JP2018534246A - スフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体に結合する炭水化物リガンド - Google Patents

スフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体に結合する炭水化物リガンド Download PDF

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Abstract

本発明は、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープ、詳細には神経疾患に関連する抗グリカン抗体により結合されるセレブロシド、グロボシド型、ガングリオ型およびスルホグルクロニルパラグロボシド型のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する、炭水化物リガンドおよび部分のそれぞれに関する。本発明はさらに、抗グリカン抗体に関連する神経疾患の診断において、そしてその処置のための、これらの炭水化物リガンド/部分の使用に関する。特に、本発明は、式(I)および(II)の化合物に関し、ならびに式(I)もしくは(II)の1つの化合物、または式(I)および/もしくは(II)の複数の化合物の組み合わせを担持するポリマーを含む、これらの化合物の複数を含む治療的に許容し得るポリマーに関する。式(I)の化合物は、式(I)(式中、RI1は、Zまたは(AA)または(BB)または(CC)または(DD)であり、RI2は、H、SO3H、または(EE)または(FF)または(GG)または(HH)または(JJ)または(KK)または(LL)であり、RI3は、Hまたは(MM)であり、RI4は、Hまたは(NN)または(OO)であり、RI5およびRI6は、Hまたは(EE)であり、RI7は、Hまたは(EE)または(FF)である)として定義され、式(II)の化合物は、式(II)(式中、RII1は、Zまたは(PP)であり、RII2は、Zまたは(QQ)または(RR)または(SS)または(TT)である)として定義され、ここでZは、−N(Ra)−A−B−CH2−(CH2)q−SHであり、Raは、H、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、CH2C6H5、CH2CH2C6H5、OCH2C6H5、またはOCH2CH2C6H5であり;Aは、C1〜C7−アルキレン、C1〜C7−アルコキシ、C1〜C4−アルキル−(OCH2CH2)pO−C1〜C4−アルキル、またはC1〜C7−アルコキシ−Rbであり、Rbは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pは、0〜6であり、好ましくはpは、1、2または3であり、さらに好ましくはpは、1であり;Bは、NHC(O)、SまたはCH2であり;qは、0〜6であり、好ましくはqは、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqは、1または2である。【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、神経系のスフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体に結合する、炭水化物リガンドおよび部分のそれぞれ、これらの炭水化物リガンドを含むポリマー、ならびに神経疾患の診断および治療におけるそれらの使用に関する。
発明の背景
様々な神経疾患が、抗グリカン抗体の存在、またはレベル上昇に関連している。抗糖脂質抗体、詳細には抗ガングリオシド抗体は、種々の神経病理状態、例えば多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、ギラン・バレー症候群(GBS)(亜型の急性運動性軸索型ニューロパチー(AMAN)、急性運動感覚性軸索型ニューロパチー(AMSAN)、および急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(AIDP)を含む)、ミラー・フィッシャー症候群(MFS)および多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む自己免疫介在性ニューロパチーにおいて検出されている(K. Kollewe et al., Plos One 2015, 10)。
抗グリカン抗体が神経系に対する免疫介在性の攻撃に関与するという、細胞培養物、組織培養物および動物モデルからのエビデンスがある。抗グリカン抗体は、神経細胞またはミエリン細胞上で関連する抗原を標的とし、神経線維機能の崩壊、伝導不全、軸索変性、および脱髄を引き起こし得る(H. J. Willison and N. Yuki, Brain, 2002, 125, 2591−2625;K. A. Sheikh and G. Zhang, F1000 Biology Reports, 2010, 2, 21)。
補体結合および膜侵襲複合体の形成、例えばナトリウムチャネル遮断を通した、シグナル伝達の崩壊(H. J. Willison and N. Yuki, Brain, 2002, loc. cit)、または脂質ラフトの崩壊およびその中のシグナル伝達経路の妨害(A Ueda et al., Mol Cell Neurosci, 2010, 45(4), 355−62)、を含む抗グリカン抗体の病原性を説明し得る複数のメカニズムが存在する。抗ガングリオシド抗体もまた、血液脳関門の機能障害に関与し、それにより神経変性疾患の進行に寄与する(T. Ariga, J Neurosci Res, 2014, 92, 1227−1242)。興味深いこととして、免疫介在性ニューロパチーに関与する一部の抗グリカン抗体は、単一のグリカンを認識しないが、グリカンの集合体、詳細には糖脂質複合体(パターン認識抗体)を認識する。したがってパターン認識特性を有する抗糖脂質抗体は、過去にどの抗体も同定されなかった免疫介在性ニューロパチーにおいて、近年になり記載されている。そのような抗体は、GBSで、例えばGBSの亜型AIDPにおいて同定されている(H. J. Willison and C. S. Goodyear, Cell, 2013, 34, 453−459)。
抗グリカン抗体の病理学的役割は、急性および慢性型の免疫介在性ニューロパチーにおいて確立されているが、必ずしも明確ではない。この疾患群において、特異的抗糖脂質抗体および特異的臨床血清学的パターンが、特定の臨床表現型に関連している(H. J. Willison and N. Yuki, Brain, 2002, 125, 2591−2625)。抗グリカン抗体は通常、IgM、IgGまたはIgA型の抗体である。
免疫介在性ニューロパチーに関連する炭水化物エピトープは主に、ほとんどがGM1(GM1a)、GM1b、GalNAc−GM1b、フコシル−GM1、GM2、GM3、GD2、GD3、GD1a、GalNAc−GD1a、GD1b、GT1a、GT1b、GT1aα、GQ1b、GQ1bα、LM1、Hex−LM1を伴うガングリオシド型の、糖脂質、さらにスルファチドまたはアシアロ−GM1/アシアロ−GM2、ガラクトセレブロシド、SGPGおよびSGLPG(HNK−1エピトープ)などの非シアリル化糖脂質の群の炭水化物抗原である(H. J. Willison and N. Yuki, Brain, 2002, 125, 2591−2625)。
急性免疫介在性ニューロパチーの群において、GBSは、神経糖鎖エピトープに対する自己抗体をしばしば伴う複数の疾患状態を包含する。GBSのうちの大部分の亜群は、AMAN、AMSANおよびAIDPであり、AMANは、他の亜型と比較して主に運動神経に影響を及ぼす。GBSは、GM1、GD1a、ならびに構造的に類似したGM1bおよびGalNAc−GD1aなどのガングリオシドに対する自己抗体だけでなく、ガングリオシド複合体、例えばGM1およびGD1aに対する自己抗体に関連する。GBSの咽頭−頸部−上腕(PCB)型は、GT1a単独に対する自己抗体、または追加的にGQ1bに対する自己抗体と相関する。GBSの別の臨床的に異なる亜群は、GQ1bおよびGT1aエピトープに対する抗体に主に関連するミラー・フィッシャー症候群である。急性ニューロパチーの群における病原性自己抗体は、大部分がIgGアイソタイプの抗体である(E. Delmont, H. J. Willison, J Neurom Dis., 2015, 2, 107−112)。
急性ニューロパチーと対照的に、慢性免疫介在性ニューロパチーは、ほとんどがIgM自己抗体に関連する。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)は、慢性脱髄性多発ニューロパチーの最も一般的な形態である。CIDPの亜型は、病原性の抗グリカン抗体を伴う(E. Delmont, H. J. Willison, J Neurom Dis., 2015, 2, 107−112)。
慢性炎症性ニューロパチーのうちの他の2つの主要疾患群は、抗MAGニューロパチーおよび多巣性運動ニューロパチー(MMN)である。抗MAGニューロパチーは主に、MAG、SGPG、SGLPG、P0およびPMP22などの複数のミエリン抗原上に存在するHNK−1エピトープに対する自己抗体を伴う。MMN患者はしばしば、ガングリオシドGM1(またはGM1:Ga1C複合体)に対する自己抗体を示す。その他の、より症例数が少ない慢性ニューロパチーとしては、抗スルファチド抗体を有する慢性感覚性軸索型ニューロパチー、GD1aまたはGD1b抗体を有する慢性運動ニューロパチー、ならびにGQ1bおよびGD1bなどのジシアロシルガングリオシドに対する抗体を有するCANOMADが挙げられる(慢性失調性ニューロパチー、眼筋麻痺、M−タンパク質、膠着、ジシアロシル抗体)(E. Nobile−Orazio, Clinical Lymphoma & Myeloma, 2009, 9, 107−109)。
発明の概要
本発明は、神経系のスフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体に結合する、炭水化物リガンドおよび部分のそれぞれ、これらの炭水化物リガンドを含むポリマー、ならびに神経疾患の診断および治療におけるそれらの使用に関する。特に本発明は、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープ、詳細には神経疾患に関連する抗グリカン抗体が結合するセレブロシド、(ネオ)ラクト型、ガングリオ型およびスルホグルクロニルパラグロボシド型のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する、炭水化物リガンドおよび部分のそれぞれに関する。本発明は、抗グリカン抗体に関連する神経疾患の診断における、ならびに処置のための、これらの炭水化物リガンドおよび部分のそれぞれの使用に関する。
第一の態様において、本発明は、炭水化物部分およびリンカーZを含む化合物であって、前記炭水化物部分が、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣するか、またはあるいはそして好ましくは該糖鎖エピトープであり、前記リンカーZが、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここでRが、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;Aが、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rが、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pが、0〜6であり、好ましくはpが、1、2または3であり、さらに好ましくはpが、1であり;Bが、NHC(O)、SまたはCHであり;qが、0〜6であり、好ましくはqが、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqが、1または2であり;前記リンカーZが、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している、化合物を提供する。
第二の態様において、本発明は、式(I)または式(II)の化合物であって、式(I)が、
(式中、RI1は、Zまたは
であり;
I2は、H、SOH、または
であり;
I3は、Hまたは
であり;
I4は、Hまたは
であり;
I5およびRI6は、独立して、Hまたは
であり;
I7は、Hまたは
である)であり;
式(II)が、
(式中、RII1は、Zまたは
であり;
II2は、Zまたは
である)であり;
前記リンカーZが、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここでRが、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;Aが、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rが、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pが、0〜6であり、好ましくはpが、1、2または3であり、さらに好ましくはpが、1であり;Bが、NHC(O)、SまたはCHであり;qが、0〜6であり、好ましくはqが、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqが、1または2であり;前記リンカーZが、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している、化合物を提供する。
さらに本発明は、本発明の化合物に由来する複数の置換基を含む医薬的に許容し得るポリマーであって、該化合物がリンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結がリンカーZのSH−部分を介してもたらされる、医薬的に許容し得るポリマーを提供する。
したがって別の態様において、本発明は、複数の本発明の化合物を含むポリマーであって、該化合物がリンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結がリンカーZのSH−部分を介してもたらされる、ポリマーを提供する。
さらなる態様において、本発明は、(i)複数の式(I)の化合物、(ii)複数の式(II)の化合物、または(iii)複数の式(I)および式(II)の化合物、を含むポリマーであって、前記化合物が前記リンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結が前記リンカーZのSH−基を介して実行される、ポリマーを提供する。好ましくは前記複数の式(I)および/または式(II)の化合物は、式(I)および/もしくは式(II)の化合物と同一の化合物、または式(I)および/もしくは式(II)の化合物から選択される異なる化合物、のいずれかである。
本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、これらを含有する診断キット、ならびに抗グリカン抗体に関連する神経疾患の診断および治療のためのこれらの化合物の使用に関する。
したがって別の態様において、本発明は、前記本発明の化合物を含む、好ましくは式(I)もしくは式(II)の本発明の化合物を含む、または前記本発明を含む、医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、神経疾患を処置する方法において使用するための、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマー、または前記本発明の医薬組成物であって、好ましくは前記神経疾患が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症および免疫介在性ニューロパチーから選択され、好ましくは前記免疫介在性ニューロパチーが、ギラン・バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、ミラー・フィッシャー症候群、ビッカースタッフ脳幹脳炎、多巣性運動ニューロパチーまたは抗MAGニューロパチーから選択され、さらに好ましくは前記免疫介在性ニューロパチーが、ギラン・バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、ミラー・フィッシャー症候群(MFS)、ビッカースタッフ脳幹脳炎または多巣性運動ニューロパチーから選択される、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマー、または前記本発明の医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、好ましくは免疫介在性ニューロパチーである神経疾患の診断の方法において使用するための、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマー、または前記本発明の医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマーを含む診断キットを提供する。
別の態様において、本発明は、好ましくは免疫介在性ニューロパチーである神経疾患の診断のための、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマーの使用を提供する。
別の態様において、本発明は、神経疾患の処置のための医薬を製造するための、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマーの使用であって、好ましくは前記神経疾患が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症および免疫介在性ニューロパチーから選択され、好ましくは前記免疫介在性ニューロパチーが、ギラン・バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、ミラー・フィッシャー症候群、ビッカースタッフ脳幹脳炎、多巣性運動ニューロパチーまたは抗MAGニューロパチーから選択され、さらに好ましくは前記免疫介在性ニューロパチーが、ギラン・バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、ミラー・フィッシャー症候群(MFS)、ビッカースタッフ脳幹脳炎または多巣性運動ニューロパチーから選択される、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマーの使用を提供する。
別の態様において、本発明は、神経疾患の処置の方法であって、好ましくは前記神経疾患が、免疫介在性ニューロパチーであり、前記方法が、前記本発明の化合物、好ましくは式(I)もしくは式(II)の前記本発明の化合物、または前記本発明のポリマーを前記疾患に対して有効な量で、そのような処置を必要とする温血動物、好ましくはヒトへ投与することを含む、方法を提供する。
競合結合アッセイの略図。(a)糖脂質コーティングプレートと、IgG(および/またはIgM)アイソタイプの抗糖脂質抗体を含むニューロパチー患者の血清、および糖鎖ポリマーとのコインキュベーション。この詳細な代表的実施例において、GM1aガングリオシドコーティングプレートを、抗GMa IgG含有血清および糖鎖ポリマー6とコインキュベートする。(b)洗浄ステップ。(c)西洋ワサビペルオキシダーゼにカップリングされた抗ヒトIgG(またはIgM)抗体とのインキュベーション。(d)洗浄ステップ。(e)テトラメチルベンジジン(TMB)基質の添加。(f)酸性停止溶液の添加および光学密度の測定。 化合物6、26、34および86の結合曲線。 GM1a−ガングリオシドコーティングウェルを、化合物6(最高濃度1mM)および患者2名の血清PP IgG Pos.(IgG)、P21(IgG)と共にコインキュベートした。化合物6は、GM1a糖鎖エピトープにカップリングされた既定の割合のリジン残基を有するポリリジンポリマー(平均250の反復リジン単位)である(4)。用いた一般的略語は、以下の通りである:PL(糖鎖エピトープ)、xは糖鎖エピトープの担持(loading)の割合を%で定義している。この場合、ポリマーは、PL(GM1a)28である。結果を、平均値±SDとして示す。 GM1aコーティングウェルとPL(GM1a)28ポリマー6(最高濃度3mM)と患者血清P3(IgM)およびP4(IgM)とのコインキュベーション。結果を、平均値±SDとして示す。 GD1bコーティングウェルとPL(GD1b)20ポリマー26(最高濃度3mM)と患者血清P22(IgG)とのコインキュベーション。結果を、平均±SDとして示す。 GQ1bコーティングウェルとPL(GT1a)58ポリマー34(最高濃度3mM)と患者血清EK−GCO 1803(IgG)、P23(IgG)とのコインキュベーション。結果を、平均値±SDとして示す。 MAGコーティングウェル(MAGは8までのHNK−1糖鎖エピトープを含有)およびPL(HNK−1模倣体(58))40ポリマー86(最高濃度100μM)とマウスモノクローナル抗HNK−1 IgM抗体とのコインキュベーション。結果を、平均値±SDとして示す。 BALB/c野生型マウスを、いずれもHNK−1糖鎖エピトープを担う2種のスフィンゴ糖脂質SGPGおよびSGLPGに対して免疫化した。免疫化マウスは、免疫化(0時間目、処置前)後154日目に高レベルの抗HNK−1(抗MAG)IgM抗体を示した。これらにより誘導されたマウス抗体は、抗MAGニューロパチー患者のヒト抗MAG IgMのモデルである。免疫化BALB/cマウス(n=6)へのPL(HNK−1模倣体(58))40ポリマー86(10mg/kg)の静脈内投与により、投与後1週間(168時間)までに抗HNK−1(抗MAG)IgM抗体は有意に減少した。結果を、平均値±95%CI(上)および平均値±SD(下)として示す。結果を、一元配置分散分析の後に統計学的有意性に関して許容される0.05信頼水準でダネットの多重比較事後検定により解析した(p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001)。
発明の詳細な説明
本発明の化合物、特に式(I)または(II)の本発明の化合物は、神経系のスフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープ、詳細にはセレブロシド型、(ネオ)ラクト型、およびガングリオ型などのスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープに対する抗グリカン抗体を認識する。炭水化物リガンドは、多価で提示するためにポリマー骨格へのカップリングを可能にするリンカーを含有する。カップリングから得られた糖鎖ポリマーは、各グリカンモノマーと比較して、抗炭水化物抗体の分離という点において優れている。該糖鎖ポリマーは、特に神経疾患に関連する抗グリカン抗体を検出する、およびそれに結合する適切な診断または治療薬である。
本発明は、炭水化物部分およびリンカーZを含む化合物であって、前記炭水化物部分が、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣するか、またはあるいはそして好ましくは該糖鎖エピトープであり、前記リンカーZが、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここでRが、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;Aが、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rが、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pが、0〜6であり、好ましくはpが、1、2または3であり、さらに好ましくはpが、1であり;Bが、NHC(O)、SまたはCHであり;qが、0〜6であり、好ましくはqが、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqが、1または2であり;前記リンカーZが、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している、化合物を提供する。
好ましい実施形態において、神経系の前記スフィンゴ糖脂質は、セレブロシド型、(ネオ)ラクト型、ガングリオ型またはスルホグルクロニルパラグロボシド型から選択される。さらに好ましい実施形態において、神経系の前記スフィンゴ糖脂質は、ガングリオシドであり、好ましい前記ガングリオシドは、GM1(GM1a)、GM1b、GalNAc−GM1b、フコシル−GM1、GM2、GM3、GD2、GD3、GD1a、GalNAc−GD1a、GD1b、GT1a、GT1b、GT1aα、GQ1b、GQ1bα、LM1、またはHex−LM1から選択される。
特に、本発明は、式(I)または式(II)の化合物であって、式(I)が、
(式中、RI1は、Zまたは
であり;RI2は、H、SOH、または
であり;
I3は、Hまたは
であり;
I4は、Hまたは
であり;
I5およびRI6は、独立して、Hまたは
であり;
I7は、Hまたは
である)であり;
そして式(II)が、
(式中、RII1は、Zまたは
であり;
II2は、Zまたは
である)であり;
前記リンカーZが、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここでRが、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;Aが、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rが、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pが、0〜6であり、好ましくはpが、1、2または3であり、さらに好ましくはpが、1であり;Bが、NHC(O)、SまたはCHであり;qが、0〜6であり、好ましくはqが、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqが、1または2であり;前記リンカーZが、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している、化合物を提供する。
さらに好ましい実施形態において、前記化合物は、式(I)の化合物である。
