JP2019013996A - 工作機械のワーク加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作機械の熱変形に基づく加工誤差をより正確に補正することが可能な加工方法に関し、伝熱遅れによって機械内部の温度変化が機械に設けた温度センサで検出されるまでの時間遅れに起因する加工誤差を補正することを可能にする。【解決手段】ワークの仕上げ加工用の工具が割り出されたとき又は予め定めたタイミングで、主軸1を予め定めた位相に固定し、主軸チャック2又はワークwの周面に工具Tの主軸軸線方向に離れた2個の刃先を接触させる。接触の検出は、刃物台3の送りモータ4xのサーボ電流値の変化により検知するのが好ましく、工具刃先に損傷を与えない力(数N)で送りモータ4xの負荷変動を検知し、接触が検知されたときの刃物台3の座標を記憶する。接触を検出したときの刃物台3の座標と機械温度で補正したときの座標又は前回補正したときの座標とを比較して修正することで、自動的に補正値を更新する。【選択図】図3

Description

この発明は、工作機械の熱変形に起因する加工誤差を補正してワークを加工する方法に関するもので、特に刃物台側の熱変形に基づく加工誤差をより正確に補正することが可能な加工方法に関するものである。
工作機械を運転すると、加工熱、モータや軸受部の発熱、作動油や切削液の温度上昇などにより、機械温度が上昇し、それに伴う工作機械各部の熱変形がワークの加工精度を低下させる。そこで工作機械の各部の温度を計測し、そのとき加工されたワークの加工誤差を計測することにより、機械各部の温度と加工誤差の関係を求めて、加工プログラムの指令値を補正する演算式ないし演算テーブルを作成し、これを制御器に登録して、加工プログラムの指令値を補正することにより、加工誤差が生じないようにしている。
工作機械の熱変形量は、温度に比例すると見做してよいので、一般的には図1に示すように、工作機械のベッド11、主軸台12、刃物台3の要所要所に温度センサs1、s2・・・snを取付け、各温度センサの検出値t1、t2・・・tnに乗ずる係数α1、α2・・・αnと定数βとを試験加工により決定して、補正値δを次式(以下、「従来式」と言う。)
δ=α1t1+α2t2+・・・αntn+β
で演算するというような方法が採用されている。
工作機械は、ワークを3次元形状に加工するので、上記の補正値δも3次元の各軸方向の補正値として演算される。例えば旋盤であれば、主軸方向であるZ軸方向、工具の切り込み送り方向であるX軸方向の補正値が演算され、回転工具をY軸方向にも移動させる旋盤では、Y軸方向の補正値も演算される。また、上記の演算式における係数αや定数βは刃物台の位置により異なる値となるので、例えば旋盤であれば、係数αと定数βを刃物台の位置の関数として設定するか、あるいは複数箇所における値を設定してその中間位置での補正値は両側の補正値から補間演算で求めるというようにして、刃物台の位置に応じた補正値を定めている。
上記のような演算による補正値の精度を高める手段として、例えば特許文献1では、所定の時間間隔毎に演算した補正値δの値と前回の補正値δfの値との差が予め登録した隣接設定値を超えているときは、前回補正値δfに隣接設定値を加えた値を補正値とすること、最大値δmaxと最小値δminとを登録しておき、演算した補正値δが当該最大値より大きいか又は最小値より小さいときは、当該最大値又は最小値を補正値とすることが提案されている。
また特許文献2には、環境温度の変化に基づく補正量を演算するための係数と環境温度がワークの加工誤差として影響する際の時間差とを予め制御器に登録しておいて、加工時に計測された機械各部の温度と、加工時から時間差だけ隔たった時刻における環境温度とにより補正値を演算することが提案されている。
特開2005-014109号公報 特開2006-055919号公報
機械を熱変形させる主な熱源は、主軸や回転工具軸のモータ及び軸受、油圧シリンダなどの油圧機器及びワークの加工部である。ワークの加工部で発生した熱は、加工部から流下する切削油によってベッドやテーブルに伝えられる。主要な熱源の位置は、工作機械の種類によって異なり、例えば旋盤であれば、主軸軸受、刃物台に搭載されている工具モータや油圧装置及び加工部である。加工部から流下する切削油は、通常はベッド上面に設けられているカバーの上に流下し、このカバーが加熱されることによってその内側にあるベッド上面が間接的に加熱される。
