以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
以下、被搬送物検出装置を有する処理装置を例に説明する。この例では、処理装置は、被搬送物の例であるウェブに対して、ヘッドユニットによって液体を吐出する処理を行う搬送装置である。また、この例では、搬送装置は、ウェブに対して液体を吐出する処理を行ってウェブに画像を形成する画像形成装置であるとする。以下、搬送装置が画像形成装置であって、ヘッドユニットを「液体吐出ヘッドユニット」とし、液体がウェブに着弾する位置を「処理位置」の例とする。
<全体構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置の一例を示す概略図である。例えば、液体吐出ヘッドユニットが吐出する液体は、水性又は油性のインク等の記録液である。また、搬送装置100は、ウェブ120等の被搬送物を搬送する。
被搬送物は、例えば、記録媒体等である。図示する例では、搬送装置100は、搬送されるウェブ120に対して、液体を吐出して画像形成を行う。また、ウェブ120は、いわゆる連続用紙等である。すなわち、ウェブ120は、巻き取りが可能なロール状の用紙等である。このように、搬送装置100は、いわゆるプロダクション・プリンタである。
以下の説明では、ローラ等が、ウェブ120の張力を調整等し、図示する方向(以下「搬送方向10」という。)に、ウェブ120が搬送される例で説明する。さらに、以下の説明では、搬送方向10に直交する方向を直交方向とする。また、この例では、搬送装置100は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色のインクを吐出して、ウェブ120における所定の箇所に画像を形成するインクジェットプリンタである。
図示するように、搬送装置100は、画像形成の処理を行う装置を2台以上有する。まず、ウェブ120を供給するアンワインダー140が最も上流となる。そして、ローラ230等によってウェブ120が、アンワインダー140から上流にある画像形成の処理を行う装置10M1に搬送される。そして、画像形成の処理を行う装置10M1は、ヘッドユニット210によって、ウェブ120に対して処理を行う。
次に、画像形成の処理を行う装置10M1に処理された後、ウェブ120は、下流にある画像形成の処理を行う装置10M2に搬送される。画像形成の処理を行う装置10M2でも、画像形成の処理を行う装置10M1と同様に、ウェブ120に対して処理が行われる。
また、搬送装置100は、図示するように、乾燥ローラ160等を有してもよい。例えば、乾燥ローラ160があると、乾燥ローラ160によって、画像形成の処理を行う装置10M1又は10M2が処理を行った後、搬送装置100は、ウェブ120を乾燥させることができる。このようにして、乾燥ローラ160によって、搬送装置100は、インクが搬送ローラに転写されるのを少なくできる。
さらに、搬送装置100は、図示するように、後処理装置150等を有してもよい。後処理装置150は、例えば、画像形成の処理を行う装置10M2に処理された後、下流にて、巻き取り処理や製本処理等を行う。
また、搬送装置100は、図示するように、ターンバー130等の反転装置を有するのが望ましい。ターンバー130は、ウェブ120の表面と、裏面とを裏返す処理を行う。したがって、ターンバー130が画像形成の処理を行う装置10M1及び10M2の間に設置されると、搬送装置100は、画像形成の処理を行う装置10M1及び10M2に異なる面を処理させることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成の処理を行う装置の構成例を示す概略図である。図示するように、搬送装置100は、画像形成の処理を行う装置10M1、10M2及びターンバー130を複数有して、いわゆる両面印刷を行う。すなわち、画像形成の処理を行う装置10M1は、第1面FE1に画像を形成する処理を行う。そして、ターンバー130によってウェブの表面と裏面が反転された後、画像形成の処理を行う装置10M2は、第2面FE2に対して画像形成の処理を行う。
図示するように、画像形成の処理を行う装置10M1は、4色のそれぞれのインクを吐出するため、4つの液体吐出ヘッドユニット210K1、210C1、210M1及び210Y1を有する。また、画像形成の処理を行う装置10M2も、4つの液体吐出ヘッドユニット210K2、210C2、210M2及び210Y2を有する。
各液体吐出ヘッドユニットは、搬送方向10に搬送されるウェブ120に対して、各色の液体を吐出する処理を行う。また、ウェブ120は、装置ごとに配置された2対のニップローラ(nip roller)及びローラ230等で搬送されるとする。以下、2対のニップローラのうち、画像形成の処理を行う装置10M1及び10M2が有する各液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるニップローラを「第1ニップローラNR1」という。一方で、第1ニップローラNR1及び各液体吐出ヘッドユニットより下流側に設置されるニップローラを「第2ニップローラNR2」という。なお、各ニップローラは、図示するように、ウェブ120を挟んで回転する。このように、各ニップローラ及びローラ230は、ウェブ120を搬送方向10に搬送するモータ等である。
また、ウェブ120は、長尺であるのが望ましい。具体的には、ウェブの長さは、それぞれの画像形成の処理を行う装置10M1、10M2の第1ニップローラNR1と、第2ニップローラNR2との距離より長いのが望ましい。さらに、被搬送物は、ウェブに限られない。すなわち、被搬送物は、折り畳まれて格納される紙、いわゆる「Z紙」等でもよい。
以下、図示する全体構成例では、各液体吐出ヘッドユニットは、上流側から下流側に向かって、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の順に設置されるとする。画像形成の処理を行う装置10M1で最も上流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1」という。)をブラック(K)用とする。このブラック液体吐出ヘッドユニット210K1の次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「シアン液体吐出ヘッドユニット210C1」という。)をシアン(C)用とする。さらに、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1の次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M1」という。)をマゼンタ(M)用とする。続いて、最も下流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1」という。)をイエロー(Y)用とする。画像形成の処理を行う装置10M2も同様に、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2、シアン液体吐出ヘッドユニット210C2、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M2、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y2を有する。
各液体吐出ヘッドユニットは、画像データ等に基づいて、ウェブ120に、各色のインクをそれぞれ吐出する。そして、液体吐出ヘッドユニットによる処理によって、液体がウェブ120に着弾する位置(以下「吐出位置」という。)は、液体吐出ヘッドのほぼ直下になる。
画像形成の処理を行う装置10M1及び10M2において、ブラックのインクは、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1の吐出位置(以下「ブラック吐出位置PK」という。)に吐出される。同様に、シアンのインクは、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1の吐出位置(以下「シアン吐出位置PC」という。)に吐出される。さらに、マゼンタのインクは、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M1の吐出位置(以下「マゼンタ吐出位置PM」という。)に吐出される。また、イエローのインクは、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1の吐出位置(以下「イエロー吐出位置PY」という。)に吐出される。画像形成の処理を行う装置10M2についても同様であるため説明は省略する。なお、各液体吐出ヘッドユニットがインクを吐出するそれぞれの処理タイミングの制御及び各液体吐出ヘッドユニットに設けられたアクチュエータACの制御は、例えば、各液体吐出ヘッドユニットに接続されるコントローラ520が行う。制御は、共にコントローラ520が行うのでなく、2つ以上のコントローラ又は回路が行っても良い。アクチュエータについては後述する。
また、図示する例では、液体吐出ヘッドユニットに対して、複数のローラが設置される。図示するように、複数のローラは、例えば、各液体吐出ヘッドユニットを挟んで、上流と、下流とに設置される。
具体的には、ウェブ120の搬送経路において、液体吐出ヘッドユニットごとに、各吐出位置の上流側にウェブ120を支持するローラ(以下「第1ローラ」という。)が、設置される。また、各吐出位置から下流側にウェブ120を支持するローラ(以下「第2ローラ」という。)が、設置される。このように、第1ローラ及び第2ローラが設置されると、各吐出位置において、いわゆる「ばたつき」が少なくできる。なお、第1ローラ及び第2ローラは、例えば、従動ローラである。また、第1ローラ及び第2ローラは、モータ等によって回転するローラであってもよい。
なお、第1の支持部材の例である第1ローラと、第2の支持部材の例である第2ローラとは、従動ローラ等の回転体でなくてもよい。すなわち、第1の支持部材及び第2の支持部材は、被搬送物を支える部材であればよい。例えば、第1の支持部材及び第2の支持部材は、断面円形状のパイプ又はシャフト等でもよい。他にも、第1の支持部材及び第2の支持部材は、被搬送物と接する部位が円弧状となる湾曲板等であってもよい。以下、第1の支持部材が第1ローラであり、かつ、第2の支持部材が第2ローラである例で説明する。
具体的には、画像形成の処理を行う装置10M1及び10M2のいずれにおいても、ブラック吐出位置PKのウェブ120の搬送方向上流側にブラック用第1ローラCR1Kが設置される。これに対して、ブラック吐出位置PKからウェブ120の搬送方向下流側にブラック用第2ローラCR2Kが設置される。
