JP5822428B2 - ガス拡散層及びそれを用いた固体高分子形燃料電池 - Google Patents

ガス拡散層及びそれを用いた固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、ガス拡散層及びそれを用いた固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池を構成する電解質膜−電極接合体(MEA)は、ガス拡散層、触媒層、イオン伝導性固体高分子電解質膜、触媒層及びガス拡散層が順次積層された構造を有している。
このうち、ガス拡散層は、セパレータから供給されるガスを触媒層に均一に行き渡らせ
る役割を果たすため、良好なガス透過性及び拡散性を備えていることが必要とされる。ま
た、触媒層で発生した電子が効率的にセパレータへ輸送されるための導電性を有している
ことも必要である。このため、ガス拡散層の材質には、カーボンペーパー等の導電性多孔
質基材が一般的に使用されている。
更にガス拡散層に求められる性能として、撥水性が挙げられる。これは電池反応により触媒層上で水が発生し、この生成水がガス拡散層の細孔を埋めてしまうと、ガス拡散性に悪影響を及ぼすため、水はけを良くし、速やかに水をMEA系外に排出させるためである。
ところが、カーボンペーパー等の導電性多孔質基材そのものには、一般的に撥水性が備わっていない。そこで、撥水性を付与するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂及びカーボンブラックからなる撥水層を導電性多孔質基材に形成させる方法が行われている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、導電性多孔質基材に、安定した高い撥水性及びガス透過性・拡散性を付与できない欠点を有している。
特開2002−313359号公報
本発明は、燃料電池用導電性多孔質基材に、一段と優れた撥水性及びガス透過性・拡散性を付与できる撥水層が塗工されたガス拡散層及びそれを用いた固体高分子形燃料電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、導電性多孔質基材に所望の性能を付与すべく、鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の成分を特定量含み、水との滑落角が特定の範囲内にある撥水層を導電性多孔質基材の表面上に形成させることにより、上記課題を解決でき、導電性多孔質基材に一段と優れた撥水性及びガス透過性・拡散性を付与できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記のガス拡散層及びそれを用いた固体高分子形燃料電池に係る。
項1.撥水性が付与されている導電性多孔質基材上に撥水層が設けられてなる固体高分子形燃料電池用ガス拡散層であって、
(1)前記撥水層は、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有し、
(2)前記導電性炭素繊維は、導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれ、
(3)前記撥水層と水との滑落角は1〜75°であることを特徴とする、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
項2.導電性多孔質基材上に設けられている撥水層が、実質的に導電性多孔質基材に浸透していない構造である、項1に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
項3.前記撥水層における細孔径0.05〜1μmの細孔容積の和が1.2〜1.8ml/gである、項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
項4.前記導電性多孔質基材が、カーボンペーパー、カーボンクロス又はカーボン不織布などの多孔質炭素材料からなるとともに、フッ素系材料により撥水性が付与されている、項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
項5.前記撥水層の塗工量が、1〜100g/m2である、項1〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
.前記撥水層の厚みが、1〜100μmである、1〜のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
項7.前記撥水層の厚みが、1〜50μmである、項6に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
項8.撥水性が付与されている導電性多孔質基材上に撥水層形成用ペースト組成物を、ブレード、ワイヤーバー及びスキージから選ばれる少なくとも1つの器具を用いて、導電性多孔質基材表面に接触しないようにして、塗布することにより、撥水層形成用ペースト組成物が導電性多孔質基材内部に浸透しないようにする工程を備えた項1に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
前記撥水層形成用ペースト組成物は、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有し、且つ前記導電性炭素繊維は、導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれている、
