JP2019009000A - 電子放出素子、電子放出装置、電子放出素子の製造方法、及び、電子放出素子を備える装置 - Google Patents

電子放出素子、電子放出装置、電子放出素子の製造方法、及び、電子放出素子を備える装置 Download PDF

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Abstract

【課題】局所的な素子抵抗値の低下を抑制することによって、電圧印加を再開した際の電子放出素子内で発生する突入電流を低減する。
【解決手段】電圧印加される電極間に電子加速層が形成されている電子放出素子において、前記両電極のうち電子放出面となる電極と対に成って構成される電極と前記電子加速層との間に、電気的に正温度係数特性を有する誘電体層が形成されていて、前記誘電体層は、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛のうち少なくともいずれかを含むセラミックであるか、又は、導電性カーボンとポリエチレン系高分子とを含むポリマーであり、前記両電極と前記電子加速層と前記誘電体層とによるプレーナ構造とされている。
【選択図】図9

Description

本発明は、電子放出素子、電子放出装置、電子放出素子の製造方法、及び、電子放出素子を備える装置に関する。
特許文献1には、チタン酸バリウムのように比誘電率が1000以上のエミッタ部を備え、エミッタ部の上面に酸化物からなる保護膜が形成されている電子放出装置が開示されている。この装置は、電子放出動作中にイオン化したガス分子に由来する誘電体の金属化を防止できるため、電子放出作動回数を繰り返しても電子放出量が低下しにくい。
特許文献2には、電子放出部位を制御するために、電子通過層に抵抗層及びカルコゲナイト半導体により構成される相変化メモリ層が形成された相変化メモリ選択型電子源が開示されている。この電子源は、抵抗層を加熱することによって、相変化メモリ層の抵抗値を10倍〜100倍変化させ、電子放出を選択的に停止させている。
特許文献3には、過電流対策のために、電子放出表面電極とバス電極との間に、バリウム酸チタニウム系材料から成る抵抗層が形成された、電界放出型電子源が開示されている。
特許文献4には、薄膜電極と電極基板との間に、導電微粒子と絶縁体物質からなる微粒子(絶縁体微粒子)とを含む電子加速層を設け、薄膜電極と電極基板との間に電位差を与えることで、薄膜電極から電子を放出させる、本出願人による電子放出素子が開示されている。
特開2007−242375号公報 特開2010−103390号公報 特開2002−343230号公報 特開2009−146891号公報
しかしながら、特許文献4に示す構成の電子放出素子は、電子放出素子を印加電圧V1、素子内電流I1にて稼働させた後、一旦、電子放出を停止するために電圧印加を停止し、その後に、再び、電子放出させるために印加電圧V1にて電子放出素子を稼働させようとした場合に問題が生じる。
具体的には、電子放出素子に対する電圧印加を再開する場合、印加電圧V1まで上昇する過程で、素子内電流I1に比べて、数倍から十数倍大きな値の素子内電流I2が発生するとなる問題が生じる。
特に、この現象は、電子放出の停止時間が数時間以上となる場合に著しく現れ、電子放出素子を大気中で使用する場合に生じる、所謂「再立上げ問題」として認識されている。
この原因は、電子放出素子の電子加速層の膨張収縮に伴う導電パスの拡大、大気中の水蒸気吸着による導電性の増加、導電性微粒子のマイグレーションによる導電パスの集中、絶縁酸化物の酸素脱離による絶縁性低下等が考えられるが、明確に特定されていない。原因がいずれであるにせよ、電子放出素子に対する電圧印加を停止すると、その後に電圧印加を再開した場合の電子放出素子の抵抗値は、停止前に比べて著しく低下してしまう。
一方で、電子放出素子への電圧印加を、ある条件で再開することにより、電子放出素子の抵抗値を、電圧印加の停止前と同等の値まで復帰できることもわかっている。
この条件とは、まず、電圧印加を再開する際に、それ以前の印加電圧V1よりも低電圧である5V〜10Vの電圧を、電子放出素子に対して印加する。この場合、電子放出素子には、素子内電流I1よりも数倍から数十倍大きな素子内電流I3が流れる。この状態を1分〜2分程度持続させると、素子内電流I3は急激に低下して、電圧印加の停止前の素子内電流I1とほぼ同等の値となる。
その後に、電子放出素子に対する印加電圧を通常の駆動電圧まで上昇させても、素子内電流の異常増は発生しない。これらの現象によれば、電子放出素子に対して電圧印加によって生じるジュール熱が、電子放出素子の抵抗成分の減少に寄与していると予想される。
