JP2019011385A - 粘着剤、粘着テープ、及び粘着剤の製造方法 - Google Patents

粘着剤、粘着テープ、及び粘着剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速剥離時の剥離力が抑えられているとともに糊残りし難く、かつ、結露面への粘着や、粘着テープに使用した際の自背面への重ね貼りが可能な粘着剤を提供する。
【解決手段】(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分が重合した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションと、前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物と、を含有する粘着剤を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤、粘着テープ、及び粘着剤の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを含有する粘着剤及びその製造方法、並びにその粘着剤を用いた粘着テープに関する。
粘着剤は、例えば粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、及びステッカー、並びに各種物品の包装、接合、及び固定等の用途において、様々な分野で利用されている。また、被着体の材質も、プラスチック、金属、ガラス、木材、セラミックス、紙、及び布等があり、広範囲に及んでいる。従来から、粘着剤の主成分には、天然ゴム、合成ゴム、及びアクリル系共重合体等が用いられており、これらの材料を有機溶剤に溶解した溶剤型のものや、水に分散したエマルション型のものが知られている。近年では、地球環境の保護や作業環境等を考慮して、水系のエマルション型の粘着剤が多くなり始めている。中でも、粘着性や耐候性に優れている(メタ)アクリル系共重合体を主成分とするエマルション型の粘着剤が広く普及してきている。
一方、上述した粘着剤の用途の中には、被着体に貼り付けられた後、一定期間経過後に、被着体から剥がされる態様で使用されるものがある。例えば各種容器に貼り付けられた粘着ラベルや、電気機器における部品を固定するために使用された粘着テープは、被着体のリサイクル及びリユース等のために剥離されることがある。また、例えば塗装及びシーリング材の形成等のために被着体に貼り付けられたマスキングテープ等の粘着テープは、塗膜やシーリング材が乾燥して形成された後に、被着体から剥離される。さらに、例えばディスプレイ等の製品の製造段階で被着体に貼り付けられた表面保護フィルム等の粘着シートは、当該製品の使用時に剥離されることがある。これらの例示物においては、被着体から粘着ラベル、粘着テープ、及び粘着シート等を剥がし易いように、再剥離性に優れた粘着剤(再剥離型粘着剤)の使用が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。なお、「再剥離性」とは、上述の粘着テープ等の粘着製品を被着体から剥離する際に、その粘着製品における粘着剤を支持する基材(支持体とも称される。)を破壊することなく、かつ、粘着剤を被着体の表面に残さないで剥がすことができる性質をいう。
特開2002−105420号公報 特開2004−217838号公報
被着体に貼り付けられてから一定期間経過後に剥がされる上述の粘着テープ等においては、粘着テープ等を被着体から剥離する際の作業時間の短縮化、及びその作業コストの低減等のために、粘着テープ等を素早く、高速で剥離する作業が行われることがある。しかし、剥離速度が速くなると一般に剥離力が強くなり、糊残りし易い。また、粘着テープ等が被着体に貼り付けられている間に粘着剤と被着体との親和性が高まって被着体への粘着力が上昇することがあり、その結果、剥離作業の時間をより多く要し、ますます糊残りし易い事態を招く可能性がある。したがって、高速剥離時の剥離力が抑えられているとともに糊残りし難い粘着剤が求められる。
一方、例えば上述した粘着ラベルやマスキングテープは、例えばガラス製や金属製の被着体に貼り付けられることも多い。それらの被着体は結露することもあるため、結露面に対しても粘着性を示す粘着剤が求められる。
また、上述した粘着剤の用途のなかでも、粘着テープは、使用の都度、所望の長さに切断して使用することができる点等から、その利用分野はより広範で、利用頻度も高いと考えられる。したがって、粘着テープに適用可能な粘着剤は有利であり、そのためには、粘着テープに使用した際に自背面に対する粘着力を適度に有することが求められる。
以上述べた粘着剤に求められる実情に鑑みて、本発明は、高速剥離時の剥離力が抑えられているとともに糊残りし難く、かつ、結露面への粘着や、粘着テープに使用した際の自背面への重ね貼りが可能な粘着剤を提供しようとするものである。
本発明は、(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分が重合した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションと、前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物と、を含有する粘着剤を提供する。
本発明によれば、高速剥離時の剥離力が抑えられているとともに糊残りし難く、かつ、結露面への粘着や、粘着テープに使用した際の自背面への重ね貼りが可能な粘着剤を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<粘着剤>
本発明の一実施形態の粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルション(以下、単に「エマルション」と記載することがある。)、及びそのエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物を含有する。エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体は、以下の(A)〜(C)成分をそれぞれ特定の割合で含有する単量体成分が重合した共重合体である。
(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル 90〜98質量%
(B)(メタ)アクリロニトリル 1〜9質量%
(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー 0.5〜3質量%
本明細書において、「(メタ)アクリル」との文言には、「アクリル」及び「メタクリル」の両方の文言が含まれることを意味する。また、同様に、「(メタ)アクリレート」との文言には、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方の文言が含まれることを意味する。さらに、「(メタ)アクリロニトリル」との文言には、「アクリロニトリル」及び「メタクリロニトリル」の両方の文言が含まれることを意味する。