機械の熱変形を計測するために設けられる温度センサは、主軸台、ベッド、刃物台などの機械部材の表面に取り付けられている。一方、主軸軸受やタレット刃物台のインデックス装置に設けられている油圧装置の熱は、機械の内部で発生する。そのため、機械内部で発生した熱が機械表面の温度センサで検出されるまでに時間遅れが生ずる。機械内部の温度変化が熱伝達の遅れのために温度センサで検出されなくても、機械内部では熱変形が起こっており、その変形は、時間遅れを生ずることなく、機械全体に影響を与えるので、上述したような従来の方法では、機械内部の発熱の変化が温度センサで検出されるまでの時間遅れによる熱変形の誤差を補正することはできない。
この発明は、伝熱遅れによって機械内部の温度変化が機械に設けた温度センサで検出されるまでの時間遅れに起因する加工誤差を補正することが可能なワークの加工方法を提供することを課題としている。
ワークの仕上げ加工用の工具が割り出されたとき又は予め定めたタイミングで、主軸1を予め定めた任意の位相に固定し、当該主軸に装着したチャック2の周面1箇所又はワークwの周面1箇所の計測点aに同一の刃物台3に装着した工具の内の刃先が主軸方向に離れた工具Tの刃先ta、tbを接触させる。接触させる工具(計測工具)Tは、接触させる時前、ある程度の時間使用されていない工具で、次の加工を行うために割り出された仕上げ工具であることが望ましく、同一の工具装着ステーション28に装着された工具であることが望ましい。
計測工具の刃先ta、tbのそれぞれは、計測点aに接触させる前に又は後に、主軸1の軸線上の定位置にセットした刃先検出センサGで検出して、その検出したときの刃物台の主軸直角方向の位置をそれぞれの刃先の基準位置として、計測点aに接触したときの主軸直角方向の位置xa、xbをそれぞれの刃先についての計測値とする。
接触の検出は、工具Tを装着した刃物台3の送りモータ4xのサーボ電流値の変化により検知するのが好ましく、接触させる工具Tの刃先に損傷を与えない力(数N)で送りモータ4xの負荷変動を検知し、接触が検知されたときの刃物台3の座標(旋盤ではX座標又はX−Y座標)を記憶する。
計測点aとの接触を検出したときの刃物台3の座標を、刃先検出センサGとの接触を検知したときの刃物台の座標で修正して、従来手段のみで補正したときの座標、より実用的には、前回計測したときの座標と比較して補正値を修正することで、熱変形を正確に補正することができ、計測するときの動作を予め制御器6に登録しておくことにより、自動的に補正値を更新する。
例えばこの発明での熱変形の補正値δは、
δ=α1t1+α2t2+α3t3+・・・+αntn+β+γ+εS
のような式で演算される。ここで、γは工具の刃先taの変位を計測して設定される補正項、εは刃物台3の送り方向の角度ずれを計測して設定される補正係数、Sは計測位置Aから加工位置Pまでの刃物台送り方向の距離である。γ及びεは、ワーク加工中の所定のタイミングで逐次更新される。
この発明のワーク加工方法は、機械各部の温度を温度センサs1、s2・・・snで計測して機械の熱変形を間接的に計測して補正する従来方法に加えて、機械の変位を直接計測して従来方法で補正したときと実際の変位と差(ずれ)を求めて補正値を修正する。
工具Tの主軸方向に離れた2個の刃先ta、tbを同一の計測点aに接触させることで、位置ずれと送り方向のずれを検出することができ、計測位置Aと加工位置Pとが離れている場合の補正値の修正をより正確に行うことができる。工具の刃先をワークwの周面に接触させて修正値を求める方法では、ワークと工具の刃先との硬度の差により、ワークwが傷つくが、ずれの検出は、ワークwの仕上げ加工の前に行われるので、当該傷は、仕上げ加工で除去できる。ワークの一部に高精度加工が指定されているときは、当該指定された位置でずれを検出すればよい。
この発明のワーク加工方法を実施する工作機械の制御器6は、予め定めた主軸の位相、例えば原点位相と、チャック2又はワークwの周面の予め定めたZ軸位置Aとを設定する設定器を備えた計測動作設定手段33と、補正手段32で補正された補正値を更に補正(修正)する修正手段34と、計測に使用する2個の刃先taとtbの位置の偏差を検出する刃先偏差検出手段35とを備えている。