しかしながら、数分に渡る低電圧印加を利用した「再立上げ問題」の克服は、実用性に欠ける事から、別の手段による対応が切望される。
ここで、再立上げ時に伴う異常な素子内電流I3、すなわち、突入電流の発生は、電子放出素子の抵抗値の低下に起因するものであるから、電子放出素子の抵抗値の低下を抑制することが有効である。その一方で、電子放出素子の電子加速層にオームの法則に従った抵抗層を積層すると、常に抵抗層での電力ロスを生じるため、単純に突入電流を抑制するために高抵抗を積層する訳にはいかない。それ故、抵抗層には、異常電流の時のみ、抵抗層として素子内電流を抑制する機能が要望される。
なお、特許文献1に開示されている装置は、エミッタ部本体に誘電体であるチタン酸バリウムを用いているもの、その目的は、印加電圧の交番電界を利用したエミッタ部の分極反転動作に基づく電子の蓄積及び放出作用にあり、直流電圧を印加した時の電流そのものを操作するものではないし、その様な作用を司る構造物でもない。
また、特許文献2に開示されている電子源は、パターン生成部によりパターンを表示するために選択されたX電極とY電極が交差する部分の抵抗値を上げて電子放出を制御するのみであるので、予測できない箇所の抵抗値を上げることはできない。
さらに、特許文献3に開示されている電子源は、その構造上、素子抵抗値の低下の抑制に寄与する抵抗層を形成する位置が制限され、二次元平面的に流れる電子放出素子内の突入電流を効果的に低減することができていない。バリウム酸チタニウム系材料から成る抵抗層は、電子放出部を構成する最小単位となる1画素単位のヒューズとして機能するだけである。
そこで、本発明は、特別な構成を外部に設けなくても、電圧印加を再開した際の電子放出素子内で発生する異常な突入電流を低減することが可能な電子放出素子、電子放出装置、電子放出素子の製造方法、及び、電子放出素子を備える装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、
電子を放出する電子放出電極と、
前記電子放出電極に対向する対向電極と、
前記電子放出電極と前記対向電極との間に形成された電子加速層と、
前記電子放出素子と前記対向電極との間に形成されていて電気的に正温度係数特性(PTC:Positive Temperature Coefficient)を有する誘電体層と、
を備える電子放出素子が提供される。
また、本発明によれば、上記の電子放出素子と、
前記電子放出素子と前記対向電極との間に電圧を印加する電源と、
を備えることを特徴とする電子放出装置が提供される。
更に、本発明によれば、上記の電子放出素子を備えることを特徴とする装置が提供される。
ここで、上記装置は、電子放出装置、画像形成装置、電子線硬化装置、自発光デバイス、又は、送風装置であってもよい。
更に、本発明によれば、
電子放出電極から電子が放出される電子放出素子を製造する方法であって、
対向電極を用意するステップと、
前記対向電極の上に電気的に正温度係数特性を有する誘電体層を形成するステップと、
前記誘電体層上に電子加速層を形成するステップと、
前記電子加速層上に前記電子放出電極を形成するステップと、
を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、特別な構成を外部に設けなくても、電圧印加を再開した際の電子放出素子内で発生する異常な突入電流を低減することが可能となる。
本発明の第1の実施形態による電子放出素子の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による電子放出素子の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態による電子放出素子の製造工程を説明するための第1の平面図である。 本発明の第1の実施形態による電子放出素子の製造工程を説明するための第2の平面図である。 本発明の第1の実施形態による電子放出素子の製造工程を説明するための第3の平面図である。 本発明の第1の実施形態による電子放出素子の製造工程を説明するための第4の平面図である。 (a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施の形態による電子放出素子の印加電圧対素子内電流特性を示す図、印加電圧対放出電流特性を示す図、印加電圧対放出効率を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、それぞれ、参考例による電子放出素子の印加電圧対素子内電流特性を示す図、印加電圧対放出電流特性を示す図、印加電圧対放出効率を示す図である。 図9は、第1の実施例記載の電子放出素子1の作成条件において、チタン酸バリウム粒子で構成された誘電体層4の分散と、抵抗調整の要となる酸性タイプの分散剤量(重量比率)と再立上げ時の突入電流(素子内電流)との関係である。 本発明の第3の実施の形態の帯電装置の模式的な構成図である。 本発明の第4の実施の形態の電子線硬化装置の模式的な構成図である。 本発明の第5の実施の形態の自発光デバイスの模式的な構成図である。 本発明の第6の実施の形態の送風装置の模式的な構成図である。
