JPH1167065A - 電子放出素子及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

電子放出素子及びこれを用いた表示装置

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JPH1167065A
JPH1167065A JP9215137A JP21513797A JPH1167065A JP H1167065 A JPH1167065 A JP H1167065A JP 9215137 A JP9215137 A JP 9215137A JP 21513797 A JP21513797 A JP 21513797A JP H1167065 A JPH1167065 A JP H1167065A
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JP
Japan
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layer
electron
insulator layer
insulator
emitting device
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Application number
JP9215137A
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English (en)
Inventor
Shingo Iwasaki
新吾 岩崎
Kiyohide Ogasawara
清秀 小笠原
Takamasa Yoshikawa
高正 吉川
Takashi Chuma
隆 中馬
Nobuyasu Negishi
伸安 根岸
Hiroshi Ito
寛 伊藤
Atsushi Yoshizawa
淳志 吉澤
Takashi Yamada
高士 山田
Shuichi Yanagisawa
秀一 柳沢
Kazuyuki Sakamura
一到 酒村
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/312Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode having an electric field perpendicular to the surface, e.g. tunnel-effect cathodes of metal-insulator-metal [MIM] type

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出効率の高い電子放出素子を提供す
る。 【解決手段】 金属又は半導体からなる電子供給層、電
子供給層上に形成された絶縁体層及び絶縁体層上に形成
された金属薄膜電極からなり、電子供給層及び金属薄膜
電極間に電界を印加し電子を放出する電子放出素子であ
って、絶縁体層は、絶縁体層よりも高い導電性の少なく
とも1層以上の高導電性層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子及び
これを用いた電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電界電子放出表示装置のFED
(field emission display)が、陰極の加熱を必要とし
ない冷陰極の電子放出源のアレイを備えた平面形発光デ
ィスプレイとして知られている。例えば、spindt形冷陰
極を用いたFEDの発光原理は、冷陰極アレイが異なる
もののCRT(cathode ray tube)と同様に、陰極から
離間したゲート電極により電子を真空中に引出し、透明
陽極に塗布された蛍光体に衝突させて、発光させるもの
である。
【0003】しかしながら、この電界放出源は、微細な
spindt型冷陰極の製造工程が複雑で、その工程数が多い
ので、製造歩留りが低いといった問題がある。また、面
電子源として金属−絶縁体−金属(MIM)構造の電子
放出素子がある。このMIM構造の電子放出素子は、基
板上に陰極としてのAl層、膜厚10nm程度のA1 2
3絶縁体層、膜厚10nm程度の陽極としてのAu層
を順に形成した構造を有するものがある。これを真空中
で対向電極の下に配置して下部Al層と上部Au層の間
に電圧を印加するとともに対向電極に加速電圧を印加す
ると、電子の一部が上部Au層を飛び出し対向電極に達
する。しかしながら、MIM構造の電子放出素子を用い
てもまだ放出電子の量は十分とはいえない。
【0004】これを改善するために、従来のAl23
縁体層の膜厚を数nm程度薄膜化したり、極薄膜のAl
23絶縁体層の膜質及びAl23絶縁体層と上部Au層
の界面を、より均一化することが必要であると考えられ
ている。例えば、特開平7−65710号に記載の発明
のように、絶縁体層のさらなる薄膜化及び均一化のため
に陽極酸化法を用いて、化成電流を制御することにより
電子放出特性を向上させる試みがなされている。