同様に、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cに対して、シアン用第1ローラCR1C及びシアン用第2ローラCR2Cが設置される。さらに、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mに対して、マゼンタ用第1ローラCR1M及びマゼンタ用第2ローラCR2Mが設置される。また、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yに対して、イエロー用第1ローラCR1Y及びイエロー用第2ローラCR2Yが設置される。
図2では、例えば、液体吐出ヘッドユニットごとに、搬送方向、直交方向又は両方向におけるウェブの位置等を検出するためのセンサデバイスが1以上設置される。センサデバイスは、可視光や赤外線等の光を利用する光学センサOSを備える。なお、光学センサOSは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等でもよい。すなわち、センサデバイスは、例えば、ウェブの表面の情報を検出できるセンサ等であれば光学センサに限られない。また、センサデバイスは、後述するように、画像形成中に記録媒体の裏面又は表面を検出することのできるセンサデバイスである。以下、光学センサを用いた例で説明を行う。
また、センサデバイスは、後述するようにレーザ光源を備える。光源から照射されるレーザ光がウェブ120の表面で散乱した散乱波が重なり合って干渉すると、スペックルパターン等が生じる。そして、各センサデバイスが有する光学センサOSは、このようなスペックルパターン等を撮像して、画像データを生成する。スペックルパターンは、ウェブ120の表面情報の一例である。このように、光学センサOSによって撮像されるパターンの位置変化に基づいて、例えば、画像形成装置は、各液体吐出ヘッドユニットを移動させる移動量や、各液体吐出ヘッドユニットの吐出タイミング等を求めることができる。
以下、「センサが設置される位置」は、センサデバイスによって、位置等の検出が行われる位置を指す。したがって、「センサが設置される位置」に、検出に用いる装置がすべて設置される必要はない。すなわち、被搬送物検出装置を構成するハードウェアが、検出が行われる位置に設置されてもよい。一方で、光学センサOSのみが、センサとして検出が行われる位置に設置され、他の装置は、光学センサOSとケーブルで接続されて他の位置に設置されてもよい。さらに、以下の説明では、各センサを総じて単に「センサ」という場合がある。
また、センサが配置される位置は、ヘッドユニットに近い位置であるのが望ましい。そして、センサは、まず、ヘッドユニットごとに設置されるとする。
具体的には、図2に示す例では、画像形成の処理を行う装置10M1のブラック用センサデバイスSENK1は、ブラック用第1ローラCR1K及びブラック用第2ローラCR2Kの間に設置される。
同様に、シアン用センサデバイスSENC1は、シアン用第1ローラCR1C及びシアン用第2ローラCR2Cの間に設置される。
さらに、マゼンタ用センサデバイスSENM1は、マゼンタ用第1ローラCR1M及びマゼンタ用第2ローラCR2Mの間に設置される。
さらにまた、イエロー用センサデバイスSENY1は、図示するように、イエロー用第1ローラCR1Y及びイエロー用第2ローラCR2Yの間に設置される。
また、センサが設置される位置は、各ローラ間において、吐出位置より第1ローラに近い位置であるのがより望ましい。すなわち、センサが設置される位置は、各吐出位置より上流であるのがより望ましい。
具体的には、ブラック用センサデバイスSENKは、ブラック吐出位置PKから上流に向かってブラック用第1ローラCR1Kが設置される位置までの間に設置されるのが望ましい。
同様に、シアン用センサデバイスSENCは、シアン吐出位置PCから上流に向かってシアン用第1ローラCR1Cが設置される位置までの間に設置されるのが望ましい。
さらに、マゼンタ用センサデバイスSENMは、マゼンタ吐出位置PMから上流に向かってマゼンタ用第1ローラCR1Mが設置される位置までの間に設置されるのが望ましい。
さらにまた、イエロー用センサデバイスSENYは、イエロー吐出位置PYから上流に向かってイエロー用第1ローラCR1Yが設置される位置までの間に設置されるのが望ましい。
各液体の吐出位置から上流側のローラまでの間にセンサデバイスSENが設置されると、搬送装置100は、ウェブ120の位置等を精度良く検出できる。このような位置にセンサが設置されると、センサが各吐出位置より上流に設置される。そのため、搬送装置100は、まず、上流でセンサデバイスSENを用いて直交方向、搬送方向又は両方向においてウェブ120の位置等を検出する。ゆえに、搬送装置100は、各液体吐出ヘッドユニットが液体を吐出する処理タイミング、ヘッドユニットを移動させる量又は両方を計算できる。すなわち、上流でウェブ120の位置等が検出された後に、ウェブ120が吐出位置へ搬送されるので、搬送装置100は、ウェブ120が吐出位置へ搬送される間に、処理タイミングの算出又はヘッドユニットの移動等を行うことができる。そのため、搬送装置100は、精度良く処理位置を変更することができる。
一方で、センサが設置される位置を各液体吐出ヘッドユニットの直下とすると、制御動作分の遅れ等によって、処理が行われる位置にずれが生じてしまう場合がある。したがって、センサが設置される位置は、各吐出位置より上流であると、搬送装置100は、ずれを少なくし、精度良く処理を行うことができる。また、各吐出位置の付近は、センサ等を設置する位置とするのに制約される場合がある。ただし、制御動作分等の遅れを無視すれば、センサが設置される位置は、各液体吐出ヘッドユニットのそれぞれの直下等でもよい。センサデバイスSENが直下にあると、直下における正確な移動量が、センサによって検出できるという利点もある。例えば、制御動作等が速く行えるのであれば、センサは、各液体吐出ヘッドユニットの直下により近い位置にあるのが望ましい。他にも、誤差が許容できるのであれば、センサの位置は、各液体吐出ヘッドユニットのそれぞれの直下又は各第1ローラ及び各第2ローラの間であって、各液体吐出ヘッドユニットの直下より下流となる位置等でもよい。
さらに、搬送装置は、図示するブラック用センサSENK、シアン用センサSENC、マゼンタ用センサSENM及びイエロー用センサSENY以外に更にセンサを配置してもよい。例えば、搬送装置は、ブラック用センサSENKより上流に更にセンサを配置してもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成の処理を行う装置の構成例を示す上面図である。以下、画像形成の処理を行う装置10M1におけるセンサデバイスの配置例を示す。例えば、各センサデバイスは、ウェブ120の記録面に対して垂直の方向から見たときに、図示するようにウェブ120の幅方向における端付近であり、ウェブ120と重なる位置に配置されるのが望ましい。各センサデバイスは、配置位置PS1、PS2、PS3及びPS4等に配置される。本構成では、コントローラ520が、アクチュエータAC1、AC2、AC3及びAC4を制御することで、ウェブ120が搬送される方向と直交する方向に各液体吐出ヘッドユニットを移動させることができる構成例である。
図2に示すように、画像形成の処理を行う装置10M1においては、各センサデバイスは、各液体吐出ヘッドユニットに対して裏側(ウェブ120に対して各液体吐出ヘッドユニットが設置される側と反対側)に設けられる。
画像形成の処理を行う装置10M2においても、上面図は、ほぼ同様となる。ただし、図2に示すように、本実施の形態において、画像形成の処理を行う装置10M2の各センサデバイスは、各液体吐出ヘッドユニットに対して同じ側(ウェブ120に対して各液体吐出ヘッドユニットが設置される側と同じ側)に設けられる。
また、各アクチュエータAC1、AC2、AC3及びAC4には、アクチュエータを制御するアクチュエータコントローラCTL1、CTL2、CTL3及びCTL4が接続される。以下、アクチュエータAC1、AC2、AC3及びAC4を総じて単に「アクチュエータAC」という場合がある。また、アクチュエータコントローラCTL1、CTL2、CTL3及びCTL4を総じて単に「アクチュエータコントローラCTL」という場合がある。
アクチュエータACは、例えば、リニアアクチュエータ又はモータである。また、アクチュエータACは、制御回路、電源回路及び機構部品等を有してもよい。
アクチュエータコントローラCTL1、CTL2、CTL3及びCTL4は、例えば、ドライバ回路等である。
図4は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドユニットの外形形状の一例を示す図である。図4(A)は、各液体吐出ヘッドユニットの一例を示す概略平面図である。
図示するように、液体吐出ヘッドユニットは、例えば、ライン型のヘッドユニットである。
例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1は、直交方向に、4つのヘッド210K−1、210K−2、210K−3及び210K−4を千鳥状に配置する。例えば、ヘッド210K−1は、図4(B)に示すような形状である。これにより、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1は、ウェブ120に画像が形成される領域(いわゆる印刷領域である。)の幅方向(すなわち、直交方向である。)に、ブラックのインクによって画像を形成することができる。なお、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M1及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1の構成は、例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kと同様の構成とし、説明を省略する。また、画像形成の処理を行う装置10M2の液体吐出ヘッドユニットについても同様の構成であるため説明を省略する。
なお、上記の説明では、4つのヘッドで液体吐出ヘッドユニットを構成する例を説明したが、液体吐出ヘッドユニットは、単一のヘッドで構成されてもよい。
<被搬送物検出装置の例>
図5は、本発明の一実施形態に係る被搬送物検出装置を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。例えば、被搬送物検出装置は、図示するようなセンサデバイスSEN、制御回路52、記憶装置53及びコントローラ520等のハードウェアによって実現される。
