JP2019009405A - 積層構造体および半導体装置 - Google Patents

積層構造体および半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019009405A
JP2019009405A JP2017191609A JP2017191609A JP2019009405A JP 2019009405 A JP2019009405 A JP 2019009405A JP 2017191609 A JP2017191609 A JP 2017191609A JP 2017191609 A JP2017191609 A JP 2017191609A JP 2019009405 A JP2019009405 A JP 2019009405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor
semiconductor film
crystal
semiconductor device
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017191609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7014355B2 (ja
Inventor
時宜 松田
Tokiyoshi Matsuda
時宜 松田
四戸 孝
Takashi Shinohe
孝 四戸
俊実 人羅
Toshimi Hitora
俊実 人羅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Flosfia Inc
Original Assignee
Flosfia Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Flosfia Inc filed Critical Flosfia Inc
Priority to US16/020,240 priority Critical patent/US10930743B2/en
Publication of JP2019009405A publication Critical patent/JP2019009405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7014355B2 publication Critical patent/JP7014355B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】高温高周波特性等の半導体特性に優れた積層構造体およびその半導体装置を提供する。【解決手段】ε型の酸化物半導体結晶(ε—Ga2O3など)を主成分とする第1の半導体膜と、第1の半導体膜の主成分とは異なる組成の酸化物半導体結晶(ε—(AlGa)2O3など)を主成分とする第2の半導体膜とが積層されている積層構造体を、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)などの半導体装置のヘテロ接合構造に用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘテロ接合を有する半導体構造として有用な積層構造体並びに前記積層構造体を用いた半導体装置及びシステムに関する。
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。当該酸化ガリウムは、非特許文献1によると、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶することによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはInAlGa(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5〜2.5)を示し、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
特許文献1には、ε―Ga単結晶をHVPEで成膜する方法が記載されている。しかしながら、ε―Ga単結晶は、α−Ga等とは異なり、半導体装置として適用するにはまだまだ課題がある結晶構造を有しており、半導体装置として具体的に適用できるレベルには至っていなかった。
特開2017−7871号公報
金子健太郎、「コランダム構造酸化ガリウム系混晶薄膜の成長と物性」、京都大学博士論文、平成25年3月
本発明は、高温高周波特性等の半導体特性に優れた積層構造体およびその半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第1の半導体膜と、第1の半導体膜の主成分とは異なる組成のε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第2の半導体膜とを積層すると、高温高周波特性に優れた半導体装置に有用な積層構造体が得られることを知見し、このような積層構造体が従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] ε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第1の半導体膜と、第1の半導体膜の主成分とは異なる組成のε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第2の半導体膜とが積層されていることを特徴とする積層構造体。
[2] 第1の半導体膜の主成分がガリウム、インジウム、アルミニウムまたはこれらの混晶を含む前記[1]記載の積層構造体。
[3] 第1の半導体膜の主成分がガリウムを含む前記[1]または[2]に記載の積層構造体。
[4] 第1の半導体膜の主成分がε−Gaまたはその混晶を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層構造体。
[5] 第2の半導体膜の主成分がガリウムを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層構造体。
[6] 第2の半導体膜の主成分がε−Gaまたはその混晶を含む前記[1]〜[5]のいずれかに記載の積層構造体。
[7] 第2の半導体膜の主成分がアルミニウムを含む前記[1]〜[6]のいずれかに記載の積層構造体。
[8] ヘテロ接合を有する半導体構造であって、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層構造体を含むことを特徴とする半導体構造。
