JP2018533903A - ブラシレスdcモータを備えるリニアアクチュエータ - Google Patents

ブラシレスdcモータを備えるリニアアクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP2018533903A
JP2018533903A JP2018523028A JP2018523028A JP2018533903A JP 2018533903 A JP2018533903 A JP 2018533903A JP 2018523028 A JP2018523028 A JP 2018523028A JP 2018523028 A JP2018523028 A JP 2018523028A JP 2018533903 A JP2018533903 A JP 2018533903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
drive circuit
waveform
permanent magnet
linear actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018523028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6941607B2 (ja
Inventor
バストルム、イェッペ、クリスチャン
Original Assignee
リナック エー/エス
リナック エー/エス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リナック エー/エス, リナック エー/エス filed Critical リナック エー/エス
Publication of JP2018533903A publication Critical patent/JP2018533903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6941607B2 publication Critical patent/JP6941607B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/08Arrangements for controlling the speed or torque of a single motor
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K7/00Arrangements for handling mechanical energy structurally associated with dynamo-electric machines, e.g. structural association with mechanical driving motors or auxiliary dynamo-electric machines
    • H02K7/06Means for converting reciprocating motion into rotary motion or vice versa
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/14Electronic commutators
    • H02P6/16Circuit arrangements for detecting position
    • H02P6/17Circuit arrangements for detecting position and for generating speed information
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2205/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the control loops
    • H02P2205/07Speed loop, i.e. comparison of the motor speed with a speed reference
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2207/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the type of motor
    • H02P2207/05Synchronous machines, e.g. with permanent magnets or DC excitation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

リニアアクチュエータは、ブラシレスDCモータと(31)と、モータ(31)に多相電圧信号を供給するための駆動回路(51)と、ロータ位置を検出して、それに基づいて制御信号を駆動回路(51)に供給するためのコントローラ(58)と、を含む。検出回路部(61)は、ロータ速度を示す示唆信号を検出する。コントローラ(58)は、ロータ速度が所定の速度を超えていないことを示唆信号が示す場合には、第1波形の多相電圧信号でモータを駆動するよう駆動回路(51)を制御し、ロータ速度が所定の速度を超えていることを示唆信号が示す場合には、第2波形の多相電圧信号でモータを駆動するよう駆動回路(51)を制御するよう構成されている。第2波形は、第1波形による駆動よりも低い効率でモータ(31)を駆動するように選択されたものである。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ブラシレスDCモータ、駆動回路及びコントローラを含むリニアアクチュエータと、少なくとも1つのリニアアクチュエータを含むアクチュエータシステムと、ブラシレスDCモータ、駆動回路及びコントローラを含むリニアアクチュエータの制御方法と、に関する。また、本発明は、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体にも関する。
