JP2007042446A - 部材の評価方法、燃料電池の製造方法及び燃料電池 - Google Patents

部材の評価方法、燃料電池の製造方法及び燃料電池 Download PDF

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勉 越智
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Abstract

【課題】 部材の性能を適切に評価し得る部材の評価方法、セル面内又は/及びセル毎の排水性向上が図られた燃料電池の製造方法及び燃料電池を提供すること。
【解決手段】 部材71を傾斜させた際に、その表面に付着した液滴72が移動するときの傾斜角θに基づいて、前記部材71の滑水性として転落角を評価する。燃料電池の単セルを構成する一つの部材が互いに異なる転落角を有するように構成することで、含水量を均一化させ、安定した電圧を得ることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、部材例えば燃料電池の構成部材の評価に好適な部材の評価方法、燃料電池の製造方法、及び、燃料電池に関する。
例えば固体高分子電解質型の燃料電池は、膜−電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly )とセパレータとからなるセルを積層して構成されている。MEAは、イオン交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置された触媒層及びガス拡散層からなる電極(アノード)と、電解質膜の他面に配置された触媒層及びガス拡散層からなる電極(カソード)とからなる。カソードに供給される空気は、システム効率及び安定発電等の観点から、加湿状態で各セルに供給される。
しかしながら、燃料電池のカソード入口部では、ガス流速がカソード出口部側に比して速いため、水分が不足気味となる。これにより、セル面内での含水量分布が偏り、出力電圧の安定性や燃料電池の耐久性に悪影響を及ぼす。一方、ガス流路の中流〜下流部や屈曲部等の液水過剰領域では、生成水が滞留し易く、この生成水を速やかに面外に排出させなければ、ガス拡散層でのガス拡散が阻害され、出力電圧の安定性が低下する。
例えば特許文献1には、ガス拡散層の性能として、排水性を加味した技術が開示されている。
特開平8−124583号公報
しかしながら、ガス拡散層に要求される性能には、ガス流路への生成水の排出性だけでなく、一旦ガス流路に排出された生成水の当該ガス拡散層への再吸収を抑制することができることも必要であり、後者については、従来は考慮されていなかった。また、燃料電池の出力電圧を安定化させるには、セル面内又は/及びセル毎の排水性向上を図る必要があり、そのためには、ガス拡散層の表面状態(部材の性能)の評価が重要となる。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、部材の性能を適切に評価し得る部材の評価方法、セル面内又は/及びセル毎の排水性向上が図られた燃料電池の製造方法及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、燃料電池内の現象について鋭意研究した結果、ガス拡散層(部材)の表面(ガス流路面)に存在する生成水が当該ガス拡散層に吸収されることなく、いかに排出されやすいか、つまり、ガス流速により押し出され転がりやすいかに着目し、後述の転落角で表される滑水性(転がりやすさ)に基づいて、部材の表面状態を評価することが有効であることを見出した。
この転落角は、液体と部材表面との接触面積や、部材表面の状態に支配され、接触角が低くても転落角の高い場合がある。そこで、本発明では、部材表面に付着した液体が移動しない状態から移動する状態に切り替わる際の傾斜角から転落角を求め、この転落角に基づいて、部材の一性能である滑水性を判定することを可能にしている。
すなわち、請求項1に記載の部材の評価方法は、部材の表面に所定の液体を付着させ、当該部材を所定の基準面に対して傾けた際に前記液体が移動するときの傾きに基づいて、当該部材の性能を評価する工程を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の燃料電池の製造方法は、請求項1に記載の部材の評価方法を製造工程に含むことを特徴とする。
