JP2019009140A - ガス拡散電極基材およびガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水性が高く、排水性が良好で特に低温においてフラッディングを起こしにくく高い発電性能を発現可能な燃料電池ガス拡散電極を提供する。【解決手段】スパッタリングの電源として、周波数が110KHz以上2.45GHz未満の交流電源を用い、真空度10−3Pa以上の高真空に1〜48時間保った後、導電性多孔質基材の面積に対するスパッタリング出力を2kW/m2〜30kW/m2として、導電性多孔質基材にフッ素樹脂をスパッタリングしてガス拡散電極基材を得る、ガス拡散電極基材の製造方法。【選択図】なし

Description

燃料電池は水素と酸素を反応させて水が生成する際に生起するエネルギーを電気的に取り出す機構であり、エネルギー効率が高く排出物が水しかないことからクリーンエネルギーとして期待されている。本発明は、燃料電池に用いられるガス拡散電極基材、それを用いたガス拡散電極およびそれらの製造方法に関し、特に、燃料電池の中でも燃料電池車などの電源として使用される高分子電解質型燃料電池に用いるガス拡散電極基材、それを用いたガス拡散電極およびそれらの製造方法に関する。
高分子電解質型燃料電池に使用される電極は、高分子電解質膜の両面において、高分子電解質膜の表面に形成される触媒層と、この触媒層の外側に形成されるガス拡散層とからなる構造を有する。電極でのガス拡散層を形成するための個別の部材として、ガス拡散電極が流通している。そして、このガス拡散電極に求められる性能としては、例えばガス拡散性、触媒層で発生した電気を集電するための導電性、および触媒層表面に発生した水分を効率よく除去する排水性などがあげられる。このようなガス拡散電極を得るため、一般的に、ガス拡散能および導電性を兼ね備えた導電性多孔質基材が用いられる。
導電性多孔質基材としては、具体的には、炭素繊維からなるカーボンフェルト、カーボンペーパーおよびカーボンクロスなどが用いられ、中でも機械的強度などの点からカーボンペーパーが最も好ましいとされる。
また、燃料電池は水素と酸素が反応し水が生成する際に生じるエネルギーを電気的に取り出すシステムであるため、電気的な負荷が大きくなると、即ち電池外部へ取り出す電流を大きくすると多量の水(水蒸気)が発生し、この水蒸気が低温では凝縮して水滴になり、ガス拡散電極の細孔を塞いでしまうとガス(酸素あるいは水素)の触媒層への供給量が低下し、最終的に全ての細孔が塞がれてしまうと発電が停止することになる(この現象をフラッディングという)。
このフラッディングを可能な限り発生させないように、逆に言うとフラッディングを起こす電流値を出来る限り大きくするために、ガス拡散電極には排水性が求められる。この排水性を高める手段として、通常、導電性多孔質基材に撥水処理を施したガス拡散電極基材を用いて撥水性を高めている。
これらガス拡散電極基材の撥水性を高めるために、導電性多孔質基材をフッ素樹脂ディスパージョンなどに浸漬する撥水処理が一般的に行われている。特許文献1や特許文献2など多数の文献において、界面活性剤を含むフッ素樹脂の分散液(ディスパージョン)に導電性多孔質基材を浸漬し、撥水処理を行なうことが示されている。
このような撥水材の分散液に浸漬して撥水処理を行なう場合、水分や界面活性剤などを取り除くために、塗布後に焼結処理が行われている。
一方、特許文献3に示されるように、導電性基材の撥水処理に対して、蒸着やスパッタリングにより撥水処理を施す技術も知られている。
また、撥水処理を施した導電性多孔質基材の上に、カーボンブラックなどの導電性微粒子を分散した塗料を塗布し乾燥焼結することにより、微多孔層と呼ばれる層(マイクロポーラスレヤーともいう)を設ける場合がある。この微多孔層にも撥水性を付与するため、撥水材としてフッ素系樹脂を含有させることが知られている(特許文献2,4)。
特許第3382213号公報 特許第3773325号公報 特開2006−134886号公報 特開2001−216973号公報
しかし、導電性多孔質基材を撥水材ディスパージョンに浸漬する撥水処理技術においては、撥水材が導電性基材中に局在し、撥水性が微視的に見て不均一であり、撥水性の乏しい部位において燃料電池内で発生する水蒸気が凝縮し、水滴が導電性多孔質基材の細孔を閉塞するため、燃料電池のガス拡散電極として燃料電池に組み込んだ場合、フラッディング防止効果は十分とは言えなかった。また、均一な撥水性を得るためには導電性基材の質量に対して5質量%以上というような多量の撥水材を必要とする。たとえば、特許文献1においてはガス拡散電極質量の33質量%の撥水材付着量が示されている。
しかし、撥水材の付着量が多いとガス拡散電極の細孔が狭くなりガスの拡散性が低下したり、ガス拡散電極とセパレータとの接触抵抗が上がり、かえって発電性能を低下させる可能性がある。
特許文献3には、蒸着やスパッタリングによりガス拡散電極の部分的に撥水材を付着させ、ガス拡散電極基材に撥水性領域と親水性領域を設けることが示されているが、ガス拡散電極基材全体を少量の撥水材で均一に撥水性を発現するための方法は記載されていない。
本発明の目的はこれらの課題を解決し、ガス拡散性を損なうことなく、電気抵抗も低下させずに燃料電池におけるガス拡散電極の耐フラッディング性を向上させることである。
本発明は上記の課題を解決するため、次のような手段を採用するものである。
(1)フッ素樹脂と導電性多孔質基材とを含み、少なくとも片側の表面において、滑落角が70°以下であり、かつ断面におけるフッ素と炭素の比率が2%以下であるガス拡散電極基材。
(2)フッ素樹脂と導電性多孔質基材とを含み、少なくとも片面の表面において、滑落角が70°以下であり、かつ飛行時間型二次イオン質量分析法で測定される、C フラグメントとC フラグメントとの強度比率、およびC フラグメントとC フラグメントとの強度比率がいずれも1.5以上であり、CフラグメントとC フラグメントとの強度比率、およびCフラグメントとC フラグメントとの強度比率がいずれも0.5以下であるガス拡散電極基材。
(3)ガス拡散電極基材の両側の表面においても、滑落角が70°以下である、(1)または(2)に記載のガス拡散電極基材。
(4)ガス拡散電極基材の片側の表面の滑落角と他の表面の滑落角に10°以上差がある、(1)〜(3)のいずれかに記載のガス拡散電極基材。
(5)フッ素樹脂はスパッタリングにより導電性多孔質基材にコーティングされている、(1)〜(4)のいずれかに記載のガス拡散電極基材。
