JP4889287B2 - 膜電極接合体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、膜電極接合体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、固体高分子型燃料電池等の各種電気化学デバイスに用いられる膜電極接合体及びその製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極が接合された膜電極接合体(MEA)を基本単位とする。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとるが、触媒層のみによって構成される場合もある。
拡散層は、触媒層への反応ガスの供給及び電子の授受を行うための層であり、多孔質かつ電子伝導性を有する材料が用いられる。また、触媒層は、そこに含まれる電極触媒によって電極反応を行わせるための層である。電極反応を進行させるためには、電解質、触媒及び反応ガスの三相が共存する三相界面が必要であるので、触媒層は、一般に、触媒又は触媒担体に担持された触媒と、固体高分子電解質膜と同一成分を有する電解質とを含む多孔質層からなっている。
このようなMEAを構成する電解質膜あるいは触媒層内電解質には、耐酸化性に優れた全フッ素系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含まない電解質。例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)製)等。)を用いるのが一般的である。
また、全フッ素系電解質は、耐酸化性に優れるが、一般に極めて高価である。そのため、固体高分子型燃料電池の低コスト化を図るために、炭化水素系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含み、C−F結合を含まない電解質)、又は部分フッ素系電解質(高分子鎖内にC−H結合とC−F結合の双方を含む電解質)の使用も検討されている。
しかしながら、固体高分子型燃料電池を車載用動力源等として実用化するためには、解決すべき課題が残されている。
例えば、従来の固体高分子電解質は、いずれもプロトン伝導性を発現させるためには水を必要とする。そのため、固体高分子型燃料電池においては、一般に、電極に供給される反応ガスを水蒸気発生装置、ミスト発生装置などの補機を用いて加湿し、加湿量を制御することによって固体高分子電解質膜の含水率の調節を行う方法が採られている。しかしながら、補機を用いて反応ガスを加湿する場合において、燃料電池の運転条件が高加湿条件になると、過剰の水が電極内に滞留する。また、燃料極から空気極に向かってプロトンが電解質膜内部を移動する際、プロトンに同伴して水も空気極側に移動する。さらに、空気極では、電極反応により水が生成する。この水を放置すると、触媒層内の三相界面が水で閉塞する、いわゆる「フラッディング」が発生する。フラッディングは、触媒層のガス拡散性を低下させ、燃料電池の出力密度を低下させる原因となる。
また、例えば、触媒層は、一般に、Ptが担持されたカーボンブラックと、カチオン交換樹脂とをアルコールに分散させて触媒インクとし、これを電解質膜表面又は適当な基材表面に塗布し、乾燥させる方法により作製されている。しかしながら、触媒インクを直接、電解質膜表面に塗布すると、触媒インクに含まれる溶剤が電解質膜を変質させたり、あるいは、電解質膜が膨潤・収縮することにより触媒層にクラックが発生する場合がある。一方、触媒インクをポリテトラフルオロエチレンシート表面に形成し、これを電解質膜表面に転写する方法では、工程が増加し、コストアップを招く。さらに、触媒インク中の各成分の分散安定性は、必ずしも良好ではないので、塗工中に触媒インクの組成が変化し、均一な触媒層を形成するのが難しいという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、触媒層の撥水性を高め、フラッディングを抑制する方法としては、
(1) 触媒インクにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)懸濁液を添加する方法(特許文献1参照)、
(2) 触媒インクに、PTFEを担持させたカーボンブラックを添加する方法(非特許文献1参照)、
(3) 触媒インクに低分子量のフッ素系溶剤を混合する方法(非特許文献2参照)、
(4) 電極粉末の表面にフルオロカーボン系樹脂材料をスパッタ蒸着する方法(特許文献2参照)、
などが知られている。
また、特許文献3には、触媒及び含フッ素イオン交換樹脂を溶媒中に分散又は溶解させた液状混合物から溶媒を除去して平均粒径が0.1〜100μmの粒子に造粒し、この粒子をイオン交換膜表面に散布し、加熱圧着する固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法を用いることによって、触媒インクの分散安定性を気にすることなく、塗工工程が容易になる点が記載されている。
さらに、特許文献4には、粉末状の電極材料を所定パターンでドラム上に塗布し、ドラム上の電極材料の転写を1回以上行って目標の膜に転写し、転写させた電極材料を膜に定着させる燃料電池電極の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法を用いることによって、触媒インクに含まれる溶剤による電解質膜の攻撃や、電解質膜の膨潤・収縮に起因する電極のクラック発生を抑制できる点が記載されている。
