JP2019002865A - 断熱装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、断熱室が複数設けられる場合、断熱室の数に応じて、真空計の数が増加し、断熱装置のコストがさらに増加する。
断熱装置は、熱源(7)、真空ポンプ(5)、真空計(6)、複数の断熱部(51、52、53、54)、断熱部温度検出部(60)および圧力制御部(70、270)を備える。
熱源は、熱を有する。
真空ポンプは、気体を排出可能である。
真空計は、前記真空ポンプの圧力であるポンプ圧力(Pp)を検出可能である。
また、断熱部は、真空ポンプが断熱室の気体を排出して、断熱室の圧力である断熱室圧力(Pi)が低下し、熱源からの熱を断熱可能である。
断熱部温度検出部は、断熱部に設けられており、断熱部の温度である断熱部温度(Ti1、Ti2、Ti3、Ti4)を検出可能である。
圧力制御部は、ポンプ圧力または断熱部温度に基づいて、真空ポンプを制御し、断熱室圧力を制御可能である。
断熱装置は、例えば、モータの巻線を封止する樹脂を焼き固めるための焼成や部材の乾燥等を行う熱源としての加熱炉7に用いられる。加熱炉7の温度を加熱炉温度Tfとする。
図1に示すように、断熱装置11は、真空ポンプ5、真空計6、複数の断熱部51−54、断熱部温度検出部60、圧力制御部70および異常判定部80を備える。
断熱装置11は、高温側と低温側との間における熱の移動を抑制する。
真空ポンプ5は、例えば、油圧を用いる油回転真空ポンプである。
真空計6は、例えば、電離真空計である。加熱したフィラメントから放出する熱電子を加速する。加速した熱電子と気体分子とが衝突したとき、イオンが生成される。真空計6は、イオンの生成量が気体分子の密度に比例することを利用して、ポンプ圧力Ppを検出する。
また、真空計6は、検出したポンプ圧力Ppを圧力制御部70に出力する。
断熱部51−54は、空間である断熱室100を有する。断熱室100の圧力を断熱室圧力Piとする。真空ポンプ5が断熱室100の気体を排出して、断熱室圧力Piが低下する。断熱室100を減圧し、真空にすることによって、断熱部51−54は、加熱炉7からの熱を断熱可能である。なお、真空計6は、断熱室圧力Piを検出してもよい。
断熱部51−54は、高温側部材としての高温側パネル10、低温側部材としての低温側パネル20、シール部材30、球体35および網目状部材40を有する。
また、高温側パネル10は、耐熱性が高い金属で形成され、正方形状の平板に形成されている。
また、低温側パネル20は、高温側パネル10とは別体に形成されている。
さらに、低温側パネル20は、平面部21および通路形成部22を含む。
また、平面部21は、連通孔210を含む。
連通孔210は、高温側パネル10側の平面部21と、高温側パネル10とは反対側の平面部21と、を連通し、後述する断熱室100と連通している。
また、通路形成部22は、平面部21の平面212から外壁8とは反対の方向に伸びるように、形成されている。
さらに、通路形成部22は、通路220を有する。
通路220は、連通孔210と連通している。
また、シール部材30は、高温側接触部31および低温側接触部32を含む。
高温側接触部31は、加熱炉7の外壁8とは反対側の高温側パネル10の平面101に接触している。
また、高温側接触部31は、2つの接触面311を含む。なお、高温側接触部31は、接触面311を含まなくてもよい。
溝310は、シール部材30に対して高温側パネル10が移動するとき変形可能である。これにより、2つの接触面311と高温側パネル10の平面101の接触状態が維持される。
また、低温側接触部32は、外壁8から離れるにしたがって断面積が小さくなるように、形成されている。
シール部材30は、例えば、シリコーンゴムから形成されている。シール部材30により、高温側パネル10および低温側パネル20とともに、減圧可能な断熱室100が形成される。
断熱室100は、断熱部51−54に1つ設けられている。断熱装置11は、複数の独立した断熱室100を有する。
シール部材30は、断熱室100の気密を維持可能である。
球体35は、高温側パネル10の平面101と、加熱炉7の外壁8側の低温側パネル20の平面201とに比較的狭い面積で接触可能に形成されている。
