JP2019006436A - チャック付き包装袋およびチャック付き包装袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態について、図1から図17を参照して説明する。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法等は適宜調整されている。
図1に示すように、本実施形態のチャック付き包装袋1は、袋本体2と、チャック3とを備える。
袋本体2は、外部に対して密閉された内容物収納部(空間)4、及び、内容物収納部4を外部に開口させるための開封予定線5を有する。本実施形態の袋本体2は、内容物収納部4を囲むシール部6を有する。より具体的に、袋本体2は、一対のフィルム部16,17を重ね合わせ(図2参照)、一対のフィルム部16,17の周縁部同士を密着させてシール部6とすることで構成されている。
フィルム部16,17の辺に直交する方向におけるシール部6の寸法(幅寸法)は、例えば全て等しくてもよい。本実施形態では、シール部6の一部が他の部分よりも幅広に形成されている。具体的には、天シール部11のうち右側部分が、天シール部11の左側部分よりも幅広とされた幅広シール部15となっている。
開封予定線5と交わるシール部6の外側の縁部には、開封用のノッチ7が形成されている。本実施形態では、開封予定線5が左側シール部12の外側の縁部にのみ到達し、右側シール部13に到達しない。このため、ノッチ7は左側シール部12のみに形成されている。
チャック3は、少なくとも開封予定線5と同様に、天シール部11の左側部分の下方において左側シール部12から幅広シール部15まで延びており、袋本体2を開閉する機能を有する。本実施形態では、チャック3は右側シール部13まで到達していない。
一対の嵌合部21,22は、開封予定線5よりも袋本体2の内容物収納部4側において開封予定線5の長手方向(第一方向Da)に延びている。
一対の嵌合部21,22の一方は雄型嵌合部21であり、他方の嵌合部22は雄型嵌合部21が嵌まる雌型嵌合部22である。
以下の説明では、雄型嵌合部21に一体に形成された取付基部23を雄側取付基部23と呼び、雌型嵌合部22に一体に形成された取付基部24を雌側取付基部24と呼ぶ。また、雄側取付基部23と対向面部18とが溶着して接合している部分を雄側溶着部23p、雌側取付基部24と対向面部19とが溶着して接合している部分を雌側溶着部24pと呼ぶ。
雌型嵌合部22は、雌側取付基部24における雄側取付基部23と対向する面(第一面24s)に設けられており、第一面24sから突出している。
吊下げ孔9は、幅広シール部15に形成されている。吊下げ孔9は、開封予定線5よりも下方に位置している。本実施形態において、吊下げ孔9はチャック3よりも下方に位置している。また、吊下げ孔9は、袋本体2の左右方向の中央部に位置している。
本実施形態において、口栓10は地シール部14のうち袋本体2の左右方向の中央部に位置している。すなわち、口栓10は、地シール部14の下端に位置している。
チャック付き包装袋1の使用に際して、例えば希釈液などを袋本体2内に充填された内容物に追加する場合には、はじめに、取手部80を持ち、天シール部11を袋本体2の左右方向の中央部分から切り取り、開封する。開封した状態では、チャック3の一対の嵌合部21,22が、袋本体2の開口側に露出する。
その後は、袋本体2の開口を通じて内容物収納部4に希釈液などを追加し、一対の嵌合部21,22を嵌め合せて袋本体2の開口を閉じればよい。これにより、袋本体2の内容物収納部4が外部に対して密閉される。密閉後は、例えば、内容物と追加された希釈液などとを良く混ぜ合わせてもよい。
次にチャック付き包装袋1の製造装置100について、図4および図5を参照して説明する。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法等は適宜調整されている。
チャック付き包装袋1の製造装置100は、図4に示すように、製造装置本体200とフィルム供給体120と、雄側取付基部供給体230と、雌側取付基部供給体240と、を備えている。
雄側取付基部供給体230は、雄側取付基部23を連続して供給するための長尺の雄側取付基部連続体231がロール状に巻かれている。
雌側取付基部供給体240は、雌側取付基部24を連続して供給するための長尺の雌側取付基部連続体241がロール状に巻かれている。
雄側取付基部連続体231と雌側取付基部連続体241とは、一対の嵌合部21,22が嵌合していない状態で製造装置本体200に供給される。
