JP2019011308A - 経口組成物 - Google Patents

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【課題】 優れた抗肥満効果や筋肉増強効果を示す経口組成物を提供すること。【解決手段】 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩と、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材とを含有する経口組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩を含む経口組成物に関する。
3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(HMB)は、必須アミノ酸であるロイシンの代謝生成物であり、筋肉の合成促進や分解抑制にかかわっていることが知られている。しかしながら、体内でのHMB生成量は非常に少ないため、このHMBをサプリメント等として摂取する試みがなされている。
このようなサプリメントに関し、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム(HMBCa)及び結晶セルロースを含有する錠剤が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1では、結晶セルロースを用いることにより打錠性を改善し、表面に凹凸のない錠剤を得ている。
特開2015−218158号公報
上記のように、HMBに関する検討はなされているが、HMBと他成分との効果に関する検討はあまりなされていない。
本発明の課題は、優れた抗肥満効果を示す経口組成物を提供することにある。また、HMBのもつ筋肉増強効果を向上させた経口組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、HMB又はその塩と共に、特定の他素材を用いることにより、優れた抗肥満効果を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。また、HMB又はその塩と共に、特定の他素材を用いることにより、HMB又はその塩のもつ筋肉増強効果を向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩と、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材と、を含有することを特徴とする経口組成物。
[2]抗肥満組成物であることを特徴とする[1]に記載の経口組成物。
[3]筋肉増強組成物であることを特徴とする[1]に記載の経口組成物。
[4]他素材が、セラミド及び葛の花から選ばれる少なくとも1種である[3]に記載の経口組成物。
本発明によれば、優れた抗肥満効果を示す経口組成物を提供することができる。また、HMB又はその塩のもつ筋肉増強効果を向上させた経口組成物を提供することができる。特に、本発明によれば、運動と併用することで、より優れた抗肥満効果、筋肉増強効果を示す経口組成物を提供することができる。
本発明の組成物(HMBCa+セラミド)を適用した場合の脂肪細胞の分化抑制作用の評価結果(細胞あたりの脂肪滴量)を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+葛の花)を適用した場合の脂肪細胞の分化抑制作用の評価結果(細胞あたりの脂肪滴量)を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+オオイタドリ)を適用した場合の脂肪細胞の分化抑制作用の評価結果(細胞あたりの脂肪滴量)を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+コツサイホ)を適用した場合の脂肪細胞の分化抑制作用の評価結果(細胞あたりの脂肪滴量)を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+筋骨草)を適用した場合の脂肪細胞の分化抑制作用の評価結果(細胞あたりの脂肪滴量)を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+トウガラシ)を適用した場合の脂肪細胞の分化抑制作用の評価結果(細胞あたりの脂肪滴量)を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+セラミド)を適用した場合のMyogenin遺伝子(myog)のmRNA発現量の測定結果を示す図である。 本発明の組成物(HMBCa+葛の花)を適用した場合のMyogenin遺伝子(myog)のmRNA発現量の測定結果を示す図である。
本発明の経口組成物は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(HMB)又はその塩と、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材とを含有することを特徴とする。
HMB又はその塩と共に用いられる他素材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。他素材を2種以上組み合せて用いる場合、HMB又はその塩との相乗効果の高い他素材同士を組み合わせることが好ましく、本発明においては、筋肉増強組成物として用いる場合は、HMB又はその塩、セラミド及び葛の花の組合せが好ましく、抗肥満組成物として用いる場合は、HMB又はその塩並びにオオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる2種以上の組み合わせが好ましい。
HMB又はその塩と共に他素材を用いることにより、脂肪細胞の分化が抑制され、これにより、肥満を抑制することができる。すなわち、本発明の経口組成物は、抗肥満、体脂肪の低減、ダイエット等に用いることができる。