以下、本発明の実施形態の電子放出素子について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態のプレーナ構造の電子放出素子の概略断面図である。図2は、図1の平面図である。
電子放出素子1は、第1電極2と、第1電極2上に形成された所要の開口部3aを有する絶縁層3と、絶縁層3の開口部3aを除く領域及び絶縁層3を覆うようにこれらの上に形成された電気的に正温度係数特性を有する誘電体層4と、誘電体層4上に形成された第1電極2から発せられる電子の電子加速層5と、電子加速層5上に形成された前記電子を放出する第2電極6とを備える。第2電極6はそこから電子が放出されるので、これを「電子放出電極」ということもある。また、第1電極2は、第2電極(電子放出電極)6と対向するので「対向電極」ということもある。
なお、図1及び図2を参照すると明らかなように、誘電体層4は、対向電極2と電子加速層5との間において、対向電極2における電子放出電極6の対向面に対向する対向面と平行に二次元状に分布されている。ここでいう平行とは、対向電極2と電子放出電極6との対向面に対して平行な成分を持てばよい。
第1電極2は、図示しない電源の陰極側と接続され、第2電極6は、その陽極側と接続され、これらの間に電圧が印加される。この結果、第1電極2は、第2電極6に向かう電子を発生させる。第1電極2は、アルミニウム、銅、ステンレスなどの導電性を有する材料から形成される。第1電極2は、これ自体の剛性を持たせるために、珪素、ガリウム、及びガリウム砒素などを主成分とする半導体基板、表面に金属膜が形成されたガラス基板やプラスチック基板などとすることもできる。
絶縁層3は、第2電極6に図示しない電極端子を設ける際、設置時の機械適応力等による電子加速層5の抵抗低下で、第1電極2と第2電極6とが短絡しないようにするための絶縁保護層である。絶縁層3は、金属酸化物或いは金属窒化物などの無機材料、シリコーン系樹脂或いはフェノール系樹脂などの有機材料からなり、例えば、金属酸化膜である酸化アルミニウム(Al)を、第1電極2上に陽極酸化処理などによって形成すればよい。絶縁層3の膜厚は、例えば2μm〜5μmとすればよい。また、絶縁層3は、感光性アクリル樹脂などの有機ポリマーや酸化珪素アクリル樹脂で形成することもできる。この場合の絶縁層3の膜厚も、前述記載のように2μm〜5μmとすればよい。
絶縁層3には、第1電極2から来た電子を第2電極6から放出させる経路を設けるための開口部3aが空けられている。したがって、開口部3aの大きさは、第1電極2の大きさに対応する。第1電極2の辺縁部以外の全ての部分又は殆どの部分を開口部3aとしてもよい。絶縁層3が、第1電極2表面に一様な酸化アルミニウム膜として形成される場合、開口部3aは、苛性ソーダなどを用いたエッチング処理により形成するとよい。もちろん絶縁層3そのものを、開口部3aを形成するようなマスク処理を用いて、直接、陽極酸化処理してもよい。なお、開口部3aの側壁部には、テーパ形状、すなわち、第1電極2側の開口面積が小さく第2電極6側の開口面積が大きくなるような傾斜を持たせてもよい。この場合、傾斜角は10度〜50度の範囲とすればよい。
誘電体層4は、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛のうち少なくともいずれかを含むセラミックなどを材料とすることができるし、これに加えて導電性カーボンとポリエチレン系高分子とを含むポリマーなどを材料とすることもできる。誘電体層4の膜厚は、例えば0.8μm〜1.2μmとすればよい。
ここで、チタン酸バリウムは、典型的な強誘電体材料であり、1010Ωcmの抵抗を有している。正温度係数特性サーミスタに用いられるチタン酸バリウム材料には、正の温度特性を有するのはもちろん、耐電圧が高く、かつ、室温付近での比抵抗が低くなるように、Tiサイトの一部を特定の元素と置換或いは特定の金属元素を極めて少量添加物として混入した、所謂チタン酸バリウム系半導体が利用されている。
本実施形態では、塩基性或いは酸性樹脂から成る分散剤分子を表面に吸着させた、チタン酸バリウム微粒子の分散体から誘電体層4を形成している。