球体35は、高温側パネル10と低温側パネル20とが離間した状態を維持する。
また、網目状部材40は、シール部材30の断熱室100側の内壁301に接触可能である。網目状部材40がシール部材30に接触するとき、網目状部材40は、断熱室100における移動が規制される。
板状部材41は、弾性変形可能であり、網目状部材40を網目状に仕切る。複数の板状部材41が網目状部材40を網目状に仕切ることで、空間である複数の網目400が形成される。
また、断熱部温度検出部60は、断熱部温度Ti1−Ti4を検出可能である。
さらに、断熱部温度検出部60は、検出した断熱部温度Ti1−Ti4を圧力制御部70に出力する。
また、圧力制御部70は、ポンプ圧力Ppに基づいて真空ポンプ5を制御することにより、断熱室圧力Piを制御可能である。予め設定されるポンプ圧力Ppの目標値を目標圧力Pp*とする。
また、圧力制御部70は、ポンプ圧力Ppが目標圧力Pp*以上であるとき、真空ポンプを作動するように制御し、断熱室圧力Piが低下するように制御する。
また、圧力制御部70は、断熱部温度Ti1−Ti4の全てが第2上限温度Ti_lim2以下であるとき、真空ポンプ5を停止するように、制御する。
異常判定部80は、断熱部温度Ti1−Ti4の少なくとも1つが第1上限温度Ti_lim1以上、第2上限温度Ti_lim2以下であるとき、圧力制御部70に警報Shを発する。異常判定部80は、警報Shとして、例えば、別に設けられるモニタの画面に警告と表示する、または、表示画面を赤色に変更する。
時刻x0に、加熱炉7は、加熱を開始する。加熱炉温度Tfが上昇し始める。同時に、真空ポンプ5が作動する。ポンプ圧力Ppが低下し、断熱室圧力Piが低下する。また、断熱部温度Ti1−Ti4が徐々に上昇し、ほぼ一定となる。
時刻x2に、加熱炉温度Tfが目標加熱炉温度Tf*になる。時刻x2以降は、加熱炉温度Tfは、ほぼ一定である。
時刻x4に、第1断熱部温度Ti1が第1上限温度Ti_lim1以上となる。また、第1断熱部温度Ti1は、第2上限温度Ti_lim2以下である。このとき、異常判定部80は、警報Shを発する。
時刻x6に、第1断熱部温度Ti1が第1上限温度Ti_lim1未満となる。このとき、異常判定部80は、警報Shを解除する。
時刻x7以降、断熱部温度Ti1−Ti4は、ほぼ一定となる。
ステップ101において、圧力制御部70は、真空ポンプ5が作動するように、制御する、すなわち、真空ポンプ5がオンになる。
ポンプ圧力Ppが目標圧力Pp*未満であったとき、処理は、ステップ103に移行する。
ポンプ圧力Ppが目標圧力Pp*以上であったとき、処理は、ステップ101に戻る。
ステップ103において、圧力制御部70は、真空ポンプ5を停止するように、制御する、すなわち、真空ポンプ5をオフにする。
断熱部温度Ti1−Ti4の全てが第1上限温度Ti_lim1未満であるとき、処理は、ステップ105に移行する。
断熱部温度Ti1−Ti4の少なくとも1つが第1上限温度Ti_lim1以上であるとき、処理は、ステップ106に移行する。
ステップ106において、異常判定部80は、警報Shを発する。
断熱部温度Ti1−Ti4の全てが第2上限温度Ti_lim2以下であるとき、処理は、ステップ105に移行する。
断熱部温度Ti1−Ti4の少なくとも1つが第2上限温度Ti_lim2を超えているとき、処理は、ステップ108に移行する。
ステップ108において、圧力制御部70は、真空ポンプ5をオンにする。
ステップ109において、所定の時間Hx経過後、圧力制御部70は、真空ポンプ5をオフにする。
圧力制御部70が真空ポンプ5の制御を行う、すなわち、制御フラグFcが1であるとき、処理は、ステップ104に移行する。
圧力制御部70が真空ポンプ5の制御を行わない、すなわち、制御フラグFcが0であるとき、処理は、ステップ111に移行する。
ステップ111において、圧力制御部70は、断熱室100に大気を導入し、処理は、終了する。
複数の断熱室が設けられる場合、断熱室の数に応じて、真空計が増加する。真空計は、比較的高価で、真空計が増加することにより、断熱装置のコストが増加する。