さらに、HMB又はその塩と共にセラミド及び葛の花から選ばれる少なくとも一種を用いることにより、HMB又はその塩のもつ効果を向上させることができる。すなわち、この本発明の経口組成物は、HMB又はその塩のもつ筋肉増強効果や筋肉疲労回復(筋肉疲労改善効果)効果を向上させることができ、シェイプアップや、スポーツ選手の筋肉増強、病後の筋力回復、高齢者の寝たきり防止、運動時の筋肉ダメージの抑制、運動後の筋肉疲労回復、基礎代謝の向上等に用いることができる。
[3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩]
3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(HMB)とは、必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物であり、ヒトの体内で合成される。本発明においては、HMB又はその塩が使用できる。HMBの塩としては、特に制限されないが、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が挙げられ、筋肉増強効果や抗肥満効果の観点から、カルシウム塩(HMBCa)が好ましい。本発明の経口組成物におけるHMB又はその塩は、公知の方法により合成したものや、市販品を用いることができる。市販品としては、食品に適用可能なものであれば限定されない。
3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩の含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.1〜99%であり、好ましくは1〜98%、より好ましくは5〜97%である。
[他素材]
本発明の経口組成物においては、HMB又はその塩と共に、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材を用いることが好ましい。
(セラミド)
本発明の経口組成物におけるセラミドとしては、セラミド1、セラミド2、セラミド3等のヒト型セラミドの他、牛、馬、豚等の脳、脊髄等から抽出した動物由来のセラミド、小麦、稲、大豆、ホウレンソウ、トウモロコシ、こんにゃく、パイナップル等から抽出した植物由来のセラミドを用いることができる。また、本発明の経口組成物におけるセラミドとしては、糖セラミドであってもよく、具体的に例えば、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド等の単糖が結合したものや、オリゴ糖が結合したものを挙げることができる。本発明の経口組成物においては、植物由来のセラミドを用いることが好ましく、小麦、トウモロコシ、稲などのイネ科植物由来のグルコシルセラミドを用いることが更に好ましく、その中でも、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、稲から採取される米や種子から抽出したグルコシルセラミドを用いることが特に好ましい。抽出に使用される溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、抽出溶媒としては、有効成分を効率よく抽出できることから、エタノール又は含水エタノールが好ましい。
セラミドの含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.000001〜30%であり、好ましくは0.00001〜20%、より好ましくは0.0001〜10%である。
(葛の花)
葛は、マメ科クズ属のつる性の多年草植物である。本発明の経口組成物における葛の花としては、蕾から全開した花までのいずれの過程で採取したものを用いてもよく、各過程で採取したものを混合して用いることもできる。葛の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示することができ、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)が好ましい。
本発明の経口組成物における葛の花としては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、葛の花は粉砕物または抽出物が好ましく、抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、熱水抽出物が尚更に好ましい。
葛の花の含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.01〜50%であり、好ましくは0.03〜40%、より好ましくは0.05〜30%である。
(オオイタドリ)
オオイタドリは、タデ科オンダテ属の多年草であり、学名をPolygonum sachalinenseという。使用部位としては、葉、茎、芽、根、根茎などが挙げられ、特に芽が好ましい。芽は、若芽、新芽とも呼ばれる。本発明の経口組成物におけるオオイタドリとしては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、オオイタドリは粉砕物または抽出物が好ましく、有効成分が特に多く含まれる抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、熱水抽出物が尚更に好ましい。
オオイタドリの含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.0001〜30%であり、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.01〜10%である。
(コツサイホ(骨砕補))
