JP2013519665A - メシル酸イマチニブのα形の製造方法 - Google Patents

メシル酸イマチニブのα形の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一貫した手法により「長針」のメシル酸イマチニブのα形および「小針」のα結晶形の改良された製造方法、ならびに、メシル酸イマチニブの新規なα結晶形を提供する。本発明は、より詳細には、再現可能かつ効率的な方法を提供する。より詳細には、本発明は、高収率および一貫した結果を与える効率的な方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月15日に出願されたインド国特許仮出願第398/MUM/2010号の出願日の利益を主張し、当該仮出願を完全に援用する。
本発明は、メシル酸イマチニブのα形の改良された製造方法、および、メシル酸イマチニブの新規なα結晶形に関する。本発明は、特に、α形の純度で妥協することなくα形を高収率で生成する再現可能かつ効率的な方法を提供する。
イマチニブは、式(I)の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドとして化学的に知られている。化合物のメシル酸イマチニブは、慢性骨髄性白血病(CML)および消化管間質腫瘍(GIST)の治療用として、GLIVEC(登録商標)の商標名で販売されている。メシル酸イマチニブは、切除不能なkit[CD117]陽性を有する患者の治療用としても承認され、最近では慢性期におけるフィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病を有する小児患者の治療用として承認された。

式I
イマチニブの製造とその使用、特に抗腫瘍剤としての使用は、欧州公開第0564409号に記載されている。その化合物は、当該公報において遊離型のみ(塩としてではなく)例示されている。メシル酸イマチニブ、そのメシル酸イマチニブのα結晶形とβ結晶形と同様に、医薬学的な使用が、米国特許6,894,051号に記載されている。
メシル酸イマチニブの他の多形体、いわゆるH−1形態が、国際公開第2004/106326号に記載されている。メシル酸イマチニブの2つの新しい多形の形態Iおよび形態IIならびにそれらの使用が、国際公開第2006/054314号に記載されている。メシル酸イマチニブのデルタ結晶形およびイプシロン結晶形、それらの製造方法および医薬組成物が、国際公開第2007/023182号において報告されている。その後、特定の条件下でメタンスルホン酸塩の新しい結晶形が、F,G,H,IおよびK結晶形として製造されることが、国際公開第2007/059963号において報告されている。
国際公開第99/03854号、国際公開第2006/0223816号、国際公開第2005/095379号、国際公開第2006/048890号等の様々な特許が、針状形状を有するα結晶形の製造方法を報告している。αと呼ばれる他の新しい多形形態および当該αを含有する医薬組成物が、インド国特許出願第706/CHE/04号において開示されている。
国際公開第99/03854号において、イマチニブ塩基をエタノール中で懸濁させ、メタンスルホン酸を添加し、そしてその反応混合物を加熱して20分間還流させて、次いで65℃で透明にろ過することによるα形の製造方法が報告されている。そのろ液を50%までエバポレートして、残留物を25℃でろ過した(ろ過材料A)。その母液をエバポレートして乾燥させた。その残留物とろ過材料Aとをエタノール中で懸濁させ、水を添加して還流下で溶解させた。25℃で終夜冷却し、ろ過および乾燥を行い、メシル酸イマチニブのα結晶形を生じた。上記α結晶形の製造方法は、再現することができないという不具合があり、発明者らは、実験後に、その方法はβ形をもたらすことを見出し、このことは、その特許が一貫した結果を与えることができないことを示している。
国際公開第2005/095379号は、反応混合物中で、イマチニブ1モル当たりメタンスルホン酸を0.95〜0.99のモル比で用いることによるα結晶形の製造方法を記載している。その‘379号において記載されている方法は、アルコールまたはアルコールとエステルとの混合物中でイマチニブの溶液にメタンスルホン酸を添加する工程、冷却する工程、結晶化温度に近い温度においてシーディングする工程(すなわち、メタンスルホン酸の添加の完了後かつ冷却後)、そしてさらに冷却する工程およびろ過する工程を通常含む。しかしながら、この方法は、工業的な実行可能性がない。
国際公開第2006/024863号も、結晶のメシル酸イマチニブのα形の製造方法を記載する;しかしながら、‘863号は、生成物を微粉化して、不要な結晶針状形態を変化させ、所望の固体の形態を得ることを示している。国際公開第2006/0223816号は、イマチニブとメタンスルホン酸とが溶解した有機溶媒からα形を製造する方法と、実質的に純粋なα形であるメシル酸イマチニブの種結晶とを記載しており、その種結晶は、当該溶液からメシル酸イマチニブが沈殿し始める前に添加される。上記方法は、シーディングが、メタンスルホン酸の添加前または当該酸添加段階の開始時であるが、固体のメシル酸イマチニブが溶液から沈殿し始めるより十分前に、行われることを記載する。国際公開第2006/048890号は、メシル酸イマチニブを25〜30℃においてメタノール:水(1:4)の比に溶解し、透明な溶液を得ることを述べている。当該溶液は、薄膜型撹拌乾燥器(ATFD)中でぜん動ポンプを用いて、真空下、流速18〜20リットル/時、60〜90分間、蒸気温度約50〜55℃で濃縮された。得られた生成物は、メシル酸イマチニブのα結晶形である。