本発明の範囲は、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する炭水化物部分を含む。本発明による神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する好ましい化合物は、シアリル酸部分の少なくとも1つが、式(Ia)または式(Ib):
に図示および定義された置換部分によって置換されており、式(Ib)の前記置換部分に関して、RI8が、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、アリール、置換アリールであり、好ましくは前記アリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記アリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−C〜C−アルキル、t−ブチル、アダマンチル、トリアゾリルとの置換であり、それらの全てが独立して、C〜C−アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲンで置換されている、本明細書に定義された式(I)の化合物である。
別の好ましい実施形態において、前記化合物は、以下に示される式4、9、13、17、21、25、29、33、または46〜60
の化合物であり;
前記リンカーZは、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここでRは、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;Aは、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pは、0〜6であり、好ましくはpは、1、2または3であり、さらに好ましくはpは、1であり;Bは、NHC(O)、SまたはCHであり;qは、0〜6であり、好ましくはqは、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqは、1または2であり;前記リンカーZは、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記化合物は、シアリル酸部分の少なくとも1つが、式(Ia)または式(Ib):
に図示および定義された置換部分によって置換されており、式(Ib)の前記置換部分に関して、RI8が、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、アリール、置換アリールであり、好ましくは前記アリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記アリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−C〜C−アルキル、t−ブチル、アダマンチル、トリアゾリルとの置換であり、それらの全てが独立して、C〜C−アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲンで置換されている、式4、9、13、17、21、25、29、33、または46〜60の化合物である。
前記リンカーZの好ましい実施形態は、以下の通りである。したがって一実施形態において、Rは、H、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、CH、OCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)、SまたはCHである。好ましい実施形態において、Rは、CHまたはOCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)またはSである。好ましくは、Bが、Sであり、Aが、(CHCHである場合、qは、1〜5、好ましくは1、2または3である。
さらに好ましい実施形態において、Rは、CHまたはOCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)である。
さらに好ましい実施形態において、Rは、CHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)またはSである。好ましくは、Bが、Sであり、Aが、(CHCHである場合、qは、1〜5、好ましくは1、2または3である。
さらに好ましい実施形態において、Rは、CHまたはOCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)またはSであり;qは、1〜5、好ましくは1、2または3、好ましくは2である。
さらに好ましい実施形態において、前記リンカーZは、式(a)〜(g):
(式中、pは、0〜6の間、好ましくは1〜3、特に1であり、qは、0〜6の間、好ましくは1〜4の間、特に1または2である)のいずれか1つから選択される式のリンカーである。一実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、独立して1〜6、好ましくは1、2または3であり;pが、2である場合、qは、1〜6、好ましくは1または3〜6であり;qが、2である場合、pは、3〜6である。別の実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、両者とも2でない。
前記さらに好ましい実施形態において、そして本発明の一般式に照らして、前記リンカーZは、式(a)〜(g):
(式中、pは、0〜6の間、好ましくは1〜3、特に1であり;qは、0〜6の間、好ましくは1〜4の間、特に1または2である)のいずれか1つから選択される式のリンカーである。一実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、独立して1〜6、好ましくは1、2または3であり;pが、2である場合、qは、1〜6、好ましくは1または3〜6であり;qが、2である場合、pは、3〜6である。別の実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、両者とも2でない。
非常に好ましい実施形態において、前記リンカーZは、−N(CH)−O(CH−NHC(O)−(CH−SHである。
さらに好ましい実施形態において、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣するか、またはあるいはそして好ましくは該糖鎖エピトープである、前記炭水化物部分は、式(I)の化合物で構成される炭水化物部分であり、前記糖鎖エピトープは、セレブロシド型、(ネオ)ラクト型、またはガングリオ型の糖鎖エピトープ、さらに好ましくはガングリオシドの糖鎖エピトープである。
さらに好ましい実施形態において、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する、またはあるいはそして好ましくは該糖鎖エピトープである前記炭水化物部分は、式(II)の化合物で構成される炭水化物部分であり、前記糖鎖エピトープは、スルホグルクロニルパラグロボシドの糖鎖エピトープであり、これによって特に抗原性HNK−1炭水化物エピトープなどの糖鎖エピトープである。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記化合物は、式4、9、13、17、21、25、29、33、37、41、44、56、58または77の化合物である。該式を、実施例に示す。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記化合物は、式4、21、25、33、37、41または44の化合物である。該式を、実施例に示す。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記化合物は、シアリル酸部分の少なくとも1つが、式(Ia)または式(Ib):
に図示および定義された置換部分によって置換されており、式(Ib)の前記置換部分に関して、RI8が、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、アリール、置換アリールであり、好ましくは前記アリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記アリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−C〜C−アルキル、t−ブチル、アダマンチル、トリアゾリルとの置換であり、それらの全てが独立して、C〜C−アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲンで置換されている、式4、9、13、17、21、25、29、33、37、41、44、56、58または77の化合物である。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記化合物は、シアリル酸部分の少なくとも1つが、式(Ia)または式(Ib):
に図示および定義された置換部分によって置換されており、式(Ib)の前記置換部分に関して、RI8が、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、アリール、置換アリールであり、好ましくは前記アリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記アリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルとの置換であり、好ましくは前記ヘテロアリールアルキルの前記置換が、ハロゲン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−C〜C−アルキル、t−ブチル、アダマンチル、トリアゾリルとの置換であり、それらの全てが独立して、C〜C−アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲンで置換されている、式4、21、25、33、37、41または44の化合物である。
さらに本発明は、本発明の化合物に由来する複数の置換基を含む医薬的に許容し得るポリマーであって、該化合物がリンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結がリンカーZのSH−部分を介してもたらされる、医薬的に許容し得るポリマーに関する。典型的には前記本発明のポリマーは、ポリマー骨格上の反応性部分へのリンカーZの前記SH−部分のカップリングのためのスペーサ部分をさらに含む。そのようなスペーサ部分は、当業者に公知であり、好ましい実施例を、本明細書に記載する。
したがって別の態様において、本発明は、複数の本発明の化合物を含むポリマーであって、該化合物がリンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結がリンカーZのSH−部分を介してもたらされる、ポリマーを提供する。典型的には前記本発明のポリマーは、ポリマー骨格上の反応性部分へのリンカーZの前記SH−部分のカップリングのためのスペーサ部分をさらに含む。好ましい実施例を、本明細書に記載する。
さらなる態様において、本発明は、(i)複数の式(I)の化合物、(ii)複数の式(II)の化合物、または(iii)複数の式(I)および式(II)の化合物を含むポリマーであって、前記化合物が、前記リンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結が、前記リンカーZのSH−基を介してもたらされる、ポリマーを提供する。好ましくは前記複数の式(I)および/または式(II)の化合物は、式(I)および/もしくは式(II)の化合物と同一の化合物、または式(I)および/もしくは式(II)の化合物から選択される異なる化合物のいずれかである。典型的には前記本発明のポリマーは、ポリマー骨格上の反応性部分へのリンカーZの前記SH−部分のカップリングのためのスペーサ部分をさらに含む。好ましい実施例を、本明細書に記載する。
さらに好ましい実施形態において、前記ポリマーは、(i)複数の式(I)の化合物、(ii)複数の式(II)の化合物、または(iii)複数の式(I)および式(II)の化合物を含み、前記化合物は、前記リンカーZによってポリマー骨格に連結されており、該連結は、前記リンカーZのSH−基を介してもたらされ、前記リンカーZは、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここでRは、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;Aは、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pは、0〜6であり、好ましくはpは、1、2または3であり、さらに好ましくはpは、1であり;Bは、NHC(O)、SまたはCHであり;qは、0〜6であり、好ましくはqは、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqは、1または2であり;前記リンカーZは、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している。好ましくは前記複数の式(I)および/または式(II)の化合物は、式(I)および/もしくは式(II)の化合物と同一の化合物、または式(I)および/もしくは式(II)の化合物から選択される異なる化合物のいずれかである。典型的には前記本発明のポリマーは、ポリマー骨格上の反応性部分へのリンカーZの前記SH−部分のカップリングのためのスペーサ部分をさらに含む。好ましい実施例を、本明細書に記載する。
前記リンカーZの好ましい実施形態は、以下の通りである。したがって一実施形態において、Rは、H、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、CH、OCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCH たはO(CHであり;Bは、NHC(O)、SまたはCHである。好ましい実施形態において、Rは、CHまたはOCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)またはSである。好ましくは、Bが、Sであり、Aが、(CHCHである場合、qは、1〜6、好ましくは1、2または3である。
前記本発明のポリマーで構成される前記リンカーのさらに好ましい実施形態において、Rは、CHまたはOCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)である。前記本発明のポリマーで構成される前記リンカーの別の好ましい実施形態において、Rは、CHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)またはSである。好ましくはBが、Sであり、Aが、(CHCHである場合、qは、1〜6、好ましくは1、2または3である。前記本発明のポリマーで構成される前記リンカーのさらに好ましい実施形態において、Rは、CHまたはOCHであり;Aは、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;Bは、NHC(O)またはSであり;qは、1〜6、好ましくは1、2、3、4または5、好ましくは2または4、さらに好ましくは2である。
好ましい実施形態において、前記リンカーZは、式(a)〜(g):
(式中、pは、0〜6の間、好ましくは1〜3、特に1であり、qは、0〜6の間、好ましくは1〜4の間、特に1または2である)のいずれか1つから選択される式のリンカーである。一実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、独立して1〜6、好ましくは1、2または3であり;pが、2である場合、qは、1〜6、好ましくは1または3〜6であり;qが、2である場合、pは、3〜6である。別の実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、両者とも2でない。
好ましくは、そして本発明の一般式に照らして、前記リンカーZは、式(a)〜(g):
(式中、pは、0〜6の間、好ましくは1〜3、特に1であり、qは、0〜6の間、好ましくは2〜4の間、特に2である)のいずれか1つから選択される式のリンカーである。一実施形態において、前記リンカーZが、式(e)リンカーである場合、pおよびqは、独立して2〜6、好ましくは2、3または4であり;pが、2である場合、qは、1〜6、好ましくは1または3〜6であり、qが、2である場合、pは、3〜6である。別の実施形態において、前記リンカーZが、式(e)のリンカーである場合、pおよびqは、両者とも2でない。
非常に好ましい実施形態において、前記リンカーZは、−N(CH)−O(CH−NHC(O)−(CH−SHである。
本発明は、さらに詳細には、式(I)および(III)の化合物、ならびに式(I)もしくは(II)の1つの同一化合物の複数または式(I)もしくは(II)の複数の異なる化合物の組み合わせを担持させたポリマーなど、これらの化合物の複数を含む医薬的に許容し得るポリマーに関する。前記文脈における好ましいポリマーは、式(I)または(II)の化合物の1つまたは複数を担持させたポリマーであり、式(I)または(II)の前記化合物は、好ましくは4、9、13、17、21、25、29または33、および46〜60から選択される。
前記リンカーZのSH−基が前記化合物をポリマー骨格に連結する、式(I)および/または式(II)の同一または異なる化合物の複数を含む本発明のポリマーは、好ましくはα−アミノ酸ポリマーであり、本明細書では典型的には、そして好ましくはホモマーもしくはヘテロマーα−アミノ酸ポリマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸ポリマーもしくはコポリマー、またはN−ビニル−2−ピロリドン−ビニルアルコールコポリマー、キトサンポリマー、またはポリホスファゼンポリマーである。
好ましい実施形態において、該ポリマー骨格は、α−アミノ酸ポリマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸ポリマーもしくはコポリマー、またはN−ビニル−2−ピロリドン−ビニルアルコールコポリマー、キトサンポリマー、またはポリホスファゼンポリマーである。
別の好ましい実施形態において、該ポリマー骨格は、α−アミノ酸ポリマーである。
別の好ましい実施形態において、該ポリマー骨格は、α−アミノ酸ポリマーであり、前記α−アミノ酸ポリマーの前記α−アミノ酸は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはセリンである。
非常に好ましい実施形態において、該ポリマー骨格は、ポリリジンであり、好ましくは前記ポリリジンの分子量は、1,000Da〜300,000Daである。
さらに好ましい実施形態において、ポリマー骨格上への前記化合物の炭水化物部分の担持の割合は、10〜90%の間、好ましくは20〜70%の間、特に30〜60%の間である。後者は、反応性ポリマー側鎖、そして適宜、スペーサ部分の30〜60%が、前記リンカーZの−SH基と反応することを意味する。ポリマー骨格上への前記化合物の炭水化物部分の担持の割合は、典型的にそして好ましくはNMR分光法により決定され、%モル/モルで表される。
本発明のポリマーのさらに詳細な実施例は、
(A)アミノ酸が、ポリリジン、特にポリ−L−リジンまたはポリ−D−リジンなどのように側鎖アミノアルキル官能基を含み、アミノ基が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、ポリ−α−アミノ酸。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している。好ましいスペーサ部分は、アセチル基である;
(B)アミノ酸が、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン、またはポリグルタミンなどのように側鎖カルボニルアルキル官能基を含み、カルボニル基(それぞれアスパラギン酸およびグルタミン酸中の本来のカルボキシ基に対応する)が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、ポリ−α−アミノ酸(D−およびL−型)。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している;
(C)アミノ酸が、ポリセリン、ポリトレオニン、ポリチロシン、またはポリヒドロキシプロリンなどのように側鎖ヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアリール官能基を含み、ヒドロキシ基が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、ポリ−α−アミノ酸(D−およびL−型)。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している;
(D)アミノ酸が、ポリシステインなどのように側鎖チオアルキル官能基を含み、アミノ酸側鎖の末端CH基(チオールの次)が、典型的にそして好ましくはチオエーテルとして、リンカーZの末端SH基に連結している、ポリ−α−アミノ酸;
(E)(A)〜(D)に記載される通り、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結された2種以上の異なるα−アミノ酸のコポリマー;
(F)カルボキシ基が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはアクリル酸とメタクリル酸のコポリマー。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している;
(G)コポリマーのビニルアルコール部分のヒドロキシ基が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、N−ビニル−2−ピロリドンとビニルアルコールのコポリマー。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している;
(H)アミノ基が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、キトサン。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している;
(I)末端エステル基が、スペーサ部分を介して前記リンカーZのSH−基に連結している、ポリホスファゼンポリマー。典型的なそして好ましいスペーサ部分は、末端CH基を含み、前記スペーサ部分の前記末端CH基は、前記リンカーZのS−に連結している。好ましいスペーサ部分は、アセチル基である。
特定の実施形態において、ポリマー(A)は、部分式(III)
(式中、
は、前記リンカーZのSH−基が、スペーサ部分を介してRの末端アミノ基に連結しており、典型的にそして好ましくは、前記スペーサ部分が、アセチル基である、前記リンカーZに連結されたアミノアルキル置換基であり;
は、可溶性置換基を有するキャップされたアミノ官能基である、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチルアミノアルキルであり;
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたアミノ官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えばRは、式(IIIa)
のRであり、Rは、式(IIIb)
のR2であり、式中、oは、1〜6の間、好ましくは3または4であり、mは、1〜6の間、好ましくは1〜2の間、特に1である。
oが、3である場合、置換基Rは、ポリオルニチンの側鎖を表し、oが、4である場合、置換基Rは、ポリリジンの側鎖を表し、これらの側鎖は、本発明の化合物、好ましくは式(I)または(II)の本発明の化合物で構成される前記リンカーZの前記SH−基に連結されている。
ポリアミノ酸は、以下の通りポリリジンに関してZ. Kadlecova et al., Biomacromolecules 2012, 13:3127−3137に記載される直鎖状、高分岐、または樹状であり得る。
式(III)のポリマー(A)を調製するのに用いられるポリリジンは、好ましくは1,000〜300,000Daの間、特に30,000〜70,000Daの分子量を有し、リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチリルアミノアルキル残基を有するポリマーが、好ましい。例えば該ポリリジンポリマーを最初に、クロロアセチル化によって官能基化する。末端チオール官能基を含む前記リンカーZとクロロアセチル化ポリマーとの求核置換反応により、所望のポリマーに近づくことができる。
特定の実施形態において、ポリマー(B)は、部分式(III)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたカルボニルアルキル置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、Rの−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオカルボニルアルキルであり、
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたカルボニルまたはカルボキシ官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、Rは、式(IIIc)
のRであり、Rは、式(IIId)
のR2であり、式中、Xは、酸素または窒素のいずれかであり、oは、1〜6の間、好ましくは1または2であり、mは、1〜6の間、好ましくは1〜2の間、特に1である。
oが、1であり、Xが、Oである場合、置換基Rは、ポリアスパラギン酸の側鎖を表し、oが、2であり、Xが、Oである場合、置換基Rは、ポリグルタミン酸の側鎖を表し、oが、1であり、Xが、Nである場合、置換基Rは、ポリアスパラギンの側鎖を表し、oが、2であり、Xが、Nである場合、置換基Rは、ポリグルタミンの側鎖を表し、これらの側鎖は、本発明の化合物、好ましくは式(I)または(II)の本発明の化合物で構成される前記リンカーZの前記SH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロプロピルチオカルボニルアルキル、即ち、可溶性置換基を有するキャップされたカルボキシまたはアミド官能基である。
