JP2001152138A - 滑水性膜およびその製造方法 - Google Patents

滑水性膜およびその製造方法

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JP2001152138A JP29463699A JP29463699A JP2001152138A JP 2001152138 A JP2001152138 A JP 2001152138A JP 29463699 A JP29463699 A JP 29463699A JP 29463699 A JP29463699 A JP 29463699A JP 2001152138 A JP2001152138 A JP 2001152138A
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water droplet
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Akira Nakajima
章 中島
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Akira Fujishima
昭 藤嶋
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SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
Todai TLO Ltd
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SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
Center for Advanced Science and Technology Incubation Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/42Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions at least one coating of an organic material and at least one non-metal coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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    • C03C2217/425Coatings comprising at least one inhomogeneous layer consisting of a porous layer

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と超撥水性・超滑水性を兼ね備え、更
には超撥水性が長期間にわたって持続する膜およびその
作製方法と塗布剤とを提供する。 【解決手段】 表面の平均粗さ100nm以下、最大粗さ1.0
μm以下で平均細孔径200nm以下の微小な凸凹を有する
透明な下地層にフッ素樹脂による撥水処理を行い、超撥
水性透明膜を得る。この超撥水性透明膜に適量の光触媒
を添加することにより、その超撥水性を長期間にわたっ
て持続させることができるが、その量は、光触媒が酸化
チタンの場合には、2重量%程度が適当である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は滑水性を備えた膜、特に
超撥水性・超滑水性を備えた透明膜およびその作製方法
に関する。
【0002】
【従来技術】従来多くの撥水性表面はシリコンやフッ素
等の撥水剤で表面を処理することにより得られており、
水との接触角が100〜110°程度の撥水処理が衣料
品や車のガラス、塗装面等に対して実用化されている。
ところが最近になって、低エネルギー表面に適当な構造
を持たせることにより、接触角が150°以上もの極め
て高い撥水性(超撥水性)を備える表面が得られること
が知られるようになった。
【0003】このような超撥水性表面の作製方法につい
ては、これまでいくつかの方法が開示されている。NT
Tの山内らはPTFEとフッ素系バインダとフッ素オイ
ルとを溶剤で混合し、これに酸化チタンを0.5%分添
加したサスペンションをスプレー塗布する方法で高度な
撥水性を有する膜を作製し(特願平8-260172)、アンテ
ナ等への着雪防止に効果があることを報告している。
【0004】ここで、この膜は150°以上の接触角が
得られるものの、PTFEでは微細な粒子が得られない
ために、表面での光の散乱が多く、透明ではない。
【0005】この他にも様々な撥水膜の作製方法が開示
・報告されているが(フッ化グラファイトをニッケルと
ともにメッキする方法(工業材料vol.44, No.8, 30-37
(1996))、撥水性突起物をPTFEで形成する方法(塗装と
塗料、No.571, 37-41(1998))等)、これらはいずれも
散乱が生じない程度に表面粗さを下げることが困難であ
るため、超撥水性ではあるものの、透明膜ではない。
【0006】超撥水性表面に透明性を付与することがで
きれば、超撥水性表面の一般的な用途に加え、看板、標
識、方向指示板、銅像、彫刻等、各種の意匠材や透明な
プラスチックフィルム、建築物や乗り物若しくは各種計
器類の窓材、メガネ、サングラス、車両用バックミラ
ー、浴室用または洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡、光学
レンズ、内視鏡レンズ、ゴーグル、シールド、等に対し
てもコーティングが可能となり、応用範囲が一段と広が
ることになる。
【0007】しかしながら、超撥水性と透明性を兼ね備
えた膜については現在までわずかな報告例しかなく、例
えば南らは、ゾルゲル法を応用しアルミニウムアルコキ
シドの加水分解によりできたガンマアルミナ膜を熱水中
で処理することにより、スポンジ状のベーマイトを表面
に析出させてこれに撥水処理を行うことで150°以上
の接触角をもつ透明な膜を得ている(Journal of Ameri
can Ceramic Society,80[12]3213-16(1997))。また高
井らは、フッ素系の原料を用いたCVDにより透明性の高
い撥水性膜を作製している(Journal of Materials Sci
ence, 32,4253-59(1997) )。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、南らの
方法は、高価な金属アルコキシドを原料に用いるうえ、
撥水膜の構造を得るには焼成後に更に熱水処理を必要と
するため、コストや生産性に問題がある。また実施可能
な膜の材質がベーマイトに限定される高井らの方法で
は、高価なCVD設備を用いるため、コストや生産性に
問題があることに加え、処理するものの大きさや形状に
も制限がある。
【0009】更に言えば、南らの方法や高井らの方法に
よって作成された超撥水性膜には、コスト面での問題に
加え、耐久的に超撥水性を長期間維持するというところ
にも問題があった。即ち、超撥水性・撥油性の膜は一般
に汚れにくい素材であることが知られているが、それで
も長期間の使用によって徐々に汚れが堆積していく。更
に詳しく言えば、上記従来技術に係る透明超撥水性膜で
は、長期の露出によって親水性やさほど撥水性でない汚
れが膜上に堆積することにより、高度の撥水性が失われ
てしまうのである。