コツサイホは、シダ植物ウラボシ科(Polypodiacea)のハカマウラボシ(Drynaria fortunei)の根茎を用いたものである。中国では、骨や関節の痛み改善の漢方薬として利用されている。本発明の経口組成物におけるコツサイホとしては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、コツサイホは粉砕物または抽出物が好ましく、有効成分が特に多く含まれる抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、エタノール、含水エタノール抽出物が尚更に好ましい。
コツサイホの含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.0001〜30%であり、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.01〜10%である。
(筋骨草)
筋骨草は、シソ科キランソウ属に属する多年草植物であり、具体的に、Ajuga decumbens、Ajuga ciliata、Ajuga lupulina等が挙げられる。本発明の経口組成物における筋骨草としては、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を例示することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられ、例えば、洗浄、乾燥した後に粉砕したものを用いることもできる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、筋骨草は粉砕物または抽出物が好ましく、有効成分が特に多く含まれる抽出物が更に好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、エタノール、含水エタノール抽出物が尚更に好ましい。
筋骨草の含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.0001〜30%であり、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.01〜10%である。
(トウガラシ)
本発明の経口組成物におけるトウガラシは、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質を含むものであれば特に限定されない。トウガラシの品種、産地等は特に限定されない。具体的には、トウガラシ品種CH−19甘、伏見甘長、シシトウ、山科、万願寺、鷹の爪、香川本鷹、青森鷹の爪、札幌大長、カリフォルニア・ワンダー、チェリーボム等を用いることができる。中でも、伏見甘長は、カプサイシンとカプサイシノイド様物質の両方を含み、辛味が少ないため、好ましく用いられる。各種トウガラシは、単独で用いてもよいし、二以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の経口組成物におけるトウガラシは、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質を含有する部位であれば、どの部位を用いてもよいが、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質は胎座部に多く含まれているため、胎座部又は胎座部を含む果実を用いることが好ましい。また、トウガラシは、生のまま用いてもよいし、乾燥してもちいてもよい。例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物として用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温〜沸点以下で適宜設定することができる。
また、本発明の経口組成物におけるトウガラシは、発酵処理されたものであってもよい。発酵処理は、例えば、トウガラシに含まれるカプサイシノイド様物質などを分解する。発酵処理は、有機酸を産生し得、かつカプサイシノイド様物質などの分解により生成する脂肪酸を資化し得る微生物を、接触させて行われる。微生物によって産生される有機酸などによるpHの変化などにより、カプサイシノイド様物質などが分解される。
発酵としては、乳酸発酵、クエン酸発酵、アルコール発酵、酢酸発酵、これらの組み合わせによる発酵などが挙げられる。発酵の種類に応じて、乳酸菌、酵母菌、酢酸菌などをトウガラシと接触させる。これらの菌は、単独で発酵に用いてもよいし、複数の菌を同時に添加して発酵に用いてもよいし、段階的に異なる菌を添加して発酵に用いてもよい。これらの中でも、乳酸発酵が好ましい。
乳酸菌としては、ロイコノストック・メセントロイデス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・フェカリス、ビフィドバクテリウム・ロンガムなどが挙げられ、単独で又は組み合わせて用いられる。例えば、単独で用いる場合、ラクトバチルス・プランタラムが、その耐酸性、生育温度、および増殖速度の面から好適である。
トウガラシの含有量は、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果が認められる量であれば特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して0.0001〜30%であり、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.01〜10%である。
本発明の経口組成物は、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、一般的な食品、食品添加剤、飼料等として用いることができる。