【0005】しかしながら、このような方法で製造され
たMIM構造の電子放出素子でも、まだ放出電流は1×
10-5A/cm2程度で、放出電流比は1×10-3程度に
すぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に鑑みてなされたものであり、低い電圧で安定して電子
放出することのできる電子放出効率の高い電子放出素子
及びこれを用いた電子放出表示装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出素子
は、金属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給
層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成さ
れた金属薄膜電極からなり、前記電子供給層及び前記金
属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する電子放出素
子であって、前記絶縁体層は、前記絶縁体層よりも高い
導電性の少なくとも1層以上の電界安定化層を有するこ
とを特徴とする。
【0008】本発明の電子放出素子においては、前記電
界安定化層は前記電子供給層と前記絶縁体層の界面また
は前記金属薄膜電極と前記絶縁体層の界面または前記絶
縁体層の中間に設けられていることを特徴とする。本発
明の電子放出素子においては、前記絶縁体層と前記電界
安定化層とは交互に複数積層されていることを特徴とす
る。
【0009】本発明の電子放出素子においては、前記電
界安定化層は漸次拡大又は縮小した膜厚を有することを
特徴とする。また、本発明の電子放出素子を用いた表示
装置は、真空空間を挾み対向する一対の第1及び第2基
板と、前記第1基板に設けられた複数の電子放出素子
と、前記第2基板内に設けられたコレクタ電極と、前記
コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子
放出表示装置であって、前記電子放出素子の各々は、金
属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に
形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成された金
属薄膜電極からなり、前記絶縁体層は、前記絶縁体層よ
りも高い導電性の少なくとも1層以上の電界安定化層を
有することを特徴とする。
【0010】以上の構成により、本発明の電子放出素子
を電界印加駆動した場合に、電界が不均一になる要因の
不純物、膜欠陥が多少あっても、電界安定化層が絶縁体
層中での電界を均一になし、これが放出電流を安定化さ
せる。また、本発明の電子放出素子は、低い電圧でも安
定して電子を放出することができるので、例えば表示素
子に本発明の電子放出素子を用いた場合、安定して高輝
度が得られ、駆動電流の消費及び素子の発熱を抑制で
き、さらに駆動回路への負担を低減できる。本発明の電
子放出素子では、絶縁体層は厚い膜厚を有するのでスル
ーホールが発生しにくいので製造歩留まりが向上する。
【0011】さらに、本発明の電子放出素子は、画素バ
ルブの発光源、電子顕微鏡の電子放出源、真空マイクロ
エレクトロニクス素子などの高速素子に応用でき、さら
に面状又は点状の電子放出ダイオードとして、ミリ波又
はサブミリ波の電磁波を放出する発光ダイオード又はレ
ーザダイオードとして、さらには高速スイッチング素子
として動作可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ説明する。発明者は、厚い絶縁体層を有する電
子放出素子の電圧印加時に、不純物、膜の欠陥により絶
縁体層中で電界が不均一になる場合があり、これが放出
電流を不安定とすることを発見した。これを解決すべ
く、電子供給層と絶縁体層の間または絶縁体層と薄膜電
極の間または絶縁体層の間に電界を安定化させる層
(膜)を一層以上入れることを案出した。
【0013】この電界を安定化させる高導電性層の膜厚
は1nm以上100 nm以下であれば良く、高導電性層
は、絶縁体層内に1ヶ所以上、さらに絶縁体層を3つ以
上に分けてその間に2層以上の高導電性層を作ることも
できる。高導電性層は、電界を均一に印加できるよう
に、酸化珪素SiOx(xは原子比を示す)などの絶縁
体層よりも高い導電性の層(膜)である。
【0014】図1に示すように、本発明の電子放出素子
は、素子基板10上に例えばAl、Wなどからなるオー
ミック電極11を形成し、その上にさらに金属又はSi
などの半導体からなる電子供給層12と、SiO2など
からなる絶縁体層13と、真空空間に面するAuなどの
金属薄膜電極15とを順に積層してなり、さらに絶縁体
層13にはAl,Wなどの高導電性層14が設けられて
構成される。この電子放出素子の対向する一対の第1及
び第2基板10,1は真空空間を挾んで保持される。第
2基板1の内面にはコレクタ電極2と蛍光体層3R,G,B
とが設けられる。
【0015】絶縁体層13は誘電体からなり50nm以