式(I)の化合物のメタンスルホン酸添加塩のα結晶形の従来から公知の製造方法は、非アルコール溶媒中でその溶液からその塩を沈殿させる工程を含む。従来の方法により得られるα結晶形が、つじつまが合わずに、本来吸湿性であると見出された不安定な結晶α形をもたらし、医薬品には適さない流動特性を有することは、公知の事実である。
イマチニブは、特定種のがんの治療に用いられる薬である。イマチニブは、慢性骨髄性白血病(CML)、消化管間質腫瘍(GISTs)およびその他のがんの治療に用いられる。イマチニブは、全ての急速に分裂する細胞を非特異的に抑制したり、殺したりするよりもむしろ、特に、特定のがん細胞に特徴的な特定の酵素を抑制する働きをする薬剤の新しい種類の初めてのものである。
イマチニブは、医薬学産業のイノベーションの例としてよく引き合いに出される。それ故、現在のところ、本発明の発明者らは、一貫し、再現可能な方法により「長針」のα結晶形、および、「小針」のα結晶形を製造する改良された方法を開発することに成功した。
本発明は、メシル酸イマチニブのα形の改良された製造方法と、メシル酸イマチニブの新規なα結晶形とを提供する。本発明は、特に、α形の純度で妥協することなくα形を高収率で生成する再現可能かつ効率的な方法を提供する。本発明の方法は、簡単で、工業的に実行可能であり、それによって安定な「長針」のメシル酸イマチニブのα形と「小針」のα結晶形を一貫した方法で提供する。
本発明の目的は、一貫した手法により「長針」のメシル酸イマチニブのα形および「小針」のα結晶形の改良された製造方法、ならびに、メシル酸イマチニブの新規なα結晶形を提供することである。
本発明の目的は、メシル酸イマチニブのα形の純度で妥協することなくα形を高収率で生成する再現可能かつ効率的な方法を提供することである。
本発明の目的は、α形のメシル酸イマチニブの安定な製剤を提供することである。
本発明は、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミド(メシル酸イマチニブ)のメタンスルホン酸添加塩の結晶形に関する。より詳細には、本発明は、メシル酸イマチニブのα結晶形の純度で妥協することなく安定なα結晶形を高収率で生成する再現可能かつ効率的な方法に関する。
本発明の一の実施態様では、本発明は、イマチニブ塩基からメシル酸イマチニブのα形を製造する方法を提供する。一の好適な実施形態では、本発明は、少なくとも純度99%のイマチニブ塩基を用いる。一の特定の実施形態では、本発明は、自社で精製されたまたは市販のイマチニブ塩基を使用する。
イマチニブ塩基は、例えば、欧州特許出願公開第0564409号等の先行技術中の方法により製造してもよい。
本発明の一の実施態様では、一貫した方法による「長針」のメシル酸イマチニブのα結晶形および「小針」のα結晶形を製造するための簡単で工業的な製造方法が提供される。
一の実施態様では、本発明は、α結晶形の小針およびα結晶形の長針を製造するための種々の溶媒、湿度限界、温度およびメタンスルホン酸の量の効果について検討を行った。
一の実施態様では、本発明は、小針および長針の形態の安定性について検討を行った。
以下の図面は本明細書の一部を形成し、本明細書に含まれ、本開示の特定の実施態様をさらに示す。本開示の発明は、これら図面の1以上を、本明細書において示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて参照することによりさらに理解され得る。
図1は、メシル酸イマチニブのα結晶形(長針)のX線回折図を示す。 図2は、メシル酸イマチニブのα結晶形(小針)のX線回折図を示す。 図3は、長針のDSCを示す。 図4は、小針のDSCを示す。 図5は、長針のFTIRを示す。 図6は、小針のFTIRを示す。 図7は、メシル酸イマチニブのα結晶形(長針)の顕微鏡写真を示す。 図8は、メシル酸イマチニブのα結晶形(小針)の顕微鏡写真を示す。
実施形態の記載
定義
本明細書で使用される用語「イマチニブ」は、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドの塩基形態を意味する。
本明細書で使用される用語「メシル酸イマチニブ」は、イマチニブのメシル酸塩を意味する。
好適な実施形態および範囲
本発明は、一貫した手法によるメシル酸イマチニブのα形のための簡単で効率的な方法およびメシル酸イマチニブの新規なα結晶形を提供する。
本発明は、溶媒中で、好ましくはイソプロパノール中でイマチニブ塩基を懸濁させる工程およびメタンスルホン酸の溶液を前記溶媒に添加してα形を有利にする工程を含む方法を提供する。さらにその反応は、高温に維持され、塩形態を完了させ、その後に室温まで冷却される。そのようにして得られた沈殿物が次いでろ過され、そして高温で乾燥された。