本発明の経口組成物は、抗肥満のために用いられる抗肥満用組成物として用いることができる。かかる抗肥満用組成物としては、HMB又はその塩及び他素材を含有し、抗肥満(肥満抑制)に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに、抗肥満(ダイエット、体脂肪低減、メタボリックシンドローム改善、痩身などを含む)の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の抗肥満用組成物は、製品の包装等に、本発明における組合せの成分(HMB又はその塩及び他素材)が抗肥満の有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよく、HMB又はその塩のみを有効成分として表示したものであってもよく、他素材のみを有効成分として表示したものであってもよい。
具体的に、本発明の抗肥満用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「体脂肪が気になる方へ」、「肥満気味な方へ」、「体重(BMI)が気になる方へ」、「体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らす」、「ウエスト周囲長を減らす」等を表示したものを例示することができる。
また、HMB又はその塩と共に他素材を含む本発明の経口組成物は、筋肉の増強のために用いられる筋肉増強用組成物として用いることができる。特に、HMB又はその塩と共にセラミド及び葛の花から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。かかる筋肉増強用組成物としては、HMB又はその塩及び他素材を含有し、筋肉増強や筋肉疲労回復に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに筋肉増強、筋合成の亢進、筋分解の抑制、筋肉量(筋肉重量、筋断面積、筋肉密度)の低下抑制・維持・増加、筋肉の質の低下抑制・維持・向上、筋力(パワー、持久力)の低下抑制・維持・増加、運動能力の低下抑制・維持・向上、代謝(基礎代謝、安静時及び運動時代謝)の低下抑制・維持・向上、除脂肪体重の低下抑制・維持・増加、筋肉疲労の予防・改善、筋肉増強による代謝向上効果、ロコモティブシンドロームの予防・改善効果、サルコペニアの予防・改善効果の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の筋肉増強用組成物は、製品の包装等に、本発明における組合せの成分(HMB又はその塩及び他素材)が筋肉増強の有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよく、HMB又はその塩のみを有効成分として表示したものであってもよく、他素材のみを有効成分として表示したものであってもよい。
具体的に、本発明の筋肉増強用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「筋肉をつくる力をサポートする」、「筋肉の分解を抑える」、「筋力を増強する」、「歩行能力の低下抑制・維持・改善・向上」、「筋肉増強による代謝向上を図る」、「代謝の衰えを抑える」、「筋肉疲労の予防・回復」、「バランス能力の低下抑制・維持」、「シェイプアップ」、「マッチョ」、「細マッチョ」、「美ボディ」、「寝たきり予防」、「寝たきり防止」、「転倒予防」、「筋肉増強による代謝向上を図る」、「筋肉量や筋力を維持する」等を表示したものを例示することができる。本発明の経口組成物を摂取する対象としては、筋肉の増強を必要とする人であれば特に限定されないが、シェイプアップを目的とする人や、スポーツ選手や、足腰の弱った高齢者等を好ましく例示することができる。
本発明の経口組成物による抗肥満効果、筋肉増強効果は、日常生活を送る上で本発明の組成物を摂取すれば得られるものであるが、運動と併用することで、より優れた効果を得ることができる。ここで言う運動とは、有酸素運動又はレジスタンス運動(筋力トレーニング、ウェイトトレーニング)のいずれか一種以上である。特に、本発明の経口組成物による筋肉増強効果を得る場合、本発明の経口組成物と併用する運動の種類は特に制限はないが、有酸素運動、レジスタンス運動のうちいずれか一種以上を実施することが好ましく、レジスタンス運動を実施することが特に好ましい。また、運動を実施する場合の運動量としては、1日あたり10分以上、好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上である。
本発明の組成物の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒剤、棒剤、板剤、ブロック剤、固形剤、丸剤、ペースト剤、クリーム剤、カプレット剤、ゲル剤、チュアブル錠剤、スティック剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、丸剤、チュアブル錠剤の形態が好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、チュアブル錠剤がより好ましい。
本発明の組成物を錠剤、丸剤、チュアブル錠剤とする場合、賦形剤、滑沢剤、流動化剤のいずれか一種以上を添加することにより、成型性を高めるとともに得られた錠剤、丸剤又はチュアブル錠剤の保存安定性を向上するため、好ましい。特に、賦形剤及び滑沢剤を使用することで保存安定性をより高めることができる。賦形剤とは、組成物の取扱いあるいは成形の向上や服用を便利にするために加えるものである。本発明に使用できる賦形剤としては特に制限はなく、例えば、デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、デンプン分解物等のデンプン又はその誘導体、結晶セルロース、粉末セルロース、糖アルコール、乳糖、ビール酵母、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム、還元麦芽糖、麦芽糖等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、賦形剤としては、成型性や保存安定性の観点から、ヒドロキシプロピルセルロース、粉末セルロース、アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、糖アルコール、還元麦芽糖、麦芽糖が好適に用いられる。