本発明の一実施形態の粘着剤は、上記の構成を有することによって、高速剥離時の剥離力が抑えられた性能と、糊残りし難い性能を有することが可能である。そのため、この粘着剤は、被着体に貼り付けられてから一定期間経過後に、被着体から剥がされる粘着製品に使用されるのが好適である。そのような粘着製品としては、例えば、各種容器に貼り付けられる粘着ラベル、電気機器における部品の固定のための粘着テープ、塗装及びシーリング材の形成等のためのマスキングテープ、並びに表面保護フィルム等を挙げることができる。
また、本発明の一実施形態の粘着剤は、上記の構成を有することによって、上述した性能に加えて、さらに、結露面に対して粘着性を示す性能と、粘着テープに使用した際に自背面に対して粘着する性能を有することが可能である。そのため、この粘着剤は、被着体に対して塗装による塗膜を形成する際やシーリング材を形成する際に用いられるマスキングテープに使用されることがより好適であり、ガラスシーリング用のマスキングテープに使用されることがさらに好適である。
以下、本発明の一実施形態の粘着剤が有する上記の各構成について、詳述する。
[(メタ)アクリル系共重合体のエマルション]
((A)成分)
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分として、(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが使用される。この(メタ)アクリル酸エステルにおける炭素数4〜12のアルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。炭素数4〜12のアルキル基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基(2,2−ジメチルプロピル基)、イソペンチル基(3−メチルブチル基)、sec−ペンチル基(1−メチルブチル基)、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、ノニル基、デシル基、及びドデシル基等を挙げることができる。炭素数4〜12のアルキル基は、置換されていてもよい。その置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;アミノ基;フェニル基;並びにメトキシ基、エトキシ基、及びフェノキシ基等のアルコキシ基;並びにフッ素原子、塩素原子、及び臭素原子等のハロゲン原子;等を挙げることができる。
(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのなかでも、2−エチルヘキシルアクリレートを用いることがより好ましい。
(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分の全質量を基準として、90〜98質量%使用される。(メタ)アクリル酸エステルの使用量が90質量%未満であると、粘着剤の結露面への粘着や、その粘着剤を粘着テープに使用した際の自背面への重ね貼りが難しくなる。一方、(メタ)アクリル酸エステルの使用量が98質量%を超えると、糊残りが生じ易い粘着剤となる場合があり、また、粘着剤の耐熱性が低くなる場合がある。上記の(メタ)アクリル酸エステルの使用量範囲は、91質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがさらに好ましい。また、上記の(メタ)アクリル酸エステルの使用量範囲は、97質量%以下であることが好ましく、96質量%以下であることがさらに好ましい。
((B)成分)
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分として、(B)(メタ)アクリロニトリル、すなわち、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルの少なくとも一方が使用される。これらのなかでも、アクリロニトリルを用いることがより好ましい。
(B)(メタ)アクリロニトリルは、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分の全質量を基準として、1〜9質量%使用される。(メタ)アクリロニトリルの使用量が1質量%未満であると、糊残りが生じ易い粘着剤となる場合があり、また、粘着剤の耐熱性が低くなる場合がある。一方、(メタ)アクリロニトリルの使用量が9質量%を超えると、粘着剤を粘着テープに使用した際に自背面へ重ね貼りし難くなる場合がある。上記の(メタ)アクリロニトリルの使用量範囲は、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。また、上記の(メタ)アクリロニトリルの使用量範囲は、8質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがさらに好ましい。
((C)成分)
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分として、(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーが使用される。カルボキシ基を有する不飽和モノマーは、カルボキシ基と不飽和結合を有するモノマーである。カルボキシ基を有する不飽和モノマーとしては、不飽和カルボン酸が好ましく、α,β−不飽和カルボン酸がより好ましい。カルボキシ基を有する不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸ハーフエステル、及びマレイン酸ハーフエステル等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸を用いることがより好ましく、メタクリル酸を用いることがさらに好ましい。
目的とする粘着剤を得るためには、(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーを、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分の全質量を基準として、0.5〜3質量%の範囲で使用することが必要である。
(その他の単量体)
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分には、上述の(A)〜(C)成分に加えて、(A)〜(C)成分と共重合可能なその他の単量体が使用されてもよい。その他の単量体としては、上述の(A)成分以外の(メタ)アクリル酸エステル(以下、「その他の(メタ)アクリル酸エステル」と記載することがある。)を挙げることができる。その他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、及びイソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。炭素数3以下のアルキル基は、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、フェニル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子等で置換されていてもよい。置換された炭素数3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、その他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;シクロペンチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート等のアリール基を有する(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることもできる。
