JP2006265142A - 体脂肪の蓄積抑制または低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規な体脂肪蓄積抑制または低減剤を提供すること。
【解決手段】 本発明の辛味を呈するトウガラシを発酵処理して得られる発酵物を有効成分とする体脂肪の蓄積抑制または低減剤を提供する。本発明の辛味を呈するトウガラシを発酵処理して得られる発酵物は、優れた体脂肪の蓄積抑制または低減効果を有し、より詳細には、白色脂肪細胞における脂肪分解促進作用を有する。
また、特に辛味を呈するトウガラシに含まれるカプサイシンが低減していることから、様々な剤形に応用が可能であり、安全性も高い。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な体脂肪の蓄積抑制または低減剤に関する。
近年、日本人の食生活が大きく変化して肉食中心の高脂肪食を摂取するようになったこと、ならびにストレスや運動不足により、中高年齢層だけでなく、青少年においても、肥満とこれに伴う体脂肪率の増加が問題となっている。
そもそも体脂肪は、摂取した脂質や糖質を脂肪として体内に蓄積したものであり、この脂肪は、主に脂肪細胞内に蓄積されたものである。この脂肪細胞は、主に褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞に分類され、特に白色脂肪細胞は、皮下脂肪や内臓脂肪を構成する細胞であり、この白色脂肪細胞中の脂肪を低減させるまたは白色脂肪細胞への脂肪の蓄積を抑制することが、体脂肪を効率よく減らす上で重要である。
これまでに、この脂肪細胞における脂質の分解を促進する様々な検討がされているが、十分な効果を得ることはできなかった(例えば特許文献1〜3を参照)。
また、トウガラシは、通常、辛味を呈する脂溶性の成分であるカプサイシンを含有しており、この効果として褐色脂肪細胞に対する脂肪分解促進効果によって、体熱産生が促進され、基礎代謝を向上させ、体脂肪を低減し得るとして食されているが、この辛味によって摂取量が制限され、十分な効果を得ることが難しいといった問題点がある。
特開2004−75653号公報 特開2002−154987号公報 特開2002−20312号公報
本発明は、辛味を呈するトウガラシの辛味成分等の水不可溶性成分が低減または除去された水可溶性成分を用いた体脂肪蓄積抑制または低減剤を提供することを目的とする。
本発明者は、辛味を呈するトウガラシを発酵して得られる水可溶性成分に優れた体脂肪低減効果を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、辛味を呈するトウガラシを発酵処理して得られる水可溶性成分を有効成分とする、体脂肪の蓄積抑制または低減剤に関する。
より好ましい実施様態は、前記発酵処理が、乳酸菌を用いた発酵である、体脂肪の蓄積抑制または低減剤に関する。
前記体脂肪蓄積抑制または低減剤が、白色脂肪細胞の脂質分解促進作用である、体脂肪の蓄積抑制または低減剤に関する。
本発明の辛味を呈するトウガラシを発酵処理することによって得られた水可溶性の発酵物は優れた体脂肪の蓄積抑制または低減効果を有する。より具体的には、白色脂肪細胞内の脂質分解促進を行うことで、体脂肪の蓄積抑制または低減効果を得ることができる。この効果は、発酵前よりも優れた効果を示す。
以下、本発明の辛味を呈するトウガラシを発酵処理することによって得られる水可溶性成分(以下、単に本発明の成分ということがある)を有効成分とする体脂肪の蓄積抑制または低減剤を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記載のみに限定されず、当業者が理解し得る特許請求の記載の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明の辛味を呈するトウガラシとは、辛味の成分であるカプサイシンを含有するトウガラシものであれば特に制限はなく、その果実を用いることが好ましい。このようなトウガラシとしては、鷹の爪、香川本鷹、青森鷹の爪、伏見辛、ソウルブコチュ、ハラペーニョ、インディアジャワラ等が挙げられる。
本発明に用いる辛味を呈するトウガラシは、そのまま後述する処理に供することも可能であるが、処理に供される植物体の表面積を増加させて、効率よく植物体を処理できる点で、予め辛味を呈するトウガラシを破砕することが好ましい。例えば、植物体をスライサーまたはダイサーでカットした後に、マスコロイダー、ブレンダー、摩砕ミルなどで、破砕片の粒径が、好ましくは100〜5000μm、より好ましくは200〜3000μmになるまで破砕する。必要に応じて、水、エタノールなどを適宜加えて破砕してもよい。