固体高分子形燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
項9.項1〜5のいずれかに記載のガス拡散層を用いた固体高分子形燃料電池。
1.ガス拡散層
本発明のガス拡散層は、導電性多孔質基材表面上に、良好な導電性及び撥水性を兼備する撥水層(この撥水層は、「Micro−porous Layer」(MPL)とも称されている。)が積層されている。
<撥水層>
前記撥水層は、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有する層である。この撥水層は、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有する撥水層形成用ペースト組成物を塗布及び乾燥させることにより、形成することができる。
導電性炭素粒子
導電性炭素粒子は、導電性を有する炭素材であれば特に限定されず、公知又は市販のものを使用できる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;活性炭等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上で用いることができる。導電性多孔質基材に撥水性を付与することにより導電性多孔質基材の抵抗値が増加するが、導電性炭素粒子等を含有する撥水層(MPL)を施すことによりガス拡散層の導電性を向上させることができる。
導電性炭素粒子の平均粒子径(算術平均粒子径)は限定的でなく、通常5nm〜200nm程度、好ましくは20nm〜80nm程度とすればよい。この導電性炭素粒子の平均粒子径は、例えば、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定できる。
フッ素系樹脂
フッ素系樹脂としては、フッ素を含有し、重量平均分子量が10万〜1000万程度のポリマーであれば特に限定されず、公知又は市販のものを使用できる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなフッ素系樹脂を含有することにより、ガス拡散層に撥水性を付与できると共に、導電性炭素粒子を導電性多孔質基材表面により強固に結着できるため、撥水性を長期に亘り保持することができる。
導電性炭素繊維
導電性炭素繊維としては、例えば気相成長法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、ワイヤーカップ、ワイヤーウォール等が挙げられる。これらの導電性炭素繊維は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。繊維径は限定的でなく、平均が50〜400nm、好ましくは100〜250nm程度とすればよい。繊維長も限定的でなく、平均が5〜50μm、好ましくは10〜20μm程度とすればよい。アスペクト比は、およそ10〜500である。なお、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)などにより測定した画像等により測定できる。
導電性炭素繊維を配合することにより、ペースト塗布表面でのクラックの発生状態を制御でき、且つ導電性が一段と向上する。
分散剤
撥水層形成用ペースト組成物には、分散剤を含ませることもできる。
分散剤は、フッ素系樹脂を使用する場合に水とともに使用されるものであり、フッ素系樹脂を水中で分散させることができるものである限り限定されず、公知又は市販のものが使用できる。このような分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、酸性基含有構造変性ポリアクリレート等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フッ化ピッチ
撥水層形成用ペースト組成物には、フッ化ピッチを含有させることもできる。
フッ化ピッチは、重量平均分子量が1000〜5000程度のものであれば特に限定されない。なおフッ化ピッチの重量平均分子量は、GPC測定装置CC−10A:(株)島津製作所製等により測定できる。
フッ化ピッチは、公知又は市販のものを使用できる。このようなフッ化ピッチを含有させることにより、ガス拡散層に高い撥水性を付与することが可能となり、触媒層上で生成される水を効率的に外部に排出することができ、生成水によるガス拡散層内部の細孔の閉塞を防ぐことができる。またガス拡散層に優れた導電性を付与することもできる。
フッ化ピッチのF/C原子は限定的でないが、通常1〜2程度、好ましくは1.1〜1.6程度とすればよい。平均粒子径は、0.5μm〜50μm程度、好ましくは1μm〜30μm程度である。なお、フッ化ピッチのF/C原子は、例えば、IPC発光分析装置ICPE−9000:(株)島津製作所製等により、平均粒子径は、例えば、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定できる。
ただし、フッ化ピッチを含ませると、焼成する際に、有害なフッ素ガスを多少発生させるため、撥水層形成用ペースト組成物中にフッ化ピッチは含ませないことが好ましい。
アルコール