製造装置本体200は、小室(チャンバー)内に設けられ、内部は陽圧に保たれている。製造装置本体200の内部は、図5に示すように、付着エリアA1と、乾燥エリアA2と、チャック嵌合・シールエリアA3、充填エリアA4、切断エリアA5、との五つのエリアから構成されている。
付着エリアA1には、外部から付着エリアA1に過酸化水素ガスを充満させるためのダクトDgが設けられている。
付着エリアA1の陽圧レベルは1であり、製造装置本体200の小室(チャンバー)外の外気圧よりもより圧力は高い。
付着エリアA1の温度はおよそ50度であり、過酸化水素ガスはガスのまま付着エリアA1に充満される。過酸化水素ガスの濃度はおよそ1800〜2000ppmである。
供給されたフィルム連続体121、雄側取付基部連続体231、および雌側取付基部連続体241が、付着エリアA1を通過する時間はおよそ20秒である。
乾燥エリアA2には、外部から乾燥エリアA2に乾燥エアを充満させるためのダクトDaが設けられている。
乾燥エリアA2の陽圧レベルは2であり、製造装置本体200の小室(チャンバー)外の外気圧よりもより圧力は高く、また、付着エリアA1の内気圧よりも圧力は高い。
乾燥エリアA2の温度はおよそ50度である。
チャック嵌合・シールエリアA3の陽圧レベルは2.5であり、製造装置本体200の小室(チャンバー)外の外気圧よりもより圧力は高く、また、乾燥エリアA2の内気圧よりも圧力は高い。
充填エリアA4には、外部から充填エリアA4に内容物収納部4を充満させるためのノズルNが設けられている。
充填エリアA4の陽圧レベルは3であり、製造装置本体200の内部のエリアの中で最も陽圧レベルは高い。
切断エリアA5の陽圧レベルは1であり、製造装置本体200の小室(チャンバー)外の外気圧よりもより圧力は高いが、充填エリアA4の内気圧よりも圧力は低い。
付着エリアA1および切断エリアA5の空気が排出される部分には、図5に示すように、排出される空気を吸引する吸引装置Qが設けられている。
次にチャック付き包装袋1の製造方法について、図6から図17を参照して説明する。
図4に示すように、まず、フィルム供給体120、雄側取付基部供給体230、および雌側取付基部供給体240を準備する。
フィルム供給体120からフィルム連続体121を搬送し、雄側取付基部供給体230から雄側取付基部連続体231を搬送し、雌側取付基部供給体240から雌側取付基部連続体241を搬送する(ステップS1)。
付着エリアA1と乾燥エリアA2とに、一対の嵌合部21,22が嵌合していない状態で供給され、過酸化水素が付着され、さらに付着した過酸化水素を乾燥させて殺菌される。そのため、雄側取付基部連続体231および雌側取付基部連続体241の全体が殺菌され、未殺菌箇所が生じない。
なお、付着させて乾燥させる殺菌液は、過酸化水素に限定されない。公知の殺菌液を適宜選択して使用することができる。
チャック嵌合工程では、まず、雄側取付基部連続体231の雄型嵌合部21と、雌側取付基部連続体241の雌型嵌合部22が対向するように配置される。次に、雄側取付基部連続体231および雌側取付基部連続体241が、第一方向Daの方向に、同一のローラに搬送され、ローラにより、雄側取付基部連続体231と雌側取付基部連続体241とが向かい合う方向に近づくように押さえつけられて、雄側取付基部連続体231の雄型嵌合部21と雌側取付基部連続体241の雌型嵌合部22とが嵌合され、チャック連続体251となる。図8は、チャック連続体251を雄側取付基部連続体231側から見た斜視図である。図9は、チャック連続体251を雌側取付基部連続体241側から見た斜視図である。
本実施形態では、一例として、チャック連続体251の移動方向の先端に位置する、チャック連続体251から分離される前のチャック3に対して、嵌合潰し工程を行う。具体的には、チャック連続体251において、チャック連続体251の先端に位置する分離前のチャック3において移動方向の後端側に位置する雄型嵌合部21の長手方向Daの端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの端部と、このチャック3の後端側に隣接する分離前のチャック3において移動方向の先端側に位置する雄型嵌合部21の長手方向Daの端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの端部と、を含む領域である領域R1(図8参照)を、図5に示すように一対のバー41A、41Bを用いて、チャック連続体251の厚さ方向(チャック3における上下方向Dc)の両側から加熱して、チャック連続体251の厚さ方向に圧力を加える。