以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<全体構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の一例を示す概略図である。例えば、液体を吐出する装置は、図示するような画像形成装置である。このような画像形成装置では、吐出される液体は、水性又は油性のインク等の記録液である。以下、液体を吐出する装置が画像形成装置110である例で説明する。
被搬送物は、例えば、記録媒体等である。図示する例では、画像形成装置110は、ローラ130等によって搬送される記録媒体の例であるウェブ120に対して、液体を吐出して画像形成を行う。また、ウェブ120は、いわゆる連続用紙印刷媒体等である。すなわち、ウェブ120は、巻き取りが可能なロール状の紙等である。このように、画像形成装置110は、いわゆるプロダクション・プリンタである。以下の説明では、ローラ130が、ウェブ120の張力を調整等し、図示する方向(以下「搬送方向10」という。)にウェブ120が搬送される例で説明する。さらに、図では、搬送方向10に直交する方向を直交方向20とする例である。以下、画像形成装置110が、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色のそれぞれのインクを吐出してウェブ120の所定の箇所に画像を形成するインクジェットプリンタである例で説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置におけるセンサデバイスの配置例を示す模式図である。例えば、図示する位置に、画像形成装置110は、ウェブ120の位置等を検出するセンサデバイスを備える。
各センサデバイスは、ウェブ120の記録面に対して垂直となる方向から見たときに、ウェブ120の幅方向(すなわち、直交方向20である。)における端付近に配置され、かつ、ウェブ120と重なる位置に配置されるのが望ましい。具体的には、図示する例では、各センサデバイスは、配置位置PS1、PS2、PS3、PS4及びPS5等に配置される。
すなわち、ウェブ120の搬送経路に沿って、センサデバイス(SN1、SN2、SN3、SN4、SN5)が、それぞれ設置される。
また、各センサデバイスは、ウェブ120に対してレーザ光等の光を照射する光源と、光源から照射される領域を撮像するセンサとを備える。本構成では、コントローラ520が、アクチュエータAC1、AC2、AC3及びAC4を制御することで、画像形成装置110は、直交方向20に、各液体吐出ヘッドユニットを移動させることができる。
他にも、各液体吐出ヘッドユニットに接続されるコントローラ520は、各液体吐出ヘッドユニットが吐出を行うタイミングを制御する。なお、制御及び移動は、コントローラ520が行うのでなく、2つ以上のコントローラ又は回路が行ってもよい。アクチュエータについては後述する。
図示するように、各センサデバイスは、各液体吐出ヘッドユニットが処理を行うのと同じ側(ウェブ120に対して各液体吐出ヘッドユニットが設置される側)に設けられる。
光源から照射されるレーザ光がウェブ120の表面で散乱した散乱波が重なり合って干渉するため、スペックルパターン等のパターンが生じる。そして、各センサデバイスが有する光学センサは、このようなパターンを撮像して、画像データを生成する。このように、光学センサによって撮像されるパターンの位置変化に基づいて、例えば、画像形成装置110は、各液体吐出ヘッドユニットを移動させる移動量、各液体吐出ヘッドユニットの吐出タイミング又は両方を計算できる。
また、図示する構成において、各液体吐出ヘッドユニット及び各センサデバイスは、各液体吐出ヘッドユニットが画像形成を行うそれぞれの画像形成領域と、各センサが検出を行うそれぞれの検出領域とが、少なくとも一部が重なるように配置されてもよい。
以下、図示する全体構成例では、各液体吐出ヘッドユニットは、上流側から下流側に向かって、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の順に設置されるとする。すなわち、最も下流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「ブラック液体吐出ヘッドユニット210K」という。)をブラック(K)用とする。このブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「シアン液体吐出ヘッドユニット210C」という。)をシアン(C)用とする。さらに、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M」という。)をマゼンタ(M)用とする。続いて、最も上流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y」という。)をイエロー(Y)用とする。
なお、色の順番は、図示するように、ブラックのような光を吸収しやすい色が最も下流であるのが望ましい。したがって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の順番は、図示する順番に限られない。例えば、色の順番は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(K)等でもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成例を示す概略図である。図示するように、画像形成装置110は、4色のそれぞれのインクを吐出するため、4つの液体吐出ヘッドユニットを有する。
各液体吐出ヘッドユニットは、画像データ等に基づいて、ウェブ120の所定の箇所に、各色のインクをそれぞれ吐出する。このように、各液体吐出ヘッドユニットがインクを吐出する位置(以下「吐出位置」という。)は、液体吐出ヘッドユニットから吐出されるインクがウェブ120に着弾する位置にほぼ等しい。すなわち、吐出位置は、液体吐出ヘッドユニットのほぼ直下等となる。この例では、ブラックのインクは、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出位置(以下「ブラック吐出位置PK」という。)に吐出される。同様に、シアンのインクは、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの吐出位置(以下「シアン吐出位置PC」という。)に吐出される。さらに、マゼンタのインクは、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mの吐出位置(以下「マゼンタ吐出位置PM」という。)に吐出される。また、イエローのインクは、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの吐出位置(以下「イエロー吐出位置PY」という。)に吐出される。
また、ウェブ120は、2対のニップローラ(nip roller)及びローラ230等で搬送されるとする。以下、この2対のニップローラのうち、各液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるニップローラを「第1ニップローラNR1」という。一方で、第1ニップローラNR1及び各液体吐出ヘッドユニットより下流側に設置されるニップローラを「第2ニップローラNR2」という。なお、各ニップローラは、図示するように、ウェブ120等の被搬送物を挟んで回転する。このように、各ニップローラ及びローラ230は、ウェブ120等を所定の方向へ搬送する機構等である。
また、記録媒体は、長尺であるのが望ましい。具体的には、記録媒体の長さは、第1ニップローラNR1と、第2ニップローラNR2との距離より長いのが望ましい。さらに、記録媒体は、ウェブに限られない。すなわち、記録媒体は、折り畳まれて格納される紙、いわゆる「Z紙」等でもよい。
図3では、センサデバイスSN1、SN2、SN3、SN4及びSN5は、それぞれ、光学センサ(OS1、OS2、OS3、OS4、OS5)と、光源(LGY1、LGY2、LGM1、LGM2、LGC1、LGC2、LGIR1、LGIR2)を備える。なお、光学センサは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等である。すなわち、光学センサは、例えば、ウェブ120の表面を検出できるセンサ等である。そして、光学センサは、後述するように、画像形成中にウェブ120の表面を検出できるセンサである。
図3に示すように、光学センサOS1、光学センサOS2、光学センサOS3、光学センサOS4及び光学センサOS5は、液体吐出ヘッドユニットを挟むように設置される。各光学センサは、図示するように、等間隔INTSとなる間隔で設置されるのが望ましい。このように、等間隔INTSに各光学センサが設置されると、等間隔INTSの値を用いる計算を容易にすることができる。なお、各光学センサは、等間隔INTSに設置されるに限られない。すなわち、各光学センサは、液体吐出ヘッドユニットを挟んで設置され、各センサが設置される間隔があらかじめ分かる位置であればよい。
そして、図示するように、センサデバイスSN1、SN2、SN3、SN4及びSN5は、各光学センサがセンシングする位置に、光を照射する光源を有する。図示する例では、センサデバイスSN1用に、イエロー光を出す光源LGY1が設置される。同様に、センサデバイスSN2用に、イエロー光を出す光源LGY2が設置される。すなわち、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの上流に設置されるセンサデバイスSN1及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの下流に設置されるセンサデバイスSN2は、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yが吐出するイエローのインクの相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光を発する光源を有する。
同様に、図示する例では、センサデバイスSN2用に、マゼンタ光を出す光源LGM1が設置される。さらに、センサデバイスSN3用に、マゼンタ光を出す光源LGM2が設置される。すなわち、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mの上流に設置されるセンサデバイスSN2及びマゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mの下流に設置されるセンサデバイスSN3は、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mが吐出するマゼンタのインクの相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光を発する光源を有する。