撥水層形成用ペースト組成物は、上記以外の成分としてアルコールを含有していてもよいが、本発明では、アルコールを実質的に含有しないことが好ましい。このようなアルコールとしては、例えば、炭素数1〜5程度の1価又は多価のアルコールが挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール等が挙げられる。このように実質的にアルコールを含有しない場合、撥水層形成用ペースト組成物を導電性多孔質基材の表面に塗布する際に、当該ペースト組成物が導電性多孔質基材内部に浸透することを効果的に抑制できるため、導電性多孔質基材の表面に所望の撥水層を容易に形成することができる。なお、実質的に含有していない状況は、走査型顕微鏡などでのガス拡散層の断面状況を観察することにより証明が可能である。
含有量及び特性
撥水層形成用ペースト組成物の配合割合は、例えば、導電性炭素粒子100重量部に対して、フッ素系樹脂5〜400重量部(好ましくは10〜350重量部)程度、導電性炭素繊維15〜70重量部(好ましくは25〜60重量部)程度とすればよい。なお、分散剤を使用する場合には、その配合量は、導電性炭素粒子100重量部に対して5〜300重量部(好ましくは7〜200重量部)程度、水10〜2000重量部(好ましくは100〜1000重量部)とすればよい。
特に本発明では、導電性炭素繊維が、導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、15〜40質量%含まれていることが好ましい。15質量%未満では撥水層に多数のクラックが発生しガス拡散性や撥水性に悪影響を及ぼし、40質量%以上では撥水層には殆どクラックが発生しないが、ガス透過性が悪化する。つまり、導電性炭素繊維の添加量を上記の範囲とすることにより、撥水層に発生するクラック状態を丁度良く制御でき、良好なガス透過性・拡散性が得られる。
<導電性多孔質基材>
導電性多孔質基材としては、燃料電池(特に、固体高分子形燃料電池)で一般的に使用されているものを用いればよく、公知又は市販のものを用いることができる。例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布(カーボンフェルト)等が挙げられる。
またカーボンペーパーの特性について、東レ(株)製のTGP−H−060を例にとり言及すると、厚み:190μm、電気抵抗:厚み方向80mΩ・cm、面方向5.8mΩ・cm、気孔率:78%、嵩密度:0.44g/cm3、表面粗さ:8μm、等である。
導電性多孔質基材の厚みは限定的ではないが、通常50μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜400μm程度とすればよい。
本発明の導電性多孔質基材は、予め撥水処理が施されたものであることが好ましい。これにより、さらに一段とガス拡散層の撥水性を向上させることができる。また、前記撥水層を導電性多孔質基材の表面上に設ける際に、より確実に当該基材表面上に形成させることができる。
撥水処理としては、例えば、導電性多孔質基材をフッ素系樹脂等が分散した水分散体中に浸漬する方法等が挙げられる。フッ素系樹脂としては、上述したもの等が挙げられる。なお、この際には、水中にフッ素系樹脂を分散させるために、上述した水系分散剤を用い、フッ素系樹脂及び水系分散剤を含む水系懸濁液として使用することが好ましい。
水分散体中のフッ素系樹脂の含有量は限定的でないが、例えば、水100重量部に対して、1〜30重量部程度、好ましくは2〜20重量部程度とすればよい。
<ガス拡散層の特徴>
本発明のガス拡散層は、導電性多孔質基材の表面上に形成されている撥水層が、実質的に導電性多孔質基材に浸透していない構造であることが好ましい。導電性多孔質基材の表面上に形成されている撥水層が、実質的に導電性多孔質基材に浸透していない構造とは、走査型電子顕微鏡等でのガス拡散層の断面観察により、基材内部まで撥水層形成用ペースト組成物が浸透していない状態を言う。
撥水層形成用ペースト組成物中に分散剤を配合した場合には、分散剤は、ガス拡散層(GDL)の焼成時に分解されるため、分散剤を使用する場合にも、焼結後のガス拡散層中には存在していない。フッ素系樹脂は、焼成後に溶解し、導電性多孔質基材の繊維上及び撥水層中の導電性炭素粒子、導電性炭素繊維上に付着した状態になっている。
本発明のガス拡散層は、固体高分子形燃料電池用のガス拡散層として使用することができる。具体的には、公知又は市販のイオン伝導性固体高分子電解質膜の両面に触媒層(カソード触媒層及びアノード触媒層)が積層された触媒層−電解質膜積層体(カソード触媒層/電解質膜/アノード触媒層)を用意し、次いで、この両面(カソード触媒層及びアノード触媒層)の少なくとも一つの面(特に、カソード触媒層)に、撥水層が当該触媒層に接触するように、本発明のガス拡散層を積層させることにより、電解質膜−電極接合体(ガス拡散層/カソード触媒層/電解質膜/アノード触媒層/ガス拡散層)を作製して、これを使用すればよい。
本発明のガス拡散層は、良好な導電性及び撥水性を兼備する撥水層が設けられているため、電解質膜−電極接合体(MEA)全体の導電性を向上させることができ、またMEAの触媒層で発生する水をより効率的にガス拡散層外部(ひいては、MEA外部)に排出できる。このため、本発明のガス拡散層を用いた燃料電池は、優れた電池性能を発揮することができる。
2.ガス拡散層の製造方法
本発明のガス拡散層は、燃料電池用導電性多孔質基材の表面上に撥水層が形成されているものであって、撥水層形成用ペースト組成物を、導電性多孔質基材表面に塗工し、次いで乾燥及び焼成を行う工程を経ることにより得られる。
撥水層形成用ペースト組成物は、導電性多孔質基材との接触角が90〜150°程度(好ましくは100〜140°程度)であることが好ましい。これにより、撥水層形成用ペースト組成物を導電性多孔質基材に塗布する際に、ペースト組成物が導電性多孔質基材表面ではじく現象を防止でき、ペースト組成物をより均一に塗布できる。