そこで、断熱装置11は、断熱部温度検出部60により、複数の断熱室100の断熱性能を確認でき、真空計6を減らすことができる。断熱部温度検出部60は、真空計6と比較して、安価であり、断熱装置11を比較的安価にできる。
第2実施形態では、圧力制御部の制御が異なる点および温度偏差演算部をさらに備える点を除き、第1実施形態と同様である。
図6に示すように、第2実施形態の断熱装置12は、温度偏差演算部200をさらに備える。
ΔTi1=|Ti1−Ti2| ・・・(1)
ΔTi2=|Ti1−Ti3| ・・・(2)
ΔTi3=|Ti1−Ti4| ・・・(3)
ΔTi4=|Ti2−Ti3| ・・・(4)
ΔTi5=|Ti2−Ti4| ・・・(5)
ΔTi6=|Ti3−Ti4| ・・・(6)
圧力制御部270は、ポンプ圧力Pp、断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6または加熱炉温度Tfに基づいて、真空ポンプ5を制御する。
また、圧力制御部270は、断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の全てが第2上限偏差ΔTi_lim2以下であるとき、真空ポンプ5を停止するように、制御する。
異常判定部280は、断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の少なくとも1つが第1上限偏差ΔTi_lim1以上、第2上限偏差ΔTi_lim2以下であるとき、圧力制御部270に警報Shを発する。
時刻y0から時刻y2までは、時刻x0から時刻x2までと同様である。
時刻y3に、断熱室100へのリーク等による断熱部51の異常が生じ、断熱部51の断熱性能が低下したとする。このとき、第1断熱部温度Ti1が急上昇する。第1断熱部温度偏差ΔTi1、第2断熱部温度偏差ΔTi2および第3断熱部温度偏差ΔTi3が高くなる。また、第4断熱部温度偏差ΔTi4、第5断熱部温度偏差ΔTi5および第6断熱部温度偏差ΔTi6は、ほぼ一定である。
時刻y6に、第1断熱部温度偏差ΔTi1が第1断熱部温度偏差ΔTi1未満となる。このとき、異常判定部280は、警報Shを解除する。
所定の時間Hyは、所定の時間Hxと同様に、設定される。
時刻y7以降、断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6は、ほぼ一定となる。
ステップ201からステップ203までは、第1実施形態のステップ101からステップ103までと同様である。
ステップ204において、圧力制御部270は、断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の少なくとも1つが第1上限偏差ΔTi_lim1以上であるか否かを判定する。
断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の全てが第1上限偏差ΔTi_lim1未満であるとき、処理は、ステップ205に移行する。
断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の少なくとも1つが第1上限偏差ΔTi_lim1以上であるとき、処理は、ステップ206に移行する。
ステップ206において、異常判定部280は、警報Shを発する。
断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の全てが第2上限偏差ΔTi_lim2以下であるとき、処理は、ステップ205に移行する。
断熱部温度偏差ΔTi1−ΔTi6の少なくとも1つが第2上限偏差ΔTi_lim2を超えているとき、処理は、ステップ208に移行する。
ステップ208からステップ211は、第1実施形態のステップ108からステップ111までと同様である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様である。
[i]真空ポンプは、油や液体を真空室内に用いない機械式の真空ポンプであるドライポンプであってもよい。また、真空ポンプは、ダイアフラムの往復運動を利用して排気を行うダイアフラム真空ポンプまたは動翼および固定翼からなるターボ分子ポンプであってもよい。
[ii]真空計は、電離真空計に限らず、質量分析計であってもよい。