また、図示する例では、センサデバイスSN3用に、シアン光を出す光源LGC1が設置される。さらに、センサデバイスSN4用に、シアン光を出す光源LGC2が設置される。すなわち、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの上流に設置されるセンサデバイスSN3及びシアン液体吐出ヘッドユニット210Cの下流に設置されるセンサデバイスSN4は、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cが吐出するシアンのインクの相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光を発する光源を有する。
さらに、図示する例では、センサデバイスSN4用に、赤外線光を出す光源LGIR1が設置される。さらに、センサデバイスSN5用に、赤外線光を出す光源LGIR2が設置される。すなわち、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの上流に設置されるセンサデバイスSN4及びブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの下流に設置されるセンサデバイスSN5は、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kが吐出するブラックのインクの相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光を発する光源を有する。
図4は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドユニットの外形形状の一例を示す図である。
液体吐出ヘッドユニットの外形形状の一例を、図4を用いて説明する。まず、図4(A)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置110の4つの液体吐出ヘッドユニット210Y~210Kの一例を示す概略平面図である。
図4(A)に示すように、液体吐出ヘッドユニットは、本実施形態では、ライン型のヘッドユニットである。
また、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kは、本構成では、直交方向20に4つのヘッド210K-1、210K-2、210K-3及び210K-4を千鳥状に配置する。また、各ヘッドは、例えば、図4(B)のような構成である。これにより、画像形成装置110は、ウェブ120の画像形成領域(印刷領域)の幅方向(すなわち、直交方向20である。)において、全域に画像を形成することができる。なお、他の液体吐出ヘッドユニット210C、210M及び210Yの構成は、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの構成と同様とするため、説明を省略する。
以上のように、上記の説明では、4つのヘッドで液体吐出ヘッドユニットを構成する例を説明したが、液体吐出ヘッドユニットは、単一のヘッドで構成されてもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係るイエローのインクの分光反射率特性の一例を示す図である。図では、横軸を波長とし、縦軸を各波長に対するイエローのインクの相対反射率とする。
図示するように、この例では、イエローのインクは、約500ナノメートルより長い波長の光に対して、相対反射率が高い特性である。すなわち、イエローのインクは、500ナノメートルより長い波長の光をよく反射する特性がある。このような特性のインクに対して、例えば、以下のような分光強度特性となるイエローの光源が用いられる。
図6は、本発明の一実施形態に係るイエローの光源の分光強度特性の一例を示す図である。図では、横軸を波長とし、縦軸を光源の相対強度とする。具体的には、イエローの光源は、例えば、黄色蛍光LED(Light Emitting Diode)等である。図示するように、イエローの光源は、500ナノメートルより長い波長帯において、相対強度が高い光を照射する光源である。
また、マゼンタのインクは、例えば、以下のような特性がある色材である。
図7は、本発明の一実施形態に係るマゼンタのインクの分光反射率特性の一例を示す図である。図では、横軸を波長とし、縦軸を各波長に対するマゼンタのインクの相対反射率とする。
図示するように、この例では、マゼンタのインクは、約420ナノメートル付近に、ピークがあり、さらに、約620ナノメートルより長い波長の光に対して、相対反射率が高い特性である。すなわち、マゼンタのインクは、620ナノメートルより長い波長の光をよく反射する特性がある。このような特性のインクに対して、例えば、620ナノメートルより長い波長帯において、相対強度が高い光を照射する分光強度特性となるマゼンタの光源が用いられる。
なお、用いられる光源は、相対強度が高い光を照射する光源であればよく、図5及び図7に示すような特性となるイエローのインク及びマゼンタのインクには、例えば、以下のような特性となる赤色LED等が光源に用いられてもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る赤の光源の分光強度特性の一例を示す図である。図では、横軸を波長とし、縦軸を光源の相対強度とする。図示するように、この例では、赤の光源は、約650ナノメートル付近が相対強度のピークとなる分光強度特性の光源である。すなわち、赤の光源は、図5及び図7に示すような特性となるイエロー及びマゼンタのいずれのインクに対しても、相対強度が高い光を照射する光源である。このような光源が、イエローの光源及びマゼンタの光源にそれぞれ用いられてもよい。
また、シアンのインクは、例えば、以下のような特性がある色材である。
図9は、本発明の一実施形態に係るシアンのインクの分光反射率特性の一例を示す図である。図では、横軸を波長とし、縦軸を各波長に対するシアンのインクの相対反射率とする。図示するように、この例では、シアンのインクは、約450ナノメートル付近にピークがある特性である。
そして、このようなシアンのインクに対しては、例えば、以下のような特性となる青色LED等が光源に用いられてもよい。
図10は、本発明の一実施形態に係る青の光源の分光強度特性の一例を示す図である。図では、横軸を波長とし、縦軸を光源の相対強度とする。図示するように、この例では、青の光源は、約480ナノメートル付近が相対強度のピークとなる分光強度特性の光源である。すなわち、青の光源は、図9に示すような特性となるインクに対して、相対強度が高い光を照射する光源である。このような光源が、シアンの光源にそれぞれ用いられる。
以上のような特性となる液体及び光源の組み合わせであると、液体で反射されやすい光を用いることができる。なお、上記の例では各インクの相対反射率がピークに近い波長域の相対強度が高い光源を用いているが、これに限られない。例えば、可視波長域においてインクの反射率が最も低い領域を0%、反射率が最も高い領域を100%とした場合、少なくとも30%以上の反射率を持つ領域の相対強度が高い光源であれば良い。50%以上の反射率を持つ領域の相対強度が高い光源であればなお良い。さらに、80%以上の反射率を持つ領域の相対強度が高い光源であると更に良い。
なお、図3に示す例において、センサデバイスSN5は、設置しない構成でもよい。この構成では、例えば、液体を吐出する装置は、センサデバイスSN3及びセンサデバイスSN4を用いる計算結果に基づいて、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kに係る位置又は速度等が予測されてもよい。他にも、この構成では、例えば、センサデバイスSN4によって、2回センシングが行われ、センサデバイスSN5の代わりとなる構成等でもよい。
また、以下の説明において、「センサが設置される位置」は、検出等が行われる位置を指す。したがって、「センサが設置される位置」に、検出等に用いる装置がすべて設置される必要はなく、ケーブル等で接続され、センサ以外の装置は、他の位置に設置されてもよい。
さらに、以下の説明では、各センサデバイス(SN1、SN2、SN3、SN4、SN5)を総じて単に「センサデバイスSN」という場合がある。同様に、各光学センサ(OS1、OS2、OS3、OS4、OS5)を総じて単に「光学センサOS」と記載し、各光源(LGY1、LGY2、LGM1、LGM2、LGC1、LGC2、LGIR1、LGIR2)を総じて単に「光源LG」と記載する場合がある。
また、図3では、各センサデバイスは、ウェブ120の表面、すなわち、インクが吐出される面を照射及びセンシングする位置に設置されるが、図示されたセンサデバイスと異なるセンサデバイスは、ウェブ120の表面とは異なる面、すなわち、裏面を照射及びセンシングする位置に設置されてもよい。
図11は、本発明の一実施形態に係る被搬送物検出装置を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。例えば、被搬送物検出部の例である被搬送物検出装置600は、図示するようなセンサデバイスSN、記憶装置53及びコントローラ520等のハードウェアによって実現される。
まず、センサデバイスSNは、例えば、以下のような装置である。
図12は、本発明の一実施形態に係るセンサデバイスの一例を示す外観図である。
センサデバイスSNは、まず、光源LGの例として半導体レーザ光源(LD)を有する。なお、図示する例では光源LGが1つであるが、センサデバイスSNは、光源LGを2つ以上有してもよい。
また、センサデバイスSNは、コリメート光学系(CL)等の光学系を有する。また、センサデバイスSNは、パターン等を撮像して画像データを得るため、光学センサOSの例であるCMOSイメージセンサと、CMOSイメージセンサにスペックルパターンを集光結像するためのテレセントリック撮像光学系(TO)とを有する。
図示する例では、CMOSイメージセンサが、パターン等を撮像して画像データを得る。そして、被搬送物検出装置は、他のセンサデバイスが撮像した画像データと、自らが撮像した画像データとの間で相関演算を行う。例えば、相関演算は、コントローラ520で行われる。次に、相関演算等によって算出される相関ピーク位置の移動に基づいて、コントローラ520は、一方のセンサデバイスが設置される位置から、他方のセンサデバイスが設置される位置までに、被搬送物が移動した移動量等を出力する。なお、図示する例では、センサデバイスのサイズは、幅W×奥行きD×高さHを15×60×32[mm]とする例である。なお、相関演算の詳細は、後述する。
また、CMOSイメージセンサは、撮像部を実現するハードウェアの一例である。
本構成では、相関演算を行うハードウェアをコントローラ520としたが、相関演算は、いずれかのセンサデバイスに搭載された制御回路52で実行されてもよい。