微粒子表面への分子吸着の第一目的は、チタン酸バリウム微粒子からなる誘電体層4の抵抗調整であり、通常の電子放出時において誘電体層4の電気抵抗値は、電子加速層5と同等かそれより小さな値とする必要がある。誘電体層4の電気抵抗値が電子加速層5の電気抵抗値に比べて大きな場合、印加電圧の殆どが誘電体層4にかかり、放出電子を生み出す電子加速層5にはかからなくなってしまうためである。
本発明者は、誘電体層4に導電性が付与されるのは、塩基性分散剤が有する電子対を供与する電子対供与体が作用しているのではないかと推察している。すなわち、塩基性分散剤は、電子対を供与する電子対供与体を有しており、電子対供与体は電子対を供与後、イオン化する。このイオン化した電子対供与体が、付着している絶縁性粒子の表面において電荷の受け渡しを行い、絶縁性粒子の表面における電気伝導が可能になっていると考えられる。酸性分散剤の場合は、電子対受容体として機能すると理解できる。
微粒子表面への分子吸着の第二目的は、チタン酸バリウム微粒子の分散のためである。一般に真空スパッタリングを用いた金蔵酸化物薄膜の形成には、基材の温度上昇を伴う。チタン酸バリウムの成膜処理も例外ではなく、600℃〜900℃程度の温度上昇を伴うため、プラスチック基材はもちろんのこと、材料コストの安いガラスも利用できない。また、薄い金属基材も製造工程で生じた残留応力が基板の変形を生むため、使用するのが難しい。誘電体層4を、平易な方法で薄膜を形成するには、粒度分布がシャープで粒子直径の小さな粒子を分散溶媒に分散させ、スピンコート法或いはスキージ法等を用いるとよい。
本実施形態では、チタン酸バリウムを、有機溶媒と塩基性又は酸性の分散剤とともに混合攪拌して、チタン酸バリウム粒子分散液を得る。これらの組合せは、チタン酸バリウムの粒子の分散性、分散剤の溶解性、分散液塗布時の乾燥速度等を考慮して選定すればよい。
誘電体層4は、既述のように電気的に極めて大きな正温度係数特性を有する材料からなる。具体的には、室温温度域では極めて小さな抵抗値である一方、室温温度に比して温度が高くなると電気抵抗値が指数関数的に上昇する特性を有する。
また、誘電体層4及び電子加速層5を通過して電子放出電極6まで流れる電流は、巨視的に見ると関連した面全体に亘って流れ、開口部3aから放出される電子は関連した面全体から放出されるが、面内を微視的にみると、局所的な電子放出点が無数に点在することにより形成されている。つまり、電子加速層5の薄膜を流れる電流パスは、極めて局所的な流れとなっている。電子放出素子に対する電圧印加の再開時に伴う異常な突入電流の発生は、おそらく複数の局所的な電流パスの増大に起因するものと考えられる。
以上の考察のもとで、本実施形態に係る誘電体層4は、通常の電子放出時には抵抗層として機能せず、外部電源からの印加電圧が、そのまま電子加速層5に与えられる。
電子放出素子に対する電圧印加の再開に伴う異常な突入電流が発生した場合には、電子加速層5に局所的に生じた異常電流パス直下の誘電体層4が、局所的に抵抗層として機能して異常電流を抑制する一方、異常電流パス近傍を除いて誘電体層4の低抵抗状態は維持されるため、電子放出に必要な電位差を電子加速層5に与え続けられる。
電子加速層5に局所的に生じた異常電流パス部位においては、電子加速層5の該当箇所自身に生じるジュール熱、及び、直下の誘電体層4に生じるジュール熱により温度が上昇し、これにより電気的に正温度係数特性を有する誘電体層4の抵抗値が上がる。これに伴い、異常電流が減少した期間がある程度継続すると、ジュール熱の発生が減るため、温度が下がり、誘電体層4の抵抗値は、元の値まで下がる。従って、通常の抵抗値を取り戻し、この部位は、電子放出点として機能を回復する。この結果、電子放出素子に対する電圧印加の再開に伴う異常な突入電流は抑制され、電子放出を行うことが可能となる。
一例をあげると、本実施形態で用いられる誘電体層4は、
・チタン酸バリウムとして、関東電化工業株式会社が市販する一次粒子の平均直径が25nmの「チタン酸バリウムナノ粒子」を用い、
・有機溶媒として、トルエン、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を用い、
・塩基性分散剤として、日本ルーブリゾール株式会社が市販するソルスパース24000GRを用い、
・酸性分散剤として、同社ソルスパース26000を用い、
・両基を有する分散剤として、味の素ファインテクノ株式会社が市販するアジスパーPB881を用いた分散溶液から作られる。
誘電体層4は、上記チタン酸バリウム粒子を含む分散溶液を、第1電極2表面にコートすることで得られる。コート方法は、スピンコート法、スプレー法、ディッピング法、バーコート法等の既存の方法のいずれを用いてもよい。