さらに、(A)〜(C)成分と共重合可能なその他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン、バーサチック酸ビニル、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、及びフッ化ビニル等のビニル基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド等の窒素原子及び不飽和結合を有するモノマー;等を挙げることもできる。(メタ)アクリル系共重合体には、(A)〜(C)成分と共重合可能なその他の単量体の1種又は2種以上を用いることができる。
上述の通り、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分には、上記(A)〜(C)成分が使用される。そのため、(メタ)アクリル系共重合体は、その分子中に、上記(A)成分に由来する構造単位と、上記(B)成分に由来する構造単位と、上記(C)成分に由来する構造単位とを含むことができる。また、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分には、必要に応じて、上記(A)〜(C)成分以外のその他の単量体が任意に使用されうる。その場合、(メタ)アクリル系共重合体は、その分子中に、さらにその他の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。
(エマルションの製造方法)
(メタ)アクリル系共重合体のエマルションは、上述の通り、それぞれ特定の割合の(A)〜(C)成分を含有する単量体成分を重合させることで得られる。重合方法は特に限定されないが、単量体成分を重合させる際にエマルションも得られることから、乳化重合法が好ましく、上述の単量体成分をアニオン性界面活性剤の存在下に乳化重合させることがより好ましい。この乳化重合方法であれば、特に限定されず、例えば、1段重合方法、多段重合方法、及びこれらの組み合わせによる方法等のいずれの乳化重合方法でエマルションを製造してもよい。
好適な乳化重合の具体的な方法としては、例えば、次の方法を挙げることができる。すなわち、前述の単量体成分、水、アニオン性界面活性剤、及び重合開始剤を反応容器に一括で仕込み、乳化重合を行う方法を挙げることができる。また、前述の単量体成分を、水、アニオン性界面活性剤、及び重合開始剤を仕込んだ反応容器に滴下しながら、乳化重合を行う方法を挙げることができる。さらに、前述の単量体成分を、予め水及びアニオン性界面活性剤とともに乳化させたプレエマルションを用いて乳化重合を行う方法を挙げることができる。プレエマルションを用いた乳化重合方法としては、水及び重合開始剤、並びに必要に応じてアニオン性界面活性剤を仕込んだ反応容器に、予め用意したプレエマルションを滴下しながら、乳化重合を行う方法を挙げることができる。また、水と、必要に応じてアニオン性界面活性剤や重合開始剤を仕込んだ反応容器に、予め用意したプレエマルションと、重合開始剤とをそれぞれ滴下しながら、乳化重合を行う方法を挙げることができる。さらには、上述した乳化重合方法を適宜組み合わせてもよい。
(メタ)アクリル系共重合体を合成する際の重合温度及び重合時間等の重合条件や、使用する重合開始剤及びアニオン性界面活性剤等の種類及び使用量等は、特に制限されず、従来公知の乳化重合と同様の範囲内で適宜決めることができる。例えば、重合温度及び重合時間等の重合条件は、使用する単量体、及び重合開始剤等の種類並びにそれらの使用量等に応じて、適宜決めることができる。重合温度は、例えば、20〜100℃程度の範囲が好ましく、より好ましくは40〜90℃程度の範囲であり、また、重合時間は、例えば、1〜15時間程度の範囲が好ましい。さらに、上述のプレエマルションや、重合開始剤等の添加(滴下)方法も特に限定されず、例えば、一括添加法、連続添加法、及び多段添加法等の方法を採ることができ、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、反応性及び非反応性の少なくともいずれか一方のアニオン性界面活性剤を用いることができ、それら両方を用いることが好ましい。反応性のアニオン性界面活性剤としては、重合性不飽和結合を有するアニオン性界面活性剤を用いることができる。非反応性のアニオン性界面活性剤としては、反応性のアニオン性界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤を用いることができる。
反応性のアニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルプロオペニルフェニルエーテル、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
反応性のアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、花王社製の商品名「ラテムルPD−104」、第一工業製薬社製の商品名「アクアロンKH」、「アクアロンHS」、「アクアロンBC」、及び「アクアロンRN」の各シリーズ、日本乳化剤社製の商品名「アントックスMS−60」及び「アントックスMS・2N−D」、並びに三洋化成工業社製の商品名「エレミノールJS−20」等を挙げることができる。
非反応性のアニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩等のポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム;等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
乳化重合におけるアニオン性界面活性剤の使用量は、前述の(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜8質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることがさらに好ましい。上記アニオン性界面活性剤の使用量は、上述した反応性のアニオン性界面活性剤及び非反応性のアニオン性界面活性剤の両方の使用量を合計した値である。
なお、乳化重合には、上述のアニオン性界面活性剤に加えて、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を使用してもよく、これらの1種又は2種以上を使用してもよい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、及び過酸化水素等の過酸化物、並びにアゾ化合物等を挙げることができる。過硫酸塩の具体例としては、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等のアルカリ金属の過硫酸塩、並びに過硫酸アンモニウム等を挙げることができる。有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル及びジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート及びt−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等を挙げることができる。アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩及び4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等を挙げることができる。乳化重合には、1種又は2種以上の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の使用量は、前述の(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜1.0質量部程度とすることが好ましい。