この発明では、機械表面の温度を用いて間接的に熱変形を補正するだけでなく、間接的に補正した熱変形を更に所定の時間間隔毎に逐次更新される実際の変形に基づく修正を加えて補正するので、機械内部の急激な温度変化にも対応した補正が可能である。そして、切削工具を使って刃先の位置をチャックやワークに接触して補正値を逐次修正するので、機械を止める必要がなく、連続加工中でも正確な加工寸法の補正が可能になる。
更に、新たに計測装置を用意する必要がなく、測定を短時間でかつ自動で行うことができるので、加工サイクルに及ぼす影響は小さく、無人運転中でも必要な補正を逐次行わせることができる。
実施例のブロック図 計測工具とその刃先検出センサを示す説明図 チャックの周面で計測する例を示した図 ワークの経大部の周面で計測する例を示した図 補正値と修正値との関係を示す説明図 より実際的な実施例における図1と同様な図
以下、図面を参照して、この発明を更に説明する。図1は、最も簡単な構造のタレット旋盤を模式的に示した図である。主軸1は、主軸台12の上部に軸線を水平方向にして軸支されている。主軸1の先端には、チャック2が取り付けられ、後端にはチャック開閉シリンダ14が取り付けられている。主軸を回転する主軸モータ15は、主軸台12に取り付けられており、主軸モータ15の回転軸と主軸1は、同期ベルト装置16で連結されている。
刃物台3は、ベッド11上に固定されたZ軸方向(主軸軸線方向)のガイド27に滑り移動自在に案内される横移動台21にX軸方向(工具の切込み送り方向)に図示しないガイドで滑り移動自在に設けられている。横移動台21は、Z軸送りモータ4zで正逆回転するZ軸送りねじ26zに螺合している。刃物台3は、横移動台21に搭載されたX軸モータ4xで正逆回転されるX軸送りねじ26xに螺合している。刃物台3には、割出装置22を介してタレット23が搭載されている。割出装置22は、タレット23の割出位置を固定する油圧装置を内蔵しており、タレットの割出回転用のモータ24と、タレットに取り付けた回転工具を駆動する工具モータ25とを備えている。
主軸台12には、タレット23に装着された工具Tの刃先ta、tbの位置を検出するためのツールセッタ8が取り付けられている。図のツールセッタ8は、主軸台12の背面に紙面直角方向に植立したピン17回りに揺動可能なアーム18を備え、図示しない揺動装置でアーム18を加工位置側に揺動させることにより、アーム先端の刃先検出センサGを主軸軸線上の定位置にセットできるようになっている。
機械が運転されてワークの加工が行われると、ベッド11は、加工部から流下する切削液により、また内部に配置された油圧配管を流れる油などにより、加熱されて熱変形する。ベッド11の熱変形は、ベッド11に固定したガイド27をX軸方向に変位させ、Z軸方向の温度のアンバランスによる熱変形で、ガイド27がX軸に対して斜めになるる(図5の一点鎖線d1及び二点鎖線d2参照)。
Z軸送りモータ4z及びX軸送りモータ4xは、サーボアンプ5z、5xを介して制御器6で制御されている。制御器6は、加工プログラム31に基づいてサーボアンプ5z、5xにそれぞれのモータに対する位置指令ez、exを出力している。一方、送りモータ4z、4xからは、フィードバック信号fz、fxがサーボアンプ5z、5xに返されている。X軸送りモータ4xの位置指令exとフィードバック信号fxとの差信号である位置偏差cが接触検出器7に与えられている。接触検出器7は、位置偏差cが予め設定された設定値を越えたときに、接触信号hを制御器6に送る。接触信号hを受けたとき、制御器6は、X軸送りモータ4xに停止指令を送って直ちに停止させる。位置偏差cを検出するサーボアンプ5xは、0.1ミリ秒台の時間間隔で位置偏差を検出できるものを用いるのが望ましい。
ベッド11、主軸台12及び刃物台3の適宜箇所には、温度センサs1、s2・・・snが取り付けられており、制御器6は、これらの温度センサの検出値t1、t2・・・tnに基づいて補正値を演算する補正手段32を備えている。
機械が運転されると、各部の熱源からの熱によって機械に熱変形が生じる。機械各部の温度は、温度センサs1、s2・・・snで検出され、これらの温度センサの検出温度に基づく熱変形の補正値δの演算式が補正手段32に登録されている。理解を容易にするため、図1では補正手段32に従来と同様な演算式