上の極めて厚い膜厚を有するものである。電子放出素子
は、表面の金属薄膜電極15を正電位Vdとし裏面オー
ミック電極11を接地電位としたダイオードである。オ
ーミック電極11と金属薄膜電極15との間に電圧Vd
例えば90V程度を印加し電子供給層12に電子を注入
すると、ダイオード電流Idが流れ、絶縁体層13は高
抵抗であるので、印加電界の大部分は絶縁体層13にか
かる。電子は、金属薄膜電極15側に向けて絶縁体層1
3内を移動する。金属薄膜電極15付近に達した電子
は、そこで強電界により一部は金属薄膜電極15をトン
ネルし、外部の真空中に放出される。
【0016】このトンネル効果によって薄膜電極15か
ら放出された電子e(放出電流Ie)は、対向したコレ
クタ電極(透明電極)2に印加された高い加速電圧Vc
例えば5kV程度によって加速され、コレクタ電極2に
集められる。コレクタ電極に蛍光体3が塗布されていれ
ば対応する可視光を発光させる。電子放出素子の電子供
給層12の材料としてはSiが特に有効であるが、ゲル
マニウム(Ge)、炭化シリコン(SiC)、ヒ化ガリ
ウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、セレ
ン化カドミウム(CdSe)など、IV族、III-V族、
II-VI 族などの単体半導体及び化合物半導体が、用いら
れ得る。
【0017】又は、電子供給材料としてAl,Au,A
g,Cuなどの金属でも有効であるが、Sc,Ti,C
r,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Ga,Y,Zr,
Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Cd,Ln,S
n,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Tl,Pb,
La,Ce,Pr,Nd,Nd,Pm,Sm,Eu,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなども
用いられ得る。
【0018】絶縁体層13の誘電体材料としては、酸化
珪素SiOx(xは原子比を示す)が特に有効である
が、LiOx,LiNx,NaOx,KOx,RbOx,C
sOx,BeOx,MgOx,MgNx,CaOx,Ca
x,SrOx,BaOx,ScOx,YOx,YNx,La
x,LaNx,CeOx,PrOx,NdOx,SmOx
EuOx,GdOx,TbO x,DyOx,HoOx,Er
x,TmOx,YbOx,LuOx,TbOx,DyO x
HoOx,ErOx,TmOx,YbOx,LuOx,Ti
x,TiNx,ZrO x,ZrNx,HfOx,HfNx
ThOx,VOx,VNx,NbOx,NbNx,TaOx
TaNx,CrOx,CrNx,MoOx,MoNx,W
x,WNx,MnOx,ReOx,FeOx,FeNx,R
uOx,OsOx,CoOx,RhOx,IrOx,Ni
x,PdOx,PtOx,CuOx,CuNx,AgOx
AuOx,ZnOx,CdOx,HgOx,BOx,BNx
AlOx,AlNx,GaOx,GaNx,InOx,Ti
x,TiNx,SiNx,GeOx,SnOx,PbOx
POx,PNx,AsOx,SbOx,SeOx,TeOx
どの金属酸化物又は金属窒化物でもよい。
【0019】また、LiAlO2,Li2SiO3,Li2
TiO3,Na2Al2234,NaFeO2,Na4SiO
4,K2SiO3,K2TiO3,K2WO4,Rb2Cr
4,CS2CrO4,MgAl24,MgFe24,M
gTiO3,CaTiO3,CaWO4,CaZrO3,S
rFe1219,SrTiO3,SrZrO3,BaAl2
4,BaFe1219,BaTiO3,Y3Al512,Y
3Fe512,LaFeO3,La3Fe512,La2Ti
27,CeSnO4,CeTiO4,Sm3Fe512,E
uFeO3,Eu3Fe512,GdFeO3,Gd3Fe5
12,DyFeO3,Dy3Fe512,HoFeO3,H
3Fe512,ErFeO3,Er3Fe5 12,Tm3
512,LuFeO3,Lu3Fe512,NiTi
3,Al2TiO3,FeTiO3,BaZrO3,Li
ZrO3,MgZrO3,HfTiO4,NH4VO3,A
gVO3,LiVO3,BaNb26,NaNbO3,S
rNb26,KTaO3,NaTaO3,SrTa26
CuCr24,Ag2CrO4,BaCrO4,K2MoO
4,Na2MoO4,NiMoO4,BaWO4,Na2WO
4,SrWO4,MnCr24,MnFe24,MnTi
3,MnWO4,CoFe24,NnFe24,FeW
4,CoMoO4,CoTiO3,CoWO4,NiFe
24,NiWO4,CuFe24,CuMoO4,CuT
iO3,CuWO4,Ag2MoO4,Ag2WO4,ZnA
24,ZnMoO4,ZnWO4,CdSnO3,Cd
TiO3,CdMoO4,CdWO4,NaAlO2,Mg
Al24,SrAl24,Gd3Ga512,InFeO
3,MgIn24,Al2TiO5,FeTiO3,MgT
iO3,Na2SiO3,CaSiO3,ZrSiO4,K2