[9] 電極と半導体層とを少なくとも含む半導体装置であって、前記半導体層に、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層構造体または前記[8]記載の半導体構造が用いられていることを特徴とする半導体装置。
[10]パワーデバイスである前記[9]記載の半導体装置。
[11] 高周波デバイスである前記[9]または[10]に記載の半導体装置。
[12] HEMTまたはHBTである前記[9]〜[11]のいずれかに記載の半導体装置。
[13] 半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体装置が、前記[9]〜[12]のいずれかに記載の半導体装置である半導体システム。
本発明の積層構造体およびその半導体装置は、高温高周波特性等の半導体特性に優れている。
実施例において用いられる成膜装置(ミストCVD装置)の概略構成図である。 高電子移動度トランジスタ(HEMT)の好適な一例を模式的に示す図である。 ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)の好適な一例を模式的に示す図である。 電源システムの好適な一例を模式的に示す図である。 システム装置の好適な一例を模式的に示す図である。 電源装置の電源回路図の好適な一例を模式的に示す図である。 実施例におけるXRD測定結果を示す図である。
本発明の積層構造体は、ε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第1の半導体膜と、第1の半導体膜の主成分とは異なる組成のε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第2の半導体膜とが積層されていることを特長とする。
第1の半導体膜は、ε型の酸化物半導体結晶を主成分とする膜であれば特に限定されない。ドーパントを含んでいてもよいし、オフ角を有していてもよい。
前記ドーパントは特に限定されず、公知のものであってよい。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、または鉛等のn型ドーパント、またはp型ドーパントなどが挙げられる。本発明においては、前記ドーパントが、スズ、ゲルマニウムまたはケイ素であるのが好ましい。ドーパントの含有量は、前記半導体膜の組成中、0.00001原子%以上であるのが好ましく、0.00001原子%〜20原子%であるのがより好ましく、0.00001原子%〜10原子%であるのが最も好ましい。このような好ましい範囲とすることで、前記半導体膜の電気特性をより向上させることができる。
また、前記半導体膜は、オフ角を有していてもよい。「オフ角」とは、所定の結晶面(主面)を基準面として形成される傾斜角をいい、通常、所定の結晶面(主面)と結晶成長面とのなす角度をいう。前記オフ角の傾斜方向は特に限定されないが、好適には例えば0.2°〜8.0°などが挙げられる。このような好ましいオフ角を有することにより、前記半導体膜の半導体特性、特に移動度がさらにより優れたものになる。
また、本発明においては、前記半導体膜が、インジウム、ガリウム、アルミニウムまたはこれらの混晶を主成分として含むのが好ましく、前記InAlGaO系半導体を主成分として含むのがより好ましく、ガリウムを少なくとも含むのが最も好ましい。なお、「主成分」とは、例えば前記酸化物半導体結晶がε―Gaである場合、膜中の金属元素中のガリウムの原子比が0.5以上の割合でε―Gaが含まれていればそれでよい。本発明においては、前記膜中の金属元素中のガリウムの原子比が0.7以上であることが好ましく、0.8以上であるのがより好ましい。また、前記半導体膜の厚さは、特に限定されず、1μm以下であってもよいし、1μm以上であってもよい。また、前記半導体膜の形状等は特に限定されず、四角形状(正方形状、長方形状を含む)であっても、円形状(半円形状を含む)であっても、多角形状であってもよい。前記半導体膜の表面積は、特に限定されず、3mm角以上であるのが好ましく、5mm角以上であるのがより好ましく、直径50mm以上であるのが最も好ましい。本発明においては、前記半導体膜が、膜表面の光学顕微鏡による観察において、中心3mm角領域にクラックを有しないのが好ましく、中心5mm角領域にクラックを有しないのがより好ましく、中心9.5mm角領域にクラックを有しないのが最も好ましい。また、前記半導体膜は、単結晶膜であってもよいし、多結晶膜であってもよいが、単結晶膜であるのが好ましい。
第2の半導体膜は、第1の半導体膜の主成分とは異なる組成の酸化物半導体結晶を主成分とする膜であれば特に限定されないが、本発明においては、ε型の酸化物半導体結晶および/またはα型の酸化物半導体結晶を主成分とするのが好ましい。ここで、「ε型の酸化物半導体結晶」については、第1の半導体膜におけるε型の酸化物半導体結晶と同様であってよい。本発明においては、第2の半導体膜の主成分が、ガリウムを含むのが好ましく、ε−Gaまたはその混晶を含むのも好ましく、また、界面における半導体特性がより優れたものになるので、アルミニウムを含むのがより好ましい。
以下、前記半導体膜の好ましい製造方法について説明するが、本発明はこれら好ましい製造方法に限定されない。
前記半導体膜の好ましい製造方法としては、例えば図1のようなミストCVD装置を用いて、原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、得られたミストまたは液滴をキャリアガスで成膜室内に搬送し(搬送工程)、ついで成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、結晶基板上に、半導体膜を成膜する(成膜工程)ことなどが挙げられる。本発明においては、バッファ層が形成されていてもよい結晶基板を用いることが好ましい。
(結晶基板)