本発明は、イマチニブ塩基の純度もα結晶形の形成に重要であることを検討した。一の好適な実施形態では、イマチニブ塩基の純度が少なくとも99%であり、一貫した方法により純粋な形態でのα結晶の形成を有利にする。
本発明は、溶媒の選択がα形の形成に重要であることを検討した。イソプロパノール(IPA)、t−ブタノール等のアルコール溶媒、および、MEK等のケトン性溶媒がα形を有利にすることが観察された。好ましくは本発明は、メシル酸イマチニブのα形の形成のためにIPAを用いる。
さらに、溶媒中の水分含有量も検討した。水分含有量が約1%であることがα結晶の形成に重要であることを見出した。溶媒の水分含有量と共に、イマチニブ塩基のメタンスルホン酸に対するモル比の選択が、α結晶形を有利にするのに非常に重要であることを見出した。
一の好適な実施形態では、本発明の方法で使用された無水溶媒の水分含有量は0.01〜1.5%である。通常、水分含有量は、少なくとも0.1%であることが好適であり、より好ましくは少なくとも0.2%、さらに好ましくは少なくとも0.5%である。通常、水分含有量が1.2%以下であることも好適である。典型的には約1%であり、例えば、0.8〜1.2%である。
本発明の一の好適な実施形態では、仮に溶媒の水分含有量が0.1%未満であれば、次にメタンスルホン酸を溶媒中で、30℃より高い接触温度(好ましくは35〜70℃、より好ましくは40〜60℃、例えば、40〜45℃または55〜60℃)でイマチニブ塩基と接触させ、および/または、反応混合物、すなわち、溶媒、イマチニブ塩基およびメタンスルホン酸の混合物が、その反応混合物が作られた後に、少なくとも30℃(好ましくは40〜60℃、より好ましくは45〜50℃)の温度まで加熱され、少なくとも10分間(好ましくは20〜40分間、通常約30分間)維持される。当然、この加熱工程は、混合物の温度を上昇させるためのみに使用され、そのため接触温度が30℃を超えると続いて加熱工程を行い、次いで加熱工程により、より高い温度、例えば、40〜60℃まで温度を上昇させる。
本発明のこの実施態様では、小針が所望であれば、接触温度は、35〜50℃のような50℃未満が好適であり、より好ましくは40〜45℃であり、および/または混合物が作られた後に、混合物は40〜55℃まで、より好ましくは45〜50℃に加熱される。通常、接触温度の上昇と、それに続く加熱工程との両方が用いられる。あるいは、長針が所望ならば、接触温度は、50〜65℃のような50℃を超える温度が好適であり、より好ましくは55〜60℃である。通常、長針を製造する場合、続く加熱工程は不要である。
反応混合物が作られ、(適切ならば)加熱工程が行われた後、その混合物を還流することも一般的に好適である。好ましくはその還流工程は少なくとも10分間、典型的には少なくとも30分間、好ましくは1〜4時間、そして通常約2時間継続する。
反応混合物からの結晶生成物の抽出技術は、特に限定されない。高温での接触、および/または、加熱工程、および/または、還流工程が行われた場合、反応混合物を次いで、室温、例えば、20〜25℃まで冷却(または静置して冷却)することが好適である。抽出にはろ過工程が好ましく用いられ(適切な場合は冷却後)、続いて、例えば、50〜150℃で、好ましくは80〜120℃で、より好ましくは80〜100℃で、通常95〜100℃で乾燥させる。乾燥工程は、通常は10〜30時間、典型的には15〜20時間継続する。好ましくは、洗浄工程が、ろ過工程の後で乾燥工程の前に行われる。反応混合物に使用された溶媒と同じ溶媒が、洗浄工程において通常使用される。
塩基に対して1モル未満のメタンスルホン酸は、α形の形成を有利にしないことが観察された。
本発明の方法においては、少なくとも塩基と同量のメタンスルホン酸が使用されることが好適である。好ましくはメタンスルホン酸の塩基に対する比は、X:1であり、Xは、1より大きく、好ましくは1.2〜10であり、より好適には1.5〜5であり、典型的には約2である。
好適には塩基のメタンスルホン酸に対する重量比が、Y:1であり、Yが2〜10、好ましくは3〜7であり、典型的には5である。
30〜60℃の温度範囲でメタンスルホン酸を添加することにより、高純度のα形を有利にし、残留溶媒を制限し、高収率を与えることが見出された。
驚くべきことに、メタンスルホン酸の添加温度の効果を検討している際に、α形が、小針と長針とで異なる温度で沈殿することも発見した。50℃未満での添加はα形の小針を有利にし、50℃を超えての添加はα形の長針を有利にすることが観察された。
上述した異なる形態の結果を得て、発明者らは、α形の二つの形態を特徴づけ、安定性のデータを上述の実験と結果において詳述した。
本発明の生成物の主な特徴
a)許容できる範囲内の残留溶媒容量を有するα形
b)安定なα形
c)2つの形状のα形:小針および長針
本発明は、メシル酸イマチニブのα結晶を提供し、そのα結晶は、
(i)XRPDで、2θが18.6〜18.7°の領域にα結晶の3つの最も強いピークのうちの1つ(好ましくは最も強いピーク)を有する;および/または