電子加速層5は、導電性粒子を含むシリコーン樹脂で形成することができる。シリコーン樹脂自体は、電子加速層5の機械的強度を向上させるとともに、導電性粒子と合わせて電子加速層5の導電性を決めている。電子加速層5の膜厚は、0.3μm〜10μmとすればよい。
また、電子加速層5には、絶縁性微粒子を含んでも良い。導電性粒子とともに適正量とすることで、電子加速層5の抵抗値を所望の値に調整する。絶縁性微粒子は、酸化アルミニウム及び二酸化チタンを主成分とするような、絶縁性を有し、かつ、電子トラップとして機能する適当な表面準位を有する材料であればよい。絶縁性微粒子の材料としては非晶質の構造が好ましく、その一次又は二次平均粒径は、電子顕微鏡で撮影した所定個数の各粒子における、円相当径の算術平均値で10nm〜1000nm(例えば約50nm)とすることができる。
電子加速層5に含まれる導電性粒子は、電子放出素子1が大気中で酸化して劣化するのを防ぐ。導電性粒子は、銀、金、白金、パラジウム、またはニッケルを主成分とする金属材料を適用することができる。導電性粒子は、スパッタ法や噴霧加熱法を用いて形成することができる。導電性粒子は、一次又は二次平均粒径が3nm〜20nm(例えば約10nm)としている。
第2電極6は、これに限定されるものではないが、電子に伴う電極の破壊が抑制されるように、金属材料、半導体、ITO(indium tin oxide)、カーボン等のように電気伝導性の高い導電性材料からなる薄膜を、材料別に複数層に積層して構成するとよい。特に、第2電極6のうち電子加速層5に接する層は、他の層に比べて低融点材質(例えば金属材料)であることが好ましい。第2電極6の総層厚は、トンネル効果によって電子が放出可能であることを前提として、その面内抵抗と電子放出量とを考慮して決定するとよい。第2電極6の総層厚は、材料種別の複数層を順次成膜して積み上げてもよいし、一層形成後に当該層にイオン注入を行って変質させてもよい。
図3〜図6は、図1の電子放出素子1の製造工程を示す概略断面図である。
図3に示すように、第1電極2上に、約2.5μm厚の絶縁層3を形成した。第1電極2は、アルミニウム板を使用し、絶縁層3は、陽極酸化法により形成されたアルマイト(酸化アルミニウム)を使用した。絶縁層3は、スクリーン印刷法によって、電子加速層5に電流を流す領域ための開口部3aを有するようにパターニング形成した。
図4に示すように、開口部3aを有する絶縁層3上に、約1.0μm厚の誘電体層4を形成した。つまり、開口部3aにおいては、誘電体層4が第1電極2を覆い、開口部3a以外の領域においては、誘電体層4が絶縁層3を覆うように、誘電体層を形成した。誘電体層4となる材料は、有機溶剤であるDMFを10.0[g]と、酸性分散剤である分散剤ソルスパース26000を0.025[g]と、一次粒子の平均直径が25nmのチタン酸バリウム微粒子を0.15[g]とを、超音波分散機で分散し、その後に静置することによって製造したチタン酸バリウム粒子分散液である。このチタン酸バリウム粒子分散液を、第1電極2対して所定量滴下し、スピンコート法によってコートした。その後、ホットプレートを用いて、例えば、200℃の温度で、1時間程度乾燥させて、溶媒を離脱させた。誘電体層4の層厚は、約1.0μmであった。
図5に示すように、誘電体層4上に、約0.8μm厚の電子加速層5を形成した。電子加速層5となる材料は、トルエン溶媒中のシリコーン溶液を所望の分量だけ取り出して、そこにアルコラート処理が施された銀ナノ粒子を、銀ナノ粒子とシリコーン固体分との質量比がおよそ1:10となる割合で混合し、必要に応じてトルエンを用いてさらに希釈してから、超音波洗浄器に5分間ほどかけて製造推した分散混合液を用いた。この分散混合液を、誘電体層4に、ブロー圧100kPa程度で、スプレーコート法によってコートした。その後、1日以上室温大気中で保管することによって、分散混合液を乾燥及び硬化させた。
図6に示すように、電子加速層5上に、2層構成の第2電極6を、例えば真空蒸着法を用いて各種金属をそれぞれのパターンに合わせて順次形成した。第1層については、所望のメタルマスクを電子加速層5上に重ね合わせて、真空蒸着装置のチャンバ内に導入して、10−5Pa程度の高真空領域に達したところで、0.3nm/sec程度の速度で例えば金の蒸着を開始して、20nm程度の第1層を形成した。この蒸着処理の完了後に、高真空を保ったまま10分程度放置した。次に、同様の手順によって、第1層上に例えば白金の蒸着処理によって、20nm程度の第2層を形成した。
図7は、図1の電子放出素子1の効果測定を示す図であり、所謂、再立上げ過程における電圧電流特性の測定結果である(再立上げとなる条件については後述する)。