前記結晶基板としては、特に限定されないが、主面の全部または一部にコランダム型の結晶構造を有している基板、ε型の結晶構造を有している基板、六方晶の結晶構造を有している基板、β型の結晶構造を有している基板などが好適な例として挙げられ、このような好適な基板が、結晶成長面側の主面の全部または一部に前記結晶構造を有している基板であるのが好ましく、結晶成長面側の主面の全部に前記結晶構造を有している基板であるのがより好ましい。また、前記結晶基板は、オフ角を有してしてもよい。前記結晶基板の基板形状は、板状であって、前記半導体膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、導電性基板であってもよい。前記基板の形状は、特に限定されず、略円形状(例えば、円形、楕円形など)であってもよいし、多角形状(例えば、3角形、正方形、長方形、5角形、6角形、7角形、8角形、9角形など)であってもよく、様々な形状を好適に用いることができる。本発明においては、前記基板の形状を好ましい形状にすることにより、基板上に形成される膜の形状を設定することができる。また、本発明においては、大面積の基板を用いることもでき、このような大面積の基板を用いることによって、前記半導体膜の面積を大きくすることができる。前記結晶基板の基板材料は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。例えば、α―Al、GaN、SiC、β−Gaなどが挙げられる。本発明においては、前記結晶基板が、コランダム型の結晶構造を有している基板であるのが、第1の半導体膜および第2の半導体膜をより良好に成膜することができるため、好ましい。
前記バッファ層としては、例えば、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化アルミニウム及びこれらの混晶などが挙げられる。本発明においては、前記バッファ層が、ε型の結晶構造、六方晶の結晶構造またはβ型の結晶構造だけでなく、コランダム構造やアモルファス構造を有していてもよい。また、前記バッファ層は、半導体層であってもよいし、絶縁体層であってもよい。なお、前記バッファ層がコランダム構造を有する場合には、n型ドーパントを含んでいるのが好ましく、スズでドーピングされているのがより好ましい。このようにドーパントを用いることにより、バッファ層上により良質なε型の結晶膜をより容易に得ることができる。前記バッファ層の積層手段は特に限定されず、公知の積層手段であってよく、前記半導体膜の成膜手段と同様であってもよい。
(霧化・液滴化工程)
霧化・液滴化工程は、前記原料溶液を霧化または液滴化する。前記原料溶液の霧化手段または液滴化手段は、前記原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは0.1〜10μmである。
(原料溶液)
前記原料溶液は、ミストCVDにより、前記半導体膜が得られる溶液であれば特に限定されない。前記原料溶液としては、例えば、金属の有機金属錯体(例えばアセチルアセトナート錯体等)やハロゲン化物(例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物等)の水溶液などが挙げられる。前記金属としては、例えば、ガリウム、インジウム、アルミニウム等が挙げられる。本発明においては、前記金属が、ガリウム、インジウムまたはアルミニウムを少なくとも含むのが好ましく、ガリウムを少なくとも含むのがより好ましい。原料溶液中の金属の含有量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、0.001モル%〜50モル%であり、より好ましくは0.01モル%〜50モル%である。
また、原料溶液には、ドーパントが含まれていてもよい。原料溶液にドーパントを含ませることにより、イオン注入等を行わずに、結晶構造を壊すことなく、半導体膜の導電性を容易に制御することができる。前記ドーパントとしては、例えば前記金属が少なくともガリウムを含む場合には、スズ、ゲルマニウム、ケイ素または鉛などのn型ドーパント等が挙げられる。本発明においては、前記ドーパントがスズ、ゲルマニウム、またはケイ素であるのが好ましく、スズ、またはゲルマニウムであるのがより好ましく、スズであるのが最も好ましい。前記ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm〜1×1022/cmであってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm以下の低濃度にしてもよいし、ドーパントを約1×1020/cm以上の高濃度で含有させてもよい。本発明においては、ドーパントの濃度が1×1020/cm以下であるのが好ましく、5×1019/cm以下であるのがより好ましい。
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が水を含むのが好ましく、水または水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましく、水であるのが最も好ましい。前記水としては、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられるが、本発明においては、超純水が好ましい。
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記ミストまたは前記液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜5L/分であるのが好ましく、0.1〜5L/分であるのがより好ましい。
(成膜工程)
成膜工程では、成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、基体上に、半導体膜を成膜する。熱反応は、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、化学反応であってもよいし、物理反応であってもよい。その他の反応であってもよい。反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、200℃〜500℃がより好ましく、250℃〜450℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
上記のようにして得られた半導体膜は、電気特性、特に移動度に優れているだけでなく、クラックが低減されており、工業的に有用なものである。そして、このような半導体膜を第1の半導体膜および第2の半導体膜としてそれぞれ積層し、ヘテロ接合を有する半導体構造とすることにより、高温高周波特性により優れた構造とすることができる。このような半導体構造は、そのままで、または公知の処理手段(例えば洗浄手段、研磨手段、エッチング手段、剥離手段等)による処理の後、半導体装置等に好適に用いることができ、とりわけ、パワーデバイスに有用である。