【0010】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、構造制御が容
易で、撥水性と透明性を兼ね備え、更には適切な汚れ防
止機能を有する膜構造体およびその製造方法、並びに、
これに用いられるコーティング剤を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、撥水
処理が施される表面の構造・形態(具体的には表面粗
さ)を適切に調整することによって、撥水性の向上と光
透過性の獲得とを同時に実現することに成功し、本発明
を完成するに至った。
【0012】また、これによって得られた新規な超撥水
性透明膜に適度な量の光触媒を添加することにより、超
撥水性透明膜の撥水剤の機能を維持したまま当該光触媒
の自己清浄機能を存分に発揮させることが可能になると
いうことを見出し、今まで存在しなかった「自己清浄機
能を有する超撥水性透明膜」を得ることに成功した。
【0013】本発明に係る撥水性透明膜は、表面の平均
粗さRaが100nm以下で平均細孔径200nm以下の微小な凸
凹(なお、最大粗さRmaxが1.0μm以下であるのが
好ましい)を有する下地層に、撥水処理を行うことによ
って膜形成することを特徴とする。撥水処理は、フッ素
やシリコーン系の撥水剤またはこれらの組み合わせを用
いることが可能である。
【0014】また本発明では、撥水性透明膜に自己清浄
性を付与するために、前記微小な凸凹を有する下地層
に、光触媒を含有させている。このようにすると、下地
に含まれる光触媒の作用によって撥水処理層が分解され
てしまう可能性があるが、光触媒の濃度や分布を適切に
制御し、膜の下地に含まれる光触媒を下地面積の一部分
に抑えるようにすれば、この上部のわずかな撥水層のみ
が分解されたとしても、構造体表面全体のマクロな撥水
性には影響を与えないようにすることができる。
【0015】本発明に係る撥水性透明膜を作製するため
には、一次粒子径100nm以下の微粒子と、室温から700℃
までの温度で分解、燃焼、昇華等して除去される特性を
有する200nm以下の微粒子が溶剤に分散したエマルショ
ンを作製し、これを用いて常温で膜を作製した後、室温
から700℃までの温度で一定時間保持するようにすれば
よい。
【0016】更に光触媒との組み合わせで撥水性透明膜
を製造する場合には、前記エマルションに光触媒、若し
くはその前駆体を含む光触媒を適当な割合で加え、上記
と同様の工程に供することによって達成される。
【0017】より具体的には、本発明は以下のようなも
のを提供する。 (A1) 表面に撥水処理がなされた微小な凸凹層を表
層に備える超撥水性透明膜であって、前記微小な凸凹層
の平均粗さRaが100nm以下であり、平均孔径が2
00nm以下である超撥水性透明膜。
【0018】(A2) 最大粗さRmaxが1.0μm
以下である(A1)記載の超撥水性透明膜。
【0019】なお、「平均粗さRa」及び「最大粗さR
max」ともに、通常の表面粗さ計に標準装備されてい
るパラメータであり、通常の表面粗さ計によって容易に
測定することができるが、「平均粗さRa」というの
は、一般的に、微小凸凹の低部から頂部までの距離の標
準偏差をとった場合の中線の高さのことであり、「最大
粗さRmax」というのは、一般的に、微小凸凹の低部
から頂部までの距離の最大値を意味する。また、「平均
孔径」というのは、微小凸凹の凸と凸の間の距離の平均
値のことを意味する。
【0020】(A3) 前記表層には光触媒が分散され
ている(A1)又は(A2)記載の超撥水性透明膜。
【0021】(A4) 表面に撥水処理がなされた微小
な凸凹層を表層に備える超撥水性透明膜であって、前記
表層には光触媒が分散されている超撥水性透明膜。
【0022】(A5) 前記光触媒は酸化チタンである
(A3)または(A4)記載の超撥水性透明膜。
【0023】(A6) 前記酸化チタンの含有量は2重
量%程度であることを特徴とする(A5)記載の超撥水
性透明膜。
【0024】(A7) 表面に撥水処理がなされた微小
な凸凹層を表層に備える超撥水性膜であって、前記表層
には酸化チタン光触媒が分散されている超撥水性膜にお
いて、前記表層に対して0.5重量%〜20重量%の間
で前記酸化チタン光触媒の含有量を調整することによ
り、前記酸化チタン光触媒のセルフクリーニング効果を
維持しつつ、前記超撥水性膜の超撥水機能の持続力の調
整を行う方法。
【0025】(A8) 透明膜を形成するための塗布剤
であって、一次粒子径100nm以下の微粒子と、室温から
700℃までの間の温度で除去される特性を有する200n
m以下の微粒子と、が溶剤に分散したエマルションから
なる塗布剤。
【0026】(A9) 前記光触媒は酸化チタンである
ことを特徴とする(A8)記載の塗布剤。
【0027】(A10) 前記除去される特性は、分
解、燃焼、及び昇華からなる群より選ばれる1以上のも
のに起因するものである(A8)又は(A9)記載の塗
布剤。
【0028】(A11) (A8)から(A10)いず
れか記載の塗布剤を基材に塗布し、最大で700℃まで
の昇温を行って熱処理を施すことにより、微小な凸凹層
からなる透明な下地層を形成し、この下地層の少なくと
も一部分に撥水剤を塗布することによって透明撥水表面
を形成することを特徴とする撥水性透明膜の製造方法。
【0029】(A12) 前記下地層に塗布される撥水
剤は、フッ素系の撥水剤であることを特徴とする(A1
1)記載の製造方法。
【0030】(A13) 自己清浄機能を有する超撥水
性透明膜。
【0031】[超滑水性]超撥水性表面は表面と水との
接触面積を著しく小さくすることができる。静的な撥水
性は接触角で評価されるが実用上は動的な撥水性、すな
わち滑水性の方がより重要である。これは平坦な面を傾
けた際に液滴が転落を開始する角度(転落角)や、その
際の液滴と面がつくる前進接触角-後退接触角の差(ヒ
ステリシス)で評価され、近年は接触角よりもこれらの
指標を重要視する傾向が強い。
【0032】接触角が高い固体表面の液滴の転落角が常
に低いとは必ずしも限らず接触角が高いにも関わらず高
い転落角を示す場合もある。たとえば平滑なガラスにF
AS-17(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3)をコーティング
すると、水接触角は105°程度、20mgの液滴での転落
角は50°程度であるが、メチルトリメトキシシランを
コートしたガラスでは水接触角は64°程度と低いもの
の、20mgの液滴の転落角は約35°でFAS-17よりも
低くなる。
【0033】本発明に係る方法により製造された本発明
に係る超撥水性透明膜については、わずか数度の傾きで
水滴が転落するほどの滑水性(超滑水性)を示すものが
存在したことから、超滑水性を発現する原因について探
求したところ、超滑水性を示すか否かは、膜表面の凸凹
の形状の微妙な差に起因していることがわかった。
【0034】即ち、図4は本発明に係る方法により製造
された幾つかの超撥水性透明膜についての拡大断面図で
ある。この図から明らかなように、図4(a)〜(c)
にかけて膜表面の凸凹の形状が急峻になるにつれて撥水
性も増大していき、図4(c)に至っては、わずか数度
の傾きで水滴が転落するほどまで滑水性(超滑水性)が
高められている(図5参照)。
【0035】[超滑水性の原理] <不均一固体表面のぬれ性と超撥水>固体表面のぬれ特
性は一般に、接触角で表記され、比較される(図6
(A))。即ち、ぬらした液体に対して接触角が低いも
のはぬれ性が良く、高いものはぬれ性が悪いということ