特開平4−264367号公報の段落番号「0013」 特開平10−270053号公報 特開2001−185163号公報 特開2003−163011号公報 Journal of Electroanalytical Chemistry, vol.197, pp.195, (1986) 発明協会公開技法、公技番号2003−503533
触媒層の撥水性を向上させるためには、撥水性添加剤が、触媒層内の細孔の表面に存在することが好ましい。しかし、触媒インクに撥水性添加剤を添加する方法では、撥水性添加剤が存在する場所が、混合・乾燥工程の成り行きにより決まり、必ずしも細孔の内表面に存在しない。そのため、撥水性添加剤の量が相対的に少ない場合には、撥水性の効果が不十分となる。一方、高い撥水性を得るためには、相対的に多量の撥水性添加剤(全触媒重量に対して、数〜数十wt%程度)が必要となる。しかしながら、撥水性添加剤の量が多くなるほど、触媒層内の細孔体積が減り、ガス拡散性が低下する。また、撥水性添加剤は、一般に、絶縁材料であるので、撥水性添加剤の添加量が多くなるほど、触媒層の電子伝導性が低下する。
これに対し、電極粉末の表面に撥水性添加剤をスパッタ蒸着する方法は、触媒インクを用いる方法に比べて撥水性添加剤の偏在を抑制することができるので、相対的に少量の撥水性添加剤により、高い撥水性が得られる。また、造粒粉を用いて触媒層を形成する方法は、触媒インクの分散不安定性に起因する出力低下を抑制する方法として有効である。さらに、ドラム表面に粉末状の電極粉末を塗布し、これを電解質膜に転写する方法は、触媒インクに含まれる溶剤に起因する電解質膜の劣化及び電極のクラック発生を抑制する方法として有効である。しかしながら、燃料電池の出力を向上させるためには、触媒層の撥水性をさらに高め、フラッディングに起因する出力低下を抑制することが望まれる。
本発明が解決しようとする課題は、触媒層の撥水性を高め、フラッディングに起因する膜電極接合体の出力低下を抑制することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、高い撥水性を有し、しかも、ガス拡散性及び電子伝導性の低下が少ない触媒層を備えた膜電極接合体及びその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、高い撥水性を有し、しかも、触媒インクの分散不安定性に起因する出力低下、溶剤に起因する電解質膜の劣化及び電極のクラック発生が生ずることのない膜電極接合体及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る膜電極接合体は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記膜電極接合体は、
固体高分子電解質膜と、
記固体高分子電解質膜の両面に接合された、触媒層を含む電極とを備え、
記触媒層は、触媒とカチオン交換樹脂とを含む球状の複合粒子の表面が撥水性材料で被覆された球状の被覆粒子の集合体であって、前記被覆粒子の間に空隙を有するものからなる。
(2)前記被覆粒子は、前記複合粒子を揺動させながら、気相蒸着法を用いて前記複合粒子の表面を前記撥水性材料で被覆することにより得られるものからなる。
また、本発明に係る膜電極接合体の製造方法は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記膜電極接合体の製造方法は、
媒とカチオン交換樹脂とを含む球状の複合粒子を作製する複合粒子作製工程と、
記複合粒子表面が撥水性材料で被覆された球状の被覆粒子を作製する被覆粒子作製工程と、
体高分子電解質膜の表面に前記被覆粒子を付着させ、前記被覆粒子を前記固体高分子電解質膜に圧着させる触媒層形成工程
を備えている。
(2)前記被覆粒子作製工程は、前記複合粒子を揺動させながら、気相蒸着法を用いて前記複合粒子の表面を前記撥水性材料で被覆するものである。
固体高分子電解質膜の表面に被覆粒子を付着させ、これを圧着させると、被覆粒子の集合体からなる触媒層が得られる。得られた触媒層は、主として被覆粒子の粒界の三重点に、大きさが相対的に大きく、かつ、その内表面が撥水性材料で均一に被覆された空隙を有している。さらに、被覆粒子は、相互に密着しており、被覆粒子間には良好なプロトン伝導パス及び電子伝導パスが形成される。そのため、触媒層のガス拡散性及び電子伝導性を低下させることなく、撥水性を向上させることができる。しかも、触媒層を形成する際に触媒インクを用いる必要がないので、触媒インクの分散不安定性に起因する出力低下、溶剤に起因する電解質膜の劣化及び電極のクラック発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る膜電極接合体(以下、これを「MEA」という)は、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜の両面に接合された電極とを備えている。
本発明において、固体高分子電解質膜には、種々の材料を用いることができる。すなわち、固体高分子電解質膜は、ポリマ骨格の全部又は一部がフッ素化されたフッ素系ポリマであってカチオン交換基を備えているものでもよく、あるいはポリマ骨格にフッ素を含まない炭化水素系ポリマであってカチオン交換基を備えているものであってもよい。
また、これらのポリマに含まれるカチオン交換基の種類も、特に限定されるものではない。カチオン交換基としては、具体的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、亜ホスホン酸基、フェノール基などがある。上述したポリマには、これらのカチオン交換基のいずれか1種を備えたものでも良く、あるいは、2種以上を備えたものでも良い。