このような構成によれば、燃料電池を構成する部材の性能、特に生成水の排水性(滑水性)を適切に調整した燃料電池を製造することが可能となる。
請求項3に記載の燃料電池は、請求項1に記載の部材の評価方法により評価された部材を備えたことを特徴とする。かかる部材の例としては、ガス拡散層、触媒層、およびセパレータ等が挙げられる。
このような構成によれば、構成部材の一性能である排水性(滑水性)を適宜調整することで、生成水の滞留しやすい部分の排水性を向上させ得て、出力電圧の安定化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、ガス供給を受けて発電する燃料電池において、請求項1に記載の部材の評価方法による評価結果が互いに異なる複数の領域を同一面内に有する部材を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、セル面内で生成水の滞留しやすい部分の排水性を向上させ得て、出力電圧の安定化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の燃料電池において、前記部材は、供給ガスの流れ方向下流側に対応する領域ほど、小なる傾きで前記流体が移動することを特徴とする。
このような構成によれば、ガス流れ下流側の滑水性を上げる(転落角を小さく)ことにより、当該下流側に多く滞留しがちな生成水を速やかに排出させることが可能となる。一方、ガス流れ上流側においては、滑水性を下げる(転落角を大きく)ことにより、保水性を向上させ、これにより、セル面内における含水量分布を所定量にて均一化し、出力電圧の安定化を図ることができる。
請求項6に記載の発明は、ガス供給を受けて発電するセルが複数積層されてなる燃料電池において、各セルが備える同一種の部材のうち少なくとも2つは、請求項1に記載の部材の評価方法による評価結果が互いに異なることを特徴とする。
このような構成によれば、各セルでの生成水量がセル積層方向のセル位置に応じて異なる場合にも、セル積層方向のセル位置に応じて、セルを構成する部材の性能(排水性、滑水性)を適切に調整することで、燃料電池全体の含水量分布を所定量にて均一化させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の燃料電池において、前記各セルが備える同一種の部材は、セル積層方向の端部に近い部材ほど、小なる傾きで前記液体が移動することを特徴とする。
複数のセルが直列に積層された燃料電池では、セル積層方向の端部側(特に、総マイナス側)に生成水が溜まりやすい。そこで、セル積層方向の端部に近い部材ほど滑水性を挙げる(転落角を小さく)ことにより、生成水を速やかに排出させることが可能となる。これにより、セル積層方向における含水量分布が所定量にて均一化され、出力電圧の安定化を図ることができる。
本発明によれば、液体の滑水性(転がりやすさ)に基づいて、部材の性能(例えば、排水性)を高精度に評価することが可能となる。したがって、本評価方法を製造工程に含む燃料電池は、生成水の排水性が向上し、出力電圧の安定化が図られる。
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る部材の評価方法、該部材の評価方法を用いた燃料電池の製造方法、及び、燃料電池について説明する。
以下では、燃料電池車両に好適な固体高分子型の燃料電池を例に説明するが、本発明はこのような適用例に限らず、船舶,航空機,電車、歩行ロボット等のあらゆる移動体への適用や、例えば燃料電池が建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムへの適用も可能である。
<第1実施形態>
図1に示すように、固体高分子型の燃料電池1は、基本単位である多数の単セル2を積層したスタック本体3を有している。燃料電池1は、スタック本体3の両端に位置する単セル2の外側に、順次、カバープレート5、出力端子6付きのターミナルプレート7、絶縁プレート8およびエンドプレート9を積層して構成されている。