次いで、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物を発酵処理する。発酵処理は、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物へ微生物を接触させることで行うことができ、処理を効率よく行い得るという点では、辛味を呈するトウガラシまたは破砕物に、予め水を加えることが好ましい。加える水の量は、辛味を呈するトウガラシまたは破砕物の全重量に対して、好ましくは等量〜5倍量、より好ましくは2〜3倍量である。水を加えることによって、菌の生育環境が好適になる。なお、発酵処理の前に殺菌や辛味を呈するトウガラシの水可溶性成分を溶出させるために加熱処理を行っても良い。加熱処理は、植物体またはその破砕物を、40℃〜120℃の範囲の温度で30分〜24時間加熱することによって行われる。なお、辛味を呈するトウガラシ自身を長時間加熱すると悪臭を生ずることがあるため、高い加熱温度で短時間で処理することが好ましい。例えば、40℃〜60℃にて3時間〜24時間、または60℃〜120℃にて30分間〜3時間処理することが好ましい。
発酵処理は、有機酸を産生し得、微生物によって産生される有機酸などによるpHの変化や辛味を呈するトウガラシ中の水可溶性成分を微生物が資化することにより、辛味を呈するトウガラシ中には見られない成分(例えば有機酸、アミノ酸などの有用成分)へ変換され得る。
なお、発酵処理を行う前に以下に述べる酵素処理または中和処理を行った後に発酵処理を行っても良い。
(酵素処理または中和処理)
辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物の発酵を促進する目的で、酵素による細胞壁分解処理または中和処理のうちの少なくとも1種で処理し得る。
酵素処理に用いられる酵素としては、アミラーゼ、ペクチナーゼ、エンドアラバナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、エンドβ−グルカナーゼ、エキソβ−グルカナーゼ、キシラーゼ、β−グルコシダーゼなどが挙げられる。好ましくは、ペクチナーゼである。これらの酵素は混合して用いてもよい。特に好ましくは、ペクチナーゼと、アミラーゼ、エンドアラバナーゼ、エンドβ−グルカナーゼ、エキソβ−グルカナーゼ、キシラナーゼ、およびβ−グルコシダーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素との混合酵素である。これらの添加量は、酵素の種類によって異なるが、通常、酵素濃度が、0.0001〜0.5質量/容量%、好ましくは0.0005〜0.3質量/容量%となるように添加される。
酵素処理の条件は、処理する辛味を呈するトウガラシの形状、酵素の種類、酵素濃度に応じて適宜設定すればよい。通常、30〜75℃、好ましくは35〜70℃にて30分間〜72時間、好ましくは1〜48時間程度で処理される。
酵素処理は、発酵の阻害要因(例えば、ペクチン等の細胞壁を構成する多糖類)を分解することによって、発酵を短時間で終了させることができる。さらに、例えば、多糖類が分解されると、多糖類の分解物(単糖類、オリゴ糖など)が生成される。これらが、得られる本発明の発酵物中の新たな成分となり得る。例えば、オリゴ糖は、整腸作用、発酵物の可溶化を促進するなどの様々な効果を有する。単糖類は、さらに微生物の増殖に必要な栄養素を供給して微生物の有用物質の産生を促進すると考えられる。
中和処理は、最適なpHで発酵するために行われ、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物のpHを4.0〜7.5に調節する。pHの調節は、当業者が用いる通常の方法を用いて行われる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、重曹、クエン酸ナトリウムなどのpH調整剤;電解水;クエン酸緩衝液や酢酸緩衝液などを添加して調節され得る。
(発酵処理)
上記辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物、あるいは酵素処理または中和処理のうちの少なくとも1種で処理した後に(以下これらをまとめて、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等ということがある)、発酵処理によって発酵物を得る。本発明の発酵処理における辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等に微生物を接触させる態様としては、例えば、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等に付着している微生物をそのまま利用することおよび辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等に微生物を添加することが挙げられる。高い体脂肪蓄積抑制または低減効果を有する発酵処理物を得る観点から、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等に微生物を添加することが好ましい。辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等に付着している微生物をそのまま利用する場合には、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物が腐敗する恐れがあるため注意を要する。
