以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<全体構成例>
以下、被搬送物処理装置が液体吐出装置であり、液体吐出装置が有するヘッドユニットが、液体を吐出する液体吐出ヘッドユニットであり、液体吐出ヘッドユニットが液体をウェブに吐出する位置を「処理位置」とする場合を例に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の一例を示す概略図である。例えば、液体を吐出する装置は、図示するように、プロダクションプリンタ110を2台接続させた印刷システム100である。このような液体を吐出する装置では、吐出される液体は、水性又は油性のインク等の記録液である。以下、液体を吐出する装置が印刷システム100である例で説明する。
印刷システム100は、ウェブ120等の被搬送物を搬送する。そして、印刷システム100では、プロダクションプリンタ110の間に、ウェブ120を裏返すターンバー130が設置される。このように、ターンバー130があると、印刷システム100は、いわゆる両面印刷が可能となる。また、この例では、印刷システム100は、上流に、ウェブ120を供給するアンワインダー140を有し、下流に、印刷されたウェブ120の巻き取り処理又は製本処理を行う後処理装置150を有する。
また、プロダクションプリンタ110は、乾燥ローラ160を有する。乾燥ローラ160によって、インクが搬送ローラに転写されるのを少なくできる。
さらに、印刷システム100は、ウェブ120の種類を変更する場合又はウェブ120がなくなると、ウェブ120をカットする。したがって、印刷ジョブ中、ウェブ120は、アンワインダー140から後処理装置150までつながっている。なお、印刷ジョブには、インクを吐出して画像形成を行う印刷動作及び印刷動作の前後で印刷が行われないウェブ120(以下「損紙」という。)を搬送する搬送動作等が含まれる。具体的には、印刷前では、乾燥によるコックリングが印刷される画像に影響する、上流側のプロダクションプリンタ110が有する乾燥ローラ160から下流側のプロダクションプリンタ110が有するプリンタヘッド210までの区間に、少なくとも損紙が発生する。また、印刷後では、下流側のプロダクションプリンタ110が有するプリンタヘッド210から後処理装置150までの区間に、少なくとも損紙が発生する。
図示する例では、プロダクションプリンタ110は、ローラ等によって搬送される記録媒体の例であるウェブ120に対して、液体を吐出して画像形成を行う。また、ウェブ120は、いわゆる連続用紙等である。すなわち、ウェブ120は、巻き取りが可能なロール状の紙等である。以下の説明では、ローラが、ウェブ120の張力を調整等し、図示する方向(以下「搬送方向10」という。)にウェブ120が搬送される例で説明する。さらに、図では、搬送方向10に直交する方向を直交方向20とする例である。また、この例では、プロダクションプリンタ110は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色のインクを吐出してウェブ120の所定の箇所に画像を形成する処理を行うインクジェットプリンタである。
図2は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成例を示す概略図である。図示するように、プロダクションプリンタ110は、4色のそれぞれのインクを吐出するため、4つの液体吐出ヘッドユニットを有する。
各液体吐出ヘッドユニットは、搬送方向10に搬送されるウェブ120に対して、各色のそれぞれの液体を吐出する。また、ウェブ120は、2対のニップローラ(nip roller)及びローラ230等で搬送されるとする。以下、この2対のニップローラのうち、各液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるニップローラを「第1ニップローラNR1」という。一方で、第1ニップローラNR1及び各液体吐出ヘッドユニットより下流側に設置されるニップローラを「第2ニップローラNR2」という。なお、各ニップローラは、図示するように、ウェブ120等の被搬送物を挟んで回転する。このように、各ニップローラ及びローラ230は、ウェブ120等を所定の方向へ搬送する機構等である。
また、記録媒体は、長尺であるのが望ましい。具体的には、記録媒体の長さは、第1ニップローラNR1と、第2ニップローラNR2との距離より長いのが望ましい。さらに、記録媒体は、ロール状に巻かれている紙に限られない。すなわち、記録媒体は、折り畳まれて格納される紙、いわゆる「Z紙」等でもよい。
以下、図示する全体構成例では、各液体吐出ヘッドユニットは、上流側から下流側に向かって、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の順に設置されるとする。すなわち、最も上流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「ブラック液体吐出ヘッドユニット210K」という。)をブラック(K)用とする。このブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「シアン液体吐出ヘッドユニット210C」という。)をシアン(C)用とする。さらに、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M」という。)をマゼンタ(M)用とする。続いて、最も下流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y」という。)をイエロー(Y)用とする。なお、色の順番は、図示する以外の順番でもよい。
各液体吐出ヘッドユニットは、画像データ等に基づいて、ウェブ120の所定の箇所に、各色のインクをそれぞれ吐出する。このインクを吐出する位置(以下「吐出位置」という。)は、液体吐出ヘッドから吐出される液体が記録媒体に着弾する位置にほぼ等しい、すなわち、液体吐出ヘッドの直下等である。この例では、ブラックのインクは、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出位置(以下「ブラック吐出位置PK」という。)に吐出される。同様に、シアンのインクは、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの吐出位置(以下「シアン吐出位置PC」という。)に吐出される。さらに、マゼンタのインクは、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mの吐出位置(以下「マゼンタ吐出位置PM」という。)に吐出される。また、イエローのインクは、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの吐出位置(以下「イエロー吐出位置PY」という。)に吐出される。
なお、各液体吐出ヘッドユニットがインクを吐出するそれぞれのタイミングの制御又は各液体吐出ヘッドユニットに設けられたアクチュエータの制御は、例えば、各液体吐出ヘッドユニットに接続されるコントローラ520が行う。また、タイミングの制御とアクチュエータの制御は、2つ以上のコントローラ又は回路が行ってもよい。なお、アクチュエータについては後述する。
以下、液体吐出ヘッドユニットによる処理位置を吐出位置とする例で説明する。
また、図示する例では、液体吐出ヘッドユニットごとに、複数のローラがそれぞれ設置される。図示するように、複数のローラは、例えば、各液体吐出ヘッドユニットを挟んで、ウェブ120の搬送経路において上流側と、下流側とにそれぞれ設置される。図示する例では、液体吐出ヘッドユニットごとに、各吐出位置へウェブ120を搬送するのに用いられるローラ(以下「第1ローラ」という。)が、各液体吐出ヘッドユニットより上流側にそれぞれ設置される。
一方で、各吐出位置から下流へウェブ120を搬送するのに用いられるローラ(以下「第2ローラ」という。)が、各液体吐出ヘッドユニットより下流側にそれぞれ設置される。このように、第1ローラ及び第2ローラがそれぞれ設置されると、各吐出位置において、いわゆる「ばたつき」が少なくできる。なお、第1ローラ及び第2ローラは、記録媒体を搬送するのに用いられ、例えば、従動ローラである。また、第1ローラ及び第2ローラは、モータ等により回転するローラであってもよい。