GeO3,Li2GeO3,Na2GeO3,Bi2Sn
39,MgSnO3,SrSnO3,PbSiO3,Pb
MoO4,PbTiO3,SnO2−Sb23,CuSe
4,Na2SeO3,ZnSeO3,K2TeO3,K2
eO4,Na2TeO3,Na2TeO4などの金属複合酸
化物、FeS,Al23,MgS,ZnSなどの硫化
物、LiF,MgF2,SmF3などのフッ化物、HgC
l,FeCl2,CrCl3などの塩化物、AgBr,C
uBr,MnBr2などの臭化物、PbI2,CuI,F
eI2などのヨウ化物、又は、SiAlONなどの金属
酸化窒化物でも絶縁体層13の誘電体材料として有効で
ある。
【0020】さらに、絶縁体層の誘電体材料としてダイ
ヤモンド,フラーレン(C2n) などの炭素、或いは、Al4C
3,B 4C ,CaC 2,Cr3C 2,Mo2C ,MoC ,NbC ,SiC
,TaC,TiC ,VC,W 2C ,WC,ZrC などの金属炭化物
も有効である。なお、フラーレン(C2n) は炭素原子だけ
からなりC60に代表される球面篭状分子でC32〜C960
などがあり、また、上式中、O x,N xのxは原子比を表
す。以下、同じ。
【0021】絶縁体層の厚さ13は、50nm以上、好
ましくは 100〜1000nm程度である。電子放出側の金属
薄膜電極15の材料としてはPt,Au,W,Ru,I
rなどの金属が有効であるが、Al,Sc,Ti,V,
Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,
Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Rh,Pd,Ag,C
d,Ln,Sn,Ta,Re,Os,Tl,Pb,L
a,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなども用いら
れ得る。
【0022】絶縁体層13における高導電性層14の材
料としては、絶縁体より電気抵抗率の低い物質を用い、
例えば、Li,Be,C,Na,Mg,Al,Si,
K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,
Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Rb,Sr,
Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,C
d,In,Sn,Sb,Te,Cs,Ba,Hf,T
a,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,
Pb,Bi,Po,La,Ce,Pr,Nd,Sm,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu
等の金属、半導体、またこれらの酸化物、あるいは合金
などから適宜選択できる。
【0023】素子基板10の材質はガラスの他に、Al
23,Si34、BN等のセラミックスでも良い。また
これらの成膜法としては、スパッタリング法が特に有効
であるが、真空蒸着法、CVD(chemical vapor depos
ition )法、レーザアブレーション法、MBE(molecu
lar beam epitaxy)法、イオンビームスパッタリング法
でも有効である。
【0024】具体的に、本発明の電子放出素子を作製し
特性を調べた。Al電極をスパッタリング法により膜厚
300nmで形成したガラス基板10(素子基板)の電極
表面に、シリコン(Si)の電子供給層12をスパッタ
リング法により膜厚5μmで形成した。かかるSi基板
を多数用意した。次に、スパッタリング法により、かか
るSi基板の電子供給層12上に膜厚195 nmでSiO
xの絶縁体層13を成膜し、この絶縁体層上に5nmの
高導電性層14を成膜し、この高導電性層上に膜厚200 n
mでSiOxの絶縁体層13を成膜した。このようにし
て、ほぼ等しい膜厚の絶縁体層13に挾まれたAlとW
とについて高導電性層14を膜厚0nm,5nm,15n
m,30nm,40nm,50nmに変化させ、高導電
性層及び絶縁体層の全体厚が100nm,400nm,
800nmとなるように成膜したSiOx絶縁体基板を
多数用意した。また、高導電性層膜厚0nmのものは比
較例として作成した。SiOx絶縁体層13及び高導電
性層14は、スパッタリング法をとおして、Ar,Kr,
Xeあるいはそれらの混合ガス、又はこれらの希ガスを
主成分としO2,N2などを混入した混合ガスを用いてガ
ス圧 0.1〜 100mTorr 好ましくは 0.1〜20mTorr 、成
膜レート 0.1〜1000nm/min好ましくは 0.5〜 100nm/min
のスパッタ条件で成膜されている。スパッタリング装置
のターゲットやスパッタ条件を適宜変えることにより、
絶縁体層13のアモルファス相、粒径、原子比は制御さ
れ得る。
【0025】実施例のSiOx絶縁体層13について、
X線回折法で分析したところアモルファス相によるハロ