制御回路52は、光学センサOS等を制御する。具体的には、制御回路52は、例えば、トリガ信号を光学センサOSに対して出力して、光学センサOSがシャッタを切るタイミングを制御する。また、制御回路52は、光学センサOSから、2次元画像データを取得できるように制御する。そして、制御回路52は、光学センサOSが撮像し、生成される2次元画像データを記憶装置53等に送る。なお、制御回路52は、例えば、センサデバイスSNに接続される外部のFPGA(Field-Programmable Gate Array)等でもよい。
記憶装置53は、いわゆるメモリ等である。なお、制御回路52等から送られる2次元画像データを分割して、異なる記憶領域に記憶できる構成であるのが望ましい。
コントローラ520は、記憶装置53に記憶される画像データ等を用いて各種処理を実現するための演算及び制御を行う。
制御回路52及びコントローラ520は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又は電子回路等である。なお、制御回路52及びコントローラ520は、異なるデバイスでなくともよい。例えば、制御回路52及びコントローラ520は、1つのCPU等であってもよい。また、制御回路52とコントローラ520は、1つのFPGA回路等でもよい。
図13は、本発明の一実施形態に係る被搬送物検出装置を用いた機能構成の一例を示す機能ブロック図である。以下、図示するように、センサデバイスSNのうち、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの上流側及び下流側に配置されるセンサデバイスSN1及びセンサデバイスSN2の組み合わせを例に説明する。また、図示するように、センサデバイスSN1が備える検出機能である検出部52Aが、「A位置」に係る検出結果を出力し、センサデバイスSN2が備える検出機能である検出部52Bが、「B位置」に係る検出結果を出力する例で説明する。まず、検出部52Aは、例えば、撮像部16A、撮像制御部14A及び画像記憶部15A等で構成される。なお、この例では、検出部52Bは、例えば、検出部52Aと同様の構成であり、撮像部16B、撮像制御部14B及び画像記憶部15B等で構成される。以下、検出部52Aを例に説明する。
撮像部16Aは、図示するように、搬送方向10に搬送されるウェブ120を撮像する。
撮像制御部14Aは、シャッタ制御部141A、画像取込部142Aを有する。なお、撮像制御部14Aは、例えば、制御回路52等によって実現される。
画像取込部142Aは、撮像部16Aによって撮像される画像データを取得する。
シャッタ制御部141Aは、撮像部16Aが撮像するタイミングを制御する。
画像記憶部15Aは、撮像制御部14Aが取り込んだ画像データを記憶する。なお、画像記憶部15Aは、例えば、記憶装置53等によって実現される。
計算部53Fは、画像記憶部15A及び画像記憶部15Bに記憶されるそれぞれの画像データに基づいて、センサデバイスSN間でのウェブ120の相対位置、ウェブ120が有するパターンの位置、ウェブ120が移動した移動速度、ウェブ120が移動した移動量又はこれらの組み合わせを計算できる。
また、計算部53Fは、シャッタ制御部141Aに、シャッタを切るタイミングを示す時差Δtのデータを出力する。すなわち、計算部53Fは、「A位置」を示す画像データと、「B位置」を示す画像データとが時差Δtで、それぞれ撮像されるように、シャッタを切るタイミングをシャッタ制御部141Aに出力する。また、計算部53Fは、計算される移動速度となるようにウェブ120を搬送させるモータ等を制御してもよい。なお、計算部53Fは、例えば、コントローラ520等によって実現される。
ウェブ120は、表面又は内部に散乱性を有する部材である。そのため、ウェブ120にレーザ光が照射されると、反射光が拡散反射する。この拡散反射によって、ウェブ120には、パターンが形成される。すなわち、パターンは、「スペックル」と呼ばれる斑点、いわゆるスペックルパターンである。そのため、ウェブ120を撮像すると、パターンを示す画像データが得られる。このように、画像データからパターンのある位置がわかるため、検出部は、ウェブ120の所定の位置がどこにあるかが検出できる。なお、パターンは、ウェブ120の表面又は内部に形成される凹凸形状によって、照射されるレーザ光が干渉するため、生成される。
したがって、ウェブ120が搬送されると、ウェブ120が有するパターンも一緒に搬送される。そのため、同一のパターンを異なる時間でそれぞれ検出すると、計算部53Fは、搬送方向10における移動量を計算できる。すなわち、同一のパターンを検出して、パターンの移動量が出力されると、計算部53Fは、搬送方向10における移動量を計算できる。このようにして計算される移動量を単位時間あたりに換算すると、計算部53Fは、搬送方向10における移動速度を計算できる。
また、この例では、撮像部16A及び撮像部16Bは、搬送方向10において一定の間隔で設置される。そして、撮像部16A及び撮像部16Bによって、それぞれの位置でウェブ120が撮像される。
時差Δtとすると、時差Δtの間隔で、シャッタ制御部141Aは、撮像部16Aにウェブ120を撮像させる。このようにして撮像される画像データが示すパターンに基づいて、計算部53Fは、ウェブ120の移動量を計算する。具体的には、ずれ等がない理想状態における移動速度をV[mm/s]とし、撮像部16A及び撮像部16Bが搬送方向10において、相対距離L[mm]で設置されるとすると、理想状態において「A位置」でシャッタが切られてから、「B位置」でシャッタが切られる間隔、すなわち、時差Δtは、下記(1)式のように設定される。
Δt=L/V (1)
上記(1)式において、相対距離L[mm]は、撮像部16A及び撮像部16Bの間隔であるため、あらかじめ測定等で特定できる。
計算部53Fは、検出部52A及び52Bによって撮像されるそれぞれの画像データを示す画像データD1(n)及びD2(n)に対して相互相関演算を行う。以下、相互相関演算によって生成される画像データを「相関画像」という。例えば、計算部53Fは、相関画像に基づいて、ずれ量ΔD(n)を計算する。
例えば、相互相関演算は、下記(2)式で示す計算である。
D1★D2*=F-1[F[D1]・F[D2]*] (2)
なお、上記(2)式において、画像データD1(n)、すなわち、「A位置」で撮像される画像データを「D1」とする。同様に、上記(2)式において、画像データD2(n)、すなわち、「B位置」で撮像される画像データを「D2」とする。さらに、上記(2)式において、フーリエ変換を「F[]」で示し、逆フーリエ変換を「F-1[]」で示す。さらにまた、上記(2)式において、複素共役を「*」で示し、相互相関演算を「★」で示す。
上記(2)式に示すように、画像データD1及びD2に対して、相互相関演算「D1★D2」を行うと、相関画像を示す画像データが、得られる。なお、画像データD1及びD2が2次元画像データであると、相関画像を示す画像データは、2次元画像データとなる。また、画像データD1及びD2が1次元画像データであると、相関画像を示す画像データは、1次元画像データとなる。
なお、相関画像において、例えば、ブロードな輝度分布が問題となる場合には、位相限定相関法が用いられてもよい。位相限定相関法は、例えば、下記(3)式で示す計算である。
D1★D2*=F-1[P[F[D1]]・P[F[D2]*]] (3)
なお、上記(3)式において、「P[]」は、複素振幅において位相のみを取り出すことを示す。また、振幅は、すべて「1」とする。
このようにすると、計算部53Fは、ブロードな輝度分布であっても、相関画像に基づいて、ずれ量ΔD(n)を計算できる。
相関画像は、画像データD1及びD2の相関関係を示す。具体的には、画像データD1及びD2の一致度が高いほど、相関画像の中心に近い位置には、急峻なピーク、いわゆる相関ピークとなる輝度が出力される。そして、画像データD1及びD2が一致すると、相関画像の中心及びピークの位置は、重なる。
相関演算の結果に基づいて、時差Δtで撮像される画像データD1と、画像データD2との間での位置の差、移動量、移動速度又はこれらの組み合わせ等の情報が出力される。例えば、直交方向において、画像データD1が撮像されてから、画像データD2が撮像されるまでの間に、計算部53Fは、ウェブ120が直交方向にどの程度移動したかを計算できる。なお、計算部53Fは、移動量でなく、直交方向における移動速度等を計算してもよい。
また、本構成では、センサデバイスSN1と、センサデバイスSN2との中間に、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yがある。そして、各センサデバイスと、各液体吐出ヘッドユニットとの搬送方向10における位置関係は、既知であるため、計算部53Fは、画像データD1及びD2に基づく計算結果から、液体吐出ヘッドユニットを移動させる移動量を計算できる。そして、計算部53Fによる計算結果に基づいて、制御部54Fは、アクチュエータAC1を制御し、液体が着弾する位置を制御できる。
さらに、計算部53Fは、相関演算の結果に基づき、搬送方向10において、ウェブ120の移動量が相対距離Lに対して、どの程度ずれたかを計算できる。すなわち、撮像部16A及び16Bによって撮像される2次元画像データから、計算部53Fは、搬送方向及び直交方向の両方向において、位置等を検出するのに兼用されてもよい。このように兼用されると、それぞれの方向についてセンサデバイスを設置するコストが少なくできる。また、センサデバイスの数が少なくできるので、省スペースとすることもできる。
理想状態における移動量から、移動量がどの程度ずれたかに基づいて、計算部53Fは、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの吐出タイミングを計算する。そして、計算部53Fによる計算結果に基づき、制御部54Fは、イエロー液体吐出ヘッドユニットによって吐出が行われるタイミングを制御する。具体的には、液体を吐出する処理タイミングは、制御部54Fが出力するイエロー液体吐出ヘッドユニット210Y用の信号SIG1等によって制御される。なお、制御部54Fは、例えば、コントローラ520等によって実現される。
<相関演算の例>
図14は、本発明の一実施形態に係る相関演算方法の一例を示す構成図である。例えば、計算部53Fは、図示するような構成によって、相関演算を行うと、センサの位置におけるウェブの相対位置、移動量、移動速度又はこれらの組み合わせ等を示す検出結果を出力することができる。
具体的には、計算部53Fは、図示するように、第1の2次元フーリエ変換部FT1、第2の2次元フーリエ変換部FT2、相関画像データ生成部DMK、ピーク位置探索部SR、演算部CAL及び変換結果記憶部MEMを有する構成である。
第1の2次元フーリエ変換部FT1は、第1画像データD1を変換する。具体的には、第1の2次元フーリエ変換部FT1は、直交方向用のフーリエ変換部FT1a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT1bを有する構成である。