式(IV)のポリマー(B)を調製するのに用いられるポリアスパラギン酸は、好ましくは1,000〜300,000Daの間、特に30,000〜70,000Daの分子量を有し、リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオカルボニルアルキル残基を有するポリマーが、好ましい。例えばポリアスパラギン酸を最初に、エステル化によって官能基化する。末端チオール官能基を含む前記リンカーZとクロロアセチル化ポリマーとの求核置換反応により、所望のポリマーに近づくことができる。
ポリアスパラギン酸またはポリグルタミン酸の場合、該ポリマーは、直鎖状、高分岐、または樹状であり得る。
特定の実施形態において、ポリマー(C)は、部分式(III)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアリール置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、Rの−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチル−ヒドロキシアルキル(または−ヒドロキシアリール)であり、
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたヒドロキシ官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、ポリセリンおよび類似体の場合、Rは、式(IIIe)
のRであり、Rは、式(IIIf)
のR2であり、式中、oは、1〜6の間、好ましくは1または2、特に1であり、mは、1〜6の間、好ましくは1〜2の間、特に1である。
oが、1である場合、置換基Rは、本発明の化合物、好ましくは式(I)または(II)の本発明の化合物で構成される前記リンカーZの前記SH−基に連結されたポリセリンの側鎖を表し、、Rは、2,3−ジヒドロキシプロピルチオヒドロキシアルキル、即ち、可溶性置換基を有するキャップされたヒドロキシ官能基である。
式(III)のポリマー(C)を調製するのに用いられるポリセリン(および他のヒドロキシ官能基化α−アミノ酸側鎖)は、好ましくは1,000〜300,000Daの間、特に30,000〜70,000Daの分子量を有し、前記リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオヒドロキシアルキル残基を有するポリマーが、好ましい。例えばポリセリンを最初に、エステル化によって官能基化する。末端チオール官能基を含む前記リンカーZとクロロアセチル化されたポリマーとの求核置換反応により、所望のポリマーに近づくことができる。
特定の実施形態において、ポリマー(D)は、部分式(IV)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたチオアルキル置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、Rの−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアルキルであり、
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたチオール官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、Rは、式(IIIg)
のRであり、Rは、式(IIIh)
のR2であり、式中、oは、1〜6の間、好ましくは1または2、特に1である。
oが、1である場合、置換基Rは、本発明の化合物、好ましくは式(I)または(II)の本発明の化合物で構成される前記リンカーZの前記SH−基に連結されたポリシステインの側鎖を表し、、これによってRの−CH−基に連結され、Rは、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアルキル、即ち、可溶性置換基を有するキャップされたチオール官能基である。
式(III)のポリマー(D)を調製するのに用いられるポリシステインは、好ましくは1,000〜300,000Daの間、特に30,000〜70,000Daの分子量を有し、前記リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオチオアルキル残基を有するポリマーが、好ましい。例えばポリシステインポリマーは、末端アルケン基を含む化合物とラジカル反応により反応する。
特定の実施形態において、ポリマー(F)は、部分式(IV)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたアミノアルキル置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、Rの−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチルアミノアルキルアミノまたは関連のアミノ置換基であり、
は、水素またはメチルであり、
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたアミド官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、Rは、式(IVa)
のR1であり、Rは、式(IVb)のR2であり、Rは、式(IVc)
のR3である。
別の実施形態において、Rは、式(IVd)
のR1であり、Rは、式(IVe)
のR2であり、式中、mは、1〜10、好ましくは1〜4の間である。
別の実施形態において、Rは、式(IVf)
のR1であり、式中、rは、1〜6、好ましくは1〜4の間、特に2である)で示され、Rは、式(IVc)(上記)のR2である。
式(IV)のポリマー(F)を調製するのに用いられるポリアクリル酸は、好ましくは1,000〜400,000Daの間、特に30,000〜160,000Daの分子量を有し、前記リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチルアミノアルキルアミノ残基を有するポリマーが、好ましい。
特定の実施形態において、ポリマー(G)は、部分式(V)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたアミノアルキル置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、R(Va)の−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチルアミノアルキルアミノカルボニルまたは関連のアミノカルボニル置換基であり、 ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたヒドロキシ官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、Rは、式(Va)
のR1であり、Rは、式(Vb)
のR2である。
別の実施形態において、Rは、式(Vc)

のR1であり、Rは、式(Vd)
のR2であり、式中、mは、1〜10、好ましくは1〜4の間である。
別の実施形態において、Rは、式(Ve)
のR1であり、Rは、式(Vf)
のR2であり、式中、rは、1〜6、好ましくは1〜4の間、特に2である。
式(VI)のポリマー(G)を調製するのに用いられるコポリマーは、好ましくは1,000〜400,000Daの間、特に30,000〜160,000Daの分子量を有し、前記リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオカルボニルアミノアルキルアミノカルボニル残基を有するポリマーが、好ましい。
特定の実施形態において、ポリマー(H)は、部分式(VI)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたアミノアルキル置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、Rの−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチルアミンであり、
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたアミノ官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、Rは、式(VIa)
のR1であり、Rは、式(VIb)
のR2であり、式中、oは、1〜6の間、好ましくは3または4であり、mは、1〜6、好ましくは1〜2の間、特に1である。
式(VI)のポリマー(H)を調製するのに用いられるキトサンは、好ましくは1,000〜300,000Daの間、特に30,000〜70,000Daの分子量を有し、前記リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物に連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオアセチルアミン残基を有するポリマーが、好ましい。例えばキトサンを最初に、アミノ基のクロロアセチル化により官能基化する。末端チオール官能基を含む前記リンカーZとクロロアセチル化ポリマーとの求核置換反応により、所望のポリマーに近づくことができる。
特定の実施形態において、ポリマー(I)は、部分式(VII)
(式中、
は、前記リンカーZに連結されたカルボニルアルキルまたはカルボニルアリール置換基であり、前記リンカーZのSH−基は、Rの−CH−基に連結されており、
は、2,3−ジヒドロキシプロピルチオカルボニルアルキルまたはカルボニルアリールであり、
ポリマー内の、それぞれRおよびRを有する2つの括弧内の式の間の関係は、キャップされたカルボキシ官能基に対する炭水化物担持の関係を示す)
を含む。
例えば、Rは、式(VIIa)
のR1であり、Rは、式(VIIb)
のR2であり、式中、mは、1〜6、好ましくは1〜2の間、特に1である。
式(VII)のポリマー(I)を調製するのに用いられるポリホスファゼンは、好ましくは1,000〜300,000Daの間、特に30,000〜70,000Daの分子量を有し、前記リンカーZのSH−基を介して式(I)および/または(II)の化合物にさらに連結されていてキャッピング2,3−ジヒドロキシプロピルチオカルボニルアルキルまたはカルボニルアリール残基を有するポリマーが、好ましい。例えばポリホスファゼンを最初に、エステル化により官能基化する。末端チオール官能基を含む前記リンカーZとクロロアセチル化ポリマーとの求核置換反応により、所望のポリマーに近づくことができる。
ポリマー(A)〜(I)の群のうち、好ましいポリマーは、α−アミノ酸ポリマー(D−およびL−型)または異なるα−アミノ酸(A)〜(D)の組み合わせ(コポリマー)である。より好ましいのは、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸からなるα−アミノ酸ポリマーである。これらのα−アミノ酸ポリマーのうちで特に好ましいのは、ポリ−L−リジンである。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記ポリマーは、実験の節で示される式6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、45、78、86、89、93、100または102のポリマーであり、前記ポリマーのそれぞれについて、nは、独立して20〜1200、好ましくは100〜1100、さらに好ましくは200〜500であり、前記ポリマーのそれぞれについて、xは、独立して10〜90、好ましくは30〜60、さらに好ましくは40〜50である。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記ポリマーは、実験の節で示される式6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、45、78、86、89、93、100または102のポリマーであり、前記ポリマーのそれぞれについて、nは、独立して100〜1100、好ましくは200〜500であり、前記ポリマーのそれぞれについて、xは、独立して30〜60、さらに好ましくは40〜50である。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記ポリマーは、実験の節で示される式6、22、26、34、38、42、45のポリマーであり、前記ポリマーのそれぞれについて、nは、独立して20〜120、好ましくは100〜1100、さらに好ましくは200〜500であり、前記ポリマーのそれぞれについて、xは、独立して10〜90、好ましくは30〜60、さらに好ましくは40〜50である。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記ポリマーは、実験の節で示される式6、22、26、34、38、42、45のポリマーであり、前記ポリマーのそれぞれについて、nは、独立して100〜1100、好ましくは200〜500であり、前記ポリマーのそれぞれについて、xは、独立して30〜60、さらに好ましくは40〜50である。
本明細書に既出のおよび後述で用いられる一般的用語は、好ましくは他に断りがなければ、本開示の文脈において以下の意味を有する。
化合物などに関して複数形が用いられる場合、これは、単一化合物なども意味すると解釈される。
本明細書で用いられる用語「糖鎖エピトープ」は、抗体により、またはレクチン様グリカン結合タンパク質により認識される炭水化物部分を指す。好ましくは本明細書で用いられる用語「糖鎖エピトープ」は、神経系において発現されるスフィンゴ糖脂質で構成される炭水化物部分を指す。スフィンゴ糖脂質は、当業者に公知であり、スフィンゴシンの含有量により定義される糖脂質のサブセットであり、神経系に特に関連する。スフィンゴ糖脂質のサブタイプは、セレブロシド(脂質部分に結合した単一の炭水化物)、(ネオ)ラクト型、ガングリオ型、またはスルホグルクロニルパラグロボシド型(脂質部分に結合したシアリル化または非シアリル化オリゴ糖)である。好ましくは本明細書で用いられる用語「糖鎖エピトープ」は、抗体により、またはレクチン様グリカン結合タンパク質により認識され、前記糖鎖エピトープが神経系において発現されるスフィンゴ糖脂質で構成され、前記スフィンゴ糖脂質がセレブロシド、(ネオ)ラクトシド、ガングリオシド、スルホグルクロニルパラグロボシドまたは式Iもしくは式IIの化合物で構成される炭水化物部分から選択される、炭水化物部分を指す。
したがって好ましい実施形態において、神経系の前記スフィンゴ糖脂質で構成される前記糖鎖エピトープは、セレブロシド型、(ネオ)ラクト型、ガングリオ型、もしくはスルホグルクロニルパラグロボシド型、または式(I)もしくは式(II)の化合物で構成される炭水化物部分から選択される。
さらに好ましい実施形態において、神経系の前記スフィンゴ糖脂質で構成される前記糖鎖エピトープは、セレブロシド型、(ネオ)ラクト型、またはガングリオシド型から選択される。別の好ましい実施形態において、神経系の前記スフィンゴ糖脂質で構成される前記糖鎖エピトープは、式(I)の化合物で構成される炭水化物部分から選択される。別の好ましい実施形態において、神経系の前記スフィンゴ糖脂質で構成される前記糖鎖エピトープは、式(II)の化合物で構成される炭水化物部分から選択される。
本発明の糖鎖エピトープ、および特定の本発明の化合物の文脈において本明細書で用いられる用語「還元末端」は、グリコシド結合に関与せず、ヘミアセタール基を担う、遊離のアノマー炭素を有する糖鎖エピトープの末端単糖を指す。
本明細書で用いられる用語「C〜C−アルキル」は、炭素原子1〜4個の直鎖または分枝鎖を指し、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどのブチル、n−プロピルもしくはイソプロピルなどのプロピル、エチルまたはメチルが挙げられる。好ましくは用語「C〜C−アルキル」は、メチルまたはエチル、n−プロピルまたはイソプロピルを指す。さらに好ましくは用語「C〜C−アルキル」は、メチルを指す。相応に、本明細書で用いられる用語「C〜C−アルキル」は、炭素原子1〜8個の直鎖または分枝鎖を指す。本明細書で用いられる用語「C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル」は、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHとして定義されるリンカーZを指す場合、および前記リンカー内のAを指す場合、説明および本明細書内の実施例から明らかな通り、nが1〜4である(requal)−(CH−(OCHCHO−(CH−などの基を含む二価「C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル」基を指すであろう。
本明細書で用いられる用語「C〜C−アルキレン」は、直鎖または分枝鎖二価アルキル鎖、好ましくは炭素原子1〜7個の直鎖または分枝鎖二価アルキル鎖を指し、例えば−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−CH−CH−CH−、−CH(CH)−CH−、または−CH(CHCH)−が挙げられる。
本明細書で用いられる用語「C〜C−アルコキシ」は、炭素原子1〜7個の直鎖または分枝鎖のアルコキシを指す。本明細書で用いられる用語「C〜C−アルコキシ」は、炭素原子1〜4個の直鎖または分枝鎖のアルコキシを指し、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシが挙げられる。好ましくは本明細書で用いられる用語「C〜C−アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシを指す。さらに好ましくは本明細書で用いられる用語「C〜C−アルコキシ」は、メトキシを指す。本明細書で用いられる用語「C〜C−アルコキシ」は、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHとして定義されるリンカーZを指す場合、そして前記リンカーZ内のAを指す場合、説明および本明細書内の実施例から明白な通り、nが1〜7の−(CHO−または−O(CH−などの基を含む二価C〜C−アルコキシ基、典型的にそして非常に好ましくはリンカーZのN(R)と共に好ましい結合N(R)−O(CH−を形成する−O(CH−などの基を指すであろう。
本明細書で用いられる用語「C〜C−アルケニル」は、1つまたは複数、例えば2つまたは3つの二重結合を含む直鎖または分枝鎖を指し、好ましくは1−もしくは2−ブテニル、1−プロペニル、アリルまたはビニルなどのC〜C−アルケニルである。
基本的に二重結合は、E−またはZ−型を有し得る。それゆえ本発明の化合物は、異性体混合物または単一の異性体として存在し得る。明記されない限り、両方の異性体型が、意図される。
本明細書で用いられる用語「C〜C−アルキニル」は、1つまたは複数、好ましくは1つの三重結合を含む直鎖または分枝鎖を指す。好ましいのは、プロパルギルまたはアセチレニルなどのC〜C−アルキニルである。
任意の非対称炭素原子は、(R)−、(S)−または(R,S)−型で、好ましくは(R)−または(S)−型で存在し得る。したがって該化合物は、異性体混合物として、または純粋な異性体として、好ましくは鏡像異性体−純粋なジアステレオマーとして存在し得る。
本明細書で用いられる用語「アリール」は、フェニル、1−ナフチルもしくは2−ナフチルなどの置換基を任意選択で有する炭素原子5〜10個の単環式もしくは二環式縮合環式芳香族基、または任意選択で置換された、インダニル、インドリニル、ジヒドロもしくはテトラヒドロナフチルなどのフェニル基を含む部分飽和二環式縮合環も指す。好ましくはアリールは、フェニル、インダニル、インドリニルまたはテトラヒドロナフチル、特にフェニルである。
本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは3個までのヘテロ原子を、環員として含む芳香族単環式または二環式環系を指す。ヘテロアリール環は、環内に隣接する酸素原子、隣接する硫黄原子、または隣接する酸素および硫黄原子を含まない。単環式ヘテロアリールは、好ましくは5または6員ヘテロアリール基を指し、二環式ヘテロアリールは、好ましくは9または10員縮合環ヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールの例としては、全て任意選択で置換された、ピロリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、およびそのような単環式ヘテロアリール基のベンゾまたはピリダゾ縮合誘導体、例えばインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ピロロピリジン、イミダゾピリジン、またはプリニルが挙げられる。
好ましくは用語「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは3個までのヘテロ原子を、環員として含む5または6員芳香族単環式環系を指す。好ましくはヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ピロロピリジンまたはイミダゾピリジン、特にピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ピロロピリジンまたはイミダゾピリジンである。
本明細書で用いられる用語「任意選択で置換されたアリール」は、4つまでの置換基、好ましくは2つまでの置換基により置換されたアリールを指す。任意選択で置換されたアリール、好ましくは任意選択で置換されたフェニルにおいて、置換基は、好ましくはそして独立して、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、アミノ−C〜C−アルキル、アシルアミノ−C〜C−アルキル、アリール−C〜C−アルキルヒドロキシ、カルボキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、テトラゾリル、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、ハロ、またはニトロ、特にC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、アミノ−C〜C−アルキル、アシルアミノ−C〜C−アルキル、カルボキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、テトラゾリル、またはアミノスルホニルから選択される。
本明細書で用いられる用語「任意選択で置換されたヘテロアリール」は、3つまでの置換基、好ましくは2つまでの置換基により置換されたヘテロアリールを指す。任意選択で置換されたヘテロアリールにおいて、置換基は、好ましくはそして独立して、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、アミノスルホニル、ハロ、アリール−C〜C−アルキルまたはニトロから選択される。
シクロアルキルは、好ましくは3〜7個の環炭素原子を有し、非置換であるか、または例えばC〜C−アルキルもしくはC〜C−アルコキシによって、置換され得る。シクロアルキルは、例えばそして好ましくは、シクロヘキシル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、またはシクロプロピル、特にシクリプロピルである。
アシルは、例えばアルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリール−C〜C−アルキルカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを示す。C〜C−アシルは、好ましくは低級アルキルカルボニル、特にプロピオニルまたはアセチルである。Acは、アセチルを表す。
ヒドロキシアルキルは、特にヒドロキシ−C〜C−アルキル、好ましくはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルまたは2−ヒドロキシ−2−プロピルである。
ハロアルキルは、好ましくはフルオロアルキル、特にトリフルオロメチル、3,3,3−トリフルオロエチルまたはペンタフルオロエチルである。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
アリールアルキルとしては、本明細書において既に定義されたアリールおよびアルキルが挙げられ、それは例えばベンジル、1−フェネチルまたは2−フェネチルである。
ヘテロアリールアルキルとしては、本明細書において既に定義されたヘテロアリールおよびアルキルが挙げられ、それは、例えば2−、3−もしくは4−ピリジルメチル、1−もしくは2−ピロリルメチル、1−ピラゾリルメチル、1−イミダゾリルメチル、2−(1−イミダゾリル)エチルまたは3−(1−イミダゾリル)プロピルである。
置換されたアミノにおいて、置換基は、好ましくは本明細書において既に置換基として列挙された置換基である。特に置換アミノは、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、任意選択で置換されたアリールアミノ、任意選択で置換されたアリールアルキルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、または任意選択で置換されたアミノカルボニルアミノである。
考慮される特定の塩は、水素原子を硫酸基およびカルボン酸官能基と置換する塩である。適切なカチオンは、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムもしくはアンモニウムカチオン、または例えばC〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルもしくはヒドロキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基、例えば2−ヒドロキシエチルアンモニウム、2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチル−ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム、もしくはジ(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムを含む第一級、第二級もしくは第三級アミンから、そして対応する置換された環状第二級および第三級アミン、例えばN−メチルピロリジニウム、N−メチルピペリジニウム、N−メチルモルホリニウム、N−2−ヒドロキシエチルピロリジニウム、N−2−ヒドロキシエチルピペリジニウムもしくはN−2−ヒドロキシエチルモルホリニウムなどからのプロトン化により誘導されたカチオンである。