発酵処理としては、乳酸発酵、クエン酸発酵、アルコール発酵、酢酸発酵、これらの組み合わせによる発酵などが挙げられる。発酵の種類に応じて、乳酸菌、酵母菌、酢酸菌などを辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等と接触させる。これらの中でも、乳酸発酵が好ましい。これらの発酵を組み合わせてもよい。発酵処理の時間は、例えば、24時間〜72時間で終了することが好ましく、発酵の種類に応じては、乳酸菌、酵母菌、酢酸菌などが用いられる。酵母や酢酸菌は、耐酸性が強いため、特に好ましく用いられる。
乳酸発酵は、上記辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等を乳酸菌と接触させることによって行われる。乳酸発酵は、得られる発酵物中に乳酸が含有されるため、発酵処理中の腐敗も防げる点で好ましい。好ましくは発酵物の乾燥質量100g当り、乳酸を乾燥質量換算で0.1mg(0.0001質量%)以上、より好ましくは0.5mg(0.0005質量%)以上、さらに好ましくは1mg(0.001質量%)以上含有し得る。
乳酸菌としては、ロイコノストック・メセントロイデス、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・デルブロイキ、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・フェカリス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、バチルス・メセンテリカス(Bacillus mesentericus)などが挙げられる。これらの乳酸菌は単独でまたは組み合わせて用いられる。特にこれらの微生物の中でも植物由来の成分を基に発酵を行う観点から、ラクトバチルス・プランタラムが好適に用いられる。
乳酸菌は、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等の100質量部に対して、乾燥菌体質量で好ましくは0.005〜10質量部、さらに好ましくは0.01〜5.0質量部添加される。
また、乳酸菌の優先的な生育のために、グルタミン酸またはその塩を加えてもよい。添加するグルタミン酸の量は、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等に対して0.05〜1質量%程度、好ましくは0.2質量%程度である。
さらに乳酸菌の発酵を促進するために、乳酸菌代謝性の糖を添加してもよい。この糖の添加は、糖分含量が少ない植物(糖分含量が1質量%未満)を発酵させる場合に有用である。あるいは、発酵の促進および発酵物への甘味の付加という目的で糖を添加してもよい。添加される糖は、乳酸菌が生育および発酵に利用し得る糖であり、例えば、庶糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの糖は、糖分が辛味を呈するトウガラシの糖分と合わせて約1〜6質量%になるように加えることが好ましい。
乳酸発酵は、乳酸菌が優先的に増殖できる環境をつくるため、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等のpHを予め中和処理により調節しておくことが好ましい。例えば、ラクトバチルス・プランタラムを用いる場合は、中和処理によってpHを4.0〜7.0に調節してから発酵を開始すれば、短期間でその発酵を終了させることができる。
乳酸発酵は、効率よく発酵処理を行うために嫌気性条件下で行うことが好ましい。嫌気性条件は、発酵処理過程での通気を行わなければよく、例えば、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等を発酵槽に入れた後、発酵槽を密封する事によっても行うことができる。また、脱気や窒素、二酸化炭素などのガスで満たすか、減圧することにより、あるいはそれらを組み合わせることによっても行うことができる。また、嫌気条件下で発酵を行うことにより、得られる発酵物の風味も良くなる。
乳酸発酵の条件に特に制限はない。発酵温度は、通常、4℃〜50℃で行われ得る。発酵時間は、発酵温度に応じて適宜設定すればよく、20℃〜50℃で発酵を行う場合、12時間〜72時間、好ましくは24時間〜72時間である。さらに、風味を高める目的で4℃〜10℃の低温発酵を行う場合は、5日間〜14日間で処理することが好ましい。
