JP2019014762A - ニロチニブ塩酸塩の多形形態 - Google Patents

ニロチニブ塩酸塩の多形形態 Download PDF

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Abstract

【課題】ニロチニブ塩酸塩の多形形態を提供すること。【解決手段】ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5、R5a、R5bおよびR6、ならびにそれらを調製するためのプロセス。一実施形態において、本出願は、形態R5と称され、約6.27±0.2、15.44±0.2、16.15±0.2、24.07±0.2および26.11±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;約11.26±0.2、12.24±0.2、12.54±0.20、18.81±0.2および27.94±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図1に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。【選択図】なし

Description

序文
本出願は、形態R5、形態R5a、形態R5b、形態R6と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態およびそれらを調製するためのプロセスを提供する。
発明の背景
採用された名称である「ニロチニブ塩酸塩」を有する薬物化合物は、化学名として4−メチル−N−[3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−ベンズアミド一塩酸塩を有し、式Iによって構造で表される。
Figure 2019014762
ニロチニブ塩酸塩は、ニロチニブ塩酸塩一水和物として承認され、イマチニブを含んだ先行する治療に抵抗性であるかもしくは不耐性の成人患者における慢性期および移行期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(CML)を処置するためのカプセル剤の形態で商品名Tasigna(登録商標)を使用して販売されているキナーゼインヒビターである。
国際出願公開第WO2007/015871 A1号は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−ベンズアミドの塩、およびそれらの多形形態、ならびにそれらを調製するためのプロセスを記載し、ここで上記塩は、塩酸塩、塩酸塩一水和物、一リン酸塩、二リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩(methanesulfate)、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、フマル酸(furmarate)塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩などである。さらに、それはまた、形態Aおよび形態Bと称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態、それらを調製するためのプロセスおよびニロチニブ塩酸塩一水和物を調製するためのプロセスを開示する。
国際出願公開第WO2007/015870 A2号は、形態A、形態A’、形態A’’、形態B、形態B’、形態S、形態S’、形態C、形態C’、形態S、形態D、形態S、形態Bおよび形態Dの混合物と称されるニロチニブ塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態、ならびにニロチニブ塩酸塩の非晶質形態を記載する。さらに、それはまた、ニロチニブ遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態AおよびB、ならびにニロチニブ硫酸塩の実質
的に純粋な結晶形態AおよびBを開示する。
国際出願公開第WO2010/054056 A2号は、形態T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10、T11、T12、T13、T14、T15、T16、T17、T18、およびT19と称されるニロチニブ塩酸塩の多形形態を記載する。さらに、それはまた、薬学的に適切な賦形剤と組み合わせたニロチニブ塩酸塩の固体分散物を記載する。
国際出願公開第WO2011/163222号は、形態T20、T27、T28およびT29と称されるニロチニブ塩酸塩の多形形態を記載する。
国際出願公開第WO2011/086541 A1号は、5.70、7.56、9.82、15.01、17.31および27.68±0.2°2θにおけるピークを含むX線回折パターンを有するニロチニブ塩酸塩一水和物の結晶形態、ならびにそれを調製するためのプロセスを記載する。
国際出願公開第WO2012/055351 A1号は、4.987、8.430、11.309、14.403、17.219、19.225および25.544°2θにおけるピークを含むX線回折パターンを有するニロチニブ塩酸塩一水和物の結晶形態およびそれを調製するためのプロセスを記載する。
国際出願公開第WO2012/070062 A2号は、約8.6、11.4、13.2、14.3、15.5、17.3、19.2および25.3±0.2°の2θ角位置を有する粉末X線回折スペクトルのピークによって特徴付けられるニロチニブ塩酸塩結晶形態H1、およびそれを調製するためのプロセスを記載する。
米国出願公開第2013/0210847 A1号は、4.3、8.7、9.5、11.3、13.2、14.4、17.3、18.6、19.3、20.8、22.2および25.3°2θ(±0.1°2θ)における粉末X線回折パターンのピークによって特徴づけられるニロチニブ塩酸塩二水和物を記載する。
IP.com Journal (2010), 10(3B), 11は、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態T24、T25、およびT26、ならびにそれらを調製するためのプロセスを記載する。
IP com Journal (2010), 10(12A), 18は、形態T19およびT20と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態、ならびにそれらを調製するためのプロセスを記載する。
IP.com Journal (2009), 9(12B), 14は、ニロチニブ塩酸塩結晶形態T2〜T6、T9およびT11〜T13、ならびにそれらを調製するためのプロセスを記載する。
IP.com Journal (2010), 10(5A), 25は、ニロチニブ塩酸塩結晶形態T5およびそれを調製するためのプロセスを記載する。
IP.com Journal (2010), 10(7B), 3は、非晶質形態の4−メチル−N−[3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド塩を調製するための方法を記載する。
ある薬物またはある薬学的に有用な化合物の新たな多形形態および/または溶媒和物の発見は、標的化された放出プロフィールもしくは他の所望の特徴を有する薬物の薬学的に受容可能な剤形の特徴を改善する機会を提供する。
種々の多形形態に言及する前述の開示にも拘わらず、ニロチニブ塩酸塩の新たな多形形態およびそれらを調製するためのプロセスが必要である。
国際公開第2007/015871号 国際公開第2007/015870号 国際公開第2010/054056号 国際公開第2011/163222号 国際公開第2011/086541号 国際公開第2012/055351号 国際公開第2012/070062号 米国特許出願公開第2013/0210847号明細書
IP.com Journal (2010), 10(3B), 11 IP.com Journal (2010), 10(12A), 18 IP.com Journal (2009), 9(12B), 14 IP.com Journal (2010), 10(5A), 25 IP.com Journal (2010), 10(7B), 3