高温側パネルおよび低温側パネルと同様に、シール部材も三角形状、長方形状、円形状または円環形状であってもよい。シール部材の形状は、限定されない。
[v]図10に示すように、断熱装置11は、網目状部材40に代替して、多層断熱部材75を備えてもよい。
多層断熱部材75は、断熱室100に収容されている部材である。多層断熱部材75は、シール部材30の内壁301に接触可能に形成されている。これにより、多層断熱部材75は、断熱室100における移動が規制される。多層断熱部材75は、平板状の複数の「金属層」としての金属膜76と、平板状の複数の「断熱材層」としての紙77とを交互に積層することによって形成されている。多層断熱部材75は、一つの球体35を収容可能な収容穴750を複数有する。
[ix]複数の断熱部温度検出部の検出した温度から熱流束を演算し、熱流束に基づいて、圧力制御部は、真空ポンプを制御してもよい。
[x]予め設定される所定の断熱部温度の設定値と断熱部温度Ti1−Ti4との偏差に基づいて、圧力制御部は、真空ポンプを制御してもよい。
以上、本開示はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
6 ・・・真空計、
7 ・・・熱源、
51、52、53、54 ・・・断熱部、
60 ・・・断熱部温度検出部、
70、270 ・・・圧力制御部。
Claims (7)
- 熱を有する熱源(7)と、
気体を排出可能な真空ポンプ(5)と、
前記真空ポンプの圧力であるポンプ圧力(Pp)を検出可能な真空計(6)と、
前記熱源に接し、前記真空ポンプに接続され、中空に形成されており、空間である断熱室(100)を有し、前記真空ポンプが前記断熱室の気体を排出して、前記断熱室の圧力である断熱室圧力(Pi)が低下し、前記熱源からの熱を断熱可能な複数の断熱部(51、52、53、54)と、
前記断熱部に設けられており、前記断熱部の温度である断熱部温度(Ti1、Ti2、Ti3、Ti4)を検出可能な断熱部温度検出部(60)と、
前記ポンプ圧力または前記断熱部温度に基づいて、前記真空ポンプを制御し、前記断熱室圧力を制御可能な圧力制御部(70、270)と、
を備える断熱装置。 - 予め設定される前記断熱部温度の閾値の1つを第1上限温度(Ti_lim1)とし、予め設定され、前記第1上限温度よりも高く設定される閾値を第2上限温度(Ti_lim2)とすると、
前記断熱部温度が前記第1上限温度以上、前記第2上限温度以下であるとき、警報(Sh)を発する異常判定部(80、280)をさらに備える請求項1に記載の断熱装置。 - 前記圧力制御部は、前記断熱部温度が前記第2上限温度を超えたとき、前記真空ポンプが停止するように、制御する請求項2に記載の断熱装置。
- 予め設定される前記ポンプ圧力の目標値を目標圧力(Pp*)とすると、
前記圧力制御部は、前記ポンプ圧力が前記目標圧力未満になったとき、前記真空ポンプが停止するように、制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の断熱装置。 - 前記断熱部温度検出部は、複数の前記断熱部にそれぞれ設けられ、
それぞれの前記断熱部温度検出部が検出した前記断熱部温度の偏差(ΔTi1、ΔTi2、ΔTi3、ΔTi4、ΔTi5、ΔTi6、)を演算可能な温度偏差演算部(200)をさらに備え、
前記圧力制御部(270)は、前記断熱部温度の偏差に基づいて、前記真空ポンプを制御する請求項1から4のいずれか一項に記載の断熱装置。 - 予め設定される前記断熱部温度の偏差の閾値を上限偏差(ΔTi_lim2)とすると、
前記圧力制御部は、前記断熱部温度の偏差が前記上限偏差を超えたとき、前記真空ポンプが停止するように、制御する請求項5に記載の断熱装置。 - 前記断熱部は、前記熱源側に設けられる平板状の高温側部材(10)および前記高温側部材とは別体に形成され、前記高温側部材と離間しつつ前記熱源とは反対側に設けられる平板状の低温側部材(20)を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の断熱装置。
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