リニアアクチュエータは、典型的には電気モータによる回転運動を、機械装置の直線運動に変換する装置である。一般的なリニアアクチュエータは、可逆電気モータ、典型的にはいくつかの減速段数を有するトランスミッション又は減速ギア、スピンドルナット及び作動部材(activation element)を含む。モータでスピンドルを回転させると、スピンドルナットがスピンドルに沿って移動し、これにより回転が作動部材の直線運動に変換される。
リニアアクチュエータに含まれる可逆電気モータには、様々な種類のモータが利用可能である。従来から最も多く利用されてきたモータの種類は、標準的なブラシ付きDCモータである。その理由は、設計の単純さ及び低コスト、並びに、DC電圧又はパルス幅変調電圧によって直接に速度制御が可能なことにある。ただし、ブラシレスDCモータを用いたリニアアクチュエータも知られており、その一例が、LogicData社に付与された米国特許第9093930号に記載されている。設計が異なって機械的なブラシを含まないことにより、ブラシレスDCモータは、より効率が高く、より信頼性が高く、より電磁干渉が少ない。半面、このモータは、よりコストが高く、より複雑な制御回路を必要とする。
リニアアクチュエータシステムは、例えば、トラック、農業機械、産業オートメーション機器、病院ベッドや介護ベッド、レジャーベッドや椅子、テーブル、その他の家具における高さ調節などの様々な用途、及び、これに類する他のいくつかの用途で利用されている。このような用途は、負荷を垂直方向に移動させるものが多く、リニアアクチュエータに、引張荷重と圧縮荷重の両方が、動的にも、静的にも作用しうる。特に、重量の大きな負荷の場合、負荷を上に持ち上げるには、負荷を下に降ろすのに比べてかなり大きなエネルギーを必要とする。換言すると、電気モータは、負荷を上方に移動させる時は、同じ負荷を下方に移動させる時よりも高いトルクを供給する必要がある。アクチュエータのスピンドルがセルフロックタイプ(self-locking)でない場合、負荷の降下に際し、スピンドルが、ひいては、負荷が、予定速度を超える速度に加速することを防止できる制動が必要である。
リニアアクチュエータのスピンドルがセルフロックタイプであるか、非セルフロックタイプであるかは、スピンドルのねじのピッチに依存する。ねじピッチが摩擦角より小さければ、そのスピンドルはセルフロックタイプであり、ねじピッチが摩擦角より大きければ、そのスピンドルは非セルフロックタイプである。なお、摩擦角は、材料、材料の機能、潤滑性、温度、例えば振動のような動的条件など、様々な要因に依存する。さらに、静摩擦と動摩擦の違いもあり、静摩擦は動摩擦よりも大きい。
リニアアクチュエータでは、非セルフロックタイプスピンドルの方がセルフロックタイプスピンドルよりも好ましい場合が多い。その理由の1つに、非セルフロックタイプスピンドルが、セルフロックタイプスピンドルに比べて高い効率で動作可能なこと、つまり、駆動に多くのエネルギーを消費する構成ではないことがある。他の理由として、非セルフロックタイプのスピンドルは、ねじピッチが大きいので、セルフロックタイプのスピンドルよりも高速で動作可能であり、よって、より調節を迅速に行えることがある。ただし、上述したように、非セルフロックタイプスピンドルを用いたリニアアクチュエータには、制動手段を設けて、所定の調節速度を超えることを防止したり、所定の位置を保持できるようにする必要がある。なお、調節速度に関し、非セルフロックタイプスピンドルを使用する場合、例えば、万が一、制動手段が故障した場合などには、回転を制御できなくなるリスクが潜在する。そのような場合、作動部材に(即ち、スピンドルナットに)作用する荷重によってスピンドルが回転し始め、この結果、作動部材がスピンドルの下端に向かって加速しながら移動する。従って、機械的な制動手段は、リニアアクチュエータ及び/又はリニアアクチュエータを備える装置の損傷を回避できるものでなければならない。
リニアアクチュエータに使用される機械的な制動手段としては、様々な種類のものが知られている。
既知の種類の制動機構の1つに、2つの円筒部材を円筒形コイルばねで相互に連結したものがある。これら2つの円筒部材の間に、ニードルベアリング(needle bearing)を配置し、2つの円筒部材のうちの一方の自由端と固定箇所との間に、摩擦円盤を設ける。スピンドルの回転の一方向においては、即ち、負荷を上方に移動させるときは、2つの円筒部材の相互連結が解除され、スピンドルは自由に回転できる。回転の逆方向においては、即ち、負荷を下方に移動させるときは、2つの円筒部材は互いに連結され、よって、摩擦円盤が作用してスピンドルを制動する。この制動機構は、制動機能に関しては問題ないものの、比較的多くの部品を含み、比較的高価であり、多くのスペースを占める。
より簡易な他の制動機構に、スピンドル端部の円筒部材、又は、トランスミッションの歯車の周りに、円筒コイルばねを配置したものがある。スピンドルの回転の一方向においては、即ち、負荷を上方に移動させるときは、ばねがゆるんで円筒部材から離れ、スピンドルは自由に回転できる。これは、巻き方向を有するばねが、回転の影響でばねの直径が広がって、ばねが円筒部材からほどけるように向けられて配置されていることによる。スピンドルが逆方向に回転するとき、即ち、負荷を下方に移動させるときは、ばねが円筒部材の周りに締め付けられ、制動力が作用する。よって、モータの電源を遮断しても、スピンドルは、そのままの状態に維持される。この制動力は、作動部材を初期位置に戻す際には、モータによって打消すことができるような大きさに調節されている。よって、制動機構は、作動部材を初期位置に向けて戻す際に作用し、つまり、制動機構は、作動部材の戻り速度を減衰させる。この制動機構では、ばねが実際に制動機構として機能し、つまり、ばね自体が制動力を付与する構成である。このような制動機構は、LINAK社に付与されたEP特許第0662573号に記載されている。この制動機構は、効果的であり、比較的安価である。
しかしながら、機械式の制動機構は、追加の機械部品を必要とするので、追加のコストがかかり、リニアアクチュエータシステムが占める空間も大きくなる。また、追加の機械部品に機械的な摩耗も生じるので、数ある部品の中でも制動部品の摩擦は潤滑状態及び温度に依存するという事実と相まって、制動力に経時的な変化が生じさせることになりがちである。