発明の概要
本願は、形態R5、形態R5a、形態R5b、形態R6と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態、ならびにそれらを調製するためのプロセスを提供する。
一実施形態において、本出願は、形態R5と称され、約6.27±0.2、15.44±0.2、16.15±0.2、24.07±0.2および26.11±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;約11.26±0.2、12.24±0.2、12.54±0.20、18.81±0.2および27.94±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図1に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。
別の実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程;
b)炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を上記工程a)の溶液に添加する工程;
c)約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
d)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含する。
別の実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程;
b)上記工程a)の懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
c)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含する。
一実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸およびエーテル溶媒中のニロチニブ塩酸塩のスラリーを得る工程、
b)上記工程a)のスラリーを約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
c)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含する。
一実施形態において、本出願は、形態R5aと称され、約6.29±0.2、7.31±0.2、15.45±0.2、16.18±0.2、24.10±0.2および26.15±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図2に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。ニロチニブ塩酸塩形態R5aは、約11.26±0.2、12.25±0.2、12.55±0.2、18.86±0.2、27.98±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する粉末X線回折パターンによってさらに特徴付けられ得る。
別の実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5を約45℃未満の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R5aを調製するためのプロセスを包含する。
一実施形態において、本出願は、形態R5bと称され、約6.28±0.2、7.29±0.2、7.56±0.2、15.54±0.2、16.07±0.2および21.91±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図3に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。ニロチニブ塩酸塩形態R5bは、約11.72±0.2、12.45±0.2、29.49±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する粉末X線回折パターンによってさらに特徴付けられ得る。
別の実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aを約60℃〜約80℃の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R5bを調製するためのプロセスを包含する。
一実施形態において、本出願は、形態R6と称され、約7.56±0.2、10.16±0.2、12.42±0.2、20.32±0.2および27.97±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;約8.93±0.2、11.76±0.2、15.53±0.2、17.71±0.2、19.57±0.2、21.72±0.2および23.40±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図4に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;図5に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特
徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。
別の実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程;
b)炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を上記工程a)の溶液に添加する工程;
c)上記工程b)の反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
d)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
e)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含する。
別の実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aもしくは形態R5bを約100℃〜約120℃の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含する。
一実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程;
b)上記工程a)の懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
c)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
d)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含する。
一実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸およびエーテル溶媒中のニロチニブ塩酸塩のスラリーを得る工程;
b)上記工程a)のスラリーを約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
c)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
d)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含する。
一実施形態において、本出願は、形態R5、形態R5a、形態R5bもしくは形態R6と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態、ならびに少なくとも1種の薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