(6)結露条件でのガス拡散性が、ドライ条件でのガス拡散性と実質的に同等、またはそれ以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載のガス拡散電極基材。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のガス拡散電極基材を用いたガス拡散電極。
(8)ガス拡散電極基材の少なくとも片面に、微多孔層を設けてなる、(7)に記載のガス拡散電極。
(9)ガス拡散電極基材の両側の表面のうち、滑落角の小さい方の片面に微多孔層を設けてなる、(7)に記載のガス拡散電極。
(10)フッ素樹脂は融点が300℃以下であり、微多孔層にも含まれる、(8)または(9)に記載のガス拡散電極。
(11)微多孔層には、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーおよびグラフェンからなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性粒子が含まれる、(8)〜(10)のいずれかに記載のガス拡散電極。
(12)スパッタリングの電源として、周波数が110KHz以上2.45GHz未満の交流電源を用い、真空度10−3Pa以上の高真空に1〜48時間保った後、導電性多孔質基材の面積に対するスパッタリング出力を2kW/m〜30kW/mとして、導電性多孔質基材にフッ素樹脂をスパッタリングしてガス拡散電極基材を得る、ガス拡散電極基材の製造方法。
(13)(12)に記載の製造方法で得られたガス拡散電極基材を用いてガス拡散電極を製造する、ガス拡散電極の製造方法。
(14)(12)に記載の製造方法で得られたガス拡散電極基材の少なくとも片面に微多孔層を形成する、ガス拡散電極の製造方法。
なお、本発明においては、微多孔層を設けていない状態の基材を「ガス拡散電極基材」と称し、電極でのガス拡散層に相当する個別部材を「ガス拡散電極」と称する。「ガス拡散電極基材」をそのままガス拡散層として使用する場合には、「ガス拡散電極基材」と「ガス拡散電極」は同一のものとなる。
本発明のガス拡散電極基材では、導電性電極基材の撥水処理が微視的にみて均一であり、非常に少量の撥水材付着量で撥水性が得られるため、それを用いてガス拡散電極となし、かかるガス拡散電極でガス拡散層を構成した燃料電池は、燃料電池の低温条件、即ち燃料電池内部で水蒸気が凝縮して水滴が発生する条件における高電流密度での発電性能が良好なものとなる。
導電性多孔質基材として好適に用いられるカーボンペーパーの表面を観察した電子顕微鏡(SEM)写真である。 撥水処理の従来技術として一般的なPTFEの水分散液にカーボンペーパーを浸漬(ディッピング)することにより撥水処理して得たガス拡散電極基材の表面を観察した電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の実施例1で得たガス拡散電極基材の表面を観察した電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明によるガス拡散電極基材の一例について、断面のSEMおよびエネルギー分散型蛍光X線によるフッ素の分布を示した観察写真である。写真中の白点がフッ素の分布を示す。 従来のガス拡散電極基材について、断面のSEMおよびエネルギー分散型蛍光X線によるフッ素の分布を示した観察写真である。図4と同様に写真中の白点がフッ素の分布を示す。 実施例1で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによるフルオロカーボンのフラグメントの正の二次イオンの分布を示した図である。 実施例1で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによるフルオロカーボンのフラグメントの負の二次イオンの分布を示した図である。 比較例1で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによるフルオロカーボンのフラグメントの正の二次イオンの分布を示した図である。 比較例3で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによるフルオロカーボンのフラグメントの負の二次イオンの分布を示した図である。
本発明のガス拡散電極基材は、フッ素樹脂と導電性多孔質基材とを含む。
本発明において、ガス拡散層は、セパレータから供給されるガスを触媒へと拡散するための高いガス拡散性、電気化学反応に伴って生成する水をセパレータへ排出するための高い排水性、発生した電流を取り出すため、高い導電性が必要である。このため、ガス拡散層を構成するためのガス拡散電極に用いるガス拡散電極基材には、導電性を有し、平均細孔径が通常10〜100μmの多孔体からなる基材である導電性多孔質基材を用いる。導電性多孔質基材としては、具体的には、例えば、炭素繊維織物、炭素繊維抄紙体、炭素繊維不織布、カーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素繊維を含む多孔質基材、発砲焼結金属、金属メッシュ、エキスパンドメタルなどの金属多孔質基材を用いることが好ましい。中でも、耐腐食性が優れることから、炭素繊維を含むカーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンクロスなどの多孔質基材を用いることが好ましく、さらには、電解質膜の厚み方向の寸法変化を吸収する特性、すなわち「ばね性」に優れることから、炭素繊維抄紙体を炭化物で結着してなる基材、すなわちカーボンペーパーを用いることが好適である。
本発明において、導電性多孔質基材にフッ素樹脂が付与されてガス拡散電極基材が形成されており、フッ素樹脂は撥水材として作用する。フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)(たとえば“テフロン(登録商標)”)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂)、ETFA(エチレン四フッ化エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリフッ化ビニル)などが挙げられるが、強い撥水性を発現するPTFEが好ましい。