(ii)XRPDで、2θが10.5〜10.6°の領域にα結晶の3つの最も強いピークのうちの1つ(好ましくは2番目に強いピーク)を有する;および/または
(iii)XRPDで、2θが19.1〜19.2°の領域にα結晶の3つの最も強いピークのうちの1つ(好ましくは3番目に強いピーク)を有する;および/または
(iv)DSCで、224〜229℃の範囲で溶融する(本文では、前記温度範囲外では通常溶融しない)。
好適な実施態様では、α結晶は、XRPDで測定したときに、α結晶の最も強いピークのうち、1つ、好ましくは2つ、より好ましくは3つが、以下の3つの範囲のうち、1つ、2つまたは全てに位置している:2θが10.5〜10.6°、18.6〜18.7°、および19.1〜19.2°。
XRPDにより特定されるα結晶のさらに好適な特徴は以下のとおりである。
好ましくはα結晶は、2θが5.0°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが10.5°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが11.3°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが11.9°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが12.3°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが13.9°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが15.0°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが16.6°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが17.5°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが17.8°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが18.1°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが18.7°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが19.1°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが19.9°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが21.3°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが21.6°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが21.7°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが22.7°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが23.2°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが23.8°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが24.9°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが25.1°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが27.2°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが27.5°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが28.0°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが28.6°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
好ましくはα結晶は、2θが32.0°±0.1°(好ましくは±0.05°)に1つピークを有する。
最も好適な結晶は、上記ピークを全て有する。
本発明の結晶のα形は、安定なα形である。好ましくは、本発明のα結晶は、1%w/wを超えない、より好ましくは0.8%w/wを超えない、さらに好ましくは0.7%w/wを超えない、そして典型的には0.6%w/w未満の水含有量(KF法により測定)を有する。以下の表4にデータで示すように、本発明のα結晶は、40℃、相対湿度(RH)75で3ヶ月間保管した後でさえもこの低い水含有量を保つことができる。したがって、好ましくは、本発明のα結晶は、40℃、相対湿度(RH)75で1、2または3カ月保管した後でさえ、1%w/wを超えない、好ましくは0.8%w/wを超えない、より好ましくは0.7%w/wを超えない、そして典型的には0.65%w/w未満の水含有量を保つ。このことは、本発明の結晶のα形がいかに安定なα形であるかという一例である。