また、前記半導体装置は、電極が半導体層の片面側に形成された横型の素子(横型デバイス)と、半導体層の表裏両面側にそれぞれ電極を有する縦型の素子(縦型デバイス)に分類することができ、本発明においては、横型デバイスにも縦型デバイスにも好適に用いることができる。本発明においては、前記半導体装置が、高周波特性を活用する高周波デバイスであるのが好ましく、このような半導体装置としては、例えば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)などが挙げられる。
以下、本発明の積層構造体を半導体層に適用した場合の好適な例を、図面を用いて説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。なお、以下に例示する半導体装置において、本発明の目的を阻害しない限り、さらに他の層(例えば絶縁体層、半絶縁体層、導体層、半導体層、緩衝層またはその他中間層等)などが含まれていてもよいし、また、緩衝層(バッファ層)なども適宜省いてもよい。
(HEMT)
図2は、本発明に係る高電子移動度トランジスタ(HEMT)の一例を示している。図2のHEMTは、バンドギャップの広いn型半導体層121a、バンドギャップの狭いn型半導体層121b、n+型半導体層121c、半絶縁体層124、緩衝層128、ゲート電極125a、ソース電極125bおよびドレイン電極125cを備えている。
なお、各電極の材料は、公知の電極材料であってもよく、前記電極材料としては、例えば、Al、Mo、Co、Zr、Sn、Nb、Fe、Cr、Ta、Ti、Au、Pt、V、Mn、Ni、Cu、Hf、W、Ir、Zn、In、Pd、NdもしくはAg等の金属またはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化レニウム、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物並びに積層体などが挙げられる。前記電極の形成は、例えば、真空蒸着法またはスパッタリング法などの公知の手段により行うことができる。
n+型半導体層は、特に限定されないが、バンドギャップの広いn型半導体層121aまたはバンドギャップの狭いn型半導体層121bの主成分と同じかまたは類似している半導体を主成分とするのが好ましい。
前記積層構造体は、バンドギャップの広いn型半導体層121a、バンドギャップの狭いn型半導体層121bにそれぞれ用いることができる。このようにして用いることにより、高温高周波特性により優れ、さらに、高温高耐圧等の半導体特性により優れた半導体装置を実現することができる。
(HBT)
図3は、本発明に係るヘテロバイポーラ・トランジスタ(HBT)の一例を示している。図3のHBTは、エミッタ層221、ベース層222、コレクタ層223、サブコレクタ層224、基板229、コレクタ電極225a、ベース電極225bおよびエミッタ電極225cを備えている。前記積層構造体は、エミッタ層221およびベース層222、またはベース層222およびコレクタ層223に用いることができる。このようにして用いることにより、高温高周波特性により優れ、さらに、高温高耐圧等の半導体特性により優れた半導体装置を実現することができる。
前記半導体装置は、例えば電源装置を用いたシステム等に用いられる。前記電源装置は、公知の手段を用いて、前記半導体装置を配線パターン等に接続するなどして作製することができる。図4に電源システムの例を示す。図4は、複数の前記電源装置と制御回路を用いて電源システムを構成している。前記電源システムは、図5に示すように、電子回路と組み合わせてシステム装置に用いることができる。なお、電源装置の電源回路図の一例を図6に示す。図6は、パワー回路と制御回路からなる電源装置の電源回路を示しており、インバータ(MOSFET A〜Dで構成)によりDC電圧を高周波でスイッチングしACへ変換後、トランスで絶縁及び変圧を実施し、整流MOSFETで整流後、DCL(平滑用コイルL1,L2)とコンデンサにて平滑し、直流電圧を出力する。この時に電圧比較器で出力電圧を基準電圧と比較し、所望の出力電圧となるようPWM制御回路でインバータ及び整流MOSFETを制御する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置を説明する。ミストCVD装置19は、基板20を載置するサセプタ21と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段22aと、キャリアガス供給手段22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給手段22bと、キャリアガス(希釈)供給手段22bから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、内径40mmの石英管からなる供給管27と、供給管27の周辺部に設置されたヒーター28とを備えている。サセプタ21は、石英からなり、基板20を載置する面が水平面から傾斜している。成膜室となる供給管27とサセプタ21をどちらも石英で作製することにより、基板20上に形成される膜内に装置由来の不純物が混入することを抑制している。
2.原料溶液の作製
臭化ガリウム水溶液0.1mol/Lと臭化アルミニウム水溶液0.1mol/Lとを混合し、これを原料溶液24aとした。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、基板20として、サファイア基板をサセプタ21上に設置し、ヒーター28を作動させて成膜室27内の温度を550℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23a、23bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段22a、22bからキャリアガスを成膜室27内に供給し、成膜室27の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5.0L/minに、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/minにそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして酸素を用いた。
4.半導体膜形成(第2の半導体膜)
次に、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを微粒子化させて原料微粒子を生成した。この原料微粒子が、キャリアガスによって成膜室27内に導入され、大気圧下、550℃にて、供給管27内でミストが反応して、基板20上に半導体膜が形成された。この形成された半導体膜を第2の半導体膜とした。なお、成膜時間は10分間であった。