重合開始剤には、アルカリ金属の過硫酸塩を用いることが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル系共重合体は、上述したアニオン性界面活性剤に加えてさらに重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に前述の単量体成分が乳化重合したものであることが好ましい。重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩を使用し、かつ、後述する中和剤としてアルカリ金属化合物を使用することにより、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを使用する場合に比べて、貼り跡が残り難い粘着剤を得ることが可能となる。そのため、ガラスシーリング用のマスキングテープ用としてさらに好適な粘着剤を得ることが可能となる。
(メタ)アクリル系共重合体を合成する際には、その共重合体の分子量を調整するために、公知の連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、ヘキシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、及びn−,又はt−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類等を用いることができる。
エマルションを製造する際には、単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体を得た後、(メタ)アクリル系共重合体におけるカルボキシ基を塩基性の中和剤で中和することが好ましい。中和により、エマルションが安定化されることになる。
中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム及び炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、及びジエチレントリアミン等の有機アミン類等を挙げることができる。中和には、1種又は2種以上の中和剤を用いることができる。
中和剤には、アルカリ金属化合物を用いることが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル系共重合体は、アルカリ金属化合物で中和されていることが好ましい。中和剤としてアルカリ金属化合物を使用し、かつ、上述した重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩を使用することにより、中和剤としてアンモニアを使用する場合に比べて、貼り跡が残り難い粘着剤を得ることが可能となる。そのため、ガラスシーリング用のマスキングテープ用としてさらに好適な粘着剤を得ることが可能となる。
[リン酸エステル系化合物]
本発明の一実施形態の粘着剤は、前述の(メタ)アクリル系共重合体のエマルションとともに、そのエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物を含有する。このリン酸エステル系化合物は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションが得られた後に、そのエマルションに添加されることで、粘着剤に含有される。すなわち、リン酸エステル系化合物は、エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体の合成(重合)の際に使用される界面活性剤等の材料とは別途の材料として、粘着剤に含有される。
(メタ)アクリル系共重合体のエマルションとは別途、リン酸エステル系化合物を粘着剤に配合することにより、糊残りし難く、高速剥離時の剥離力が抑えられ、かつ、結露面への粘着や粘着テープに使用した際に自背面への重ね貼りが可能な粘着剤が得られる。
リン酸エステル系化合物としては、例えば、イソプロピルリン酸及びラウリルリン酸等のアルキルリン酸;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸等のポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸;並びにそれらの塩等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、2種以上の混合物を用いてもよい。リン酸エステル系化合物としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩がより好ましい。
上記のリン酸エステル系化合物が塩である場合における塩を構成する対イオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等を挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン及びエチルアミン等のアルキルアミン、並びにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。
好適なポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸におけるアルキル基の炭素数は、4〜20であることが好ましく、6〜18であることが好ましく、8〜18であることがさらに好ましい。好適なポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸としては、例えば、ポリオキシエチレンカプリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンデシルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンペンタデシルエーテルリン酸、及びポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸等を挙げることができる。これらの塩における塩を構成する対イオンとしては、ナトリウム等のアルカリ金属、及びモノエタノールアミン等のアルカノールアミンのカチオンがより好ましい。
粘着剤中のリン酸エステル系化合物の含有量は、前述の(メタ)アクリル系共重合体を構成する(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。糊残りし難く、かつ、結露面にも粘着し易い粘着剤を得る観点から、リン酸エステル系化合物の上記含有量は、0.1〜5質量部であることがより好ましく、0.2〜2質量部であることがさらに好ましく、0.2〜1.4質量部であることが特に好ましい。