直交方向用のフーリエ変換部FT1aは、直交方向に、第1画像データD1を1次元フーリエ変換する。そして、搬送方向用のフーリエ変換部FT1bは、直交方向用のフーリエ変換部FT1aによる変換結果に基づいて、搬送方向に、第1画像データD1を1次元フーリエ変換する。このようにして、直交方向用のフーリエ変換部FT1a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT1bが、直交方向及び搬送方向に、それぞれ1次元フーリエ変換する。このようにして変換された変換結果を、第1の2次元フーリエ変換部FT1は、相関画像データ生成部DMKに出力する。
同様に、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、第2画像データD2を変換する。具体的には、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、直交方向用のフーリエ変換部FT2a、搬送方向用のフーリエ変換部FT2b及び複素共役部FT2cを有する構成である。
直交方向用のフーリエ変換部FT2aは、直交方向に、第2画像データD2を1次元フーリエ変換する。そして、搬送方向用のフーリエ変換部FT2bは、直交方向用のフーリエ変換部FT2aによる変換結果に基づいて、搬送方向に、第2画像データD2を1次元フーリエ変換する。このようにして、直交方向用のフーリエ変換部FT2a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT2bが、直交方向及び搬送方向に、それぞれ1次元フーリエ変換する。
次に、複素共役部FT2cは、直交方向用のフーリエ変換部FT2a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT2bによる変換結果の複素共役を計算する。そして、複素共役部FT2cが計算した複素共役を、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、相関画像データ生成部DMKに出力する。
続いて、相関画像データ生成部DMKは、第1の2次元フーリエ変換部FT1から出力される第1画像データD1の変換結果と、第2の2次元フーリエ変換部FT2から出力される第2画像データD2の変換結果とに基づいて、相関画像データを生成する。
相関画像データ生成部DMKは、積算部DMKa及び2次元逆フーリエ変換部DMKbを有する構成である。
積算部DMKaは、第1画像データD1の変換結果と、第2画像データD2の変換結果とを積算する。そして、積算部DMKaは、積算結果を2次元逆フーリエ変換部DMKbに出力する。
2次元逆フーリエ変換部DMKbは、積算部DMKaによる積算結果を2次元逆フーリエ変換する。このように、2次元逆フーリエ変換が行われると、相関画像データが生成される。そして、2次元逆フーリエ変換部DMKbは、相関画像データをピーク位置探索部SRに出力する。
ピーク位置探索部SRは、生成された相関画像データにおいて、最も急峻となる(すなわち、立ち上がりが急になる。)ピーク輝度(ピーク値)があるピーク位置を探索する。まず、相関画像データには、光の強さ、すなわち、輝度の大きさを示す値が入力される。また、輝度は、マトリクス状に入力される。
なお、相関画像データでは、輝度は、エリアセンサの画素ピッチ間隔、すなわち、画素サイズ間隔で並ぶ。そのため、ピーク位置の探索は、いわゆるサブピクセル処理を行ってから、探索が行われるのが望ましい。このように、サブピクセル処理が行われると、ピーク位置が精度良く探索できる。そのため、計算部53Fは、位置、移動量及び移動速度等を精度良く出力できる。
例えば、ピーク位置探索部SRによる探索は、以下のように行われる。
図15は、本発明の一実施形態に係る相関演算におけるピーク位置の探索方法の一例を示す図である。図では、横軸は、相関画像データにおける搬送方向の位置を示す。一方で、縦軸は、相関画像データが示す画素の輝度を示す。
以下、相関画像データが示す輝度のうち、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3の3つのデータを例に説明する。つまり、この例では、ピーク位置探索部SRは、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3を繋ぐ曲線kにおけるピーク位置Pを探索する。
まず、ピーク位置探索部SRは、相関画像データが示す画素の輝度の各差分を計算する。そして、ピーク位置探索部SRは、計算した差分のうち、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせを抽出する。次に、ピーク位置探索部SRは、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせに隣接する組み合わせを抽出する。このようにすると、図示する、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3のように、ピーク位置探索部SRは、3つのデータを抽出できる。そして、抽出される3つのデータを繋いで曲線kを算出すると、ピーク位置探索部SRは、ピーク位置Pを探索できる。このようにすると、ピーク位置探索部SRは、サブピクセル処理等の演算量を少なくし、より高速にピーク位置Pを探索できる。なお、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせの位置が、最も急峻な位置となる。また、サブピクセル処理は、上記の処理以外の処理でもよい。
以上のように、ピーク位置探索部SRがピーク位置を探索すると、例えば、以下のような演算結果が得られる。
図16は、本発明の一実施形態に係る相関演算の演算結果例を示す図である。図は、相互相関関数の相関強度分布を示す。なお、図では、X軸及びY軸は、画素の通し番号を示す。図示する「相関ピーク」のようなピーク位置が、ピーク位置探索部SRによって探索される。
演算部CALは、ウェブの相対位置、移動量又は移動速度等を演算する。例えば、演算部CALは、相関画像データの中心位置と、ピーク位置探索部SRによって探索されるピーク位置との差を計算すると、相対位置及び移動量を演算することができる。
また、演算部CALは、例えば、移動量を時間で除算して移動速度を計算できる。
以上のようにして、計算部53Fは、相関演算によって、相対位置、移動量又は移動速度等を検出できる。なお、相対位置、移動量又は移動速度等の検出方法は、これに限定されない。例えば、計算部53Fは、以下のように、相対位置、移動量又は移動速度等を検出してもよい。
まず、計算部53Fは、第1画像データ及び第2画像データのそれぞれの輝度を2値化する。すなわち、計算部53Fは、輝度があらかじめ設定される閾値以下であれば、「0」とし、一方で、輝度が閾値より大きい値であると、「1」とする。このように2値化された第1画像データ及び第2画像データを比較して、計算部53Fは、相対位置を検出してもよい。
なお、図では、Y方向に変動がある例を説明したが、X方向に変動がある場合には、ピーク位置は、X方向にもずれた位置に発生する。
また、計算部53Fは、これ以外の検出方法によって、相対位置、移動量又は移動速度等を検出してもよい。例えば、計算部53Fは、いわゆるパターンマッチング処理等によって、各画像データに写るそれぞれのパターンから相対位置を検出してもよい。
<ずれの発生例>
図17は、直交方向において記録媒体の位置が変動する例を示す図である。以下、図17(A)に示すようにウェブ120が搬送方向10に搬送される例で説明する。この例で示すように、ウェブ120は、ローラ等によって搬送される。このように、ウェブ120が搬送されると、ウェブ120は、例えば、図17(B)に示すように、直交方向において位置が変動する場合がある。すなわち、ウェブ120は、図17(B)に示すように、「蛇行」する場合がある。
直交方向におけるウェブ120の位置の変動、すなわち、「蛇行」は、例えば、搬送に係るローラの偏心、ミスアライメント又はブレードによるウェブ120の切断等によって発生する。また、ウェブ120が直交方向に対して幅が狭い場合等には、ローラの熱膨張等が、直交方向におけるウェブ120の位置の変動に対して影響する場合もある。
図18は、色ずれが起こる原因の一例を示す図である。図17で説明するように、直交方向において記録媒体の位置が変動、すなわち、「蛇行」が起こると図18に示す原因等によって、色ずれが起きやすい。
具体的には、複数の色を用いて記録媒体に画像を形成する場合、すなわち、カラー画像が形成される場合には、図示するように、画像形成装置は、各液体吐出ヘッドユニットが吐出する各色のインクを重ねて、いわゆるカラープレーンによるカラー画像をウェブ120上に形成する。
これに対して、図17で説明するような位置の変動がある。例えば、参照線320を基準に、「蛇行」が起きる場合がある。この場合において、各液体吐出ヘッドユニットが同一の位置に対してインクをそれぞれ吐出すると、液体吐出ヘッドユニットの間で「蛇行」によって、直交方向において、ウェブ120の位置が変動するため、色ずれ330が起きる場合がある。すなわち、色ずれ330は、各液体吐出ヘッドユニットが吐出するインクによって形成される線等が、直交方向において位置がずれるため起こる。このように、色ずれ330が起きると、ウェブ120に形成される画像の画質が劣化することがある。
<制御部の例>
制御部の例であるコントローラ520(図2)は、例えば、以下に説明する構成である。
図19は、本発明の一実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、コントローラ520は、情報処理装置等である上位装置71と、本体側制御装置72とで構成される。図示する例では、コントローラ520は、上位装置71から入力される画像データ及び制御データに基づいて、本体側制御装置72の制御に基づき、記録媒体に対して画像を画像形成させる。
上位装置71は、例えば、PC(Personal Computer)等である。また、本体側制御装置72は、プリンタコントローラ72C及びプリンタエンジン72Eを有する。
プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eの動作を制御する。まず、プリンタコントローラ72Cは、上位装置71と、制御線70LCを介して制御データを送受信する。さらに、プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eと、制御線72LCを介して制御データを送受信する。この制御データの送受信によって、制御データが示す各種印刷条件等がプリンタコントローラ72Cに入力され、プリンタコントローラ72Cは、レジスタ等によって、印刷条件等を記憶する。次に、プリンタコントローラ72Cは、制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eを制御し、印刷ジョブデータ、すなわち、制御データに従って画像形成を行う。
プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cp、印刷制御装置72Cc及び記憶装置72Cmを有する。なお、CPU72Cp及び印刷制御装置72Ccは、バス72Cbによって接続され、相互に通信を行う。また、バス72Cbは、通信I/F(interface)等を介して、制御線70LCに接続される。
CPU72Cpは、制御プログラム等によって、本体側制御装置72全体の動作を制御させる。すなわち、CPU72Cpは、演算装置及び制御装置である。
印刷制御装置72Ccは、上位装置71から送信される制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eと、コマンド又はステータス等を示すデータを送受信する。これにより、印刷制御装置72Ccは、プリンタエンジン72Eを制御する。
プリンタエンジン72Eには、データ線70LD-C、70LD-M、70LD-Y及び70LD-K、すなわち、複数のデータ線が接続される。そして、プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線を介して、上位装置71から画像データを受信する。次に、プリンタエンジン72Eは、プリンタコントローラ72Cによる制御に基づいて、各色の画像形成を行う。
プリンタエンジン72Eは、データ管理装置72EC、72EM、72EY及び72EK、すなわち、複数のデータ管理装置を有する。また、プリンタエンジン72Eは、画像出力装置72Ei及び搬送制御装置72Ecを有する。
図20は、本発明の一実施形態に係る制御部が有するデータ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、複数のデータ管理装置は、同一の構成である。以下、各データ管理装置が同一の構成である例で説明し、データ管理装置72ECを例に説明する。したがって、重複する説明は、省略する。
データ管理装置72ECは、ロジック回路72EClと、記憶装置72ECmとを有する。図示するように、ロジック回路72EClは、データ線70LD-Cを介して上位装置71と接続される。また、ロジック回路72EClは、制御線72LCを介して印刷制御装置72Ccと接続される。なお、ロジック回路72EClは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はPLD(Programmable Logic Device)等で実現される。
ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72C(図15)から入力される制御信号に基づいて、上位装置71から入力される画像データを記憶装置72ECmに記憶する。
また、ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、記憶装置72ECmからシアン用画像データIcを読み出す。次に、ロジック回路72EClは、読み出されたシアン用画像データIcを画像出力装置72Eiに送る。
なお、記憶装置72ECmは、3頁程度の画像データを記憶できる容量を有するのが望ましい。3頁程度の画像データが記憶できると、記憶装置72ECmは、上位装置71から入力される画像データ、画像形成中の画像データ及び次に画像形成するための画像データを記憶できる。
図21は、本発明の一実施形態に係る制御部が有する画像出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように、画像出力装置72Eiは、出力制御装置72Eicと、各色の液体吐出ヘッドユニットであるブラック液体吐出ヘッドユニット210K、シアン液体吐出ヘッドユニット210C、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yとを有する。
出力制御装置72Eicは、各色の画像データを各色の液体吐出ヘッドユニットにそれぞれ出力する。すなわち、出力制御装置72Eicは、入力される画像データに基づいて、各色の液体吐出ヘッドユニットを制御する。
出力制御装置72Eicは、複数の液体吐出ヘッドユニットを同時又は個別に制御する。すなわち、出力制御装置72Eicは、タイミングの入力を受けて、各液体吐出ヘッドユニットに液体を吐出させるタイミングを変える制御等を行う。なお、出力制御装置72Eicは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、いずれかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。さらに、出力制御装置72Eicは、ユーザによる操作等に基づいて、いずれかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。
なお、本体側制御装置72は、上位装置71から画像データを入力する経路と、制御データに基づく上位装置71及び本体側制御装置72の間での送受信に用いられる経路とをそれぞれ異なる経路としている。
搬送制御装置72Ecは、ウェブ120を搬送させるモータに接続されるドライバ回路等である。例えば、搬送制御装置72Ecは、各ローラ等に接続されるモータ等を制御し、ウェブ120を搬送させる。
<全体処理例>
図22は、本発明の一実施形態に係る被搬送物検出装置による処理の一例を示すフローチャートである。例えば、被搬送物検出装置は、液体吐出ヘッドユニットごとに、以下のような処理を行う。以下、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yを例に説明する。
ステップS01では、被搬送物検出装置は、色に合わせた波長の光を照射して、第1画像データを取得する。なお、第1画像データは、この例では、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの上流、すなわち、光学センサOS1によって撮像される画像データである。まず、ステップS01では、被搬送物検出装置は、光源LGY1から光を照射する。そして、光源LGY1から光が照射されている状態、すなわち、イエローの光がウェブ120に照射されている状態で、光学センサOS1は、撮像を行い、第1画像データを生成する。なお、搬送方向10において、最上流の液体吐出ヘッドユニット210より上流側の光源LGで投光する光の色は、限定しない。
ステップS02では、画像形成装置は、液体吐出ヘッドユニットから液体を吐出する。この例では、画像形成装置は、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yから、イエローのインクをウェブ120に吐出する。
ステップS03では、被搬送物検出装置は、色に合わせた波長の光を照射して、第2画像データを取得する。なお、第2画像データは、この例では、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの下流、すなわち、光学センサOS2によって撮像される画像データである。まず、ステップS03では、被搬送物検出装置は、光源LGY2から光を照射する。そして、光源LGY2から光が照射されている状態、すなわち、イエローの光がウェブ120に照射されている状態で、光学センサOS2は、撮像を行い、第2画像データを生成する。
ステップS04では、被搬送物検出装置は、第1画像データ及び第2画像データに基づいて、相対位置、位置、移動量、移動速度又はこれらの組み合わせ等を計算する。つまり、ステップS04では、被搬送物検出装置は、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの上流及び下流で撮像されるそれぞれの画像データを比較すると、直交方向におけるずれ量及び搬送方向における移動量等を計算できる。このようにして、被搬送物検出装置は、ウェブ120に係る移動量及び移動速度等を画像データから計算することができる。
なお、液体吐出ヘッドユニットごとに、取得される第1画像データ及び第2画像データの組み合わせは、例えば、以下のようになる。
図23は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置によって取得される第1画像データ及び第2画像データの一例を示す図である。図では、上段に、第1画像データ、すなわち、液体吐出ヘッドユニットの上流で生成される画像データを示す。そして、下段に、第2画像データ、すなわち、液体吐出ヘッドユニットの下流で生成される画像データを示す。
図示する例では、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y用の計算には、イエロー光照射第1画像データIMG1Yと、イエロー光照射第2画像データIMG2Yとの第1ペアPR1が用いられる。まず、イエロー光照射第1画像データIMG1Yは、イエローのインクが吐出される前である。一方で、イエロー光照射第2画像データIMG2Yは、イエローのインクが吐出された後である。イエローのインクは、イエロー光を反射しやすく、イエロー光以外の光を吸収しやすい。そのため、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yによって、イエローのインクで、第1文字CR1等が形成されても、第1文字CR1が記載された部分では、イエロー光が反射されやすく、第1文字CR1が記載された影響が少ない。
図示する例では、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M用の計算には、マゼンタ光照射第1画像データIMG1Mと、マゼンタ光照射第2画像データIMG2Mとの第2ペアPR2が用いられる。まず、マゼンタ光照射第1画像データIMG1Mは、イエローのインクが吐出された後、かつ、マゼンタのインクが吐出される前である。一方で、マゼンタ光照射第2画像データIMG2Mは、マゼンタのインクが吐出された後である。マゼンタのインクは、マゼンタ光を反射しやすく、マゼンタ光以外の光を吸収しやすい。そのため、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mによって、マゼンタのインクで、第2文字CR2等が形成されても、第2文字CR2が記載された部分では、マゼンタ光が反射されやすく、第2文字CR2が記載された影響が少ない。
図示する例では、シアン液体吐出ヘッドユニット210C用の計算には、シアン光照射第1画像データIMG1Cと、シアン光照射第2画像データIMG2Cとの第3ペアPR3が用いられる。まず、シアン光照射第1画像データIMG1Cは、マゼンタのインクが吐出された後、かつ、シアンのインクが吐出される前である。一方で、シアン光照射第2画像データIMG2Cは、シアンのインクが吐出された後である。シアンのインクは、シアン光を反射しやすく、シアン光以外の光を吸収しやすい。そのため、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cによって、シアンのインクで、第3文字CR3等が形成されても、第3文字CR3が記載された部分では、シアン光が反射されやすく、第3文字CR3が記載された影響が少ない。