前記ペースト組成物と導電性多孔質基材との接触角は、自動接触角測定器(協和界面科学製、「FACE CA−X」等)を用い、1マイクロリットル程度のペースト組成物の液滴を導電性多孔質基材表面に滴下し、30秒後の接触角を観測することにより求められる。
本発明では、撥水層形成用ペースト組成物が導電性多孔質基材内部に実質的に浸透しないように塗布することが好ましい。一般的に導電性多孔質基材に撥水層形成用ペースト組成物を塗布する際、ドクターブレード等のブレード;ワイヤーバー;スキージ等の器具を導電性多孔質基材の表面に接触させ、当該表面に一定の圧力をかけながら、余分なペースト組成物を掻き取る方式が採用される。これに対して、本発明では、例えば、ブレード等を導電性多孔質基材表面に接触しないようにして、余分な撥水層形成用ペースト組成物を掻き取ることにより、撥水層形成用ペースト組成物が導電性多孔質基材内部に浸透しないようにすることが好ましい。これにより、撥水層形成用ペースト組成物が導電性多孔質基材内部に浸透することにより当該基材内部の空隙が閉塞される現象を抑制して、当該基材表面のみに所望の撥水層を好適に形成させることができる。
このような塗布方法に用いる装置としては、例えば公知又は市販のアプリケーターを用いればよい。
撥水層形成用ペースト組成物の塗布量は限定的でないが、固形分換算で、例えば、1〜100g/m2程度、好ましくは5〜50g/m2程度とすればよい。また、撥水層形成用ペースト組成物の塗工厚も限定的ではないが、例えば、1〜100μm程度、好ましくは5〜50μm程度とすればよい。
また、乾燥温度は限定的ではなく、例えば、大気中にて50〜150℃程度、好ましくは90〜130℃程度とすればよい。
乾燥時間は、乾燥温度等に応じて適宜決定すればよいが、通常5〜50分程度、好ましくは10〜30分程度である。乾燥後に行う焼成時の温度も限定的ではなく、例えば、大気中にて200〜400℃、好ましくは250〜350℃程度とすればよい。
焼成時間は、焼成温度等に応じて適宜決定すればよいが、通常10〜180分程度、好ましくは30〜150分程度とすればよい。
焼成後の撥水層の厚みは、特に制限はなく、通常1〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。この範囲の厚みとすることにより、より良好なガス透過性・拡散性及び導電性が得られる。
また、ここで作製された撥水層の水に対する接触角は100°〜170°程度、好ましくは130°〜160°程度とすればよい。なお、撥水層−水間での接触角は、例えば、自動接触角測定器(協和界面科学製、「FACE CA−X」等)を用い、1マイクロリットル程度の水滴を撥水層表面に滴下し、30秒後の接触角を観測すること等により求められる。
さらに、このような撥水層形成用ペースト組成物を塗布、乾燥及び焼成により得られる撥水層は、水との滑落角が1〜75°であるものが好ましい。この滑落角を75°以下にすることにより、発電時に発生する生成水や凝結水を効率的に反応系外に排出でき、触媒層及びガス拡散層の細孔の閉塞を抑制し、良好なガス供給を実現できる。ここで、滑落角とは、液滴をのせた試料を傾け、1秒保持したときに液滴が滑り落ちはじめる角度をいう。滑落角を前記範囲内とすることで、撥水層で形成されるクラック状態を制御でき、撥水性を向上させることが出来る。なお、この滑落角は、水滴をガス拡散層表面に滴下し、1°から90°まで1°ずつ傾け、各角度ごとに1秒ずつ静止して水滴が滑落する時の角度より、測定できる。
また、撥水層の細孔容積は、細孔径0.05〜1μmまでの細孔容積の和が1.2〜1.8ml/g程度が好ましい。なお、撥水層の細孔容積は、水銀圧入式細孔分布測定装置(micromeritics Autopore IV mercury porosimeter:(株)島津製作所製)等により測定できる。
本発明によれば、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有する撥水層において、導電性炭素繊維の量を調節しているため、撥水層表面でのクラック等を制御しやすくなり、また水との滑落性を調節することができ、撥水性が一段と優れたガス拡散層を提供できる。
また、撥水層表面でのクラック等を制御することにより、ガス透過性・拡散性を制御することも可能なので、本発明のガス拡散層を用いると、優れた電池性能を有する固体高分子形燃料電池を得ることができる。
図1は、実施例1のガス拡散層における撥水層の表面状態を示す写真である。 図2は、実施例2のガス拡散層における撥水層の表面状態を示す写真である。 図3は、比較例1のガス拡散層における撥水層の表面状態を示す写真である。 図4は、比較例2のガス拡散層における撥水層の表面状態を示す写真である。 図5は、比較例3のガス拡散層における撥水層の表面状態を示す写真である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料>
撥水層形成用ペースト組成物の調製には、以下に示す材料を使用した。
導電性炭素粒子:ファーネスブラック(バルカンxc72R:キャボット社製)、平均分子量1000〜30000
フッ素系樹脂(1):ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(ルブロンLDW−410:ダイキン工業(株)製