δx=αx1t1+αx2t2+αx3t3+・・・+αxntn+βx
が登録されているとして説明する。
図1の補正手段32によって補正された後の、すなわち従来方法によって補正された後の横送り台のガイド27は、ベッド11の熱変形や発熱源の多い割出装置22の熱変形により、変位している。図5は、ガイド27の変位を工具の刃先位置の変位として模式的に示している。熱変形が無ければ、刃物台3をZ軸方向に送ったとき、工具の刃先は、図5の実線に沿って移動する。熱変形が起こると、工具の刃先は、図5の二点鎖線d2に沿って移動する。ワークwの加工点pを加工するときの従来方法で補正された後の工具刃先の位置は、例えば図5の一点鎖線d1上の位置となり、工具刃先を一点鎖線d1上に設定してワークの加工を行っている。
しかし前述したような理由により、実際の熱変形は、例えば図5に二点鎖線d2で示すように、従来の補正手段32が演算した一点鎖線d1との間にずれがある。このずれΔa(taで計測したA位置でのΔx)は、補正手段32で補正された値δa(A位置でのδx)から更にX軸方向に補正(修正)すべきずれであり、(Δa−Δb)/Lは、補正手段32で補正された値(δa−δb)/Lから更にX軸の傾斜方向のずれとして補正(修正)すべきずれである。なお、Δbはtbで計測したA位置でのΔx、δbは、A位置から刃物台を距離Lだけ移動した位置でのδxである。また、図5にはΔaとδaとを略等しい間隔で示しているが、実際にはΔaはδaより小さい。なお、刃物台3上での割出装置24の角度ずれは、Δaに含まれる。
これらのずれをタレット23に装着した工具Tの刃先ta、tbをワークを把持しているチャック2や加工中のワークwの周面に接触させることにより計測する。
計測に使用する工具は、タレット23の異なる工具取付ステーションに装着した2個の工具をタレットの割出動作で切り替えて用いることもできるが、図2に示すような、一つの工具装着ステーション28にZ軸方向に離れた2個の刃先ta、tbを備えた工具Tを用いるのが好ましい。2個の刃先ta、tbの刃物台3からの突出長さは、同じではない。そこで刃先偏差検出手段35は、チャック2にワークが装着されていないときに、刃先検出センサGを主軸軸線上にセットして、2個の刃先ta、tbのX軸方向の位置(タレットからの突出長さと検出したときの刃物台の座標)を記憶し、計測動作設定手段33は、刃先taを用いて計測したときとtbを用いて計測したときとの刃物台3のX座標を刃先偏差検出手段35が記憶している刃先位置の偏差で補正して、チャック又はワークを検出したときの刃物台のX座標とする。
計測動作設定手段33は、突出長さが短い方の刃先を計測するときに突出長さが長い方の刃先がチャック周面やワーク周面に接触することのない位置を計測位置Aとする。図3は、右側の刃先tbの突出長さが長いときの計測位置の例、図4は左側の刃先taの突出長さが長いときの計測位置の例である。
機械の熱変形の補正をより正確に行う必要があるのは、仕上げ加工のときである。計測動作設定手段33は、仕上げ工程の開始時、又は加工中の予め定めたタイミングで、主軸1を設定された位相に固定し、工具Tの一方の刃先taを設定されたZ軸位置Aに移動する。そして、刃先taを当該位置でチャック2又はワークwの外周に向けて低速接近させる。この低速接近中に位置偏差cが設定値を越えたときに接触検出器7が接触信号hを出力する。
このとき検出された刃物台の位置は、補正手段32で補正された後の工具刃先がチャック2又はワークwに接触するはずの位置からΔaだけずれている。接触信号hを受けた計測動作設定手段33は、X送りモータ4xを停止し、そのときの刃物台3のX座標(点a2のX座標)と補正手段32で補正した後の当該計測位置におけるX座標の指令値(点a1のX座標)との差Δaを演算して記憶する。
次いで、計測動作設定手段33は、刃物台3をZ軸方向に移動して他方の刃先tbを計測位置Aに移動し、同様な動作で当該刃先tbを計測点aに接触させ、工具刃先のZ軸方向の距離Lだけ移動した位置におけるX座標と補正手段32で補正した後のX座標の指令値との差Δbを演算して記憶する。