好ましくは、本発明のα結晶は、不純物の総量が1.0%w/wを超えず、より好ましくは0.5%w/wを超えず、さらに好ましくは0.2%w/wを超えず、特に好ましくは0.1%w/wを超えず、そして典型的には0.05%w/wを超えない。以下の表4にデータで示すように、本発明のα結晶は、40℃、相対湿度(RH)75で3カ月間保管した後でさえもこの低い不純物含有量を保つことができる。したがって、好ましくは、本発明のα結晶は、40℃、相対湿度(RH)75で1、2または3カ月保管した後でさえも、1.0%w/wを超えない、より好ましくは0.5%w/wを超えない、さらに好ましくは0.2%w/wを超えない、特に好ましくは0.1%w/wを超えない、そして典型的には0.05%w/wを超えない不純物の総量を保つ。このことは、本発明の結晶のα形がいかに安定なα形であるかという一例である。本文では、不純物の含有量は、通常HPLC、例えば、以下の実施例に記載されるようなHPLCにより測定される。
好ましくは、本発明のα形は、HPLCによる測定として(例えば、以下の実施例に記載されるように)、少なくとも純度99.9%w/wであり、より好ましくは少なくとも純度99.95%である。以下の表4にデータで示すように、本発明のα結晶は、40℃、相対湿度(RH)75で3カ月間保管した後でさえも非常に高い純度を保つことができる。したがって、好ましくは、本発明のα結晶は、40℃、相対湿度(RH)75で1、2または3カ月保管した後でさえも、少なくとも99.0%w/w、より好ましくは99.5%w/w、典型的には少なくとも99.7%w/w、の純度レベルを保つことができる。このことは、本発明の結晶のα形がいかに安定なα形であるかという一例である。
一の好適な実施態様では、本発明は、本明細書で記載される1以上の好適な特性により特徴づけられるメシル酸イマチニブのα結晶の実質的に純粋な形態を提供する。
他の好適な実施形態では、本発明は、実質的に、本明細書で記載される1以上の好適な特性により特徴づけられるメシル酸イマチニブのα結晶からなる結晶形を提供する。
本発明の方法の主な特徴は、以下のとおりである。
a)溶媒の臨界水分含有量が、約1%
b)塩基のメタンスルホン酸に対する臨界モル比が、少なくとも1:1
c)メタンスルホン酸の臨界添加温度が、30〜60℃の範囲
d)生成物の乾燥温度が、80〜100℃。
上記特徴が、以下の例において実証される一貫しかつ安定なα形を与える方法をもたらすということが考えられる。本発明の方法では、本発明の方法により得られるメシル酸イマチニブのα結晶形が、メタンスルホン酸の添加工程、還流工程、冷却工程、およびろ過による所望の結晶の単離工程を含むことに留意されたい。
本発明の方法は、アルコール溶媒またはケトン溶媒中で簡単に実行され得る。本発明の好適な実施態様では、溶媒は、アルコールであり、そのヒドロカルビル基は、炭素数2〜6の直鎖状または分岐状の脂肪族基である。アルコール溶媒は、C〜Cのアルコールから選択してもよく、好ましくはエタノールまたはtert−ブタノールであり、最も好ましくはイソプロパノールである。典型的にはアルコール溶媒は、3または4個の炭素原子を有する。他の実施態様では、好適には、溶媒が、直鎖状または分岐状の脂肪族ヒドロカルビル基を含むケトンであり、例えば、合計3〜6個の炭素原子を有し、好ましくは3〜5個の炭素原子を有し、そしてメチルエチルケトン(MEK)のように典型的には4または5個の炭素原子を有する。「長針」のα結晶形および「小針」のα結晶形の製造について文献で報告されている特段の方法はない。本発明者らが、「長針」のα結晶形および「小針」のα結晶形の製造方法を開発した。
さらに本発明者らは、所望の結晶構造を形成するのに重要な役割を果たす、実施例に言及する「長針」のα結晶形および「小針」のα結晶形を一貫しかつ再現可能な方法で合成するための、溶媒の選択、水分限界、温度およびメタンスルホン酸の比等の様々なパラメータについてじっくりとかつ実験的に検討した。
i)温度が、顕微鏡下で観察される結晶形態の物理的性質の決定に重要な役割を果たしていることが観察された。
ii)高温(55〜60℃)でのメタンスルホン酸の添加が、α結晶形(長針)の形成をもたらす
iii)30〜45℃でのメタンスルホン酸の添加が、α結晶形(小針)の形成をもたらす
iv)α形の形成を制御する他の重要な要因は、水分である。IPA中の水分が1.0%未満では、「長針と同様に小針」のα形の形成に至ることが観察された。
v)メタンスルホン酸のモル比が、結晶形態の原因となり得る他の要因である。1モル未満のモル比では、α形が形成されない。
本発明の発明者らは、国際公開第2005/077933号A1および国際公開第2006/024863号A1で述べられている方法に従った残留溶媒値は、100℃の高温で乾燥後でさえもICH基準を満たさないことに気付いた。本発明は、ICH基準に従う最終生成物中の残留溶媒の問題を解決した方法を提供する。上述したように、そして以下の表1〜4中のデータから示されるように、本発明のメシル酸イマチニブのα結晶は、メシル酸イマチニブの新しい形態であり、良好な安定性を有する。本発明の結晶の低溶媒値およびそれら結晶の安定性は、その結晶が要求される結晶構造を、製剤を製造するために要求される処理の間、保つことができるため、製剤処方での使用に適している。したがって、好適な実施形態では、本発明は、医薬組成物の製造方法を提供し、当該方法は、