[架橋剤]
粘着剤には、さらに、前述の(メタ)アクリル系共重合体を架橋させ得る架橋剤を含有させてもよい。そのような架橋剤としては、例えば、2官能以上の(メタ)アクリレート、1分子中にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物、1分子中にアジリジニル基を少なくとも2個有するアジリジン化合物等を挙げることができる。粘着剤には、1種又は2種以上の架橋剤を用いることができる。
架橋剤のなかでも、1分子中にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物がより好ましい。このグリシジル化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N',N'−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、及びソルビトールポリグリシジルエーテル等の多官能グリシジル化合物が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
粘着剤への架橋剤の配合量、すなわち、架橋剤を含有させた粘着剤中の架橋剤の含有量は、粘着剤の用途及び架橋剤の種類等に応じて、適宜決めることができる。例えば、上記架橋剤の含有量は、前述の(メタ)アクリル系共重合体を構成する(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部程度であることが好ましく、0.05〜5質量部程度であることがより好ましい。
[液状媒体]
本発明の一実施形態の粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを含有するため、そのエマルションにおける液状媒体である水を含有することができる。また、粘着剤には、水と混じり合うことができる溶剤を1種又は2種以上含有してもよい。粘着剤の固形分は、30〜75質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましく、45〜65質量%であることがさらに好ましい。
[その他の添加剤]
粘着剤には、必要に応じて、各種の添加剤を含有させることができる。粘着剤に使用することが可能な添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、及びヒンダードアミン系化合物等の光安定性及び紫外線吸収剤を挙げることができる。また、添加剤としては、例えば、顔料及び染料等の着色剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、濡れ剤、ワックス、粘着性付与剤、pH調整剤、粘度調整剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、殺菌剤、防錆剤、難燃剤、湿潤剤、酸化防止剤、及び老化防止剤等を挙げることができる。
[粘着剤の性状]
粘着剤のpHは、特に限定されないが、6.0〜10.0であることが好ましく、6.5〜9.5であることがより好ましく、7.0〜9.0であることがさらに好ましい。本明細書において、粘着剤のpHは、JIS K6833−1:2008の規定に準拠して測定される値をとることができ、25℃での値である。
粘着剤の不揮発分(固形分)は、30〜75質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましく、45〜65質量%であることがさらに好ましい。本明細書において、粘着剤の不揮発分(固形分)は、JIS K6833−1:2008の規定に準拠して測定される値をとることができる。
粘着剤の25℃での粘度は、50〜10,000mPa・sであることが好ましく、100〜6,000mPa・sであることがより好ましく、150〜4,000mPa・sであることがさらに好ましい。本明細書において、粘着剤の25℃での粘度は、JIS K6833−1:2008の規定に準拠し、ブルックフィールド形回転粘度計を用いて、回転速度60rpmにて測定される値をとることができる。
<粘着剤の製造方法>
本発明の一実施形態の粘着剤の製造方法は、前述の(A)〜(C)成分をそれぞれ特定の割合で含有する単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程と、製造した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションにリン酸エステル系化合物を添加する工程とを含む。
この粘着剤の製造方法における(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程は、エマルションの製造方法で説明した通りである。その工程は、前述の単量体成分を、アニオン性界面活性剤の存在下に乳化重合させる工程であることが好ましく、アニオン性界面活性剤、及び重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に乳化重合させる工程であることがより好ましい。また、その工程後、得られたエマルションにアルカリ金属化合物を添加して(メタ)アクリル系共重合体を中和する工程をさらに行うことが好ましい。
<粘着テープ>
本発明の一実施形態の粘着テープは、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを備える。粘着剤層は、前述の本発明の一実施形態の粘着剤で形成された層である。粘着テープにおける粘着剤層は、基材の一方の面(片面)に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。好ましくは、基材と、基材の一方の面に設けられた粘着剤層とを備える片面粘着テープである。
基材としては、和紙、クラフト紙、及びクレープ紙等の紙;織布及び不織布等の布;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム;並びにアルミニウム箔等の金属箔;等を挙げることができる。これらのうち、紙基材が好ましく、和紙基材がより好ましい。和紙基材における粘着剤が設けられる側の表面には、アンカーコート処理が施されていてもよい。
基材の厚さは、特に限定されないが、20〜300μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましく、50〜100μmであることがさらに好ましい。また、基材の一方の面に設けられる粘着剤層の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態の粘着テープは、前述の粘着剤を備えるため、各種容器に貼り付けられる粘着ラベル、電気機器における部品の固定のための粘着テープ、塗装及びシーリング材の形成等のためのマスキングテープ、並びに表面保護フィルム等であることが好ましい。さらには、この粘着テープは、塗膜やシーリング材を形成する際に用いられるマスキングテープであることがより好ましく、ガラスシーリング用のマスキングテープであることがさらに好ましい。