滑沢剤とは、錠剤用の粉末を圧縮する際に打錠機杵臼と錠剤間の摩擦を緩和し、スティッキングなどの打錠障害を防ぐために使用するものである。本発明に使用できる滑沢剤としては、上記目的を達成することが可能な成分であれば特に制限はなく、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸又はその塩、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、ポリエチレングリコール、植物油脂、硬化油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、滑沢剤としては、成型性や保存安定性の観点から、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステルが好適に用いられる。流動化剤とは、混合末や顆粒の流動性を改善するために使用するものである。本発明に使用できる流動化剤としては特に制限はなく、例えば二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、流動化剤としては、成型性や保存安定性の観点から、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウムが好適に用いられる。本発明において、賦形剤、滑沢剤、流動化剤はいずれも市販品を使用することができる。
本発明の組成物におけるHMB又はその塩及び他素材(本発明の成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
具体的には、本発明の経口組成物が錠剤、丸剤、カプセル錠剤のサプリメントや医薬品の場合には、本発明の成分が乾燥質量換算で全体の5〜99質量%含まれていることが好ましく、8〜98質量%含まれていることがより好ましく、10〜97質量%含まれていることが特に好ましい。また、本発明の経口組成物がチュアブル錠剤のサプリメントや医薬品の場合には、本発明の成分が乾燥質量換算で全体の0.1〜70質量%含まれていることが好ましく、0.5〜60質量%含まれていることがより好ましく、1〜50質量%含まれていることが特に好ましい。粉末状、顆粒状のサプリメントや医薬品の場合、本発明の成分が乾燥質量換算で全体の0.1〜90質量%含まれていることが好ましく、0.5〜80質量%含まれていることがより好ましく、1〜70質量%含まれていることが特に好ましい。液状のサプリメントや医薬品の場合、本発明の成分が乾燥質量換算で全体の5〜99質量%含まれていることが好ましく、8〜98質量%含まれていることがより好ましく、10〜97質量%含まれていることが特に好ましい。
本発明の経口組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、成人の1日当たり、HMB摂取量が、100mg/日以上となるように摂取することが好ましく、200mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、300mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、10000mg/日であり、好ましくは8000mg/日であり、より好ましくは5000mg/日である。また、成人の1日当たり、セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、トウガラシの摂取量が、0.1mg/日以上となるように摂取することが好ましく、0.3mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、0.5mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、1000mg/日であり、好ましくは500mg/日であり、より好ましくは300mg/日である。本発明の経口組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように適宜設計すればよく、1回で摂取しても良いし、複数回に分けて摂取しても良い。例えば、錠剤、カプセル、丸剤又はチュアブル錠剤の場合は1日あたり1〜4回の摂取回数とし、合計量として前記摂取量が摂取できれば良い。本発明の経口組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2〜3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
HMB又はその塩及び他素材の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1〜100000:1の範囲であることが好ましく、0.75:1〜50000:1の範囲であることがより好ましく、1:1〜30000:1の範囲であることがさらに好ましく、筋肉増強効果及び/又は抗肥満効果の観点から、1:1〜10000:1の範囲であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の成分以外の他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。本発明の成分以外の他の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;カルシウム、マグネシウム、リン、鉄等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
試験1:線維芽細胞を用いた脂肪分化抑制作用の評価
(1)細胞培養(脂肪細胞への分化誘導方法)