5.半導体膜形成(第1の半導体膜)
臭化アルミニウム水溶液を原料溶液に用いなかったこと、および成膜温度を350℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体膜を第1の半導体膜として得た。
(評価)
上記で得られた半導体膜について、X線回折装置を用いて、それぞれの結晶構造を測定評価した。結果を図7に示す。図7から明らかなとおり、それぞれの半導体膜は、ε型の結晶構造を有することがわかる。なお、第2の半導体膜において、α型の結晶構造を有するα―Gaが含まれていたのは、主な理由としては、成膜温度を高めに設定したためであり、ε―(AlGa)単結晶を得る場合には、第1の半導体膜のように、350℃等の温度で成膜することが望まれる。
(実施例2)
第2の半導体膜を、上記4.と同様にして形成した。また、第1の半導体膜を、原料溶液として、臭化ガリウム水溶液(0.1mol/L)と臭化インジウム水溶液(0.1mol/L)とを混合し、さらに、臭化スズをガリウムに対するスズの原子比が1:0.01となるように含有させた水溶液を用いたことおよび成膜温度を650℃としたこと以外は、上記5.と同様にして形成して、積層構造体を得た。得られたそれぞれの半導体膜につき、実施例1と同様にして、X線回折装置を用いて結晶構造を測定評価した。その結果、それぞれの半導体膜は、実施例1で得られたそれぞれの半導体膜と同様に、ε型の結晶構造を有していた。
本発明の半導体膜は、半導体装置(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、特に、半導体装置等に有用である。
19 ミストCVD装置
20 基板
21 サセプタ
22a キャリアガス供給手段
22b キャリアガス(希釈)供給手段
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ヒーター
29 排気口
121a バンドギャップの広いn型半導体層
121b バンドギャップの狭いn型半導体層
121c n+型半導体層
124 半絶縁体層
125a ゲート電極
125b ソース電極
125c ドレイン電極
128 緩衝層
221 エミッタ層
222 ベース層
223 コレクタ層
224 サブコレクタ層
225a コレクタ電極
225b ベース電極
225c エミッタ電極
229 基板

Claims (13)

  1. ε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第1の半導体膜と、第1の半導体膜の主成分とは異なる組成のε型の酸化物半導体結晶を主成分とする第2の半導体膜とが積層されていることを特徴とする積層構造体。
  2. 第1の半導体膜の主成分がガリウム、インジウム、アルミニウムまたはこれらの混晶を含む請求項1記載の積層構造体。
  3. 第1の半導体膜の主成分がガリウムを含む請求項1または2に記載の積層構造体。
  4. 第1の半導体膜の主成分がε−Gaまたはその混晶を含む請求項1〜3のいずれかに記載の積層構造体。
  5. 第2の半導体膜の主成分がガリウムを含む請求項1〜4のいずれかに記載の積層構造体。
  6. 第2の半導体膜の主成分がε−Gaまたはその混晶を含む請求項1〜5のいずれかに記載の積層構造体。
  7. 第2の半導体膜の主成分がアルミニウムを含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層構造体。
  8. ヘテロ接合を有する半導体構造であって、請求項1〜7のいずれかに記載の積層構造体を含むことを特徴とする半導体構造。
  9. 電極と半導体層とを少なくとも含む半導体装置であって、前記半導体層に、請求項1〜7のいずれかに記載の積層構造体または請求項8記載の半導体構造が用いられていることを特徴とする半導体装置。
  10. パワーデバイスである請求項9記載の半導体装置。
  11. 高周波デバイスである請求項9または10に記載の半導体装置。
  12. HEMTまたはHBTである請求9〜11のいずれかに記載の半導体装置。
  13. 半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体装置が、請求項9〜12のいずれかに記載の半導体装置である半導体システム。

JP2017191609A 2017-06-28 2017-09-29 積層構造体および半導体装置 Active JP7014355B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/020,240 US10930743B2 (en) 2017-06-28 2018-06-27 Layered structure, semiconductor device including layered structure, and semiconductor system including semiconductor device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126568 2017-06-28
JP2017126568 2017-06-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019009405A true JP2019009405A (ja) 2019-01-17
JP7014355B2 JP7014355B2 (ja) 2022-02-01

Family

ID=65029039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017191609A Active JP7014355B2 (ja) 2017-06-28 2017-09-29 積層構造体および半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7014355B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020027244A1 (ja) * 2018-08-01 2020-10-01 出光興産株式会社 化合物
JP2021127262A (ja) * 2020-02-12 2021-09-02 株式会社デンソー 半導体装置とその製造方法