まず、センサデバイスSENは、例えば、以下のような装置である。
図6は、本発明の一実施形態に係るセンサデバイスを実現する装置の一例を示す外観図である。図示するセンサデバイスSENは、被搬送物に対して、光源から光を照射すると被搬送物に形成されるパターン等を撮像する構成である。具体的には、センサデバイスSENは、まず、光源の例としてレーザ光源LD及びコリメート光学系(CL)等の光学系を有する。また、センサデバイスSENは、パターンを撮像するため、光学センサOSとしてのCMOSイメージセンサ及びCMOSイメージセンサに集光結像するためのテレセントリック撮像光学系(TO)を有する。
例えば、光学センサOSがパターンを撮像する。そして、コントローラ520は、撮像したパターンと、他のセンサデバイスSENの備える光学センサOSが撮像したパターンとに基づいて、相互相関演算等の処理を行う。次に、相関演算等によって算出される相関ピーク位置の移動に基づいて、コントローラ520は、一方の光学センサから他方の光学センサまでの間に、被搬送物が移動した移動量等を出力する。なお、図示する例では、センサデバイスSENのサイズは、幅W×奥行きD×高さHを15×60×32[mm]とする例である。なお、相関演算の詳細は、後述する。
なお、CMOSイメージセンサは、撮像部を実現するハードウェアの一例である。本例では、相関演算を行うハードウェアをコントローラ520として記載したが、相関演算はいずれかのセンサデバイスに搭載されたFPGA回路で実行されても良い。
制御回路52は、センサデバイス内部の光学センサOS等を制御する。具体的には、制御回路52は、例えば、トリガ信号を光学センサOSに対して出力して、光学センサOSがシャッタを切るタイミングを制御する。また、制御回路52は、光学センサOSから、2次元画像データを取得できるように制御する。そして、制御回路52は、光学センサOSが撮像して生成する2次元画像データを記憶装置53等に送る。
記憶装置53は、いわゆるメモリ等である。なお、記憶装置53は、制御回路52から送られる2次元画像データを分割して、異なる記憶領域に記憶できる構成であるのが望ましい。
コントローラ520は、マイクロコンピュータ等である。コントローラ520は、記憶装置53に記憶される画像データ等を用いて演算を行う。
制御回路52及びコントローラ520は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又は電子回路等である。なお、制御回路52及びコントローラ520は、異なるデバイスでなくともよい。例えば、制御回路52及びコントローラ520は、1つのCPU等であってもよい。また、制御回路52とコントローラ520は、1つのFPGA回路であっても良い。
図7は、本発明の一実施形態に係る被搬送物検出装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。以下、図示するように、液体吐出ヘッドユニットごとに設置されるセンサデバイスSENのうち、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1及びシアン液体吐出ヘッドユニット210C1に対して設置されるセンサデバイスSENの組み合わせを利用してウェブの位置等を検出する被搬送物検出装置を例に説明する。また、図示するように、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1用のブラック用センサデバイスSENK1の検出機能である検出部52Aが「A位置」に係る画像データを出力し、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1用のシアン用センサデバイスSENC1の検出機能である検出部52Bが「B位置」に係る画像データを出力する例で説明する。
まず、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1用の検出部52Aは、例えば、撮像部16A、撮像制御部14A及び画像記憶部15A等で構成される。なお、この例では、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1用の検出部52Bは、例えば、検出部52Aと同様の構成であり、撮像部16B、撮像制御部14B及び画像記憶部15B等で構成される。以下、検出部52Aを例に説明する。
撮像部16Aは、図示するように、搬送方向10に搬送されるウェブ120を撮像する。なお、撮像部16Aは、例えば、光学センサOS等によって実現される。
撮像制御部14Aは、シャッタ制御部141A及び画像取込部142Aを有する。なお、撮像制御部14Aは、例えば、制御回路52等によって実現される。
画像取込部142Aは、撮像部16Aによって撮像される画像データを取得する。
シャッタ制御部141Aは、撮像部16Aが撮像するタイミングを制御する。
画像記憶部15Aは、撮像制御部14Aが取り込んだ画像データを記憶する。なお、画像記憶部15Aは、例えば、記憶装置53等によって実現される。
計算部53Fは、画像記憶部15A及び15Bに記憶されるそれぞれの画像データに基づいて、ウェブ120が有するパターンの位置、ウェブ120が移動する移動速度及びウェブ120が移動した移動量が算出できる。
また、計算部53Fは、シャッタ制御部141Aに、シャッタを切るタイミングを示す時差Δtのデータを出力する。すなわち、計算部53Fは、「A位置」を示す画像データと、「B位置」を示す画像データとが時差Δtで、それぞれ撮像されるように、シャッタを切るタイミングをシャッタ制御部141Aに示してもよい。なお、計算部53Fは、例えば、コントローラ520等によって実現される。
ウェブ120は、表面又は内部に散乱性を有する部材である。そのため、ウェブ120に、光源51A及び光源51Bから、レーザ光等の光が照射されると、反射光が拡散反射する。そして、拡散反射によって、ウェブ120には、パターンが形成される。すなわち、パターンは、「スペックル」と呼ばれる斑点、いわゆるスペックルパターン等である。そのため、ウェブ120を撮像すると、パターンを示す画像データがウェブ120の表面情報として得られる。
以上のように、画像データからパターンのある位置がわかるため、搬送装置は、ウェブ120の所定の位置がどこにあるかが検出できる。なお、パターンは、ウェブ120の表面又は内部に形成される凹凸形状によって、照射されるレーザ光が干渉するため、生成される。
したがって、ウェブ120が搬送されると、ウェブ120が有するパターンも一緒に搬送される。そのため、同一のパターンを異なる時間で検出すると、計算部53Fは、画像データに基づいてウェブ120の移動量を計算できる。すなわち、同一のパターンを上流及び下流で検出してパターンが移動した移動量が算出されると、計算部53Fは、ウェブ120の移動量を計算できる。このようにして計算される移動量を単位時間あたりに換算すると、計算部53Fは、ウェブ120が移動する移動速度を計算できる。
図示するように、撮像部16A及び撮像部16Bが、搬送方向10において一定の間隔で設置される。そして、撮像部16A及び撮像部16Bを介して、それぞれの位置でウェブ120が撮像される。
そして、時差Δtの間隔で、シャッタ制御部141Aは、撮像部16A及び撮像部16Bに、ウェブ120を撮像させる。具体的には、理想の搬送速度を「V」とし、撮像部16A及び撮像部16Bが搬送方向10において設置される間隔である相対距離を「L」とすると、時差Δtは、下記(1)式のように示せる。
Δt=L/V (1)
上記(1)式において、相対距離Lは、センサデバイスSENK1及びセンサデバイスSENC1の間隔であるため、センサデバイスSENK1及びセンサデバイスSENK2の間隔をあらかじめ測定すると特定できる。
さらに、搬送装置は、検出部52A及び検出部52Bによって撮像されるそれぞれの画像を示す画像データ「D1(n)」及び「D2(n)」に対して相互相関演算を行う。以下、相互相関演算によって生成される画像データを「相関画像」という。例えば、搬送装置は、相関画像に基づいて、ずれ量「ΔD(n)」を計算する。
<相関演算例>
例えば、相互相関演算は、下記(2)式で示す計算である。
D1★D2*=F−1[F[D1]・F[D2]*] (2)
なお、上記(2)式において、画像データ「D1(n)」、すなわち、「A位置」で撮像される画像を示す画像データを「D1」とする。同様に、上記(2)式において、画像データ「D2(n)」、すなわち、「B位置」で撮像される画像を示す画像データを「D2」とする。さらに、上記(2)式において、フーリエ変換を「F[]」で示し、逆フーリエ変換を「F−1[]」で示す。さらにまた、上記(2)式において、複素共役を「*」で示し、相互相関演算を「★」で示す。
上記(2)式に示すように、画像データD1及びD2に対して、相互相関演算「D1★D2」を行うと、相関画像を示す画像データが、得られる。なお、画像データD1及びD2が2次元画像データであると、相関画像を示す画像データは、2次元画像データとなる。また、画像データD1及びD2が1次元画像データであると、相関画像を示す画像データは、1次元画像データとなる。
なお、相関画像において、例えば、ブロードな輝度分布が問題となる場合には、位相限定相関法が用いられてもよい。位相限定相関法は、例えば、下記(3)式で示す計算である。
D1★D2*=F−1[P[F[D1]]・P[F[D2]*]] (3)
なお、上記(3)式において、「P[]」は、複素振幅において位相のみを取り出すことを示す。また、振幅は、すべて「1」とする。
このようにすると、搬送装置は、ブロードな輝度分布であっても、相関画像に基づいて、ずれ量ΔD(n)を計算できる。
相関画像は、画像データD1及びD2の相関関係を示す。具体的には、画像データD1及びD2の一致度が高いほど、相関画像の中心に近い位置には、急峻なピーク、いわゆる相関ピークとなる輝度が出力される。そして、画像データD1及びD2が一致すると、相関画像の中心及びピークの位置は、重なる。
相関演算の結果に基づいて、時差Δtで撮像される画像データD1と、画像データD2との間での位置の差、移動量及び移動速度等の情報が出力される。例えば直交方向においては、画像データD1から画像データD2までの間に、どの程度ウェブ120が直交方向に移動したかを検知することができる。移動量でなく、移動速度として検知しても良い。計算部53Fは相関演算の計算結果から、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1の移動量を算出することができる。