以上詳述したように、本発明の一実施形態の粘着剤、粘着テープ、及び粘着剤の製造方法は、以下の構成をとることが可能である。
[1](A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分が重合した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションと、前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物と、を含有する粘着剤。
[2]前記(メタ)アクリル系共重合体は、アルカリ金属の過硫酸塩の存在下に前記単量体成分が重合したものであり、かつ、アルカリ金属化合物で中和されている前記[1]に記載の粘着剤。
[3]ガラスシーリング用のマスキングテープ用である前記[1]又は[2]に記載の粘着剤。
[4]前記(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着剤。
[5]前記リン酸エステル系化合物が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩の少なくともいずれかを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着剤。
[6]基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着剤で形成された粘着剤層と、を備える粘着テープ。
[7](A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程と、前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションにリン酸エステル系化合物を添加する工程と、を含む粘着剤の製造方法。
[8]前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程は、前記単量体成分を、重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に重合させる工程であり、かつ、その工程後、前記エマルションにアルカリ金属化合物を添加して前記(メタ)アクリル系共重合体を中和する工程をさらに含む前記[7]に記載の粘着剤の製造方法。
以下、実施例及び比較例を挙げて、前述の一実施形態のさらなる具体例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<粘着剤の作製>
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と記す。)95.0質量部、アクリロニトリル(以下、「AN」と記す。)5.0質量部、メタクリル酸(以下、「mAAc」と記す。)1.0質量部、連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタン)0.04質量部、イオン交換水35.0質量部、反応性のアニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬社製、商品名「アクアロンKH−05」)1.2質量部、及び非反応性のアニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(日本乳化剤社製、商品名「ニューコール707SF」)0.8質量部を混合し、プレエマルションを調製した。
温度計、撹拌機、滴下装置、及び還流冷却管を備えた反応装置にイオン交換水22質量部を入れ、内温80℃まで昇温させ、その温度を保ちながら、重合開始剤として、5質量%に希釈した過硫酸カリウム水溶液10質量部(過硫酸カリウムとして0.5質量部)を添加し、直ちに上記の調製したプレエマルションを連続的に3時間滴下して乳化重合を行った。プレエマルションの滴下終了後、80℃で2時間熟成した後、室温(約23℃)まで冷却し、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを得た。
得られた(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに、リン酸エステル系化合物として、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸(東邦化学社製、商品名「フォスファノールML−240」)を1.0質量部添加した。また、エマルションに、水酸化カリウム水溶液(後記表1中「KOH」と記す。)を添加し、エマルション中の(メタ)アクリル系共重合体を中和した。さらに、エマルションに水を添加して固形分を調整した。このようにして、固形分が50質量%であり、ブルックフィールド形回転粘度計(温度25℃、回転速度60rpm)で測定した粘度が1300mPa・sであり、pHが8.3である粘着剤を得た。
(実施例2及び3、並びに比較例1〜3)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した単量体成分(2EHA、AN、及びmAAc)の量を、後記表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。なお、比較例1では単量体成分としてANを使用しなかった。
(実施例4及び5)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加したリン酸エステル系化合物の量を、後記表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
(実施例6)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した重合開始剤を、5質量%に希釈した過硫酸アンモニウム水溶液10質量部(過硫酸アンモニウムとして0.5質量部)に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
(実施例7)
実施例1において、エマルション中の(メタ)アクリル系共重合体の中和に使用した水酸化カリウム水溶液を、アンモニア水(後記表1中「NH3」と記す。)に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
(実施例8)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した重合開始剤を、5質量%に希釈した過硫酸アンモニウム水溶液10質量部(過硫酸アンモニウムとして0.5質量部)に変更したこと、及びエマルション中の(メタ)アクリル系共重合体の中和に使用した水酸化カリウム水溶液を、アンモニア水に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
(比較例4)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加したリン酸エステル系化合物を使用しなかったこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
<マスキングテープの作製>