なお、第1の支持部材の例である第1ローラ及び第2の支持部材の例である第2ローラは、従動ローラ等の回転体でなくてもよい。すなわち、第1ローラ及び第2ローラは、被搬送物を支える支持部材であればよい。例えば、第1の支持部材及び第2の支持部材は、断面円形状のパイプ又はシャフト等でもよい。他にも、第1の支持部材及び第2の支持部材は、被搬送物と接する部位が円弧状となる湾曲板等であってもよい。以下、第1の支持部材が第1ローラであり、かつ、第2の支持部材が第2ローラである例で説明する。
具体的には、ウェブ120の所定の箇所に、イエローのインクを吐出させるため、イエロー吐出位置PYへウェブ120を搬送させるのに用いられるイエロー用第1ローラCR1Yが設置される。これに対して、イエロー吐出位置PYから下流側へウェブ120を搬送させるのに用いられるイエロー用第2ローラCR2Yが設置される。同様に、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mに対して、マゼンタ用第1ローラCR1M及びマゼンタ用第2ローラCR2Mがそれぞれ設置される。さらに、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cに対して、シアン用第1ローラCR1C及びシアン用第2ローラCR2Cがそれぞれ設置される。また、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kに対して、ブラック用第1ローラCR1K及びブラック用第2ローラCR2Kがそれぞれ設置される。
図2では、液体吐出ヘッドユニットごとに、センサデバイスがそれぞれ設置される。例えば、センサデバイスは、空気圧、光電、超音波又は可視光、レーザ、赤外線等の光を利用する光学センサ等を備える。なお、光学センサは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等である。すなわち、センサデバイスは、例えば、被搬送物の表面情報を検出できるセンサ等を備える。そして、プロダクションプリンタ110は、センサデバイスによって画像形成中に被搬送物の表面を検出し、複数の検出結果の間での相対位置、移動速度、移動量又はこれらの組み合わせ等を検出できる。
図2に示すように、第1センサデバイスSEN1、第2センサデバイスSEN2、第3センサデバイスSEN3、第4センサデバイスSEN4及び第5センサデバイスSEN5は、金属板等のプレートに組み付けられて機構MECを構成する。なお、機構MECの詳細は、後述する。
また、以下の説明において、「センサが設置される位置」は、センサデバイスによって検出等が行われる位置をいう。したがって、「センサが設置される位置」に、検出等に用いる装置がすべて設置される必要はない。すなわち、センサ以外の装置は、センサにケーブル等で接続され、他の位置に設置されてもよい。さらに、以下の説明では、各センサを総じて単に「センサ」という場合がある。
図示するように、センサが設置される位置は、各吐出位置に近い位置であるのが望ましい。各吐出位置に対して近い位置にセンサが設置されると、各吐出位置と、センサとの距離が短くなる。各吐出位置と、センサとの距離が短くなると、検出における誤差が少なくできる。そのため、液体を吐出する装置は、センサによって、搬送方向、直交方向又は両方向において、記録媒体の移動量及び移動速度を精度良く検出できる。
各吐出位置に近い位置は、具体的には、各第1ローラ及び各第2ローラの間である。すなわち、図示する例では、第2センサデバイスSEN2が検出を行う位置は、図示するように、ブラック用第1ローラCR1K及びブラック用第2ローラCR2Kの間である。なお、図では、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kを挟むローラ間INTである。
同様に、図示する例では、第3センサデバイスSEN3が検出を行う位置は、図示するように、シアン用第1ローラCR1C及びシアン用第2ローラCR2Cの間である。なお、図では、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを挟むローラ間INTである。
さらに、図示する例では、第4センサデバイスSEN4が検出を行う位置は、図示するように、マゼンタ用第1ローラCR1M及びマゼンタ用第2ローラCR2Mの間である。なお、図では、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mを挟むローラ間INTである。
また、図示する例では、第5センサデバイスSEN5が検出を行う位置は、図示するように、イエロー用第1ローラCR1Y及びイエロー用第2ローラCR2Yの間である。なお、図では、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yを挟むローラ間INTである。このように、各ローラ間で、センサによって検出が行われると、センサは、各吐出位置に近い位置で記録媒体の位置等を検出できる。また、ローラ間は、被搬送物の搬送方向、直交方向又は両方向における移動速度が比較的安定している場合が多い。そのため、液体を吐出する装置は、搬送方向、直交方向又は両方向において、記録媒体の移動量及び移動速度を精度良く検出できる。
より望ましくは、第2センサデバイスSEN2、第3センサデバイスSEN3、第4センサデバイスSEN4及び第5センサデバイスSEN5が設置される位置は、各ローラ間において、各吐出位置より第1ローラに近い位置であるのがより望ましい。すなわち、センサが設置される位置は、各吐出位置より上流側であるのがより望ましい。
具体的には、第2センサデバイスSEN2が設置される位置は、ブラック吐出位置PKから上流側に向かってブラック用第1ローラCR1Kが設置される位置までの間(以下「ブラック用上流区間」という。)であるのがより望ましい。
同様に、第3センサデバイスSEN3が設置される位置は、シアン吐出位置PCから上流側に向かってシアン用第1ローラCR1Cが設置される位置までの間(以下「シアン用上流区間」という。)であるのがより望ましい。
さらに、第4センサデバイスSEN4が設置される位置は、マゼンタ吐出位置PMから上流側に向かってマゼンタ用第1ローラCR1Mが設置される位置までの間(以下「マゼンタ用上流区間」という。)であるのがより望ましい。
さらにまた、第5センサデバイスSEN5が設置される位置は、イエロー吐出位置PYから上流側に向かってイエロー用第1ローラCR1Yが設置される位置までの間(以下「イエロー用上流区間」という。)であるのがより望ましい。
ブラック用上流区間、シアン用上流区間、マゼンタ用上流区間及びイエロー用上流区間にセンサが設置されると、液体を吐出する装置は、被搬送物の位置等を精度良く検出できる。このような位置にセンサが設置されると、センサが各吐出位置より上流側に設置される。そのため、液体を吐出する装置は、まず、上流側でセンサによって直交方向、搬送方向又は両方向において、被搬送物の位置等を精度良く検出でき、各液体吐出ヘッドユニットが吐出する処理タイミング、液体吐出ヘッドユニットを移動させる量又は両方を計算できる。すなわち、上流側で被搬送物の位置等が検出された後、ウェブ120が吐出位置に搬送される間に、処理タイミングの算出又は液体吐出ヘッドユニットの移動等が行われるため、液体を吐出する装置は、精度良く吐出位置を変更できる。
なお、各液体吐出ヘッドユニットの直下をセンサが設置される位置とすると、制御動作分の遅れ等によって、色ズレが生じてしまう場合がある。したがって、センサが設置される位置は、各吐出位置より上流側であると、液体を吐出する装置は、色ズレを少なくし、画質を向上できる。また、各吐出位置付近等を、センサ等を設置する位置とするのは、制約される場合がある。そのため、センサが設置される位置は、各吐出位置より各第1ローラに近い位置、すなわち、各吐出位置より上流であるのがより望ましい。
一方で、センサの位置は、例えば、各液体吐出ヘッドユニットのそれぞれの直下等でもよい。以下の説明では、センサが各液体吐出ヘッドユニットの直下にある例を図示して説明する。この例のように、センサが直下にあると、直下における正確な移動量が、センサによって検出できる。したがって、制御動作等が速く行えるのであれば、センサは、各液体吐出ヘッドユニットの直下により近い位置にあるのが望ましい。一方で、センサは、各液体吐出ヘッドユニットの直下になくてもよく、直下にない場合であっても、同様の計算が行われる。