ー強度Iaが観測された。このことから絶縁体層のSi
xはアモルファス相であると推定できる。最後に、各
基板のアモルファスSiOx層の表面上にPtの金属薄
膜電極15を膜厚10nmでスパッタリング法により成
膜し、素子基板を多数作成した。
【0026】一方、透明ガラス基板1の内面にITOコ
レクタ電極2が形成されたものや、各コレクタ電極上
に、R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層3を
常法により形成した透明基板を作成した。これら素子基
板及び透明基板を、金属薄膜電極15及びコレクタ電極
2が向かい合うように平行に10mm離間してスベーサ
により保持し、間隙を10-7Torr又は10-5Paの
真空になし、電子放出素子を組立て、作製した。
【0027】その後、多数の得られた素子のそれぞれに
ついて駆動電圧Vdを0〜200V印加して、各SiO
x層膜厚に対応したダイオード電流Id及び放出電流I
eを測定した。その結果として、図2に、高導電性層及
び絶縁体層の全体厚が100nm,400nm,800
nmの場合における、電子放出素子の高導電性層膜厚に
対する放出電流Ieの変化を示す。この結果、 200V以
下の電圧を加えることにより、高導電性層及び絶縁体層
の全体厚50nm以上の100nm〜800nmでかつ
高導電性層膜厚50nm以下で、1×10-6A/cm2
上の放出電流が得られた。よって、膜厚50nm以上好
ましくは、100nm以上のSiOx誘電体層を有する
素子から得られることが判明した。
【0028】また、蛍光体を塗布したコレクタ電極2及
び金属薄膜電極15の間に約4kVの電圧を印加した状
態では、SiOx層膜厚50nm以上の素子で薄膜電極
に対応する形の均一な蛍光パターンが観測された。この
ことは、アモルファスSiO x層からの電子放出が均一
であり、直線性の高いことを示し、電子放出ダイオード
として、ミリ波又はサブミリ波の電磁波を放出する発光
ダイオード又はレーザダイオードとして、さらには高速
スイッチング素子として動作可能であることを示してい
る。
【0029】スパッタリング法で成膜した絶縁体層の表
面をSEMで観察したところ、20nm程度の粒塊から
なることを特徴としていることが判った。50nm以上
の膜厚を有しながらトンネル電流が流れるといった特異
な現象はこの特徴に起因すると考えられる。すなわち、
SiOxは本来絶縁体であるが、粒塊あるいは、その近
傍に発生しやすい結晶欠陥や不純物などによりポテンシ
ャルの低いバンドが多数現れる。電子はこのポテンシャ
ルの低いバンドを介し次々にトンネリングし、結果とし
て50nm以上の膜厚をもトンネルすると推定される。
【0030】図3と図4は、高導電性層がある場合とそ
れがない場合の放出電流の時間変動をそれぞれ表してい
る。図3のように高導電性層がある場合は、図4の高導
電性層がない場合と比べて放出電流の時間変動は非常に
小さく、放出電流が安定していることがわかる。このよ
うに安定になったことは、高導電性層を絶縁体層に設け
ることにより、印加電圧Vdによる電界が均一になるの
で、高導電性層がない場合に比べて多くの電子を安定し
て金属薄膜電極に到達させると推察される。
【0031】図5は、実施例の高導電性層を絶縁体層に
設けた電子放出素子のダイオード電流Id(Diode Curre
nt) と駆動電圧Vd(V diode) との関係を放出電流Ie
(Emission Current)の変化と共に示したものである。図
5においてダイオード電流Id及び放出電流Ieの変化
はヒステリシス特性を有することが分る。放出電流開始
の駆動電圧から電圧降下が生じ、良好に放出電流が上昇
することが分る。
【0032】上記実施例では絶縁体層13の中間に高導
電性層14を1層有するものを説明したが、他の実施例
として、図6に示すように、高導電性層14を絶縁体層
13及び金属薄膜電極15の界面に設けることができ、
また、図7に示すように、高導電性層14を絶縁体層1
3及び電子供給層12の界面に有するようにできる。さ
らに、図8は他の実施例の電子放出素子の概略部分拡大
断面図であり、2層以上の高導電性層14を絶縁体層1
3内に設け、絶縁体層を3つ以上に分けた多層構造とす
ることもできる。即ち、本発明の電子放出素子において
は、絶縁体層と高導電性層とは交互に積層され得る。ま
た、高導電性層は、積層方向に沿って、漸次拡大又は縮
小した間隔で配置しても、等間隔で積層してもよい。
【0033】またさらに、本発明の他の実施例の電子放
出素子においては、図9に示すように、高導電性層は漸
次拡大又は縮小した膜厚を有するように、成膜してもよ
い。さらに、他の実施例においては、図10に示すよう
に、高導電性層14を、絶縁体層13中に同時スパッタ
リング方法などにより高導電性材料をドーパントとして
分散させて設けることもできる。この場合も、絶縁体層
13から金属薄膜電極15への電子の移動を円滑にする
働きをなす。また、高導電性層ドーパントを絶縁体層1
3の金属薄膜電極15に近い方に高くなる又は低くなる
ような密度勾配を設けて分散させてもよい。
【0034】このように、金属薄膜電極、絶縁体層及び