計算部53Fの計算結果に基づいて、移動部57Fは、図3のアクチュエータAC2を制御し、液体の着弾位置を制御する。移動部57Fは、例えば、アクチュエータコントローラCTLによって構成される。移動部57Fの機能は、アクチュエータコントローラCTLだけでなく、コントローラ520とで構成されても良い。また、コントローラ520で構成されても良い。
さらに、計算部53Fは、相関演算の結果に基づき、搬送方向のウェブの移動量がどの程度相対距離Lに対してずれたかを求めることもできる。すなわち、撮像部16A及び16Bセンサが撮像した2次元画像データから、計算部53Fは、搬送方向及び直交方向のそれぞれの位置を算出しても良い検出するのに兼用されてもよい。このように兼用されると、それぞれの方向についてコストが少なくできる。また、センサの数が少なくできるので、省スペースとすることもできる。
理想の距離からどの程度ウェブ120の搬送量がずれたかの演算に基づいて、計算部53Fは、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの吐出タイミングを算出する。この算出結果に基づき、制御部54Fは、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1による吐出を制御する。なお、液体を吐出するタイミングは、制御部54Fによって出力されるシアン液体吐出ヘッドユニット210C用の第2信号SIG2等によって制御される。ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出タイミングが算出された場合は、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の第1信号SIG1によってブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出タイミングを制御する。なお、制御部54Fは、例えば、コントローラ520等によって実現される。
なお、相関演算は、例えば、以下のように計算されてもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る相関演算方法の一例を示す構成図である。例えば、搬送装置は、図示するような構成によって、相関演算を行うと、2以上の画像データが撮像された位置におけるウェブ120の直交方向の相対位置、移動量、移動速度又はこれらの組み合わせ又は2つの画像データが撮像されたタイミングにおけるウェブ120の理想の搬送位置からのずれ量、移動速度等を計算することができる。
具体的には、搬送装置は、図示するように、第1の2次元フーリエ変換部FT1、第2の2次元フーリエ変換部FT2、相関画像データ生成部DMK、ピーク位置探索部SR、演算部CAL及び変換結果記憶部MEMを有する構成である。
第1の2次元フーリエ変換部FT1は、第1画像データD1を変換する。具体的には、第1の2次元フーリエ変換部FT1は、直交方向用のフーリエ変換部FT1a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT1bを有する構成である。
直交方向用のフーリエ変換部FT1aは、直交方向に、第1画像データD1を1次元フーリエ変換する。そして、搬送方向用のフーリエ変換部FT1bは、直交方向用のフーリエ変換部FT1aによる変換結果に基づいて、搬送方向に、第1画像データD1を1次元フーリエ変換する。このようにして、直交方向用のフーリエ変換部FT1a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT1bが、直交方向及び搬送方向に、それぞれ1次元フーリエ変換する。このようにして変換された変換結果を、第1の2次元フーリエ変換部FT1は、相関画像データ生成部DMKに出力する。
同様に、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、第2画像データD2を変換する。具体的には、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、直交方向用のフーリエ変換部FT2a、搬送方向用のフーリエ変換部FT2b及び複素共役部FT2cを有する構成である。
直交方向用のフーリエ変換部FT2aは、直交方向に、第2画像データD2を1次元フーリエ変換する。そして、搬送方向用のフーリエ変換部FT2bは、直交方向用のフーリエ変換部FT2aによる変換結果に基づいて、搬送方向に、第2画像データD2を1次元フーリエ変換する。このようにして、直交方向用のフーリエ変換部FT2a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT2bが、直交方向及び搬送方向に、それぞれ1次元フーリエ変換する。
次に、複素共役部FT2cは、直交方向用のフーリエ変換部FT2a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT2bによる変換結果の複素共役を計算する。そして、複素共役部FT2cが計算した複素共役を、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、相関画像データ生成部DMKに出力する。
続いて、相関画像データ生成部DMKは、第1の2次元フーリエ変換部FT1から出力される第1画像データD1の変換結果と、第2の2次元フーリエ変換部FT2から出力される第2画像データD2の変換結果とに基づいて、相関画像データを生成する。
相関画像データ生成部DMKは、積算部DMKa及び2次元逆フーリエ変換部DMKbを有する構成である。
積算部DMKaは、第1画像データD1の変換結果と、第2画像データD2の変換結果とを積算する。そして、積算部DMKaは、積算結果を2次元逆フーリエ変換部DMKbに出力する。
2次元逆フーリエ変換部DMKbは、積算部DMKaによる積算結果を2次元逆フーリエ変換する。このように、2次元逆フーリエ変換が行われると、相関画像データが生成される。そして、2次元逆フーリエ変換部DMKbは、相関画像データをピーク位置探索部SRに出力する。
ピーク位置探索部SRは、生成された相関画像データにおいて、最も急峻となる(すなわち、立ち上がりが急になる。)ピーク輝度(ピーク値)があるピーク位置を探索する。まず、相関画像データには、光の強さ、すなわち、輝度の大きさを示す値が入力される。また、輝度は、マトリクス状に入力される。
なお、相関画像データでは、輝度は、エリアセンサの画素ピッチ間隔、すなわち、画素サイズ間隔で並ぶ。そのため、ピーク位置の探索は、いわゆるサブピクセル処理を行ってから、探索が行われるのが望ましい。このように、サブピクセル処理が行われると、ピーク位置が精度良く探索できる。そのため、搬送装置は、位置、移動量及び移動速度等を精度良く出力できる。
例えば、ピーク位置探索部SRによる探索は、以下のように行われる。
図9は、本発明の一実施形態に係る相関演算におけるピーク位置の探索方法の一例を示す図である。図では、横軸は、相関画像データが示す画像における搬送方向の位置を示す。一方で、縦軸は、相関画像データが示す画素毎の輝度を示す。
以下、相関画像データが示す輝度のうち、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3の3つのデータを例に説明する。つまり、この例では、ピーク位置探索部SRは、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3を繋ぐ曲線kにおけるピーク位置Pを探索する。
まず、ピーク位置探索部SRは、相関画像データが示す画素の輝度の各差分を計算する。そして、ピーク位置探索部SRは、計算した差分のうち、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせを抽出する。次に、ピーク位置探索部SRは、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせに隣接する組み合わせを抽出する。このようにすると、図示する、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3のように、ピーク位置探索部SRは、3つのデータを抽出できる。そして、抽出される3つのデータを繋いで曲線kを算出すると、ピーク位置探索部SRは、ピーク位置Pを探索できる。このようにすると、ピーク位置探索部SRは、サブピクセル処理等の演算量を少なくし、より高速にピーク位置Pを探索できる。なお、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせの位置が、最も急峻な位置となる。また、サブピクセル処理は、上記の処理以外の処理でもよい。
以上のように、ピーク位置探索部SRがピーク位置を探索すると、例えば、以下のような演算結果が得られる。
図10は、本発明の一実施形態に係る相関演算の演算結果例を示す図である。図は、相互相関関数の相関強度分布を示す。なお、図では、X軸及びY軸は、画素の通し番号を示す。図示する「相関ピーク」のようなピーク位置が、ピーク位置探索部SRによって探索される。
演算部CALは、ウェブの相対位置、移動量又は移動速度等を演算する。例えば、演算部CALは、相関画像データの中心位置と、ピーク位置探索部SRによって探索されるピーク位置との差を計算すると、相対位置及び移動量を演算することができる。
また、演算部CALは、例えば、移動量を時間で除算して移動速度を計算できる。
以上のようにして、搬送装置は、相関演算によって、相対位置、移動量又は移動速度等を検出できる。なお、相対位置、移動量又は移動速度等の検出方法は、これに限定されない。例えば、搬送装置は、以下のように、相対位置、移動量又は移動速度等を検出してもよい。
まず、搬送装置は、第1画像データ及び第2画像データのそれぞれの輝度を2値化する。すなわち、搬送装置は、輝度があらかじめ設定される閾値以下であれば、「0」とし、一方で、輝度が閾値より大きい値であると、「1」とする。このように2値化された第1画像データ及び第2画像データを比較して、搬送装置は、相対位置を検出してもよい。
なお、図では、Y方向に変動がある例を説明したが、X方向に変動がある場合には、ピーク位置は、X方向にもずれた位置に発生する。
また、搬送装置は、これ以外の検出方法によって、相対位置、移動量又は移動速度等を検出してもよい。例えば、搬送装置は、いわゆるパターンマッチング処理等によって、各画像データに写るそれぞれのパターンから相対位置を検出してもよい。
以上のように相関演算を行うと、搬送装置は、搬送方向、直交方向又は両方向において、被搬送物が所定の位置からどれだけずれたかを示すずれ量を把握できる。
<制御部の例>
制御部の例であるコントローラ520は、例えば、以下に説明する構成である。