実施例及び比較例で得られた各粘着剤を用いて、それぞれの粘着剤について、マスキングテープ試料を作製した。まず、幅150mm、長さ300mm、厚さ70μmの和紙基材の片面に、アンカーコート剤(サイデン化学社製、商品名「サイビノールEK−61」)を塗工して常温(23±2℃)で30分間放置し、アンカーコート層を形成した。次に、粘着剤100質量部に対して、エポキシ系架橋剤としての多官能グリシジル化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン;三菱ガス化学社製、商品名「テトラッド−C」)をトルエンで5質量%に希釈した溶液を2.0質量部(多官能グリシジル化合物として約0.1質量部)添加した。そして、和紙基材に設けたアンカーコート層上に、上記エポキシ系架橋剤を添加した後の粘着剤を、乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmになるように塗布し、100℃で120秒間乾燥した。粘着剤塗工面にポリエステル製のラミネートフィルム加工のセパレーターを貼り合わせた後、40℃の環境下で3日間放置した。このようにして、和紙基材に粘着剤層が設けられたマスキングテープ試料(以下、単に「テープ試料」と記載することがある。)を作製した。なお、実使用におけるマスキングテープでは、テープ状の和紙基材の背面(自背面)に粘着剤層が重ね貼りされて巻かれた構成となるが、本試験例では、シート状の和紙基材を用いたため、サンプルとして扱いやすいように、自背面の代わりに上記セパレーターを用いた。
<評価方法>
(低速剥離時及び高速剥離時の剥離力)
作製した各テープ試料について、温度23±2℃、相対湿度50±5%において、JIS Z0237:2009で規定される180°引きはがし粘着力試験方法に準じて、低速剥離時及び高速剥離時の各剥離力(粘着力)を測定した。具体的には、テープ試料を幅10mm、長さ70mmに切断し、テープ試料の粘着面を被着体に貼り合わせ、圧着ローラを用いて19.6Nの荷重で1往復圧着した。被着体には、ステンレス板(SUS304 #280研磨面;以下、単に「SUS板」と記載する。)とガラス板を用いた。テープ試料と被着体とを圧着させてから20分間養生させた後、テンシロン引張試験機により、テープ試料をその背面側から引張速度300mm/分で180°方向に引きはがし、低速剥離時の剥離力を測定した。また、それとは別には、テープ試料と被着体とを圧着させてから24時間養生させた後、テンシロン引張試験機により、テープ試料をその背面側から引張速度30m/分で180°方向に引きはがし、高速剥離時の剥離力(N/10mm)を測定した。
(自背面に対する定荷重保持力)
作製した各テープ試料について、温度23±2℃、相対湿度50±5%において、自背面(テープ試料における粘着剤層とは反対側の和紙基材の表面)に対するテープ試料の保持力を測定した。具体的には、被着体とするテープ試料をSUS板に貼りつけ、その被着体(テープ試料)の背面に、幅15mm、長さ140mmに切断した評価対象とするテープ試料の粘着面を貼り合わせ、200gの圧着ローラで1往復圧着した。圧着してから1時間後、圧着したテープ試料を専用ジグにセットし、かつ、評価対象であるテープ試料の端部に、粘着面に対して90°方向に引きはがす荷重がかかるように6gのおもりを取り付けた。そして、おもりを取り付けてから。評価対象であるテープ試料が自背面(被着体であるテープ試料の背面)からはがれ落ちるまでの経過時間(分)を測定した。このようにして、マスキングテープの実使用時における自背面への重ね貼りが可能であるか、重ね貼りの際にすぐに剥がれてしまわないかを確認する試験を行った。
(耐水糊残り性)
作製した各テープ試料について、テープ試料を水中に浸漬させた後の糊残りの程度(耐水糊残り性)を評価した。具体的には、テープ試料を幅20mm、長さ70mmに切断し、ゴム板に貼り付けた後、30分間放置した。その後、テープ試料を貼り付けたゴム板を水中に20分間浸漬させ、取り出した直後のテープ試料の再剥離性、及び常温(23±2℃)で表面の水分を拭き取り60分間放置して乾燥させた後の再剥離性を確認し、糊残りの程度を以下の評価基準にしたがって評価した。なお、この試験では、ゴム板へのテープ試料の貼り付けと、ゴム板からのテープ試料の剥離を手作業で行った。
A:糊残りがなく、ゴム板からテープ試料をきれいに剥離できた。
B:糊残りが若干あったが、実用上問題ないレベルでゴム板からテープ試料を剥離できた。
C:ゴム板からテープ試料を剥離した際に、糊残りが目立っていた。
(結露面に対する粘着性)
作製した各テープ試料について、SUS板を結露させた面に対する粘着性を評価した。具体的には、SUS板を−20℃の恒温槽に1時間放置した後、恒温槽からSUS板を常温(23±2°)環境に取り出してから1分後に、そのSUS板の結露した面に、幅10mm、長さ70mmに切断したテープ試料を貼り付けた。テープ試料の貼り付け条件やSUS板からのテープ試料の引きはがし条件は、上述の「低速剥離時の剥離力」の測定方法の説明で述べたことと同様にして、結露面に対する粘着力(N/10mm)を測定した。
(耐熱性)
作製した各テープ試料について、耐熱性を評価した。具体的には、テープ試料を幅20mm、長さ70mmに切断し、テープ試料の粘着面をゴム板に貼り合わせ、圧着ローラを用いて19.6Nの荷重で1往復圧着した。圧着してから30分間放置した後、温度80℃の熱風乾燥機中で30分間加熱した。熱風乾燥機中でテープ試料を剥離した際の状態、及び熱風乾燥機から取り出し、室温(23±2℃)まで放冷した後にテープ試料を剥離した際の状態を確認し、以下の評価基準にしたがって評価した。なお、被着体からのテープ試料の剥離条件は、手動で任意の速度で剥離を行った。
A:糊残りがなく、ゴム板からテープ試料をきれいに剥離できた。
B:糊残りが若干あったが、実用上問題ないレベルでゴム板からテープ試料を剥離できた。
C:ゴム板からテープ試料を剥離した際に、糊残りが目立っていた。
(貼り跡性)
作製した各テープ試料について、被着体に一定期間貼り付けた後に剥離した際の貼り跡の程度を評価した。具体的には、テープ試料を幅15mm、長さ140mmに切断し、テープ試料の粘着面を被着体に貼り合わせ、圧着ローラを用いて19.6Nの荷重で1往復圧着した。被着体には、SUS板とアルミニウム板を用いた。圧着後のテープ試料及び被着体を、温度50℃かつ相対湿度90%の恒温槽に120時間放置した後に恒温槽から取り出し、常温(23±2℃)下で、テープ試料を剥離した。被着体からのテープ試料の剥離条件は、上述の「低速剥離時の剥離力」の測定方法の説明で述べた条件と同様にした。そして、被着体(SUS板とアルミニウム板)におけるテープ試料の貼り跡の程度を以下の評価基準にしたがって評価した。
A:被着体において、テープ試料を貼っていた跡が目視で確認し難かった(貼り跡がないか、目立たなかった)。
B:被着体において、テープ試料を貼っていた跡がうっすら確認された。
C:被着体において、テープ試料を貼っていた跡がはっきり確認された。
以上の各評価結果を、粘着剤の作製条件とともに表1(表1−1及び表1−2)に示す。
Figure 2019011385
Figure 2019011385
表1−1及び表1−2に示す通り、実施例1〜8で作製した粘着剤及びテープ試料は、高速剥離時の剥離力が抑えられているとともに糊残りし難く、かつ、結露面に対しても粘着性を示し、また、テープ試料の自背面への重ね貼りが可能であることが確認された。さらに、実施例1〜5で作製した粘着剤及びテープ試料は、被着体に貼り跡が残り難いことが確認されたことから、ガラスシーリング用として好適であると考えられる。