修正手段34は、検出したX軸方向のずれγ=Δaと、ガイド27の傾きε=(Δa−Δb)/Lに計測位置Aからワークの加工位置Pまでの距離Sを乗じた値とで、加工位置Pにおけるx軸方向の修正値γ+εSを演算する。上記の演算におけるΔa、Δbは、刃先偏差検出手段35で検出した刃先taとtbの突出長さの差を修正した後の寸法である。
上記の動作において、工具刃先をチャックやワークの周面に接近させる方向は、水平方向が最も良いが、X軸が傾斜している場合には、上方から下方へ移動させるようにして接近させる。これはX軸モータ4xに作用する送り負荷と刃物台の重量との関係で工具刃先とチャック周面との接触がより速やかに検出されるからである。
その後の加工においては、加工プログラムの指定値を補正手段32に設定された演算式と修正手段34に設定された修正値とで補正して、x軸送りモータ4xに与える位置指令exとする。そして、次に仕上げ用の工具が割り出されたとき、又は設定されたタイミングが来たときに、同様な動作で修正手段34の設定値を変更してワークの自動連続加工を行う。
上記の説明では、理解を容易にするために、補正手段32で従来方法による補正値を演算し、修正手段34で本願発明による修正値を演算して、両者を加えて指令値を補正すると説明したが、補正手段32に修正値を付加した演算式を登録しておくのがより実用的である。この場合の補正手段32に登録する演算式は、
δx=αx1t1+αx2t2+αx3t3+・・・+αxntn+βx+γ+εS
となる。そしてこの場合には、図5のδa、δbは上式で演算したδの値、Δa、Δbは、前回計測時のΔaf、Δbfの値と今回計測時のΔag、Δbgの値との差となるので、修正手段34は、この差を演算して補正手段32に登録されているδを求める演算式のγとεを更新するという動作になる(図6参照)。
上式は刃物台3側の熱変形誤差が補正手段32で演算された補正値で正しく補正されていると仮定した場合の幾何学的な演算に基づく補正値であるが、実際には上記のような考え方を基準として実際にワークを加工したときの寸法誤差を計測することにより、γ及びεに必要な係数を乗ずる等して、より正確な補正を行うことができるようにすべきである。
なお、刃物台3がY軸方向にも移動する旋盤であれば、上述したX軸方向の検出動作と同様な検査をY軸方向にも行って、Y軸方向の修正値を演算する。また、旋盤が2主軸対向旋盤で、長尺ワークの両端を対向するチャックで把持して加工を行うときは、左右L−Rの主軸の補正手段32で補正した後の位置からのずれγL、γRとεL、εRをそれぞれ演算し、X軸方向のずれは両端のX方向のずれΔxL、ΔxRを加工点の位置で補間した量であるとし、主軸の傾斜によるずれは、例えば機械力学の便覧などで周知の両端支持梁の演算式で両端の位置ずれと傾斜角のずれからワークの加工点における撓み量を演算して補正すればよい。
1 主軸
2 チャック
3 刃物台
4x 送りモータ
6 制御器
T 工具
ta、tb 工具の刃先
w ワーク

Claims (3)

  1. 温度変化に伴う熱変形に起因する加工誤差の補正手段を備えた工作機械のワーク加工方法において、
    仕上げ工程などの精度の高い加工工程が開始されるとき又は予め制御器に登録した所定のタイミングで、主軸を所定の位相で停止し、当該機械の刃物台に装着された工具の主軸軸線方向に離れた2個の刃先をチャックの周面又は当該主軸チャックに把持されたワークの周面に向けて低速で送り、送りモータの負荷が設定された負荷に達したときに当該送りモータを停止し、そのときの刃物台の座標と当該工具刃先が前記計測位置に位置するときの刃物台のあるべき位置との差に基づく修正値で補正値を修正し、次の計測タイミングまでの間、当該修正された補正値で刃物台の位置を補正して加工を行うことを特徴とする、工作機械のワーク加工方法。
  2. 前記工具の刃先が前記計測位置に位置するときの刃物台のあるべき位置が、前回の計測に基づいて修正された補正値で補正した刃物台の位置である、請求項1記載の工作機械のワーク加工方法。
  3. 刃物台の送りモータの負荷変動をサーボモータである刃物台送りモータに与える位置指令と位置のフィードバック信号との差信号である位置偏差により検出するものにおいて、工具の計測点に接近させる方向を上方から下方又は水平方向とした、請求項1記載の工作機械のワーク加工方法。
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