になる。これに関し、水接触角について言えば、親水性
のものは接触角が低く、疎水性若しくは撥水性のものは
接触角が高いということになる。
【0036】ここで、固体平滑表面のマクロなぬれ性
は、Youngの式により以下のように記述される(井本稔
“表面張力の理解のために”高分子刊行会1-82, (199
3))。
【0037】
【数1】
【0038】式(1)中、γsv 、γsl 、γlvは固体-気
体、固体-液体、液体-気体間の表面(界面)自由エネル
ギーで、θは接触角である。
【0039】固体平滑表面での付着濡れによる仕事(Wa)
は以下のように表記される。
【0040】
【数2】
【0041】式(2)中、φは補正係数で、この値が大
きいほどぬれやすく、φは多くの固体-液体間で1前後の
値を持つ。因みに、今日までに得られている最も低い固
体の表面エネルギーはCF3末端を並べた表面で、その値
は約6mN/mである(E. G. Shafrin, and W.A. Zisman,
J. Phys. Chem., 64, 519, (1960) ; T. Nishio, M.M
eguro, K. Nakamae, M. Matsushita, and Y. Ueda, Lan
gmuir, 15, 4321-4323(1999))。
【0042】ここにおいて、φを1とし、水の γlvであ
る72.8mN/mを上式に代入すると、115.2°という接触角
の値が得られるが、これが平滑な固体表面において表面
エネルギーを低下させることによって到達可能な接触角
の計算上の上限であるということになる。即ち、これ以
上の接触角(即ち、115.2°以上の接触角)を得ようと
したとしても、対象となる固体表面が平らである限り、
固体表面の材質をいくら変えても無駄であるということ
になる。(従って、これ以上の接触角(即ち、115.2°
以上の接触角)を得ようとすれば、何らかの形で固体表
面の形状に手を加える必要があるということになる。)
【0043】ここで、超撥水という言葉には学術的な定
義はないが、一般的には、水との接触角が概ね150°以
上の状態、表面、材料等を指す。しかしながら、上述し
たように、115.2°を越える接触角は表面エネルギーを
低下させるだけでは得ることができない。このため、本
発明者らは、微小な凸凹を有する固体表面のぬれ現象に
ついて、更に考察を進めていった。
【0044】<微小な凸凹を有する固体表面のぬれ現象
>まず、微小な凸凹(即ち、粗さ)を付与した表面にお
けるぬれ現象では、固体の表面エネルギーの寄与が大き
くなる。このため、微小な凸凹を有する固体表面では、
親水性のものはより親水的に、撥水性のものはより撥水
的になる。
【0045】このような現象についてWenzelは、以下の
ような式を提示し、不均一固体表面でのぬれを表記した
(R. N. Wenzel, J. Phys. Colloid Chem., 53, 1466-7
(1949))。
【0046】
【数3】
【0047】式(3)中、θとθ’はそれぞれ平滑面での
接触角と粗面での接触角であり、rは表面の粗さにより
大きくなった実際の表面積を見かけの表面積で割ったも
ので(r=[実際の表面積/見かけの表面積])、Wenze
lのラフネスファクターと呼ばれている。
【0048】この式は、rが大きくなるとcosθ’が1以
上になるため、適用範囲に限界があるものの、平滑表面
に粗さが付与された際のぬれ性の変化をうまく説明する
ことができる(図6(B))。
【0049】ところが、撥水性固体の表面粗さを徐々に
大きくしていくと、やがて固液界面に空気が噛み込むよ
うになる。そして、固体表面のぬれ現象は、上記式(3)
の式(Wenzelの(3))から外れるようになってくる。
【0050】これについてCassieは、液体との界面を固
体と気体の複合相とし、それぞれの相からの寄与率が面
積分率に依存すると仮定し、気体と水との接触角が180
°と近似できることを考慮して、固液界面に空気が噛み
込むことによる撥水性を以下のような式で記述した(A.
B. D. Cassie, Discuss. Farady Soc., 3, 11-16 (194
8))。
【0051】
【数4】
【0052】式(4)中、f1 、θ1はそれぞれ液体との
界面での固体の面積分率と、平滑固体表面での接触角で
ある(図6(C))。
【0053】<撥水性と滑水性>静的な撥水性は接触角
で評価されるが実用上は動的な撥水性、すなわち滑水性
の方がより重要である。これは平坦な面を傾けた際に液
滴が転落を開始する角度(転落角)や、その際の液滴と
面がつくる前進接触角-後退接触角の差(ヒステリシ
ス)で評価され、近年は接触角よりもこれらの指標を重
要視する傾向が強い(W. Chen. A. Y. Fadeev, M. C. H
sieh, D. Oner, J. Youngblood, and T. J.McCarthy La
ngmuir, 15, 3395-3399, (1999))(図7)。
【0054】既に述べたように、接触角が高い固体表面
の液滴の転落角が常に低いとは限らず、逆に、接触角が
高いにも拘らず高い転落角を示す場合もある(村瀬、日
本学術会議、第5回界面シンポジウム予稿集p9-18(199
8))。Wolframは、水-パラフィン系での水の転落角が
液滴の固体との接触面での半径Rに比例することを実験
的に見出し、平滑傾斜面での液滴の力学的平衡について
以下の関係式を提示している(E. Wolfram, and R. Fau
st, Wetting, Spreading, and Adhesion; Padday, J.
F., (ed.); Academic Press: London, pp213-222 (197
8))。
【0055】
【数5】
【0056】式(5)中、αは転落角、kは固体と液体の相
互作用エネルギーである。村瀬はこの式を更に発展さ
せ、相互作用エネルギーを転落角、接触角、液滴重量の
3つの測定可能なパラメータと関連づけて以下のように
記述している(村瀬、日本学術会議、第5回界面シンポ
ジウム予稿集p9-18(1998))。
【0057】
【数6】
【0058】式(6)中、m,ρ,gはそれぞれ液滴重量、液
滴密度、重力加速度である。ここで、先に述べたFAS-17
(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3)とメチルトリメトキシシ
ランについて相互作用エネルギーを計算すると前者が1
2〜13mJ/m2、後者が6〜7mJ/m2となり、FAS-17の方
が水との相互作用エネルギーが高いということがわか
る。
【0059】一方、平滑な面に粗さが付与された際の液
滴の転落については、Dettreらが表面粗さをサインカー
ブで近似し、これに対する水転落角、前進後退接触角を
シミュレーションしている(R. E. Johnson Jr, and R.
H. Dettre. Adv.Chem.Ser.,43, 112-135, (1963))。
彼らの解析結果を図8に示す。
【0060】この図8から明らかなように、平滑面での
接触角が120°の場合には、ラフネスファクターが1から
1.8程度まではWenzel モードが支配的になり、それに応
じてヒステリシスが大きくなるが、1.8程度以上になる
とCassieモードが支配的になり、それに伴ってヒステリ
シスが著しく小さくなる。彼らはワックスを用いて作製
した超撥水表面に対して実際にヒステリシスを検討し、
この解析とほぼ同じ結果が得られることを確認している
(R. H. Dettre, and R. E. Johnson Jr., Adv. Chem.