図7(a)は、電子放出素子1の素子内電流Id[A/cm]を示している。図7(b)は、電子放出素子1の放出電流Ie[A/cm]を示している。図7(c)は、電子放出素子1の電子放出効率(Ie/Id×100)η[%]を示している。
図8は、電子放出素子1と比較するために、従来構成で作成した電子放出素子の電圧電流特性を示す図である。従来構成の電子放出素子は、本実施形態の電子放出素子に比して、以下の製造工程及び素子構成が異なっている。
すなわち、従来構成の電子放出素子は、第1電極2及び絶縁層3の表面に、誘電体層4は形成しない。他の場所にも誘電体層4を形成しない。また、電子加速層5は、第1電極2及び絶縁層3の表面に、同様の分散液を使用してスプレーコート法により成膜される。電子加速層5の乾燥後の膜厚は、約1.8μmである。
図8(a)は、従来構成素子の素子内電流Id[A/cm]を示している。図8(b)は、従来構成素子の放出電流Ie[A/cm]を示している。図8(c)は、従来構成素子の電子放出効率(Ie/Id×100)η[%]を示している。
“再立上げ”の状態を再現する条件は、次のとおりである。先ず、本実施形態の電子放出素子1及び従来構成素子の放出電流が一定の規定出力4.8[μA/cm]となるように駆動制御(印加電圧波高値のPID制御)を行いながら、各電子放出素子を約65時間連続稼働させる。その後、約12時間駆動電圧をゼロとして駆動電圧の印加を休止させる。再び駆動電圧を印加し、放出電流が規定出力に達するまで印加電圧を昇圧する。この時得られた電圧電流特性が、図7及び図8に示されている。印加電圧は、周波数2[kHz]の矩形波であり、オンデューティは50%である。
図7(a)に示すように、本実施形態の電子放出素子1の縦軸素子内電流Idは、横軸印加電圧Vdの上昇に対して緩やかな増加を示した。印加電圧Vdが5[V0P]〜15[V0P]の区間でほぼ一定であり、約0.05[A/cm]という値であった。同じ試験で得られた電子放出電流Ieの結果が、図7(b)に示される。ここから、印加電圧Vdが15[V0P]で、放出電流の規定出力4.8[μA/cm]に達していることが分かる。
図8(a)に示す比較例とした従来構成素子では、素子内電流Idが印加電圧Vdの上昇に対して凸状のカーブを描き、再立上げ時の異常な突入電流を示した。印加電圧Vdが6.5[V0P]で、最大電流値となる0.45[A/cm]となった。その後、10[V0P]付近では若干電流量は低下するものの、再び12[V0P]付近から電流量が増加した。同じ試験で得られた電子放出電流Ieの結果が、図8(b)に示される。ここから、印加電圧Vdが17[V0P]で、放出電流の規定出力4.8[μA/cm]に達しているのが分かる。
図7(b)及び図8(b)における、放出電流の規定出力に至る印加電圧Vdの違いは、構成する層の材質と膜厚との関係から生じたものと考えられる。電子放出素子1の誘電体層4及び電子加速層5を積層した層厚は、前述の通り約1.8μmである。また、従来構成素子の電子加速層5の層厚も約1.8μmである。チタン酸バリウム粒子で構成された誘電体層4の抵抗値は、電子加速層5の抵抗値よりも、結果的に大きなものとして振舞っていると理解できる。
一方で、規定の電子放出量を得るために必要な印加電圧は、従来構成素子に比べて、電子放出素子1の値は小さくなっている。このことから、誘電体層4は、電子加速層5を流れる素子内電流の上昇を効果的に抑制し、且つ、電子加速層5に電子放出するのに十分な電位差を与えることができている。
この事実は、図7(c)及び図8(c)に示される、電子放出素子1及び従来構成素子の電子放出効率(Ie/Id×100)η[%]のグラフからも明らかである。電子放出素子1の電子放出効率ηは、従来構成素子に比べて高く、しかも、より低い電圧で駆動可能となっている。
本実施形態の電子放出素子1は、図7(a)と図8(a)とに示された測定結果を見る限り、誘電体層4を形成することで、極めて微視的に発生する局所的な素子抵抗値の低下を抑制することができ、その結果、再立上げ時に伴う異常な突入電流の発生が通常のものよりも低減し、具体的には、約1/9(=0.05[A/cm]/0.45[A/cm]、印加電圧=5[V0P]付近)になることがわかる。
[第2の実施の形態]
図9には、第1の実施形態の電子放出素子1の作成条件において、チタン酸バリウム粒子で構成された誘電体層4の分散と抵抗調整の要となる、酸性タイプの分散剤量(重量比率)と再立上げ時の突入電流との関係が示される。
有機溶剤であるDMFの質量に対する、分散剤の投入質量をパラメータとして、表1のとおりにチタン酸バリウム粒子分散液を準備した。誘電体層4を有する電子放出素子を作成する他のパラメータは、第1の実施形態の場合と同様である。