遊離型の新規化合物と、例えば新規化合物の精製および同定において中間体として用いられ得る塩を含む塩型の新規化合物との密接な関連性を考慮して、本明細書に既出のまたは後述の遊離化合物に対する任意の言及は、対応する塩も言及すると理解すべきであり、必要に応じて便宜上、その逆もまた同様である。
式(I)または式(II)の化合物の複数を含む本発明のポリマーの好ましいポリマー骨格は、ポリリジン、特にポリ−L−リジンである。
好ましくはポリリジンの分子量は、1,000〜300,00kD、好ましくは10,000〜200,00kDである。特に好ましいのは、およそ50,000kD、85,000kD、125,000kD、または200,000kDの分子量である。最も好ましいのは、およそ50,000kDの分子量である。
特に本発明は、ポリマー骨格の、式(I)および/または(II)の前記化合物の炭水化物部分の相対的担持量が10〜90%であるポリマーに関し、このことは、ポリマー内の全てのリジン側鎖の10〜90%が、本発明の化合物、好ましくは式(I)および/または(II)の本発明の化合物で構成される前記リンカーZの前記SH−基に連結されており、、残りのアミノ酸官能基がキャップされていることを意味する。好ましくはポリマーの担持量は、20〜70%、より好ましくは30〜60%である。前記文脈においてさらに好ましいポリマーは、式(I)または(II)の化合物の1つまたは複数を担持させたポリマーであり、式(I)または(II)の前記化合物は、4、9、13、17、21、25、29または33、および46〜60から選択される。
炭水化物部分とリンカーZとを含む本発明の化合物を含み、前記炭水化物部分が神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する、本発明のポリマーは、その還元末端で炭水化物部分の完全性を失うことなく、ガングリオシド糖鎖エピトープなどの前記炭水化物部分の、生分解性ポリ−L−リジンおよび他の官能基化生分解性ポリマーへの直接のカップリングを可能にする。炭水化物部分に含まれる還元末端を有する単糖が抗体または他の標的に対する結合親和性にも寄与し得ることから、このことは特に重要であり、そのためこの炭水化物環をインタクトのままにする化学的結合方法が好ましい。したがって、生分解性ポリマー骨格に基づく、得られた本発明の化学的に定義されたグリココンジュゲート/糖鎖ポリマーは、治療的および診断的のいずれかの臨床の状況で、病原性抗グリカン抗体を検出または中和するために用いることができる。その上、好ましくはポリ−L−リジン上の、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣する炭水化物部分が多価で提示されることは、結合パートナーに対する結合親和性を実質的に増強し得る。
特に好ましい実施形態において、本発明は、複数の式(I)および/または(II)の化合物を含むポリマーであって、ポリ−L−リジンであり、前記化合物をポリマー骨格に連結させる前記リンカーZをさらに含む、ポリマーに関する。ポリ−L−リジンは、生分解性であり、それゆえ治療適用に特に適する。
本発明の化合物は、貴重な薬理学的特性を有する。本発明はまた、医薬として使用するための本明細書において既に定義された化合物にも関する。本発明による化合物は、特に抗グリカン抗体に関連する神経疾患、特に免疫介在性ニューロパチーに対して、予防上および治療上の有効性を示す。
式(I)および/もしくは(II)の1つもしくは複数の化合物、またはこれらを含むポリマーは、単独で、または1種もしくは複数の他の治療剤との併用で、固定された組み合わせの形態をとる可能な併用療法、または時差投与されるもしくは互いに独立して与えられる、本発明の化合物と1種もしくは複数の他の治療薬の投与、または固定された組み合わせと1種もしくは複数の他の治療薬との併用投与で投与され得る。
可能な組み合わせの治療薬は、特に免疫抑制剤/治療である。例は、フルダラビンおよび/またはクラドリビンなどのプリン類似体、プラスマフェレーシス、静脈内免疫グロブリン、さらにキメラモノクローナル抗体リツキシマブである (M.C. Dalakas, Curr Treat Opinions Neurol, 2010, 12, 71−83)。
別の特定の実施形態において、本発明は、神経疾患、特に免疫介在性ニューロパチーのための診断アッセイにおける本発明の化合物の使用に関する。特に本発明は、既に定義された式(I)および/または(II)の化合物を含むキット、ならびにそのような化合物を置換基として含む本発明のポリマーに関する。
本発明は、神経疾患、特に免疫介在性ニューロパチーの診断の方法であって、神経系のグリカン、詳細には糖脂質に対する抗体(例えば、IgM/IgG)のレベルが、体液試料、例えば血清中で決定され、高レベルが特定の神経状態の発症および重症度の指標となる、方法に関する。
血清以外の他の体液は、スフィンゴ糖脂質に対する抗体の決定に有用であり、例えば全血、脳脊髄液、または固形組織からの抽出物である。
体液中のスフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体レベルの決定に、任意の公知の方法が用いられ得る。考慮される方法は、例えばELISA、RIA、EIA、またはマイクロアレイ分析である。
ヒト体液中、例えば血清中のスフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体の決定に好ましい方法は、ELISAである。そのような実施形態において、マイクロタイタープレートを、式(I)および/もしくは(II)の化合物、または好ましくはそのような化合物を置換基として含む本発明のポリマーでコーティングする。次いで、該プレートをブロックして、試料または標準液を適用する。インキュベーションの後、抗IgM/IgG抗体、例えば適切な標識に、例えば発色検出用の酵素に直接コンジュゲートされた抗IgMまたは抗IgG抗体を適用する。あるいは、ポリクローナルウサギ(またはマウス)抗IgM/IgG抗体を、添加する。適切な標識、例えば上記の発色検出用の酵素をコンジュゲートした抗IgM/IgG抗体、例えば抗ウサギ(または抗マウス)抗体の特定のタイプを検出する二次抗体を、添加する。最後に、神経系のスフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体の存在および量の尺度である標識を検出および定量するために、標識の基質を用いて、プレートを発色させる。標識が、発色検出用の酵素である場合、基質は、コンジュゲートされた酵素の色素生産性基質である。発色反応を、その後、マイクロプレートリーダーで検出し、標準と比較する。
抗体断片を使用することも可能である。適切な標識は、発色性標識、即ち基質を検出可能な有色もしくは蛍光化合物に変換するために用いることができる酵素、分光分析用標識、例えば蛍光標識、または可視色を提示する標識、標識に特異性があり容易な検出および定量を可能にするさらなる化合物により発色され得る親和性標識、または標準のELISAで用いられる任意の他の標識である。
スフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体の他の好ましい検出方法は、市販の自動分析ロボットでの放射線免疫アッセイまたは競合免疫アッセイ、および化学発光検出である。微粒子増強蛍光法、蛍光偏光法、または質量分析法もまた、用いられ得る。検出装置、例えばマイクロアレイは、スフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗体の読み取りシステムとして有用な構成要素である。
さらなる実施形態において、本発明は、式(I)および/もしくは式(II)の化合物、またはそれらの化合物を置換基として含む含むポリマーを含む、上記のアッセイ、詳細にはELISAに適したキットに関する。該キットは、適切な標識を有する抗IgM/抗IgG抗体(または抗IgM/IgG抗体断片)、または抗IgM/抗IgG抗体および適切な標識を含む二次抗体、ならびに標識を検出する試薬または機器、例えば標識として用いられる酵素と反応して色の形成もしくは蛍光によりそのような標識の存在を示す試薬、標準機器、例えばマイクロタイタープレート、ピペットなど、標準溶液および洗浄溶液をさらに含む。
ELISAをまた、患者の血液または血清試料をマイクロタイタープレートのコーティングに用いて、次に標識された式(I)および/もしくは式(II)の化合物、またはそのような化合物を置換基として含む標識されたポリマーにより抗グリカン抗体が検出されるように、設計することもできる。標識は、直接検出可能であるか、または抗体を介して間接的に検出可能のいずれかである。
本発明の式(I)および/または式(II)の化合物を含むポリマーは、病原性の抗グリカン抗体に結合して、抗グリカンIgMまたはIgG抗体産生を潜在的にダウンレギュレートする。それによって、スフィンゴ糖脂質の糖鎖エピトープに対する抗グリカン抗体を含む神経疾患の抗原特異性処置が可能となる。
さらに本発明は、式(I)および/もしくは式(II)の化合物、または式(I)および/もしくは式(II)の化合物を有するポリマーを含む医薬組成物に関する。
温血動物、特にヒトへの皮下、静脈内、肝臓内または筋肉内投与などの非経口投与用の医薬組成物が、考慮される。該組成物は、有効成分を単独で、または好ましくは医薬的に許容し得る担体と共に含む。有効成分の投薬量は、患者の年齢、体重および個々の状態、個々の薬物動態データ、ならびに投与様式に依存する。
非経口投与の場合、本発明の炭水化物ポリマーの懸濁液または分散液、特に、例えば使用の直前に構成され得る、等張性水性分散液または懸濁液の使用が優先される。該医薬組成物は、滅菌してもよく、および/あるいは賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/もしくは乳化剤、可溶化剤、増粘剤、浸透圧を調節する塩、ならびに/または緩衝剤を含んでもよく、それ自体が公知の手法、例えば従来の溶解および凍結乾燥工程により調製される。
鼻内、口腔、直腸または経口投与などの腸内投与に適した担体は、特に糖、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールもしくはソルビトール、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウムなどの充填剤、ならびにデンプン、例えばコーンスターチ、小麦デンプン、米デンプンもしくはジャガイモデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、ならびに/あるいは望ましければ、上述のデンプン、同じくカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤である。追加の賦形剤は、特に流動調整剤および滑沢剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのその塩、および/もしくはポリエチレングリコール、またはその誘導体である。
錠剤コア(tablet core)に、特にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/もしくは二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液の使用により、または適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物中のコーティング溶液の使用により、または腸溶性コーティングの調製の場合には、アセチルセルロースフタラートもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートなどの適切なセルロース調製物の溶液の使用により、適切なコーティング、任意選択で腸溶性のコーティングを提供することができる。例えば同定目的で、または有効成分の異なる用量を示すために、染色剤または色素を、錠剤または錠剤コーティングに添加してもよい。
経口投与のための医薬組成物はまた、ゼラチンからなるハードカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑化剤、例えばグリセロールまたはソルビトールからなる密封されたソフトカプセルを含む。ハードカプセルは、例えばコーンスターチなどの充填剤、結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑剤、そして任意選択で安定化剤と混和された、顆粒形態の有効成分を含有し得る。ソフトカプセルでは、有効成分を、好ましくは、脂肪酸、パラフィン油、液体ポリエチレングリコール、またはエチレンもしくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルなどの適切な液体賦形剤に溶解または懸濁し、それに、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型の、安定化剤および洗剤を添加してもよい。
直腸投与に適した医薬組成物は、例えば有効成分と坐剤基剤の組み合わせからなる坐剤である。適切な坐剤基剤は、例えば天然または合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである。
本発明による上述の医薬組成物は、有効成分の経口で許容し得る製剤の個別の錠剤、顆粒、もしくは他の剤形を含有してもよく、または上記の通り、有効成分の混合物を1つの適切な医薬投与剤形に含有してもよい。特に、個別の経口で許容し得る製剤または1つの適切な医薬投与剤形での混合物は、徐放性および制御放出性の医薬組成物であり得る。
該医薬組成物は、およそ1%〜およそ95%の有効成分または有効成分混合物、好ましい実施形態においておよそ20%〜およそ90%の有効成分を含む単回投与剤形、および好ましい実施形態においておよそ5%〜およそ20%の有効成分を含む単回投与型ではない剤形を含む。
本発明はまた、抗グリカン抗体に関連する神経疾患、特に免疫介在性ニューロパチーの処置における医薬としての上述の医薬組成物に関する。
本発明はさらに、抗グリカン抗体に関連する神経疾患、特に免疫介在性ニューロパチーの処置の方法であって、本発明による組成物を前記疾患に対して有効な量で、そのような処置を必要とする温血動物へ投与することを含む、方法に関する。該医薬組成物は、前記疾患に対して有効な量で、そのような処置を必要とする温血動物、例えばヒトへ予防的または治療的に投与することができる。約70kgの体重を有する個体の場合、投与される1日あたり、1週間あたり、または1ヶ月あたりの用量は、本発明の組成物中におよそ0.01g〜およそ5g、好ましくはおよそ0.1g〜およそ1.5gの有効成分である。
以下の実施例は、本発明を例示しており、本発明をその範囲に限定するものではない。
実施例
一般的方法
NMRスペクトルは、Bruker Avance DMX−500(500MHz)分光計で得た。Hおよび13C NMRスペクトルの割り付けは、2D法(COSY、HSQCおよびHMBC)を用いて実現した。化学シフトは、残留するCHCl、CHDOD、DMSO−dまたはHDOを参照として用いてppmで表している。IRスペクトルは、Perkin−Elmer Spectrum One FT−IR分光計を用いて記録した。エレクトロスプレーイオン化−質量分析法(ESI−MS)は、Waters micromass ZQで得た。HRMS分析は、フォトダイオードアレイ検出器を具備したAgilent 1100LCおよび4GHz時間・デジタルコンバータを具備したMicromass QTOF Iを用いて実施した。反応を、シリカゲル60 F254(Merck)でコーティングしたガラスプレートを用いてESI−MSおよびTLCによりモニタリングし、UV光を用いること、および/またはモスタイン(mostain)(10%HSO水溶液中の硫酸セリウムアンモニウムとモリブデン酸アンモニウム四水和物の0.02M溶液)で炭化させることにより可視化した。カラムクロマトグラフィーを、シリカゲル(Redisep順相シリカゲルカラム35/70)またはRP−18(Merck LiChroprep(登録商標)RP−18 40/63)で実施した。ジクロロメタン(DCM)およびMeOHを、Al(Fluka、5016A basic型)でのろ過により乾燥させた。ジメチルホルムアミド(DMF)は、Acros(99.8%、エクストラドライ、分子ふるい上)から購入した。分子ふるい(MS、4Å)を、使用の直前に、真空にて400℃で30分間活性化させた。サイズ排除クロマトグラフィーは、ポリアクリルアミドゲル(Biogel P−2 Fine)で実施した。透析は、Biotechセルロースエステル(CE)膜(SpectrumLabs、分子量カットオフ:100〜500Da)で実施した。遠心分離は、Eppendorf Centrifuge 5804Rで実施した。rt=室温。
生物学的評価のために、17種の糖鎖ポリマーを合成した(6、スキーム1;10、スキーム2;14、スキーム3;18、スキーム4;22、スキーム5;26、スキーム6;30、スキーム7;34、スキーム8;38、スキーム9;42、スキーム10;45、スキーム11;78、スキーム16;86、スキーム18;89、スキーム19;93、スキーム20;100、スキーム22;102、スキーム23)。ポリリジングリココンジュゲート6、10、14、18、22、26、30、34は全て、同じリンカーを担持するが、それらの炭水化物部分は異なる(それぞれGM1a、GM1b、アシアロGM1、GM2、GD1a、GD1b、GD3およびGT1a)。ポリリジングリココンジュゲート6、38、42および45は、同じ炭水化物(GM1a)を担持するが、リンカー部分が異なる。ポリリジングリココンジュゲート78は、GM4模倣体を担持する。ポリリジングリココンジュゲート86は、HOS−β−D−GlcρA−(1→3)−β−D−Galp(HNK−1)二糖を担持する。上述のグリココンジュゲート(6、10、14、18、22、26、30、34、38、45、78、86)は全て、ポリ−L−リジンコンジュゲートである。コンジュゲート89および93は、同じHNK−1二糖を担持するが、ポリマー骨格が異なる(それぞれポリ−L−リジンデンドリマーおよびポリ−L−オルニチン)。コンジュゲート100および102は、同じラクトース二糖を担持するが、ポリマー骨格が異なる(それぞれキトサンおよびポリ−L−グルタミン酸)。リンカー5 72によって官能基化されたHNK−1二糖58の合成を、スキーム17に記載する。リンカー5 72によって官能基化されたラクトース二糖56の合成を、スキーム121に記載する。リンカー35、39、43および72の合成を、それぞれスキーム12、13、14および15に記載する。
試薬は全て、Sigma Aldrich、Acros、Alfa−Aesar、ElicitylまたはAlamanda Polymersから購入した。リンカー2および化合物66は、公表された手順に従って合成した(O. Bohorov, et al. Glycobiology, 2006, 16, 21C-27C)。クロロアセチル化ポリ−L−リジン5(250のリジン反復単位)は、公表された手順に従って市販のポリ−L−リジンポリマーから合成した(G. Thoma et al., J Am Chem Soc 1999, 121, 5919−5929)。誘導体68、73、74、80、87および98は、公表された手順に従って合成した(それぞれI. Ueda, et al. Chem Pharm Bull (Tokyo), 1990, 38, 3035−3041;M. Numata, et al. Carbohydr Res, 1987, 163, 209−225; J. L. Magnani, Preparation of oligosaccharide glycomimetic antagonists as E− and P−selectin modulators,WO2005054264A2号,June 16, 2005;T. Furukawa, Tetrahedron Lett, 2011, 52, 5567−5570;K. T. Al−Jamal, et al. J Drug Target, 2006, 14, 405−412;T. Kojima, Chitosan or chitin derivatie and method for processing silver halide photographic material by using the same,US005155004A号,Oct 13, 1992)。
スキーム1:GM1aポリマー6の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、91%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、54%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、84%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(3):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、50μL)中のヘミアセタール1(5.0mg、4.90μmol)の溶液に、オキシアミン2(4.4mg、49μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物3(4.97mg、4.55μmol、91%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.80(d,1H),4.57(d,1H),4.57(d,1H),4.24(d,1H),4.22−4.11(m,2H),4.06(dd,1H),4.04−3.96(m,3H),3.94(d,1H),3.89(dd,1H),3.86−3.74(m,12H),3.73−3.57(m,10H),3.54(dd,1H),3.52(dd,1H),3.39(dd,1H),3.28−3.26(m,2H),2.81(s,3H),2.68(dd,1H),2.05,2.03(2s,6H),1.94(t,1H)。
HRMS(ESI):m/z1071.4132(C407129 [M+H]の計算値:m/z1071.4198)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]β−D−ガラクト−ピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(4):
無水DMF(90μL)中のアミン3(4.97mg、4.55μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(1.2mg、8.2μmol、1.8当量)、γ−チオブチロラクトン(3.9μL、46μmol、10当量)およびEtN(6.3μL、46μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物4(2.8mg、2.33μmol、54%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.79(d,1H),4.56(m,2H),4.22−3.31(m,32H),2.75(s,3H),2.68(m,1H),2.57(t,2H),2.41(t,2H),2.05,2.03(2s,6H),1.91(m,3H)。
MS(ESI):m/z1171.59(C447530[M−Na]の計算値:m/z1171.42)。
GM1aポリマー(6):
DMF(60μL)中の5(1.2mg、5.83μmol)の溶液に、化合物4(2.8mg、2.33μmol、0.4当量)、水(3μL)およびDMF(10μL)中のDBU(1.3μL、8.74μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(1.5μL、17.5μmol、3.0当量)およびEtN(2.4μL、17.5μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM1aポリマー6(2.88mg、84%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ4に置換されたリジン側鎖のおよそ28%を含有した。
この特定の実施形態において、末端スルフヒドリル官能基を有するリンカーZを有するGM1aエピトープ4を合成して、活性化(クロロアセチル化)リジンポリマー5と準化学量論的量で反応させた。得られた糖鎖ポリマー6の炭水化物担持量(28%)を、H NMRにより決定した。出発物質のポリリジン臭化水素酸塩は、平均分子量(MW)52kDa(250の反復リジン単位)を有したが、28%のGM1aエピトープ担持量を有する最終的なポリマー6は、計算平均MW145kDaを有した。
スキーム2:GM1bポリマー10の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、71%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、65%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、61%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(8):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、98μL)中のヘミアセタール7(10mg、9.80μmol)の溶液に、オキシアミン2(8.8mg、98μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物8(7.6mg、6.95μmol、71%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.72(d,1H),4.54(d,1H),4.46(d,1H),4.24(d,1H),4.17(d,1H),4.13(d,1H),4.09(dd,1H),4.06−3.97(m,4H),3.95(d,1H),3.91(dd,1H),3.89−3.81(m,7H),3.81−3.60(m,12H),3.78(dd,1H),3.62−3.57(m,1H),3.59(dd,1H),3.57(dd,1H),3.44(dd,1H),3.29−3.27(m,2H),2.81(s,3H),2.77(dd,1H),2.06,2.05(2s,6H),1.81(dd,1H)。
MS(ESI):m/z1069.62(C406929 [M−Na]の計算値:m/z1069.41).