図示する例では、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の計算には、赤外線光照射第1画像データIMG1Kと、赤外線光照射第2画像データIMG2Kとの第4ペアPR4が用いられる。まず、赤外線光照射第1画像データIMG1Kは、シアンのインクが吐出された後、かつ、ブラックのインクが吐出される前である。一方で、赤外線光照射第2画像データIMG2Kは、ブラックのインクが吐出された後である。ブラックのインクは、可視領域におけるほとんどの波長の光を吸収する。そのため、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kによって、ブラックのインクで、文字等が形成されても、文字が記載された部分で反射する赤外線光等が用いられると、文字が記載された影響が少ない。
図示するように、1つのセンサデバイスで複数の画像データを生成すると、センサ数を少なくすることができる。また、センサデバイス数を少なくすることで、コストを少なくする等の効果が得られる。
<機能構成例>
図24は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図示するように、画像形成装置110は、複数の検出部と、少なくとも1つ以上の計算部53Fとを備える。
検出部は、図3に示す例では、図示するように、検出部52A、52B、52C、52D及び52Eが各配置位置に1つずつ配置され、5つ配置される。そして、検出部による検出結果に基づいて、計算部53Fは、ウェブ120の直交方向、搬送方向又は両方向における位置等を検出する。
検出部は、図3に示す光源によって液体吐出ヘッドユニットの吐出する液体に対応した光が照射されたウェブ120の表面を検出する。具体的には、液体の相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光が照射されたウェブ120の表面を検出する。
なお、画像形成装置110は、制御部54Fを更に備えてもよい。図示するように、制御部54Fは、計算部53Fによる計算結果に基づいて、液体がウェブ120に吐出されるタイミング又は液体吐出ヘッドユニットの直交方向における位置等を制御する。
210M、210C、210Kについても同様に上流側と下流側の検出部を用いて検出された検出結果に基づいて、計算部53Fは、ウェブ120の直交方向、搬送方向又は両方向における位置等を検出し、制御部54Fは、液体がウェブ120に吐出されるタイミング又は液体吐出ヘッドユニットの直交方向における位置等を制御する。
<第1の変形例>
センサ及び光源は、例えば、以下のような構成でもよい。
図25は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成の第1変形例を示す概略図である。
この例では、液体吐出ヘッドユニットごとに、複数のローラがそれぞれ設置される。図示するように、複数のローラは、例えば、各液体吐出ヘッドユニットを挟んで、上流側と、下流側とにそれぞれ設置される。図示する例では、液体吐出ヘッドユニットごとに、各吐出位置へウェブ120を搬送するのに用いられるローラ(以下「第1ローラ」という。)が、各液体吐出ヘッドユニットより上流側にそれぞれ設置される。また、各吐出位置から下流へウェブ120を搬送するのに用いられるローラ(以下「第2ローラ」という。)が、各液体吐出ヘッドユニットより下流側にそれぞれ設置される。このように、第1ローラ及び第2ローラがそれぞれ設置されると、各吐出位置において、いわゆる「ばたつき」が少なくできる。なお、第1ローラ及び第2ローラは、記録媒体の搬送経路に設置され、例えば、従動ローラである。また、第1ローラ及び第2ローラは、モータ等により回転駆動するローラであってもよい。
なお、第1の支持部材の例である第1ローラ及び第2の支持部材の例である第2ローラは、従動ローラ等の回転体でなくてもよい。すなわち、第1ローラ及び第2ローラは、被搬送物を支える支持部材であればよい。例えば、第1の支持部材及び第2の支持部材は、断面円形状のパイプ又はシャフト等でもよい。他にも、第1の支持部材及び第2の支持部材は、被搬送物と接する部位が円弧状となる湾曲板等であってもよい。以下、第1の支持部材が第1ローラであり、かつ、第2の支持部材が第2ローラである例で説明する。
具体的には、搬送方向において、イエロー吐出位置PYより上流側にイエロー用第1ローラCR1Yが設置される。これに対して、搬送方向において、イエロー吐出位置PYより下流側にイエロー用第2ローラCR2Yが設置される。同様に、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mに対して、マゼンタ用第1ローラCR1M及びマゼンタ用第2ローラCR2Mがそれぞれ設置される。さらに、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cに対して、シアン用第1ローラCR1C及びシアン用第2ローラCR2Cがそれぞれ設置される。また、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kに対して、ブラック用第1ローラCR1K及びブラック用第2ローラCR2Kがそれぞれ設置される。
図示するように、センサが設置される位置は、各吐出位置に近い位置であるのが望ましい。各吐出位置に対して近い位置にセンサが設置されると、各吐出位置と、センサとの距離が短くなる。各吐出位置と、センサとの距離が短くなると、検出における誤差が少なくできる。そのため、画像形成装置は、センサによって、搬送方向、直交方向又は両方向において、記録媒体の位置及び速度を精度良く検出できる。
各吐出位置に近い位置は、具体的には、各第1ローラ及び各第2ローラの間である。すなわち、図示する例では、イエロー用の第1上流センサデバイスSN11及び第1下流センサデバイスSN12が設置される位置は、図示するように、イエロー用ローラ間INTY1であるのが望ましい。同様に、マゼンタ用の第2上流センサデバイスSN21及び第2下流センサデバイスSN22が設置される位置は、図示するように、マゼンタ用ローラ間INTM1であるのが望ましい。さらに、シアン用の第3上流センサデバイスSN31及び第3下流センサデバイスSN32が設置される位置は、図示するように、シアン用ローラ間INTC1であるのが望ましい。さらにまた、ブラック用の第4上流センサデバイスSN41及び第4下流センサデバイスSN42が設置される位置は、図示するように、ブラック用ローラ間INTK1であるのが望ましい。
このように、各ローラ間に、センサが設置されると、センサは、各吐出位置に近い位置で記録媒体の位置等を検出できる。また、ローラ間は、搬送速度が比較的安定している場合が多い。そのため、画像形成装置は、搬送方向及び直交方向において、記録媒体の位置及び速度を精度良く検出できる。
この構成では、第1上流センサデバイスSN11及び第1下流センサデバイスSN12によって、第1ペアPR1の第1画像データ及び第2画像データが生成される。また、第2上流センサデバイスSN21及び第2下流センサデバイスSN22によって、第2ペアPR2の第1画像データ及び第2画像データが生成される。さらに、第3上流センサデバイスSN31及び第3下流センサデバイスSN32によって、第3ペアPR3の第1画像データ及び第2画像データが生成される。そして、第4上流センサデバイスSN41及び第4下流センサデバイスSN42によって、第4ペアPR4の第1画像データ及び第2画像データが生成される。
<第2の変形例>
図26は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成の第2変形例を示す概略図である。図25と比較すると、図示する構成では、第1の支持部材及び第2の支持部材の配置が異なる。図示するように、第1の支持部材及び第2の支持部材は、例えば、第1部材RL1、第2部材RL2、第3部材RL3、第4部材RL4及び第5部材RL5によって実現されてもよい。すなわち、各液体吐出ヘッドユニットの上流側に設けられる第2の支持部材と、各液体吐出ヘッドユニットの下流側に設けられる第1の支持部材とは、兼用されてもよい。なお、第1の支持部材及び第2の支持部材は、ローラで兼ねられてもよく、湾曲板で兼ねられてもよい。
<第3の変形例>
図27は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成の第3変形例を示す概略図である。この例では、液体を吐出する装置は、移動又は吐出タイミングの制御対象となる液体吐出ヘッドユニットより上流側にあるセンサデバイスと、直近のセンサデバイスとを利用して2点間で位置等を検出し、液体吐出ヘッドユニットを移動させる、吐出タイミングを変更する制御又は両方を行うようにしてもよい。
具体的には、第1センサデバイスSN101は、例えば、イエロー吐出位置PYより上流側に設置される。次に、第2センサデバイスSN102は、イエロー吐出位置PYより上流側であって、イエロー吐出位置PYと、イエロー用第1ローラCR1Yとの間(以下「イエロー用上流区間INTY2」という。)に設置されるのが望ましい。同様に、第3センサデバイスSN103は、マゼンタ吐出位置PMより上流側であって、マゼンタ吐出位置PMと、マゼンタ用第1ローラCR1Mとの間(以下「マゼンタ用上流区間INTM2」という。)に設置されるのが望ましい。さらに、第4センサデバイスSN104は、シアン吐出位置PCより上流側であって、シアン吐出位置PCと、シアン用第1ローラCR1Cとの間(以下「シアン用上流区間INTC2」という。)に設置されるのが望ましい。さらにまた、第5センサデバイスSN105は、ブラック吐出位置PKより上流側であって、ブラック吐出位置PKと、ブラック用第1ローラCR1Kとの間(以下「ブラック用上流区間INTK2」という。)に設置されるのが望ましい。
ブラック用上流区間INTK2、シアン用上流区間INTC2、マゼンタ用上流区間INTM2及びイエロー用上流区間INTY2にセンサデバイスが設置されると、画像形成装置は、直交方向、搬送方向又は両方向において、位置等を精度良く検出できる。さらに、このような位置にセンサデバイスが設置されると、センサデバイスは、各吐出位置より上流側となる。そのため、画像形成装置は、まず、直交方向、搬送方向又は両方向において、上流側で位置等を精度良く検出できる。
次に、画像形成装置は、吐出タイミング、液体吐出ヘッドユニットを移動させる量又は両方を計算できる。すなわち、上流側で位置等が検出された後に、ウェブ120が吐出位置に搬送されるまでに、画像形成装置は、吐出タイミングの計算又は液体吐出ヘッドユニットを移動させる制御等を行うことができる。したがって、画像形成装置は、精度良く吐出位置を変更できる。