Ser., 43, 136-144, (1963))。
【0061】即ち、Wenzelモードでは表面粗さが液滴の
転落に対して抵抗として作用してしまうこととなるが、
Cassieモードでは空気の寄与が大きく、このため表面粗
さが大きくなるほど空気の噛み込み量が多くなり、液滴
が転落しやすくなると考えられる。
【0062】従って、液滴が転落しやすい理想的な表面
構造というのは、いくつかの点で液滴を支持して、しか
も界面に空気を多く含むことのできる剣山のような構造
であると結論づけられた。
【0063】図9には、本発明者らが作製した光触媒添
加-超撥水性透明膜(後述の実施例2のデータ)のう
ち、超滑水性を示したもののAFM像が示されている。超
撥水性透明膜を作成する際の原料組成を最適化すること
により、剣山状の構造が実現され、接触角が161°で、7
mgの水滴に対する転落角がわずか0.7°という極めて高
い撥水性、滑水性のデータが得られている。
【0064】上述の方法で作製した膜について我々は針
状の表面構造を仮定して、液滴の接触角と転落角の関係
について独自に解析を行い、接触角が高くなるにつれ
て、Cassieモードで記述される状態になっていくことを
見出している。超撥水表面での滑水性は超撥水を発現す
る機構に依存し、優れた滑水性を示す表面はCassieモー
ドで支配されていると言うことができる。
【0065】なお、滑水性については、これまで述べた
表面エネルギーや表面微構造に起因するものでなく、撥
水剤の化学組成の関与の可能性が指摘されている。
【0066】例えば、村瀬らは、水と各種ポリマーとの
相互作用による水分子の構造変化のシュミレーションを
行った結果、フッ素系分子では水が氷様の構造をとるこ
とを見出し、これがフッ素系ポリマー表面での水の転落
角の高さに影響していると主張している(H. Murase an
d T. Fujibayashi, Progress in Organic Coatings31,
97-104, (1997))。
【0067】水の構造性の影響については、今後更に検
討が必要であるが、現在のところ本発明者らは、Cassie
モードで支配される超撥水膜表面においては、滑水性に
は、噛み込んだ空気による寄与が支配的で、水の構造性
は殆ど寄与しないと考えている。即ち、この点におい
て、本発明者らにより見出された超滑水性現象は、従来
技術(村瀬らの研究)とは異なるものである。
【0068】<超滑水性表面の作製>これまでのことを
簡単に纏めると、表面に微小な凸凹を有する場合には、
基本的にはWenzelモードに従い、表面の凸凹によって実
際に増加した表面積の倍数分、(正の方向にも、負の方
向にも)接触角が拡大され、はじく表面は更にはじくよ
うになり、ぬれる表面はよりぬれやすくなる。
【0069】ここで、表面粗さが粗くなった場合には、
Wenzelモードによる支配の下では、表面粗さが液滴の転
落に対して抵抗として作用してしまうこととなるので、
接触角を大きく取ることはできても、転落角が大きくな
り、撥水性はよくなっても滑水性は向上しないというこ
とになる。
【0070】ところが、Cassieモードの支配下では、凹
部に閉じ込められる空気の寄与が大きく、表面粗さが大
きくなるほど空気の噛み込み量が多くなり、液滴が転落
しやすくなる(転落角が小さくなる)。
【0071】従って、滑水性を上げるためには、Cassie
モードの支配下で、表面粗さを大きくする必要がある。
更には、超撥水性透明膜のところで述べたように、表面
粗さと光の波長との関係を考慮すれば、透明な超滑水性
膜を作製することができる。
【0072】表面粗さを粗くしたままCassieモード支配
下に移行させるためには、表面で固体部分が占める割合
(前記ファクターf)を小さくして、表面における空気
の寄与を大きくする必要がある(逆に、f=1に近づく
につれてYoungの式に近づいてしまうことになる(f=1
のときにYoungの式に一致))。
【0073】そこで、図10(A)の様な相似な針の連
続構造を仮定し、固体・液体の接触部=a とするとro
ughness factorはa/b と仮定できる。これを基に村
瀬が提唱した、平滑面乙の水滴の転落理論と、Wenzelの
式、Cassieの式を組み合わせると、一定の粗さを持つ疎
水的な表面乙の接触角と転落角の関係が得られる。その
関係を図10(B)に示す。図中の点は本発明記載の実
施例2の方法により得られる膜について得られた値であ
る。
【0074】図10(B)に示されるように、Wenzelの
ラフネスファクターrが小さくなるにつれ、空気の噛み
込み量が多くなり、Cassieモードに移行していくという
ことがわかる。そして、Cassieモードに移行すれば、空
気の寄与によって超滑水性が出ることになる。
【0075】以上のような原理等に基づいて、本発明者
らにより提供される超滑水性現象に関する方法・膜は以
下のようなものである。
【0076】(B1) 表面に撥水処理がなされた微小
な凸凹層を表層に備える撥水膜において、「「水滴が滴
下されたときに想定される当該水滴の底面」と「水滴が
滴下されたときに前記微小な凸凹層の凹部に噛み込まれ
る空気」との接触面積」と「水滴が滴下されたときに想
定される当該水滴と固体相との接触面積」の比を調整す
ることにより、前記撥水膜の滑水性を調整する方法。
【0077】(B2) 前記「水滴が滴下されたときに
想定される当該水滴と固体相との接触面積」に対する前
記「「水滴が滴下されたときに想定される当該水滴の底
面」と「水滴が滴下されたときに前記微小な凸凹層の凹
部に噛み込まれる空気」との接触面積」の比を大きくす
ることにより、前記撥水膜の滑水性を高める(B1)記
載の方法。
【0078】(B3) 前記微小な凸凹層の凸部の形状
を上方に向かって先細り形状とすることにより、前記
「水滴が滴下されたときに想定される当該水滴と固体相
との接触面積」に対する前記「「水滴が滴下されたとき
に想定される当該水滴の底面」と「水滴が滴下されたと
きに前記微小な凸凹層の凹部に噛み込まれる空気」との
接触面積」の比を大きくする(B2)記載の方法。
【0079】(B4) 面に撥水処理がなされた微小な
凸凹層を表層に備える撥水膜において、「「水滴が滴下
されたときに想定される当該水滴の底面」と「水滴が滴
下されたときに前記微小な凸凹層の凹部に噛み込まれる
空気」との接触面積」と「水滴が滴下されたときに想定
される当該水滴と固体相との接触面積」の比が調整され
ることにより、超滑水性が付与された超滑水性撥水膜。
【0080】(B5) 7mgの水滴の転落角度が7度
以下である超滑水性膜。因みに、この角度は好ましくは