多孔質基材や撥水材の付着状態を確認するには、高倍率で観察できる、電解放射型の走査型電子顕微鏡などを用いる。電解放射型走査型電子顕微鏡としては、(株)日立製作所製S−4800、S−3500、H−3000あるいはそれらの同等品を用いることができる。図1に、本発明で好適に用いられるカーボンペーパーの表面のSEM写真を示す。
本発明のガス拡散電極基材は、少なくとも片側の表面において、滑落角が70°以下、好ましくは50°以下、さらに好ましくは30°以下である。表面の滑落角は小さいほど良いが、1°程度が測定の限界である。
表面の滑落角が小さいことは、撥水性が高いということであり、表面の滑落角が前記した範囲にあれば、十分な撥水性があり、燃料電池を発電させる際に、ガス拡散電極内部で水蒸気が凝縮して水滴となったとしても、それを排出する働きを十分に発揮できる。
本発明において、ガス拡散電極基材の滑落角は次のようにして測定する。すなわち、協和界面科学株式会社製 自動接触角計DM501などの接触角計の滑落角測定モードを用い、試料上に10μリットルの水滴を滴下し、試料ステージを水平の状態から段階的に傾斜を増していき(1°/秒で傾斜、1秒間停止、これを繰り返す)、水滴が滑落して、測定画面から消え去る角度を滑落角とする。撥水性が高いほど小さい角度で水滴が滑落する。
本発明では、ガス拡散電極基材の少なくとも片側の表面において滑落角が前記範囲であれば本発明の効果を奏するが、ガス拡散電極基材の両側の表面において滑落角が前記範囲であれば本発明の効果をより顕著に奏するようになる。すなわち、ガス拡散電極基材の片面において撥水性が弱すぎると、即ち親水性が強いとその部分で水がトラップされ、十分なフラッディング抑制効果が得られないことがある。
本発明の第1の態様に係るガス拡散電極基材は、撥水材であるフッ素樹脂の存在量に特徴を有し、断面におけるフッ素と炭素の比率が2%以下、1.5%以下、さらに好ましくは1%以下である。フッ素と炭素の比率は、撥水性が得られるならば小さいほど良いが、たとえばスパッタリングでフッ素樹脂を付着させる場合、0.1%未満であると(後述するように)フッ素樹脂の膜が十分に形成されないため撥水性が得られにくいため、0.1%以上であることが好ましい。なお、断面におけるフッ素と炭素の比率を、F/C比率と称することもある。
F/C比率は撥水性をもたらす撥水材であるフッ素樹脂の存在量を示す指標である。滑落角を小さくしようとしてフッ素樹脂の量を多くすれば、それがガスの通り道を狭くしてガスの拡散性を低下させたり、多孔質基材の表面にかたまって付着しているとセパレータとの接触抵抗を上げたりする可能性があるが、F/C比率を前記した範囲にすることにより、電気抵抗を上げることなく、またガスの拡散性を損なうことなく高い撥水性を発現することができる。
すなわち、本発明の第1の態様に係るガス拡散電極基材では、撥水材が極少量、しかも従来技術に比べると均一になるよう導電性多孔質基材に付着していることになる。
撥水材の付着量については、撥水前の基材(導電性多孔質基材)質量を測っておき、撥水加工後の質量の増加分を測定することが一般的であるが、撥水加工後の質量増加が小さすぎると、測定が困難である。そこで、本発明の第1の態様では、F/C比率で、撥水材であるフッ素樹脂の付着量についての指標とする。
F/C比率は、次に詳述するように、SEM−EDX(エネルギー分散型蛍光X線)による元素分析によりフッ素と炭素のX線量のカウント数の比率(%)を求めることにより定量できる。
撥水処理した基材(ガス拡散電極基材)を水平に置き、片刃などの適切なカッターを用いて水平面に対しておよそ10°の傾きにて斜めにスライスして得た断面について、一方の表面に近い部分から他方の表面に近い部分までがモニター画面に収まるよう拡大倍率を調整し(100〜200μm厚みのガス拡散電極基材であれば、拡大倍率200〜400倍程度で視野1mm四方程度が1画面に収まる)、加速電圧10KeV、スキャン幅20μm、ラインスキャン間隔50μmでガス拡散電極基材の厚み方向に炭素およびフッ素の元素分布測定を5回行い、フッ素および炭素に対応するX線量(カウント数)を定量し、炭素に対するフッ素の比率(%)を求める。好ましいF/C比率は、0.1〜2%である。0.1%未満では、所望の撥水性が得られないことがある。これは、たとえばスパッタリングでフッ素樹脂を付着させる場合、低出力でのスパッタリングでは、撥水性に有効なCF基やCF基が十分に形成されていない、あるいは形成されていても付着量が十分でないためと考えられる。また、2%より付着量を大きくするには、スパッタリング法においては生産性が低下し、実用的でない。また、生産性を高めるために電源の出力を高めると放電が安定せず、所望の特性の撥水材の膜が形成されない可能性がある。
なお、上記視野において、F/C比率が前記した特定の範囲に入っていても、局部的にフッ素に起因するX線強度の大きい部分が基本的にないことが好ましい。すなわち、上記の視野(1mm四方程度)を20μm四方の視野に区切り、フッ素の強度が高く見える区画、すなわちフッ素が局所的に分布している区画を20箇所抽出し、抽出した全ての区画において測定したF/C比率が2%以下であることが望ましい。実用的には、フッ素に起因するX線強度のマッピングを1mm四方程度の視野全体で行い、フッ素が局所的に分布している部分に狙いをつけて分析を行なう。なお、フッ素が局所的に分布している様子が伺えない場合には、すべての区画について分析を行なう。
その分析視野においてF/C比率が2%以下であることが望ましいが、ごく一部に20μm四方視野で2%を越える区画があったとしても全体として2%以下であれば本発明の主旨には反しない。また、フッ素が局所的に分布している部分が多数存在するような場合には、全体として2%以下になることは困難である。
本発明によるガス拡散電極基材の一例について、断面のSEMおよびエネルギー分散型蛍光X線によるフッ素の分布を示した観察写真を図4に示す。図4に示すように、本発明の好ましい態様ではフッ素の局所的な分布が観察されない。
一方、従来の浸漬法による撥水加工において、十分な撥水性が得られる付着状態において同様の測定を行うと、F/C比率は2%よりも値が大きくなる。あるいは、約1mm四方程度の視野において、フッ素樹脂が偏在している部分(20μm四方のエリアでのX線検出において、F/C比率が2%を超える部分)が存在する。カーボンペーパーをPTFEの5%分散液に浸漬(ディッピング)して作製したガス拡散電極基材の断面のSEMおよびエネルギー分散型蛍光X線によるフッ素の分布を示した観察写真を図5に示す。図5に示すように、従来技術では、フッ素の局所的な分布が見られる。