乳酸発酵は、糖を加えて発酵を停止させることができる。このような糖としては、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、オリゴ糖(例えば、マルトオリゴ糖、キトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖)などが挙げられる。このようなオリゴ糖は、整腸作用、う蝕の予防などに効果があり、得られる発酵物に機能性を付与し得る。
乳酸発酵は、辛味を呈するトウガラシ中の水可溶性成分を資化して有機酸やオリゴ糖などの有用成分を産生するだけでなく、発酵物を低いpHに維持できるため、他の雑菌の繁殖を防ぐことも可能である。また、乳酸菌を添加するため、風味の改善や整腸作用、酵素阻害作用などの生理活性の高い辛味を呈するトウガラシ発酵物を得ることができる。
クエン酸発酵は、一般的には、酵母を、上記辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等と好気的条件下で接触させて培養することによって行われる。クエン酸発酵において、乳酸菌をさらに添加して発酵すると、酵母の増殖が促進されやすく、さらに得られる発酵物の嗜好性も高まるため好ましい。
酵母としては、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母、パン酵母などが用いられる。例えば、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属などに属する酵母が用いられ、好ましくは、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・パストリアヌス、シゾサッカロミセス・ポンベなどが挙げられる。特にアミノ酸やビタミンなどの有用物質を産生する点で、サッカロミセス・セレビシエおよびその単離株が好ましい。
酵母は、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等の100質量部に対して、乾燥体質量で0.001〜15質量部、好ましくは0.01〜10質量部添加する。
クエン酸発酵は、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等と酵母とを発酵槽に入れ、通気攪拌しながら、4℃〜40℃、好ましくは10℃〜35℃で24時間〜14日間行う。特に辛味を呈するトウガラシの果実は酸性であるため、酵母発酵により香気成分が高くなるため、より嗜好性の高い発酵物を得ることができる。
クエン酸発酵は、酵母を用いて行われるため、発酵物中に酵母が産生するアミノ酸、タンパク質、ビタミン類などが含まれ、栄養価が高く嗜好性に優れる点で好ましい。
アルコール発酵は、酵母を、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等と嫌気条件下で接触させて培養することによって行われる。アルコール発酵に用いられる酵母の種類および量は、上記クエン酸発酵の場合と同様である。発酵条件も、嫌気条件にすること以外は、上記クエン酸発酵の場合と同様である。こうしてアルコール発酵で得られた辛味を呈するトウガラシ発酵物は、さらに以下で述べる酢酸発酵に供することが好ましい。
酢酸発酵は、辛味を呈するトウガラシまたはその破砕物等にアルコールを加え、所定のアルコール濃度にした後、酢酸発酵し得る微生物(酢酸菌)を添加することによって行われる。あるいは上記のアルコール発酵によって得られた本発明の発酵物に酢酸菌を添加して二段発酵させてもよい。
アルコール濃度は、酢酸菌が生育できる濃度であれば、特に制限されず、発酵時間などに応じて適宜調整すればよい。好ましくは10質量/容量%以下、より好ましくは1〜6質量/容量%である。
酢酸菌としては、アセトバクター属に属する微生物、例えば、アセトバクター・アセチ、アセトバクター・パステウリアヌス、アセトバクター・ハンセニなどが挙げられる。
酢酸菌は、適切な培地で15℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃にて6〜48時間予備培養しておくことが好ましい。予備培養した酢酸菌は、例えば、次のようにして得られる。まず、ポテト200g、破砕酵母30g、肝臓エキス25g、肉エキス5g、チオグリコール酸培地10g、グルコース5g、グリセロール15g、および炭酸カルシウム15gを含有する1Lの酢酸菌培地(pH7.0)に酢酸菌を添加して、15℃〜40℃にて24時間予備培養する。次いで、得られた培養物を遠心分離し、回収した菌体を滅菌水で洗浄し、再度遠心分離して上清を除去することによって、予備培養した酢酸菌が得られる。
酢酸発酵は、攪拌培養、振盪培養、および静置培養のいずれでも行うことができる。発酵温度は10℃〜40℃、好ましくは20℃〜35℃で行われる。発酵時間は、酢酸菌の添加量に応じて適宜設定され、通常、1日〜1週間が好適である。