図11は、本発明の一実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、コントローラ520は、情報処理装置等である上位装置71と、本体側制御装置72とを有する。図示する例では、コントローラ520は、上位装置71から入力される画像データ及び制御データに基づいて、本体側制御装置72の制御によって被搬送物に対して画像を形成させるように制御する。
上位装置71は、例えば、PC(Personal Computer)等である。また、本体側制御装置72は、プリンタコントローラ72C及びプリンタエンジン72Eを有する。
プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eの動作を制御する。まず、プリンタコントローラ72Cは、上位装置71と、制御線70LCを介して制御データを送受信する。さらに、プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eと、制御線72LCを介して制御データを送受信する。そして、制御データを受信すると、制御データが示す印刷条件等がプリンタコントローラ72Cに入力され、プリンタコントローラ72Cは、レジスタ等によって、印刷条件等を記憶する。次に、プリンタコントローラ72Cは、制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eを制御し、印刷ジョブデータ、すなわち、制御データに従って画像形成を行う。
プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cp、印刷制御装置72Cc及び記憶装置72Cmを有する。なお、CPU72Cp及び印刷制御装置72Ccは、バス72Cbによって接続され、相互に通信を行う。また、バス72Cbは、通信I/F(interface)等を介して、制御線70LCに接続される。
CPU72Cpは、制御プログラム等によって、本体側制御装置72全体の動作を制御させる。すなわち、CPU72Cpは、演算装置及び制御装置である。
印刷制御装置72Ccは、上位装置71から送信される制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eと、コマンド又はステータス等を示すデータを送受信する。これにより、印刷制御装置72Ccは、プリンタエンジン72Eを制御する。
プリンタエンジン72Eには、データ線70LD−C、70LD−M、70LD−Y及び70LD−K、すなわち、複数のデータ線が接続される。そして、プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線を介して、上位装置71から画像データを受信する。次に、プリンタエンジン72Eは、プリンタコントローラ72Cによる制御に基づいて、各色の画像形成を行う。
プリンタエンジン72Eは、データ管理装置72EC、72EM、72EY及び72EK、すなわち、複数のデータ管理装置を有する。また、プリンタエンジン72Eは、画像出力装置72Ei及び搬送制御装置72Ecを有する。
図12は、本発明の一実施形態に係る制御部が有するデータ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、複数のデータ管理装置は、同一の構成である。以下、各データ管理装置が同一の構成である例で説明し、データ管理装置72ECを例に説明する。したがって、重複する説明は、省略する。
データ管理装置72ECは、ロジック回路72EClと、記憶装置72ECmとを有する。図示するように、ロジック回路72EClは、データ線70LD−Cを介して上位装置71と接続される。また、ロジック回路72EClは、制御線72LCを介して印刷制御装置72Ccと接続される。なお、ロジック回路72EClは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はPLD(Programmable Logic Device)等で実現される。
ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、上位装置71から入力される画像データを記憶装置72ECmに記憶する。
また、ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、記憶装置72ECmからシアン用画像データIcを読み出す。次に、ロジック回路72EClは、読み出されたシアン用画像データIcを画像出力装置72Eiに送る。
なお、記憶装置72ECmは、3頁程度の画像データを記憶できる容量を有するのが望ましい。3頁程度の画像データが記憶できると、記憶装置72ECmは、上位装置71から入力される画像データ、画像形成中の画像データ及び次に画像形成するための画像データを記憶できる。
図13は、本発明の一実施形態に係る制御部が有する画像出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように、画像出力装置72Eiは、出力制御装置72Eicと、各色の液体吐出ヘッドユニットであるブラック液体吐出ヘッドユニット210K、シアン液体吐出ヘッドユニット210C、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yとを有する。
出力制御装置72Eicは、各色の画像データを各色の液体吐出ヘッドユニットにそれぞれ出力する。すなわち、出力制御装置72Eicは、入力される画像データに基づいて、各色の液体吐出ヘッドユニットを制御する。
出力制御装置72Eicは、複数の液体吐出ヘッドユニットを同時又は個別に制御する。すなわち、出力制御装置72Eicは、タイミングの入力を受けて、各液体吐出ヘッドユニットに液体を吐出させるタイミングを変える制御等を行う。なお、出力制御装置72Eicは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、いずれかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。さらに、出力制御装置72Eicは、ユーザによる操作等に基づいて、いずれかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。
なお、本体側制御装置72は、上位装置71から画像データを入力する経路と、制御データに基づく上位装置71及び本体側制御装置72の間での送受信に用いられる経路とをそれぞれ異なる経路とする例である。
搬送制御装置72Ecは、ドライバ装置等である。例えば、搬送制御装置72Ecは、各ローラ等に接続されるモータ等を制御し、ウェブ120を搬送させる。
<位置等の検出例>
図14は、本発明の一実施形態に係る搬送装置による被搬送物の位置等の検出例を示すタイミングチャートである。
搬送装置は、複数のセンサデータに基づいて、被搬送物の位置の変動量等を算出する。具体的には、第1センサデータS1及び第2センサデータS2に基づいて、搬送装置は、変動量を示す算出結果を出力する。なお、図示する検出では、上流に設置されるセンサデバイスによって出力されるセンサデータが、第1センサデータS1となる。一方で、下流に設置されるセンサデバイスによって出力されるセンサデータが、第2センサデータS2となる。
変動量は、例えば、液体吐出ヘッドユニットごとに算出される。以下、シアン液体吐出ヘッドユニット210C用の変動量を算出する例で説明する。この例では、ブラック用センサデバイスSENK1が、第1センサデータS1を出力し、一方で、シアン用センサデバイスSENC1が、第2センサデータS2を出力する組み合わせの例で説明する。
以下、ブラック用センサデバイスSENK1と、シアン用センサデバイスSENC1との間隔、すなわち、センサ間の距離が、「L2」であるとする。また、センサデータに基づいて検出される移動速度が、「V」であるとする。さらに、上流となるブラック用センサデバイスSENK1から、下流となるシアン用センサデバイスSENC1まで被搬送物が搬送されるのに経過する移動時間が「T2」であるとする。この場合には、移動時間は、「T2=L2/V」と算出される。
また、光学センサによるサンプリング間隔を「A」とする。さらに、センサ間でのサンプリング回数を「n」とする。この場合には、サンプリング回数は、「n=T2/A」と算出される。
図示する算出結果、すなわち、変動量を「ΔX」とする。例えば、図示するように、検出周期が「0」である場合には、変動量は、移動時間「T2」前の第1センサデータS1と、検出周期「0」の第2センサデータS2とを比較して算出される。具体的には、変動量は、「ΔX=X2(0)−X1(n)」と算出される。
次に、搬送装置は、変動量「ΔX」を補償するように、アクチュエータAC2を制御し、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1を直交方向において、移動させるのが望ましい。このようにすると、被搬送物の位置が直交方向において変動しても、搬送装置は、被搬送物に対して、精度良く処理を行うことができる。また、最上流のセンサデバイスとの2点間のセンサデータにより撮像された画像データに基づいて、変動量を算出すると、各センサデバイスの位置情報を積算せずに、変動量が算出できる。そのため、このようにすると、各センサデバイスによる検出誤差の累積が少なくできる。
また、第1センサデータS1は、移動させる液体吐出ヘッドユニットより1つ上流側に設置されるセンサによって検出される画像データに限られない。すなわち、移動させる液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるセンサデバイスによる画像データであればよい。
なお、第2センサデータS2は、移動させる液体吐出ヘッドユニットに最も近い位置に設置されるセンサデバイスにより撮像された画像データであるのが望ましい。
また、変動量等は、3つ以上の画像データによって算出されてもよい。
このように、複数のセンサデータから算出される変動量に基づいて、搬送装置は、液体吐出ヘッドユニットを移動させる制御を行い、ウェブ120に対して処理を行う。
<処理タイミングの制御例>
図15は、本発明の一実施形態に係る搬送装置による処理タイミングの制御例を示すタイミングチャートである。図示する例では、第1タイミングT1は、ブラック用センサデバイスSENK1が検出を行う検出タイミングである。また、第2タイミングT2を、ブラックの液体が吐出される処理タイミング、第3タイミングT3を、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1及びシアン液体吐出ヘッドユニット210C1の間に設置されるシアン用センサデバイスSENC1が検出を行う検出タイミングとする。さらに、第4タイミングT4を、シアンの液体が吐出を行う予定のタイミング、第5タイミングT5がセンサデバイスSENK1とセンサデバイスSENC1の撮像した画像データに基づいて、補正された後のシアンの液体吐出処理が行われる処理タイミングとする。