また、誤差が許容できるのであれば、センサの位置は、各液体吐出ヘッドユニットのそれぞれの直下又は各第1ローラ及び各第2ローラの間であって、各液体吐出ヘッドユニットの直下より下流となる位置等でもよい。
また、プロダクションプリンタ110は、図示するように、各液体吐出ヘッドユニットに対応したセンサより上流に1個以上センサを設置するのが望ましい。具体的には、プロダクションプリンタ110は、液体吐出ヘッドユニットごとに設置されるセンサに加えて、第1センサデバイスSEN1を更に有するのが望ましい。以下、図示するように、第1センサデバイスSEN1が設置される構成を例に説明する。
また、図2に示す例では、ウェブ120の表面が平坦となるように記載しているが、全体構成は、図示する構成に限られない。例えば、ウェブ120に曲率ができるように、ヘッドユニット及び各ローラが設置されてもよい。このように、ウェブ120に曲率ができると、ウェブ120に張力を加えることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置におけるセンサデバイスとアクチュエータの配置例を示す模式図である。例えば、各センサデバイスは、ウェブ120の記録面に対して垂直の方向から見たときに、図示するようにウェブ120の幅方向(直交方向)における端付近であり、ウェブ120と重なる位置に配置されるのが望ましい。各センサデバイスは、配置位置PS1、PS2、PS3、PS4及びPS5等に配置される。また、本構成は、コントローラ520が、アクチュエータAC1、AC2、AC3及びAC4を制御することで、ウェブ120が搬送される方向と直交する方向に、各液体吐出ヘッドユニットを移動させることができる構成例である。
図2に示すように、各センサデバイスは、各液体吐出ヘッドユニットに対して裏側(ウェブ120に対して各液体吐出ヘッドユニットが設置される側と反対側)に設けられる。
また、各アクチュエータAC1、AC2、AC3及びAC4には、アクチュエータを制御するアクチュエータコントローラCTL1、CTL2、CTL3及びCTL4が接続される。
アクチュエータは、例えば、リニアアクチュエータ又はモータである。また、アクチュエータは、制御回路、電源回路及び機構部品等を有してもよい。
アクチュエータコントローラCTL1、CTL2、CTL3及びCTL4は、例えば、ドライバ回路等である。
液体吐出ヘッドユニットの外形形状の一例を、図4を用いて説明する。ここで、図4(A)は、本発明の実施形態に係るプロダクションプリンタ110が有する4つの液体吐出ヘッドユニット210K〜210Yの一例を示す概略平面図である。
図4(A)に示すように、液体吐出ヘッドユニットは、本実施形態では、ライン型のヘッドユニットである。すなわち、プロダクションプリンタ110は、記録媒体の搬送方向10の上流側からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)に対応する4つの液体吐出ヘッドユニット210K、210C、210M及び210Yを配置する。
ここで、ブラック(K)の液体吐出ヘッドユニット210Kは、本実施形態では、直交方向に、4つのヘッド210K−1、210K−2、210K−3及び210K−4を千鳥状に配置する。また、各ヘッドは、例えば、図4(B)に示すような形状である。そのため、プロダクションプリンタ110は、ウェブ120の画像形成領域(印刷領域)の幅方向(すなわち、直交方向である。)の全域に画像を形成することができる。なお、他の液体吐出ヘッドユニット210C、210M及び210Yの構成は、ブラック(K)の液体吐出ヘッドユニット210Kの構成と同様のため、説明を省略する。
以上のように、上記の説明では、4つのヘッドで液体吐出ヘッドユニットを構成する例を説明したが、液体吐出ヘッドユニットは、単一のヘッドで構成されてもよい。
<検出装置の例>
図5は、本発明の一実施形態に係る検出装置を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。例えば、検出装置は、図示するようなセンサデバイスSEN、制御回路52、記憶装置53及びコントローラ520等のハードウェアによって実現される。
まず、センサデバイスSENは、例えば、以下のような装置である。
図6は、本発明の一実施形態に係るセンサデバイスの一例を示す外観図である。図示するセンサデバイスSENは、ウェブ120等の被搬送物に対して、光源から光を照射すると形成されるパターンを撮像する構成である。具体的には、センサデバイスSENは、まず、半導体レーザ光源(LD)及びコリメート光学系(CL)等の光学系を有する。また、センサデバイスSENは、パターンを示す画像データを撮像するため、光学センサOSとしてのCMOSイメージセンサと、CMOSイメージセンサにパターンを集光結像するためのテレセントリック撮像光学系(TO)とを有する。なお、パターンは、表面情報の一例である。
図示する構成の例では、CMOSイメージセンサがパターンを含む領域を撮像して画像データを取得する。そして、コントローラ520は、一方のセンサデバイスが備えるCMOSイメージセンサで撮像した画像データと、他のセンサデバイスが備えるCMOSイメージセンサで撮像した画像データとの間で相関演算を行う。次に、相関演算等によって算出される相関ピーク位置の移動に基づいて、コントローラ520は、一方のCMOSイメージセンサから他方のCMOSイメージセンサまでに被搬送物が移動した移動量等を算出する。
なお、センサデバイスSENが備えるCMOSイメージセンサが、例えば、時刻「TM1」と、時刻「TM2」との各々において、複数回、パターンが写る画像データをそれぞれ撮像しても良い。この場合では、時刻「TM1」で撮像される画像データと、時刻「TM2」で撮像される画像データとに基づいて、コントローラ520が相互相関演算等の処理を行う。そして、コントローラ520は、時刻「TM1」から時刻「TM2」までに、被搬送物が移動した移動量等を算出する。
なお、図示する例では、センサデバイスSENのサイズは、幅W×奥行きD×高さHを15×60×32[mm]とする例である。なお、相関演算の詳細は、後述する。
なお、CMOSイメージセンサは、撮像部を実現するハードウェアの一例である。
本例では、相関演算を行うハードウェアをコントローラ520として記載したが、相関演算は、いずれかのセンサデバイスSENに搭載されたFPGA(Field−Programmable Gate Array)回路等のハードウェア回路で実行されても良い。
図5に戻り、制御回路52は、センサデバイスSEN等を制御する。具体的には、制御回路52は、例えば、トリガ信号を光学センサOSに対して出力して、光学センサOSがシャッタを切るタイミングを制御する。また、制御回路52は、光学センサOSから、2次元画像データを取得できるように制御する。そして、制御回路52は、光学センサOSが撮像し、生成される2次元画像データを記憶装置53等に送る。
記憶装置53は、いわゆるメモリ等である。なお、制御回路52等から、送られる2次元画像データを分割して、異なる記憶領域に記憶できる構成であるのが望ましい。
コントローラ520は、記憶装置53に記憶される画像のデータ等を用いて各種処理を実現するための演算を行う。
制御回路52及びコントローラ520は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又は電子回路等である。なお、制御回路52及びコントローラ520は、異なるデバイスでなくともよい。例えば、制御回路52及びコントローラ520は、1つのCPU等であってもよい。また、制御回路52及びコントローラ520は、1つのFPGA回路であっても良い。
図7は、本発明の一実施形態に係る検出装置を用いた機能構成の一例を示す機能ブロック図である。以下、図示するように、ヘッドユニットごとに設置されるセンサデバイスのうち、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K及びシアン液体吐出ヘッドユニット210Cの組み合わせを例に説明する。また、図示するように、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kのローラ間INTに設置される第2センサデバイスSEN2が備える検出機能である検出部52Aが「A位置」に係る検出結果を出力し、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cのローラ間INTに設置される第3センサデバイスSEN3が備える検出機能である検出部52Bが「B位置」に係る検出結果を出力する例で説明する。まず、検出部52Aは、例えば、撮像部16A、撮像制御部14A及び画像記憶部15A等で構成される。なお、この例では、検出部52Bは、例えば、検出部52Aと同様の構成であり、撮像部16B、撮像制御部14B及び画像記憶部15B等で構成される。以下、検出部52Aを例に説明する。