本発明の第2の態様に係るガス拡散電極基材は、ガス拡散電極基材に存在するフッ素樹脂の化学的構造に特徴を有するものであり、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMSと略称される)法で測定される、C フラグメントとC フラグメントとの強度比率、およびC フラグメントとC フラグメントとの強度比率がいずれも1.5以上であり、CフラグメントとC フラグメントとの強度比率、およびCフラグメントとC フラグメントとの強度比率がいずれも0.5以下である。
正の二次イオンにおいて、C フラグメントとC フラグメントは、不飽和フルオロカーボン構造に由来しており、C フラグメント、C フラグメントは、飽和フルオロカーボン構造に由来している。また、負の二次イオンにおいて、CフラグメントとCフラグメントはフルオロエーテル構造に由来しており、C フラグメントは飽和フルオロカーボン構造に由来している。
すなわち、上記した各フラグメントの強度比率の関係は、不飽和フルオロカーボン構造の量、飽和フルオロカーボン構造、フルオロエーテル構造の量の比率を特定していることになる。C フラグメントとC フラグメントとの強度比率、およびC フラグメントとC フラグメントとの強度比率を、不飽和フルオロカーボン比率と総称し、CフラグメントとC フラグメントとの強度比率、およびCフラグメントとC フラグメントとの強度比率を、フルオロエーテル比率と総称する。
撥水加工した基材をTOF−SIMS法で分析を行うと、正の二次イオンとして、基材に付着しているフッ素樹脂に含まれる不飽和フルオロカーボン構造に由来するフラグメントと飽和フルオロカーボン構造に由来するフラグメントが、また負の二次イオンとして、基材に付着しているフッ素樹脂に含まれるフルオロエーテル構造に由来するフラグメントと飽和フルオロカーボン構造に由来するフラグメントが、それぞれのフラグメントに固有の質量数において強度ピークとして検出される。図6および図7に、実施例1で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによる分析データを示す。図6が、正の二次イオンの分布を示した図であり、図7が、負の二次イオンの分布を示した図である。また、比較のため、図8に、比較例1で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによる分析データ(正の二次イオンの分布)を、図9に、比較例3で得られたガス拡散電極基材について測定された、TOF−SIMSによる分析データ(負の二次イオンの分布)を示す。図6〜9の分析データにおいて横軸が質量数であり、縦軸が強度である。
ここで、TOF−SIMS法の分析データにおいて質量数から帰属される正イオン種C 、または負イオン種C において、a、bの値がそれぞれa=n(任意の正の整数)、b=2n+1であるとき、各イオン種は飽和フルオロカーボンに由来するイオン種と考え、a=n、b≦2n−1を満たすイオン種を不飽和フルオロカーボンに由来するイオン種と考える。
TOF−SIMSによる分析データにおいて、ピーク強度(ピークの高さ)は、そのフラグメントの量に対応しており、そのピーク強度が、由来元となる各構造の存在量を反映している。不飽和フルオロカーボン構造の存在量が、飽和フルオロカーボン構造の存在量に対して多いことで、導電性多孔質基材に用いられる炭素繊維における表面のグラファイト構造との親和性が高くなり、このため、300℃以上の高温で焼結する工程においてもフッ素樹脂成分がマイグレーションを起こさず、均一付着を保つものと考えられ、結果としてガス拡散電極基材の撥水性が向上すると考えられる。飽和フルオロカーボン構造の代表的フラグメントとしてC 、およびC を採用し、不飽和フルオロカーボン構造の代表的フラグメントとしてC 、およびC を採用する。これらの不飽和フルオロカーボン構造に由来するフラグメントと飽和フルオロカーボン構造に由来するフラグメントとの質量数強度比率、即ち、不飽和フルオロカーボン比率である、C /C 、およびC /C を計算し、それぞれの強度比率が1.5以上であることが必要である。
上記のように、フッ素樹脂成分において不飽和フルオロカーボン構造の存在量が飽和フルオロカーボン構造の存在量に比較して多い場合でも、良好な撥水性を示さない場合がある。この原因として、フッ素樹脂における構造の一つであるフルオロエーテル構造の存在があげられる。ガス拡散電極基材に付与されているフッ素樹脂においてフルオロエーテル構造の存在量を極力小さくすることが良好な撥水性を発現させるためのポイントとなる。TOF−SIMSでの分析において、フルオロエーテル構造に由来する負の二次イオンフラグメントとして、C、Cを採用し、飽和フルオロカーボンに由来するフラグメントC 、との質量数強度比、即ち、フルオロカーボンエーテル比率である、C/C 、C/C がそれぞれ0.5以下となるように、撥水加工の条件を制御することが良好な撥水性発現のために必要である。
また、撥水性を妨げる他の原因としては、他の元素のコンタミネーションも考えられ、窒素化合物、ケイ素化合物、リン化合物、各種金属化合物など、フルオロカーボン種以外のコンタミネーションは極力小さくすることが望ましく、これらに由来する元素はTOF−SIMS分析において検出されないことが望ましい。
なお、本発明の第1の態様と第2の態様を兼ね備えたガス拡散電極基材とすることにより、ガス拡散性がさらに高められ、電気抵抗(主にセパレータと導電性多孔質電極との接触抵抗)をより低減することができる。
本発明のガス拡散電極基材は、導電性多孔質基材に撥水材を付与する、いわゆる撥水加工を施すことにより得られ、撥水加工には特別の条件が必要である。以下、本発明で好適に用いられる撥水加工について詳細に説明する。
<撥水加工>
撥水加工に用いる撥水材としては、前記したフッ素樹脂を用いる。従来の撥水加工は、撥水材ディスパージョンに浸漬する処理技術が一般的である。しかし、この技術においては撥水材が導電性基材中に局在し、撥水性が不均一となりやすい。図2に、従来技術として一般的なPTFEの水分散液にカーボンペーパーを浸漬(ディッピング)することにより撥水処理して得たガス拡散電極基材の表面を観察した電子顕微鏡(SEM)写真を示す。炭素繊維の間の水平方向に膜が張られている水かき様の樹脂炭化部分に撥水材であるPTFEが堆積し、局在している様子が分かる。一方、炭素繊維そのものには撥水材であるPTFEの付着が観察できず、ガス拡散電極基材内部で撥水材が微視的に見て均一に付着していない。