5度以下、より好ましくは3度以下、更に好ましくは1
度以下である。
【0081】(B6) 超撥水性膜である(B4)また
は(B5)記載の超滑水性膜。
【0082】(B7) 光触媒が分散されている(B
4)から(B6)いずれか記載の超滑水性膜。
【0083】(B8) 光触媒は酸化チタンである(B
7)記載の超滑水性膜。
【0084】(B9) 透明であることを特徴とする
(B4)から(B8)いずれか記載の超滑水性膜。
【0085】
【発明の実施の形態】以下、本発明の理解を容易にする
ために、本発明の実施の形態について具体的かつ詳細に
説明する。
【0086】高い撥水性を持たせるためには、膜に一定
の粗さを持たせ、その面を撥水化することが必要であ
る。但し、透明性を確保するためには、その粗さは可視
光が散乱しない程度に抑えなければならない。即ち、高
い撥水性を持たせつつも透明性を確保するためには、適
当な範囲の粗さを持つ表面を構築することが技術的な課
題となる。
【0087】ここで、物質による光の散乱は通常、表面
の平均粗さ(Ra)が波長の1/10〜1/5程度の大きさ
から顕著になり、可視光の波長が主には400〜800nm程度
であることから、この波長域で透明性を確保するために
は一般に表面の平均粗さ(Ra)を100nm程度以下に抑えな
ければならない。
【0088】このようなことから、本発明に係る撥水性
透明膜は、表面の平均粗さ(Ra)が100nm以下で平均細孔
径200nm以下の微小な凸凹を有する下地層(最大粗さRma
xが1.0μm以下であるのが好ましい)に、撥水処理を行
うものとなっているが、本発明で得られる膜は、かかる
微小な凸凹を有する膜であるため、可視光の表面散乱を
低く抑えることができるのである。加えて、例えば酸化
チタンのような屈折率が高い材料の表面反射を抑えるこ
とができ、可視光の透過率を向上させることができる。
【0089】本発明のエマルションに使用される微粒子
の大きさは、膜が必要とする表面粗さとエマルションの
時間的安定性から一次粒子径が100nm以上では実施が困
難である。微小な凸凹を有する膜の細孔(谷間)は、原
料の種類や大きさによって制御することが可能である
が、透明性と撥水性を好適に両立するには平均細孔径20
0nm程度以下であることが望ましい。細孔の大きさ(凸
と凸の間の距離)が200nmを越えてくると、可視光域で
の光の散乱が顕著になってくるため好ましくない。この
一方で、極端に小さい(例えば10nm程度の細孔(谷
間))細孔(谷間)が分布した表面は、細孔(谷間)の
表面や内部に均一な撥水処理を行うことが困難になると
考えられる。また、本発明に係る膜は、最大粗さRmaxが
1μmを越えると、透過率が65%以下となってしまい、
透明性が悪くなる。
【0090】本発明に係る撥水性透明膜を製造するため
に、本発明者らが膜の構成成分またはその原料の一部も
しくは全てが溶剤中によく分散する微粒子からなるエマ
ルションを用いて鋭意検討した結果、このようなエマル
ションに、室温から700℃までの温度で分解、燃焼、昇
華し、この溶剤に溶解または分散する物質を添加して常
温で膜を作製した後、室温から700℃までの温度で一定
時間保持することにより、微小な凸凹を有する本発明に
係る膜の下地構造が作製できることを見出し、さらにそ
の表面を適当なフッ素系撥水剤等で処理すると表面が超
撥水化し、本発明に係る撥水性透明膜が得られるという
ことも見出した。
【0091】ここで、本発明で使用可能な膜の材質は、
可視光域(主に波長が400〜800nmの領域)に吸収がない
ものであれば無機化合物でも有機化合物でもよい。ま
た、膜の作製方法としては、低コストという観点からす
れば、スピンコート、ディップコート、スプレー法等の
湿式法が好ましく、またこのような簡易で実用的な湿式
コーティングを施すだけで透明撥水膜が得られるという
のが、本発明の利点の一つである。
【0092】なお、室温から700℃までの温度で除去
される特性を有する物質を添加しない系では、膜の透明
性は満足するものの、微小な凸凹を有する本発明に係る
膜の下地構造とはならず、このため撥水処理を行っても
超撥水性を付与することができないということが知見さ
れている。
【0093】[室温から700℃までの温度で除去され
る特性を有する無機化合物の例]室温から700℃まで
の温度で除去される特性を有する物質(室温から700
℃までの温度で分解、燃焼、昇華する物質)について
は、無機化合物にも有機化合物にも限定されない。
【0094】このような化合物としては、例えば無機化
合物では、以下のようなものを例として挙げることがで
きる。
【0095】<非金属化合物>臭化ヨウ素、塩化アンモ
ニウム、臭化アンモニウム、リン酸化物、リン塩化物、
四ヨウ化炭素など。
【0096】<無機金属塩>ヨウ化ガリウム、フッ化ゲ
ルマニウム、硫化ゲルマニウム、二酸化セレン、ヨウ化
ビスマス、ヨウ化スズ、フッ化ジルコニウム、ヨウ化ジ
ルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、三
塩化酸化ニオブ、臭化トリウム、フッ化チタン、臭化水
銀、ヨウ化水銀、硫化水銀、塩化コバルト、塩化ハフニ
ウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、塩化インジ
ウム、臭化インジウム、酸化インジウム、三塩化一酸化
モリブデン、酸化モリブデン、塩化オスミウム、ハロゲ
ン化プロトアクチニウム、塩化ポロニウム、臭化ポロニ
ウム、塩化レニウム、臭化レニウム、テトラクロロ亜鉛
酸アンモニウムなど。
【0097】<有機金属塩>アセチルアセトンアルミニ
ウムに代表されるアセチルアセトン錯塩、ジメチルベリ
リウム、シクロペンタジエニルコバルト、シクロペンタ
ジエニル鉄、シクロペンタジエニルモリブデン、シクロ
ペンタジエニルニオブ、シクロペンタジエニルチタン、
シクロペンタジエニルタンタル、ヘキサカルボニルクロ
ム、ヘキサカルボニルモリブデンなど。
【0098】[室温から700℃までの温度で除去され
る特性を有する有機化合物の例]また、有機化合物とし
ては、以下のようなものを例として挙げることができ
る。
【0099】<カルボン酸及びその誘導体>シュウ酸、
クエン酸、アミノ吉草酸、フマル酸、クロロフマル酸、
シクロヘキセンジカルボン酸、グリコール酸、チオ二酢
酸グリセリン酸、サリチル酸、クロロ安息香酸、ジクロ
ロ安息香酸、ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、アミ
ノ安息香酸、ジブロモ安息香酸、ジメチル安息香酸、ジ
ヒドロキシ安息香酸、アセチル安息香酸、イソプロピル