ポリマ骨格の全部又は一部がフッ素化された固体高分子電解質としては、具体的には、パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマ、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマ、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマ、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマなどがある。
また、フッ素を含まない炭化水素系の固体高分子電解質としては、具体的には、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸などがある。
電極は、触媒層のみからなるものでも良いが、通常は、高い出力を得るために、触媒層と拡散層の2層構造を有するものが用いられる。
拡散層は、触媒層への反応ガスの供給及び電子の授受を行うための層である。その材質は、多孔質かつ電子伝導性を有するものであれば良く、特に限定されるものではない。一般的には、多孔質のカーボン布、カーボン紙等が用いられる。また、MEAの撥水性を高めるために、拡散層の触媒層側表面は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性材料とカーボン粉末からなる撥水層を形成するのが好ましい。
触媒層は、電極反応の反応場となる層であり、一般に、触媒と、カチオン交換基を有する触媒層内電解質とを備えている。触媒は、単独で触媒層に含まれていても良く、あるいは、触媒担体に担持された状態で触媒層に含まれていても良い。また、触媒あるいは触媒担体の材質は、特に限定されるものではなく、用途に応じて種々の材質を用いることができる。通常は、触媒として、Pt又はPt系の合金を用い、カーボンブラック等の触媒担体の表面に担持した状態で使用される。
触媒層内電解質は、触媒層にイオン伝導性を付与すると共に、触媒層内に三相界面を形成するために加えられるものである。触媒層内電解質の材質は、特に限定されるものではなく、用途に応じて種々の材質を用いることができる。通常は、固体高分子電解質膜と同一成分を有する電解質が用いられるが、異なる成分の電解質を用いても良い。
本発明に係るMEAは、上述した構成に加えて、さらに、触媒層が被覆粒子の集合体であって、被覆粒子の間に空隙を有するものからなることを特徴とする。
ここで、「被覆粒子」とは、複合粒子の表面が撥水性材料で被覆された粒子をいう。
「複合粒子」とは、触媒とカチオン交換樹脂とを含む粒子をいう。複合粒子は、複数の触媒又は触媒を担持した担体と、カチオン交換樹脂とが凝集しているものであって、その内部に細孔を有するものからなる。
「被覆粒子の集合体」とは、隣接する被覆粒子同士が互いに面接触している状態にあるものであって、被覆粒子の間に空隙があるものをいう。
撥水性材料で被覆する前の複合粒子の形状は、特に限定されるものではないが、複合粒子を乗せた容器を揺動させたときに、複合粒子が転動する程度の丸みを帯びた形状を有するものが好ましい。複合粒子の形状は、特に球状が好ましい。複合粒子の形状が球状であると、被覆粒子の表面に撥水性材料を均一に被覆するのが容易化する。ここで、「球状」とは、完全な真球である場合に限られるものではなく、SEM等で観察したときに、投影断面がほぼ円形と見なせる場合を含む。
また、このような形状を有する複合粒子の表面を撥水性材料で均一に被覆すると、複合粒子の形状がほぼ維持された被覆粒子が得られる。また、複合粒子が球状である場合には、球状の被覆粒子が得られる。
被覆粒子の平均粒径は、MEAの性能に影響を及ぼす。ここで、「被覆粒子の平均粒径」とは、レーザードップラー法による流度分布の最頻値をいう。この値は、SEM観察の結果と合致するものであった。一般に、被覆粒子の平均粒径が小さすぎると、被覆粒子間に形成される空隙の大きさが小さくなり、十分な撥水性が得られない。相対的に高い撥水性を得るためには、被覆粒子の平均粒径は、5μm以上が好ましい。
一方、触媒層の厚さが一定である場合において、被覆粒子の平均粒径が大きくなりすぎると、触媒層の厚さ方向に存在する被覆粒子の数が少なくなるので、触媒層のプロトン伝導性及び電子伝導性が低下する。また、粗大な被覆粒子は、膜に圧着させたときに膜を損傷させる原因となる。これを回避するために、被覆粒子の大きさに応じて触媒層を厚くする場合において、触媒層の厚さが相対的に厚くなると、触媒層のガス拡散性及びプロトン伝導性が低下する。従って、被覆粒子の平均粒径は、10μm以下が好ましい。
また、被覆粒子に含まれるカチオン交換樹脂の含有量は、MEAの性能に影響を及ぼす。従って、カチオン交換樹脂の含有量は、触媒及びカチオン交換樹脂の種類、要求される特性等に応じて、最適なものを選択する。
例えば、触媒がカーボン表面に担持された状態で使用される場合において、カチオン交換樹脂の割合が相対的に少ないときには、樹脂量が不足し、プロトン伝導性が確保できない。従って、被覆粒子に含まれるカーボンの重量(x)に対するカチオン交換樹脂の重量(y)の比(y/x)の平均値は、0.3以上が好ましい。
一方、カチオン交換樹脂の割合が相対的に多くなりすぎると、カチオン交換樹脂が被覆粒子内の細孔を閉塞し、ガス拡散性を阻害する。従って、カーボンの重量に対するカチオン交換樹脂の重量の比(y/x)の平均値は、1.2以下が好ましい。
また、例えば、触媒が担体に担持されることなく使用される場合には、上述と同様の理由から、カチオン交換樹脂の含有量は、触媒粒子重量の1〜10wt%が好ましい。
触媒層の厚さは、被覆粒子の平均粒径、MEAに要求される特性等に応じて最適な厚さを選択する。一般に、被覆粒子の平均粒径に対して触媒層の厚さが相対的に薄い場合には、被覆粒子を電解質膜表面に均一に散布するのが困難となる。従って、触媒層の厚さは、5μm以上が好ましい。