約6.27±0.2、15.44±0.2、16.15±0.2、24.07±0.2および26.11±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン(PXRD)によって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5。
(項目2)
約11.26±0.2、12.24±0.2、12.54±0.20、18.81±0.2および27.94±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン(PXRD)によってさらに特徴付けられる、項目1に記載のニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5。
(項目3)
図1に実質的に示されるとおりのPXRDパターンによって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5。
(項目4)
ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスであって、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程;
b)炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を、工程a)の該溶液に添加する工程;
c)約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
d)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含するプロセス。
(項目5)
炭化水素溶媒は、n−ヘプタンである、項目4に記載のプロセス。
(項目6)
エーテル溶媒は、メチルtert−ブチルエーテルである、項目4に記載のプロセス。(項目7)
ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスであって、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程;
b)工程a)の該懸濁物を、約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;および
c)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含するプロセス。
(項目8)
ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスであって、
a)酢酸およびエーテル溶媒中のニロチニブ塩酸塩のスラリーを得る工程;
b)工程a)の該スラリーを約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
c)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含するプロセス。
(項目9)
前記エーテル溶媒は、メチルtert−ブチルエーテルである、項目8に記載のプロセス。
(項目10)
約6.29±0.2、7.31±0.2、15.45±0.2、16.18±0.2、24.10±0.2および26.15±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5a。
(項目11)
約11.26±0.2、12.25±0.2、12.55±0.2、18.86±0.2、27.98±0.2°2θにおけるピークによってさらに特徴付けられる、項目10に記載のニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5a。
(項目12)
図2に実質的に示されるとおりのPXRDパターンによって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5a。
(項目13)
ニロチニブ塩酸塩形態R5aを調製するためのプロセスであって、該結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5を約45℃未満の温度で乾燥させる工程を包含するプロセス。
(項目14)
6.28±0.2、7.29±0.2、7.56±0.2、15.54±0.2、16.07±0.2および21.91±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン(PXRD)によって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5b。
(項目15)
11.72±0.2、12.45±0.2、29.49±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン(PXRD)によってさらに特徴付けられる、項目14に記載のニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5b。
(項目16)
図3に実質的に示されるとおりのPXRDパターンによって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R5b。
(項目17)
ニロチニブ塩酸塩形態R5bを調製するためのプロセスであって、該結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aを、約60℃〜約80℃の温度で乾燥させる工程を包含するプロセス。
(項目18)
約7.56±0.2、10.16±0.2、12.42±0.2、20.32±0.2および27.97±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン(PXRD)によって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R6。
(項目19)
約8.93±0.2、11.76±0.2、15.53±0.2、17.71±0.2、19.57±0.2、21.72±0.2および23.40±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン(PXRD)によってさらに特徴付けられる、項目18に記載のニロチニブ塩酸塩の結晶形態R6。
(項目20)
図4に実質的に示されるとおりのPXRDパターンによって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R6。
(項目21)
図5に実質的に示されるとおりのPXRDパターンによって特徴付けられる、ニロチニブ塩酸塩の結晶形態R6。
(項目22)
ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスであって、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程;
b)炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を工程a)の該溶液に添加する工程;
c)工程b)の該反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
d)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
e)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含するプロセス。
(項目23)
炭化水素溶媒は、n−ヘプタンである、項目22に記載のプロセス。
(項目24)
エーテル溶媒は、メチルtert−ブチルエーテルである、項目22に記載のプロセス。
(項目25)
ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスであって、該結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aもしくは形態R5bを、約100℃〜約120℃の温度で乾燥させる工程を包含するプロセス。
(項目26)
ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスであって、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程;