安息香酸、ジアミノ安息香酸、ベンジル安息香酸、ベン
ゾイル安息香酸、スルファモイル安息香酸、アロファン
酸エチル、アントラキノンカルボン酸、アントラセンカ
ルボン酸、イソニコチン酸、イソバニリン酸、イソフタ
ル酸、エチルヒドロキシ酪酸、ジエチルハルビツル酸、
ショウノウ酸、チオシアン酸エチレン、、チオフェンカ
ルボン酸、デソキサル酸、テトラクロロフタル酸、フェ
ニルプロピオン酸、フェニルケイ皮酸、フタル酸、フタ
ル酸イミド、フランジカルボン酸、ベンゼントリカルボ
ン酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゾフェノンジカル
ボン酸、マンデル酸、メチルアントラニル酸、テレビン
酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタルアルデヒド酸、
トルキシン酸、ニコチン酸、馬尿酸、バニリン酸、ヒダ
ントイン酸、ヒドロアクリル酸、ビフェニルカルボン
酸、ピペリン酸、ピペロニル酸、イソフタロニトリル、
アミノサリチル酸、アミノフェニルプロピオン酸など。
【0100】<アミン類及びアミド化合物>メチル尿
素、エチル尿素、アセチル尿素、アセチルメチル尿素、
ベンゾイル尿素、フェニルチオ尿素、トルエンジアミ
ン、アミノクレゾール、アミノフェノール、アミノベン
ズアルデヒド、アントリルアミン、キノリルアミン、サ
リチルアミド、ジフェニルアセトアミド、ジベンズアミ
ド、ジアミノジフェニルアミン、スクシンアミド、スチ
ルベンジアミン、ブロモアニリン、アミノナフトール、
アミノアントラキノン、ナフチルヒドラジン、ナフタレ
ンジアミン、バレルアミド、ピルビンアミド、フェナン
トリルアミン、ブロモアセトアミド、ボルニルアミン、
ヒドロキシイミノアセトン、ピペラジンジオンなど。
【0101】<芳香族化合物>ジクロロベンゼン、トリ
ヨードベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモ
ベンゼン、ジジニトロトルエン、ジニトロフェノール、
ジヒドロアセトフェノン、ジメチルヒドラゾベンゼン、
ジヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズフェノン、フェ
ニルヒドラゾン、ベンズアルデヒドアジン、ニトロクレ
ゾール、ニトロベンゾニトリル、ヒドロキシイミノアセ
トフェノン、ヒドロキシベンズアルデヒド、フェノール
フタレイン、フタルイミド、フェニルフタルイミド、サ
リチルアルコール、ニトロキノリン、ベンゾイソキノリ
ン、キシレンジオール、トルエンジオールビフェニルジ
オール、トリフェニルイミダゾール、トリフェニルグア
ニジン、トリフェニレン、トリベンゾイルメタン、トリ
ベンゾイン、テトラフェニルメタン、ヘキサフェニルエ
タン; ナフタレン、クロロナフタレン、ナフチルケト
ン、ナフトール、ジニトロナフタレン、ナフタレンジオ
ール、メチルアントラセン、フェナントレンジオールな
ど。
【0102】<キノン類>ジクロロヒドロキノン、ジク
ロロベンゾキノン、テトラクロロヒドロキノン、ジヒド
ロキシベンゾキノン、ジメチルベンゾキノン、トリクロ
ロヒドロキノン、トリクロロベンゾキノン、ベンゾアン
トラキノン、トルキノン、ナフトキノン、ジヒドロキシ
ナフトキノン、アセナフテンキノン、アミノアントラキ
ノン、テトラヒドロキシアントラキノン、トリヒドロキ
シアントラキノン、トリヒドロキシメチルアントラキノ
ン、ブロモアントラキノン、ジヒドロキシアントラキノ
ン、クリセンキノンなど。
【0103】<アゾ化合物群、複素環式化合物、ハロア
ルカン、その他>アゾキシ二安息香酸、アゾキシベンゼ
ン、アゾナフタレン、アゾ二安息香酸、インジゴ、オキ
シインジゴ、アリザリンブルー、テトラゾール、テトラ
メチルピロール、キノリンジオール、キンヒドリン、ア
トロピン、アロキサン、イサチン、インジルビン、イン
ダントロン、ガランギン、クロモン、クロラニル、コデ
イン、コリン、サリシン、サルコシン、シアノグアニジ
ン、シアメリド、シクロヘキサンジオン、ジチオオキサ
ミド、ジヒドロアクリジン、ジヒドロキシクマリン、ジ
メチルグリオキシム、シンコニン、ソラニジン、チミ
ン、ジメチルキサンチン、テトラジン、テバイン、ナル
コチン、ニトロレソルシノール、パパベリン、ハルミ
ン、ブロマニル、ペリレン、ルテオリン、グリオキシ
ム、ショウノウ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、ジヨードエタン、ヘキサニトロエタン、ヘキサブロ
モエタン、ペンタブロモアセトン、各種ポリマー類な
ど。
【0104】[撥水剤]撥水剤としては、フッ素やシリ
コーン系の撥水剤またはこれらの組み合わせを用いるこ
とが可能であるが、フッ素を含有したものが表面エネル
ギーを低下させる効果が大きいため好ましく、特にフル
オロアルキルシランが好ましい。この他、パーフルオロ
アルキルカルボン酸系、パーフルオロアルキルスルホン
酸系、パーフルオロアルキルリン酸系等の表面処理剤、
パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、PTFE に
代表される各種フッ素系樹脂、フッ化グラファイト、フ
ッ化ピッチ等も適用が可能である。撥水処理は微小な凸
凹を有する下地層同様、湿式法が効率やコストの点で最
も優れるが、原料によっては蒸着法やスパッタ法も可能
である。
【0105】[光触媒]添加することが可能な光触媒材
料としては酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸ス
トロンチウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅のう
ち一種類若しくは複数を組み合わせて使用できる。これ
らの前駆体としては、これらの光触媒を加熱により生じ
る各種の無機、有機化合物が挙げられ、例えば酸化チタ
ンの場合は水酸化チタン、チタンテトラプロポキシド等
のチタンアルコキシド類、塩化チタン、硫酸チタン、臭
化チタン、ヨウ化チタン、ビスシクロペンタジエニルチ
タン、ジカルボニルビスシクロペンタジエニルチタン、
クロロビスシクロペンタジエニルチタン、ジクロロビス
シクロペンタジエニルチタン、ジメチルビスシクロペン
タジエニルチタン、トリクロロシクロペンタジエニルチ
タン、テトラベンジルチタンなどが挙げられる。
【0106】ここで、膜の構成体は大きさや溶解性の条
件を満たしていれば、複数の物質を組み合わせたもので
あってもよいが、例えば酸化チタン光触媒については有
機撥水剤を分解する性質を備えているため、酸化チタン