(a)請求項1〜13のいずれか1項に記載のメシル酸イマチニブのα結晶を製造する工程;および
(b)前記α結晶を医薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤と組み合わせる工程、を含む。
本発明の方法は、工業用途に非常に適しており、特に医薬用途に適している。本発明に係るメシル酸イマチニブは、治療での使用に適している。本発明に係るメシル酸イマチニブは、がんを治療する方法、特に白血病(通常、慢性骨髄性白血病)およびGISTを治療する方法に有用である。本発明に係るメシル酸イマチニブは、かかる病気の治療用の薬剤の製造にも有用である。
α結晶形の製造は、以下の実施例により例示される。
以下の実施例は、本発明の好適な実施形態を示すために含まれる。当業者は、実施例において開示された以下の技術が、本発明者らによって発見された技術を表し、本発明の実施において良く機能し、したがって、その実施の好適な形態に寄与すると考えられることを理解する。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示された特定の実施形態における多くの変更が可能であること、および、本発明の精神と範囲を逸脱することなく同様のまたは類似の結果が得られることを理解する。
α結晶形の製造は、以下の実施例により例示される:
例1. 4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩のα形(小針)の製造
イマチニブ塩基(10g)を、140mlのイソプロパノールで懸濁した。10mlの無水イソプロパノール(水分0.09%)中のメタンスルホン酸(1.985g)を、40〜45℃で5分間かけてゆっくりと加え、45〜48℃に昇温し、30分間維持した。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、30mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、11.64g(97.48%)だった。残留イソプロピルアルコール含有量は、3,100ppmだった。
例2. 4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩のα形(長針)の製造
イマチニブ塩基(10g)を、140mlのイソプロパノールで懸濁した。10mlの無水イソプロパノール中のメタンスルホン酸(1.985g)を、55〜60℃で5分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、30mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、α形が11.9g(99.6%)だった。残留イソプロピルアルコール含有量は、3,300ppmだった。
例3. イソプロピルアルコール中の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩の製造
イマチニブ塩基(5g)を、60mlのイソプロパノールで懸濁した。15mlのイソプロパノール(水分1.1%)中のメタンスルホン酸(0.992g)を、25〜30℃で15〜20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、25mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、α形が5.6g(94.4%)だった。
例4. (参考例)イソプロピルアルコール中の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩の製造
イマチニブ塩基(10g)を、140mlのイソプロパノールで懸濁した。10mlのイソプロパノール(水分1.78%)中のメタンスルホン酸(1.985g)を、25〜30℃で5分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、30mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、11.59g(97.1%)だった。得られたXRDデータは、α形のデータと一致しなかった。
例5. (参考例)イソプロピルアルコール中の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩の製造
イマチニブ塩基(5g)を、60mlのイソプロパノールで懸濁した。15mlのイソプロパノール(水分2.0%)中のメタンスルホン酸(0.992g)を、55〜60℃で15〜20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、30mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、5.8g(97.1%)だった。得られたXRDデータは、α形のデータと一致しなかった。