燃料電池1は、例えば、両エンドプレート9間を架け渡すようにして設けられたテンションプレート15が各エンドプレート9にボルト16で固定されることで、セル積層方向に所定の圧縮力がかかった状態となっている。なお、スタック本体3の一端側のエンドプレート9と絶縁プレート8との間には、プレッシャプレート17とばね機構14とが設けられており、単セル2にかかる荷重の変動が吸収されるようになっている。
燃料電池1内には、燃料ガスマニホールド20、酸化ガスマニホールド20、および冷媒マニホールド20がセル積層方向に貫通形成されている(実際には、これらは別体であるが同一符号を付して説明を省略している。)。これら各流体流路用のマニホールド20は、エンドプレート9、絶縁プレート8、ターミナルプレート7、カバープレート5、および各単セル2のセパレータをセル積層方向に貫通することで燃料電池1内に形成されている。
各流体(燃料ガス、酸化ガス、冷媒)は、燃料電池1の一端にあるエンドプレート9に設けた各流体配管18から入口側の各マニホールド20aに供給され、セパレータに形成した各流体流路を流れる。そして最終的に、各流体は、出口側の各マニホールド20bからエンドプレート9に設けた各流体配管19へと排出される。
次に、燃料電池が備える単セル2の構成について、図2を用いて説明する。図2に示すように、単セル2は、MEA11と、MEA11を挟持する一対のセパレータ12a,12bとで構成され、全体として積層形態を有している。MEA11と各セパレータ12a,12bとは、それらの間の周辺部を第1シール部材13a,13bによりシールされている。
MEA11は、高分子材料のイオン交換膜からなる電解質膜21と、電解質膜21を両面から挟んだ一対の電極22a,22b(カソードおよびアノード)と、電極22a,22bの外側表面に形成された拡散層23a,23b(図3参照)で構成され、全体として積層形態を有している。
電極22a,22bは、白金などからなる触媒層24a,24bと、その表面に設けられた拡散層23a,23bと、を備えてなる。一方の電極22a(カソード)には、空気や酸化剤などの酸化ガスが供給され、他方の電極22b(アノード)には、燃料ガスとしての水素ガスが供給される。この二つのガスによってMEA11内で以下の電気化学反応が生じ、単セル2は起電力を得る。
アノード側:H2→2H++2e-
カソード側:2H++2e-+(1/2)O2→H2
拡散層23a,23bは、流体(燃料ガス、酸化ガス、生成水)を通過させる機能と、触媒層24a,24b及びセパレータ12a,12bを導通させる機能とを有する導電体(例えば、多孔質のカーボン素材)よりなる。具体的には、拡散層23a,23bは、セパレータ12a,12bのガス流路31a,31bから供給される反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)を24a,24b側へ移動させるガス透過性と、上記電気化学反応の結果生成される生成水を24a,24b側からセパレータ12a,12b側へ移動させる透水性とを備えている。
各セパレータ12a,12bは、ガス不透過の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。
セパレータ12a,12bには、電極22a,22bに面する部分をプレス成形されることで表裏各面に複数の凹凸が形成されている。この複数の凸部および凹部は、それぞれ一方向に延在しており、酸化ガスのガス流路31aまたは水素ガスのガス流路31bや、冷却水流路32を画定している。
セパレータ12aの電極22a側となる内側の面には、酸化ガスが流通するストレート状のガス流路31aが複数形成され、その反対側の外側の面には、冷媒(冷却水)が流通するストレート状の冷却水流路32が複数形成されている。同様に、セパレータ12bの電極22b側となる内側の面には、水素ガスが流通するストレート状のガス流路31bが複数形成され、その反対側の外側の面には、ストレート状の冷却水流路32が複数形成されている。
隣接する二つの単セル2,2においては、一方の単セル2のセパレータ12aの外面と、その隣の単セル2のセパレータ12bの外面とが枠状の第2シール部材13cを挟んで付き合わされ、両者の冷却水流路32が連通されてその流路断面が四角形となる。