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(9):
無水DMF(140μL)中のアミン8(7.6mg、6.95μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(6.0μL、69.5μmol、10当量)およびEtN(9.7μL、69.5μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物9(5.4mg、4.52μmol、65%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.72(d,1H),4.54(d,1H),4.47(d,1H),4.19(d,1H),4.17(d,1H),4.13(d,1H),4.09(dd,1H),4.04(dd,1H),4.00(dd,1H),3.96(d,1H),3.93−3.80(m,10H),3.80−3.58(m,13H),3.58−3.52(m,1H),3.56(dd,1H),3.55(dd,1H),3.47−3.40(m,1H),3.44(dd,1H),2.81−2.74(m,5H),2.57(t,2H),2.40(t,2H),2.06,2.05(2s,6H),1.94−1.89(m,2H),1.81(dd,1H)。
HRMS(ESI):m/z1171.01(C447530[M−Na]の計算値:m/z1171.42)。
GM1bポリマー(10):
DMF(60μL)中の5(1.86mg、9.04μmol)の溶液に、化合物9(5.4mg、4.52μmol、0.5当量)、水(40μL)およびDMF(15μL)中のDBU(2.0μL,13.6μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(2.3μL、27.1μmol、3.0当量)およびEtN(3.8μL、27.1μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM1bポリマー10(4.2mg、61%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ9に置換されたリジン側鎖のおよそ45%を含有した。
スキーム3:アシアロGM1ポリマー14の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、定量的量;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、80%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、71%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(12):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、141μL)中のヘミアセタール11(10.0mg、14.1μmol)の溶液に、オキシアミン2(12.7mg、141μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物12(10.9mg、14.0μmol、定量的量)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.71(d,1H),4.47(d,1H),4.46(d,1H),4.24(d,1H),4.18(d,1H),4.13(d,1H),4.06−4.00(m,3H),4.04(dd,1H),3.93(d,1H),3.90(dd,1H),3.87−3.75(m,8H),3.76−3.65(m,4H),3.64(dd,1H),3.61−3.58(m,2H),3.60(dd,1H),3.55(dd,1H),3.43(dd,1H),3.28(t,2H),2.81(s,3H),2.06(s,3H)。
MS(ESI):m/z780.46(C295421 [M+H]の計算値:m/z780.32)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(13):
無水DMF(282μL)中のアミン12(11mg、14.1μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(12.2μL、46μmol、10当量)およびEtN(19.7μL、141μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物13(10.0mg、11.3μmol、80%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.72(d,1H),4.47(d, 2H),4.19(d,1H),4.19−4.16(m,1H),4.14−4.11(m,1H),4.04(dd,1H),4.01−3.97(m,1H),3.94−3.91(m,1H),3.92−3.85(m,3H),3.85−3.71(m,8H),3.76−3.63(m,4H),3.64(dd,1H),3.60(dd,1H),3.57−3.52(m,3H),3.46−3.38(m,3H),2.78−2.75(m,2H),2.76(s,3H),2.40(t,2H),2.06(s,3H),2.03−2.00(m,2H)。
MS(ESI):m/z904.05(C335922SNa[M+Na]の計算値:m/z904.32)。
アシアロGM1ポリマー(14):
DMF(60μL)中の5(1.3mg、6.25μmol)の溶液に、化合物13(3.7mg、4.19μmol、0.4当量)、水(5μL)およびDMF(105μL)中のDBU(2.3μL、15.7μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(2.7μL、31.4μmol、3.0当量)およびEtN(4.4μL、31.4μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、アシアロGM1ポリマー14(4.6mg、71%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ13に置換されたリジン側鎖のおよそ44%を含有した。
スキーム4:GM2ポリマー18の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、76%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、52%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、56%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−(5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(16):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5,140μL)中のヘミアセタール15(12.0mg、14.0μmol)の溶液に、オキシアミン2(12.6mg、114μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物16(9.9mg、10.6μmol、76%)を綿毛状の白色固体として得た。
H NMR(500MHz,DO)δ4.79(d,1H),4.55(d,1H),4.24(d,1H),4.20−4.09(m,2H),4.04−4.00(dd 2H),3.97−3.87(m,3H),3.91−3.68(m,14H),3.66−3.56(m,5H),3.50(dd,1H),3.41−3.34(t,1H),3.31−3.26(t,2H),2.81(s,3H),2.72−2.63(m,1H),2.05(s,3H),2.04(s,3H),2.00−1.88(m,1H)。
MS(ESI):m/z907.56(C345924 [M−Na]の計算値:m/z907.35)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド−β−D−ガラクト−ピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(17):
無水DMF(250μL)中のアミン16(9.9mg、10.6μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(9.2μL、106μmol、10当量)およびEtN(14.8μL、106μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物17(5.7mg、5.52μmol、52%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.76(d,1H),4.56(d,1H),4.19(d,1H),4.17(dd,1H),4.15(d,1H),4.01(dd,1H),3.94(d,1H),3.94(dd,1H),3.90−3.75(m,11H),3.75−3.60(m,5H),3.62(dd,1H),3.58−3.53(m,1H),3.56(dd,1H),3.50(dd,1H),3.45−3.40(m,2H),3.38(dd,1H, H−2Gal),2.77(s,3H),2.68(dd,1H),2.57(t,2H),2.40(t,2H),2.05,2.04(2s,6H),1.97−1.89(m,3H)。
MS(ESI):m/z1009.54(C386525[M−Na]の計算値:m/z1009.37)。
GM2ポリマー(18):
DMF(110μL)中の5(2.27mg、11.04μmol)の溶液に、化合物17(5.7mg、5.52μmol、0.5当量)、水(25μL)およびDMF(22μL)中のDBU(2.5μL、16.55μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(2.9μL、33.11μmol、3.0当量)およびEtN(4.6μL、33.11μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM2ポリマー18(4.5mg、56%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ17に置換されたリジン側鎖のおよそ49%を含有した。
スキーム5:GD1aポリマー22の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、87%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、78%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、59%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(20):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、35μL)中のヘミアセタール19(5.0mg、3.75μmol)の溶液に、オキシアミン2(3.4mg、38μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物20(5.0mg、1.2当量のオキシム2と混和、3.27μmol、回収された収率87%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.79(m,1H),4.63(d,1H),4.55(d,1H),4.24(d,1H),4.18(d,1H),4.18−4.14(m,1H),4.15−4.10(m,1H),4.11(dd,1H),4.09−4.05(m,2H),4.06−4.02(m,1H),4.04−3.96(m,1H),3.99−3.95(m,1H),3.93−3.87(m,1H),3.92−3.85(m,2H),3.89−3.80(m,2H),3.87−3.80(m,1H),3.86−3.70(m,7H),3.82−3.52(m,12H),3.67−3.60(m,3H),3.58(dd,1H),3.54(dd,1H),3.41(dd,1H),3.30−3.26(m,2H),2.81(s,3H),2.77(dd,1H),2.70(dd,1H),2.05(s,6H),2.03(s,3H),1.93(t,1H),1.82(t,1H)。
MS(ESI):m/z679.83(C518537 2−[M−2Na]2−の計算値:m/z679.75)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(21):
無水DMF(65μL)中のアミン20(5.0mg、3.27μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(2.8μL、32.7μmol、10当量)およびEtN(4.6μL、32.7μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物21(3.8mg、2.52μmol、78%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.79(m,1H),4.63(d,1H),4.56(d,1H),4.19(d,1H),4.18−4.13(m,3H),4.11(dd,1H),4.06(m,1H),4.02−3.96(m,1H),3.97(d,1H),3.94−3.85(m,3H),3.94−3.51(m,12H),3.93−3.84(m,2H),3.88−3.80(m,2H),3.87−3.68(m,7H),3.86−3.81(m,1H),3.68−3.61(m,2H),3.66−3.60(m,1H),3.58−3.54(m,1H),3.56−3.50(m,1H),3.45−3.38(m,3H),2.80−2.75(m,1H),2.77(s,3H),2.70(dd,1H),2.57(t,2H),2.40(t,2H),2.05(s,6H),2.03(s,3H),1.96−1.89(m,3H),1.82(t,1H)。
MS(ESI):m/z730.97(C5591382−[M−2Na]2−の計算値:m/z730.75)。
GD1aポリマー(22):
DMF(67μL)中の5(1.4mg、6.63μmol)の溶液に、化合物21(2.4mg、1.59μmol、0.4当量)、水(15μL)およびDMF(13μL)中のDBU(1.5μL、9.9μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(1.7μL、19.9μmol、3.0当量)およびEtN(2.8μL、19.9μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GD1aポリマー22(3.6mg、59%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ21に置換されたリジン側鎖のおよそ46%を含有した。
スキーム6:GD1bポリマー26の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、70%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、77%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、40%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→8)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(24):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、150μL)中のヘミアセタール23(19.3mg、15.0μmol)の溶液に、オキシアミン2(313.5mg、150μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物24(14.2mg、10.1μmol、70%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.80(d,1H),4.55−4.53(t,2H),4.23(d,1H),4.21−3.40(m,38H),3.29−3.27(m,2H),2.81(s,3H),2.78−2.69(m,2H),2.09,2.06,2.05 (3s,9H),1.82−1.73(m,2H)。
MS(ESI):m/z1382.67(C518537 [M−Na]の計算値:m/z1382.48)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→8)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(25):
無水DMF(70μL)中のアミン24(4.9mg、3.51μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(1.0mg、6.31μmol、1.8当量)、γ−チオブチロラクトン(3.0μL、35.0μmol、10当量)およびEtN(4.9μL、32.0μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物25(4.1mg、2.72μmol、77%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.79(d,1H),4.55−4.53(m,2H),4.21−3.40(m,41H),2.77(s,3H),2.80−2.67(m,4H),2.41(t,2H),2.09,2.05(2s,11H),1.84−1.73(m,2H)。
MS(ESI):m/z1484.86(C559138NaS[M−Na]の計算値:m/z1484.50)。
GD1bポリマー(26):
DMF(30μL)中の5(0.59mg、2.89μmol)の溶液に、化合物25(2.1mg、1.45μmol、0.5当量)、水(3μL)およびDMF(6μL)中のDBU(0.6μL、4.34μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(0.75μL、8.7μmol、3.0当量)およびEtN(1.21μL、8.7μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GD1bポリマー26(0.68mg、40%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ25に置換されたリジン側鎖のおよそ20%を含有した。
スキーム7:GD3ポリマー30の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、50%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、66%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、18%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→8)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(28):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、103μL)中のヘミアセタール27(10mg、10.3μmol)の溶液に、オキシアミン2(9.3mg、103μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物28(5.4mg、5.18μmol、50%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.55(d,1H),4.24−3.57(m,28 H),4.23(d,1H),3.27(m,2H),2.84−2.77(m,1H),2.81(s,3H),2.70(dd,1H),2.09,2.05(2s,6H),1.76(t,2H)。
MS(ESI):m/z497.36(C376227 2−[M−2Na]2−の計算値:m/z497.18)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→8)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(29):
無水DMF(61μL)中のアミン28(3.2mg、3.07μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(2.7μL、30.7μmol、10当量)およびEtN(4.3μL、30.7μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物29(2.3mg、2.01μmol、66%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.55(d,1H),4.21−3.55(m,28H),4.20(d,1H),3.43(m,2H),2.80−2.75(m,1H),2.77(s,3H),2.71−2.68(m,1H),2.57(t,2H),2.40(t,2H),2.09,2.05(2s,6H),1.92−1.89(m,2H),1.76(t,2H)。
MS(ESI):m/z548.26(C4168282−[M−2Na]2−の計算値:m/z548.19)。
GD3ポリマー(30):
DMF(37μL)中の5(0.75mg、3.67μmol)の溶液に、化合物29(2.1mg、1.83μmol、0.5当量)、水(10μL)およびDMF(7μL)中のDBU(0.8μL、5.5μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(1.0μL、11.0μmol、3.0当量)およびEtN(1.5μL、11.0μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GD3ポリマー30(0.3mg、18%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ29に置換されたリジン側鎖のおよそ17%を含有した。
スキーム8:GT1aポリマー34の合成
試薬および条件:a)2、酢酸ナトリウム緩衝液、84%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、24%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、25%
N−(N−メチル−O−[2−アミノエチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→8)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(32):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、30μL)中のヘミアセタール31(5.0mg、3.04μmol)の溶液に、オキシアミン2(2.7mg、30μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物32(4.38mg、2.55μmol、84%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.80(d,1H),4.64,4.55 (2d,2H),4.24(d,1H),4.20−3.40(m,45H),3.29−3.27(m,2H),2.81(s,3H),2.78−2.69(m,3H),2.08,2.05(2s,12H),1.85−1.65(m,3H)。
MS(ESI):m/z836.33(C6210145Na2−[M−2Na]2−の計算値:m/z836.29)。
N−(N−メチル−O−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシルアミノ)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→8)−5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(33):
無水DMF(37μL)中のアミン32(3.2mg、1.86μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(0.5mg、3.35μmol、1.8当量)、γ−チオブチロラクトン(1.6μL、18.6μmol、10当量)およびEtN(2.6μL、18.6μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物33(0.82mg、0.45μmol、24%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.79(d,1H),4.64,4.55 (2d,2H),4.20−3.40(m,39H),2.77(s,3H),2.79−2.66(m,3H),2.57(t,2H),2.40(t,2H),2.08,2.05(2s,14H),1.94−1.74(m,2H)。
MS(ESI):m/z583.80(C6610746SNa3−[M−3Na]3−の計算値:m/z583.87)。
GT1aポリマー(34):
DMF(9μL)中の5(0.19mg、0.90μmol)の溶液に、化合物33(0.82mg、0.45μmol、0.5当量)、水(1μL)およびDMF(2μL)中のDBU(0.2μL、1.36μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜3時間撹拌した後、チオグリセロール(0.2μL、2.7μmol、3.0当量)およびEtN(0.4μL、2.7μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GT1aポリマー34(0.28mg、25%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ33に置換されたリジン側鎖のおよそ57%を含有した。
スキーム9:GM1a−リンカー2ポリマー38の合成
試薬および条件:a)35、酢酸ナトリウム緩衝液、58%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、74%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、41%
N−[O−メチル−N−(2−アミノエチル)ヒドロキシルアミノ]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(36):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、98μL)中のヘミアセタール1(10.0mg、9.80μmol)の溶液に、オキシアミン35(8.8mg、98μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物36(6.2mg、5.63μmol、58%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.78(d,1H),4.57−4.54(m,2H),4.31(d,1H),4.18−3.51(m,33H),3.38(t,1H),3.32(m,2H),3.27(m,2H),2.68(dd,1H),2.05,2.03(2s,6H),1.95(t,1H)。
HRMS(ESI):m/z1071.4177(C407129 [M+H]の計算値:1071.4198)。
N−(N−[2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]−O−メチル)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(37):
無水DMF(112μL)中のアミン36(6.1mg、5.6μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(4.9μL、56μmol、10当量)およびEtN(7.8μL、56μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物37(5.0mg、4.2μmol、74%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.78(d,1H),4.56(m,2H),4.25(d,1H),4.18−3.37(m,34H),3.46(m,2H,Hb), 3.23(m,1H),3.07(m,1H),2.77(m,1H),2.68(dd,1H),2.41(t,2H),2.05,2.03(2s,6H),1.97−1.93(m,3H)。
MS(ESI):m/z1171.65(C447530[M−Na]の計算値:1171.42)。
GM1a−リンカー2−ポリマー(38):
DMF(84μL)中の5(1.7mg、8.4μmol)の溶液に、化合物37(5.0mg、4.2μmol、0.5当量)、水(8.4μL)およびDMF(17μL)中のDBU(1.9μL、12.5μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(2.2μL、25μmol、3.0当量)およびEtN(3.5μL、25μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM1a−リンカー2−ポリマー38(2.5mg、41%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ37に置換されたリジン側鎖のおよそ41%を含有した。
スキーム10:GM1a−リンカー3−ポリマー42の合成
試薬および条件:a)39、酢酸ナトリウム緩衝液、51%;b)DL−ジチオトレイトール、γ−チオブチロラクトン、EtN、DMF、64%;c)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、32%