Figure 2019009000
図9は、各素子の再立上げ時の素子内電流特性を表す。“再立上げ”の状態を再現する条件及び再び駆動電圧を印加する条件は、第1の実施形態の場合と同様である。
条件3の分散剤比率0.5%の素子では、再立上げ時の異常な突入電流が、誘電体層4のない従来構成素子に比べても大きくなった。これはチタン酸バリウム粒子の周りに存在する分散剤の量が多くなったため、粒子の周囲を介した電流が増えてしまったためと考えられる。条件1の分散剤比率0.005%の電子放出素子では、従来構成素子に比べて再立上げ時の異常な突入電流は抑制できているものの、条件1の分散剤比率0.25%の電子放出素子には及んでいない。
条件1及び条件2の電子放出素子を電子顕微鏡で観察してみると、条件1の電子放出素子は条件2のものに比べてチタン酸バリウム粒子の粗大粒子が多く、誘電体層4の膜面に欠陥というべき孔が多数形成されていた。誘電体層4の欠陥部は、後成膜となる電子加速層5が充填するため、素子内電流は上昇したものと推測される。
以上のとおり、分散剤の使用量には最適値が存在する。
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3の実施の形態の電子放出装置90とその周辺の模式的な構成図である。電子放出装置90は、第1の実施の形態で説明した電子放出素子1と、電子放出素子1の第1電極2と第2電極6との間に電圧を印加する電源7とを備える。
図10に示すように、電子写真式の画像形成装置において、感光体ドラム11を帯電させるための帯電装置として電子放出装置90を利用することができる。画像形成装置においては、電子放出素子1が感光体ドラム11から、例えば3mm〜5mm離間した位置に配置される態様で帯電装置としての電子放出装置90を設ければよい。こうすると、帯電装置としての電子放出装置90から放出された電子により、感光体ドラム11を帯電させることが可能となる。
画像形成装置は、複合機、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などに含まれるものであってもよい。
[第4の実施の形態]
図11は、本発明の第4の実施の形態の電子線硬化装置100の模式的な構成図である。電子線硬化装置100は、第1の実施の形態で説明した電子放出素子1と、電子放出素子1の第1電極2と第2電極6との間に電圧を印加する電源7と、電子放出素子1から放出された電子を加速させる加速電極21とを備えている。
電子線硬化装置100は、電子放出素子1を電子源として用いており、電子源から放出された電子を加速電極21で加速してレジスト22に衝突させている。電子線硬化装置100は、パターンに従って電子を放出させれば、マスクレス露光も可能となる。
[第5の実施の形態]
図12は、本発明の第5の実施の形態の自発光デバイスの模式的な構成図である。自発光デバイス31は、第1の実施の形態で説明した電子放出素子1と、電子放出素子1の第1電極2と第2電極6との間に電圧を印加する電源7と、電子放出素子1から放出された電子を受けて発光する発光部36と、発光部36と電子放出素子1との間に電子を加速する電界を形成するための電圧を印加する電源35とを備えている。
発光部36は、電子放出素子1に対向位置に設けられているガラス基板34と、ガラス基板34の電子放出素子1側に形成された150nm程度のITO膜33と、ITO膜33上に形成された1μm厚程度の蛍光体32とを備えている。発光部36は、蛍光体32が電子放出素子1から0.3mm〜1mm程度離れた位置に設ければよい。
蛍光体32は、赤、緑、青の各色発光に対応した電子励起タイプの材料、例えば、赤色についてはY:Eu、(Y,Gd)BO:Eu、緑色についてはZnSiO:Mn、BaAl1219:Mn、青色についてはBaMgAl1017:Eu2+等の材料を用いることができる。
[第6の実施の形態]
図13は、本発明の第6の実施の形態の送風装置の模式的な構成図である。図13に示す送風装置150は、エアーコンディショナーなどに搭載されるものであり、第1の実施の形態で説明した電子放出素子1と、電子放出素子1の第1電極2と第2電極6との間に電圧を印加する電源7とを備える。
電子放出素子1から放出された電子は、被冷却体41で受けられるが、この際、イオン風を発生させて被冷却体41を冷却する。なお、送付装置150には、被冷却体41に向かって送風する送風ファンを組み合わせることもできる。