b)工程a)の該懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
c)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
d)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含するプロセス。
(項目27)
ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスであって、
a)酢酸およびエーテル溶媒中のニロチニブ塩酸塩のスラリーを得る工程;
b)工程a)の該スラリーを約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
c)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
d)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含するプロセス。
(項目28)
前記エーテル溶媒は、メチルtert−ブチルエーテルである、項目27に記載のプロセス。
図1は、ニロチニブ塩酸塩形態R5の特徴的粉末X線回折パターンを図示する。
図2は、ニロチニブ塩酸塩形態R5aの特徴的粉末X線回折パターンを図示する。
図3は、ニロチニブ塩酸塩形態R5bの特徴的粉末X線回折パターンを図示する。
図4は、ニロチニブ塩酸塩形態R6の特徴的粉末X線回折パターンを図示する。
図5は、ニロチニブ塩酸塩形態R6の特徴的粉末X線回折パターンを図示する。
詳細な説明
本出願は、形態R5、形態R5a、形態R5b、形態R6と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態、ならびにそれらを調製するためのプロセスを提供する。
一実施形態において、本出願は、形態R5と称され、約6.27±0.2、15.44±0.2、16.15±0.2、24.07±0.2および26.11±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;約11.26±0.2、12.24±0.2、12.54±0.20、18.81±0.2および27.94±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図1に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。
別の実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程;
b)炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を上記工程a)の溶液に添加する工程;
c)約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
d)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含する。
工程a)は、酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程を伴う。
工程a)に従って溶液を得る工程は、ニロチニブ塩酸塩を酢酸中に溶解させる工程、または酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を、上記化合物の調製における最終工程として得る工程を包含する。ニロチニブ塩酸塩は、当該分野で公知のプロセスによって得られる場合がある。上記工程a)の溶液は、約0℃から上記溶媒のほぼ還流温度までの範囲に及ぶ任意の温度で、好ましくは約10℃〜約80℃で、より好ましくは約20℃〜約50℃で、最も好ましくは約25℃〜約35℃で提供され得る。
上記溶液は、必要に応じて、活性炭で処理され得、次いで、上記炭素を除去するために濾過され得る。上記溶液は、必要に応じて、紙、ガラス繊維、もしくは他の膜材料、またはセライトのような清澄剤のベッドを通すことによって、濾過され得る。使用される装置、ならびに上記溶液の濃度および温度に依存して、上記濾過装置は、望ましくない結晶化を回避するために、加熱もしくは冷却される必要があり得る。
工程b)は、炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を上記工程a)の溶液に添加する工程を伴う。
工程b)において使用され得る上記炭化水素溶媒は、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどから選択される。好ましい実施形態において、n−ヘプタンが使用される。上記工程b)において使用され得るエーテル溶媒は、石油エーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルなどから選択される。好ましい実施形態においては、メチルtert−ブチルエーテルが使用される。
一実施形態において、炭化水素溶媒およびエーテル溶媒は、逐次的手法で上記工程a)の溶液に添加され得る。例えば、炭化水素溶媒に続いてエーテル溶媒が、またはエーテル溶媒に続いて炭化水素溶媒が、上記工程a)の溶液に添加される。
一実施形態において、炭化水素溶媒およびエーテル溶媒の混合物が、上記工程a)の溶液に添加され得る。
上記炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒、またはこれらの混合物は、上記工程a)で得られた溶液に約0℃〜約50℃の温度で、好ましくは約10℃〜約40℃で、より好ましくは約25℃〜約35℃で添加され得る。
好ましい実施形態において、炭化水素溶媒に続いてエーテル溶媒が、上記工程a)の溶液に約25℃〜約35℃の温度で添加される。
必要に応じて、形態R5もしくはR5aの種晶が、上記工程b)の反応混合物に添加され得る。上記結晶形態R5の種晶は、本出願で開示されるプロセスに従って得られる場合がある。上記形態R5の種晶は、炭化水素もしくはエーテル溶媒の添加前に、または炭化水素もしくはエーテル溶媒の添加後に、かつ工程c)に先だって添加され得る。上記種晶添加は、約0℃〜約50℃の温度で行われ得る。好ましくは、上記種晶添加は、約25℃〜約35℃の温度で行われる。一実施形態において、上記工程b)の反応混合物は、上記種晶添加工程後に得られる。
工程c)は、上記工程b)の反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程を伴う。
上記工程b)の反応混合物は、約0℃〜約50℃の温度で十分な時間にわたって維持される。本明細書で開示される場合、十分な時間は、結晶性ニロチニブ塩酸塩の形成を確実にするために必要とされる時間である。一実施形態において、上記反応混合物は、約30分〜約72時間の期間にわたって維持される。
一実施形態において、上記反応混合物は、約10℃〜約40℃の温度で、より好ましくは約25℃〜約35℃で維持される。
工程d)は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程を伴う。上記結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5は、それ自体公知の手法で、使用される溶媒に依存して単離され、上記手法としては、重力によるかもしくは吸引/真空による濾過、蒸溜、遠心分離、またはスローエバポレーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ニロチニブ塩酸塩形態R5は、真空下での濾過および約25℃〜約35℃の温度での真空乾燥(suction drying)によって、単離され得る。
別の実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程;
b)上記工程a)の懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
c)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含する。
