、請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記支持基板と前記被覆部とは、少なくとも一部において隙間を介して対向する、請求項1または2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記熱伝導部材は、非接合状態で配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
  5. 前記熱伝導部材は、前記支持基板の前記他端に位置する面上に載置されるとともに、前記被覆部及び前記突出部の少なくとも一方と連なる載置部をさらに有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
  6. 前記載置部は、前記支持基板の前記他端に位置する面において相対的に温度の低い領域と当接する、請求項5に記載の燃料電池セル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池セルと、
    前記燃料電池セルの前記一端側の前記ガス流路に前記反応ガスを供給するマニホールドと、
    を備える、セルスタック装置。
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