撮像部16Aは、図示するように、搬送方向10に搬送されるウェブ120を撮像する。なお、撮像部16Aは、例えば、光学センサOS等(図5)によって実現される。
撮像制御部14Aは、シャッタ制御部141A、画像取込部142Aを有する。なお、撮像制御部14Aは、例えば、制御回路52等(図5)によって実現される。
画像取込部142Aは、撮像部16Aによって撮像される画像データを取得する。
シャッタ制御部141Aは、撮像部16Aが撮像するタイミングを制御する。
画像記憶部15Aは、撮像制御部14Aが取り込んだ画像データを記憶する。なお、画像記憶部15Aは、例えば、記憶装置53等(図5)によって実現される。
計算部53Fは、画像記憶部15A及び15Bに記憶されるそれぞれの画像データに基づいて、ウェブ120が有するパターンの位置、ウェブ120が移動する移動速度及びウェブ120が移動した移動量が算出できる。また、計算部53Fは、シャッタ制御部141Aに、シャッタを切るタイミングを示す時差Δtのデータを出力する。すなわち、計算部53Fは、「A位置」を示す画像データと、「B位置」を示す画像データとが時差Δtで、それぞれ撮像されるように、シャッタを切るタイミングをシャッタ制御部141Aに示す。また、計算部53Fは、算出される移動速度となるようにウェブ120を搬送させるモータ等を制御してもよい。なお、計算部53Fは、例えば、コントローラ520(図2)等によって実現される。
ウェブ120は、表面又は内部に散乱性を有する部材である。そのため、ウェブ120にレーザ光が照射されると、反射光が拡散反射する。この拡散反射によって、ウェブ120には、パターンが形成される。すなわち、パターンは、「スペックル」と呼ばれる斑点、いわゆるスペックルパターンである。そのため、ウェブ120を撮像すると、スペックルパターン等のパターンを示す画像データが得られる。このように、画像データからパターンのある位置がわかるため、ウェブ120の所定の位置がどこにあるかが検出できる。なお、パターンは、ウェブ120の表面又は内部に形成される凹凸形状によって、照射されるレーザ光が干渉するため、生成される。ゆえに、スペックルパターンは、表面情報の一例である。
したがって、ウェブ120が搬送されると、ウェブ120が有するパターンも一緒に搬送される。そのため、同一のパターンを異なる時間でそれぞれ検出すると、搬送方向10における移動量が求められる。すなわち、パターンを上流側で検出して、下流側で上流側と同一のパターン検出し、移動量が計算されると、計算部53Fは、搬送方向10における移動量を求めることができる。また、移動量を単位時間あたりに換算すると、計算部53Fは、搬送方向10におけるウェブ120が移動する移動速度を求めることができる。
図7に示すように、撮像部16A及び撮像部16Bが搬送方向10において一定の間隔で設置される。そして、撮像部16A及び撮像部16Bを介して、それぞれの位置でウェブ120が撮像される。
各撮像部によって撮像される時差を「Δt」とすると、時差Δtの間隔で、シャッタ制御部141Aは、撮像部16Aと、撮像部16Bとにウェブ120を撮像させる。そして、撮像によって生成される画像データが示すパターンに基づいて、計算部53Fは、ウェブ120の移動量を求める。具体的には、ずれ等がない理想状態の移動速度V[mm/s]であって、撮像部16A及び撮像部16Bが搬送方向10において設置される間隔である相対距離L[mm]とすると、下記(1)式のように示せる。
Δt=L/V (1)
上記(1)式において、相対距離L[mm]は、撮像部16A及び撮像部16Bの間隔であるため、あらかじめ求めることができる。
計算部53Fは、検出部52A及び52Bによって撮像されるそれぞれの画像データを示す画像データD1(n)及びD2(n)に対して相互相関演算を行う。以下、相互相関演算によって生成される画像データを「相関画像」という。例えば、計算部53Fは、相関画像に基づいて、ずれ量ΔD(n)を計算する。
例えば、相互相関演算は、下記(2)式で示す計算である。
D1★D2*=F−1[F[D1]・F[D2]*] (2)
なお、上記(2)式において、画像データD1(n)、すなわち、「A位置」で撮像される画像データを「D1」とする。同様に、上記(2)式において、画像データD2(n)、すなわち、「B位置」で撮像される画像データを「D2」とする。さらに、上記(2)式では、フーリエ変換を「F[]」で示し、逆フーリエ変換を「F−1[]」で示す。さらにまた、上記(2)式では、複素共役を「*」で示し、相互相関演算を「★」で示す。
上記(2)式に示すように、画像データD1及びD2に対して、相互相関演算「D1★D2」を行うと、相関画像を示す画像データが、得られる。なお、画像データD1及びD2が2次元画像データであると、相関画像を示す画像データは、2次元画像データとなる。また、画像データD1及びD2が1次元画像データであると、相関画像を示す画像データは、1次元画像データとなる。
なお、相関画像において、例えば、ブロードな輝度分布が問題となる場合には、位相限定相関法が用いられてもよい。位相限定相関法は、例えば、下記(3)式で示す計算である。
D1★D2*=F−1[P[F[D1]]・P[F[D2]*]] (3)
なお、上記(3)式において、「P[]」は、複素振幅において位相のみを取り出すことを示す。また、振幅は、すべて「1」とする。
このようにすると、計算部53Fは、ブロードな輝度分布であっても、相関画像に基づいて、ずれ量ΔD(n)を計算できる。
相関画像は、画像データD1及びD2の相関関係を示す。具体的には、画像データD1及びD2の一致度が高いほど、相関画像の中心に近い位置には、急峻なピーク、いわゆる相関ピークとなる輝度が出力される。そして、画像データD1及びD2が一致すると、相関画像の中心及びピークの位置は、重なる。
次に、相関演算の結果に基づいて、Δtにおける画像データD1と画像データD2との間での位置の差、移動量又は移動速度等の情報が出力される。例えば、直交方向においては、画像データD1から画像データD2までの間に、どの程度ウェブ120が直交方向に移動したかを検出することができる。なお、相関演算の結果は、移動量でなく、移動速度として検出されても良い。このようにして、計算部53Fは、相関演算の計算結果から、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの移動量を算出することができる。
そして、計算部53Fの計算結果に基づいて、移動部57Fは、図3のアクチュエータAC2を制御し、液体の着弾位置を制御する。また、移動部57Fは、例えば、アクチュエータコントローラによって構成される。なお、移動部57Fは、アクチュエータコントローラだけでなく、コントローラ520等とで構成されても良い。また、移動部57Fは、コントローラ520で構成されても良い。
さらに、計算部53Fは、相関演算の結果に基づき、搬送方向におけるウェブの移動量がどの程度相対距離Lに対してずれたかを求めることもできる。すなわち、撮像部16A及び16Bセンサが撮像した二次元画像データから、計算部53Fは、搬送方向及び直交方向のそれぞれの位置を検出するのに兼用されてもよい。このようにセンサデバイスが兼用されると、それぞれの方向について、センサデバイスを設置するコストが少なくできる。また、センサの数が少なくできるので、省スペースとすることもできる。
また、理想の距離からどの程度ウェブ120の搬送量がずれたかの演算に基づいて、計算部53Fは、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの吐出タイミングを算出する。この算出結果に基づき、制御部54Fは、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cによる吐出を制御する。なお、液体を吐出するタイミングは、制御部54Fによって出力されるシアン液体吐出ヘッドユニット210C用の第2信号SIG2等によって制御される。また、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出タイミングが算出された場合には、制御部54Fは、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の第1信号によってブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの吐出タイミングを制御する。なお、制御部54Fは、例えば、コントローラ520(図2)等によって実現される。