本発明のガス拡散電極基材は、撥水加工を、導電性多孔質基材にフッ素樹脂をスパッタリングなどのドライプロセスによりコーティングすることで得ることができる。スパッタリングは通常、金属のような導電性のある物質をターゲットとして用いて行うが、フッ素樹脂のような絶縁物をターゲットとして用いても装置条件を適切なものとすることによりスパッタリングは可能である。特にフッ素樹脂の導電性多孔質基材への付着力の点からスパッタリング法が最も好ましいが、F/C比率を前記した範囲に収めたり、不飽和フルオロカーボン比率を前記した範囲に収めるために、あるいはその経時変化を小さくし撥水性の耐久性を高めるためには、スパッタリング時の条件を最適化する必要がある。具体的には、スパッタリングの電源として、周波数が110KHz以上2.45GHz未満の交流電源を用い、真空度10−3Pa以上の高真空に1〜48時間保った後、導電性多孔質基材の面積に対するスパッタリング出力を2kW/m〜30kW/mとして、導電性多孔質基材にフッ素樹脂をスパッタリングしてガス拡散電極基材を得るのである。
スパッタリング条件のより具体的な内容は、以下の(1)〜(4)項に示す通りである。
(1)スパッタリングの電源の周波数は13.56MHzが最も望ましい。また、13.56MHz以上の周波数に直流あるいは直流バルス電圧を重畳した電源を用いても良い。直流(DC)あるいは110KHz未満の交流電源では、放電が不安定になるため十分な撥水材の付着が得られず、また2.45GHz以上の周波数では放電しても自己バイアスが不足するため、限られた時間内に十分な撥水性が得ることが困難である。
(2)初期真空度10−3Pa以上の高真空の状態にしておき、1〜48時間保った後、Arなどのスパッタリングガスを導入する。また、必要に応じてフッ素を有する分子を適宜スパッタリング装置内に導入しても良い。
(3)スパッタリングの出力については、放電が安定する出力の範囲であれば良いが、ターゲットの面積に対する出力密度としては、2kW/m〜30kW/mにおいて安定的な放電状態が得られ、それにより導電性多孔質基材の面積に対するスパッタリング出力を2kW/m〜30kW/mとすることによりフッ素樹脂の付着量を適正なものとできる。
(4)スパッタリング時に不純物が混入すると本発明における十分な撥水性や撥水性の耐久性が得られないことが多い。これを防ぐため、スパッタリングを行なう前にスパッタリング装置内部の付着物は十分に除去しておくことが望ましい。
また、片側からスパッタリングしても反対側まで撥水性が及ぶようにスパッタリング条件を選ぶことで、ガス拡散電極基材の片側だけでなく、両側において、滑落角やF/C比率、不飽和フルオロカーボン比率、またフルオロエーテル比率を前記した範囲内とすることができる。また、両側の撥水性をより高めたい場合には、片側をスパッタリングしたあと、基材を裏返して反対面をスパッタリングしても良い。しかし、燃料電池の発電時に発生した凝縮水をより速やかに排水する目的のためには、ガス拡散電極基材の触媒層に接する面の側の撥水性を高めておき、反対面(セパレータに接する側)の撥水性を若干低くして、撥水性に傾斜をつけておくと良い。この場合、傾斜のつけ方としては、滑落角に10°以上の差をつけることが望ましく、上限としては70°以下が望ましく、これ以上大きくなると、その側の撥水性が不十分で耐フラッディング性が十分に発揮されない可能性がある。
上記のようなガス拡散電極基材とすることにより、結露条件でのガス拡散性を、ドライ条件でのガス拡散性と実質的に同等、またはそれ以上とすることができる。ガス拡散電極中に水蒸気が存在する場合、水蒸気の濃度が増すにつれ、ガス(水素や酸素)の拡散は妨げられる。特に結露を起こすような水蒸気が高濃度に存在する条件においては通常、ガス拡散性(水素や酸素の拡散性)は水蒸気の存在によって大幅に低下する。本発明のガス拡散電極基材においては、この高濃度の水蒸気をガス拡散電極基材内部で凝縮させることができるため、水蒸気の体積が大幅に縮小し、ガスの拡散性を回復させることができる。
本発明において、ガス拡散層を形成すべく、上記のようなガス拡散電極基材を用いてガス拡散電極となす。上記のようなガス拡散電極基材をそのまま用いてガス拡散電極としても良いが、通常、上記のようなガス拡散電極基材の少なくとも片面に、微多孔層を設けてなるガス拡散電極とするのが良い。
微多孔層は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素センイのチョップドファイバー、グラフェン、黒鉛などの導電性微粒子を含んでなる。導電性微粒子としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラフェンが特に好ましく用いられる。カーボンブラックとしては、不純物が少なく触媒の活性を低下させにくいという点でアセチレンブラックが好適に用いられる。また、微多孔層には、導電性、ガス拡散性、水の排水性、あるいは保湿性、熱伝導性といった特性、さらには燃料電池内部のアノード側での耐強酸性、カソード側での耐酸化性が求められるため、微多孔層には、導電性微粒子に加えて、フッ素樹脂をはじめとする撥水性樹脂を含んでいるのが良い。微多孔層に用いられるフッ素樹脂としては、ガス拡散電極基材で用いられるフッ素樹脂と同様、PTFE、FEP、PFA、ETFAなどが上げられる。撥水性が一番高いという点ではPTFEが好ましいが、融点が330℃前後と高いため、後述する焼結温度を350℃以上にしなければならない欠点もあるので、この点を考慮してFEPなど融点の300℃以下のフッ素樹脂を用いることも推奨される。融点の下限としては、溶剤の沸点以上、実質的に100℃程度であり、好ましくは、150℃以上である。
ガス拡散電極基材に微多孔層を設けるためには、ガス拡散電極基材を微多孔層塗液で塗工するのが一般的である。微多孔層塗液は通常、前記した導電性微粒子と水やアルコールなどの溶媒を含んでなり、導電性微粒子を分散するための界面活性剤などが配合されることが多い。また、微多孔層に撥水性樹脂を含ませる場合には、微多孔層塗液には予め撥水性樹脂を配合しておく。
微多孔層塗液の電極基材への塗工は、市販されている各種の塗工装置を用いて行うことができる。塗工方式としては、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、スプレー噴霧、凹版印刷、グラビア印刷、ダイコーター塗工、バー塗工、ブレード塗工などが使用できるが、電極基材の表面粗さによらず塗工量の定量化を図ることができるため、ダイコーター塗工が好ましい。以上例示した塗工方法はあくまでも例示のためであり、必ずしもこれらに限定されるものではない。
