JP2019011308A - 経口組成物 - Google Patents
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[1]3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩と、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材と、を含有することを特徴とする経口組成物。
[2]抗肥満組成物であることを特徴とする[1]に記載の経口組成物。
[3]筋肉増強組成物であることを特徴とする[1]に記載の経口組成物。
[4]他素材が、セラミド及び葛の花から選ばれる少なくとも1種である[3]に記載の経口組成物。
3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(HMB)とは、必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物であり、ヒトの体内で合成される。本発明においては、HMB又はその塩が使用できる。HMBの塩としては、特に制限されないが、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が挙げられ、筋肉増強効果や抗肥満効果の観点から、カルシウム塩(HMBCa)が好ましい。本発明の経口組成物におけるHMB又はその塩は、公知の方法により合成したものや、市販品を用いることができる。市販品としては、食品に適用可能なものであれば限定されない。
本発明の経口組成物においては、HMB又はその塩と共に、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材を用いることが好ましい。
本発明の経口組成物におけるセラミドとしては、セラミド1、セラミド2、セラミド3等のヒト型セラミドの他、牛、馬、豚等の脳、脊髄等から抽出した動物由来のセラミド、小麦、稲、大豆、ホウレンソウ、トウモロコシ、こんにゃく、パイナップル等から抽出した植物由来のセラミドを用いることができる。また、本発明の経口組成物におけるセラミドとしては、糖セラミドであってもよく、具体的に例えば、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド等の単糖が結合したものや、オリゴ糖が結合したものを挙げることができる。本発明の経口組成物においては、植物由来のセラミドを用いることが好ましく、小麦、トウモロコシ、稲などのイネ科植物由来のグルコシルセラミドを用いることが更に好ましく、その中でも、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、稲から採取される米や種子から抽出したグルコシルセラミドを用いることが特に好ましい。抽出に使用される溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、抽出溶媒としては、有効成分を効率よく抽出できることから、エタノール又は含水エタノールが好ましい。
葛は、マメ科クズ属のつる性の多年草植物である。本発明の経口組成物における葛の花としては、蕾から全開した花までのいずれの過程で採取したものを用いてもよく、各過程で採取したものを混合して用いることもできる。葛の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示することができ、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)が好ましい。
オオイタドリは、タデ科オンダテ属の多年草であり、学名をPolygonum sachalinenseという。使用部位としては、葉、茎、芽、根、根茎などが挙げられ、特に芽が好ましい。芽は、若芽、新芽とも呼ばれる。本発明の経口組成物におけるオオイタドリとしては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、オオイタドリは粉砕物または抽出物が好ましく、有効成分が特に多く含まれる抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、熱水抽出物が尚更に好ましい。
コツサイホは、シダ植物ウラボシ科(Polypodiacea)のハカマウラボシ(Drynaria fortunei)の根茎を用いたものである。中国では、骨や関節の痛み改善の漢方薬として利用されている。本発明の経口組成物におけるコツサイホとしては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、コツサイホは粉砕物または抽出物が好ましく、有効成分が特に多く含まれる抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、エタノール、含水エタノール抽出物が尚更に好ましい。
筋骨草は、シソ科キランソウ属に属する多年草植物であり、具体的に、Ajuga decumbens、Ajuga ciliata、Ajuga lupulina等が挙げられる。本発明の経口組成物における筋骨草としては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、筋骨草は粉砕物または抽出物が好ましく、有効成分が特に多く含まれる抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、エタノール、含水エタノール抽出物が尚更に好ましい。
本発明の経口組成物におけるトウガラシは、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質を含むものであれば特に限定されない。トウガラシの品種、産地等は特に限定されない。具体的には、トウガラシ品種CH−19甘、伏見甘長、シシトウ、山科、万願寺、鷹の爪、香川本鷹、青森鷹の爪、札幌大長、カリフォルニア・ワンダー、チェリーボム等を用いることができる。中でも、伏見甘長は、カプサイシンとカプサイシノイド様物質の両方を含み、辛味が少ないため、好ましく用いられる。各種トウガラシは、単独で用いてもよいし、二以上を組み合わせて用いてもよい。
[実施例1]
試験1:線維芽細胞を用いた脂肪分化抑制作用の評価
37℃、5%CO2インキュベーター内で、75cm2フラスコを用いて、マウス線維芽細胞株(3T3−L1)を10%(V/V)FBS含有DMEMにより培養した。トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cm2フラスコからコラーゲンコートした96ウェルプレートの各ウェルに2×104cells/wellの細胞密度で播種した。37℃、5%CO2インキュベーター内でコンフルエントになるまで培養した。コンフルエントになってから3日後に、分化誘導培地にて調製した被験物質含有サンプルを添加し7日間培養した。このとき2〜3日置きに分化維持培地で調製した被験物質含有サンプルに交換した。分化未誘導のものは、被験物質含有サンプルにジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide)の濃度を揃えた10%(V/V)FBS含有DMEMで培養した。
HMB又はその塩として、HMBCaの市販品を用いた。