また、液体を吐出する装置は、エンコーダ等の計測部を更に備えてもよい。以下、計測部がエンコーダによって実現される例で説明する。具体的には、エンコーダは、例えば、ローラ230が有する回転軸に対して設置される。このようにすると、ローラ230の回転量に基づいて搬送方向における搬送量を計測できる。この計測結果をセンサによる検出結果と併せて利用すると、より精度良く、液体を吐出する装置は、ウェブ120に対して液体を吐出できる。
図8は、直交方向において記録媒体の位置が変動する例を示す図である。以下、図8(A)に示すようにウェブ120が搬送方向10に搬送される例で説明する。この例で示すように、ウェブ120は、ローラ等によって搬送される。このように、ウェブ120が搬送されると、ウェブ120は、例えば、図8(B)に示すように、直交方向において位置が変動する場合がある。すなわち、ウェブ120は、図8(B)に示すように、「蛇行」する場合がある。
直交方向におけるウェブ120の位置の変動、すなわち、「蛇行」は、例えば、搬送に係るローラの偏心、ミスアライメント又はブレードによるウェブ120の切断等によって発生する。また、ウェブ120が直交方向に対して幅が狭い場合等には、ローラの熱膨張等が、直交方向におけるウェブ120の位置の変動に対して影響する場合もある。
図9は、色ずれが起こる原因の一例を示す図である。図8で説明するように、直交方向において記録媒体の位置が変動、すなわち、「蛇行」が起こると図9に示す原因等によって、色ずれが起きやすい。
具体的には、複数の色を用いて記録媒体に画像を形成する場合、すなわち、カラー画像が形成される場合には、図示するように、液体を吐出する装置は、各液体吐出ヘッドユニットが吐出する各色のインクを重ねて、いわゆるカラープレーンによるカラー画像をウェブ120上に形成する。
これに対して、図8で説明するような位置の変動がある。例えば、参照線320を基準に、「蛇行」が起きる場合がある。この場合において、各液体吐出ヘッドユニットが同一の位置に対してインクをそれぞれ吐出すると、液体吐出ヘッドユニットの間で「蛇行」によって、直交方向において、ウェブ120の位置が変動するため、色ずれ330が起きる場合がある。すなわち、色ずれ330は、各液体吐出ヘッドユニットが吐出するインクによって形成される線等が、直交方向において位置がずれるため起こる。このように、色ずれ330が起きると、ウェブ120に形成される画像の画質が劣化することがある。
<制御部の例>
制御部の例であるコントローラ520(図2)は、例えば、以下に説明する構成である。
図10は、本発明の一実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、コントローラ520は、情報処理装置等である上位装置71に接続される本体側制御装置72とで構成される。図示する例では、コントローラ520は、上位装置71から入力される画像データ及び制御データに基づいて、本体側制御装置72の制御によって、被搬送物に対して画像を画像形成させるように制御する。
上位装置71は、例えば、PC(Personal Computer)等である。また、本体側制御装置72は、プリンタコントローラ72C及びプリンタエンジン72Eを有する。
プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eの動作を制御する。まず、プリンタコントローラ72Cは、上位装置71と、制御線70LCを介して制御データを送受信する。さらに、プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eと、制御線72LCを介して制御データを送受信する。この制御データの送受信によって、制御データが示す各種印刷条件等がプリンタコントローラ72Cに入力され、プリンタコントローラ72Cは、レジスタ等によって、印刷条件等を記憶する。次に、プリンタコントローラ72Cは、制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eを制御し、印刷ジョブデータ、すなわち、制御データに従って画像形成を行う。
プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cp、印刷制御装置72Cc及び記憶装置72Cmを有する。なお、CPU72Cp及び印刷制御装置72Ccは、バス72Cbによって接続され、相互に通信を行う。また、バス72Cbは、通信I/F(interface)等を介して、制御線70LCに接続される。
CPU72Cpは、制御プログラム等によって、本体側制御装置72全体の動作を制御させる。すなわち、CPU72Cpは、演算装置及び制御装置である。
印刷制御装置72Ccは、上位装置71から送信される制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eと、コマンド又はステータス等を示すデータを送受信する。これにより、印刷制御装置72Ccは、プリンタエンジン72Eを制御する。
プリンタエンジン72Eには、データ線70LD−C、70LD−M、70LD−Y及び70LD−K、すなわち、複数のデータ線が接続される。そして、プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線を介して、上位装置71から画像データを受信する。次に、プリンタエンジン72Eは、プリンタコントローラ72Cによる制御に基づいて、各色の画像形成を行う。
プリンタエンジン72Eは、データ管理装置72EC、72EM、72EY及び72EK、すなわち、複数のデータ管理装置を有する。また、プリンタエンジン72Eは、画像出力装置72Ei、搬送制御装置72Ec及び機構制御装置72Ecmc等を有する。
図11は、本発明の一実施形態に係る制御部が有するデータ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、複数のデータ管理装置は、同一の構成である。以下、各データ管理装置が同一の構成である例で説明し、データ管理装置72ECを例に説明する。したがって、重複する説明は、省略する。
データ管理装置72ECは、ロジック回路72EClと、記憶装置72ECmとを有する。図示するように、ロジック回路72EClは、データ線70LD−Cを介して上位装置71と接続される。また、ロジック回路72EClは、制御線72LCを介して印刷制御装置72Ccと接続される。なお、ロジック回路72EClは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はPLD(Programmable Logic Device)等で実現される。
ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72C(図10)から入力される制御信号に基づいて、上位装置71から入力される画像データを記憶装置72ECmに記憶する。
また、ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、記憶装置72ECmからシアン用画像データIcを読み出す。次に、ロジック回路72EClは、読み出されたシアン用画像データIcを画像出力装置72Eiに送る。
なお、記憶装置72ECmは、3頁程度の画像データを記憶できる容量を有するのが望ましい。3頁程度の画像データが記憶できると、記憶装置72ECmは、上位装置71から入力される画像データ、画像形成中の画像データ及び次に画像形成するための画像データを記憶できる。
図12は、本発明の一実施形態に係る制御部が有する画像出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように、画像出力装置72Eiは、出力制御装置72Eicと、各色の液体吐出ヘッドユニットであるブラック液体吐出ヘッドユニット210K、シアン液体吐出ヘッドユニット210C、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yとを有する。