一方、触媒層の厚さが相対的に厚くなると、触媒層内の物質移動距離が長くなるために、ガス拡散性及びプロトン伝導性が低下する。従って、触媒層の厚さは、20μm以下が好ましい。
複合粒子の表面を被覆する撥水性材料としては、PTFE、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEA)などがある。
被覆粒子に含まれる撥水性材料の添加量は、MEAの性能に影響を及ぼす。一般に、撥水性材料の添加量が少ない場合、撥水性材料の厚さが薄くなり、十分な撥水性が得られない。相対的に高い撥水性を得るためには、撥水性材料の添加量は、複合粒子の重量に対して0.001wt%以上が好ましい。撥水性材料の添加量は、さらに好ましくは、0.01wt%以上である。
一方、撥水性材料の添加量が多すぎる場合、撥水性材料の厚さが厚くなりすぎ、触媒層のプロトン伝導性及び/又は電子伝導性が低下する。高い撥水性と、高いプロトン伝導性及び電子伝導性を兼ね備えたMEAを得るためには、撥水性材料の添加量は、複合粒子の重量に対して10wt%以下が好ましい。撥水性材料の添加量は、さらに好ましくは、3wt%以下、さらに好ましくは、0.3wt%以下である。
被覆粒子内には、1〜100nm程度の大きさの細孔がある。また、触媒層は、後述するように、このような被覆粒子を固体高分子電解質膜に付着させ、被覆粒子を固体高分子電解質膜に圧着させることにより形成される。そのため、被覆粒子の間(主として、被覆粒子の粒界の三重点)には、空隙がある。空隙の平均径は、被覆粒子の大きさと圧着条件により異なる。例えば、被覆粒子の平均粒径が5〜10μmである場合、空隙の平均径は、0.1μm〜5μm程度となる。なお、「空隙の平均径」とは、水銀圧入法を用いて測定した細孔分布のピーク値より求められる値をいう。この値は、断面SEM観察の結果と合致するものであった。
本発明に係るMEAは、電解質膜の両面に形成される触媒層の双方が、被覆粒子間に空隙を有する被覆粒子の集合体からなるものでも良く、あるいは、一方のみがこのような集合体からなるものでも良い。特に、空気極は、フラッディングが発生しやすいので、少なくとも空気極側の触媒層として、このような集合体を用いるのが好ましい。
次に、本発明に係るMEAの作用について説明する。
固体高分子型燃料電池において、空気極側では、電極反応により水が生成するので、フラッディングが発生しやすい状態にある。良好な発電特性を維持するためには、触媒層内にある水が触媒層内の細孔を通って、水蒸気として触媒層外へ抜けるのが理想である。
しかしながら、触媒インクを用いて得られる従来の触媒層は、細孔径が極めて小さく(ナノメートルオーダー)、かつ、細孔が入り組んだ構造をしているので、水蒸気が細孔内で凝縮し、細孔を塞ぎやすい。そのため、特に、高加湿条件下で運転を行うと、反応ガスの拡散が阻害され、出力密度が低下する。
この問題を解決するために、触媒インクに撥水性材料を添加することも考えられる。しかしながら、この方法は、撥水性材料を均一に分散させるのが困難であるので、実用上十分な撥水性を得るためには、相対的に多量の撥水性材料を触媒インクに添加する必要がある。一方、撥水性材料の添加量が多くなるほど、触媒層内の細孔体積が減少するので、反応物質のガス拡散性が低下し、触媒層内の電子伝導性も低下する。そのため、この方法により得られる出力密度の増分は、相対的に小さい。
これに対し、予め触媒等とカチオン交換樹脂を所定の大きさに造粒して複合粒子とし、さらにこの表面を撥水性材料で被覆して被覆粒子とし、これを電解質膜に付着・圧着させると、隣接する被覆粒子が相互に面接触する。そのため、被覆粒子間に、良好なプロトン伝導パス及び電子伝導パスが形成される。
また、被覆粒子の間(主として、被覆粒子の粒界の三重点)には、被覆粒子と同程度(サブミクロン〜ミクロンオーダー)の相対的に大きな空隙が形成される。しかも、空隙の内壁面は、撥水性材料で被覆された状態になっている。そのため、被覆粒子内で生成した水は、被覆粒子内の細孔から空隙に排出され、空隙を通って触媒層外に排出される。空隙は、被覆粒子内の細孔に比べて内径が大きく、かつ、構造も単純であるので、生成水の排出性が大幅に向上する。その結果、触媒層のガス拡散性が向上し、電池の出力密度が大幅に向上する。
さらに、後述する気相蒸着法を用いた場合には、複合粒子の表面に均一に撥水性材料からなる薄膜を形成することができる。そのため、相対的に少量の添加で、撥水性が著しく向上し、高い出力密度が得られる。
次に、本発明に係るMEAの製造方法について説明する。
本発明に係るMEAの製造方法は、複合粒子作製工程と、被覆粒子作製工程と、触媒層形成工程とを備えている。
複合粒子作製工程は、触媒とカチオン交換樹脂とを含む複合粒子を作製する工程である。複合粒子の作製方法は、特に限定されるものではなく、所定の大きさ及び形状を有する複合粒子を作製可能な方法であればよい。複合粒子を作製する方法としては、
(1) 溶媒をエバポレータなどで蒸発させ、ミルで粉末化する方法、、
(2) スプレードライ法、
などがある。これらの中でも、スプレードライ法は、形状がほぼ球状である複合粒子が得られるので、複合粒子の作製方法として特に好適である。
スプレードライ法を用いた複合粒子の作製は、具体的には、以下のようにして行う。
すなわち、まず、所定量の触媒又は触媒を担持させた担体(以下、これを「触媒等」という)と、カチオン交換樹脂とを溶媒に分散させ、スラリーを得る。溶媒は、触媒等とカチオン交換樹脂を均一に分散又は溶解させることが可能なものであればよい。溶媒としては、具体的には、水、炭素数1〜6のアルコール、炭素数2〜6のエーテル、炭素数2〜6のジアルキルスルホキシド、含フッ素炭化水素などがある。これらは、単独で用いても良く、あるいは、二種以上を組み合わせて用いても良い。