微多孔層塗液を塗布した後、導電性微粒子の分散に用いた界面活性剤を除去する目的およびフッ素樹脂を一度溶解して導電性微粒子を結着させる目的で、焼結を行なう。焼結の温度は、界面活性剤の沸点あるいは分解温度およびフッ素樹脂の融解温度より高い温度で行なう。PTFEを使用する場合には融点が330℃付近であるため、330℃以上好ましくは350℃以上の焼結温度で30秒以上の条件で焼結を行なうのがよい。ただし、焼結温度は、高すぎるとフッ素樹脂が分解する懸念があるので。通常400℃程度が上限であり、また、焼結時間については生産性の観点から通常60分程度が上限である。
界面活性剤としては、不純物が少ないという点で非イオン系の界面活性剤が一般的に用いられ、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(“TRITON(登録商標)”X−100 ナカライテスク(株)製など)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリビニルアルコールなどを使用することができる。
ガス拡散電極基材の両側の表面のうち、滑落角の小さい方の片面に微多孔層を設けることが好ましい。燃料電池において、反応により生成する水分は触媒層で発生する。即ち、ガス拡散電極においては微多孔層を設ける側で水分が発生する。発生した水分が凝縮して水滴となる場合、撥水性が高い領域から低い領域へ水滴は移動していく。従って、ガス拡散電極基材の微多孔層を設ける側の撥水性を高く、即ち滑落角の小さい方の面に微多孔層を設ける方が、発生した水滴をセパレータ側へ排除しやすいため好ましい。
本発明のガス拡散電極は、触媒層を両面に設けた電解質膜の両側に触媒層とガス拡散電極が接するように圧着し、さらに、セパレータなどの部材を組みこんで単電池を組み立てて燃料電池として使用される。微多孔層を片面に設けたガス拡散電極を用いる場合には、微多孔層と触媒層が接するように組み立てるのが好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。実施例および比較例で用いた材料、各種評価方法を次に示した。
<ガス拡散電極基材の材料>
A.導電性多孔質基材
・カーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−030)
B.撥水材(ターゲット)
・PTFE板(“テフロン(登録商標)”PTFEの板)
・FEP板(“テフロン(登録商標)”FEPの板)。
<微多孔層塗液の材料>
C.溶媒
・精製水
D.フッ素樹脂
・PTFE樹脂 “ポリフロン(登録商標)”PTFEディスパージョンD210−C(ダイキン工業(株)製)
・FEP樹脂 “ポリフロン(登録商標)”FEPディスパージョン ND−110(ダイキン工業(株)製)
E.その他
・界面活性剤“TRITON(登録商標)”X−100(ナカライテスク(株)製)
F.導電性微粒子(炭素質粉末)
・カーボンブラック“デンカブラック(登録商標)”(電気化学工業(株)製)
・カーボンナノファイバー“VGCF(登録商標)”(昭和電工(株)製)。
<ガス拡散電極基材のF/C比率>
ガス拡散電極基材を水平に置き、片刃を用いて水平面に対して約10°の角度で斜めにスライスして断面を出し、SEM−EDX(エネルギー分散型蛍光X線)を用いて、一方の表面に近い部分から他方の表面に近い部分までの視野(全体視野)がモニター画面に収まるよう拡大倍率を調整し、加速電圧10KeV、スキャン幅20μm、ラインスキャン間隔50μmでガス拡散電極基材の厚み方向に炭素およびフッ素の元素分布測定を5回行い、フッ素および炭素に対応するX線量(カウント数)を定量し、F/C比率(%)を求めた。
また、上記の視野(1mm四方程度)を20μm四方の視野に区画し、フッ素の強度が高く見える区画を20箇所抽出し、抽出した全ての区画において、上記と同じ分析条件でF/C比率をスポット分析した。フッ素が局所的に分布している様子が伺えない場合には、すべての区画について分析を行なった。
なお、SEM−EDXとしては、日立製SEM H−3000にエネルギー分散型蛍光X線分析装置SEMEDEX Type−Hを付加した装置を用いた。
<TOF−SIMSによる分析>
撥水加工されたガス拡散電極基材のTOF−SIMSによるフルオロカーボン種の分析は、以下のように行った。用意されたサンプルをコンタミネーションに注意しながら約5mm四方に切り出し、TOF−SIMSの試料室に、一次イオンが測定する面に照射されるようにセットする。試料室内を所定の真空度にし、試料表面に一次イオンを照射し、試料表面から放出される二次イオンに一定の運動エネルギーを与えて、飛行時間型の質量分析計に導かれる。同じエネルギーで加速された二次イオンのそれぞれは質量に応じた速度で分析計を通過する。検出器までの距離は一定であるため、そこに到達するまでの時間は質量の関数となり、この飛行時間の分布を精密に計測することによって、試料表面から放出される二次イオン種の質量数を同定し、指定したフラグメント(例えばC 、C など)のピーク強度から各強度比率(C /C など)を求めた。装置条件などは以下のとおりである。
装置:TOF−SIMS 5(ION−TOF社製)
測定真空度(試料導入前):4×10−7Pa以下
一次イオン: Bi ++
一次イオン加速電圧: 25kV
パルス幅:7.4ns
二次イオン極性: 正および負
サイクルタイム: 140μs
二次イオン検出エリア: 300×300μm
<ガス拡散電極基材の滑落角>
協和界面科学株式会社製 自動接触角計DM501の滑落角測定モードを用い、試料上に10μリットルの水滴を滴下し、試料ステージを水平の状態から段階的に傾斜を増していき(1°/秒で傾斜、1秒間停止、これを繰り返す)、水滴が滑落して、測定画面から消え去る角度を滑落角とした。
<ドライ条件および結露条件におけるガス拡散性評価>
結露の生じる高湿度におけるガス拡散性を西華産業製 ガス拡散/透過、水蒸気拡散/透過測定器 MVDP−2000を用いて直接測定した。