上記発酵処理後は、さらに必要に応じて、濃縮処理や加熱処理を行ってもよい。例えば、減圧濃縮、凍結乾燥などの濃縮方法や、加圧式殺菌、熱交換式殺菌、蒸煮殺菌、限外ろ過などの当業者が通常用いる加熱方法が用いられる。加熱処理の場合、例えば、60℃〜120℃にて5秒間〜12時間行われる。なお、加熱処理を行うことで、乳酸菌から有用成分が発酵物の液中に溶解し得るため、好ましい。
(本発明の水可溶性成分)
次いで、上述のようにして得られた発酵物より、本発明の水可溶性成分を得る。本発明の水可溶性成分を得る方法は、発酵物中の脂溶性の成分であるカプサイシン等の水不可溶成分を低減または除去できればよく、その方法は、当業者が通常用いる処理方法によって種々の態様にして使用することもできる。このような態様としては、例えば、遠心分離やろ過等の発酵物を固液分離によって、水不可溶成分を含む溶液の層と、特に脂溶性の成分と水可溶性成分を分離して、回収することが可能である。特にろ過においては、ろ過の過程でカプサイシンなどの脂溶性成分が、残渣に付着するため、簡便に水可溶性成分を含む溶液を回収することが可能である。また、遠心分離後に分画して、水可溶性成分と水不可溶性成分を分離してもよい。このような水不可溶成分を含む溶液はそのまま用いてもよく、さらに濃縮処理したペーストや、乾燥・粉末化処理した乾燥粉末などにすることが可能である。これらは、すべて本発明の水可溶性成分の一態様である。
上記の本発明の水可溶性成分の1つの実施態様である乾燥粉末は、具体的には、該水可溶性成分を含む溶液を、乾燥、粉末化することによって得られる。乾燥は、当業者が通常用いる種々の方法が採用されるが、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましく用いられる。噴霧乾燥は、必要に応じて、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどの賦形剤を添加して行われる。水可溶性成分を含む溶液と賦形剤との混合比は、発酵物を乾燥する場合、好ましくは質量比で1:5〜10:1、発酵エキスを乾燥する場合、好ましくは質量比1:10〜5:1である。上記混合比で乾燥することにより得られる水可溶性成分の乾燥粉末または発酵エキス末の褐変を防ぐことができる。
本発明の水可溶性成分は、カプサイシン等の脂溶性成分が除かれているにもかかわらず、体脂肪の蓄積抑制または低減効果を有する。このため、カプサイシンを含んだままの辛味を呈するトウガラシに比べて、より摂取しやすく安全な体脂肪の蓄積抑制または低減剤として利用し得る。特に、本発明の水可溶性成分は、白色脂肪細胞の脂肪の分解を促進し得ることから、白色脂肪細胞の脂質分解促進剤または脂質吸収抑制剤として利用し得る。
本発明の水可溶性成分は、上述の作用を有するため、該作用を得ることを目的とした種々の形態で利用される。この組成物は、さらに香りがよく、カプサイシンによる刺激性を持つ物質が低減または除去されているため、特別な処理を必要とすることなく種々の目的に利用される。例えば、食品、医薬品、医薬部外品などとして利用される。
なお、本発明の水可溶性成分は、体脂肪の蓄積抑制または体脂肪の低減効果などを有し、これらの効果を得るための摂取量、配合量は特に制限はないが、摂取量については、成人一日あたりの摂取量が、例えば本発明の発酵物を発酵エキスとした場合は、1日当たりの摂取量の下限値は、乾燥質量換算で1mg以上、好ましくは10mg以上、最も好ましくは100mg以上であり、上限値は、2000mg以下、好ましくは1000mg以下である。また、食品中への配合量は、その剤形によっても異なるが、例えば、本発明の水可溶性成分の配合量の下限値は、乾燥質量換算で0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上であり、配合量の上限値は、90質量%以下、好ましくは60質量%以下である。
このような本発明の水可溶性成分を例えば経口投与可能な剤形にする場合は、必要に応じて、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、B、B、B、B12、ナイアシン、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、セレン、キチン、キトサン、レシチン、ポリフェノール(フラボノイド、これらの誘導体等)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、キサンチン誘導体(カフェイン等)、タンパク質またはペプチド(大豆タンパク、コラーゲン、エラスチン、シルクまたはこれらの分解物等)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、これらの誘導体等)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質(フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン等)、スフィンゴ脂質及びその誘導体(スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、リグナン類(セサミン等)、真珠粉末、α−リポ酸またはその誘導体、コエンザイムQ10、およびこれらを含有する動植物抽出物、根菜類(ショウガ等)などを添加して、加工食品とすることができる。このような中でも、以下に示す脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分、糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分と組み合わせることが好ましい。