これによって、チャック連続体251の先端に位置する分離前のチャック3の雄型嵌合部21の長手方向Daの両端部のうち移動方向の後端側の端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの両端部のうち移動方向の後端側の端部と、この先端に位置する分離前のチャック3の後端側に隣接する分離前のチャック3の雄型嵌合部21の長手方向Daの両端部のうち移動方向の先端側の端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの両端部のうち移動方向の先端側の端部と、を同時に潰す。すなわち、チャック連続体251から分離される前のチャック3において、雄型嵌合部21の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの両端部のうち、まずチャック連続体251の移動方向の先端側に位置する雄型嵌合部21の長手方向Daの端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの端部が潰され、続いてチャック連続体251の移動方向の後端側に位置する雄型嵌合部21の長手方向Daの端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの端部が潰される。この嵌合潰し工程において、チャック3において雄型嵌合部21の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部22の長手方向Daの両端部以外の部分は、潰れていない状態のままである。
図11に示すように、真空ブロックBによって引き出されたチャック連続体251は、フィルム連続体121の面12s上にわずかな隙間を挟んで配置される。
図14は、一対のヒートシールバー42A、42Bによってイージーピールフィルム28を溶着する際の、チャック3の断面図を示している。
フィルム連続体121の移動量は、図1に示すフィルム部16,17の第一方向Daの寸法と同じである。
真空ブロックBを用いてチャック連続体251の引き出し量を正確に制御することで、チャック3の第一方向Daの寸法の精度およびチャック3のフィルム連続体121への溶着位置の精度を高めることができる。
シール工程では、雌側取付基部24の長手方向Daの両端部およびフィルム連続体121の面12sの第一半分13Aにおいて雌側取付基部24の長手方向Daの両端部に隣接する部分を、フィルム連続体121の面12sの第二半分13Bに接合する。
製袋シール工程では、フィルム連続体121の面12sの第一半分13Aの周縁部と第二半分13Bの周縁部とを互いに接合する。
充填工程では、包装袋の内容物を充填する。
以上のようにチャック付き包装袋1を製造することで、チャックを全体を殺菌でき、かつ、殺菌に用いた過酸化水素がチャック付き包装袋1に残留しにくい。
本実施形態のチャック付き包装袋1によれば、雄側取付基部23と雌側取付基部24とが嵌合しない状態で、雄側取付基部23と雌側取付基部24との全体を過酸化水素ガスにより殺菌されており、未殺菌箇所がないチャック付き包装袋1を提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態および変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
ピッチカット・溶着工程の変形例では、図18に示すように、所定の長さまで引き出されたチャック連続体251が切断刃Cにより切断される。
この真空ブロックB1によるチャック3の移動と同時に、真空ブロックB2はチャック連続体251の移動方向の後端側に移動する。真空ブロックB2は空気を吸引し、チャック連続体251を吸着する。ここで、真空ブロックB2がチャック連続体251を吸着する位置からチャック連続体251の先端の位置までの距離は、チャック3の長手方向Daの寸法よりも長い。
チャック3の溶着中もしくは溶着後に、チャック連続体251の真空ブロックB2による引き出しは完了する。チャック連続体251が引き出される長さは、チャック3の長手方向Daの寸法と同じである。
この時、フィルム連続体121も同時に移動方向に向かって移動する。フィルム連続体121に溶着したチャック3も、フィルム連続体121と共に移動する。