出力制御装置72Eicは、各色の画像データを各色の液体吐出ヘッドユニットにそれぞれ出力する。すなわち、出力制御装置72Eicは、入力される画像データに基づいて、各色の液体吐出ヘッドユニットを制御する。
出力制御装置72Eicは、複数の液体吐出ヘッドユニットを同時又は個別に制御する。すなわち、出力制御装置72Eicは、タイミングの入力を受けて、各液体吐出ヘッドユニットに液体を吐出させるタイミングを変える制御等を行う。なお、出力制御装置72Eicは、プリンタコントローラ72C(図10)から入力される制御信号に基づいて、いずれかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。さらに、出力制御装置72Eicは、ユーザによる操作等に基づいて、いずれかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。
なお、図10に示す本体側制御装置72は、上位装置71から画像データを入力する経路と、制御データに基づく上位装置71及び本体側制御装置72の間での送受信に用いられる経路とをそれぞれ異なる経路とする例である。
搬送制御装置72Ec(図10)は、ウェブ120を搬送させるモータ、機構及びドライバ装置等である。例えば、搬送制御装置72Ecは、各ローラ等に接続されるモータ等を制御し、ウェブ120を搬送させる。
<機構例>
図13は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置におけるセンサを移動させる機構の一例を示す断面図である。移動機構の例である機構MECは、例えば、図示するような構成である。なお、図では、左右方向が直交方向20である。一方で、図では、奥行き方向が搬送方向である。
まず、図示するように、機構MECは、第1センサデバイスSEN1乃至第5センサデバイスSEN5は、センサホルダHLDに組み付けられる。そして、図示する例では、センサホルダHLDは、ベースプレートBP上に乗る構成である。
機構MECは、直交方向20に、ベースプレートBPを平行移動させるためのアクチュエータ等を有する。具体的には、液体を吐出する装置は、例えば、ベアリングBR、ボールネジBSR、カップリングCP、第2モータMR2及び第2エンコーダENC2等によって、直交方向20において平行移動させる自由度(以下「X軸自由度XDOF」という。)を有する。なお、X軸自由度XDOFは、図では、左右方向に、第1センサデバイスSEN1乃至第5センサデバイスSEN5を一体にして平行移動させる自由度である。
具体的には、液体を吐出する装置は、第2モータMR2を回転させ、カップリングCPを介してボールネジBSRを回転させる。また、ベアリングBRは、図示するように、ボールネジBSR及びガイドシャフトGSによって保持される。そして、ボールネジBSRが回転すると、ベースプレートBPが、ガイドシャフトGSに従って平行移動する。また、ベースプレートBPの位置は、第2エンコーダENC2によって検出されて位置制御が行われる。このようにすると、液体を吐出する装置は、第1筐体フレームFR1と、第2筐体フレームFR2との間におけるベースプレートBPの位置を制御することができる。したがって、液体を吐出する装置は、このような構成によって、直交方向に、第1センサデバイスSEN1乃至第5センサデバイスSEN5を一体にして平行移動させる。
なお、液体を吐出する装置は、図示するように、直交方向20に対する垂直軸(図では、上下方向の軸である。)回りを回転移動させる自由度(以下「ヨー(Yaw)自由度YAWDOF」という。)を有するのが望ましい。図示する例では、ヨー自由度YAWDOFは、ベースプレートBP上において、垂直軸回りにセンサホルダHLDを回転させて、第1センサデバイスSEN1乃至第5センサデバイスSEN5を一体にして回転移動させる自由度である。
図示する例では、機構MECは、垂直軸回りに、センサホルダHLDを回転移動させるためのアクチュエータ等を有する。具体的には、液体を吐出する装置は、例えば、バネSPR、偏心カムECC、ギアGR、第1モータMR1及び第1エンコーダENC1を有する。
液体を吐出する装置は、第1モータMR1を回転させ、ギアGRを介して偏心カムECCを回転させる。そして、偏心カムECCが回転すると、ベースプレートBPに対してセンサホルダHLDが回転する。
なお、機構は、図示する構成に限られない。例えば、偏心カムECCの代わりに、スクリューネジ等が用いられてもよい。他にも、機構は、モータ等のアクチュエータの代わりに、手動で回転移動又は平行移動させる構成でもよい。さらに、ベースプレートBP及びセンサホルダHLDは、1つの金属板等でなくともよい。すなわち、ベースプレートBP及びセンサホルダHLDは、2つ以上の金属板等をつなぎ合わせた板等でもよい。
また、液体を吐出する装置は、搬送方向(図では、奥行き方向である。)及び上下方向(図では、上下方向である。)に平行移動させる等の自由度を更に有してもよい。
<平行移動例及び回転移動例>
以下、まず、平行移動についてより詳しく説明する。
図14は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置による平行移動の一例を示す透過図(移動前)である。図は、各液体吐出ヘッドユニットの上から図13に係る機構等を示す透過図である。また、図示する例では、右から左の方向に、ウェブ120が搬送されるとする。すなわち、図では、左右方向が搬送方向10であり、上下方向が直交方向20である。
例えば、図示するように、ベースプレートBPは、第1筐体フレームFR1と、第2筐体フレームFR2との間に、ガイドシャフトGSを基準として、平行となるように設置される。そして、液体を吐出する装置は、ベースプレートBPを、第2モータMR2(図13)を回転させて、第1筐体フレームFR1と、第2筐体フレームFR2との間を平行移動させることができる。移動前の位置を「第1位置P1」とし、平行移動が行われると、例えば、以下のようになる。
図15は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置による平行移動の一例を示す透過図(移動後)である。図14と比較すると、図15は、ベースプレートBPの位置が第1位置P1から第2位置P2となる点が異なる。
図示するように、ベースプレートBPの位置が第1位置P1から第2位置P2に平行移動すると、センサホルダHLDに組み付けられた第1センサデバイスSEN1乃至第5センサデバイスSEN5は、一体となって平行移動する。
なお、各センサは、図示するように、各吐出位置に近い位置で検出できるように、センサホルダHLDに組み付けられる。
第1センサデバイスSEN1乃至第5センサデバイスSEN5は、初期位置(図示する例では、第1位置P1である。)では、精度良く移動量又は移動速度を検出できない場合がある。例えば、図1に示すように、ウェブ120の両面に画像を印刷する場合では、撮像する面に、文字等が形成される場合がある。このように、文字等が形成されていると、文字等によって、移動量又は移動速度を精度良く検出できない場合がある。センサは、検出が可能な範囲が決まっている場合が多い。そのため、センサの検出範囲に文字等が形成されているとセンサは、移動量又は移動速度を精度良く検出できない場合がある。このような場合には、例えば、液体を吐出する装置は、光源又は画像データを取り込む仕様等に対して精度が満足できない状態である「センサエラー」をオペレータに知らせる。このような通知によって、オペレータは、撮像される画像データに異常がある又はセンサが検出を行う位置が不適切であることを知ることができる。次に、オペレータは、通知に基づいて、図示するような平行移動を行わせる操作を液体を吐出する装置に入力する。
図示するように平行移動させると、液体を吐出する装置は、文字等が形成されている箇所を避けた位置に各センサを移動させることができる。文字等が形成されている箇所を避けた位置とは、例えば、ウェブ120の直交方向における端の位置である。このようにすると、文字等が形成されている箇所を避けた位置で、各センサは、撮像等を行うことができるため、液体を吐出する装置は、移動量又は移動速度等を精度良く検出できる。
また、図示するように、各センサをセンサホルダHLDに組み付けて一体となって平行移動させると、各センサ間の位置関係を維持できる。さらに、各センサをセンサホルダHLDに組み付けて一体となって平行移動させると、各センサを1つずつ移動させるより、調整時間、すなわち、センサを移動させている時間等を短くすることができる。