本測定においては、一定面積の矩形に切り出したガス拡散電極基材を装置の試料台にセットし、試料の一方の面側(これを1次側とする)に酸素ガス(あるいは拡散性を測定したい対象となるガス)を流す。このとき、まず1次側と2次側の湿度は0%RH(ドライ)に設定して、また2次側には冷却ブロックを設置し、40℃の冷却水を流す(結露測定モード)。試料のもう一方の面に窒素のみを流し、1次側と2次側の圧力差を0±2Pa以内に制御する。1次側の注目ガス種(この場合は酸素)が試料の細孔を通過して拡散していき、2次側のガス濃度が平衡に達したときのガス濃度を、ドライ条件でのガス拡散性(湿度0%時の2次側酸素濃度)とする。さらに、1次側の湿度を80%に設定して同様に測定を行い、2次側のガス濃度が平衡に達したときのガス濃度を、結露条件でのガス拡散性(湿度80%時の2次側酸素濃度)とする。測定に当たっては、同一の試料について5箇所から測定検体を切り出し、平均した。
撥水加工をしていないカーボンペーパー、あるいは通常の浸漬処理により撥水加工したカーボンペーパーでは湿度を80%に設定し2次側に結露が起きる条件ではガスの拡散性が低下するが、本発明のガス拡散電極基材においては結露条件においてもガス拡散性は低下しないか低下量が小さい。
<発電性能評価>
得られたガス拡散電極を、電解質膜・触媒層一体化品(日本ゴア製の電解質膜“ゴアセレクト(登録商標)”に、日本ゴア製触媒層“PRIMEA(登録商標)”を両面に形成したもの)の両側に、触媒層と微多孔層が接するように挟み、ホットプレスすることにより、膜電極接合体(MEA)を作製した。この膜電極接合体を燃料電池用単セルに組み込み、電池温度40℃、燃料利用効率を70%、空気利用効率を40%、アノード側の水素、カソード側の空気をそれぞれ露点が75℃、60℃となるように加湿して発電させ、電流密度を高くしていって発電が停止する電流密度の値(限界電流密度)を耐フラッディング性の指標とした。また、通常の運転条件(電池温度70℃)での発電性能も測定した。
(実施例1)
導電性多孔質基材であるカーボンペーパー(東レ(株)製 TGP−H−030)を10cm角に打ち抜き、幅12cmの長尺PETフィルムにポリイミド粘着テープ(“カプトン(登録商標)”テープ)を用いて中央部に貼り付け、ロール状の原反とした。図1は撥水処理前のカーボンペーパーの表面SEM写真である。このロール原反を、真空スパッタリング装置の巻き出し部に装着し、真空到達度10−4Paにおいて48時間保持したのち、真空中で巻き取りながら、PTFE板をターゲットとして用いてPTFEのスパッタリングを行い、PETフィルムを除去してガス拡散電極基材である撥水カーボンペーパーを得た。
スパッタリングの条件は以下の通りである。
導電性基材の搬送速度 0.2m/分
電源周波数 13.56MHz
ガス種 アルゴン 圧力 5Pa
スパッタリング出力 100W
このときターゲットに対する出力密度は10kW/mであり、搬送される導電性多孔質基材の面積に対するスパッタリング出力は、5kW/mとした。
このようにして得られたガス拡散電極基材の滑落角を測定するとスパッタリング処理面側15°、裏面側34°(表1に示す)となった。なお、未処理のカーボンペーパーの滑落角を測ると、90°まで傾けても水滴が滑落せず、測定できなかった。このことから、スパッタリング処理により撥水性が付与されていることが分かる。
さらに、ドライ条件および高湿度条件でのガス拡散電極基材のガスの拡散性について測定したところ、それぞれの拡散ガス濃度は4.2%、4.3%であり、高湿度の結露条件でもガス拡散性は低下していなかった。
また、図3には撥水加工後のカーボンペーパーのSEM写真を示す。特に撥水材の局在は認識されず、図1の処理前と比較してその様態に変化は見られない。また、得られたガス拡散電極基材についてF/C比率を測定するとともに、TOF−SIMSによる分析を行った。図4は全体視野での様子を示している。フッ素が局所的に分布している状況は観測されず、全体視野でのF/C比率は0.51%であった。さらに、約20μm四方のスポット分析では、測定した区画における最大のF/C比率は0.89%であった。図6は、TOF−SIMSによる正の二次イオン種マススペクトルを示している。C などの飽和フルオロカーボン由来のイオン種に比べ、C のような不飽和フルオロカーボン種のスペクトル強度が大きい。また、図7は、TOF−SIMSによる負の二次イオン種マススペクトルを示している。C などのフルオロカーボン由来のイオン種の他、Cのようなフルオロエーテル種のスペクトルが見られる。
このようにして得られたガス拡散電極基材に、微多孔層を次のように形成し、ガス拡散電極を得た。
電気化学工業(株)製“デンカブラック(登録商標)”7.7質量部、PTFEディスパージョン(ダイキン工業株式会社製 ポリフロンD210−C)2.5質量部、界面活性剤(ナカライテスク(株)製、“TRITON(登録商標)” X−100)14質量部、精製水 75.8質量部をプラネタリーミキサーで混練し、塗液を調製した。
上記塗液をダイコータを用い、上記ガス拡散電極基材のスパッタリング処理面上に塗布したのち、100℃の熱風で乾燥した後、380℃で焼結を行い、界面活性剤を除去した。また、焼結後の微多孔層の目付け量は15g/mとなるようにした。
この焼結後に微多孔層を塗布していない側のガス拡散電極基材面の滑落角を測定したところ、33°であり、微多孔層形成前の滑落角を保っていた。
また、上記のガス拡散電極を触媒層を両面に設けた電解質膜の両側に熱圧着し、燃料電池の単セルに組み込み、40℃と70℃の温度で発電性能(限界電流密度)評価を行った。
(比較例1)
ステンレスバットにPTFEディスパージョン(ダイキン工業製 D210−C)をPTFE濃度10%に薄めた分散液を入れ、実施例1で用いたと同じ10cm角のカーボンペーパーを浸し、余分な液をぬぐい取ったあと、100℃のオーブンで乾燥し、さらに380℃で焼結を行い、ガス拡散電極基材である撥水カーボンペーパーを得た。撥水前の電極基材の質量に対して撥水処理の質量は8%増加していた。この撥水処理したガス拡散電極基材について滑落角を測定したところ、片面18°、反対面もほぼ同じ18°であった。
また、得られたガス拡散電極基材についてF/C比率を測定するとともに、TOF−SIMSによる分析を行った。図5は全体視野での様子を示している。フッ素が局所的に分布している状況が観測され、全体視野でのF/C比率は、3.7%であった。さらに、約20μm四方のスポット分析では、測定した区画における最大のF/C比率は54%であり、最低のF/C比率は11%であった。また、図8は、TOF−SIMSによる正の二次イオン種マススペクトルを示している。C などの飽和フルオロカーボン由来のイオン種に比べ、C のような不飽和フルオロカーボン種のスペクトル強度は小さい。また、実施例1でのTOF−SIMSデータ(図6)に見られたような、C+、C+、C+、C+などの不飽和フルオロカーボンに由来するイオン種はほとんど検出されていない。