なお、この例において、シアン用センサデバイスSENCが検出を行う位置を以下単に「検出位置」という。検出位置は、図示するように、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの着弾位置から「設置距離D」の位置であるとする。また、以下の例では、各センサが設置される間隔は、各液体吐出ヘッドユニットの設置間隔(相対距離L)と同一であるとする。さらに、ウェブ120は理想の移動速度Vで移動しているとする。理想の移動速度Vは、プリンタコントローラ72Cによって記憶されている。
まず、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K1が液体を吐出するタイミングに対して、「D÷V」分早いタイミングである第1タイミングT1において、ブラック用センサデバイスSENK1は、画像データを取得する。図示する例では、第1タイミングT1で取得される画像は第1画像信号PAで示される。画像データは、図7に示す「A位置」における画像データD1(n)に相当する。次に、搬送装置は、第2タイミングT2でブラック液体吐出ヘッドユニット210Kに液体を吐出させるように、第1信号SIG1を「ON」にする。
次に、第3タイミングT3において、搬送装置は、画像データを取得する。図示する例では、第3タイミングT3で取得される画像は、第2画像信号PBで示し、画像データは、図7に示す「B位置」における画像データD2(n)に相当する。次に、搬送装置は、画像データD1(n)及びD2(n)に対して相互相関演算を行う。このようにすると、搬送装置は、ずれ量ΔD(0)を計算できる。そして、ずれ量ΔD(0)に基づいて、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1の吐出タイミングである第2信号SIG2のONタイミングを制御する。
ローラに熱膨張がない、かつ、ローラとウェブ120との間にスリップがない等の状態、すなわち、いわゆる理想状態では、搬送装置は、ウェブ120が有する所定の箇所を、相対距離Lを移動速度Vで搬送するのに、「L÷V」の時間がかかる。
したがって、「撮像周期T」は、例えば、「撮像周期T=撮像時差=相対距離L/移動速度V」と設定される。図示する例では、ブラック用センサデバイスSENK1及びシアン用センサデバイスSENC1のそれぞれの光学センサOSが、相対距離Lの間隔で設置される。もし、理想状態であれば、ブラック用センサデバイスSENK1で検出されたウェブ120が有する所定の箇所は、「L÷V」時間後に、シアン用センサデバイスSENC1の検出位置に搬送される。
一方で、実際には、ローラに熱膨張が発生する場合又はローラとウェブ120との間に滑りが発生し、理想の搬送量で搬送されない場合が多い。なお、図8に示す相関演算方法において、「撮像周期T=相対距離L/移動速度V」と設定すると、ブラック用センサデバイスSENK1で画像データD1(n)が撮像されるタイミングと、シアン用センサデバイスSENC1で画像データD2(n)が撮像されるタイミングとの時差は、「L÷V」となる。このように、「L÷V」を「撮像周期T」として、搬送装置は、ずれ量ΔD(0)を計算してもよい。以下、図示する第3タイミングという例で説明する。
第3タイミングT3において、搬送装置は、第2距離の例であるずれ量ΔD(0)を計算する。そして、搬送装置は、設置距離D、ずれ量ΔD(0)及び移動速度Vに基づいて、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1が液体を吐出する処理タイミング、すなわち、第2信号SIG2のONタイミングを変更する。
ローラに熱膨張がない等の理想状態、すなわち「L÷V」に基づいて、搬送装置は、第4タイミングT4を決定している。一方で、実際には、液体を吐出する対象となる位置は、ローラの熱膨張等のため、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cが液体を吐出する位置から、ずれ量ΔD(0)の位置にある。そのため、シアン用センサデバイスSENC1の検出位置から、実際のシアン液体吐出ヘッドユニット210Cが液体を吐出する位置に、ウェブが搬送されるには、「ΔD(0)÷V」の時間がかかる。そこで、搬送装置は、理想の位置に対してずれ量ΔD(0)となる位置で液体が吐出できるように、第5タイミングT5へ処理タイミングを変更する。
具体的には、処理タイミングの変更量は、ずれ量ΔD(0)を考慮すると、「(ΔD(0)―D)/V」である。このように、搬送装置は、第4タイミングT4から、第2信号SIG2を「ON」にするタイミングを「(ΔD(0)―D)/V」分、ずらすように変更する。このようにすると、ローラに熱膨張等があっても、搬送装置は、ずれ量ΔD(0)、設置距離D及び移動速度Vに基づいて処理タイミングが変更されるため、搬送方向において、液体の着弾位置の精度を向上できる。
他にも、搬送装置には、モードごとに、それぞれの理想状態における移動速度があらかじめ設定されてもよい。
以上、処理タイミングを変更して決定する例を記載したが、搬送装置は、ずれ量、「V」及び「D」に基づいて、液体吐出ヘッドユニットに液体を吐出させる処理タイミングを直接演算して決定してもよい。
<両面処理例>
図16は、本発明の一実施形態に係る搬送装置による処理例を示すフローチャートである。図示する処理は、図2に示す構成の搬送装置による処理例である。以下、図2におけるイエロー用センサデバイスSENY1による検出から、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1とブラック液体吐出ヘッドユニット210K2とによる画像を形成する処理までのステップを便宜的に説明する。ブラック用センサデバイスSENK1によるパターンの検出からマゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M1による画像の形成処理までも、パターンの検出と、いわゆる両面印刷において、一方の面(以下「第1面FE1」という。)に画像を形成する処理を行っているが、説明は省略する。
ステップSP01では、イエロー用センサデバイスSENY1は、被搬送物上のパターンを検出する。つまり、イエロー用センサデバイスSENY1は、被搬送物の第1面FE1と異なる面(以下「第2面FE2」という。)に対して、位置等を算出するための画像データの撮像を行う第1検出手順を行う。
ステップSP02では、コントローラ520は、以前に、マゼンタ用センサデバイスSENM1が第2面FE2のほぼ同一の位置を撮像して記憶している画像データと、イエロー用センサデバイスSENY1が撮像した画像データとに基づいて、第1の相関演算等を行う。具体的には、ステップSP02では、図8のような処理が行われる。相関演算の結果としては、マゼンタ用センサデバイスSENM1からイエロー用センサデバイスSENY1までの間におけるウェブ120の直交方向の相対位置、移動量、移動速度又はその組み合わせのいずれかが算出されても良い。また、ウェブ120の搬送方向のマゼンタ用センサデバイスSEM1からイエロー用センサデバイスSENY1までの理想の搬送位置からの位置ずれ量、搬送速度又はその組み合わせのいずれかが算出されても良い。
ステップSP03では、コントローラ520は、第1の相関演算等の結果に基づいて、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1のアクチュエータAC4を制御し、第1面FE1に処理を行うイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1を直交方向に移動させる。
ステップSP04では、コントローラ520は、ステップSP02の相関演算等の結果に基づいてイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1の吐出タイミングを制御し、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1に吐出を行わせる。ステップSP04では、図15のような処理が行われる。
すなわち、ステップSP04は、両面印刷において、第1面FE1に画像を形成する処理である。
ステップSP04と、ステップSP05との間において、ターンバー130によって被搬送物は、反転される。
ステップSP05では、ブラック用センサデバイスSENK2は、イエロー用センサデバイスSENY1で撮像された箇所を撮像する。つまり、搬送装置は、第1面FE1に対する処理において、位置等を算出するために用いられたのとほぼ同一の箇所を撮像する第2検出手順を行う。すなわち、第2検出手順においても、搬送装置は、第2面FE2の撮像を行う。具体的には、図7のように画像データを用いる検出では、搬送装置は、第1面FE1に対する処理に用いられる際に撮像されたパターンと、同一のパターンが画像データ中に含まれるように、パターンの撮像を行う。
ステップSP06では、コントローラ520は、イエロー用センサデバイスSENY1が撮像した画像データと、ブラック用センサデバイスSENK2とが撮像した画像データとに基づいて、第2の相関演算等を行う。相関演算の結果としては、イエロー用センサデバイスSENY1からブラック用センサデバイスSENK2までの間におけるウェブ120の直交方向の相対位置、移動量、移動速度又はその組み合わせのいずれかが算出されても良い。また、ウェブ120の搬送方向において、イエロー用センサデバイスSENY1からブラック用センサデバイスSENK2まで間における理想の搬送位置からの位置ずれ量、搬送速度又はその組み合わせのいずれかが算出されても良い。
ステップSP07では、コントローラ520は、ステップSP06の相関演算等の結果に基づいてブラック液体吐出ヘッドユニット210K2のアクチュエータAC1を制御し、第2面FE2に対する処理を行うブラック液体吐出ヘッドユニット210K2を直交方向に移動させる。
ステップSP08では、コントローラ520は、ステップSP06の相関演算等の結果に基づいてブラック液体吐出ヘッドユニット210K2の吐出タイミングを制御し、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2に吐出を行わせる。
すなわち、ステップSP08は、いわゆる両面印刷において、第2面FE2に画像を形成する処理である。