フッ素系樹脂(2):ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(PTFE31−JR:Dupont社製)
導電性炭素繊維:VGCF(VGCFR(標準品):昭和電工(株)製)
分散剤:ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(エマルゲンMS110:花王(株)製)
実施例1〜6及び比較例1〜6
<実施例1>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE250重量部(フッ素系樹脂(1):175重量部、フッ素系樹脂(2):75重量部)、VGCF25重量部、分散剤25重量部及び水850重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維20質量%)。また撥水層の塗工量は約35g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<実施例2>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE290重量部(フッ素系樹脂(1):203重量部、フッ素系樹脂(2):87重量部)、VGCF45重量部、分散剤25重量部及び水995重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維30質量%)。また撥水層の塗工量は約35g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<実施例3>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE250重量部(フッ素系樹脂(1):175重量部、フッ素系樹脂(2):75重量部)、VGCF25重量部、分散剤25重量部及び水850重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維20質量%)。また撥水層の塗工量は約15g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<実施例4>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE290重量部(フッ素系樹脂(1):203重量部、フッ素系樹脂(2):87重量部)、VGCF45重量部、分散剤25重量部及び水995重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維30質量%)。また撥水層の塗工量は約15g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<実施例5>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE340重量部(フッ素系樹脂(1):238重量部、フッ素系樹脂(2):102重量部)、VGCF70重量部、分散剤25重量部及び水1165重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維40質量%)。また撥水層の塗工量は約15g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<実施例6>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE340重量部(フッ素系樹脂(1):238重量部、フッ素系樹脂(2):102重量部)、VGCF70重量部、分散剤25重量部及び水1165重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維40質量%)。また撥水層の塗工量は約35g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<比較例1>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE200重量部(フッ素系樹脂(1):140重量部、フッ素系樹脂(2):60重量部)、分散剤25重量部及び水675重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維0質量%)。また撥水層の塗工量は約35g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<比較例2>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE400重量部(フッ素系樹脂(1):280重量部、フッ素系樹脂(2):120重量部)、VGCF100重量部、分散剤25重量部及び水1375重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維50質量%)。また撥水層の塗工量は約35g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<比較例3>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE500重量部(フッ素系樹脂(1):350重量部、フッ素系樹脂(2):150重量部)、VGCF150重量部、分散剤25重量部及び水1725重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維60質量%)。