工程a)は、酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程を伴う。
上記工程a)に従うニロチニブ塩酸塩懸濁物は、ニロチニブ塩酸塩と酢酸とを、約0℃〜約50℃の温度で、好ましくは約10℃〜約40℃で、より好ましくは約25℃〜約35℃で合わせることによって得られる場合がある。懸濁物を得るために使用される酢酸の量は、選択される温度範囲に基づいて、ニロチニブ塩酸塩1gあたり約1ml〜約5mlの範囲に及ぶ。
工程b)は、上記工程a)の懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程を伴う。
上記工程a)の懸濁物は、約0℃〜約50℃の温度で維持され得る。一実施形態において、上記工程a)の懸濁物は、約10℃〜約40℃の温度で、より好ましくは約25℃〜約35℃で維持される。上記懸濁物は、ニロチニブ塩酸塩を結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5に変換することを確実にするために十分な時間にわたって維持される。
一実施形態において、上記懸濁物は、約30分〜約72時間の期間にわたって維持される。
工程c)は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程を伴う。上記結晶性ニロチニブ塩酸塩は、それ自体公知の手法で、使用される溶媒に依存して単離され、上記手法としては、重力によるかもしくは吸引/真空による濾過、蒸溜、遠心分離、またはスローエバポレーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ニロチニブ塩酸塩形態R5は、真空下での濾過および約25℃〜約35℃の温度での真空乾燥によって単離され得る。
一実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸およびエーテル溶媒中のニロチニブ塩酸塩のスラリーを得る工程;
b)上記工程a)のスラリーを約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
c)ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程
を包含する。
工程a)に従ってスラリーを得る工程は、酢酸およびエーテルをとって、ニロチニブ塩酸塩を添加する工程、またはニロチニブ塩酸塩を酢酸に溶解させて、エーテルを添加する工程を包含する。ニロチニブ塩酸塩は、当該分野で公知のプロセスによって得られる場合がある。上記工程a)の反応混合物は、約0℃から上記溶媒のほぼ還流温度までの範囲に及ぶ任意の温度で、好ましくは約10℃〜約80℃で、より好ましくは約20℃〜約50℃で、最も好ましくは約25℃〜約35℃で提供され得る。
上記工程a)で使用され得るエーテル溶媒は、石油エーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルなどから選択される。好ましい実施形態においては、メチルtert−ブチルエーテルが使用される。
必要に応じて、形態R5もしくはR5aの種晶は、上記工程a)の反応混合物に添加され得る。上記結晶形態R5の種晶は、本出願で開示されるプロセスに従って得られる場合がある。上記種晶添加は、約0℃〜約50℃の温度で行われ得る。好ましくは、上記種晶添加は、約25℃〜約35℃の温度で行われる。
工程b)は、上記工程a)の反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程を伴う。
上記工程a)の反応混合物は、約0℃〜約50℃の温度で十分な時間にわたって維持さ
れる。本明細書で開示される場合、十分な時間は、結晶性ニロチニブ塩酸塩の形成を確実にするために必要とされる時間である。一実施形態において、上記反応混合物は、約30分〜約72時間の期間にわたって維持される。
一実施形態において、上記反応混合物は、約10℃〜約40℃の温度で、より好ましくは約25℃〜約35℃で維持される。
工程c)は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程を伴う。上記結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5は、それ自体公知の手法で、使用される溶媒に依存して単離され、上記手法としては、重力によるかもしくは吸引/真空による濾過、蒸溜、遠心分離、またはスローエバポレーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ニロチニブ塩酸塩形態R5は、真空下での濾過、約25℃〜約35℃の温度での真空乾燥、および/もしくは約45℃未満の温度での乾燥によって単離され得る。
一実施形態において、本出願は、形態R5aと称され、約6.29±0.2、7.31±0.2、15.45±0.2、16.18±0.2、24.10±0.2および26.15±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図2に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。ニロチニブ塩酸塩形態R5aは、約11.26±0.2、12.25±0.2、12.55±0.2、18.86±0.2、27.98±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する粉末X線回折パターンによってさらに特徴付けられ得る。
別の実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5を約45℃未満の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R5aを調製するためのプロセスを包含する。
上記結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5を乾燥させる工程は、重力オーブン(gravity oven)、トレイドライヤー、真空オーブン、Buechi(登録商標) Rotavapor(登録商標)、エアトレイドライヤー、流動床ドライヤー、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどのような任意の装置を使用して、適切に行われ得る。上記乾燥させる工程は、大気圧でもしくは減圧下で、約45℃未満の温度で行われ得る。一実施形態において、約45℃未満は、5℃より高くかつ45℃より低い温度を含む。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、約40℃の温度で、約35℃の温度で、約30℃の温度で、および任意の他の適切な温度で行われ得る。上記乾燥させる工程は、所望の品質を得るために必要とされる任意の期間、例えば、約15分〜数時間、もしくはそれより長い期間にわたって行われ得る。
具体的実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5を、真空トレイドライヤーもしくはエアトレイドライヤーを使用することによって、約45℃未満の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R5aを調製するためのプロセスを包含する。
一実施形態において、本出願は、形態R5bと称され、約6.28±0.2、7.29±0.2、7.56±0.2、15.54±0.2、16.07±0.2および21.91±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図3に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。ニロチニブ塩酸塩形態R5bは、約11.72±0.2、12.45±0.2、29.49±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する粉末X線回折パターンによってさらに特徴付けられ得る。
別の実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aを約60℃〜約80℃の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R5bを調製するためのプロセスを包含する。