さらに、ドライ条件および高湿度条件でのガス拡散電極基材のガスの拡散性について測定したところ、それぞれの拡散ガス濃度は4.4%、3.0%であり、高湿度の結露条件においてガス拡散性が低下していた。
撥水加工後のガス拡散電極基材表面のSEM写真を図2に示す。炭素繊維の間の水平方向に膜が張られている水かき様の樹脂炭化部分に撥水材(フッ素樹脂)が堆積し、局在している様子が分かる。一方、炭素繊維そのものには撥水材であるフッ素樹脂の付着が観察できず、ガス拡散電極基材内部で撥水材が微視的に見て均一に付着していない。
さらに実施例1と同様に片方の面に微多孔層を形成し、ガス拡散電極を得た。このガス拡散電極を実施例1同様に燃料電池用単セルに組み込み、発電性能評価を行なった。
(実施例2)
スパッタリング速度を0.1m/分に変更した以外は実施例1と同様にしてガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(実施例3)
実施例1と同様に、カーボンペーパーの片面を撥水加工し、ついで反対側の面が処理されるように裏返して長尺PETフィルムに貼り付け、同じ条件にてスパッタリングを行なった以外は、実施例1と同様にしてガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(実施例4)
スパッタリング速度を0.1m/分とした以外は実施例3と同様にしてガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(実施例5)
スパッタリング出力を60Wとした以外は実施例1と同様にしてガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(実施例6)
実施例1において、微多孔層に用いるフッ素樹脂をFEPに換え、焼結温度を300℃とした以外は実施例1と同様にしてガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(実施例7)
スパッタリングする撥水材(ターゲット)としてFEP板を用い、微多孔層に含有させるフッ素樹脂もFEP(融点が240℃)を用い、さらに焼結温度を300℃で実施した以外は、実施例1と同様にガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行なった。
(実施例8)
微多孔層の調製において、カーボンブラック7.7質量部に代えて、カーボンブラック5.0質量部およびカーボンナノファイバー(VGCF)2.7質量部とした以外は実施例1と同様にして、ガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行なった。
(実施例9)
実施例1において、スパッタリングに用いる電源の周波数を110KHzのものに変え、100W,0.1m/分でスパッタリングしたあとさらにもう一度同じ条件で同じ面をスパッタリング処理した以外は実施例1と同様にして、ガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行なった。スパッタリング処理を繰り返したのは、110KHzでは自己バイアスが小さいため、スパッタリングにより付着する“テフロン(登録商標)”の量が少ないことによる。
(実施例10)
実施例1において、スパッタリング前の真空保持を行なわずに10−3Paの真空度に到達した時点でアルゴンガスを導入し、即スパッタリングを行なった以外は実施例1と同様にガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(実施例11)
実施例1において、スパッタリング出力を30Wとした以外は実施例1と同様にガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行った。
(比較例2)
実施例9において、スパッタリングに用いる電源の周波数を60KHzのものに変え、100W、0.1m/分で3回スパッタリングを繰り返した以外は実施例9と同様にしてガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行なった。
これら実施例、比較例において作製したガス拡散電極基材ないしガス拡散電極についての加工条件および特性を表1および表2にまとめて示す。本発明の範囲内の実施例1〜11までのものはいずれも通常条件での発電性能、低温発電性能ともに良好であることが分かる。
(比較例3)
実施例1において、スパッタリング前の高真空での48時間保持を行わず、真空度が10−2Paに到達した時点でスパッタリングを開始した以外はすべて実施例1と同様にガス拡散電極基材およびガス拡散電極を作製し、各種評価を行なった。図9は、得られたガス拡散電極基材について測定した、TOF−SIMSによる負の二次イオン種マススペクトルを示している。実施例1で得られたガス拡散電極基材に比べ、Cなどのフルオロエーテル種のスペクトル強度が大きいことが分かる。
10 カーボンペーパー
11 炭素繊維
12 撥水(浸漬)処理済みカーボンペーパー
13 PTFEの偏在
14 PTFEスパッタリング後のカーボンペーパー
15 PTFEスパッタリング後のカーボンペーパー断面
16 撥水(浸漬)処理済みカーボンペーパー断面
17 PTFEの偏在を示すエネルギー分散型蛍光X線分析におけるフッ素の局所的分布

Claims (3)

  1. スパッタリングの電源として、周波数が110KHz以上2.45GHz未満の交流電源を用い、真空度10−3Pa以上の高真空に1〜48時間保った後、導電性多孔質基材の面積に対するスパッタリング出力を2kW/m〜30kW/mとして、導電性多孔質基材にフッ素樹脂をスパッタリングしてガス拡散電極基材を得る、ガス拡散電極基材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法で得られたガス拡散電極基材を用いてガス拡散電極を製造する、ガス拡散電極の製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法で得られたガス拡散電極基材の少なくとも片面に微多孔層を形成する、ガス拡散電極の製造方法。
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