電子供給層を積層した本発明の電子放出素子において
は、金属薄膜電極と絶縁体層との界面、或いは電子供給
層と絶縁体層との界面、又は絶縁体層中に多層として、
高導電性層を設けることにより、低い電圧でかつ安定し
た放出電流を得ることができる。図11は、実施例の電
子放出表示装置を示す。実施例は、一対の透明基板1及
び素子基板10からなり、基板は真空空間4を挾み互い
に対向している。図示する電子放出表示装置において、
表示面である透明ガラス基板1すなわち透明基板の内面
(背面板10と対向する面)には、例えばインジウム錫
酸化物(いわゆるITO)、酸化錫(SnO)、酸化亜
鉛(ZnO)などからなる透明なコレクタ電極2の複数
が互いに平行に形成されている。また、コレクタ電極2
は一体的に形成されていてもよい。放出電子を捕獲する
透明コレクタ電極群は、カラーディスプレイパネルとす
るために赤、緑、青のR,G,B色信号に応じて3本1
組となっており、それぞれに電圧が印加される。よっ
て、3本のコレクタ電極2の上には、R,G,Bに対応
する蛍光体からなる蛍光体層3R,3G,3Bが真空空
間4に面するように、それぞれ形成されている。
【0035】一方、真空空間4を挾み透明ガラス基板1
に対向するガラス等からなる素子基板10すなわち素子
基板内面(透明ガラス基板1と対向する面)にはインシ
ュレータ層18を介してそれぞれ平行に伸長する複数の
オーミック電極11が形成されている。インシュレータ
層18は、SiOx,SiNx,Al23,AlNなどの
絶縁体からなり、素子基板10から素子への悪影響(ア
ルカリ成分などに不純物の溶出や、基板面の凹凸など)
を防ぐ働きをなす。オーミック電極の上に上記実施例の
電子放出素子Sの複数が形成され、隣接する金属薄膜電
極を電気的に接続しその一部上に、オーミック電極に垂
直に伸長して架設され、それぞれが平行に伸長する複数
のバス電極16が設けられている。電子放出素子Sはオ
ーミック電極上に順に形成された電子供給層12、絶縁
体層13及び金属薄膜電極15からなる。そして、絶縁
体層13には高導電性層14が設けられている。金属薄
膜電極15は真空空間4に面する。また、金属薄膜電極
15の表面を複数の電子放出領域に区画するため、開口
を有した第2絶縁体層17が成膜される。この第2絶縁
体層17はバス電極16を覆うことで不要な短絡を防止
する。
【0036】オーミック電極11の材料としては、A
u,Pt,Al,W等の一般にICの配線に用いられる
材料で、各素子にほぼ同電流を供給する均一な厚さであ
る。電子供給層12の材質は、シリコン(Si)が挙げ
られるが、本発明の電子供給層はシリコンに限られたも
のではなく他の半導体又は金属であり、アモルファス、
多結晶、単結晶のいずれでも良い。
【0037】薄膜電極15の材質は、電子放出の原理か
ら仕事関数φが小さい材料で、薄い程良い。電子放出効
率を高くするために、薄膜電極15の材質は周期律表の
I族、II族の金属が良く、たとえばCs,Rb,Li,
Sr,Mg,Ba,Ca等が有効で、更に、それらの合
金であっても良い。また、薄膜電極15の材質は極薄化
の面では、導電性が高く化学的に安定な金属が良く、た
とえばAu,Pt,Lu,Ag,Cuの単体又はこれら
の合金等が望ましい。また、これらの金属に、上記仕事
関数の小さい金属をコート、あるいはドープしても有効
である。
【0038】バス電極16の材料としては、Au,P
t,Al等の一般にICの配線に用いられる物で良く、
各素子にほぼ同電位を供給可能ならしめるに足る厚さ
で、 0.1〜50μmが適当である。また、本発明の表示
装置の駆動方式としては単純マトリクス方式またはアク
ティブマトリクス方式が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施例の高導電性層を有する電
子放出素子の概略断面図である。
【図2】 本発明による実施例の電子放出表示装置にお
ける電子放出電流の高導電性層膜厚依存性を示すグラフ
である。
【図3】 実施例の電子放出素子の放出電流の時間変動
を示すグラフである。
【図4】 高導電性層を有さない比較例の電子放出素子
の放出電流の時間変動を示すグラフである。
【図5】 実施例の電子放出素子における印加駆動電圧
Vdとダイオード電流の関係を示すグラフである。
【図6】 本発明による他の実施例の電子放出素子の高
導電性層近傍を示す概略部分拡大断面図である。
【図7】 本発明による他の実施例の電子放出素子の高
導電性層近傍を示す概略部分拡大断面図である。
【図8】 本発明による他の実施例の電子放出素子の高
導電性層近傍を示す概略部分拡大断面図である。
【図9】 本発明による他の実施例の電子放出素子の高
導電性層近傍を示す概略部分拡大断面図である。
【図10】 本発明による他の実施例の電子放出素子の
高導電性層近傍を示す概略部分拡大断面図である。
【図11】 本発明による実施例の電子放出表示装置を