次に、回転移動が行われると、例えば、以下のようになる。
図16は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置による回転移動の一例を示す透過図(移動前)である。図は、図14及び図15と同様に、各液体吐出ヘッドユニットの上から図13に係る機構等を示す透過図である。
以下、図示するように、ウェブ120が右下から左上方向に斜めに搬送される場合を例とする。すなわち、図は、第1筐体フレームFR1及び第2筐体フレームFR2に対するウェブ120の平行度が悪い場合の例を示す。
図示するように、ウェブ120が斜めに搬送される場合等では、例えば、第1センサデバイスSEN1で検出された範囲が、下流となる第2センサデバイスSEN2、第3センサデバイスSEN3、第4センサデバイスSEN4又は第5センサデバイスSEN5では、範囲外となる場合がある。そこで、液体を吐出する装置は、例えば、以下のように、センサホルダHLDを回転移動させる。
図17は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置による回転移動の一例を示す透過図(移動後)である。図17は、図16と比較すると、センサホルダHLDがヨー軸回転している点が異なる。すなわち、図示する例では、センサホルダHLDが回転角度AG分、搬送方向に対して角度がある点が異なる。
図示するように、回転中心RCを中心として、センサホルダHLDが回転角度AG分、回転移動すると、センサホルダHLDは、ウェブ120に対してほぼ平行になる。このようにすると、例えば、第1センサデバイスSEN1で検出された範囲が、下流となる第2センサデバイスSEN2、第3センサデバイスSEN3、第4センサデバイスSEN4又は第5センサデバイスSEN5でも、範囲内となる。
なお、回転中心RCは、図示するように、例えば、センサホルダHLDの中央部分等である。図示するように、回転中心RCをセンサホルダHLDの中央部分とすると、液体を吐出する装置は、センサホルダHLDを回転させやすい。また、回転中心RCがセンサホルダHLDの中央部分であると、センサホルダHLDを回転させることができる回転量を広くすることができる。
一方で、回転中心RCは、センサホルダHLDの中央部分でなくともよい。例えば、回転中心RCは、例えば、第1センサデバイスSEN1より上流となる位置等でもよい。このように、回転中心RCが上流側にあると、ウェブ120が斜めになった場合に、ウェブ120に合わせる調整を容易にすることができる。
以上のように、液体を吐出する装置は、ヨー自由度YAWDOFを有すると、ウェブ120が斜めに搬送される、いわゆる「斜行」等が起きても、ウェブ120の搬送される角度に合わせて各センサを調整することができる。
このように各センサの位置が調整された状態で、図7に示す機能を実行することにより、液体がウェブ120に吐出されるタイミングや、液体吐出ヘッドユニットの位置等を制御することができる。
図18は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置が用いるテストパターンの一例を示す図である。まず、図示するように、液体を吐出する装置は、1色目の例であるブラックで、搬送方向10に直線が形成されるように、テスト印刷を行う。このテスト印刷の結果から、エッジからの距離Lkが求まる。このようにして、直交方向において、手動又は装置によって、エッジからの距離Lkが調整されると、1色目、すなわち、基準となるブラックのインクが吐出される位置が決定される。なお、ブラックのインクが吐出される位置の決定方法は、この方法に限定されない。
<まとめ>
本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置は、X軸自由度XDOFを有する。このように、移動機構よって、直交方向に、複数のセンサを一体にして少なくとも平行移動させることができると、液体を吐出する装置は、文字等が画像形成されている箇所を回避して検出を行うことができるため、搬送方向又は直交方向において、被搬送物の位置等を精度良く検出できる。
また、液体を吐出して記録媒体に画像を形成する場合には、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置は、吐出される各色の液体の着弾位置が精度良くなると、色ずれが少なくなり、形成される画像の画質を向上させることができる。特に、液体を吐出する装置が画像形成を行う場合には、画像を形成している間に、液体吐出ヘッドユニットを移動させて、液体の着弾位置に発生するズレを精度良く補償できると、液体を吐出する装置は、形成される画像の画質を向上させることができる。
<検出装置の変形例>
例えば、検出装置600は、以下のような装置でもよい。
図19は、本発明の一実施形態に係る検出装置の第1変形例を示す概略図である。例えば、センサは、図示するようなセンサデバイスSEN、第1光源51AA、第2光源51AB、制御回路52、記憶装置53及びコントローラ520等によって実現される。図5に示す構成と比較すると、図示する構成では、センサデバイスSENとコントローラ520での演算が異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
検出対象の例であるウェブ120には、第1光源51AA及び第2光源51ABからレーザ光等がそれぞれ照射される。なお、第1光源51AAが光を照射する位置を「AA位置」とし、同様に、第2光源51ABが光を照射する位置を「AB位置」とする。
第1光源51AA及び第2光源51ABは、レーザ光を発光する発光素子と、発光素子から発光されるレーザ光を略平行光にするコリメートレンズとを有する。また、第1光源51A及び第2光源51Bは、ウェブ120の表面に対して斜め方向からレーザ光を照射させる位置に設置される。
センサデバイスSENは、エリアセンサ11と、「AA位置」に対向する位置に第1撮像レンズ12AAと、「AB位置」に対向する位置に第2撮像レンズ12ABとを有する。
エリアセンサ11は、例えば、シリコン基板111上に、撮像素子112を形成する構成のセンサである。なお、撮像素子112上は、2次元画像データをそれぞれ取得できる「AA領域11AA」と、「AB領域11AB」とがあるとする。また、エリアセンサ11は、例えば、CCDセンサ、CMOSセンサ又はフォトダイオードアレイ等である。そして、エリアセンサ11は、筐体13に収容される。さらに、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABは、第1レンズ鏡筒13AA及び第2レンズ鏡筒13ABにそれぞれ保持される。
この例では、図示するように、第1撮像レンズ12AAの光軸は、「AA領域11AA」の中心と一致する。同様に、第2撮像レンズ12ABの光軸は、「B領域11AB」の中心と一致する。そして、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABは、「AA領域11AA」と、「AB領域11AB」とに、それぞれ光を結像させ、2次元画像データを生成する。
この場合、センサデバイスSENは「AA位置」と「AB位置」の間で、位置ずれや速度を検出することができる。さらに、その検出結果を搬送方向の異なる位置に配置されたセンサデバイスと演算することで、異なる位置に配置されたセンサデバイス間において位置の変動量や速度を検出することもできる。
他にも、センサデバイスSENは、以下に説明する構成等でもよい。
図20は、本発明の一実施形態に係る検出装置の第2変形例を示す概略図である。図19に示す構成と比較すると、図20に示すセンサデバイスSENの構成は、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ1A2Bが一体となり、レンズ12Cとなる点が異なる。一方で、エリアセンサ11等は、例えば、図19に示す構成と同様である。
また、この例では、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABのそれぞれの像が干渉して結像しないように、アパーチャ121等が用いられるのが望ましい。このように、アパーチャ121等が用いられると、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABのそれぞれの像を結像する領域がそれぞれ制限できる。そのため、それぞれの結像が干渉するのを少なくでき、センサデバイスSENは、図19に示す「AA位置」及び「AB位置」におけるそれぞれの位置の画像データを生成することができる。