また撥水層の塗工量は約35g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<比較例4>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE200重量部(フッ素系樹脂(1):140重量部、フッ素系樹脂(2):60重量部)、分散剤25重量部及び水675重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維0質量%)。また撥水層の塗工量は約15g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<比較例5>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE400重量部(フッ素系樹脂(1):280重量部、フッ素系樹脂(2):120重量部)、VGCF100重量部、分散剤25重量部及び水1375重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維50質量%)。また撥水層の塗工量は約15g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
<比較例6>
導電性炭素粒子100重量部、PTFE500重量部(フッ素系樹脂(1):350重量部、フッ素系樹脂(2):150重量部)、VGCF150重量部、分散剤25重量部及び水1725重量部をメディア分散により分散させることにより撥水層形成用ペースト組成物を調合した調合した(導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して、導電性炭素繊維60質量%)。また撥水層の塗工量は約15g/m2に調節してガス拡散層を作製した。
実施例1〜6及び比較例1〜6の配合割合を表1に示す。なお、表1において、VGCF含有率は、導電性炭素粒子及びVGCFの合計量に対する、VGCFの含有量を示す。
Figure 0005822428
<撥水処理>
導電性多孔質基材にはカーボンペーパー(TGP−H−60:東レ(株)製)を用い、水100重量部に対して、PTFE懸濁液(PTFE懸濁液100重量部は、PTFE60重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル)2重量部、水38重量から構成)5重量部を混合させたPTFE水分散液に2分間含浸させた後、大気雰囲気中95度で15分程度乾燥させ、次いで大気雰囲気中約300℃で2時間程焼成を行うことにより、撥水処理を施した。
<ガス拡散層の製造>
実施例1〜6及び比較例1〜6で調製した各撥水層形成用ペースト組成物を、アプリケーター(Sheen Instruments Ltd製、「Micrometer Adjustable Film Applicator、1117/200」)を用いて塗工量が固形分換算で、実施例1〜2及び実施例6、比較例1〜3では35g/m2程度、実施例3〜5、比較例4〜6では15g/m2程度になるように、上記撥水処理済み導電性多孔質基材の一方の面に均一に塗工した。次いで、大気雰囲気中95℃で20分乾燥した後、大気雰囲気中300℃で2時間焼成することにより、導電性多孔質基材表面に撥水層(MPL)が形成された、ガス拡散層(実施例1〜6及び比較例1〜6のペースト組成物を用いて製造したガス拡散層)を製造した。各撥水層の厚みを表1に示す。
<ガス拡散層の評価試験>
撥水層表面観察
作製したガス拡散層における撥水層の表面状態を、HIBRID MICRO SCOPE SH−4500(HiROX社製)により、観察した。結果を図1〜5に示す。なお、図1〜5は、それぞれ実施例1、2、比較例1〜3の撥水層の表面状態を示す。
図1〜5より、実施例1及び実施例2は比較例1に比べ、VGCFを添加することにより撥水層のクラックの発生が抑えられている。一方、比較例2及び3は実施例1や実施例2に対し、VGCFの添加量が過度であるため、クラックの発生はなく、ガス透過性が抑制され易い構造になっていることが確認できた。
撥水性
(1)静的接触角
撥水層表面の撥水性は、自動接触角測定器(協和界面科学製、「FACE CA−X」等)を用い、1マイクロリットル程度の水滴を導電性多孔質基材表面に滴下し、30秒後の接触角を観測することにより測定した。
(2)動的接触角(滑落角)
撥水層表面の動的接触角(滑落角)は、自動接触角計(協和界面科学(株)製、「Drop Master500」)を用い、30μ程度の水滴をガス拡散層表面に滴下し、1〜90°まで1°ずつ傾け、各角度ごとに1秒ずつ静止して水滴が滑落する時の角度を測定した。なお、表2において、「滑落せず」とは、90°まで傾けても滑落しなかったことを示す。
ガス透過性・拡散性
貫通孔測定装置(CFP-1200-AEL、PMI社製)を使用して、ガス透過圧30kPaの条件下にて、実施例1〜6及び比較例1〜6で製造したガス拡散層のガス透過量を測定した。
細孔容積
撥水層の細孔容積は、水銀圧入式細孔分布測定装置(micromeritics Autopore IV mercury porosimeter:(株)島津製作所製)を利用して、撥水層の細孔容積を測定した。この測定結果から、撥水層由来の細孔経は0.05〜1μmと考えられ、この範囲での細孔容積の和について算出した。
<燃料電池の製造>
電解質膜−触媒層積層体の製造