示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 コレクタ電極 3R,3G,3B 蛍光体層 4 真空空間 10 素子基板 11 オーミック電極 12 電子供給層 13 絶縁体層 14 高導電性層 15 金属薄膜電極 16 バス電極 17 第2絶縁体層 18 インシュレータ層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】絶縁体層13は誘電体からなり50nm以
上の極めて厚い膜厚を有するものである。電子放出素子
は、表面の金属薄膜電極15を正電位Vdとし裏面オー
ミック電極11を接地電位としたダイオードである。オ
ーミック電極11と金属薄膜電極15との間に電圧Vd
例えば90V程度を印加し電子供給層12に電子を注入
すると、ダイオード電流Idが流れ、絶縁体層13は高
抵抗であるので、印加電界の大部分は絶縁体層13にか
かる。電子は、金属薄膜電極15側に向けて絶縁体層1
3内を移動する。金属薄膜電極15付近に達した電子
は、そこで強電界によって一部は金属薄膜電極15から
外部の真空中に放出される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】薄膜電極15から放出された電子e(放出
電流Ie)は、対向したコレクタ電極(透明電極)2に
印加された高い加速電圧Vc例えば5kV程度によって
加速され、コレクタ電極2に集められる。コレクタ電極
に蛍光体3が塗布されていれば対応する可視光を発光さ
せる。電子放出素子の電子供給層12の材料としてはS
iが特に有効であるが、ゲルマニウム(Ge)、炭化シ
リコン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化
インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdS
e)など、IV族、III−V族、II−VI族などの
単体半導体及び化合物半導体が、用いられ得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】絶縁体層13の誘電体材料としては、酸化
珪素SiOx(xは原子比を示す)が特に有効である
が、LiO,LiN,NaO,KO,Rb
,CsO,BeO,MgO,MgN,Ca
,CaN,SrO,BaO,ScO,YO
,YN,LaO,LaN,CeO,Pr
,NdO,SmO,EuO,GdO,Tb
,DyO,HoO,ErO,TmO,Yb
, LuO,TbO,DyO,HoO,E
rO,TmO,YbO,LuO,TiO ,Z
rO,ZrN,HfO,HfN,ThO,V
,VN,NbO,NbN,TaO,TaN
,CrO,CrN,MoO,MoN,W
,WN,MnO,ReO,FeO,FeN
,RuO,OsO,CoO,RhO,IrO
,NiO,PdO,PtO,CuO,CuN
,AgO,AuO,ZnO,CdO,HgO
,BO,BN,AlO,AlN,GaO
GaN,InO ,SiN,GeO,SnO
PbO,PO,PN,AsO,SbO,Se
,TeOなどの金属酸化物又は金属窒化物でもよ
い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】さらに、絶縁体層の誘電体材料としてダイ
ヤモンド,フラーレン(C2n)などの炭素、或いは、
Al,BC,CaC,Cr,Mo
C,MoC,NbC,SiC,TaC,TiC,V
C,WC,WC,ZrCなどの金属炭化物も有効であ
る。なお、フラーレン(C2n)は炭素原子だけからな
りC60に代表される球面篭状分子でC32〜C960
などがあり、また、上式中、O,Nのxは原子比を
表す
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】具体的に、本発明の電子放出素子を作製し
特性を調べた。Al電極をスパッタリング法により膜厚
300nmで形成したガラス基板10(素子基板)の電
11表面に、シリコン(Si)の電子供給層12をス
パッタリング法により膜厚5μmで形成した。かかるS
i基板を多数用意した。次に、スパッタリング法によ
り、かかるSi基板の電子供給層12上に膜厚195n
mでSiOの絶縁体層13を成膜し、この絶縁体層上
に5nmの高導電性層14を成膜し、この高導電性層上
に膜厚200nmでSiOの絶縁体層13を成膜し
た。このようにして、ほぼ等しい膜厚の絶縁体層13に
挟まれたAl、Wなどからなる高導電性層14を膜厚0
nm,5nm,15nm,30nm,40nm,50n
mに変化させ、同様に、高導電性層及び絶縁体層の全体
厚が100nm,400nm,800nmとなるように
成膜したSiO絶縁体基板を多数用意した。また、高
導電性層膜厚0nmのものは比較例として作成した。S
iO絶縁体層13及び高導電性層14は、スパッタリ
ング法をとおして、Ar,Kr,Xeあるいはそれらの
混合ガス、又はこれらの希ガスを主成分としO,N
などを混入した混合ガスを用いてガス圧0.1〜100
mTorr好ましくは0.1〜20mTorr、成膜レ
ート0.1〜1000nm/min好ましくは0.5〜
100nm/minのスパッタ条件で成膜されている。
スパッタリング装置のターゲットやスパッタ条件を適宜