セパレータ12a,12bの一方の端部には、酸化ガスの入口側のマニホールド41、水素ガスの入口側のマニホールド42、および冷却水の入口側のマニホールド43が矩形状に貫通形成されている。セパレータ12a,12bの他方の端部には、酸化ガスの出口側のマニホールド51、水素ガスの出口側のマニホールド52、および冷却水の出口側のマニホールド53が矩形状に貫通形成されている。
セパレータ12aにおける酸化ガス用のマニホールド41とマニホールド51とは、セパレータ12aに溝状に形成した入口側の連絡通路61および出口側の連絡通路62を介して、酸化ガスのガス流路31aに連通している。同様に、セパレータ12bにおける水素ガス用のマニホールド42とマニホールド52とは、セパレータ12bに溝状に形成した入口側の連絡通路63および出口側の連絡流路64を介して、水素ガスのガス流路31bに連通している。
また、各セパレータ12a,12bにおける冷却水のマニホールド43とマニホールド53とは、各セパレータ12a,12bに溝状に形成した入口側の連絡通路65および出口側の連絡流路66を介して、冷却水流路32に連通している。このような各セパレータ12a,12bの構成により、単セル2には、酸化ガス、水素ガスおよび冷却水が適切に供されるようになっている。
例えば、酸化ガスは、セパレータ12aのマニホールド41から連絡通路61を介してガス流路31aに導入され、MEA11の発電に供された後、連絡通路62を介してマニホールド51に導出される。酸化ガスは、セパレータ12bのマニホールド41およびマニホールド51を通流するが、セパレータ12bの内方向には導入されない。
なお、本実施形態ではガス流路31a,31bや冷却水流路32についてストレート流路を例に説明したが、もちろんこれらの各流路31a,31b,32を少なくとも1つの屈曲部(ターン部)を備えたサーペンタイン流路で構成してもよい。
本実施形態においては、拡散層23aの転落角(滑水性)が後述の評価方法によって評価・設定され、適切な転落角を得た拡散層23aを一構成部材として備えた燃料電池1が製造される。ここで、転落角とは、滑水性を表す指標の一つであり、転落角が小さい場合は液水が転がりやすく、転落角が大きい場合は液水が転がりにくい。
図3は、MEA11の断面図である。燃料電池1においては、電極(カソード)22aで発生した生成水70が拡散層23aの表面に移動し、酸化ガスの流れに沿って排出される。一方、酸化ガスは、拡散層23aを通して触媒層24aに供給される。
カソード側の拡散層23a表面における転落角が小さい場合、すなわち滑水性が高い場合には、生成水70は拡散層23aに再吸収されずに速やかに排出され、酸化ガスの拡散性向上に寄与する。これに対し、転落角が大きい場合、すなわち滑水性が低い場合には、生成水70の少なくとも一部が拡散層23aに再吸収される結果、電解質膜21の保水に寄与する。
すなわち、転落角が小さく、生成水が速やかに単セル2から排出されれば拡散性が向上し、セル電圧は向上し、単セル2間のセル電圧偏差も減少する(図4、図5参照)。しかしながら、電解質膜21が所定の加湿状態にないと、出力電圧や耐久性に悪影響を及ぼす。
転落角は、例えば図6に示すように測定することが可能である。測定対象の部材71上に、液体、例えば25%エタノール水溶液、50μLの液滴72を滴下する。部材71を基準面(例えば水平面)Pに対して傾斜させてゆき、液滴72が移動(流動)したときの基準面Pに対する部材71の傾斜角θが転落角となる。
このように測定される転落角を、以下のように単セル2の構成部材に適用して燃料電池を製造することができる。
図7は、カソード側のセパレータ12aを示した図である。酸化ガスが流通するガス流路31aの上流部(セル入口部)73においては、ガス流速が速いために生成水は滞留しにくい。このため、電解質膜21の当該領域に位置する部位が加湿不足となる虞がある。そこで、ガス流路31aの上流部73では、拡散層23aの転落角を大きくすることにより、拡散層23aにおける生成水の再吸収を可能にし、保水性を確保する。
これに対し、ガス流路31aの下流部(セル出口部)74においては、上記電気化学反応の結果生成される生成水による液水が多く存在し、拡散層23aでのガス拡散を阻害する虞がある。そこで、ガス流路31aの下流部74では、拡散層23aの転落角を小さくすることにより、拡散層23aの排水性を向上させ、出力電圧の安定化を図る。