一方、比較例1で作製した粘着剤及びテープ試料は、「耐水糊残り性」の評価試験における乾燥後の再剥離性の評価において、糊残りが多く目立って生じ、実用不可能なレベルであり、また、耐熱性にやや劣る結果であった。これらの原因は、比較例1で作製した粘着剤に含有させたエマルション中の(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分に(メタ)アクリロニトリルを使用しなかったためと考えられる。
比較例2及び3で作製した粘着剤及びテープ試料は、自背面に対する保持力が著しく低く、マスキングテープの自背面への重ね貼りが実用上不可能なレベルであることが確認された。また、比較例3で作製した粘着剤及びテープ試料は、結露面に対して粘着性を示さなかった。これらの原因は、比較例2及び3で作製した粘着剤に含有させたエマルション中の(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分にアクリロニトリルを9質量%超の割合で使用したためと考えられる。
比較例4で作製した粘着剤及びテープ試料では、高速剥離時の剥離力が、SUS板及びガラス板のいずれに対しても4.5N/10mmを超え、低速剥離時の剥離力の3倍となり、十分に抑えられていないことが確認された。この原因は、粘着剤にリン酸エステル系化合物を配合しなかったためと考えられる。このような粘着剤を用いた粘着テープの実際の使用状況において、その粘着テープをより素早く剥離した場合に糊残りが生じ易いことや、剥離作業に時間を要する可能性があることが懸念される。
参考例6)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した重合開始剤を、5質量%に希釈した過硫酸アンモニウム水溶液10質量部(過硫酸アンモニウムとして0.5質量部)に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
参考例7)
実施例1において、エマルション中の(メタ)アクリル系共重合体の中和に使用した水酸化カリウム水溶液を、アンモニア水(後記表1中「NH3」と記す。)に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
参考例8)
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した重合開始剤を、5質量%に希釈した過硫酸アンモニウム水溶液10質量部(過硫酸アンモニウムとして0.5質量部)に変更したこと、及びエマルション中の(メタ)アクリル系共重合体の中和に使用した水酸化カリウム水溶液を、アンモニア水に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
<マスキングテープの作製>
実施例、参考例及び比較例で得られた各粘着剤を用いて、それぞれの粘着剤について、マスキングテープ試料を作製した。まず、幅150mm、長さ300mm、厚さ70μmの和紙基材の片面に、アンカーコート剤(サイデン化学社製、商品名「サイビノールEK−61」)を塗工して常温(23±2℃)で30分間放置し、アンカーコート層を形成した。次に、粘着剤100質量部に対して、エポキシ系架橋剤としての多官能グリシジル化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン;三菱ガス化学社製、商品名「テトラッド−C」)をトルエンで5質量%に希釈した溶液を2.0質量部(多官能グリシジル化合物として約0.1質量部)添加した。そして、和紙基材に設けたアンカーコート層上に、上記エポキシ系架橋剤を添加した後の粘着剤を、乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmになるように塗布し、100℃で120秒間乾燥した。粘着剤塗工面にポリエステル製のラミネートフィルム加工のセパレーターを貼り合わせた後、40℃の環境下で3日間放置した。このようにして、和紙基材に粘着剤層が設けられたマスキングテープ試料(以下、単に「テープ試料」と記載することがある。)を作製した。なお、実使用におけるマスキングテープでは、テープ状の和紙基材の背面(自背面)に粘着剤層が重ね貼りされて巻かれた構成となるが、本試験例では、シート状の和紙基材を用いたため、サンプルとして扱いやすいように、自背面の代わりに上記セパレーターを用いた。
Figure 2019011385
Figure 2019011385
表1−1及び表1−2に示す通り、実施例1〜5及び参考例6〜8で作製した粘着剤及びテープ試料は、高速剥離時の剥離力が抑えられているとともに糊残りし難く、かつ、結露面に対しても粘着性を示し、また、テープ試料の自背面への重ね貼りが可能であることが確認された。さらに、実施例1〜5で作製した粘着剤及びテープ試料は、被着体に貼り跡が残り難いことが確認されたことから、ガラスシーリング用として好適であると考えられる。

Claims (8)

  1. (A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分が重合した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションと、
    前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物と、を含有する粘着剤。
  2. 前記(メタ)アクリル系共重合体は、アルカリ金属の過硫酸塩の存在下に前記単量体成分が重合したものであり、かつ、アルカリ金属化合物で中和されている請求項1に記載の粘着剤。
  3. ガラスシーリング用のマスキングテープ用である請求項1又は2に記載の粘着剤。
  4. 前記(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤。
  5. 前記リン酸エステル系化合物が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩の少なくともいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤。
  6. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤で形成された粘着剤層と、を備える粘着テープ。
  7. (A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程と、
    前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションにリン酸エステル系化合物を添加する工程と、を含む粘着剤の製造方法。
  8. 前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程は、前記単量体成分を、重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に重合させる工程であり、かつ、
    その工程後、前記エマルションにアルカリ金属化合物を添加して前記(メタ)アクリル系共重合体を中和する工程をさらに含む請求項7に記載の粘着剤の製造方法。
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