図21は、本発明の一実施形態に係る検出装置の第3変形例を示す概略図である。図20に示す構成と比較すると、図21(A)に示すセンサデバイスSENの構成は、エリアセンサ11が第2エリアセンサ11'である点が異なる。一方で、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12AB等の構成は、例えば、図20と同様である。
第2エリアセンサ11'は、例えば、図21(B)に示す構成等である。具体的には、図21(B)に図示するように、ウェハaには、複数の撮像素子bが形成される。次に、図21(B)に図示するような撮像素子がウェハaからそれぞれ切り出される。この切り出される複数の撮像素子である第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABがそれぞれシリコン基板111上に形成される。これに対して、第1撮像レンズ12AA及び第2撮像レンズ12ABは、第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABの間隔に合わせて、位置が定められる。
撮像素子は、撮像用に製造されることが多い。そのため、撮像素子のX方向及びY方向の比、すなわち、縦横比は、正方、「4:3」又は「16:9」等のように、画像フォーマットに合わせる比である場合が多い。本実施形態では、一定の間隔に離れる2点以上における画像データが撮像される。具体的には、2次元における一方向であるX方向、すなわち、搬送方向10(図19)に一定の間隔に離れる点ごとに、画像データが撮像される。これに対して、撮像素子は、画像フォーマットに合わせる縦横比である。そのため、X方向において、一定の間隔に離れる2点について撮像する場合には、Y方向に係る撮像素子が使用されない場合がある。また、画素密度を上げる場合等には、X方向及びY方向のいずれの方向において画素密度の高い撮像素子を用いるため、コストアップ等になる場合がある。
そこで、図21に図示する構成とすると、シリコン基板111上には、一定の間隔に離れる第1撮像素子112A及び第2撮像素子112Bが、形成できる。そのため、Y方向に係る撮像素子が使用されない撮像素子が少なくできる。したがって、撮像素子の無駄が少なくできる。また、第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABは、精度の良い半導体プロセスで形成されるため、第1撮像素子112AA及び第2撮像素子112ABの間隔が、精度良くできる。
図22は、本発明の一実施形態に係る検出部に用いられる複数の撮像レンズの一例を示す概略図である。図示するようなレンズアレイが検出部を実現するのに用いられてもよい。
図示するレンズアレイは、2つ以上のレンズが集積される構成である。具体的には、図示するレンズアレイは、例えば、縦及び横方向に、3行3列の計9つの撮像レンズA1乃至C3を有する。このようなレンズアレイが用いられると、9点を示す画像データが撮像できる。この場合には、9点の撮像領域を有するエリアセンサが用いられる。
このようにすると、例えば、2つの撮像領域に対する演算は、同時に実行、すなわち、並列で実行されやすい。次に、それぞれの演算結果が平均される又はエラー除去が行われると、1つの演算結果を用いる場合等と比較して、検出装置は、精度良く計算したり、計算の安定性を向上させたりすることができる。また、速度が変動するアプリケーションソフトに基づいて演算が実行される場合がある。この場合であっても、相関演算が行える領域が広がるため、確度の高い速度演算結果が得られやすくなる。
図23は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成の変形例を示す概略図である。図2と比較すると、図示する構成では、第1の支持部材及び第2の支持部材の配置が異なる。図示するように、第1の支持部材及び第2の支持部材は、例えば、第1部材RL1、第2部材RL2、第3部材RL3、第4部材RL4及び第5部材RL5によって実現されてもよい。すなわち、各液体吐出ヘッドユニットの上流側に設けられる第2の支持部材と、各液体吐出ヘッドユニットの下流側に設けられる第1の支持部材とは、兼用されてもよい。なお、第1の支持部材及び第2の支持部材は、ローラで兼ねられてもよく、湾曲板で兼ねられてもよい。
なお、本発明に係る液体を吐出する装置は、1以上の装置を有する液体を吐出するシステムによって実現されてもよい。例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kとシアン液体吐出ヘッドユニット210Cが同じ筐体の装置であり、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mとイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yが同じ筐体の装置であり、この両者を有する液体を吐出するシステムによって実現されても良い。
また、本発明に係る液体を吐出する装置及び液体を吐出するシステムでは、液体は、インクに限られず、他の種類の記録液又は定着処理液等でもよい。すなわち、本発明に係る液体を吐出する装置及び液体を吐出するシステムは、インク以外の種類の液体を吐出する装置に適用されてもよい。
したがって、本発明に係る液体を吐出する装置及び液体を吐出するシステムは、画像を形成するに限られない。例えば、形成される物体は、三次元造形物等でもよい。
さらに被搬送物は、用紙等の記録媒体に限られない。被搬送物は、液体が付着可能な材質であればよい。例えば、液体が付着可能な材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス又はこれらの組み合わせ等の液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、本発明に係る実施形態では、液体を吐出する装置、情報処理装置又はこれらの組み合わせ等のコンピュータに液体を吐出させる方法のうち、一部又は全部を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。
なお、光源は、レーザ光を用いるものに限られない。例えば、光源は、LED(Light Emitting Diode)又は有機EL(Electro−Luminescence)等でもよい。そして、光源によっては、パターンは、スペックルパターンでなくともよい。
つまり、表面情報はスペックルパターンでなくても良い。例えば表面情報は、被搬送物上のセンサが検出する位置によって変わる情報であれば良い。
また、光源は、単一の波長を持つ光源でも、ブロードな波長を持つ光源でもよい。
上記の実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色の液体吐出ヘッドユニットを用いて画像形成を行う画像形成装置を例として説明を行った。しかしながら、画像形成装置は、例えばブラックの液体吐出ヘッドユニットを複数備え、画像形成を行う構成であっても良い。
また、本発明は、直交方向に並べられたライン状のヘッドユニットを用いて何らかの処理を行う装置に適用可能である。
例えば、本発明に係る実施形態は、ヘッドユニットがレーザを発し、レーザによって、被搬送物である基板に、パターンニングの処理を行う搬送装置等でもよい。具体的には、搬送装置は、まず、レーザヘッドを直交方向にライン状に並べて有する。そして、搬送装置は、基板の位置等を検出し、検出結果に基づいて、ヘッドユニットを移動させる等を行う。また、この例では、処理位置は、レーザが基板に照射される位置が処理位置となる。
また、例えばヘッドユニットが被搬送物の読み取りを行う読取ヘッドを備える読取ヘッドユニットであっても良い。この場合、ヘッドユニットによって読取が行われる箇所が処理位置となる。
さらに、搬送装置が有するヘッドユニットは、複数でなくともよい。すなわち、被搬送物に対して、基準となる位置に、処理を行い続ける等の場合には、本発明は、適用可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。