例6. イソプロピルアルコール中の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩の製造
イマチニブ塩基(5g)を、60mlのイソプロパノールで懸濁した。15mlの無水イソプロパノール(水分0.21%)中のメタンスルホン酸(1.07g)を、25〜30℃で15〜20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、25mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、5.7g(95.4%)だった。得られたXRDデータは、α形のデータと一致した。
例7. (参考例)イソプロピルアルコール中の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩の製造
イマチニブ塩基(5g)を、60mlのイソプロパノールで懸濁した。15mlの無水イソプロパノール(水分0.09%)中のメタンスルホン酸(0.953g)を、25〜30℃で15〜20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、25mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、5.87g(98.3%)だった。得られたXRDデータは、α形のデータと一致しなかった。
例8. イソプロピルアルコール中の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩の製造
イマチニブ塩基(10g)を、120mlのイソプロパノールで懸濁した。30mlの無水イソプロパノール(水分0.15%)中のメタンスルホン酸(1.985g)を、18〜20℃で15〜20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2時間還流し、35〜40分間かけて20〜25℃までゆっくりと冷却した。20〜25℃でろ過し、50mlのイソプロパノールで洗浄した。その湿潤ケーキを95〜100℃で16〜20時間乾燥した。収量は、α形が11.6g(97.1%)だった。
例9. 4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩のα形(小針)の製造
イマチニブ塩基(5g)を、60mlのtert−ブタノールで懸濁した。15mlのtert−ブタノール中のメタンスルホン酸(0.993g)を、35〜37℃で20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2.5時間還流し、40〜45分間かけて20〜25℃まで徐々に冷却した。20〜25℃でろ過し、25mlのtert−ブタノールで洗浄した。その湿潤ケーキを真空下、80℃で6時間乾燥した。収量は、α形が5.4g(91.5%)だった。
例10. 4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミドメタンスルホン酸塩のα形(小針)の製造
イマチニブ塩基(5g)を、60mlのメチルエチルケトン中で懸濁した。15mlのメチルエチルケトン中のメタンスルホン酸(0.993g)を、35〜37℃で20分間かけてゆっくりと加えた。その反応塊状物を加熱し、80〜85℃で2.5時間還流し、40〜45分間かけて20〜25℃まで徐々に冷却した。20〜25℃でろ過し、20mlのメチルエチルケトンで洗浄した。その湿潤ケーキを真空下、65℃で6時間乾燥した。収量は、α形が5.2g(87.1%)だった。
本発明で得られた多形体の分析
多形体の分析に以下の装置と条件を用い、その結果は本明細書の後述する表において詳細に述べる。
1.DSC:融点は、SHIMADZU DSC−60を用いてDSCサーモグラム手段から決定した。DSC(“示差走査熱量測定”)
2.FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)
型番:SHIMADZU,IR Prestige−21
試料調製:KBr錠剤法
3.顕微鏡:40倍レンズを備えた顕微鏡仕様のオリンパス顕微鏡
4.HPLC:Agilent1200、VWD検出器、勾配法を使用。装置条件は、以下のとおりである。
5.XRPD:
XRD回折は、粉末X線回折計を用いて行った。Pananalytical社のX’pert Pro 粉末回折計。Cu−tube 走査パラメータ:CuKα放射、λ=1.54060Å 連続スキャンの速度は2θ0.0170°/51.0404秒。開始位置2θ2.0084°および終了位置2θ39.9884°。
例2のメシル酸イマチニブの安定性検討データ
40℃、RH75で3カ月間保存したメシル酸イマチニブのα形について安定性検討を行った。その検討により、本発明により製造されたメシル酸イマチニブのα形は、表5に示すように非常に安定で、40℃、RH75で3カ月間保存した前後の不純物の値に増加がないことが示された。さらなる検討が進行中である。