上記結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aを乾燥させる工程は、重力オーブン、トレイドライヤー、真空オーブン、Buechi(登録商標)Rotavapor(登録商標)、エアトレイドライヤー、流動床ドライヤー、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどのような任意の装置を使用して、適切に行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、大気圧でもしくは減圧下で行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、約75℃の温度で、約70℃の温度で、もしくは約65℃の温度で行われ得る。上記乾燥させる工程は、所望の品質を得るための必要とされる任意の期間、例えば、約15分〜数時間、もしくはそれより長い期間にわたって行われ得る。
具体的実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R5bを調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、上記結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aを、エアトレイドライヤーもしくは真空トレイドライヤーの中で約60℃〜約80℃の温度で乾燥させる工程を包含する。好ましくは、上記乾燥させる工程は、約70℃の温度で行われる。
一実施形態において、本出願は、形態R6と称され、約7.56±0.2、10.16±0.2、12.42±0.2、20.32±0.2および27.97±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;約8.93±0.2、11.76±0.2、15.53±0.2、17.71±0.2、19.57±0.2、21.72±0.2および23.40±0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン;図4に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;図5に実質的に示されるとおりの粉末X線回折パターン;ならびにこれらの組合せからなる群より選択されるデータによって特徴付けられる結晶性ニロチニブ塩酸塩を提供する。
別の実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程;
b)炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を上記工程a)の溶液に添加する工程;
c)上記工程b)の反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
d)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
e)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含する。
工程a)は、酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を得る工程を伴う。
工程a)に従って溶液を得る工程は、ニロチニブ塩酸塩を酢酸に溶解させる工程、または酢酸中のニロチニブ塩酸塩の溶液を、上記化合物の調製における最終工程として得る工程を包含する。ニロチニブ塩酸塩は、当該分野で公知のプロセスによって得られる場合がある。上記工程a)の溶液は、約0℃から上記溶媒のほぼ還流温度までの範囲に及ぶ任意の温度で、好ましくは約10℃〜約80℃で、より好ましくは約20℃〜約50℃で、最も好ましくは約25℃〜約35℃で提供され得る。
上記溶液は、必要に応じて、活性炭で処理され得、次いで、上記炭素を除去するために濾過され得る。上記溶液は、必要に応じて、紙、ガラス繊維、もしくは他の膜材料、またはセライトのような清澄剤のベッドを通過させることによって濾過され得る。使用される装置、ならびに上記溶液の濃度および温度に依存して、上記濾過装置は、望ましくない結晶化を回避するために、加熱もしくは冷却される必要があり得る。
工程b)は、炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒を上記工程a)の溶液に添加する工程を伴う。
上記工程b)において使用され得る炭化水素溶媒は、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどから選択される。好ましい実施形態においては、n−ヘプタンが使用される。上記工程b)において使用され得るエーテル溶媒は、石油エーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルなどから選択される。好ましい実施形態においては、メチルtert−ブチルエーテルが使用される。
一実施形態において、炭化水素溶媒およびエーテル溶媒は、逐次的手法で上記工程a)の溶液に添加され得る。例えば、炭化水素溶媒に続いてエーテル溶媒が、またはエーテル溶媒に続いて炭化水素溶媒が、上記工程a)の溶液に添加される。
一実施形態において、炭化水素溶媒およびエーテル溶媒の混合物が、上記工程a)の溶液に添加され得る。
上記炭化水素溶媒および/もしくはエーテル溶媒またはこれらの混合物は、上記工程a)において得られる溶液に約0℃〜約50℃の温度で、好ましくは約10℃〜約40℃で、より好ましくは約25℃〜約35℃で添加され得る。
好ましい実施形態において、炭化水素溶媒に続いてエーテル溶媒が、上記工程a)の溶液に約25℃〜約35℃の温度で添加される。
必要に応じて、形態R5もしくはR5aの種晶は、上記工程b)の反応混合物に添加され得る。上記結晶形態R5の種晶は、本出願で開示されるプロセスに従って得られる場合がある。上記形態R5の種晶は、炭化水素もしくはエーテル溶媒の添加前に、または炭化水素もしくはエーテル溶媒の添加後に、かつ工程c)に先だって添加され得る。上記種晶添加は、約0℃〜約50℃の温度で行われ得る。好ましくは、上記種晶添加は、約25℃〜約35℃の温度で行われる。一実施形態において、上記工程b)の反応混合物は、上記種晶添加工程の後に得られる。
工程c)は、上記工程b)の反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程を伴う。
上記工程b)の反応混合物は、約0℃〜約50℃の温度で十分な時間にわたって維持される。本明細書で開示される場合、十分な時間は、結晶性ニロチニブ塩酸塩の形成を確実にするために必要とされる時間である。一実施形態において、上記反応混合物は、約30分〜約72時間の期間にわたって維持される。
一実施形態において、上記反応混合物は、約10℃〜約40℃の温度で、より好ましくは約25℃〜約35℃で維持される。
工程d)は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程を伴う。上記結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5は、それ自体公知の手法で、使用される溶媒に依存して単離され、上記手
法としては、重力によるかもしくは吸引/真空による濾過、蒸溜、遠心分離、またはスローエバポレーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ニロチニブ塩酸塩形態R5は、真空下での濾過および約25℃〜約35℃の温度での真空乾燥、ならびに/または約45℃未満の温度での乾燥によって単離され得る。
工程e)は、上記生成物を約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程を伴う。