溶媒中に分散させる触媒等とカチオン交換樹脂の濃度(固形分濃度)は、効率よく複合粒子が得られるように、最適な濃度を選択する。一般に、固形分濃度が高すぎると、スラリーの粘度が増大し、スラリーをポンプで供給するのが困難となる。一方、固形分濃度が低すぎると、所定の粒径及び形状を有する複合粒子を効率よく作製するのが困難となる。固形分濃度は、具体的には、0.1〜20wt%が好ましく、さらに好ましくは、0.3〜10wt%である。
次に、熱風を旋回させたチャンバー内に設置されたノズル又は回転ディスクに、ポンプを用いてスラリーを供給すると、ノズル先端又は回転ディスク側面に設けられた穴から液滴が噴霧される。液滴は、熱風により乾燥させられ、複合粒子となる。この時、スラリー組成や噴霧条件を最適化すると、複合粒子の平均粒径、形状、粒度分布等を制御することができる。
被覆粒子作製工程は、複合粒子表面が撥水性材料で被覆された被覆粒子を作製する工程である。複合粒子の表面を撥水性材料で被覆する方法には、
(1) 気相蒸着法、
(2) 複合粒子の表面に、撥水性材料を含む溶液(例えば、可溶性フッ素樹脂溶液)をスプレー等により散布する方法、
などがある。これらの中でも、気相蒸着法は、複合粒子の表面を撥水性材料で均一に被覆するのが容易であり、相対的に少量の撥水性材料で良好な撥水性を確保することができるので、被覆方法として特に好適である。
気相蒸着法を用いた被覆粒子の作製は、具体的には、以下のようにして行う。
すなわち、まず、相対的に深さの浅い容器に複合粒子を入れる。次いで、容器を揺動させながら、気相蒸着法を用いて複合粒子の表面を撥水性材料で被覆する。
揺動は、容器内で複合粒子を転動させ、蒸着方向(撥水性材料の飛来方向)に対して、複合粒子の表面が均等に向くような条件下で行う。特に、複合粒子の形状が球状である場合には、揺動により複合粒子が容易に転動するので、複合粒子の表面を撥水性材料で均一に被覆するのが容易化する。
撥水性材料を気相蒸着させる方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法などがある。これらの中でも、レーザーアブレーション法は、撥水性の良好な被覆粒子が得られやすいので、被覆方法として特に好適である。これは、レーザーアブレーション法を用いると、複合粒子表面を被覆する撥水性材料の分子量が相対的に大きくなるためと考えられる。また、気相蒸着条件は、撥水性材料の添加量、均一性等が目的とする範囲となるように、撥水性材料の組成、揺動条件等に応じて、最適な条件を選択する。
触媒層形成工程は、固体高分子電解質膜の表面に被覆粒子を付着させ、被覆粒子を固体高分子電解質膜に圧着させる工程である。被覆粒子の付着・圧着方法としては、
(1) 重力や噴霧力を利用して電解質膜表面に被覆粒子を散布し、ホットプレスにより被覆粒子を電解質膜に圧着させる方法、
(2) 静電気を用いて電解質膜表面に被覆粒子を付着させ、被覆粒子を固体高分子電解質膜に圧着させる方法、
などがある。これらの中でも、静電気を利用した方法は、電解質膜を損傷させることなく、電解質膜表面に均一な厚さを有する触媒層を形成することができるので、触媒層の形成方法として特に好適である。
静電気を利用した被覆粒子の付着・圧着方法としては、具体的には以下のような方法がある。
第1の方法は、いわゆる「静電スクリーン印刷法」を用いた方法である。まず、電解質膜の上方に、所定の間隔をおいてスクリーンを配置する。スクリーンには、電極形状に対応するメッシュ状の開口部が設けられている。この状態で、電解質膜とスクリーンの間に静電界を発生させる。上述の方法により作製された被覆粒子は、通常、PTFEの場合はマイナスに帯電するので、この場合には、電解質膜側をプラスにしておく。
次に、スクリーン上に被覆粒子を乗せ、スキージでなぞる。これにより、スクリーンに設けられた開口部から被覆粒子が押し出される。押し出された被覆粒子は、静電特性により対極である電解質膜に向かってほぼ垂直に飛び、電解質膜表面に付着する。
次に、被覆粒子が付着した電解質膜をホットプレスする。これにより、被覆粒子が電解質膜に圧着され、被覆粒子の集合体からなり、かつ、被覆粒子間に空隙がある触媒層が得られる。
第1の方法において、触媒層の厚さは、スクリーンに設けられたメッシュの大きさ、静電スクリーン印刷の繰り返し回数等により制御することができる。また、空隙の大きさは、被覆粒子の平均粒径、圧着条件等により制御することができる。
第2の方法は、いわゆる「静電複写法」を用いた方法である。まず、その表面に感光性半導体が形成されたドラムの表面に、所定のパターンで光を当て、電極形状に対応する領域を帯電させる。次いで、帯電領域に被覆粒子を付着させる。一対のローラの内、少なくとも一方に被覆粒子を静電気により付着させおき、このローラ間に電解質膜を通すと、電解質膜表面に被覆粒子が転写される。
次に、被覆粒子が付着した電解質膜をホットプレスする。これにより、被覆粒子が電解質膜に圧着され、被覆粒子の集合体からなり、かつ、被覆粒子間に空隙がある触媒層が得られる。
第2の方法において、触媒層の厚さは、転写・圧着の繰り返し回数等により制御することができる。また、空隙の大きさは、被覆粒子の平均粒径、圧着条件等により制御することができる。
電解質膜の両面に触媒層を形成した後、必要に応じて、さらに触媒層の表面に拡散層を接合すれば、本発明に係るMEAが得られる。