本発明に係る電子放出素子は、空中における放電を伴わないためオゾンの発生が無く、また、安定な大気圧動作が可能である。よって、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の帯電装置や、電子線硬化装置、或いは発光体と組み合わせることにより画像表示装置、または放出された電子が発生させるイオン風を利用することにより送風装置等に、好適に適用することができる。
本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の種々の形で実施することができる。そのため、前述した各実施形態は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、各実施形態で説明されたものに限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る電子放出素子は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びその帯電装置、電子線硬化装置、あるいは発光体と組み合わせることにより自発光デバイス、放出された電子が発生させるイオン風を利用することにより冷却装置等の各種装置に用いることができる。
1 電子放出素子
2 第1電極
3 絶縁層
4 誘電体層
5 電子加速層
6 第2電極
7 電源

Claims (13)

  1. 電子を放出する電子放出電極と、
    前記電子放出電極に対向する対向電極と、
    前記電子放出電極と前記対向電極との間に形成された電子加速層と、
    前記電子放出素子と前記対向電極との間に形成されていて電気的に正温度係数特性を有する誘電体層と、
    を備える電子放出素子。
  2. 前記誘電体層は、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛のうち少なくともいずれかを含むセラミックである、請求項1記載の電子放出素子。
  3. 前記誘電体層は、導電性カーボンとポリエチレン系高分子とを含むポリマーである、請求項1又は2記載の電子放出素子。
  4. 前記誘電体層は、前記対向電極と前記電子放出電極との対向面と平行な成分を持つように二次元的に分布することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子放出素子。
  5. 前記対向面の一部において、前記対向電極と前記誘電体層との間に絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子放出素子。
  6. 前記電子放出電極と前記対向電極の間に前記絶縁層がある領域の少なくとも一部が電源を供給される部分として利用されることを特徴とする請求項5に記載の電子放出素子。
  7. 前記電子放出電極と前記対向電極と前記電子加速層と前記誘電体層とによるプレーナ構造とされている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子放出素子。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の電子放出素子と、
    前記電子放出素子と前記対向電極との間に電圧を印加する電源と、
    を備えることを特徴とする電子放出装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の電子放出素子を備えることを特徴とする装置。
  10. 前記電子放出素子と前記対向電極との間に電圧を印加する電源を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 電子放出装置、画像形成装置、電子線硬化装置、自発光デバイス、又は、送風装置である、請求項9又は10に記載の装置。
  12. 電子放出電極から電子が放出される電子放出素子を製造する方法であって、
    対向電極を用意するステップと、
    対向電極の上に電気的に正温度係数特性を有する誘電体層を形成するステップと、
    前記誘電体層上に電子加速層を形成するステップと、
    前記電子加速層上に前記電子放出電極を形成するステップと、
    を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  13. 前記対向電極上に所定の開口部を有する絶縁層を形成するステップを、前記誘電体層を形成するステップの前に有し、
    前記誘電体層を形成するステップでは、前記第1電極の開口部と前記絶縁層を覆うように前記誘電体層を形成することを特徴とする請求項12に記載の電子放出素子の製造方法。
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