乾燥させる工程は、重力オーブン、トレイドライヤー、真空オーブン、Buechi(登録商標)Rotavapor(登録商標)、エアトレイドライヤー、流動床ドライヤー、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどのような任意の装置を使用して、適切に行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、大気圧でもしくは減圧下で行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、約120℃の温度で、約115℃の温度で、約110℃の温度でもしくは約105℃の温度で行われ得る。上記乾燥させる工程は、所望の品質を得るために必要とされる任意の期間、例えば、約15分〜数時間、もしくはそれより長い期間にわたって行われ得る。
別の実施形態において、本出願は、結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aもしくは形態R5bを約100℃〜約120℃の温度で乾燥させる工程を包含する、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含する。
結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5もしくは形態R5aもしくは形態R5bを乾燥させる工程は、重力オーブン、トレイドライヤー、真空オーブン、Buechi(登録商標)Rotavapor(登録商標)、エアトレイドライヤー、流動床ドライヤー、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどのような任意の装置を使用して、適切に行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、大気圧でもしくは減圧下で行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、約120℃の温度で、約115℃の温度で、約110℃の温度でもしくは約105℃の温度で行われ得る。上記乾燥させる工程は、所望の品質を得るために必要とされる任意の期間、例えば、約15分〜数時間、もしくはそれより長い期間にわたって行われ得る。
一実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程;
b)上記工程a)の懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;ならびに
c)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
d)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含する。
工程a)は、酢酸中のニロチニブ塩酸塩の懸濁物を得る工程を伴う。
上記工程a)に従うニロチニブ塩酸塩懸濁物は、ニロチニブ塩酸塩と酢酸とを、約0℃〜約50℃の温度で、好ましくは約10℃〜約40℃で、より好ましくは約25℃〜約35℃で合わせることによって得られる場合がある。懸濁物を得るために使用される酢酸の量は、選択される温度範囲に基づいて、ニロチニブ塩酸塩1gあたり約1ml〜約5mlの範囲に及ぶ。
工程b)は、上記工程a)の懸濁物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程を伴う。
上記工程a)の懸濁物は、約0℃〜約50℃の温度で維持され得る。一実施形態において、上記工程a)の懸濁物は、約10℃〜約40℃の温度で、より好ましくは約25℃〜約35℃で維持される。上記懸濁物は、ニロチニブ塩酸塩を結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5に変換することを確実にするために十分な時間にわたって維持される。一実施形態において、上記懸濁物は、約30分〜約72時間の期間にわたって維持される。
工程c)は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程を伴う。上記結晶性ニロチニブ塩酸塩は、それ自体公知の手法で、使用される溶媒に依存して単離され、上記手法としては、重力によるかもしくは吸引/真空による濾過、蒸溜、遠心分離、またはスローエバポレーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ニロチニブ塩酸塩形態R5は、真空下での濾過および約25℃〜約35℃の温度での真空乾燥および/または45℃未満の温度での乾燥によって単離され得る。
工程d)は、上記工程c)の生成物を約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程を伴う。
乾燥させる工程は、重力オーブン、トレイドライヤー、真空オーブン、Buechi(登録商標)Rotavapor(登録商標)、エアトレイドライヤー、流動床ドライヤー、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどのような任意の装置を使用して、適切に行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、大気圧でもしくは減圧下で行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、約120℃の温度で、約115℃の温度で、約110℃の温度でもしくは約105℃の温度で行われ得る。上記乾燥させる工程は、所望の品質を得るために必要とされる任意の期間、例えば、約15分〜数時間、もしくはそれより長い期間にわたって行われ得る。
一実施形態において、本出願は、ニロチニブ塩酸塩形態R6を調製するためのプロセスを包含し、上記プロセスは、
a)酢酸およびエーテル溶媒中のニロチニブ塩酸塩のスラリーを得る工程;
b)上記工程a)のスラリーを約0℃〜約50℃の温度で維持する工程;
c)得られた結晶性化合物を単離する工程;ならびに
d)約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程
を包含する。
上記工程a)に従ってスラリーを得る工程は、酢酸およびエーテルをとってニロチニブ塩酸塩を添加する工程、またはニロチニブ塩酸塩を酢酸中に溶解させてエーテルを添加する工程を包含する。ニロチニブ塩酸塩は、当該分野で公知のプロセスによって得られる場合がある。上記工程a)の反応混合物は、約0℃から上記溶媒のほぼ還流温度までの範囲に及ぶ任意の温度で、好ましくは約10℃〜約80℃で、より好ましくは約20℃〜約50℃で、最も好ましくは約25℃〜約35℃で提供され得る。
上記工程a)において使用され得るエーテル溶媒は、石油エーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルなどから選択される。好ましい実施形態においては、メチルtert−ブチルエーテルが使用される。
必要に応じて、形態R5もしくはR5aの種晶は、上記工程a)の反応混合物に添加され得る。上記結晶形態R5の種晶は、本出願で開示されるプロセスに従って得られる場合がある。上記種晶添加は、約0℃〜約50℃の温度で行われ得る。好ましくは、上記種晶添加は、約25℃〜約35℃の温度で行われる。
工程b)は、上記工程a)の反応混合物を約0℃〜約50℃の温度で維持する工程を伴う。
上記工程a)の反応混合物は、約0℃〜約50℃の温度で十分な時間にわたって維持される。本明細書で開示される場合、十分な時間は、結晶性ニロチニブ塩酸塩の形成を確実にするために必要とされる時間である。一実施形態において、上記反応混合物は、約30分〜約72時間の期間にわたって維持される。
一実施形態において、上記反応混合物は、約10℃〜約40℃の温度で、より好ましくは約25℃〜約35℃で維持される。
工程c)は、ニロチニブ塩酸塩形態R5を単離する工程を伴う。結晶性ニロチニブ塩酸塩形態R5は、それ自体公知の手法で、使用される溶媒に依存して単離され、上記手法としては、重力によるかもしくは吸引/真空による濾過、蒸溜、遠心分離、またはスローエバポレーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ニロチニブ塩酸塩形態R5は、真空下での濾過および約25℃〜約35℃の温度での真空乾燥および/または約45℃未満の温度での乾燥によって単離され得る。