拡散層の接合は、通常、触媒層の外側に拡散層を配置し、加圧することにより行う。また、MEAの撥水性を高めるためには、拡散層は、触媒層との接合面に撥水層が形成されているものが好ましい。撥水層は、PTFE等の撥水性材料とカーボンとを適当な溶剤に分散させたインクを拡散層表面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
次に、本発明に係るMEAの製造方法の作用について説明する。
所定の大きさに造粒された複合粒子の表面に撥水性材料を被覆して被覆粒子とし、これを電解質膜に付着及び圧着させると、本発明に係るMEAが得られる。
この時、複合粒子の製造方法としてスプレードライ法を用いると、球状の複合粒子を容易に得ることができる。また、噴霧条件を最適化することによって、粒子形状や粒子径も容易に制御することができる。
また、複合粒子表面への撥水性材料の被覆方法として気相蒸着法を用いる場合において、蒸着中に複合粒子を揺動させると、複合粒子が容易に転動する。そのため、複合粒子の表面に、撥水性材料からなり、かつ、均一な厚さを有する撥水層を形成することができる。
さらに、得られた被覆粒子を電解質膜に付着及び圧着させる場合において、静電気を利用した付着方法を用いると、触媒インクの分散不安定性に起因する出力低下、電解質膜の劣化、あるいは、電極のクラック発生を生じさせることなく、均一な組成を有する触媒層を形成することができる。
気相蒸着法は、触媒層に対し、相対的に少量の撥水性材料で、相対的に高い撥水性を付与する方法として有効である。しかしながら、単に電極粉末に撥水性材料を気相蒸着させる方法では、撥水性材料を均一に分散させるのに限界がある。また、このような電極粉末を含む触媒インクを用いて触媒層を作製しても、触媒層内に相対的に大きな空隙を形成することはできない。そのため、単に電極粉末に撥水性材料を気相蒸着させる方法では、高い撥水性と、高い出力密度を両立させるには限界がある。
これに対し、予め複合粒子を作製し、その表面に気相蒸着法を用いて撥水性材料からなる薄膜を形成すると、複合粒子の表面を撥水性材料で均一に被覆することができる。また、このような被覆粒子を用いて触媒層を形成すると、触媒層内に、相対的に内径が大きく、かつ、その内壁が撥水性材料からなる薄膜で被覆された空隙を形成することができる。そのため、相対的に少量の撥水性材料で、高い撥水性が得られる。また、撥水性材料が少量であるので、被覆粒子間のプロトン伝導及び電子伝導が阻害されることもない。そのため、従来の方法に比べて、出力密度が著しく向上する。
(実施例1)
[1. 複合粒子の作製]
45wt%Pt/C10gと、蒸留水130g、エタノール90g、カチオン交換樹脂溶液(デュポン社製、ナフィオン(登録商標)ディスパージョンDE2020、固形分21%)21.4gとを混合し、超音波ホモジナイザーを用いて十分に分散させた。これをスプレードライヤーを用いて噴霧・乾燥させ、球状の複合粒子を得た。
[2. 被覆粒子の作製]
図1に、被覆粒子の作製に用いたレーザーアブレーション装置10の概略構成図を示す。図1において、レーザーアブレーション装置10は、真空チャンバー12と、真空チャンバー12内に設置された揺動装置14及びターゲット16と、レーザー光照射装置(図示せず)とを備えている。揺動装置14は、その上に乗せた複合粒子30を揺動させるためのものである。ターゲット16は、レーザー光20に対して回転可能になっており、レーザー光20の入射角に対してその表面の角度を任意に変化できるようになっている。本実施例において、ターゲット18には、PTFE板((株)フロンケミカル製)を用いた。さらに、レーザ光照射装置から照射されたレーザー光20は、レンズ18で集光された後、ターゲット16表面に照射されるようになっている。
図1に示すレーザーアブレーション装置を用いて、以下の手順により被覆粒子を作製した。すなわち、まず、複合粒子30を揺動装置14に乗せ、これをレーザーアブレーション装置10の真空チャンバー12内に配置した。また、揺動装置14から所定の距離(本実施例では、約10cm)にターゲット16を配置した。揺動装置14により複合粒子30を揺動させ、かつ、ターゲット16を回転させながら、波長532nmのレーザー(Nd:YAGレーザー)を、エネルギー密度40J/cmでターゲット16に照射した。照射時間は、0〜120分とした。
[3. 評価(1)]
レーザー光をターゲット16に照射すると、ターゲット(PTFE板)16が分解されてフラグメントが生成する。生成したフラグメントは、複合粒子表面に蒸着し、複合粒子表面において再重合し、PTFEとなる。[1.]及び[2.]で得られた被覆粒子の場合、事前に測定した蒸着速度から換算すると、PTFEの含有量は、それぞれ、全粉末重量に対して0.125wt%(30分)、0.25wt%(60分)、0.50wt%(120分)であった。
[4. 評価(2)]
カチオン交換樹脂を添加しなかった以外は、[1.]及び[2.]と同一条件下で、被覆粒子を作製した。得られた被覆粒子について、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)により、粉末中に含まれるF量及びPt量を分析した。なお、カチオン交換樹脂を添加しない被覆粒子を評価に用いたのは、カチオン交換樹脂にもFが含まれているためである。カチオン交換樹脂のない被覆粒子で評価することによって、PTFEに由来するFのみを検出することができる。
図2に、処理時間と、FとPtのEDX検出量の強度比(F/Ptピーク比)との関係を示す。図2より、処理時間の増大に伴い、PTFE由来のF分の検出量が直線的に増大することがわかる。また、面分析から、粒子表面に均一にFが分散していることが確認された。以上の結果から、揺動装置14により複合粒子を揺動させながら撥水性材料の被覆を行うと、複合粒子の表面をPTFEで均一に被覆できることがわかった。
[5. 評価(3)]