白金触媒担持炭素粒子4g(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」)、イオン伝導性高分子電解質膜溶液40g(Nafion5wt%溶液:「DE−520」デュポン社製)、蒸留水12g、n−ブタノール20g及びt−ブタノール20gを配合し、分散機にて攪拌混合することにより、アノード触媒層形成用ペースト組成物及びカソード触媒層形成用ペースト組成物を得た。
アノード触媒層形成用ペースト組成物及びカソード触媒層形成用ペースト組成物を、それぞれアプリケーターを用いて転写基材(材質:ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に塗工し、95℃で30分程度乾燥させることにより触媒層を形成させて、アノード触媒層形成用転写シート及びカソード触媒層形成用転写シートを作製した。なお、触媒層の塗工量は、アノード触媒層、カソード触媒層共に白金担持量が0.45mg/cm2程度となるようにした。
上記で作製したアノード触媒層形成用転写シート及びカソード触媒層形成用転写シートを用いて、電解質膜各面に、熱プレスを行った後、転写基材のみを剥がすことにより、電解質膜−触媒層積層体を作製した。
燃料電池の製造
上記で作製した電解質膜−触媒層積層体の両面に、実施例1〜6及び比較例1〜6の各ガス拡散層を、撥水層が触媒層に接触するように積層させることにより、電解質膜−電極接合体(MEA)を得、次いで、得られたMEAを燃料電池セルに組み込むことにより、固体高分子形燃料電池(実施例1〜6及び比較例1〜6のガス拡散層を用いて製造した固体高分子形燃料電池)を製造した。
<燃料電池の評価試験>
電池性能評価
上記MEAを使用し、電池性能評価を以下の条件により行った。
セル温度:80℃
加湿温度:カソード65℃、アノード65℃
ガス利用率:カソード40%、アノード70%
負荷電流を1.25〜25Aまで変動させた時のセル電圧値の測定を行い、25Aでの高負荷電流域の場合において比較した。
以上、実施例1〜6、及び比較例1〜6における各評価の結果を表2に示す。表2からわかるように、撥水層の塗工量に関係なく、実施例1〜6では、比較例1〜6に比べ高い電池性能の結果が得られた。これは、撥水層形成用ペースト組成物の配合を調整することで、撥水層に良好な滑落性(撥水性)を発現させ、さらには撥水層形成用ペースト組成物による導電性多孔質基材の細孔の閉塞が抑制されたことで、ガス拡散層全体のガス透過性及びガス拡散性が向上したからである。
Figure 0005822428
本発明は、固体高分子形燃料電池に関連した技術分野に好適に適用され得る。

Claims (9)

  1. 撥水性が付与されている導電性多孔質基材上に撥水層が設けられてなる固体高分子形燃料電池用ガス拡散層であって、
    (1)前記撥水層は、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有し、
    (2)前記導電性炭素繊維は、導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれ、
    (3)前記撥水層と水との滑落角は1〜75°であることを特徴とする、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  2. 導電性多孔質基材上に設けられている撥水層が、実質的に導電性多孔質基材に浸透していない構造である、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  3. 前記撥水層における細孔径0.05〜1μmの細孔容積の和が1.2〜1.8ml/gである請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  4. 前記導電性多孔質基材が、カーボンペーパー、カーボンクロス又はカーボン不織布の多孔質炭素材料からなるとともに、フッ素系材料により撥水性が付与されている、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  5. 前記撥水層の塗工量が、1〜100g/m2である、請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  6. 前記撥水層の厚みが、1〜100μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  7. 前記撥水層の厚みが、1〜50μmである、請求項6に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  8. 撥水性が付与されている導電性多孔質基材上に撥水層形成用ペースト組成物を、ブレード、ワイヤーバー及びスキージから選ばれる少なくとも1つの器具を用いて、導電性多孔質基材表面に接触しないようにして、塗布することにより、撥水層形成用ペースト組成物が導電性多孔質基材内部に浸透しないようにする工程を備えた、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
    前記撥水層形成用ペースト組成物は、少なくとも導電性炭素粒子、フッ素系樹脂及び導電性炭素繊維を含有し、且つ前記導電性炭素繊維は、導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれている、
    固体高分子形燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のガス拡散層を用いた固体高分子形燃料電池。
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