シアン用センサデバイスSENC2によるパターンの検出からイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y2による画像の形成処理までも、パターンの検出と、第2面FE2に画像を形成する処理を行っているが、説明は省略する。
このように、画像形成の処理を行う装置10M1の第1検出手順で撮像した箇所を、画像形成の処理を行う装置10M2の画像形成処理の前に検出すると、搬送装置100は、両面印刷において位置合わせが可能となる。例えば、搬送装置100は、搬送方向において両面に、同一の箇所に画像を形成できる。
なお、ここでは、イエロー用センサデバイスSENY1と、ブラック用センサデバイスSENK2とが撮像した画像データに基づき相関演算等を行ったが、イエロー用センサデバイスSENY1でなく、ブラック用センサデバイスSENK1の撮像した画像データと相関演算等を実施しても良い。この場合、センサデバイスSENごとの設置位置ずれが積算されないという上述した効果を奏する。
<機能構成例>
図17は、本発明の一実施形態に係る搬送装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。図示するように、搬送装置100は、第1検出部52D及び第2検出部52Eを有する機能構成である。検出部の構成及び検出部を実現するハードウェア構成は、図7の検出部52A及び52Bと同様である。また、図では、第1処理部の例であるブラック液体吐出ヘッドユニット210K1、シアン液体吐出ヘッドユニット210C1、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M1及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1のうち、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1を図示する。さらに、第2処理部の例であるブラック液体吐出ヘッドユニット210K2、シアン液体吐出ヘッドユニット210C2、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M2及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y2のうち、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2を図示する。
また、図示するように、搬送装置100は、反転部100F2、移動部57F、計算部53F及び制御部54Fを有するのが望ましい。以下、図示する機能構成を例に説明する。
イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y1は、第1面FE1に画像形成等の第1処理を行う。
ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2は、第2面FE2に画像形成等の第2処理を行う。
第1検出部52Dは、ウェブの位置、移動速度、移動量又はこれらの組み合わせを計算するのに用いられる箇所を検出する。この例では、第1検出部52Dは、撮像を行うことで第2面FE2の表面情報を検出する。例えば、第1検出部52Dは、ブラック用センサデバイスSENK1、シアン用センサデバイスSENC1、マゼンタ用センサデバイスSENM1及びイエロー用センサデバイスSENY1等によって実現される。
第2検出部52Eは、第2処理が行われる前に、第1検出部52Dが検出した箇所を検出する。例えば、第2検出部52Eは、ブラック用センサデバイスSENK2等によって実現される。第2検出部52Eも第2面FE2を検出する。
反転部100F2は、第1処理と、第2処理とが行われる間で、処理対象となる面が異なるように、第1面FE1と、第2面FE2とを反転させる。例えば、反転部100F2は、ターンバー130等によって実現される。
移動部57Fは、計算部53Fの演算結果に基づいて、ヘッドユニットを移動させる。移動部57Fを実現するハードウェアは、図7の移動部と同様である。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態と比較すると、センサデバイスの配置が異なる。以下、異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
図18は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る搬送装置におけるセンサの配置例を示す概略図である。図2と比較すると、まず、図示する例では、ブラック用センサデバイスSENK2、シアン用センサデバイスSENC2、マゼンタ用センサデバイスSENM2及びイエロー用センサデバイスSENY2が、第1面FE1を検出する点が異なる。さらに、図示する例では、センサデバイスSEN2が加わる点が異なる。
第2実施形態では、センサデバイスSEN2が、イエロー用センサデバイスSENY1が検出した箇所とほぼ同一の箇所を検出するのが望ましい。具体的には、センサデバイスSEN2は、イエロー用センサデバイスSENY1が撮像したパターンが、センサデバイスSEN2が撮像した画像データに含まれる箇所を撮像する。このようにして、搬送装置は、イエロー用センサデバイスSENY1による検出とのずれ量等を計算することができる。また、ブラック用センサデバイスSENK2、シアン用センサデバイスSENC2、マゼンタ用センサデバイスSENM2及びイエロー用センサデバイスSENY2が、第2面を処理する液体吐出ヘッドユニット210に対して、ウェブ120を介して反対側に位置することにより、ブラック用センサデバイスSENK2、シアン用センサデバイスSENC2、マゼンタ用センサデバイスSENM2及びイエロー用センサデバイスSENY2が液体のミスト等で汚れることを抑制することができる。
第2実施形態のフローは、第1実施形態のフローに対して、ステップSP05の第2の検出を行うセンサデバイスがセンサデバイスSEN2になる点が異なるが、フロー自体は、同様である。
<機能構成例>
図19は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る搬送装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。図17と比較すると、搬送装置100は、第2検出部52E及び第3検出部52Fが異なる。以下、図17と同様の箇所は、説明を省略する。
図示する機能構成では、第2検出部52Eは、第2処理部の例であるブラック液体吐出ヘッドユニット210K2が処理を行う第2面FE2と同一の第2面FE2を検出する。第2面FE2は、第1検出部52Dが第1処理部の処理面への処理に用いるために検出した面と同一の面である。例えば、第2検出部52Eは、センサデバイスSEN2等によって実現される。
第3検出部52Fは、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2が処理を行う第2面FE2と異なる第1面FE1を検出する。例えば、第3検出部52Fは、ブラック用センサデバイスSENK2、シアン用センサデバイスSENC2、マゼンタ用センサデバイスSENM2及びイエロー用センサデバイスSENY2等によって実現される。第3検出部52Fは、第2面への処理同士の位置合わせを行うために使用される。
この例では、第1検出部52Dが検出する箇所と、第2検出部52Eが検出する箇所とに基づいて、搬送装置100は、両面印刷における位置合わせ等を行う。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態と比較すると、センサデバイスの配置が異なる。以下、異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
図20は、本発明の第3実施形態の一実施形態に係る搬送装置におけるセンサの配置例を示す概略図である。図18と比較すると、図示するように、第3実施形態は、センサデバイスSEN3が加わる点が異なる。
第3実施形態では、センサデバイスSEN3が、ブラック用センサデバイスSENK2、シアン用センサデバイスSENC2、マゼンタ用センサデバイスSENM2及びイエロー用センサデバイスSENY2より上流に設置されるセンサの配置となる。なお、センサデバイスSEN2及びセンサデバイスSEN3は、搬送方向において同じ位置が望ましいが、互いの位置関係が既知であればどちらが上流となってもよい。以下、図示するように、センサデバイスSEN2及びセンサデバイスSEN3が搬送方向において同じ位置とする例で説明する。
第3実施形態では、センサデバイスSEN2が、イエロー用センサデバイスSENY1が検出した箇所とほぼ同一の箇所を検出するのが望ましい。具体的には、センサデバイスSEN2は、イエロー用センサデバイスSENY1が撮像したパターンが、センサデバイスSEN2が撮像した画像データに含まれる箇所を撮像する。また、センサデバイスSEN3が検出した箇所とほぼ同一の箇所をブラック用センサデバイスSENK2が検出する。このようにして、搬送装置は、イエロー用センサデバイスSENY1による検出とのずれ量等を計算することができる。さらに、ブラック用センサデバイスSENK2、シアン用センサデバイスSENC2、マゼンタ用センサデバイスSENM2、イエロー用センサデバイスSENY2が液体のミスト等で汚れることを抑制することができる。また、図18に示す構成に比べて、第2面の処理位置の精度を上げることができる。
<両面処理例>
図21は、本発明の第3実施形態の一実施形態に係る搬送装置による処理例を示すフローチャートである。図16と比較すると、第3実施形態では、第1面に対する第1の処理の後に、第1面に対して第1の検出を行うステップSP09、第1面に対して第2の検出を行うステップSP10、第3の相関演算を行うステップSP11、ステップSP06とステップSP11との処理を受けて加算演算を行うステップSP12が加わる点が異なる。以下、異なる点を中心に説明し、重複する点を省略する。
図21に示すステップSP05は、センサデバイスSEN2が、イエロー用センサデバイスSENY1が検出した箇所とほぼ同一の箇所を検出する。つまり、第2検出手順において、第2面FE2を撮像することで表面情報である画像データが検出される。
ステップSP06では、コントローラ520は、イエロー用センサデバイスSENY1が撮像した画像データと、センサデバイスSEN2が撮像した画像データとに基づいて、第2の相関演算等を行う。相関演算の結果としては、イエロー用センサデバイスSENY1からセンサデバイスSEN2までの間におけるウェブ120の直交方向の相対位置、移動量、移動速度又はその組み合わせのいずれかが算出されても良い。また、ウェブ120の搬送方向のイエロー用センサデバイスSENY1からセンサデバイスSEN2までの理想の搬送位置からの位置ずれ量、搬送速度又はその組み合わせのいずれかが算出されても良い。ここでは、例として直交方向の移動量と搬送方向の位置ずれ量が算出されたものとして説明する。