[1.]及び[2.]で得られた被覆粒子(処理時間:30分)について、水の吸着等温線を測定した。図3に、その結果を示す。なお、図3には、[1.]で得られた複合粒子(撥水処理を行わなかったもの)の結果も併せて示した。図3より、30分処理した被覆粒子は、未処理の複合粒子に比べて、水の吸着量が少ないことがわかる。この結果は、被覆粒子に撥水性が付与されたことを示している。
[6. 評価(4)]
[2.]と同一条件下で、Si基板表面にレーザーアブレーション処理を施した。得られたSi基板を用いて、水の接触角を測定した。なお、基板として、Si基板を用いたのは、接触角の測定には、平らな蒸着膜が必要なためである。
処理後のSi基板表面の水の接触角は、109°であり、PTFE板の値(110°)とほぼ同等であった。
次に、Si基板表面の赤外分光分析を行った。なお、Si基板上の蒸着物を分析に用いたのは、被覆粒子中の蒸着物は微量であり、赤外分光分析では検知することが難しいためである。図4に、その結果を示す。図4より、Si基板上に形成された蒸着物質のスペクトルは、PTFE板のそれとほぼ同等であることがわかる。
以上の結果は、[2.]の条件下でレーザーアブレーション処理を行うことによって、被覆粒子の表面にPTFE又はこれと同等の撥水性を有する材料からなる被膜が形成されたことを示している。
(実施例2)
実施例1の[1.]及び[2.]で得られた撥水性材料の含有量の異なる各種被覆粒子を、静電スクリーン印刷装置を用いて電解質膜(ナフィオン(登録商標)112)の空気極側表面に散布した。Pt目付け量は、0.5mg/cmとした。また、電極形状(被覆粒子の散布形状)は、36mm角とした。
次に、Ptの質量含有率が30wt%のPt/Cと、カチオン交換樹脂(デュポン社製、ナフィオン(登録商標)ディスパージョンDE2020、固形分21%)とを、ナフィオン(登録商標)成分と触媒中のカーボンブラック成分との質量比が1:1となるように混合して、触媒インクを作製した。これを、ドクターブレード法を用いてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート表面に塗布し、乾燥させ、燃料極側触媒層を得た。Pt目付量は、0.15mg/cmとした。また、電極形状は、36mm角とした。
空気極側触媒層が形成された電解質膜の裏面に、燃料極側触媒層が形成されたPTFEシートを重ね、ホットプレス(130℃、3分)を行った。さらに、その両面を、撥水層が形成された拡散層で挟み、MEAを得た。
(比較例1)
Ptの質量含有率が45wt%のPt/Cと、カチオン交換樹脂(デュポン社製、ナフィオン(登録商標)ディスパージョンDE2020、固形分21%)とを、ナフィオン(登録商標)成分と触媒中のカーボンブラック成分との重量比が1:1となるように混合し、さらに、これにフッ素系樹脂(INTスクリーン製、溶液型フッ素系樹脂INT−304S−FA、0.1%)を添加し、触媒インクを作製した。これをドクターブレード法を用いてPTFEシート表面に塗布、乾燥させ、空気極側触媒層を得た。Pt目付量は、0.5mg/cmとした。また、電極形状は、36mm角とした。さらに、触媒インクへのフッ素系樹脂の添加量は、0〜1.1wt%とした。
次に、実施例2と同一条件下で、燃料極側触媒層を作製した。電解質膜(ナフィオン(登録商標)112)の両面を、空気極側触媒層が形成されたPTFEシート及び燃料極側触媒層が形成されたPTFEシートで挟み、ホットプレス(130℃、3分)を行った。さらに、その両面を、撥水層が形成された拡散層で挟み、MEAを得た。
実施例2及び比較例1で得られたMEAをセルに組み付け、電池特性を評価した。アノードには、相対湿度100%の水素ガスを280cm/secの速度で導入した。また、カソードには、相対湿度100%、酸素濃度15%(モル比)、窒素濃度85%(モル比)の酸化剤ガスを670cm/secの速度で導入した。また、セル温度は80℃、セル内圧力は1.4atmとした。
図5に、撥水性添加剤の重量率と、最大出力密度との関係を示す。なお、最大出力密度とは、出力密度の最大値をいう。また、出力密度とは、電池の単位反応面積当たりの電流量に電圧をかけたものをいう。図5より、
(1) 撥水性材料を含む触媒インクを用いて空気極触媒層を作製した場合、撥水性添加剤の重量率が約0.7wt%であるときに、最大出力密度が最大値(約0.57W/cm)となり、撥水性添加剤無添加の場合に比べて、最大出力密度が約0.03W/cm増加すること、
(2) 被覆粒子及び静電スクリーン印刷法を用いて空気極触媒層を作製した場合、撥水性添加剤の重量率が約0.125wt%であるときに、最大出力密度が最大値(約0.72W/cm)となり、撥水性添加剤無添加の場合に比べて、最大出力密度が約0.05W/cm増加すること、
(3) 被覆粒子及び静電スクリーン印刷法を用いて空気極触媒層を作製した場合、撥水性添加剤の重量率が0.3wt%以下であるときに、最大出力密度が0.67W/cm以上になること、
(4) 被覆粒子及び静電スクリーン印刷法を用いて空気極触媒層を作製した場合、撥水性添加剤の重量率が0.03wt%以上0.23wt%以下であるときに、最大出力密度が0.70W/cm以上になること、
がわかる。
複合粒子をレーザーアブレーション処理した被覆粒子を用いることによって最大出力密度が高くなるのは、レーザーアブレーション処理によって複合粒子の表面が撥水化され、フラッディングが抑制されたためと考えられる。一方、レーザーアブレーション処理の処理時間がある一定時間を超えると電池性能が低下するのは、処理時間の増大に伴い、複合粒子表面に蒸着するPTFE量が増し、被覆粒子間の電子伝導性とプロトン伝導性が低下したため、すなわち電池の内部抵抗が増大したためと考えられる。