(脂質吸収抑制成分、脂質代謝促進成分)
本発明における脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分の少なくともいずれかの成分の添加は、相乗的な脂質の蓄積抑制または体脂肪減少効果を得ることができる。
ここでいう脂質吸収抑制成分としては、例えば、キトサンおよびその誘導体、サイリウム、プロアントシアニジンなどの胆汁酸を排泄する作用を有する成分、ガロタンニン、ビワ葉等およびその抽出物などのリパーゼ阻害作用を有する成分が挙げられる。なお、例えば、松樹皮抽出物といったプロアントシアニジンを多く含む植物抽出物を、プロアントシアニジンとして用いることも可能である。
脂質代謝促進成分としては、リボフラビン類、茶カテキン類、異性化リノール酸、カフェイン、カルニチン、コエンザイムQ10、α−リポ酸およびその誘導体、大豆ペプチド、分岐アミノ酸、フォスファチジルコリン、アリルスルフィド化合物、フォルスコリン、ベルゲニン、ケルセチン、アスチルビン、ヒドロキシクエン酸、およびこれらの塩などが挙げられる。もちろん、これら脂質代謝促進成分を含有する植物抽出物、例えば、茶、葛花、コレウスフォコリ、アカショウマ、黄杞、大豆、ソバ、ニンニク、タマネギ、コーヒーなどの抽出物を、脂質代謝促進成分として用いることも可能である。
上記脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分は、目的に応じて適宜配合される。例えば、脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分のいずれかの成分のみを添加してもよく、脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分の両方を添加してもよい。もちろん、2種類以上の脂質吸収抑制成分を添加しても、2種類以上の脂質代謝促進成分を添加してもよい。
なお、本発明の水可溶性成分と脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分との配合比は、特に制限はない。例えば、本発明の発酵物100質量部に対して、脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の下限値は、1質量部以上、好ましくは5質量部以上とするのがよい。また、本発明の発酵物100質量部に対して、脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の上限値は、5000質量部以下、好ましくは2500質量部以下とし、剤形に合わせて適宜調整すればよい。
(糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分)
また、本発明において、本発明の水可溶性成分と共に糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分を少なくともいずれかの成分の配合は、脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分の少なくともいずれかの成分の添加と同様に、相乗的な効果が期待できる。糖の代謝促進成分を有する原料としては、例えば、チアミン類(例えばビタミンB)、ピリドキシン類、アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン、セリン、プロリン、グリシン、アラニン、及びスレオニン等)、クエン酸、リンゴ酸、モリブデン、リン、イオウ、クロム、カリウム、マンガン、カプサイシノイド、甘藷茎葉に見られるトリカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸およびこれらの誘導体、ニンジンのサポニンなどの成分自体や、これら成分を有する原料、さらに、同様の作用を有するレイシ、黒酢、大豆、菊芋、ビール酵母などが挙げられる。これらを配合することにより、体内での糖の蓄積を抑制し、ひいては糖の吸収によって引き起こされる体脂肪が増加することを抑制し得る。