本実施形態においては、ガス流路31aの上流部73における拡散層23aの転落角を20°以上とし、ガス流路31aの下流部74における拡散層23aの転落角を20°以下とする。これら転落角は、上記の評価方法(25%エタノール水溶液、50μLの液滴を滴下する測定方法)により測定された値である。なお、同一面内における転落角を上流部73と下流部74の2つの領域に分けるだけでなく、それ以上の領域に分けて転落角を異ならせても良い。
転落角の調整は、具体的には以下の手段により行う。拡散層23aは、拡散層基材の表面に撥水剤(界面活性剤)を塗布したあと、乾燥させ、その後焼成して完成する。材料、乾燥・焼成における以下の要素を適宜選択することにより、目的の転落角を得る。
(1)基材種(カーボンクロス、カーボンペーパー、金属メッシュ、金属発泡体等)
(2)撥水剤種(カーボン粒子種、撥水樹脂種、添加剤の有無等)
(3)撥水剤組成(樹脂割合、添加剤割合等)
(4)撥水剤塗布量(単位面積当たりの塗布量等)
(5)撥水剤含浸度合い(圧力や、触媒層側から撥水剤を塗布する場合において目視により判定した裏抜け量等)
(6)撥水剤の乾燥方法(温度、時間、風量、風速等)
(7)撥水剤の焼成方法(温度、時間、雰囲気ガス種)
例えば、乾燥時間が長い場合、または、同じ温度条件で焼成時間を長くする場合には、転落角が小さくなる。また、同じ焼成時間でも焼成温度を高くすると、転落角が小さくなる。さらに、異仕様拡散層の貼り合わせ、または撥水剤の塗り分けなどにより、同一面内であっても部位によって異なる転落角を有する拡散層23aを得ることも可能である。
このように、上記した転落角の評価方法を用いて製造された燃料電池1においては、電解質膜21が加湿不足となりやすいガス流路31aの上流部73の転落角を大きく設定すると共に、生成水が溜まりやすいガス流路31aの下流部74の転落角を小さく設定することにより、単セル2内での排水性を向上させて同一面内における含水量分布を所定量にて均一化させることが可能になる結果、出力電圧の安定化と耐久性の向上をバランス良く両立することができる。
上記実施形態の、変形例として、図8に示したように拡散層23aの転落角を設定しても良い。同図は、ガス流路31aが3つの屈曲部82を備えてなるサーペンタイン形状に構成されたセパレータ12aである。説明の便宜上、セパレータ12aのガス流路31aに複数種のハッチングを付しているが、本変形例では、このハッチングの種別毎に拡散層23aの転落角を以下のように異ならせている。
ガス流路31aの上流部(セル入口部)81においては、ガス流速が速いために生成水は滞留しにくい。このため、電解質膜21の当該領域に位置する部位が加湿不足となる虞がある。そこで、ガス流路31aの上流部81では、拡散層23aの転落角を大きく設定する。例えば30°以上とする。
これに対し、サーペンタイン流路31aの屈曲部82においては、上記電気化学反応の結果生成される生成水が溜まりやすいため、拡散層23aでのガス拡散が阻害される虞がある。そこで、サーペンタイン流路31aの屈曲部82では、転落角を小さく設定する。例えば20°以下とする。
ガス流路31aの中間域83においては、上流部81と屈曲部82の間をとって、転落角を20°〜30°とする。
このように、本変形例においても、加湿不足となりやすい領域の転落角を大きく設定するとともに、生成水が溜まりやすい領域の転落角を小さく設定することにより、単セル2内の保水性と排水性とを両立させることが可能になる結果、出力電圧の安定化と耐久性の向上をバランス良く両立させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。
図1に示した燃料電池1のように、複数の単セル2を直列に積層した構成された燃料電池1においては、総マイナス側に位置する単セル2ほど生成水が溜まりやすく、しばしば、該単セル2のセル電圧が低下してしまう。
従来は、生成水が溜まる個所に焼成セパレータを備えたセルを配置したり、制御で工夫するなどの対策を施していたが、コストが増大するとともに、車両搭載上制約があるという課題があって。さらに、そのような対策にもかかわらず、異種の界面が接する個所では生成水が溜まりやすい為、焼成セパレータと隣接するセルでの含水量が上昇する結果、セル電圧の低下を招くという問題があった。