N−(N−メチル−O−[2−O−(2−アミノエチル)ヒドロキシエチル)]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(40):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、98μL)中のヘミアセタール1(10.0mg、9.80μmol)の溶液に、オキシアミン39(13.1mg、98μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。透析による精製により、化合物40(7.48mg、6.50μmol、51%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.78(d,1H),4.56(d,2H),4.19(d,1H),4.18−4.14(m,3H),4.13−3.48(m,32H),3.38(dd,1H),3.23(m,2H),2.79(s,3H),2.67(m,1H),2.05,2.02(2s,6H),1.94(m,1H)。
HRMS(ESI):m/z1115.4447(C427530 [M+H]の計算値:1115.4461)。
N−(N−メチル−O−[2−O−(2−(2−メルカプトブタンアミド)エチル]ヒドロキシエチル]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(41):
無水DMF(130μL)中のアミン40(7.48mg、6.50μmol)の懸濁液に、DL−ジチオトレイトール(スパチュラの先端量)、γ−チオブチロラクトン(5.6μL、65μmol、10当量)およびEtN(9.1μL、65μmol、10当量)を逐次添加した。反応混合物を、25〜40℃で12〜24時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。P2サイズ排除クロマトグラフィーによる精製により、化合物41(5.21mg、4.16μmol、64%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.78(d,1H),4.56(d,2H),4.19(d,1H),4.18−3.52(m,36H),3.41(t,2H),3.37(dd,1H),2.79(s,3H),2.67(m,1H),2.57(t,2H),2.39(t,2H),2.05,2.02(2s,6H),1.98−1.88(m,3H)。
HRMS(ESI):m/z1239.4412(C468031NaS[M+H]1239.4419の計算値)。
GM1a−リンカー3−ポリマー(42):
DMF(84μL)中の5(1.72mg、8.41μmol)の溶液に、化合物41(5.21mg、4.21μmol、0.5当量)、水(8.4μL)およびDMF(17μL)中のDBU(1.9μL、13μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜24時間撹拌した後、チオグリセロール(2.2μL、25μmol、3.0当量)およびEtN(3.5μL、25μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM1a−リンカー3−ポリマー42(2.64mg、32%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ41に置換されたリジン側鎖のおよそ61%を含有した。
スキーム11:GM1a−リンカー4−ポリマー45の合成
試薬および条件:a)43、酢酸ナトリウム緩衝液、48%;b)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、90%
N−(O−メチル−N−[2−(2−エチルチオ)エチルチオ]ヒドロキシルアミノ)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−[5−アセチル−α−ノイラミン酸−(2→3)]−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(44):
NaOAc/AcOH緩衝液(0.1M、pH4.5、98μL)中のヘミアセタール1(10.0mg、9.8μmol)の溶液に、オキシアミン43(16mg、98μmol、10当量)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。逆相クロマトグラフィー(0→100%、HO中のMeOH)による精製により、化合物44(5.5mg、4.7μmol、48%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ4.78(d,1H),4.56,4.55(2d, 2H),4.26(d,1H),4.21−3.48(m,36H),3.38(t,1H),3.35−3.30(m,1H),3.16(m,1H),3.04−3.01(m,2H),3.01−2.99(m,2H),2.89(t,2H),2.68(dd,1H),2.05 2.02(2s,6H),1.95(t,1H)。
MS(ESI):m/z1146.59(C427229S2[M−Na]1146.37の計算値)。
GM1a−リンカー4−ポリマー(45):
DMF(57μL)中の5(1.17mg、5.13μmol)の溶液に、化合物44(3.35mg、2.86μmol、0.5当量)、水(5.8μL)およびDMF(12μL)中のDBU(1.3μL、8.6μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜3時間撹拌した後、チオグリセロール(1.5μL、17μmol、3.0当量)およびEtN(2.4μL、17μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM1a−リンカー4−ポリマー45(3.08mg、90%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ44に置換されたリジン側鎖のおよそ30%を含有した。
スキーム12:リンカー2 35の合成
試薬および条件:a)i.MeONH・HCl、AcONa、EtOH;iiNaBHCN、AcCl、39%;b)TFA、DCM、定量的量
(2−(メトキシアミノ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(62):
EtOH(3.5mL)中のアルデヒド61(340mg、2.14mmol)の溶液に、メトキシアミン塩酸塩(214mg、3.77mmol、1.2当量)およびAcONa(350mg、4.27mmol、2.0当量)を添加した。反応混合物をrtで一晩撹拌した。この時間の後、NaBHCN(201mg、3.20mmol、1.5当量)を添加して、新たに調製した1Mエタノール性HCl溶液(7.0mL、AcClおよびEtOHから新たに調製した)を滴加した。rtで1時間撹拌した後、飽和NaHCO水溶液の添加により反応物を中和した。反応混合物をHOで希釈して、DCMで抽出した(3回)。有機相をプールしてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。懸濁液をろ過して、減圧濃縮した。PE/アセトン(85:15)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アミノアルコール62(158mg、0.832mmol、39%) を無色油状物として生成した。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ5.69(s,1H),4.91(s,1H),3.54(s,3H),3.30(m,2H),3.00(t,2H),1.46(s,9H)。
2−(メトキシアミノ)エタン−1−アミン(35):
アミノアルコール62(160mg、0.84mmol) を、DCM(1.1mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、トリフルオロ酢酸(TFA、320μL、4.2mmol、5.0当量)を反応混合物に滴加した。0℃で1時間撹拌した後、rtで3時間撹拌し、反応混合物をMeOHで希釈して、遊離塩基Amberlite樹脂で中和した。懸濁液を綿でろ過し、ろ液を真空濃縮した。DCM/MeOH(9:1→7:3)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アミン62 (100mg) を部分的にTFA塩として得た。
H−NMR(500MHz,DO)δ3.47(s,3H),3.13(m,2H),3.10(m,2H)。
スキーム13:リンカー3 39の合成
試薬および条件:a)BocO、EtN、DCM、84%;b)i.MsCl、DCM;ii.LiBr、アセトン、98%;c)66、NaH,DMF、90%;d)TFA、DCM、96%
(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(64):
アミン63(1.0mL、10mmol)を、DCM(50mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、ジ−tert−ブチルジカルボナート(BocO、1.74g、8.9mmol、0.8当量)を溶液に添加し、その後、EtN(1.4mL、10mmol、1.0当量)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、rtで2時間撹拌し、反応混合物をDCMで希釈して、HOおよびブラインで洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させた。懸濁液を綿でろ過し、ろ液を真空濃縮した。DCM/MeOH(1:0→9:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アルコール64 (1.37g、6.67mmol、84%)を無色油状物として得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ4.88(s,1H),3.74(m,2H),3.58(t,2H),3.56(t,2H),3.34(m,2H),2.05(s,1H),1.45(s,9H)。
(2−(2−ブロモエトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(65):
アルコール64(1.25g、6.09mmol)を、DCM(34mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、メタンスルホニルクロリド(MsCl、0.80mL、10.3mmol、1.7当量)をこの溶液に添加した後、EtN(1.9mL、13.4mmol、2.2当量)を添加した。rtで3時間撹拌した後、反応混合物をアセトン(33mL)およびLiBr(8.9g、103mmol、17当量)で希釈した。反応混合物をrtで一晩撹拌した。この時間の後、溶媒を減圧濃縮した。粗製の残渣を、EtOAcで希釈し、HOおよびブラインで洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させた。懸濁液を綿でろ過し、ろ液を真空濃縮した。PE/アセトン(85:15→8:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、臭化物65(1.60g、5.95mmol、98%)を無色油状物として得た。
H−NMR(500MHz,CDCl):δ4.91(s,1H),3.78(t,2H),3.56(t,2H),3.47(t,2H),3.33(d,2H),1.45(s,9H)。
(2−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エトキシ)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(67):
NaH(鉱物油中の60%、82mg、2.04mmol、0.96当量)を、無水DMF(1.4mL)中のアミノアルコール66(313mg、2.12mmol、1.0当量)の溶液に0℃で添加した。その温度で30分間撹拌した後、臭化物65(456mg、1.70mmol、0.8当量)の溶液を、反応混合物に添加した。反応混合物を0℃で1時間、その後、rtで2時間撹拌した。この時間の後、反応混合物をMeOHの添加によりクエンチし、真空濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。PE/アセトン(8:2→75:25)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アミノアルコール67(510mg、1.53mmol、90%)を無色油状物として得た。
H−NMR(500MHz,CDCl):δ5.04(s,1H),4.04−3.93(m,2H),3.69−3.62(m,2H),3.55(t,2H),3.33(m,2H),3.11(s,3H),1.49(s,9H),1.44(s,9H)。
2−(2−((メチルアミノ)オキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(39)
アミノアルコール67(421mg、1.26mmol)を、DCM(1.6mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、TFA(480μL、6.29mmol、5.0当量)を反応混合物に滴加した。0℃で1時間、その後rtで5時間撹拌した後、反応混合物をMeOHで希釈して、遊離塩基Amberlite樹脂で中和した。懸濁液を綿でろ過し、ろ液を真空濃縮した。DCM/MeOH(95:5→7:3)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アミン39(162mg、1.21mmol、96%)を無色油状物として得た。
H−NMR(500MHz,DO):δ3.94(m,2H),3.78(t,2H),3.74(m,2H),3.24(t,2H),2.69(s,3H)。
スキーム14:リンカー4 43の合成
試薬および条件:a)DIBAL−H、DCM、61%;b)i.MeONH・HCl、 AcONa、EtOH;ii.NaBHCN、AcCl、EtOH、17%
1,4−ジチアン−2−オール(69)
エステル68(100mg、0.60mmol)を、無水DCM(1.2mL)に溶解した。この溶液を−78℃に冷却して、DIBAL−H(トルエン中に1M、0.60mL、0.60mmol、1当量)を反応混合物に滴加した。−78℃で2時間撹拌した後、DIBAL−H(0.3mL、0.3mmol、0.5当量) を反応混合物に滴加した。−78℃でさらに30分間撹拌した後、酒石酸カリウムナトリウム四水和物(1.7g)およびHO(2.0mL)を、反応混合物に添加した。rtで1時間激しく撹拌した後、水相をDCMで抽出した(3回)。有機相をプールしてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。懸濁液を綿でろ過して、ろ液を真空濃縮した。PE/アセトン(85:15→8:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより、誘導体69(50mg、0.37mmol、61%)白色固体として生成した。
H−NMR(500MHz,CDCl):δ4.93(dd,1H),3.65(d,1H),3.46(dd,1H),3.34(m,1H),3.11−2.99(m,1H),2.87(dd 1H),2.71(m,1H),2.61(m,1H)。
2−((2−(メトキシアミノ)エチル)チオ)エタン−1−チオール(43)
EtOH(2.8mL)中の化合物69(232mg、1.7mmol)の溶液に、メトキシアミン塩酸塩(171mg、2.0mmol、1.2当量)およびAcONa(279mg、3.4mmol、2.0当量)を添加した。反応混合物をrtで一晩撹拌した。この時間の後、NaBHCN(160mg、2.6mmol、1.5当量)を添加して、新たに調製した1Mエタノール性HCl溶液(5.6mL、AcClおよびEtOHから新たに調製した)を滴加した。rtで1時間撹拌した後、飽和NaHCO水溶液の添加により反応物を中和した。反応混合物をHOで希釈して、DCMで抽出した(3回)。有機相をプールしてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。懸濁液をろ過して、減圧濃縮した。Tol/アセトン(85:15)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アミノアルコール43(49mg、0.29mmol、17%)を無色油状物として生成した。
H−NMR(500MHz,CDCl):δ5.90(s,1H),3.54(s,3H),3.08(t,2H),2.78−2.68(m,6H),1.72(t,1H)。
スキーム15:リンカー5 72の合成
試薬および条件:a)i.71;ii.MeONH・HCl、AcONa、EtOH;iii.NaBHCN、AcCl、EtOH、29%
3−(3−(メトキシアミノ)プロピルチオ)プロパン−1−チオール(72):
アクロレイン70(0.20mL、3.0mmol)を、1,2−エタンジチオール71(1.3mL、15.0mmol、5.0当量)に滴加して、反応混合物をrtで3時間撹拌した。この時間の後、反応混合物をEtOH(5.0mL)およびメトキシアミン塩酸塩(300mg、3.6mmol)およびNaOAc(492mg、6.0mmol)を添加し、反応混合物をrtで一晩撹拌した。この時間の後、NaBHCN(282mg、4.5mmol、1.5当量)を反応混合物に添加して、1Mエタノール性HCl(10mL、AcClおよびEtOHから新たに調製した)を滴加した。rtで1時間撹拌した後、飽和NaHCO水溶液の添加により反応物を中和した。反応混合物をHOで希釈して、DCMで抽出した(3回)。有機相をプールしてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。懸濁液をろ過して、減圧濃縮した。Tol/アセトン(8:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アミノアルコール72(159mg、0.88mmol、29%) を無色油状物として生成した。
H−NMR(500MHz CDCl):δ5.60(s,1H),3.53(s,3H),3.01(t,2H),2.76(m,2H),2.73(m,2H),2.62(t,2H),1.82(m,2H),1.72(dd,1H)。
スキーム16:GM4模倣体コンジュゲート78の合成
試薬および条件:a)i.BuSnO、MeOH;ii.74、CsF、DME、23%;b)Pd(OH)、H2、THF/HO、40%;c)72、AcOH/AcOH緩衝液、EtOH、40℃、64%;d)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、67%
ベンジル2,6−ジ−O−ベンジル−3−O−((1S)−1−ベンジルオキシカルボニル−2−シクロヘキシル−エチル)−β−D−ガラクトピラノシド(75):
ジオール73(100mg、0.22mmol)を、無水MeOH(5mL)に溶解した。BuSnO(58mg、0.23mmol、1.05当量)を添加して、反応混合物を80℃で4時間還流した。この時間の後、溶媒を減圧蒸発させて、粗製の残渣を高真空下で5時間乾燥させた。該粗製の残渣を、Arの下で無水1,2−ジメトキシエタン(DME、2.5mL)に溶解した。無水CsF(67mg、0.44mmol、2.0当量)およびトリフラート74(175mg、0.44mmol、2.0当量)を添加した。Arの下、rtで一晩撹拌した後、溶媒を減圧蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(Tol/EtOAc 8:2)により、アルコール75(35mg、50μmol、23%)を生成した。
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.36−7.23(m,20H),5.19(d,1H),5.10(d,1H),4.95(d,1H),4.94(d,1H),4.67(d,1H),4.64(d,1H),4.63(d,1H),4.58(1d,1H),4.44(d,1H),4.16(dd,1H),3.79(m,1H),3.77(d,2H),3.73(dd,1H),3.53(m,1H),3.39(t,1H),3.30(dd,1H),1.70−1.45(m,8H),1.06−0.97(m,3H),0.86−0.76(m,2H)。
MS(ESI):m/z717.60(C4350Na[M+Na]の計算値:m/z717.34)。
3−O−((1S)−1−カルボキシ−2−シクロヘキシル−エチル)−α,β−D−ガラクトピラノース(76):
THF/HO(4:1、1.0mL)中のベンジル75(25mg、40μmol)の脱気した(degazed)溶液に、Ar下でPd(OH)/C(10mg)を添加した。反応混合物をH雰囲気下で一晩撹拌した。この時間の後、反応混合物をPTFE Acrodisc 0.45μm膜でろ過して、減圧濃縮した。HO中のMeOH(0→100%)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより、対応するウロナート76(8.5mg、25μmol、63%)を綿状の白色固体として得た。
α−アノマーは、H−NMR(500MHz,DO)δ5.17(d,1H),4.20(dd,1H),4.01−3.97(m,2H),3.83(dd,1H),3.69−3.62(m,2H),3.61−3.58(m,1H),1.74−1.51(m,8H),1.19−1.07(m,3H),0.93−0.81(m,2H)、を有した。
β−アノマーは、H−NMR(500MHz,DO)δ4.50(d,1H),4.18(dd,1H),3.94(d,1H),3.69−3.62(m,2H),3.61−3.58(m,1H),3.51(dd,1H),3.40(dd,1H),1.74−1.51(m,8H),1.19−1.07(m,3H),0.93−0.81(m,2H)、を有した。
MS(ESI):m/z357.32(C1526Na[M+Na]の計算値:m/z357.16)。
N−(O−メチル−N−[2−(2−エチルチオ)プロピルチオ]ヒドロキシルアミノ)−3−O−((1S)−1−カルボキシ−2−シクロヘキシル−エチル)−β−D−ガラクトピラノシド(77):
NaOAc/AcOH緩衝液(2M、pH4.5、260μL)中のヘミアセタール76(8.8mg、26μmol)の溶液に、オキシアミン72(25mg、138μmol、5.2当量)およびEtOH(520μL)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で48〜72時間撹拌した。P2サイズ排除クロマトグラフィーと、その後の、逆相クロマトグラフィー(0%→100% HO中のMeOH)による精製により、化合物77(8.3mg、16.7μmol、64%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO)δ4.17(d,1H),4.00(dd,1H),3.94(dd,1H),3.88(t,1H),3.80(dd,1H),3.74(dd,1H),3.66−3.63(m,4H),3.46(dd,1H),3.15(m,1H),3.05−2.96(m,2H),2.82−2.69(m,5H),1.95−1.88(m,2H),1.81(m,1H),1.73−1.54(m,7H),1.21(m,3H),1.02−0.90(m,2H)。
MS(ESI):m/z496.37(C2138NS [M−H]の計算値:m/z496.20)。
GM4模倣体ポリマー(78):
DMF(116μL)中の5(2.38mg、11.6μmol)の溶液に、化合物77(1.60mg、3.22μmol、0.28当量)、水(10μL)およびDMF(24μL)中のDBU(2.6μL、17.4μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜3時間撹拌した後、チオグリセロール(3.0μL、34.8μmol、3.0当量)およびEtN(4.9μL、34.8μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、GM4模倣体ポリマー78(3.84mg、67%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ77に置換されたリジン側鎖のおよそ56%を含有した。
スキーム17:リンカーが具備されたHMK−1二糖58の合成
試薬および条件:a)BzCN、DMAP、4ÅMS、DCM、−78℃、74%;b)80、NIS、TfOH、DCM、−20℃、57%;c)NaOAc、MeOH、64%;d)SO・Pyr、DMF、82%;e)LiOH、THF/HO、83%;f)Pd(OH)/C、H、HO/MeOH、定量的量;g)72、AcOH/AcOH緩衝液、EtOH、40℃、33%;
ベンジル4−O−ベンゾイル−2,6−ジ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル(79):
無水DCM(26mL)中のジオール73(285mg、0.634mmol)の溶液を、Ar雰囲気下、新たに活性化した4Å MS上でrtで30分間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、BzCN(87mg、0.665mmol、1.05当量)およびDMAP(7.7mg、63μmol、0.1当量)を添加した。反応混合物をAr雰囲気下、−78℃で4時間撹拌した。反応物をMeOHでクエンチして、得られた懸濁液をろ過した。ろ液を10%NaHCO水溶液およびブラインで洗浄して、無水NaSOで乾燥させた。溶液をろ過して、減圧濃縮した。トルエン/EtOAc(95:5→9:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、アルコール79(260mg、0.469mmol、74%)を白色泡状物として生成した。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ8.12−7.10(m,20H),5.65(d,1H),5.02(d,1H),5.00(d,1H),4.71(d,1H),4.69(d,1H),4.57(d,1H),4.53(d,1H),4.46(d,1H),3.90−3.86(m,1H),3.87−3.84(m,1H),3.69−3.65(dd,1H),3.66−3.61(m,2H),2.42(d,1H)。
MS(ESI):m/z577.23(C3434Na[M+Na]の計算値:m/z577.22)。
ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−1−チオ−β−D−グルコピラノシドウロノ−3,6−ラクトン−(1→3)−4−O−ベンゾイル−2,6−ジ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシド(81):
無水DCM(1.0mL)中のアクセプター79(100mg、0.180mmol)およびドナー80(127mg、0.360mmol、2.0当量)の溶液に、NIS(164mg、0.728mmol、2.4当量)を添加した。反応混合物を−20℃に冷却して、TfOH(1.6μL、0.018mmol、0.1当量)を添加した。反応混合物を−20℃で1時間撹拌した。反応混合物をEtNで中和して、DCMで希釈し、10%Na水溶液およびブラインで洗浄して、無水NaSOで乾燥させた。懸濁液をろ過して、減圧濃縮した。トルエン/EtOAc(85:15→8:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、二糖81(82mg、0.103mmol、57%)を白色泡状物として生成した。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ8.09−8.06,7.56,7.46,7.37−7.22(m,20H),5.54(d,1H),5.37(s,1H),5.07(d,1H),5.03(d,1H),4.99(d,1H),4.92(t,1H),4.77(t,1H),4.70(d,1H),4.68(d,1H),4.51(d,1H),4.54(d,1H),4.56(d,1H),4.19(d,1H),4.03(dd,1H),3.92(dd,1H),3.84(dd,1H),3.75(dd,1H),3.58(dd,1H),2.11,1.82(2s,6H)
MS(ESI):m/z819.39(C444414Na[M+Na]の計算値:m/z819.26)。
ベンジル(メチル2,4−ジ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドウロナート)−(1→3)−4−O−ベンゾイル−2,6−ジ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシド(82):
ラクトン81(109mg、138μmol)を、無水DCM/MeOH(1:4、2.5mL)に0℃で溶解した。無水NaOAc(10mg、124μmol、0.9当量)を添加して、反応混合物を4℃で一晩撹拌した。この時間の後、混合物をAmberlyst H樹脂の添加により中和した。この懸濁液をろ過して、ろ液を減圧濃縮した。PE/Acet(75:25→7:3)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより、所望のアルコール82(73g、88.2μmol、64%)を白色泡状物として得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ8.07−8.03,7.60−7.55, 7.45,7.40−7.22(m,20H),5.67(d,1H),5.13(dd,1H),5.00(d,1H),4.98(d,1H),4.97(d,1H),4.74(dd,1H),4.71(d,1H),4.64(d,1H),4.56(d,1H),4.52(d,1H),4.48(d,1H),4.05(dd,1H),3.85(m,1H),3.84(d,1H),3.82(dd,1H),3.69(s,3H),3.65−3.62(m,2H),3.59(m,1H),2.70(d,1H),2.06(s,3H),1.79(s,3H)。
MS(ESI):m/z851.47(C454815Na[M+Na]の計算値:m/z851.29).