なお、各液体吐出ヘッドユニットの直下をセンサが設置される位置とすると、制御動作分の遅れ等によって、色ずれが生じる場合がある。したがって、センサが設置される位置は、各吐出位置より上流側であると、画像形成装置は、色ずれを少なくし、画質を向上できる。また、各吐出位置の付近等をセンサが設置される位置とするには、制約される場合ある。そのため、センサが設置される位置は、各吐出位置より各第1ローラに近い位置であるのが望ましい。
一方で、センサが設置される位置は、例えば、各液体吐出ヘッドユニットのそれぞれの直下等でもよい。以下の説明では、センサが各液体吐出ヘッドユニットの直下にある例を図示して説明する。この例のように、センサが設置される位置が直下であると、直下における正確な移動量が検出できる。したがって、制御動作等が速く行えるのであれば、センサが設置される位置は、各液体吐出ヘッドユニットの直下により近い位置にあるのが望ましい。一方で、センサが設置される位置は、各液体吐出ヘッドユニットの直下になくてもよく、直下にない場合であっても、同様の計算が行われる。
また、誤差が許容できるのであれば、センサが設置される位置は、各液体吐出ヘッドユニットのそれぞれの直下又は各第1ローラ及び各第2ローラの間であって、各液体吐出ヘッドユニットの直下より下流となる位置等でもよい。
図28は、本発明の第3変形例に係る液体を吐出する装置による検出及び制御の変形例を示す図である。
図示する例では、画像形成装置は、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yより上流に設置される第1センサデバイスSN101及び第2センサデバイスSN102による検出結果の組み合わせ(以下「第1結果RES1」という。)に基づいて、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yを移動させる制御又はイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの吐出タイミングを変更する制御を行う。
また、図示する例では、画像形成装置は、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mより上流に設置される第2センサデバイスSN102及び第3センサデバイスSN103による検出結果の組み合わせ(以下「第2結果RES2」という。)に基づいて、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mを移動させる制御又はマゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mの吐出タイミングを変更する制御を行う。
さらに、図示する例では、画像形成装置は、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cより上流に設置される第3センサデバイスSN103及び第4センサデバイスSN104による検出結果の組み合わせ(以下「第3結果RES3」という。)に基づいて、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを移動させる制御又はシアン液体吐出ヘッドユニット210Cの吐出タイミングを変更する制御を行う。
同様に、図示する例では、画像形成装置は、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kより上流に設置される第4センサデバイスSN104及び第5センサデバイスSN105による検出結果の組み合わせ(以下「第4結果RES4」という。)に基づいて、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kを移動させる制御又はブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出タイミングを変更する制御を行う。
第1結果RES1、第2結果RES2、第3結果RES3及び第4結果RES4に基づいて、例えば、画像形成装置は、以下のように、処理する。
図29は、本発明の第3変形例に係る液体を吐出する装置による検出及び制御の変形例を示すタイミングチャートである。
例えば、第1結果RES1である場合には、第1センサデバイスSN101による検出結果が第1センサデータS1となり、第2センサデバイスSN102による検出結果が第2センサデータS2となる。同様に、例えば、第2結果RES2である場合には、第2センサデバイスSN102による検出結果が第1センサデータS1となり、第3センサデバイスSN103による検出結果が第2センサデータS2となる。さらに、例えば、第3結果RES3である場合には、第3センサデバイスSN103による検出結果が第1センサデータS1となり、第4センサデバイスSN104による検出結果が第2センサデータS2となる。また、例えば、第4結果RES4である場合には、第4センサデバイスSN104による検出結果が第1センサデータS1となり、第5センサデバイスSN105による検出結果が第2センサデータS2となる。
図示するように、画像形成装置は、複数のセンサデータに基づいて、変動量等を算出する。具体的には、第1センサデータS1及び第2センサデータS2に基づいて、画像形成装置は、変動量を示す算出結果を出力する。まず、各センサデータがセンサデバイスから送信されると、画像形成装置は、各センサデータが示す複数の検出結果から変動量等を算出する。
変動量は、液体吐出ヘッドユニットごとに算出される。以下、シアン液体吐出ヘッドユニット210C用の変動量を算出する例で説明する。この例では、変動量は、例えば、第3結果RES3に基づいて算出される。
第3センサデバイスSN103に搭載された光学センサOS103と、第4センサデバイスSN104に搭載された光学センサOS104との間隔、すなわち、センサ間の距離が、「L2」であるとする。また、センサデータに基づいて検出される移動速度が、「V」であるとする。さらに、光学センサOS103の位置から光学センサOS4の位置まで被搬送物が搬送されるのに経過する移動時間が「T2」であるとする。この場合には、移動時間は、「T2=L2/V」と算出される。
また、センサによるサンプリング間隔を「A」とする。さらに、センサ間でのサンプリング回数を「n」とする。この場合には、サンプリング回数は、「n=T2/A」と算出される。
図示する算出結果、すなわち、変動量を「ΔX」とする。例えば、図示するように、検出周期が「0」である場合には、変動量は、移動時間「T2」前の第1センサデータS1と、検出周期「0」の第2センサデータS2とを比較して算出される。具体的には、変動量は、「ΔX=X2(0)-X1(n)」と算出される。
次に、画像形成装置は、変動量「ΔX」を補償するように、アクチュエータを制御し、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを直交方向において、移動させる。このようにすると、被搬送物の位置が変動しても、画像形成装置は、被搬送物に対して、画像を精度良く画像形成することができる。また、図示するように、2点間のセンサデータ、すなわち、2つの検出部による検出結果に基づいて、変動量を算出すると、各センサデバイスの位置情報を積算せずに、変動量が算出できる。そのため、このようにすると、各センサデバイスによる検出誤差の累積が少なくできる。
また、センサデータは、移動させる液体吐出ヘッドユニットより1つ上流側に設置されるセンサデバイスによって検出される検出結果に限られない。すなわち、センサデバイスは、移動又は制御の対象となる液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるセンサデバイスであればよい。
なお、第2センサデータS2は、移動又は制御の対象となる液体吐出ヘッドユニットに最も近い位置に設置されるセンサデバイスによる検出結果であるのが望ましい。
また、変動量等は、3つ以上の検出結果によって算出されてもよい。
このように、複数のセンサデータから算出される変動量に基づいて、液体吐出ヘッドユニットを移動させるように制御し、ウェブに対して液体が吐出されると、直交方向において精度よく液体を着弾させることができる。また、同様に搬送方向の変動量に基づいて液体吐出ヘッドユニットの吐出タイミングを制御し、ウェブに対して液体が吐出されると、搬送方向において精度よく液体を着弾することができる。
なお、画像形成装置110は、検出結果に基づいて、液体吐出ヘッドユニットをそれぞれ移動させる移動部を更に有してもよい。このようにすると、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置は、直交方向において、液体を着弾させる位置に発生するずれを精度良く補償できる。特に、液体を吐出する装置が画像形成を行う場合には、画像を形成している間に、液体吐出ヘッドユニットを移動させて、液体の着弾位置に発生するずれを精度良く補償できると、液体を吐出する装置は、形成される画像の画質を向上させることができる。
また、画像形成装置は、エンコーダ等の計測部を更に備えてもよい。以下、計測部がエンコーダによって実現される例で説明する。具体的には、エンコーダは、例えば、ローラ230が有する回転軸に対して設置される。このようにすると、ローラ230の回転量に基づいて搬送方向における移動量を計測できる。この計測結果をセンサによる検出結果と併せて利用すると、より精度良く、画像形成装置は、ウェブ120に対して液体を吐出できる。
<まとめ>
本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置は、液体吐出ヘッドユニットごとに、液体の相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光を記録媒体等の被搬送物に照射して移動量又は移動速度を検出する。このように、液体の相対反射率の高い波長域に応じた波長域の相対強度が高い光が、インク等の液体によって形成された文字等に照射されると、移動量又は移動速度の検出に用いる画像データに模様等が入るのを少なくできる。一方で、このような模様が画像データに入ると、検出精度が悪くなる。
そこで、本発明の一実施形態のように、模様が画像データに入りにくい光源を用いる。このように、色に合わせた光が照射されると、液体によって形成されるパターン等と、光とが同化するため、模様が入る等の影響が少なくなる。ゆえに、液体を吐出する装置は、検出部よって、精度良く移動量又は移動速度を検出することができる。
また、液体吐出ヘッドユニットごとに吐出される液体の色は異なるため、液体を吐出する装置は、液体吐出ヘッドユニットごとに、異なる波長の光を照射する。例えば、イエローの液体を用いる液体吐出ヘッドユニットでは、液体を吐出する装置は、イエローの光を照射して、液体を吐出する前後で画像データを生成する。