本実施形態においては、図9に示したように、セル積層方向のセル位置に応じて同一種の部材であるMEA11の拡散層23aの転落角を異ならせる。すなわち、燃料電池の総プラス側に位置する単セル2ほど拡散層23aの転落角を大きくし、総マイナス側に位置する単セル2ほど拡散層23aの転落角を小さくする。
これにより、総プラス側の単セル2では、拡散層23aへの生成水の再吸収を可能にして保水性を確保することができる一方で、総マイナス側の単セル2では、排水性を向上させて液水過剰状態の発生を抑制することができる。この結果、図10に示したように、燃料電池全体の含水量分布が所定量にて均一化され、出力電圧の安定化を図ることが可能となる。
しかも、従来のように焼成セパレータを用いる必要がないことから、コストの増大とセル積層方向の寸法増大の問題を克服することもできる。
なお、上記の実施形態においては、総マイナス側に向かって徐々に転落角を小さくしているが、所定モジュールごとに転落角を異ならせるようにしても良い。例えば、スタックを2列設けた図11の燃料電池1’のように、斜線で示した総マイナス側の領域85,86に位置する複数の単セル2の拡散層23aを、他の単セル2の拡散層23aと比較して小さい転落角とするようにしても良い。
また、本第2実施形態およびその変形例を、上記第1実施形態と組み合わせても良い。すなわち、一つの単セル2の面内において、拡散層23aが互いに異なる滑水性を有する複数の領域を備え、さらに各単セル2の拡散層23aが、セル積層方向のセル位置に応じて異なる滑水性を有することができる。
また、上記各実施形態においては、MEA11の拡散層23aの転落角を調整しているが、触媒層24a、および、対向するセパレータ12aの表面における転落角を調整するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態として示した燃料電池の構造を示した断面図である。 同燃料電池が備える単セルの構造を示した分解斜視図である。 同単セルが備えるMEAの構造を模式的に示した断面図である。 セル電圧と転落角との関係を示した図である。 セル電圧の偏差と転落角との関係を示した図である。 転落角測定方法について模式的に示した図である。 単セルが備えるセパレータと拡散層の転落角とを示した斜視図である。 第1実施形態の変形例として示したセパレータと拡散層の転落角とを示した斜視図である。 本発明の第2実施形態においてセル位置と転落角との関係を示した図である。 セル位置と含水量との関係を示した図である。 第2実施形態の変形例として示した燃料電池の構造を示した断面図である。
符号の説明
1,1’…燃料電池、2…単セル、11…MEA、12a,12b…セパレータ、23a…拡散層、24a…触媒層、70…生成水、72…液滴、73…上流部、74…下流部、81…上流部、82…屈曲部、83…中間域

Claims (7)

  1. 部材の表面に所定の液体を付着させ、当該部材を所定の基準面に対して傾けた際に前記液体が移動するときの傾きに基づいて、当該部材の性能を評価する工程を含むことを特徴とする部材の評価方法。
  2. 請求項1に記載の部材の評価方法を製造工程に含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  3. 請求項1に記載の部材の評価方法により評価された部材を備えたことを特徴とする燃料電池。
  4. ガス供給を受けて発電する燃料電池において、
    請求項1に記載の部材の評価方法による評価結果が互いに異なる複数の領域を同一面内に有する部材を備えたことを特徴とする燃料電池。
  5. 前記部材は、供給ガスの流れ方向下流側に対応する領域ほど、小なる傾きで前記流体が移動することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  6. ガス供給を受けて発電するセルが複数積層されてなる燃料電池において、
    各セルが備える同一種の部材のうち少なくとも2つは、請求項1に記載の部材の評価方法による評価結果が互いに異なることを特徴とする燃料電池。
  7. 前記各セルが備える同一種の部材は、セル積層方向の端部に近い部材ほど、小なる傾きで前記液体が移動することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。


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