光触媒を膜に入れる場合にはその濃度を2wt%程度に
調整するか(これについては、後の実施例において検証
される)、または、シリコン、アルミニウム、ジルコニ
ウム等の酸化物または水酸化物もしくはそれらの混合物
で基材を構成し、これらの基材の0.5〜60wt%の
範囲の量で酸化チタン光触媒を添加することが望まし
い。光触媒の添加量がこれより多くなると光触媒活性は
増加するが、撥水材の耐久性は低下してしまうために接
触角が短時間で低下することとなる。
【0107】[用途]所定の材料に超撥水性を付与した
場合には、着雪雨滴防止、汚れ防止、防錆、電気絶縁
性、離型性など様々な目的に対して、従来の接触角10
0〜110°程度の撥水性表面に較べ、極めて高い効果
が期待できる。また、水を介した化学反応の進行や局部
電池の形成、電気回線のショート、あるいは水素結合の
形成を抑えることができる。
【0108】そしてその適用範囲は、自動車や新幹線等
の乗り物の外装、船底塗料、外灯、台所及び台所用品、
浴室や洗面所とその用品、漁業用網、ブイ、歯科用品、
電気機器、住宅の床や外装、玄関ドア及びノブ、屋根、
プール及びプールサイド、橋脚、門扉、ポスト、ベン
チ、鉄塔、アンテナ、電線、ガレージ、テント、傘、レ
インコート、スポーツ用品およびスポーツ衣料、ヘルメ
ット、靴や鞄などの皮革製品、カメラ、ビデオ、紙、ス
ピーカー等の屋外拡声器や音響機器、カーテン、絨毯、
ガソリンスタンド等の注油ノズル、精油所等の化学プラ
ント、金属製工具類、釘やネジ、バケツ類等、広範囲に
及ぶ。
【0109】因みに、従来技術に係る透明超撥水性膜で
は、長期の露出によって親水性やさほど撥水性でない汚
れが膜上に堆積することにより、高度の撥水性が失われ
てしまうが、これに対する対策として、撥水性と光触媒
の分解活性の組み合せにより一段と優れた防汚効果を得
た例についての報告はない。
【0110】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。なお、本実施
例において使用した表面粗さ測定器と測定精度は下表の
通りである。
【0111】
【表1】
【0112】
【実施例1】アセチルアセトンアルミニウムのエタノー
ル溶液 (2.37wt%) に硝酸含有ベーマイト0.24wt% を分
散したゾルを、パイレックスガラスにスピンコートで塗
布後、490°Cのホットプレート上で10秒間で焼成するサ
イクルを10回繰り返した。
【0113】スピンコート後は白濁していた膜は、加熱
により白煙を発して透明化した。この膜の水の接触角は
0°であった。得られた膜付きパイレックスガラスを当
量の水で加水分解したフルオロアルキルシランの2%メ
タノール溶液に40分間浸した後、140℃で20分乾燥
して撥水処理を行った。
【0114】得られた膜表面の平均粗さは99nm、最大粗
さ1μm、透過率80〜95%、撥水処理後の接触角は150°
であり、平均細孔径200nmの微小な凸凹を有する透明膜
であった。
【0115】
【実施例2】実施例1の方法でアセテルアセトンアルミ
ニウム0.366g、エタノール10gに対してベーマ
イト量を振った場合の撥水膜の接触角と転落角の様子を
図11に示す。この図11により、ベーマイト量を変化
させた場合には、接触角については極小が存在し、転落
角については極大が存在するということがわかり、これ
により、組成を最適化しないと接触角と転落角が大きく
変わってしまうということがわかる。
【0116】
【実施例3】アセチルアセトンアルミニウムのエタノー
ル溶液 (2.37wt%) に硝酸含有ベーマイト0.24wt% とア
セチルアセトンチタン0.2wt%をそれぞれ分散したゾル
を、パイレックスガラスにスピンコートで塗布後、490
℃のホットプレート上で10秒間で焼成するサイクルを5
回繰り返し、透明膜を作製した。
【0117】この膜の光触媒活性は1mmolのメチレンブ
ルー溶液に1時間膜を浸して乾燥後、1.7mW/cm2のブラッ
クライト下で光触媒による分解挙動を580nmでのABSで評
価した(高見和之、中曽根隆義、橋本和仁、藤嶋昭、工
業材料vol46, No.5, 102-105(1998))。
【0118】その結果、初期5分のABS変化は-0.0006ABS
/min,であった。一方この膜を暗所に保管した場合、ABS
の変化は認められなかった。この膜の水の接触角は8.7
°であった。また、当量の水で加水分解したフルオロア
ルキルシランの2%メタノール溶液に40分間膜を浸した
後、140℃で20分乾燥して撥水処理を行ったところ、
得られた膜表面の平均粗さは37nm、最大粗さ0.33μm、
透過率90%以上、撥水処理後の接触角は153°であり、平
均細孔径200nmの微小な凸凹を有する透明膜であった。
【0119】この膜に対し、室温で1.7mW/cm2の強度の
ブラックライトにて光を照射し続けたところ、水との接
触角が徐々に低下したが500時間を経過してもなお146°
を示していた。
【0120】
【実施例4】アセチルアセトンアルミニウムのエタノー
ル溶液 (2.37wt%) に硝酸含有ベーマイト0.24wt% とア
セチルアセトンチタン1.0wt%をそれぞれ分散したゾル
を、パイレックスガラスにスピンコートで塗布後、490
℃のホットプレート上で10秒間で焼成するサイクルを5
回繰り返し、透明膜を作製した。
【0121】この膜の光触媒活性は1mmolのメチレンブ
ルー溶液に1時間膜を浸して乾燥後、1.7mW/cm2のブラッ
クライト下で光触媒による分解挙動を580nmでのABS
で評価した。
【0122】その結果、初期5分のABS変化は-0.001
ABS/min,であった。この膜の水の接触角は5.2°であっ
た。また、当量の水で加水分解したフルオロアルキルシ
ランの2%メタノール溶液に40分間膜を浸した後、140℃
で20分乾燥して撥水処理を行ったところ、得られた膜表
面の平均粗さは48nm、最大粗さ0.67μm、透過率80〜90
%、撥水処理後の接触角は151.7°であり、平均細孔径20
0nmの微小な凸凹を有する透明膜であった。
【0123】この膜に対し、室温で1.7mW/cm2の強度の
ブラックライトにて光を照射し続けたところ、水との接
触角が徐々に低下した、100時間を経過したところで144
°を示していた。
【0124】
【実施例5】アセチルアセトンアルミニウムのエタノー
ル溶液 (2.37wt%) に硝酸含有ベーマイト0.24wt% とア
セチルアセトンチタン2.0wt%をそれぞれ分散したゾル
を、パイレックスガラスにスピンコートで塗布後、49
0℃のホットプレート上で10秒間で焼成するサイクルを