糖の消化吸収抑制成分を有する原料としては、例えば、α−アミラーゼ阻害剤、グルコシダーゼ阻害剤などの糖分解酵素の阻害作用を有する成分自身、そのような阻害作用を有する成分を有する原料、水溶性食物繊維などの糖吸収抑制効果がある成分自身、およびそのような糖吸収抑制効果がある成分を有する原料などが挙げられる。糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料の具体例としては、α−アミラーゼ阻害活性を有するタンパク質やタンニンが挙げられる。α−アミラーゼ阻害タンパク質は、小麦やライ麦等の中に含まれている。タンニンは、大麦、茶、グァバ、ビワ等に含まれている。
また、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料として、α−グルコシダーゼ阻害物質を用いてもよい。ここでいうα−グルコシダーゼ阻害物質としては、例えば、1−デオキシノジリマイシン、サラシノール、これらを含有するサラシア・レティキュラタや桑葉が挙げられる。また、α−グルコシダーゼ阻害物質の別の例としては、ボタンピ、カシュウ、ゲットウ、アカメガシワ、ヒラミレモン、クダモノトケイソウおよびストレリチア、阿仙薬、サッサフラス、イエロードック、メドウスィートなどが挙げられる。さらに、別のα−グルコシダーゼ阻害物質としては、例えば、ウンシュウミカン、ダイダイ、ハッサク、ナツミカン、イヨカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ユズ、ライムなどの柑橘類に含まれるジヒドロカルコン化合物またはフラバノン配糖体、ウラジロガシ、オオボウシバナ、芍薬、チョウジ、ラフマ、ケイヒ、ユーカリ、エゾイシゲ、カモミール、シソ、ノイチゴ、トウチ、クローブ、ヒドロキシプロリンなどが挙げられる。
また、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料として、糖質消化酵素の阻害効果がある物質を用いることもできる。ここでいう糖質消化酵素の阻害効果がある物質としては、例えば、茶、グァバ、テンチャ、イチョウ葉、ブドウ種子や松樹皮抽出物等に含まれるポリフェノールや、マオウ、カリン、インゲン豆、ナンバンカラスウリ、カキ葉、プーアル茶、オトギリソウ、リンゴ、タラ、アカメガシワ、サンシュユ、訶子、トチュウ葉などが挙げられる。
また、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料としては、その糖質消化酵素阻害物質を含んでいる物質(植物・動物など)の粉末や抽出物等を用いることもできる。
さらに、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料としては、例えば、糖の吸収を阻害する成分、サポニン、コンズリトールA、グルマリン、及び食物繊維などが挙げられる。特に、ギムネマ・シルベスタ、ギムネマ・イノドラム、タラ、トンブリ等に含まれるサポニン、ギムネマ・シルベスタに含有されるコンズリトールA、グルマリンなどを、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料として用いてもよい。糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料としての食物繊維には、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、可溶性アルギン酸ナトリウム、イヌリンなどを、例として挙げることができる。食物繊維は、食餌をゲル化することにより、糖の腸管からの吸収を抑制すると考えられている。
なお、本発明の水可溶性成分と糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分との配合比は、特に制限はない。例えば、本発明の発酵物100質量部に対して、糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の下限値は、1質量部以上、好ましくは5質量部以上とするのがよい。また、本発明の発酵物100質量部に対して、糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の上限値は、5000質量部以下、好ましくは2500質量部以下とし、剤形に合わせて適宜調整すればよい。
また、本発明の発酵物を添加する剤形は特に制限はない。例えば、ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤;錠剤;丸剤;粉末;顆粒;ティーバッグ;液剤などの当業者が食品あるいは医薬品として通常用いる形態で利用される。これらは、形状または好みに応じて、そのまま摂取してもよく、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでも良く、成分を浸出させたものを摂取しても良い。これらは、さらにその形態に応じて必要とされる成分を含有し得る。例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などの添加剤を含有し得る。