フィルム連続体121の移動量は、図1に示すフィルム部16,17の第一方向Daの寸法と同じである。
2 袋本体
3 チャック
4 内容物収納部(空間)
5 開封予定線
6 シール部
7 ノッチ
9 吊下げ孔
10 口栓
11 天シール部
12 左側シール部
13 右側シール部
80 取手部
14 地シール部
15 幅広シール部
16 雄側フィルム部
16 フィルム部
17 雌側フィルム部
17 フィルム部
18 対向面部
19 対向面部
21 雄型嵌合部
22 雌型嵌合部
23 雄側取付基部(第一取付基部)
23c リブ
23p 雄側溶着部
24 雌側取付基部(第二取付基部)
24c リブ
24p 雌側溶着部
25 延長部
27 易剥離部
28 イージーピールフィルム
100 製造装置
120 フィルム供給体
121 フィルム連続体
122 フィルム
12s 面
13A 第一半分
13B 第二半分
200 製造装置本体
230 雄側取付基部供給体
231 雄側取付基部連続体
240 雌側取付基部供給体
241 雌側取付基部連続体
251 チャック連続体
Claims (5)
- 外部に対して密閉された空間を有する袋本体と、
前記袋本体が切断された状態で前記袋本体の開口を開閉するチャックと、を備え、
前記チャックが、互いに着脱可能に嵌まり合う一対の嵌合部と、各嵌合部に一体に形成され、前記袋本体の内面のうち互いに対向する一対の対向面部にそれぞれ固定された一対の取付基部と、を備え、
前記チャックは、全体が殺菌された状態で嵌合しているチャック付き包装袋。 - 第一方向に延びて形成され、互いに着脱可能に嵌まり合う第一嵌合部および第二嵌合部と、前記第一嵌合部に一体に形成されたシート状の第一取付基部と、前記第二嵌合部に一体に形成されたシート状の第二取付基部と、を有し、前記第一取付基部は、前記第二取付基部の前記第一方向に略直交する第二方向の両端よりも前記第二方向に長く延びる延長部を有するチャックが、前記第一取付基部において前記第一嵌合部が設けられた面の側における前記延長部の延長方向の先端部の面に易剥離性を有してフィルムに取り付けられたチャック付きフィルムを備えたチャック付き包装袋の製造方法であって、
前記第一取付基部と、前記第二取付基部と、前記フィルムと、を別々に供給するフィルム等供給工程と、
前記第一取付基部と、前記第二取付基部と、前記フィルムと、にガス化した殺菌液を付着させる付着工程と、
前記ガス化した殺菌液が付着した前記第一取付基部と、前記第二取付基部と、前記フィルムと、を乾燥する乾燥工程と、
乾燥された前記第一取付基部の前記第一嵌合部と、前記第二取付基部の前記第二嵌合部と、を嵌合して、チャックとするチャック嵌合工程と、
前記第一嵌合部および前記第二嵌合部の前記第一方向の両端部を潰す嵌合潰し工程と、
前記チャックを前記第一方向に分離し、前記第一取付基部において前記第一嵌合部が設けられた面の前記易剥離性を有する部分を前記フィルムの一方の面に接合するピッチカットおよび溶着工程と、
前記フィルムの前記一方の面において前記チャックが取り付けられた第一半分と前記第一半分以外の第二半分とが互いに対向するように曲げるフィルム曲げ工程と、
前記第一取付基部において前記第一嵌合部が設けられた面とは反対側の面を前記フィルムの前記一方の面に接合し、前記第二取付基部において前記第二嵌合部が設けられた面とは反対側の面を前記フィルムの前記一方の面に接合するチャック溶着工程と、
前記第一取付基部の前記両端部および前記フィルムの前記一方の面の前記第一半分において前記第一取付基部の前記両端部に隣接する部分を、前記フィルムの前記一方の面の前記第二半分に接合するシール工程と、
前記フィルムの前記一方の面の前記第一半分の周縁部と前記第二半分の周縁部とを互いに接合する製袋シール工程と、
を備えるチャック付き包装袋の製造方法。 - 前記ピッチカットおよび溶着工程は、前記チャックを分離する際に、真空ブロックが前記チャックを吸着し、前記チャックの切断予定線を切断箇所まで移動させる、
請求項2に記載のチャック付き包装袋の製造方法。 - 前記ピッチカットおよび溶着工程は、真空ブロックが分離された前記チャックを、所定の接合位置まで移動させる、
請求項2に記載のチャック付き包装袋の製造方法。 - 前記付着工程は、充満された過酸化水素ガスを付着させる、
請求項2に記載のチャック付き包装袋の製造方法。
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