5回繰り返し、透明膜を作製した。
【0125】この膜の光触媒活性は1mmolのメチレンブ
ルー溶液に1時間膜を浸して乾燥後、1.7mW/cm2のブラッ
クライト下で光触媒による分解挙動を580nmでのABSで評
価した。
【0126】その結果、初期5分のABS変化は-0.001
2ABS/min,であった。この膜の水の接触角は4.8°であっ
た。また、等量の水で加水分解したフルオロアルキルシ
ランの2%メタノール溶液に40分間膜を浸した後、140
℃で20分乾燥して撥水処理を行ったところ、得られた
膜表面の平均粗さは53nm、最大粗さ0.83μm、透過率65
〜85%、撥水処理後の接触角は155°であり、平均細孔径
200nmの微小な凸凹を有する透明膜であった。
【0127】この膜に対し、室温で1.7mW/cm2の強度の
ブラックライトにて光を照射し続けたところ、水との接
触角が徐々に低下した、36時間を経過したところで76°
となった。
【0128】
【比較例1】ベーマイト単独で実施例1の濃度で成膜し
た。その結果透明な緻密構造の膜となり、表面の平均粗
さ20nm、最大粗さ55nm、光透過率90%の透明膜が作製で
きたが、緻密であるため撥水効果が不充分で、撥水処理
前の接触角は14.5°、撥水処理後の接触角は116°であ
った。
【0129】
【比較例2】アセチルアセトンアルミニウムのエタノー
ル溶液 (2.37wt%) に硝酸含有ベーマイト0.24wt% とア
セチルアセトンチタン1.0wt%とシリカアルコキシド0.1w
t%を添加分散したゾルを、パイレックスガラスにスピン
コートで塗布後、490℃のホットプレート上で10秒間で
焼成するサイクルを3回繰り返し、透明膜を作製した。
この膜の水の接触角は4.3°であった。膜表面の平均粗
さは183nm、最大粗さ1.88μm、透過率は60〜85%であっ
た。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
撥水性・滑水性が高い状態を長時間にわたって維持する
ことができる撥水性・滑水性透明膜を容易に作製するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例3、実施例4の膜の分光透過
率曲線を示す図である。
【図2】実施例で得られた膜のSEM写真を示す図である。
【図3】本発明に係る超撥水性透明膜に含有される酸化
チタンの量を調整した場合の水の接触角の経時変化を示
すグラフである。
【図4】本発明に係る超撥水性透明膜の内で超滑水性を
示すものについての原理を説明するための図である。
【図5】超滑水現象を説明するための図であり、超滑水
性膜上に置かれた水滴が僅か数度の傾きで転がり落ちる
様子を写真でとらえたものである。
【図6】表面の微細構造と接触角の関係を説明するため
の図である。
【図7】傾斜面における液滴の状態を、関係するパラメ
ータと共に図示した説明図である。
【図8】Dettreらによる解析結果(R. E. Johnson Jr, a
nd R. H. Dettre. Adv.Chem.Ser., 43, 112-135, (196
3))を示す図である。
【図9】実施例5において作製された光触媒添加-超撥水
性・超滑水性透明膜のAFM写真を示す図である。
【図10】超滑水性発現の原理を説明するための図であ
る。
【図11】ベーマイト量を変化させた場合の撥水膜の接
触角の様子(図11(A))と転落角の様子(図11
(B))を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニ ューシティー本郷台D棟213 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710番地5 Fターム(参考) 4D075 CA36 DC38 EA43 EB16 EB42 EC02 EC43 4H020 BA04 4J038 EA011 HA216 KA04 NA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に撥水処理がなされた微小な凸凹層
    を表層に備える撥水膜において、「「水滴が滴下された
    ときに想定される当該水滴の底面」と「水滴が滴下され
    たときに前記微小な凸凹層の凹部に噛み込まれる空気」
    との接触面積」と「水滴が滴下されたときに想定される
    当該水滴と固体相との接触面積」の比を調整することに
    より、前記撥水膜の滑水性を調整する方法。
  2. 【請求項2】 前記「水滴が滴下されたときに想定され
    る当該水滴と固体相との接触面積」に対する前記「「水
    滴が滴下されたときに想定される当該水滴の底面」と
    「水滴が滴下されたときに前記微小な凸凹層の凹部に噛
    み込まれる空気」との接触面積」の比を大きくすること
    により、前記撥水膜の滑水性を高める請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記微小な凸凹層の凸部の形状を上方に
    向かって先細り形状とすることにより、前記「水滴が滴
    下されたときに想定される当該水滴と固体相との接触面
    積」に対する前記「「水滴が滴下されたときに想定され
    る当該水滴の底面」と「水滴が滴下されたときに前記微
    小な凸凹層の凹部に噛み込まれる空気」との接触面積」
    の比を大きくする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 表面に撥水処理がなされた微小な凸凹層
    を表層に備える撥水膜において、「「水滴が滴下された
    ときに想定される当該水滴の底面」と「水滴が滴下され
    たときに前記微小な凸凹層の凹部に噛み込まれる空気」
    との接触面積」と「水滴が滴下されたときに想定される
    当該水滴と固体相との接触面積」の比が調整されること
    により、超滑水性が付与された超滑水性撥水膜。
  5. 【請求項5】 7mgの水滴の転落角度が7度以下であ
    る超滑水性膜。
  6. 【請求項6】 超撥水性膜である請求項4または5記載
    の超滑水性膜。
  7. 【請求項7】 光触媒が分散されている請求項4から6
    いずれか記載の超滑水性膜。
  8. 【請求項8】 光触媒は酸化チタンである請求項7記載
    の超滑水性膜。
  9. 【請求項9】 透明であることを特徴とする請求項4か
    ら8いずれか記載の超滑水性膜。
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