工程d)は、上記生成物を約100℃〜約120℃の温度で乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得る工程を伴う。
乾燥させる工程は、重力オーブン、トレイドライヤー、真空オーブン、Buechi(登録商標)Rotavapor(登録商標)、エアトレイドライヤー、流動床ドライヤー、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどのような任意の装置を使用して、適切に行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、大気圧でもしくは減圧下で行われ得る。一実施形態において、上記乾燥させる工程は、約120℃の温度で、約115℃の温度で、約110℃の温度でもしくは約105℃の温度で行われ得る。上記乾燥させる工程は、所望の品質を得るために必要とされる任意の期間、例えば、約15分〜数時間、もしくはそれより長い期間にわたって行われ得る。
一実施形態において、本出願は、形態R5、形態R5a、形態R5b、R6と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態、および少なくとも1種の薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
薬学的に受容可能な賦形剤としては、適切な表面改変因子(surface modifier)が挙げられるが、これらに限定されない。このような賦形剤としては、種々のポリマー、低分子量オリゴマー、天然生成物、および界面活性剤が挙げられる。
本発明の形態R5、形態R5a、形態R5b、および形態R6と称されるニロチニブ塩酸塩の結晶形態は、以下の、科学的純度、安定性(例えば、貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形変換に対する安定性)、流動性、溶解性、形態もしくは晶癖、低吸湿性および低い残留溶媒含有量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。
本出願のある種の具体的局面および実施形態は、以下の実施例を参照してより詳細に説明される。実施例は、例示目的のみで提供されるに過ぎず、本出願の範囲を限定するとはいかなる手法でも解釈されるべきでない。
実施例1:ニロチニブ塩酸塩形態R5の調製
ニロチニブ塩酸塩(1g)および酢酸(10ml)を、丸底フラスコの中に入れ、25〜35℃で撹拌して、溶液を得た。n−ヘプタン(50ml)を添加し、上記混合物を25〜35℃で5時間撹拌した。メチルtert−ブチルエーテル(100ml)を添加し、上記混合物を同じ温度で18時間撹拌した。その得られた懸濁物を濾過し、吸引乾燥して、標題化合物を得た。
実施例2:ニロチニブ塩酸塩形態R5の調製
ニロチニブ塩酸塩(5g)および酢酸(50ml)を丸底フラスコの中に入れ、25〜35℃で撹拌して、溶液を得た。n−ヘプタン(500ml)、メチルtert−ブチルエーテル(100ml)および種晶材料(0.5gの形態R5)を連続して添加し、上記混合物を25〜35℃で撹拌した。メチルtert−ブチルエーテル(400ml)を添加し、上記混合物を同じ温度で約48時間撹拌した。その得られた懸濁物を濾過し、吸引乾燥して、標題化合物を得た。
実施例3:ニロチニブ塩酸塩形態R5の調製
ニロチニブ塩酸塩(3g)および酢酸(5ml)を、丸底フラスコの中に25〜35℃で入れ、懸濁物を得た。上記混合物を同じ温度で約20時間撹拌し、濾過し、吸引乾燥して、標題化合物を得た。
実施例4:ニロチニブ塩酸塩形態R5aの調製
ニロチニブ塩酸塩形態R5(500mg)を、エアトレイドライヤーの中で1時間、40℃の温度で乾燥させて、標題化合物を得た。
実施例5:ニロチニブ塩酸塩形態R5aの調製
ニロチニブ塩酸塩形態R5(500mg)を、真空トレイドライヤーの中で1時間、40℃の温度で乾燥させて、標題化合物を得た。
実施例6:ニロチニブ塩酸塩形態R5bの調製
ニロチニブ塩酸塩形態R5a(500mg)を、エアトレイドライヤーの中で約8時間、70℃の温度で乾燥させて、標題化合物を得た。
実施例7:ニロチニブ塩酸塩形態R6の調製
ニロチニブ塩酸塩(5g)および酢酸(50ml)を、丸底フラスコの中に入れ、25〜35℃で撹拌して溶液を得た。n−ヘプタン(500ml)、メチルtert−ブチルエーテル(100ml)および種晶材料(0.5gの形態R5)を連続して添加し、上記混合物を25〜35℃で撹拌した。メチルtert−ブチルエーテル(400ml)を添加し、上記混合物を、同じ温度で約48時間維持した。その得られた懸濁物を濾過し、吸引乾燥し、真空トレイドライヤーの中で1時間、40℃の温度で乾燥させ、真空トレイドライヤーの中で8時間、100℃の温度でさらに乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得た。収率:89%。
実施例8:ニロチニブ塩酸塩形態R6の調製
ニロチニブ塩酸塩(5g)および酢酸(50ml)を、丸底フラスコの中に入れ、25
〜35℃で撹拌して溶液を得た。n−ヘプタン(500ml)、メチルtert−ブチルエーテル(100ml)および種晶材料(0.5gの形態R5)を連続して添加し、上記混合物を25〜35℃で撹拌した。メチルtert−ブチルエーテル(400ml)を添加し、上記混合物を同じ温度で約48時間維持した。得られた懸濁物を濾過し、吸引乾燥し、真空トレイドライヤーの中で1時間、40℃の温度で乾燥させ、真空トレイドライヤーの中で14時間、100℃の温度でさらに乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得た。
収率:89.3%; PXRD:図4。
実施例9:ニロチニブ塩酸塩形態R6の調製
ニロチニブ塩酸塩(3g)および酢酸(5ml)を、丸底フラスコの中に25〜35℃で入れ、懸濁物を得た。この混合物を、同じ温度で約20時間撹拌し、濾過し、吸引乾燥した。得られた化合物を、エアトレイドライヤーの中で1時間、40℃の温度で乾燥させ、エアトレイドライヤーの中で4時間、100℃の温度でさらに乾燥させて、ニロチニブ塩酸塩形態R6を得た。
収率:57.48%; PXRD:図5。
実施例10:ニロチニブ塩酸塩形態R6の調製
15.0mLのメチルtert−ブチルエーテルおよび5.0mLの酢酸を、丸底フラスコの中に26℃で入れた。1.0gのニロチニブ塩酸塩を上記丸底フラスコの中に入れ、23時間、26℃で撹拌した。この材料を、吸引ポンプを使用して濾過し、5分間乾燥した。その得られた物質を、エアトレイドライヤー上で110℃で6時間乾燥させて、標題化合物を得た。
収率:95%。
実施例11:ニロチニブ塩酸塩形態R6の調製
15.0gのニロチニブ塩酸塩および75mLの酢酸を、丸底フラスコの中に30℃で入れ、15分間撹拌した。75.0mLのn−ヘプタンおよび30.0mLのメチルtert−ブチルエーテルを上記フラスコに加えた。上記フラスコに、0.75gのR5材料(上記実施例のうちのいずれかで調製されたとおり)を種晶添加し、5分間撹拌した。270mLのメチルtert−ブチルエーテルを5分間にわたって添加し、その内容物を、15時間にわたって30℃で撹拌した。上記材料を、吸引ポンプを使用して濾過し、30mLのメチルtert−ブチルエーテルで洗浄した。上記材料を、25メッシュシーブを通して選り分けて、エアトレイドライヤーの中で110℃で6時間乾燥させて、標題化合物を得た。
収率:73%
実施例12:ニロチニブ塩酸塩形態R6の調製
375mLのメチルtert−ブチルエーテルおよび125mLの酢酸を、丸底フラスコの中で27℃で入れた。25.0gのニロチニブ塩酸塩を上記フラスコの中に入れ、24時間、27℃で撹拌しながら維持した。上記材料を、吸引ポンプを使用して27℃で濾過した。上記材料を、25メッシュシーブを通して選り分けて、エアトレイドライヤーの中で110℃で6時間乾燥させて、標題化合物を得た。
収量:19.5g

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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