セラミドとして、糖セラミド濃度99%以上である米由来グルコシルセラミドの精製物(市販品)を用いた。
葛の花として、葛の花の熱水抽出エキス末(株式会社東洋新薬製)を用いた。
オオイタドリとして、オオイタドリの熱水抽出エキス末(市販品)を用いた。
コツサイホとして、コツサイホのエタノール抽出エキス末(市販品)を用いた。
筋骨草として、筋骨草のエタノール抽出エキス末(市販品)を用いた。
トウガラシとして、伏見甘長の乳酸菌発酵エキスである「青トウガラシ発酵エキス」(株式会社東洋新薬製)を用いた。
培養後の細胞に、サンプル100μLと等量の10%ホルマリン溶液を添加し、遮光して10分間室温で静置した。ホルマリン液を除去し、新たに10%ホルマリン溶液を100μL/wellで細胞に添加し、遮光して10分間室温で静置し、細胞を固定した。ホルマリン溶液を除去し、PBSにて2回洗浄した。60%イソプロパノール−オイルレッド溶液を50μL/wellで細胞とブランクウェルに添加し、遮光して30分間室温で静置して脂肪滴を染色した。染色液を除去し、60%イソプロパノールを150μL/well添加した。60%イソプロパノールを除去し、PBSで1回洗浄した。100%イソプロパノールを細胞とブランクウェルに50μL/well添加し、10分間ほど振とうして染色液を抽出した。染色液が抽出されたイソプロパノール液の520、650nm(濁度)における吸光度を測定した。
(3)たんぱく質定量方法
イソプロパノール液を1日間、室温に静置して完全にプレート内のイソプロパノールをとばした。イソプロパノール除去後、96ウェルプレートにPBSを20μL/well入れ、−80℃のフリーザーで完全に凍結するまで静置した。−80℃のフリーザーから96ウェルプレートを取り出し、室温にて完全に融解するまで静置した。プロテインアッセイBCAキットの反応溶液を160μL/wellで添加した。Standardとして、BSA終濃度が0,25,125,250,500,750,1000,2000μg/mLを用意した。プレートシェーカーにて軽く振とうした後、37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、室温に戻した上清を120μL/wellで採取し、別の96ウェルプレートに移した。562nmにおける吸光度を測定した。
(4)データ解析
得られたデータをもとに下記式から「% of control」を算出した。
[Data520nm−Data650nm]/[タンパク質濃度]×100
(1)37℃、5%CO2インキュベーター内で、75cm2フラスコを用いて、マウス筋芽細胞株(C2C12)を10%(V/V)FBS含有DMEMにて培養した。
(2)トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cm2フラスコから96ウェルプレートの各ウェルに5000cells/wellの細胞密度で播種した。
(3)37℃、5%CO2インキュベーター内で72時間前培養した。
(5)24時間培養後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(登録商標)qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(東洋紡製)を用いてcDNAを合成した。
(6)得られたcDNAを鋳型として、Myogenin遺伝子(Myog)に対するプライマー(QIAGEN製)を用いて、QuantiNova SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、Myogenin遺伝子のmRNA発現量を測定した。内在性コントロールとして、GAPDHプライマー(QIAGEN製)を用いて、GAPDHのmRNA発現量を測定した。
HMB又はその塩として、HMBCaの市販品を用いた。
セラミドとして、糖セラミド濃度99%以上である米由来グルコシドセラミドの精製物(市販品)を用いた。
葛の花として、葛の花の熱水抽出エキス末(株式会社東洋新薬製)を用いた。
下記成分からなる錠剤(250mg)を製造した。得られた錠剤を1日あたり5粒摂取する。
葛の花熱水抽出物 25%
ステアリン酸カルシウム 2%
二酸化ケイ素 2%
還元麦芽糖 21%
下記成分からなる錠剤(350mg)を製造した。得られた錠剤を1日あたり6粒摂取する。
米由来グルコシルセラミド 0.1%
プルラン 1%
還元麦芽糖 13.9%
下記混合物をハードカプセルに封入し、カプセル剤(300mg)を製造した。得られたハードカプセルを1日あたり5粒摂取する。
オオイタドリ含水エタノール抽出物 0.5%
コツサイホ含水エタノール抽出物 0.5%
筋骨草熱水抽出物 0.5%
トウガラシエタノール抽出物 0.5%
乳酸菌 5%
セルロース 21%
二酸化ケイ素 2%
下記成分を混合して常法により顆粒剤(3000mg)を製造した。得られた顆粒剤を水と共に服用することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
葛の花水抽出物 10%
トウモロコシ由来グルコシルセラミド 2%
アスパルテーム 0.1%
チアミン塩酸塩 0.33%
リボフラビン 0.33%
ビタミンB6 0.17%
シアノコバラミン 0.17%
香料 0.17%
還元パラチノース 6.67%
ステアリン酸カルシウム 3.33%
ヒロドキシプロピルセルロース 残部
下記成分からなるチュアブル錠剤(1粒あたり1000mg)を製造した。得られたチュアブル錠剤を1日3回、1回あたり2粒(合計6粒)摂取することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
葛の花熱水抽出物 15.00%
コツサイホ水抽出物 0.70%
筋骨草エタノール抽出物 0.70%
スクラロース 0.10%
アスパルテーム 0.05%
ビタミンB1 0.01%
ビタミンB2 0.01%
ビタミンB6 0.01%
香料 0.01%
ステアリン酸カルシウム 1.00%
二酸化ケイ素 2.00%
ヒドロキシプロピルセルロース 1.00%
セルロース 30.00%
還元パラチノース 残部
下記成分からなるチュアブル錠剤(1粒あたり700mg)を製造した。得られたチュアブル錠剤を1日あたり2粒摂取することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
オオイタドリ含水エタノール抽出物 0.70%
コツサイホエタノール抽出物 0.70%
筋骨草熱水抽出物 0.70%
香料 0.01%
ショ糖脂肪酸エステル 3.00%
二酸化ケイ素 2.00%
ヒドロキシプロピルセルロース 5.00%
還元パラチノース 残部
Claims (3)
- 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩と、
セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材と、
を含有することを特徴とする経口組成物。 - 抗肥満組成物であることを特徴とする請求項1に記載の経口組成物。
- 筋肉増強組成物であることを特徴とする請求項1に記載の経口組成物。
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