37℃、5%COインキュベーター内で、75cmフラスコを用いて、マウス線維芽細胞株(3T3−L1)を10%(V/V)FBS含有DMEMにより培養した。トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cmフラスコからコラーゲンコートした96ウェルプレートの各ウェルに2×10cells/wellの細胞密度で播種した。37℃、5%COインキュベーター内でコンフルエントになるまで培養した。コンフルエントになってから3日後に、分化誘導培地にて調製した被験物質含有サンプルを添加し7日間培養した。このとき2〜3日置きに分化維持培地で調製した被験物質含有サンプルに交換した。分化未誘導のものは、被験物質含有サンプルにジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide)の濃度を揃えた10%(V/V)FBS含有DMEMで培養した。
なお、分化誘導培地は、10%(V/V)FBS含有DMEMに、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(3-isobutyl-1-methylxanthine)が0.5mM、デキサメタゾン(Dexamethasone)が0.5μM、インスリン(Insulin)が10μg/mLとなるように調製したものを用いた。また、分化維持培地は、10%(V/V)FBS含有DMEMにヒトインスリン溶液(Insulin solution human)が10μg/mLとなるように調製したものを用いた。
また、被験物質として以下のものを用いた。
HMB又はその塩として、HMBCaの市販品を用いた。
セラミドとして、糖セラミド濃度99%以上である米由来グルコシルセラミドの精製物(市販品)を用いた。
葛の花として、葛の花の熱水抽出エキス末(株式会社東洋新薬製)を用いた。
オオイタドリとして、オオイタドリの熱水抽出エキス末(市販品)を用いた。
コツサイホとして、コツサイホのエタノール抽出エキス末(市販品)を用いた。
筋骨草として、筋骨草のエタノール抽出エキス末(市販品)を用いた。
トウガラシとして、伏見甘長の乳酸菌発酵エキスである「青トウガラシ発酵エキス」(株式会社東洋新薬製)を用いた。
(2)細胞内脂肪滴の染色
培養後の細胞に、サンプル100μLと等量の10%ホルマリン溶液を添加し、遮光して10分間室温で静置した。ホルマリン液を除去し、新たに10%ホルマリン溶液を100μL/wellで細胞に添加し、遮光して10分間室温で静置し、細胞を固定した。ホルマリン溶液を除去し、PBSにて2回洗浄した。60%イソプロパノール−オイルレッド溶液を50μL/wellで細胞とブランクウェルに添加し、遮光して30分間室温で静置して脂肪滴を染色した。染色液を除去し、60%イソプロパノールを150μL/well添加した。60%イソプロパノールを除去し、PBSで1回洗浄した。100%イソプロパノールを細胞とブランクウェルに50μL/well添加し、10分間ほど振とうして染色液を抽出した。染色液が抽出されたイソプロパノール液の520、650nm(濁度)における吸光度を測定した。
(3)たんぱく質定量方法
イソプロパノール液を1日間、室温に静置して完全にプレート内のイソプロパノールをとばした。イソプロパノール除去後、96ウェルプレートにPBSを20μL/well入れ、−80℃のフリーザーで完全に凍結するまで静置した。−80℃のフリーザーから96ウェルプレートを取り出し、室温にて完全に融解するまで静置した。プロテインアッセイBCAキットの反応溶液を160μL/wellで添加した。Standardとして、BSA終濃度が0,25,125,250,500,750,1000,2000μg/mLを用意した。プレートシェーカーにて軽く振とうした後、37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、室温に戻した上清を120μL/wellで採取し、別の96ウェルプレートに移した。562nmにおける吸光度を測定した。
(4)データ解析
得られたデータをもとに下記式から「% of control」を算出した。
% of control=
[Data520nm−Data650nm]/[タンパク質濃度]×100
式中、たんぱく質濃度は、Standardの吸光度から検量線(y=Ax+B)を引き、たんぱく質濃度を算出した。また、Data520nmは、オイルレッド染色後の520nmにおける吸光度の値であり、Data650nmは、オイルレッド染色後の650nm(濁度)における吸光度の値であり、Controlは、[Data562nmの値]−[Standard0]の値である。
図1〜6に、マウス線維芽細胞の脂肪量の評価結果を示す。数値は、低いほど脂肪細胞の分化が抑制されたことを示す。なお、各図は、左から、「コントロール」、「HMBCaの単独添加」、「他素材の単独添加」、「HMBCa+他素材添加」の結果を表し、添加成分の濃度単位は、μg/mLである。
図1〜6に示すように、HMBCa及び本発明の他素材を用いた本発明の組成物は、各素材単独の場合に比して、相乗的に脂肪細胞の分化が抑制された。肥満は、脂肪細胞の肥大と増殖によることから、脂肪細胞の分化を抑制することにより、肥満を防止することができると考えられる。したがって、本発明の経口組成物は、肥満防止に有用である。
試験2:筋芽細胞を用いた筋分化促進作用の評価
(1)37℃、5%COインキュベーター内で、75cmフラスコを用いて、マウス筋芽細胞株(C2C12)を10%(V/V)FBS含有DMEMにて培養した。
(2)トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cmフラスコから96ウェルプレートの各ウェルに5000cells/wellの細胞密度で播種した。
(3)37℃、5%COインキュベーター内で72時間前培養した。
(4)0.5%(V/V)DMSO−10%(V/V)FBS含有DMEMで所定濃度に調整した被験物質含有培地を200μLずつ添加し、24時間培養した。