図6(a)に、実施例2で得られた空気極側触媒層の凍結破断による断面を示す。また、図6(b)に、比較例1で得られた空気極側触媒層のFIB切削による断面を示す。さらに、図6(c)に、実施例2で得られた空気極側触媒層のFIB切削による断面を示す。図6より、触媒インク(転写法)を用いた比較例1の触媒層は、微細(1〜100nm)な細孔が均一に分散しているのに対し、被覆粒子及び静電スクリーン印刷(ドライプロセス)を用いた実施例2の触媒層は、被覆粒子内の微細な細孔に加えて、被覆粒子間に粗大(0.1〜5μm)な空隙が形成されていることがわかる。
ドライプロセスを用いた触媒層の最大出力密度が転写法を用いた触媒層より高いのは、(1) 粗大な空隙によってガス拡散性が向上するため、
(2) 相対的に少量の撥水性材料で高い撥水性が得られるため、及び、
(3) 高いプロトン伝導性及び電子伝導性が維持されるため、
と考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るMEA及びその製造方法は、燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の各種電気化学デバイスに用いられるMEA及びその製造方法として用いることができる。
レーザーアブレーション装置の概略構成図である。 レーザーアブレーションの処理時間とF/Pピーク比との関係を示す図である。 水蒸気の相対圧と水の吸着量との関係を示す図である。 レーザーアブレーション処理によりSi基板上に形成された被覆物とPTFE板の赤外吸収スペクトルである。 撥水性添加剤の重量率と最大出力密度との関係を示す図である。 図6(a)は、ドライプロセス(実施例2)で得られた触媒層の凍結破断による断面のSEM写真であり、図6(b)は、転写法(比較例1)で得られた触媒層のFIB切削による断面のSEM写真であり、図6(c)は、ドライプロセス(実施例2)で得られた触媒層のFIB切削による断面のSEM写真である。

Claims (14)

  1. 以下の構成を備えた膜電極接合体。
    (1)前記膜電極接合体は、
    固体高分子電解質膜と、
    前記固体高分子電解質膜の両面に接合された、触媒層を含む電極とを備え、
    前記触媒層は、触媒とカチオン交換樹脂とを含む球状の複合粒子の表面が撥水性材料で被覆された球状の被覆粒子の集合体であって、前記被覆粒子の間に空隙を有するものである。
    (2)前記被覆粒子は、前記複合粒子を揺動させながら、気相蒸着法を用いて前記複合粒子の表面を前記撥水性材料で被覆することにより得られるものからなる。
  2. 以下の構成をさらに備えた請求項1に記載の膜電極接合体。
    (3)前記撥水性材料の添加量は、0.03wt%以上0.23wt%以下である。
  3. 以下の構成をさらに備えた請求項1又は2に記載の膜電極接合体。
    (4)前記触媒層は、静電気を用いて前記固体高分子電解質膜表面に前記被覆粒子を付着させ、前記被覆粒子を前記固体高分子電解質膜に圧着させることにより得られるものからなる。
  4. 前記被覆粒子の平均粒径は、5μm以上10μm以下である請求項1から3までのいずれかに記載の膜電極接合体。
  5. 前記空隙の平均径は、0.1μm以上5μm以下である請求項1から4までのいずれかに記載の膜電極接合体。
  6. 前記触媒は、カーボン表面に担持されており、
    前記被覆粒子に含まれる前記カーボンの重量(x)に対する前記カチオン交換樹脂の重量(y)の比(y/x)の平均値が、0.3以上1.2以下である請求項1から5までのいずれかに記載の膜電極接合体。
  7. 前記電極は、前記触媒層の表面に接合された拡散層を含む請求項1から6までのいずれかに記載の膜電極接合体。
  8. 前記拡散層は、前記触媒層との接合面に撥水層が形成されている請求項7に記載の膜電極接合体。
  9. 以下の構成を備えた膜電極接合体の製造方法。
    (1)前記膜電極接合体の製造方法は、
    触媒とカチオン交換樹脂とを含む球状の複合粒子を作製する複合粒子作製工程と、
    前記複合粒子表面が撥水性材料で被覆された球状の被覆粒子を作製する被覆粒子作製工程と、
    固体高分子電解質膜の表面に前記被覆粒子を付着させ、前記被覆粒子を前記固体高分子電解質膜に圧着させる触媒層形成工程と
    備えている。
    (2)前記被覆粒子作製工程は、前記複合粒子を揺動させながら、気相蒸着法を用いて前記複合粒子の表面を前記撥水性材料で被覆するものである。
  10. 前記複合粒子作製工程は、前記触媒又は前記触媒が担持された担体と、前記カチオン交換樹脂とを含む溶液をスプレードライ法を用いて噴霧・乾燥させるものである請求項9に記載の膜電極接合体の製造方法。
  11. 前記気相蒸着法は、レーザーアブレーション法である請求項9又は10に記載の膜電極接合体の製造方法。
  12. 前記触媒層形成工程は、静電気を用いて前記固体高分子電解質膜表面に前記被覆粒子を付着させ、前記被覆粒子を前記固体高分子電解質膜に圧着させるものである請求項9から11までのいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
  13. 前記触媒層の表面に、さらに拡散層を接合する拡散層接合工程をさらに備えた請求項9から12までのいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
  14. 前記拡散層は、前記触媒層との接合面に撥水層が形成されている請求項13に記載の膜電極接合体の製造方法。
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