なお、本実施形態では、液体を吐出する装置は、液体が吐出される面で検出を行っている。しかしながら、例えば、液体が裏面からも透けて見える、いわゆる裏写り等の場合には、液体を吐出する装置は、裏面への照射及び裏面での検出にも本発明を適用することができる。
また、液体を吐出して記録媒体に画像を形成する場合には、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置は、液体を着弾させる位置が精度良くなると、色ずれが少なくなり、形成される画像の画質を向上させることができる。
<被搬送物検出装置の変形例>
例えば、被搬送物検出装置は、以下のような装置でもよい。
図30は、本発明の一実施形態に係る被搬送物検出装置を実現するハードウェア構成の変形例を示すブロック図である。例えば、被搬送物検出装置は、図示するような光学センサOS、第1光源51AA、第2光源51AB、制御回路52、記憶装置53及びコントローラ520等によって実現される。図11に示す構成と比較すると、図示する構成では、光学センサOS等が異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
検出対象の例であるウェブ120には、第1光源51AA及び第2光源51ABからレーザ光等がそれぞれ照射される。なお、第1光源51AAが光を照射する位置を「AA位置」とし、同様に、第2光源51ABが光を照射する位置を「AB位置」とする。
第1光源51AA及び第2光源51ABは、レーザ光を発光する発光素子と、発光素子から発光されるレーザ光を略平行光にするコリメートレンズとを有する。また、第1光源51AA及び第2光源51ABは、ウェブ120の表面に対して斜め方向からレーザ光を照射させる位置に設置される。
光学センサOSは、エリアセンサ11と、「AA位置」に対向する位置に第1撮像レンズ12AAと、「AB位置」に対向する位置に第2撮像レンズ12ABとを有する。
エリアセンサ11は、例えば、シリコン基板111上に、撮像素子112を形成する構成のセンサである。なお、撮像素子112上は、2次元画像データをそれぞれ取得できる「AA領域11AA」と、「AB領域11AB」とがあるとする。また、エリアセンサ11は、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ又はフォトダイオードアレイ等である。そして、エリアセンサ11は、筐体13に収容される。さらに、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABは、第1レンズ鏡筒13AA及び第2レンズ鏡筒13ABにそれぞれ保持される。
この例では、図示するように、第1撮像レンズ12AAの光軸は、「AA領域11AB」の中心と一致する。同様に、第2撮像レンズ12ABの光軸は、「AB領域11AB」の中心と一致する。そして、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABは、「AA領域11AA」と、「AB領域11AB」とに、それぞれ光を結像させ、2次元画像データを生成する。
この場合、コントローラ520は、「AA位置」と、「AB位置」との間で、位置ずれ等を計算できる。さらに、コントローラ520は、検出結果を搬送方向の異なる位置に配置されたセンサデバイス等が取得して、計算することで、異なる位置に配置されたセンサデバイス間において位置等を検出できる。
さらに、被搬送物検出装置は、第1光源51AAと、第2光源51ABとを異なる色の光源とすることで、例えば、センサデバイスSN2、センサデバイスSN3、センサデバイスSN4として使用することも可能である。
他にも、被搬送物検出装置は、以下に説明する構成等でもよい。
図31は、本発明の一実施形態に係る光学センサの第1変形例を示す図である。図30に示す構成と比較すると、図示する光学センサOSの構成は、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABが一体となり、レンズ12Cとなる点が異なる。一方で、エリアセンサ11等は、例えば、図30に示す構成と同様である。
また、この例では、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABのそれぞれの像が干渉して結像しないように、アパーチャ121等が用いられるのが望ましい。このように、アパーチャ121等が用いられると、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABのそれぞれの像を結像する領域がそれぞれ制限できる。そのため、それぞれの結像が干渉するのを少なくでき、光学センサOSは、図30に示す「AA位置」及び「AB位置」におけるそれぞれの位置の画像データを生成することができる。
図32は、本発明の一実施形態に係る光学センサの第2変形例を示す図である。図31に示す構成と比較すると、図32(A)に示す光学センサOSの構成は、エリアセンサ11が第2エリアセンサ11'である点が異なる。一方で、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12AB等の構成は、例えば、図31と同様である。
第2エリアセンサ11'は、例えば、図32(B)に示す構成等である。具体的には、図32(B)に図示するように、ウェハaには、複数の撮像素子bが形成される。次に、図32(B)に図示するような撮像素子がウェハaからそれぞれ切り出される。この切り出される複数の撮像素子である第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABがそれぞれシリコン基板111上に形成される。これに対して、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABは、第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABの間隔に合わせて、位置が定められる。
撮像素子は、撮像用に製造されることが多い。そのため、撮像素子のX方向及びY方向の比、すなわち、縦横比は、正方、「4:3」又は「16:9」等のように、画像フォーマットに合わせる比である場合が多い。本実施形態では、一定の間隔に離れる2点以上における画像データが撮像される。具体的には、2次元における一方向であるX方向、すなわち、搬送方向に一定の間隔に離れる点ごとに、画像データが撮像される。これに対して、撮像素子は、画像フォーマットに合わせる縦横比である。そのため、X方向において、一定の間隔に離れる2点について撮像する場合には、Y方向に係る撮像素子が使用されない場合がある。また、画素密度を上げる場合等には、X方向及びY方向のいずれの方向において画素密度の高い撮像素子を用いるため、コストアップ等になる場合がある。
そこで、図32に図示する構成とすると、シリコン基板111上には、一定の間隔に離れる第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABが、形成できる。そのため、Y方向に係る撮像素子が使用されない撮像素子が少なくできる。したがって、撮像素子の無駄が少なくできる。また、第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABは、精度の良い半導体プロセスで形成されるため、第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABの間隔が、精度良くできる。
図33は、本発明の一実施形態に係る光学センサに用いられる複数の撮像レンズの一例を示す概略図である。図示するようなレンズアレイが検出部を実現するのに用いられてもよい。
図示するレンズアレイは、2つ以上のレンズが集積される構成である。具体的には、図示するレンズアレイは、例えば、縦及び横方向に、3行3列の計9つの撮像レンズA1乃至C3を有する。このようなレンズアレイが用いられると、9点を示す画像データが撮像できる。この場合には、9点の撮像領域を有するエリアセンサが用いられる。
なお、本発明に係る液体を吐出する装置は、1以上の装置を有する液体を吐出するシステムによって実現されてもよい。例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kと、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cとが同じ筐体の装置であり、さらに、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mと、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yとが同じ筐体の装置を有する液体を吐出するシステムによって実現されても良い。
また、本発明に係る液体を吐出する装置及び液体を吐出するシステムでは、液体は、インクに限られず、他の種類の記録液又は定着処理液等でもよい。すなわち、本発明に係る液体を吐出する装置及び液体を吐出するシステムは、インク以外の種類の液体を吐出する装置に適用されてもよい。
したがって、本発明に係る液体を吐出する装置及び液体を吐出するシステムは、画像を形成するに限られない。例えば、形成される物体は、3次元造形物等でもよい。
さらに被搬送物は、用紙等の記録媒体に限られない。被搬送物は、液体が付着可能な材質であればよい。例えば、液体が付着可能な材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス又はこれらの組み合わせ等の液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、本発明に係る実施形態では、画像形成装置、情報処理装置又はこれらの組み合わせ等のコンピュータに液体を吐出させる方法のうち、一部又は全部を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。
なお、光源は、レーザ光を用いるものに限られない。例えば、光源は、上述したようなLED以外に、有機EL(Electro-Luminescence)等でもよい。そして、光源によっては、パターンは、スペックルパターンでなくともよい。
また、本発明は、搬送される被搬送物に対して、直交方向に並べられたライン状のヘッドユニットを用いて何らかの処理を行う装置に適用可能である。
例えば、本発明に係る実施形態は、ヘッドユニットがレーザを発し、レーザによって、被搬送物である基板に、パターンニングの処理を行う搬送装置等でもよい。具体的には、搬送装置は、まず、レーザヘッドを直交方向にライン状に並べて有する。そして、搬送装置は、基板の位置等を検出し、検出結果に基づいて、ヘッドユニットを移動させる等を行う。また、この例では、処理位置は、レーザが基板に照射される位置が処理位置となる。
さらに、搬送装置が有するヘッドユニットは、複数でなくともよい。すなわち、被搬送物に対して、基準となる位置に、処理を行い続ける等の場合には、本発明は、適用可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。