ステップSP09は、ステップSP05と並行して行われる処理である。ステップSP09において、センサデバイスSEN3は、センサデバイスSEN2とウェブ120を介して反対側の第1面FE1を検出する。つまり、第1面FE1に対する第1の撮像を行い、パターンの画像データを取得する。
ステップSP10において、ブラック用センサデバイスSENK2は、第1面FE1の検出を行い、パターンの画像データを取得する。ブラック用センサデバイスSNK2は、センサデバイスSEN3とほぼ同一の位置を検出することが望ましい。
ステップSP11において、コントローラ520は、センサデバイスSEN3と、ブラック用センサデバイスSENK2とが撮像した画像データに基づいて、第3の相関演算を行う。相関演算の結果は、ステップSP06と同様に、直交方向における移動量と、搬送方向における位置のずれ量とが算出されたものとして説明する。
ステップSP12において、コントローラ520は、ステップSP06で算出された直交方向における移動量と、ステップSP11で算出された直交方向における移動量を加算する。また、ステップSP06で算出された搬送方向における位置ずれ量と、ステップSP11で算出された搬送方向の位置ずれ量を加算する。これにより、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2の直交方向の移動量と、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出処理タイミングを算出する。
以下のステップは、同様であるため説明を省略する。
<機能構成例>
図22は、本発明の第3実施形態の一実施形態に係る搬送装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。図19と比較すると、第3実施形態では、搬送装置100は、第4検出部52Gと、加算部58Fとを更に備える点が異なる。
第4検出部52Gは、第2検出部52Eが画像を取得した箇所の第1面を検出する。加算部58Fは、第1検出部52D及び第2検出部52Eが検出して得られた画像データに基づいて計算部53Fが演算した結果と、第4検出部52G及び第3検出部52Fが取得した画像データに基づいて計算部53Fが演算した結果とを加算する。
図示する例では、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K2について、移動及び吐出タイミングを制御するための検出結果は、第1検出部52D、第2検出部52E、第3検出部52F及び第4検出部52Gによる出力に基づいて計算される。
この例では、第1検出部52D及び第2検出部52Eが検出する箇所と、第3検出部52F及び第4検出部52Gが検出する箇所とに基づいて、搬送装置100は、両面印刷における位置合わせ等を行う。
<比較例>
図23は、比較例に係る装置の全体構成例を示す概略図である。比較例の装置110Aは、図示するように、ウェブ120を搬送するローラ230にエンコーダ240を備える構成である。そして、比較例の装置110Aでは、エンコーダ240が計測した計測量に基づいて、各液体吐出ヘッドユニットが液体を吐出する処理を行う。
図24は、比較例の装置による処理位置のずれ量の例を示す図である。図は、比較例の装置110Aによって、各液体吐出ヘッドユニットから吐出された液体が着弾した位置のずれの一例を示す。
第1グラフG1は、実際のウェブの位置を示す。一方で、第2グラフG2は、エンコーダ240からのエンコーダ信号に基づいて算出されるウェブの位置である。つまり、第1グラフG1と、第2グラフG2とに差があると、搬送方向において、実際にウェブがある位置と、算出されるウェブの位置とが異なるため、液体が着弾する位置にずれが発生しやすい。
例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kによる液体の吐出において、ずれ量σが発生した例である。また、ずれ量は、液体吐出ヘッドユニットごとに異なる場合がある。すなわち、ブラック以外の吐出では、各ずれ量は、図示するずれ量σと異なる場合が多い。
ずれ量は、例えば、ローラの偏心、ローラの熱膨張、ウェブとローラとの間に発生する滑り、記録媒体の伸び縮み及びこれらの組み合わせが原因となって発生する。
図25は、ローラの偏心等がずれ量に与える影響の例を示す図である。図示するグラフは、ローラの熱膨張、偏心及びローラとウェブとの間の滑りによる影響の一例を示す。すなわち、各グラフは、エンコーダ240からのエンコーダ信号に基づいて算出されるウェブの位置と、実際の位置との差を縦軸の「ずれ量」で示す。また、図は、ローラが「φ60」の外径、かつ、ローラの材質がアルミである例を示す。
第3グラフG3は、ローラに偏心量「0.01mm」がある場合のずれ量を示す。第3グラフG3で示すように、偏心によるずれ量は、ローラの回転周期と同期する周期となる場合が多い。また、偏心によるずれ量は、偏心量に比例する場合が多いが、累積はしない場合が多い。
第4グラフG4は、ローラに偏心と、熱膨張とがある場合のずれ量を示す。なお、熱膨張は、「−10℃」の温度変化があった場合の例である。
第5グラフG5は、ローラに偏心と、ウェブとローラとの間に発生する滑りとがある場合のズレ量を示す。なお、ウェブとローラとの間に発生する滑りは、「0.1パーセント」であった場合の例である。
また、ウェブの蛇行等を少なくするため、ウェブを搬送方向に引っ張る、いわゆるテンションをかける場合がある。このテンションによっては、ウェブには、伸び縮みが発生する場合がある。また、ウェブの伸び縮みは、ウェブの厚み、幅又は塗布量等によって異なる場合がある。
<まとめ>
本発明の一実施形態に係る搬送装置であると、両面印刷における位置合わせを行うことができる。具体的には、センサによって上流で行われる第1処理用の箇所と同じ箇所が第2処理が行われる下流でも検出できるため、位置合わせの目印となるマーク、いわゆるトンボがなくとも、搬送装置は、両面印刷において位置合わせができる。したがって、搬送装置は、トンボを形成するための液体及び余白部分等が削除でき、生産性を向上できる。
<変形例>
図26は、本発明の一実施形態に係る画像形成の処理を行う装置の構成の変形例を示す概略図である。図2と比較すると、図示する構成では、第1の支持部材及び第2の支持部材の配置が異なる。図示するように、第1の支持部材及び第2の支持部材は、例えば、第1部材RL1、第2部材RL2、第3部材RL3、第4部材RL4及び第5部材RL5によって実現されてもよい。すなわち、各液体吐出ヘッドユニットの上流側に設けられる第2の支持部材と、各液体吐出ヘッドユニットの下流側に設けられる第1の支持部材とは、兼用されてもよい。なお、第1の支持部材及び第2の支持部材は、ローラで兼ねられてもよく、湾曲板で兼ねられてもよい。10M2においても同様であるため、10M2の説明は省略する。
また、本発明は、直交方向に並べられたライン状のヘッドユニットを用いて何らかの処理を行う装置に適用可能である。
例えば、本発明に係る実施形態は、ヘッドユニットがレーザを発し、レーザによって、被搬送物である基板に、パターンニングの処理を行う搬送装置等でもよい。具体的には、搬送装置は、まず、レーザヘッドを直交方向にライン状に並べて有する。そして、搬送装置は、基板の位置等を検出し、検出結果に基づいて、ヘッドユニットを移動させる等を行う。また、この例では、処理位置は、レーザが基板に照射される位置が処理位置となる。
他に、本発明に係る実施形態は、ヘッドユニットが被搬送物に形成されている画像を読み取る読取処理を行うでもよい。すなわち、ヘッドユニットが、いわゆるスキャナ等であると、ヘッドユニットは、被搬送物に形成されている画像を読み取り、画像データを生成することができる。この例では、ヘッドユニットが被搬送物に形成されている画像を読み取る位置が処理位置となる。
さらに、搬送装置が有するヘッドユニットは、複数でなくともよい。すなわち、被搬送物に対して、基準となる位置に、処理を行い続ける等の場合には、本発明は、適用可能である。
<その他の実施形態>
なお、光源は、レーザ光を用いるものに限られない。例えば、光源は、LED(Light Emitting Diode)又は有機EL(Electro−Luminescence)等でもよい。そして、光源によっては、パターンは、スペックルパターンでなくともよい。
また、光源は、単一の波長を持つ光源でも、ブロードな波長を持つ光源でもよい。
上記の実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色の液体吐出ヘッドユニットを用いて画像形成を行う画像形成装置を例として説明を行った。しかしながら、画像形成装置は、例えばブラックの液体吐出ヘッドユニットを複数備え、画像形成を行う構成であっても良い。
さらに被搬送物は、用紙等の記録媒体に限られない。被搬送物は、液体が付着可能な材質であればよい。例えば、液体が付着可能な材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス又はこれらの組み合わせ等の液体が一時的でも付着可能であればよい。
なお、実施形態は、1以上の装置を有する搬送システムによって実現されてもよい。例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニットとシアン液体吐出ヘッドユニットが同じ筐体の装置であり、マゼンタ液体吐出ヘッドユニットとイエロー液体吐出ヘッドユニットが同じ筐体の装置であり、この両者を有する搬送システムによって実現されても良い。
また、各処理は、搬送システムが有する複数の情報処理装置によって、並列、冗長又は分散して行われてもよい。
また、本発明に係る搬送装置及び搬送システムでは、液体は、インクに限られず、他の種類の記録液又は定着処理液等でもよい。すなわち、本発明に係る搬送装置、画像形成装置及び搬送システムは、インク以外の種類の液体を吐出する装置に適用されてもよい。
したがって、本発明に係る搬送装置、画像形成装置及び搬送システムは、画像を形成する処理を行うに限られない。例えば、形成される物体は、三次元造形物等でもよい。
また、本発明に係る実施形態では、搬送装置、画像形成装置及び搬送システム等のコンピュータに処理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。したがって、プログラムに基づいて処理方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。