変えることにより、絶縁体層13のアモルファス相、粒
径、原子比は制御され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】その後、多数の得られた素子のそれぞれに
ついて駆動電圧Vdを0〜200V印加して、各SiO
層膜厚に対応したダイオード電流Id及び放出電流I
eを測定した。その結果として、図2に、高導電性層及
び絶縁体層の全体厚が100nm,400nm,800
nmの場合における、電子放出素子の高導電性層膜厚に
対する放出電流Ieの変化を示す。この結果、200V
以下の電圧を加えることにより、高導電性層及び絶縁体
層の全体厚50nm以上の100nm〜800nmでか
つ高導電性層膜厚50nm以下で、1×10−A/c
以上の放出電流が得られた。よって、膜厚50nm
以上好ましくは、100nm以上のSiO誘電体層を
有する素子から1×10−6A/cm以上の放出電流
得られることが判明した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】スパッタリング法で成膜した絶縁体層の表
面をSEMで観察したところ、20nm程度の粒塊から
なることを特徴としていることが判った。50nm以上
の膜厚を有しながらトンネル電流が流れるといった特異
な現象はこの特徴に起因すると考えられる。すなわち、
SiOは本来絶縁体であるが、粒塊あるいは、その近
傍に発生しやすい結晶欠陥や不純物などによりポテンシ
ャルの低いバンドが多数現れる。電子はこのポテンシャ
ルの低いバンドを介し次々にトンネリングし、結果とし
て50nm以上の膜厚をもトンネルするためと推定され
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中馬 隆 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 根岸 伸安 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 伊藤 寛 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 吉澤 淳志 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 高士 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 柳沢 秀一 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 酒村 一到 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属又は半導体からなる電子供給層、前
    記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層
    上に形成された金属薄膜電極からなり、前記電子供給層
    及び前記金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する
    電子放出素子であって、 前記絶縁体層は、前記絶縁体層よりも高い導電性の少な
    くとも1層以上の電界安定化層を有することを特徴とす
    る電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記電界安定化層は前記電子供給層と前
    記絶縁体層の界面または前記金属薄膜電極と前記絶縁体
    層の界面または前記絶縁体層の中間に設けられたことを
    特徴とする請求項1記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体層と前記電界安定化層とは交
    互に複数積層されていることを特徴とする請求項1記載
    の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記電界安定化層は漸次拡大又は縮小し
    た膜厚を有することを特徴とする請求項2記載の電子放
    出素子。
  5. 【請求項5】 真空空間を挾み対向する一対の第1及び
    第2基板と、 前記第1基板に設けられた複数の電子放出素子と、 前記第2基板内に設けられたコレクタ電極と、 前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、からなる
    電子放出表示装置であって、 前記電子放出素子の各々は、金属又は半導体からなる電
    子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び
    前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極からなり、前
    記絶縁体層は、前記絶縁体層よりも高い導電性の少なく
    とも1層以上の電界安定化層を有することを特徴とする
    電子放出表示装置。
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