例えば、健康飲料として利用する場合は、液体状の発酵物をそのまま用いるか、粉末状の発酵物を水などに溶解した物、あるいは種々の調味料、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料、アルコール、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料、香料、色素などを加えて、好みの味に調整して用いることができる。そして、このような発酵物は、他の発酵ジュースや野菜ジュースなど(例えば、人参ジュースあるいは混合野菜ジュース)と混合すれば、更に栄養価の高いジュースとすることができる。あるいは、寒天などに混合してゼリーとすることもでき、野菜または果物ジュース、乳製品などと組み合わせて、冷却・混練など当業者が通常行う方法によって、シャーベット、フローズンヨーグルト、アイスクリームなどの食品とすることもできる。また、本発明の発酵物を含有する飲料、および食品が、低pHであれば、120℃、4分の完全殺菌をしなくても、100℃以下の殺菌条件で殺菌できる。例えば、pHが4.0以下の場合では、65℃、10分相当の殺菌条件で十分に殺菌できる。
以下、本発明の実施態様をより詳細に説明するが、本実施例に限定されないことはいうまでもない。
(実施例1:辛味を呈するトウガラシ発酵物の水可溶性成分の乾燥粉末の調整)
辛味を呈するトウガラシ(鷹の爪)の乾燥粉末0.5Kgにイオン交換水5Lを加えて攪拌した後に、ブドウ糖を0.05Kgおよび乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム)を乾燥質量で5g添加して、攪拌した後に、35℃で24時間発酵処理した。発酵終了後に、得られた発酵物をろ過し、ろ液を回収して、水可溶性成分を含有する溶液を得た。次いで、この溶液を100℃、2分間の加熱処理を行った後に、減圧濃縮乾固して0.1Kgの乾燥粉末Aを得た。
(比較例1:辛味を呈するトウガラシの水可溶性成分の乾燥粉末の調整)
実施例1で用いた辛味を呈するトウガラシを同様にフードプロセッサで破砕して得られた破砕物0.5Kgにイオン交換水5Lを加えて攪拌した後に、ろ過し、ろ液を回収して非発酵エキスを得た。次いで、このエキスを100℃、2分間の加熱処理を行った後に、減圧濃縮乾固して0.1Kgの乾燥粉末Bを得た。
(実施例2:白色脂肪細胞の脂肪分解促進効果の検討)
13週齢の雄性ラットより精巣上体周囲の脂肪組織を採取し、実施例1の乾燥粉末Aまたは比較例1の乾燥粉末B、辛味成分であるカプサイシン(和光純薬工業株式会社製)をそれぞれ1mg/mLとなるようにM199培地へ溶解した各1mLの培地に、採取した脂肪組織を0.5gずつ懸濁し、37℃、3時間培養した。次いで、各培地上清を回収し、脂肪の分解によって上清中に生じる遊離のグリセロールをグリセロール測定キット(商品名:Fキットグリセロール、日本ロシュ株式会社製)を用いて測定した(測定値Aとする)。また、ブランクとして、それぞれの乾燥粉末またはカプサイシンを溶解したM199培地を同様にして測定して、値を算出した(測定値Bとする)。そして、測定値Aの値からブランクの測定値Bの値をそれぞれ差し引いた値を算出し、培養上清中の遊離グリセロール量を算出した。結果を表1に示す。なお、表中の値は、三重測定にて得られた結果の平均値および標準偏差である。
Figure 2006265142
表1の結果から、乾燥粉末Aは、乾燥粉末B並びに辛味を呈するトウガラシの成分であるカプサイシンに比べ、優れた脂肪分解促進作用が得られることが分かる。すなわち、本発明の水可溶性成分は、発酵によって優れた脂肪分解促進作用が得られ、脂肪分解促進剤として利用し得ることが分かる。また、乾燥粉末A及びBは、カプサイシンを溶解した場合よりも優れた脂肪分解促進作用が見られた。
本発明の辛味を呈するトウガラシを発酵処理して得られる水可溶性成分は、優れた体脂肪の蓄積抑制または低減効果を有し、体脂肪の蓄積抑制または低減剤として利用できるため、有用である。より詳細には、本発明の発酵物は、白色脂肪細胞における脂肪分解促進作用を有するため、これらの効果によって、辛味を呈するトウガラシの発酵前に比べ、優れた体脂肪蓄積抑制または低減効果を得ることができる。特に辛味を呈するトウガラシ中のカプサイシンなどが低減されていることから、様々な剤形に応用が可能であり、安全性も高い。

Claims (3)

  1. 辛味を呈するトウガラシを発酵処理して得られる水可溶性成分を有効成分とする、体脂肪の蓄積抑制または低減剤。
  2. 前記発酵処理が、乳酸菌を用いた発酵である請求項1に記載の体脂肪の蓄積抑制または低減剤。
  3. 前記体脂肪蓄積抑制または低減剤が、白色脂肪細胞の脂質分解促進作用である、請求項1または2に記載の体脂肪の蓄積抑制または低減剤。
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