JP2022094781A (ja) * 2020-12-15 2022-06-27 信越化学工業株式会社 成膜方法
WO2023026633A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 日本碍子株式会社 半導体膜及び複合基板
JP7390654B2 (ja) 2020-02-12 2023-12-04 株式会社デンソー スイッチング素子の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017007871A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 国立研究開発法人物質・材料研究機構 ε−Ga2O3単結晶、ε−Ga2O3の製造方法、および、それを用いた半導体素子
JP2019012826A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 国立研究開発法人物質・材料研究機構 ガリウム窒化物半導体基板、ガリウム窒化物半導体装置、撮像素子およびそれらの製造方法
JP2019012827A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 国立研究開発法人物質・材料研究機構 窒化ガリウム系の半導体装置及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017007871A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 国立研究開発法人物質・材料研究機構 ε−Ga2O3単結晶、ε−Ga2O3の製造方法、および、それを用いた半導体素子
JP2019012826A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 国立研究開発法人物質・材料研究機構 ガリウム窒化物半導体基板、ガリウム窒化物半導体装置、撮像素子およびそれらの製造方法
JP2019012827A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 国立研究開発法人物質・材料研究機構 窒化ガリウム系の半導体装置及びその製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
HIROYUKI NISHINAKA, DAISUKE TAHARA, MASAHIRO YOSHIMOTO: "Heteroepitaxial growth of ε-Ga2O3 thin films on cubic (111) MgO and (111) yttria-stablized zirconia", JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, vol. Volume55, Number12, JPN6021021251, 11 November 2016 (2016-11-11), JP, pages 1 - 1202, ISSN: 0004519342 *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020027244A1 (ja) * 2018-08-01 2020-10-01 出光興産株式会社 化合物
JP2021127262A (ja) * 2020-02-12 2021-09-02 株式会社デンソー 半導体装置とその製造方法
JP7315927B2 (ja) 2020-02-12 2023-07-27 株式会社デンソー 半導体装置とその製造方法
JP7390654B2 (ja) 2020-02-12 2023-12-04 株式会社デンソー スイッチング素子の製造方法
JP2022094781A (ja) * 2020-12-15 2022-06-27 信越化学工業株式会社 成膜方法
JP7265517B2 (ja) 2020-12-15 2023-04-26 信越化学工業株式会社 成膜方法
WO2023026633A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 日本碍子株式会社 半導体膜及び複合基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP7014355B2 (ja) 2022-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7014355B2 (ja) 積層構造体および半導体装置
JP6951714B2 (ja) p型酸化物半導体及びその製造方法
TWI660505B (zh) Semiconductor device
CN107799584B (zh) 结晶性氧化物半导体膜、半导体装置及半导体系统
JP6994181B2 (ja) 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
WO2018004008A1 (ja) 酸化物半導体膜及びその製造方法
JP6904517B2 (ja) 結晶性酸化物半導体膜およびその製造方法
JP7168827B2 (ja) 結晶性酸化物膜
JP7391290B2 (ja) 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP2018129500A (ja) 半導体装置
JP6701472B2 (ja) 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP7358718B2 (ja) 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP2018060992A (ja) 半導体装置
JP6586768B2 (ja) 成膜方法
JP6945121B2 (ja) 結晶性半導体膜および半導体装置
JP7065440B2 (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置
JP7011219B2 (ja) 積層構造体および半導体装置
JP6761214B2 (ja) 積層構造体および半導体装置
JP2018032699A (ja) 半導体装置
JP2021038116A (ja) 積層構造体及び半導体装置並びに積層構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220105