ベンジル(メチル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドウロナート)−(1→3)−4−O−ベンゾイル−2,6−ジ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシド(83):
無水DMF(0.4mL)中のアルコール82(72mg、87μmol)の溶液に、Arの下、0℃でSO・Py(41mg、26mmol、3.0当量)を添加した。rtで2時間撹拌した後、反応混合物をNaHCO(146mg)の添加によりクエンチして、反応混合物をrtで30分間撹拌した。懸濁液をろ過し、ろ液を濃縮して、溶媒をキシレンと共蒸発させた。DCM/MeOH(95:5→9:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより、スルファート83(67mg、72μmol、82%)を得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ7.98,7.52−7.45,7.40−7.20(m,20H),5.61(d,1H),5.19(t,1H),4.99(d,1H),4.98(d,1H),4.92(d,1H),4.83(t,1H),4.69(d,1H),4.63(d,1H),4.55(d,1H),4.50(d,1H),4.46(m,1H),4.45(d,1H),3.98(dd,1H),3.88(d,1H),3.83(t,1H),3.79(dd,1H),3.65(s,3H),3.63−3.52(m,2H),1.95(s,3H),1.75(s,3H)。
MS(ESI):m/z907.45(C454718[M−Na]の計算値:m/z907.25)。
ベンジル(3−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドウロン酸ナトリウム)−(1→3)−2,6−ジ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシド(84):
アセタート83(70mg、75μmol)を、THF/HO(10:1、1.8mL)の溶液に溶解した。反応混合物を0℃に冷却して、2.0MLiOH水溶液(0.4mL、115mmol、9.5当量)を緩徐に添加した。反応混合物を一晩撹拌して、緩徐にrtに到達させた。翌朝、反応物を、Amberlyst H樹脂の添加により中和した。反応混合物をろ過して、減圧濃縮した。HO中のMeOHで溶出する逆相クロマトグラフィー(0%→50%)により、対応するウロナート84(47mg、62μmol、83%)を白色泡状物として得た。
H−NMR(500MHz,MeOD)δ7.43−7.20(m,15H),4.92(d,1H),4.78(d,1H),4.77(d,1H),4.67(d,1H),4.62(d,1H),4.51(d,1H),4.59(d,1H),4.32(t,1H),4.12(d,1H),3.83(dd,1H),3.79−3.71(m,4H),3.68−3.64(m,2H),3.58(dd,1H)。
MS(ESI):m/z705.43(C333715[M−2Na+H]の計算値:m/z705.19)。
3−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドウロン酸ナトリウム−(1→3)−α,β−D−ガラクトピラノース(85):
O/MeOH(10:1、5.2mL)中のベンジル84(46mg、61μmol)の溶液に、Pd(OH)/C(20mg)を添加した。反応混合物をH雰囲気下で6時間撹拌した。この時間の後、反応混合物をPTFE Acrodisc 0.45μm膜でろ過して、減圧濃縮した。HOで溶出する逆相クロマトグラフィーにより、ウロナート85(29mg、60μmol、定量的量)を綿毛状の白色固体として得た。
α−アノマーは、H−NMR(500MHz,DO)δ5.30(d,1H),4.78(d,1H),4.35(t,1H),4.26(dd,1H),4.12(ddd,1H),4.00(m,2H),3.82(m,1H),3.77−3.70(m,3H),3.62(dd,1H)、を有した。
β−アノマーは、H NMR(500MHz,DO)δ4.78(d,1H),4.65(d,1H),4.35(t,1H),4.20(d,1H),3.82(dd,1H),3.77−3.70(m,5H),3.66(dd,1H),3.62(dd,1H)、を有した。
MS(ESI):m/z434.96(C121915[M−2Na+H]の計算値:m/z435.05)。
N−(O−メチル−N−(2−((2−エチルチオ)プロピルチオ]ヒドロキシルアミン)−(3−O−スルホ−β−D−グルコピラノシドウロン酸ナトリウム)−(1→3)−β−D−ガラクトピラノシド(58)
NaOAc/AcOH緩衝液(2M、pH4.5、235μL)中のヘミアセタール85(11.3mg、23.5μmol)の溶液に、オキシアミン72(21mg、117μmol、10当量)およびEtOH(450μL)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。P2サイズ排除クロマトグラフィーと、その後の逆相クロマトグラフィー(100%HO)による精製により、化合物58(5.07mg、7.88μmol、33%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO)δ4.80(d,1H),4.36(t,1H),4.24−4.17(m,2H),3.93(dd,1H),3.84(dd,1H),3.82(d,1H),3.80−3.74(m,2H),3.73(dd,1H),3.67(m,1H),3.65(s,3H),3.64(dd,1H),3.18(m,1H),3.03−2.96(m,5H),2.74(t,2H),1.94(t,2H)。
MS(ESI):m/z598.19(C183215 [M−2Na+H]の計算値:m/z598.04)。
スキーム18:HNK−1直鎖状ポリリジングリココンジュゲート86の合成
試薬および条件:a)i.5、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、87%
HNK−1ポリマー(86):
DMF(175μL)中の5(3.59mg、17.5μmol)の溶液に、化合物58(5.07mg、7.88μmol、0.45当量)、水(28μL)およびDMF(36μL)中のDBU(3.9μL、26μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜3時間撹拌した後、チオグリセロール(4.5μL、53μmol、3.0当量)およびEtN(7.3μL、53μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、1mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、HNK−1ポリマー86(7.4mg、87%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ58に置換されたリジン側鎖のおよそ40%を含有した。
スキーム19:HNK−1ポリリジンデンドリマーグリココンジュゲート86の合成
試薬および条件:a)(ClAc)O、DMF/2,6−ルチジン、89%;b)i.58、DBU、DMF/HO;ii.チオグリセロール、EtN、58%
クロロアセチル化デンドリマー(88):
ポリ−L−リジンデンドリマー(生成6、64の外部アミン基、TFA塩、10mg、41.8μmol)を、Ar下で無水DMF/2.6−ルチジン(4:1、130μL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、無水DMF(17μL)中の(ClAc)O(7.0mg、52μmol、1.25当量)の溶液を滴加した。反応混合物を4℃で一晩撹拌した。この時間の後、反応混合物をEtO/EtOH(1:1、2mL)の撹拌溶液に緩徐に添加することにより、デンドリマーを沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtO/EtOH(1:1)で洗浄して乾燥させ、クロロアセチル化デンドリマー88(7.2mg、89%)を灰白色の固体として得た。
H NMR(500MHz,DMSO)δ8.27(s,1H),8.17(s,1H),7.99(s,1H),7.81(s,1H),4.26(s,1H),4.19(s,1H),4.10(s,2H),4.02(s,2H),3.08−2.96(s,4H),1.66−1.17(m,12H)。
HNK−1/デンドリマー性(dentrimeric)ポリリジンコンジュゲート(89):
DMF(109μL)中の88(2.12mg、10.9μmol)の溶液に、化合物58(3.5mg、5.44μmol、0.5当量)、水(20μL)およびDMF(22μL)中のDBU(2.4μL、16μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜3時間撹拌した後、チオグリセロール(2.8μL、33μmol、3.0当量)およびEtN(4.6μL、33μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、2mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、HNK−1/デンドリマー性ポリリジンコンジュゲート89(3.54mg、58%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ58に置換されたリジン側鎖のおよそ48%を含有した。
スキーム20:HNK−1−オルチニンコンジュゲート93の合成
試薬および条件:a)i.樹脂OH、HO;ii.10%PTSA水溶液、91%;b)(ClAc)O、DMF/2,6−ルチジン、63%;c)58、DBU、その後、チオグリセロール、EtN、DMF/HO、61%
ポリ−L−オルニチンのトシル酸塩(91)
ポリ−L−オルニチン臭化水素酸塩(水0.25mlに溶解した25mg)を、陰イオン交換カラム(Ambersep 900水酸化物型、5×0.5cm)に通した。溶離液を10%p−トルエンスルホン酸(PTSA)水溶液で中和した。凍結乾燥により、ポリ−L−オルニチンのトシル酸塩(33.5mg、91%)を綿毛状の白色固体として得た。
H NMR(500MHz,DO)δ7.86(s,1H),7.48(t,2H),7.11(t,2H),4.15(s,1H),2.76(s,2H),1.75−1.46(m,4H)。
クロロアセチル化ポリ−L−オルニチン(92)
ポリ−L−オルニチン(33mg、116μmol)のトシル酸塩を、Arの下、無水DMF/2,6−ルチジン(4:1、360μL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、DMF(48μL)中の(ClAc)O(25mg、145μmol、1.25当量)の溶液を滴加した。反応混合物を4℃で一晩撹拌した。この時間の後、反応混合物をEtO/EtOH(1:1、4mL)の撹拌溶液に緩徐に添加することにより、ポリマーを沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtO/EtOH(1:1)で洗浄して乾燥させ、クロロアセチル化ポリ−L−オルニチン92(14mg、73μmol、63%)を灰白色固体として得た。
H NMR(500MHz,DMSO)δ8.24(s,1H),4.04(s,2H),3.88(m,1H),3.13(s,2H),2−04−1.38(m,6H)。
HNK−1ポリオルニチンコンジュゲート(93):
DMF(137μL)中の92(2.6mg、13.7μmol)の溶液に、化合物58(4.0mg、6.17μmol、0.45当量)、水(24μL)およびDMF(28μL)中のDBU(3.1μL、21μmol、1.5当量)の溶液を逐次添加した。rtで1〜3時間撹拌した後、チオグリセロール(3.6μL、41μmol、3.0当量)およびEtN(5.7μL、41μmol、3.0当量)を添加した。反応混合物をrtでさらに12〜24時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、2mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄し、乾燥させた。限外濾過(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa、5500rpm)により、さらなる精製を行った。凍結乾燥により、HNK−1ポリオルニチンコンジュゲート93(4.9mg、61%)を白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ58に置換されたオルニチン側鎖のおよそ60%を含有した。
スキーム21:ラクトース−リンカー5コンジュゲート56およびコンジュゲート97の合成
試薬および条件:a)72、AcOH/AcOH緩衝液、EtOH、40℃、78%;b)95、CsCO、DMF、75%;c)20%DMF中ピペリジン、64%
N−(O−メチル N−[2−[(2−エチルチオ]プロピルチオ]ヒドロキシルアミン)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(56)
NaOAc/AcOH緩衝液(2M、pH4.5、1.5mL)中のヘミアセタール94(107mg、0.297mmol)の溶液に、オキシアミン72(270mg、1.50μmol、5.0当量)およびEtOH(3.0mL)を添加した。反応混合物を、25〜40℃で24〜48時間撹拌した。この時間の後、溶媒を減圧蒸発させた。粗製の残渣を、Ar下でHO(5.0mL)に懸濁させた。DL−ジチオトレイトール(460mg、2.98mmol、10当量)を反応混合物に添加し、その後、1MNaOH水溶液を添加した(pHが一定して9になるまで)。rtで2時間撹拌した後、反応混合物をC18カラムへ直接ロードした。逆相クロマトグラフィー(0→100%、HO中MeOH)による精製により、化合物56(117mg、0.231mmol、78%)を綿毛状の白色固体として得た。
H−NMR(500MHz,DO)δ4.47(d,1H),4.23(d,1H),3.98(dd,1H),3.95(d,1H),3.86−3.77(m,3H),3.75(m,1H),3.71−3.60(m,4H),3.65(s,3H),3.56(dd,1H),3.55(m,1H),3.19(m,1H),3.01(m,1H),2.83(m,2H),2.79(m,2H),2.72(m,2H),1.92(m,2H)。
MS(ESI):m/z528.29(C183511NSNa[M+Na]の計算値:m/z528.15)。
N−(O−メチル N−[2−[(2−[2−フルオレニルメチルオキシカルバマート)エチル]エチルチオ]プロピルチオ]ヒドロキシルアミン)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(96)
チオール56(28mg、49μmol)を、無水DMF(1.0mL)に溶解した。その後、溶液を脱気した後、Arを流した。臭化物95(56mg、0.163mmol、3.3当量)およびCsCO(32mg、99μmol、2.0当量)を、反応混合物に添加した。Ar下、rtで2時間撹拌した後、反応混合物をC18カラムへ直接ロードした。HO中のMeOH(0%→95%)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより、対応するFmoc保護アミン96(28mg、37μmol、75%)を白色泡状物として得た。
H NMR(500MHz,MeOD)δ7.81−7.77(m,2H),7.73−7.65(m,2H),7.41−7.36(m,2H),7.33−7.29(m,2H),4.36(d,1H),4.05(d,1H),3.86−3.83(m,2H),3.81(d,1H),3.78(dd,1H),3.70(dd,1H),3.63(d,1H),3.61(s,3H),3.58(m,1H),3.57−3.50(m,5H),3.48(dd,1H),3.33(m,1H),3.12(m,1H),3.00−2.99(m,2H),2.94(dt,1H),2.75−2.62(m,6H),1.89−1.80(m,1H),1.72−1.63(m,1H)。
MS(ESI):m/z793.41(C355013Na[M+Na]の計算値:m/z793.26)。
N−(O−メチル N−[2−[2−[2−アミノエチル]エチルチオ]プロピルチオ]ヒドロキシルアミン)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド(97)
誘導体96(28mg、37μmol)を、Arの下で無水DMF(1.0mL)に溶解した。ピペリジン(0.2mL)を、Arの下でこの溶液に添加した。Arの下、rtで4時間撹拌した後、溶媒をトルエンと共蒸発させた(3回)。0.1%TFA水溶液中のMeOH(0%→60%)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより、対応するアミン97(13mg、23.7μmol、64%)を白色泡状物として得た。
H NMR(500MHz,DO)δ4.47(d,1H),4.23(d,1H),3.99(dd,1H),3.95(d,1H),3.85−3.76(m,3H),3.75(m,1H),3.71−3.59(m,4H),3.64(s,3H),3.56(dd,1H),3.55(m,1H),3.26(t,2H),3.18(m,1H),3.01(m,1H),2.92(t,2H),2.88−2.86(m,5H),2.73(t,1H),1.95−1.89(m,2H)。
MS(ESI):m/z549.31(C204111 [M+H]の計算値:m/z549.21)。
スキーム22:ラクトース−キトサンコンジュゲート100の合成
試薬および条件:a)56、DBU、DMF/HO、58%;b)0.1MNaOH水溶液、40℃、59%
キトサン誘導体(99)
DMF(0.4mL)中のクロロアセチル化キトサン98(5.0mg、12.2μmol)の溶液に、化合物56(24.0 mg、39.1μmol、3.2当量)およびDBU(7.0μL、48.8μmol、4.0当量)を逐次添加した。rtで2時間撹拌した後、反応混合物を50℃で1時間加熱した。この時間の後、HO(2μL)を添加して、反応混合物を50℃でさらに1時間撹拌した。生成物を、EtOH/EtO(1:1、4mL)の撹拌溶液への緩徐な添加により沈殿させた。沈殿物をろ別して、EtOHで洗浄して、乾燥させ、キトサンコンジュゲート99(12.8mg、58%)を白色固体として得た。
IR(KBr)ν3400(vs,b,OH),2926,2067,1734(COester),1651(COamide),1419,1382,1274,1207,1119,1076,1034,894,784,702,622,600
ラクトース−キトサンコンジュゲート(100)
キトサン誘導体99(16mg、8.9μmol)を、0.1MNaOH水溶液(0.32mL)に懸濁させた。懸濁液を40℃で90分間撹拌した。固体をろ別して、HO、EtOHおよびEtOで洗浄して乾燥させ、 ラクトース−キトサンコンジュゲート100(3.7mg、59%)を白色固体として得た。
IR(KBr)ν3436(vs,b,OH),2921,1648(COamide),1553,1377,1075,1034,894
スキーム23:ラクトース−ポリグルタミン酸コンジュゲート102の合成
試薬および条件:a)スルホ−NHS、EDC・HCl、NaHCO、リン酸緩衝液、45%
ラクトース−ポリグルタミン酸コンジュゲート(102)
リン酸緩衝液(100mM、pH5.0、81μL)中のポリ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(Alamanda Polymers社製、n=250、2.50mg、16.5μmol)の溶液に、リン酸緩衝液(100mM、pH5.0、417μL)中のN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(スルホ−NHS、60mg、0.26mmol、15.6当量)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、37mg、0.19mmol、11.5当量)の溶液を添加した。rtで15分間撹拌した後、アミン97(13mg、23.7μmol、1.4当量)を添加し、その後、飽和NaHCO水溶液を、pHが一定して7になるまで添加した。rtで2時間撹拌した後、エタノールアミンを、最終濃度10mMに達するように反応混合物に添加した。rtで10分間撹拌した後、反応混合物を限外濾過チューブ(Sartorius Stedim Vivaspinチューブ、6mL、分子量カットオフ10kDa)に移した。限外濾過(5500rpm)による精製および凍結乾燥により、ラクトース−ポリグルタミン酸コンジュゲート102(4.9mg、45%)を綿毛状の白色固体として得た。H NMRによれば、生成物は、炭水化物エピトープ56に置換されたグルタミン酸側鎖のおよそ100%を含有した。