本出願で開示され、請求された全ての組成物および方法は、本開示に照らして過度の実験がなくとも製造および実行され得る。本発明の組成物および方法を好適な実施形態の観点から記載したが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱せずに、本明細書に記載の組成物および/または方法ならびに方法の工程または工程の順序についてバリエーションを適用し得ることが、当業者に理解される。より詳細には、化学的にまたは生理学的に関連した特定の物質が、同一または類似の結果が達成される限り、本明細書に記載の物質の代わりとなり得ることが理解される。当業者に明らかなそのような全ての類似の物質および改良は、添付の請求の範囲で規定された本発明の精神、範囲および概念に含まれるものとみなす。

Claims (20)

  1. 無水溶媒中でイマチニブ塩基とメタンスルホン酸とを反応させることによる、メシル酸イマチニブのα結晶の製造方法。
  2. イマチニブ塩基のメタンスルホン酸に対するモル比が、少なくとも1:1である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩基が少なくとも99%の純度である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記溶媒が、アルコール溶媒およびケトン溶媒から選択される、請求項1,2または3に記載の方法。
  5. 前記アルコール溶媒が、イソプロパノールまたはtert−ブタノールである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ケトン溶媒が、メチルエチルケトンである、請求項4に記載の方法。
  7. 前記無水溶媒の水分含有量が、0.01〜1.5%、好ましくは約1%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. メシル酸イマチニブのα結晶の製造方法の工程が、
    a)無水溶媒中でイマチニブ塩基を混合する工程、
    b)30〜60℃の間の温度でメタンスルホン酸を添加する工程、
    c)反応混合物を加熱し、還流する工程、
    d)冷却する工程および形成された結晶をろ過する工程;ならびに
    e)80〜100℃で前記結晶を乾燥する工程、
    を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. メシル酸イマチニブのα結晶の長針が、メタンスルホン酸を55〜60℃の間で添加したときに形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. メシル酸イマチニブのα結晶の小針が、メタンスルホン酸を30〜45℃の間で添加したときに形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. α形が、安定な形態である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. α形が、少なくとも99.9%の純度である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記溶媒の前記水分含有量が0.1%未満の場合に、メタンスルホン酸を溶媒中で、30℃より高い接触温度で前記イマチニブ塩基と接触させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. a)請求項1〜13のいずれか1項に記載のメシル酸イマチニブのα結晶を製造する工程;および
    b)前記α結晶を医薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤と組み合わせる工程、を含む、医薬組成物の製造方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に規定の方法により得られたまたは得られ得る、メシル酸イマチニブのα結晶。
  16. (i)XRPDで、2θが18.6〜18.7°の領域にα結晶の3つの最も強いピークのうちの1つを有する;および/または
    (ii)XRPDで、2θが10.5〜10.6°の領域にα結晶の3つの最も強いピークのうちの1つを有する;および/または
    (iii)XRPDで、2θが19.1〜19.2°の領域にα結晶の3つの最も強いピークのうちの1つを有する;および/または
    (iv)DSCで、224〜229℃の範囲で溶融する、メシル酸イマチニブのα結晶。
  17. 請求項15または16に規定されたメシル酸イマチニブのα結晶を投与する工程を含む、ヒトの体または動物の体を治療する方法。
  18. がんの治療用である、請求項17に記載の方法。
  19. がんの治療用の請求項15または16に規定されたメシル酸イマチニブのα結晶。
  20. がん治療用の薬剤の製造における請求項15または16に規定されたメシル酸イマチニブのα結晶の使用。
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