(5)24時間培養後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(登録商標)qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(東洋紡製)を用いてcDNAを合成した。
(6)得られたcDNAを鋳型として、Myogenin遺伝子(Myog)に対するプライマー(QIAGEN製)を用いて、QuantiNova SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、Myogenin遺伝子のmRNA発現量を測定した。内在性コントロールとして、GAPDHプライマー(QIAGEN製)を用いて、GAPDHのmRNA発現量を測定した。
被験物質として以下のものを用いた。
HMB又はその塩として、HMBCaの市販品を用いた。
セラミドとして、糖セラミド濃度99%以上である米由来グルコシドセラミドの精製物(市販品)を用いた。
葛の花として、葛の花の熱水抽出エキス末(株式会社東洋新薬製)を用いた。
図7及び図8に、Myogenin遺伝子のmRNA発現量の測定結果を示す。Myogenin遺伝子は、筋芽細胞が筋細胞に分化する際に働く遺伝子であり、Myogenin遺伝子のmRNA発現量は、筋細胞の分化の指標となる。数値は、高いほどMyogenin遺伝子のmRNA発現量が多いことを示す。なお、各図は、左から、「コントロール」、「HMBCaの単独添加」、「他素材の単独添加」、「HMBCa+他素材添加」の結果を表し、添加成分の濃度単位は、μg/mLである。
図7及び図8に示すように、HMBCa及び特定の素材を用いた本発明の組成物は、各素材単独の場合に比して、相乗的に多いMyogenin遺伝子のmRNA発現量を示した。これらの結果より、本発明の組成物は、骨格筋における筋芽細胞から筋細胞への分化を効果的に促進させ、骨格筋をより有効に増強することができると考えられる。
[実施例2](錠剤の製造)
下記成分からなる錠剤(250mg)を製造した。得られた錠剤を1日あたり5粒摂取する。
HMBCa 50%
葛の花熱水抽出物 25%
ステアリン酸カルシウム 2%
二酸化ケイ素 2%
還元麦芽糖 21%
[実施例3](錠剤の製造)
下記成分からなる錠剤(350mg)を製造した。得られた錠剤を1日あたり6粒摂取する。
HMBCa 85%
米由来グルコシルセラミド 0.1%
プルラン 1%
還元麦芽糖 13.9%
上記錠剤は一日に1回又は2、3回に分けて水と共に服用することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
[実施例4](カプセル剤の製造)
下記混合物をハードカプセルに封入し、カプセル剤(300mg)を製造した。得られたハードカプセルを1日あたり5粒摂取する。
HMBCa 70%
オオイタドリ含水エタノール抽出物 0.5%
コツサイホ含水エタノール抽出物 0.5%
筋骨草熱水抽出物 0.5%
トウガラシエタノール抽出物 0.5%
乳酸菌 5%
セルロース 21%
二酸化ケイ素 2%
上記カプセル剤は一日に1回又は2〜4回に分けて水と共に服用することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
[実施例5](顆粒剤の製造)
下記成分を混合して常法により顆粒剤(3000mg)を製造した。得られた顆粒剤を水と共に服用することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
HMBCa 50%
葛の花水抽出物 10%
トウモロコシ由来グルコシルセラミド 2%
アスパルテーム 0.1%
チアミン塩酸塩 0.33%
リボフラビン 0.33%
ビタミンB6 0.17%
シアノコバラミン 0.17%
香料 0.17%
還元パラチノース 6.67%
ステアリン酸カルシウム 3.33%
ヒロドキシプロピルセルロース 残部
[実施例6](チュアブル錠剤の製造)
下記成分からなるチュアブル錠剤(1粒あたり1000mg)を製造した。得られたチュアブル錠剤を1日3回、1回あたり2粒(合計6粒)摂取することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
HMBCa 20.00%
葛の花熱水抽出物 15.00%
コツサイホ水抽出物 0.70%
筋骨草エタノール抽出物 0.70%
スクラロース 0.10%
アスパルテーム 0.05%
ビタミンB1 0.01%
ビタミンB2 0.01%
ビタミンB6 0.01%
香料 0.01%
ステアリン酸カルシウム 1.00%
二酸化ケイ素 2.00%
ヒドロキシプロピルセルロース 1.00%
セルロース 30.00%
還元パラチノース 残部
[実施例7](チュアブル錠剤の製造)
下記成分からなるチュアブル錠剤(1粒あたり700mg)を製造した。得られたチュアブル錠剤を1日あたり2粒摂取することで、優れた筋肉増強効果や抗肥満効果が得られる。
HMBCa 40.00%
オオイタドリ含水エタノール抽出物 0.70%
コツサイホエタノール抽出物 0.70%
筋骨草熱水抽出物 0.70%
香料 0.01%
ショ糖脂肪酸エステル 3.00%
二酸化ケイ素 2.00%
ヒドロキシプロピルセルロース 5.00%
還元パラチノース 残部
本発明の経口組成物は、筋肉増強効果、抗肥満効果等を有することから、本発明の産業上の有用性は高い。


Claims (3)

  1. 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩と、
    セラミド、葛の花、オオイタドリ、コツサイホ、筋骨草、及びトウガラシから選ばれる少なくとも1種の他素材と、
    を含有することを特徴とする経口組成物。
  2. 抗肥満組成物であることを特徴とする請求項1に記載の経口組成物。
  3. 筋肉増強組成物であることを特徴とする請求項1に記載の経口組成物。
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