患者の血清
ニューロパチー患者7名の血清を調べた。血清は全て、病院で抗ガングリオシド抗体に関して試験陽性であった。血清の抗ガングリオシド抗体力価を、Buhlmann Laboratories(Schonenbuch、スイス所在)のELISAアッセイにより決定した。血清は、Buhlmann Laboratories(Schonenbuch、スイス所在)またはUniversity Hospital Baselの臨床検査室(Basel、スイス所在)のいずれかから得た。神経免疫学的評価を行って抗ガングリオシド反応性陰性の個体の血清を、対照とした。本発明者らの研究での血清使用は、北西部および中部スイス倫理委員会により認可されている(EKNZ UBE−15/46)。
競合結合アッセイ
合成された炭水化物ポリマー6(GM1aエピトープ)、26(GD1bエピトープ)、および34(GT1aエピトープ)を、GanglioCombi(−Light) ELISAおよび/または化合物6の場合には抗GM1 ELISA(全てBuhlmann Laboratories(Schonenbuch、スイス所在)のキット)で試験した。ウシ馬尾由来の精製ガングリオシドでコーティングした96ウェルマイクロタイタープレートを、洗浄緩衝液(300μl/ウェル)で2回洗浄した後、8種の異なる濃度の炭水化物ポリマーを添加した(25μl/ウェル)。抗ガングリオシドIgGまたはIgM抗体を含有する患者血清を、適当な希釈率で添加して(25μl/ウェル)(2倍濃縮)、総容量50μl/ウェルを得た。プレートをプレートシーラーで覆い、4〜8℃で2時間インキュベートした。ウェルを洗浄緩衝液(300μl/ウェル)で3回洗浄した後、抗ヒトIgM抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートまたは抗ヒトIgG抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートのいずれかを添加した(100μl/ウェル)。プレートを4〜8℃で2時間インキュベートした。ウェルを洗浄した後(300μl/ウェルで3回)、テトラメチルベンジジンの基質溶液(過酸化水素を含むクエン酸緩衝液中のTMB)を添加して(100μl/ウェル)、プレートを遮光して、600rpmおよび室温でさらに30分間インキュベートした。最後に、停止溶液(0.25M硫酸)を添加して(100μl/ウェル)、発色反応の度合いを、マイクロプレートリーダー(Spectramax 190、Molecular Devices、米国カリフォルニア州所在)を用いた450nmでの吸収測定により決定した。
合成された炭水化物ポリマー86(HNK−1エピトープ模倣体58)を、抗MAG ELISA(Buhlmann Laboratories(Schonenbuch、スイス所在)のキット)で試験した。アッセイプロトコルは、上記のGanglioCombi(−Light) ELISAのプロトコルに従って実施した。ポリマー86のインビトロIC50を決定するために、ポリマー(25μl/ウェル)と、最終希釈率1:1000のマウスモノクローナル抗HNK−1(抗MAG)IgM抗体(25μl/ウェル)とのコインキュベーションによりアッセイを実施した。ポリマー86のインビボ有効性を決定するために、1:100希釈のマウス血漿のインキュベーションによりアッセイを実施した(50μl/ウェル)。免疫化BALB/cマウスの血漿中のマウスモノクローナル抗HNK−1(抗MAG)IgMおよび抗HNK−1(抗MAG)IgM(処置前および処置後)の両者を、1:10,000希釈したヤギ抗マウスIgM HRPコンジュゲート(Sigma Aldrich、A8786)で検出した。
抗MAGニューロパチーの免疫学的マウスモデル
6週齢の性別を一致させた野生型BALB/cマウスの背下部の複数の部位に、ウシ馬尾由来から精製したスフィンゴ糖脂質SGPGおよびSGLPG(いずれの糖脂質もHNK−1炭水化物エピトープを含有する)の全量100μgを皮下注射した。糖脂質の単離を、Burgerら(Journal of Immunological Methods 1991, 140, 31−36)によって記載されたプロトコルに従って実施した。これらの糖脂質をPBSに溶解し、KLH (最終濃度1.4mg/ml) と混合して、同容量のTiterMax(登録商標)Goldで乳化した。2回の追加免疫注射を、KLHおよびTiterMax(登録商標)Goldと混合した精製SGPG/SGLPG 20μgにより、2および4週間後に実施した。血液試料を尾静脈穿刺により採取して、0.5M EDTA 1μlを含有する試験管に移して、1,800rpmで15分間遠心分離した。上清(血漿)を新しい試験管に移して、−55℃で貯蔵した。PBSに溶解した糖鎖ポリマー86を、尾静脈のi.v.注射により投与した。マウス血漿試料を、上記の抗MAG ELISAにより分析した。
示された通り、合成された炭水化物ポリマー6(GM1aエピトープ)、26(GD1bエピトープ)、および34(GT1aエピトープ)を、GanglioCombi(−Light) ELISAおよび/または化合物6の場合には抗GM1 ELISA(全てBuhlmann Laboratories(Schonenbuch、スイス所在)のキット)で試験した。これらのELISAは、免疫介在性ニューロパチーの臨床診断を裏づけるために用いられる。該アッセイは、患者の血清試料中の抗ガングリオシドIgM/IgG抗体力価(例えば、ガングリオシドGM1、GD1a、およびGQ1b)の決定を可能にする。本発明者らは、これらのELISAを競合結合アッセイとして用いた。合成された化合物および患者の血清試料(抗ガングリオシド抗体を含有)を、ウシ馬尾由来の精製ガングリオシドでコーティングした96ウェルプレートに入れた。固定されたガングリオシドおよび該合成化合物が、抗ガングリオシド抗体への結合に関して競合した。洗浄ステップの後、ガングリオシド結合抗体(IgM/IgG)を、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgMまたは抗ヒトIgG抗体と、その後の発色反応により検出した。該化合物は、抗ガングリオシド抗体の結合部位を遮断して、固定されたガングリオシドへの結合を防止するため、該化合物とガングリオシドとの競合が成功すれば、測定されるOD450nm(光学密度)が減少した。このアッセイの原理を、図1に示す。この化合物の評価のために、臨床検査室のルーチン分析の際に抗ガングリオシド反応に関して試験陽性であった患者7名(抗GM1a:PP IgG Pos.、P21、P3、P4;抗GD1b:P22;抗GQ1b:EK−GCO 1803、P23)の血清を選択した。IgGおよびIgM抗体力価を、予備実験で各血清について決定した。抗体濃度依存性であるIC50測定値(半数阻害濃度)を比較できるように、およそ1.0(0.7〜1.3)のOD450nm測定値の血清希釈物を、アッセイ用に選択した。血清希釈物:PP IgG Pos. 1:1,200、P21 1:1,300、P3 1:50、P4 1:400、P22 1:50、EK−GCO 1803 1:300、P23 1:50。陰性対照とされた血清(希釈率1:50)は、ガングリオシドに結合する抗体を示さなかった。
化合物6のIC50値を、血清PP IgG Pos.(IgG)、P21(IgG)、P3(IgM)およびP4(IgM)について測定した。化合物26は、血清P22(IgG)で評価した。化合物34のIC50値は、血清EK−GCO 1803(IgG)およびP23(IgG)で決定した。結果を以下の表に示す。阻害曲線は、図2に示す。
本発明のポリマー6、26、34は、GM1a−、GD1b−、およびGT1a−ガングリオシドの天然糖鎖エピトープを模造した糖鎖ポリマーである。これらおよび他の糖鎖エピトープは、自己免疫性神経疾患に関与し、つまりそれらは、脱髄および神経変性を惹起する抗体の標的である(H. J. Willison and N. Yuki, Brain, 2002, 125, 2591−2625)。調製された糖鎖ポリマーは、生分解性ポリ−L−リジン骨格に基づいており、これらのポリマーにより病原性抗グリカン抗体を選択的に中和および除去することができる、患者の治療適用に向けて設計される。
調製された糖鎖ポリマーの生物学的評価のために、患者血清を用いた。これらの血清は、抗ガングリオシド抗体に関して病院で試験陽性であった。合成糖鎖ポリマーは、コンジュゲートにより示されるガングリオシドエピトープに対して抗体反応を示す血清(例えば、PL(GM1a)28ポリマー6の評価に関して、抗GM1a IgGまたはIgM抗体を有する血清)で試験した。競合結合ELISAアッセイにおける生物学的特徴づけの際に得られたIC50値から、同じ糖鎖エピトープに対する反応性を有する異なる患者からの抗ガングリオシド抗体が、糖鎖ポリマーの中和効果が異なることが示された。これはおそらく、異なる患者間の抗体特性(アイソタイプ、親和性、特異性、血清濃度、モノクローナル/ポリクローナルなど)の個体間の差によるものである。しかし糖鎖ポリマーの阻害効果は、異なるガングリオシドに対する抗体反応性で与えられる。さらに、化合物6で示されたデータから、特異的糖鎖エピトープを模倣する糖鎖ポリマーが、異なるアイソタイプの抗体、例えばIgGおよび/またはIgM型の抗体を中和し得ることが示される。部分的な糖鎖エピトープ構造が、抗ガングリオシド抗体への親和性を保持するのに十分であり得ることが認められたことも、興味深い。これは、抗体がGQ1bエピトープを標的とする(例えばミラー・フィッシャー症候群およびビッカースタッフ脳幹脳炎の特徴)、GT1a−グリココンジュゲート34と血清EK−GCO 1803(IgG)およびP23(IgG)との競合結合アッセイにあてはまる。コンジュゲート34により示されたGT1aエピトープが、GQ1bガングリオシドと比較して1つのシアリル酸を欠く場合でも、GQ1bに対する抗体を示した患者血清は、糖鎖ポリマー34により中和された。
化合物86のIC50値を、マウスモノクローナル抗HNK−1 IgM抗体について決定した。この抗体は、抗MAGニューロパチー患者のモノクローナル抗MAG IgG抗体と同等の、HNK−1糖鎖エピトープとの反応性を示す。結果を以下の表2に示す。阻害曲線は、図2Eに示す。
本発明のポリマー86は、スフィンゴ糖脂質SGPGおよびSGLPGの一部として末梢神経系に存在する天然の三糖糖鎖エピトープHNK−1だけでなく、糖タンパク質MAGを模造する糖鎖ポリマーである。このHNK−1糖鎖エピトープは、神経障害抗MAGニューロパチーにおける自己免疫攻撃の標的である。調製された糖鎖ポリマーは、平均400のリジンからなり、リジン側鎖の40%にHNK−1模倣体58が担持されている、生分解性ポリ−L−リジン骨格に基づいている。側鎖の残り60%は、ポリマーの水溶性を改善するためにチオグリセロールでキャップされている。該ポリマーは、病原性抗HNK−1(MAG/SGPG/SGLPG)抗体がこのポリマーによって選択的に中和および除去され得るように、抗MAGニューロパチー患者(または同一もしくは類似の抗体を有する他の神経疾患の患者)における治療適用に向けて設計されている。ポリマー86は、マウスモノクローナル抗HNK−1 IgMの、MAG上のHNK−1エピトープへの結合をナノモル濃度で阻害する(表2)。ポリマー86の治療的有用性は、インビボデータによりさらに裏づけられている(図3)。化合物PL(HNK−1模倣体(58))40を、誘導された高レベルの抗HNK−1(抗MAG)IgG抗体で免疫化されたBALB/cマウス(n=6)へ静脈内投与した。これらのマウス抗体は、抗MAGニューロパチー患者の病原性ヒト抗HNK−1(抗MAG)IgM抗体のモデルである。10mg/kg用量またはポリマー86は、投与後7日までに、マウス抗HNK−1(抗MAG)IgM抗体のレベルを有意に低下させた。

Claims (15)

  1. 炭水化物部分およびリンカーZを含む化合物であって、前記炭水化物部分が、神経系のスフィンゴ糖脂質で構成される糖鎖エピトープを模倣しており、
    前記リンカーZが、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここで
    が、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;
    Aが、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rが、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pが、0〜6であり、好ましくはpが、1、2または3であり、さらに好ましくはpが、1であり;
    Bが、NHC(O)、SまたはCHであり;
    qが、0〜6であり、好ましくはqが、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqが、1または2であり;
    前記リンカーZが、前記炭水化物部分の還元末端に−N(R)−基を介して共有結合している、化合物。
  2. 式(I)または式(II)の化合物であって、
    式(I)が、
    (式中、RI1は、Zまたは
    であり;
    I2は、H、SOH、または
    であり;
    I3は、Hまたは
    であり;
    I4は、Hまたは
    であり;
    I5およびRI6は、独立して、Hまたは
    であり;
    I7は、Hまたは
    である)であり;
    式(II)が、
    (式中、RII1は、Zまたは
    であり;
    II2は、Zまたは
    である)であり;
    Zが、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここで
    が、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;
    Aが、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rが、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pが、0〜6であり、好ましくはpが、1、2または3であり、さらに好ましくはpが、1であり;
    Bが、NHC(O)、SまたはCHであり;
    qが、0〜6であり、好ましくはqが、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqが、1または2である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(I)の化合物である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(II)の化合物である、請求項1または2に記載の化合物。
  5. 式4、9、13、17、21、25、29、33、または46〜60のいずれか1つ:
    (式中、Zは、−N(R)−A−B−CH−(CH−SHであり、ここで
    は、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、CH、CHCH、OCH、またはOCHCHであり;
    Aは、C〜C−アルキレン、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル−(OCHCHO−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシ−Rであり、Rは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、pは、0〜6であり、好ましくはpは、1、2または3であり、さらに好ましくはpは、1であり;
    Bは、NHC(O)、SまたはCHであり;
    qは、0〜6であり、好ましくはqは、1、2、3または4であり、さらに好ましくはqは、1または2である)の化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. が、H、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、CH、OCHであり;
    Aが、O(CHCH、(CHCH、CH(OCHCHOCH、(OCHCHOCHCHまたはO(CHであり;
    Bが、NHC(O)、SまたはCHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記リンカーZが、式(a)〜(g):
    (式中、pは、0〜6の間、好ましくは1〜3、特に1であり、qは、0〜6の間、好ましくは1〜4の間、特に1または2である)のいずれか1つから選択される式のリンカーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 式4、9、13、17、21、25、29、33、37、41、44、56、58または77
    の化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の複数を含むポリマーであって、前記化合物が、前記リンカーZによってポリマー骨格に連結されており、前記連結が、前記リンカーZのSH−基を介してもたらされ、前記化合物の複数が、(i)複数の式(I)の化合物、(ii)複数の式(II)の化合物、または(iii)複数の式(I)および式(II)の化合物であり、前記化合物(I)および(II)が、請求項2〜8のいずれか1項に定義される、ポリマー。
  10. 前記ポリマー骨格が、α−アミノ酸ポリマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸ポリマーもしくはコポリマー、N−ビニル−2−ピロリドン−ビニルアルコールコポリマー、キトサンポリマー、またはポリホスファゼンポリマーであり、好ましくは前記ポリマー骨格が、α−アミノ酸ポリマーであり、さらに好ましくは前記ポリマー骨格が、α−アミノ酸ポリマーであり、前記α−アミノ酸ポリマーの前記α−アミノ酸が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸である、請求項9に記載のポリマー。
  11. 前記ポリマー骨格が、ポリリジンであり、好ましくは前記ポリマー骨格の分子量が、1,000Da〜300,000Daである、請求項9または10に記載のポリマー。
  12. ポリマー骨格上への前記化合物の炭水化物部分の担持(loading)の割合%が、10〜90%の間、好ましくは20〜70%の間、特に30〜60%の間である、請求項9〜11のいずれか1項に記載のポリマー。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、好ましくは請求項2〜8のいずれか1項に記載の式(I)もしくは(II)の化合物、または請求項9〜12のいずれか1項に記載のポリマー、を含む医薬組成物。
  14. 神経疾患を処置する方法において使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、好ましくは請求項2〜8のいずれか1項に記載の式(I)もしくは(II)の化合物、または請求項9〜12のいずれか1項に記載のポリマー、または請求項13に記載の医薬組成物であって、好ましくは前記神経疾患が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症および免疫介在性ニューロパチーから選択され、好ましくは前記免疫介在性ニューロパチーが、ギラン・バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、ミラー・フィッシャー症候群、ビッカースタッフ脳幹脳炎、多巣性運動ニューロパチーまたは抗MAGニューロパチーから選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、好ましくは請求項2〜8のいずれか1項に記載の式(I)もしくは(II)の化合物、または請求項9〜12のいずれか1項に記載のポリマー、または請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 好ましくは免疫介在性ニューロパチーである、神経疾患の診断の方法において使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、好ましくは請求項2〜8のいずれか1項に記載の式(I)もしくは(II)の化合物、または請求項9〜12のいずれか1項に記載のポリマー、または請求項13に記載の医薬組成物。
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