したがって、本発明の実施形態は、負荷の下方移動に際し、重量の大きな負荷によって非セルフロックタイプのスピンドルが予定速度を超える速度に加速した場合に、機械的な制動機構に依らずに必要なブレーキ効果を作用させることができるリニアアクチュエータを提供することを目的とする。このようにすれば、機械的な制動機構の欠点を低減又は回避することができる。
本発明の実施形態によれば、複数のステータコイル及び永久磁石ロータを含むブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータの前記ステータコイルに多相電圧信号を供給するよう構成された駆動回路と、前記永久磁石ロータの位置を検出し、当該ロータ位置に基づいて、前記駆動回路に制御信号を供給するコントローラと、を含むリニアアクチュエータにより上記目的が達成される。上記目的を達成するために、前記リニアアクチュエータは、さらに、前記永久磁石ロータの回転速度を示す示唆信号を検出する検出回路部を含む。前記コントローラは、さらに、前記永久磁石ロータの前記回転速度が所定の速度を超えていないことを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第1波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御し、前記永久磁石ロータの前記回転速度が前記所定の速度を超えていることを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第2波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御するよう構成されている。前記第2波形は、前記モータを、前記第1波形で駆動した場合の当該モータの効率よりも低い効率で駆動するように選択されたものである。
ブラシレスDCモータは、制動効果が不要な場合は第1波形で駆動され、速度の増加が検出されると、モータの効率を低下させる他の波形で駆動され、モータのエネルギーが放出され、この結果、所望の制動効果が達成される。
いくつかの実施形態において、前記ブラシレスDCモータは、台形波の逆起電力を有するタイプのものである。前記コントローラ及び前記駆動回路は、前記ロータ位置に基づいて決定されるタイミングで、相電流を前記ステータコイル間で整流することで前記第1波形の前記多相電圧信号を供給するように構成されており、よって、前記多相電圧信号は、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する周波数を有する。
他の実施形態において、前記ブラシレスDCモータは、正弦波の逆起電力を有するタイプのものである。前記コントローラ及び前記駆動回路は、前記第1波形の前記多相電圧信号を前記ロータ位置に基づいて供給することで、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する周波数を有する多相正弦波電圧信号として供給するよう構成されている。
前記リニアアクチュエータの一実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記ロータ位置に基づいて決定される前記タイミングとは異なるタイミングで、少なくとも1つの相電流を整流することによって、前記第2波形を供給するよう構成されている。ある相から他の相への整流のタイミング又は角度位置を遅延又は先行させると、前記モータにより生成されるトルクが、ひいては、モータ効率が低下し、その結果、制動効果が達成される。
前記リニアアクチュエータの他の実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記多相電圧信号の周波数を、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する前記周波数とは異なる周波数に、所定の期間にわたって変更することによって、前記第2波形を供給するよう構成されている。多相電圧信号の周波数が変化すると、前記ブラシレスDCモータの前記ステータコイルにより生成される回転磁界と、前記ロータの回転との同期が外れる。これにより、トルクの生成及びモータの効率が低下し、制動効果が達成される。
前記リニアアクチュエータの他の実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記多相電圧信号に対して、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する前記周波数よりも高い周波数を有する信号を重畳することによって、前記第2波形を供給するよう構成されている。
この実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記高い周波数の信号を所定の期間にわたって、あるいは、前記永久磁石ロータの前記回転速度を示す前記示唆信号に基づいて決定される期間にわたって重畳するよう構成されている。あるいは、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記高い周波数の信号を、前記永久磁石ロータの前記回転速度を示す前記示唆信号に基づいて決定される振幅で重畳するよう構成されている。
アクチュエータシステムは、上述のリニアアクチュエータを少なくとも1つ含む。これにより、当該アクチュエータシステムは、上述したリニアアクチュエータの効果を享受することができる。
上述のように、本発明は、さらに、リニアアクチュエータの制御方法に関し、前記リニアアクチュエータは、複数のステータコイル及び永久磁石ロータを含むブラシレスDCモータと、駆動回路と、コントローラと、を含む。当該方法は、前記駆動回路から前記ブラシレスDCモータの前記ステータコイルに多相電圧信号を供給し、前記永久磁石ロータの位置を検出し、当該ロータ位置に基づいて、前記駆動回路に制御信号を供給し、前記永久磁石ロータの回転速度を示す示唆信号を検出し、前記永久磁石ロータの前記回転速度が所定の速度を超えていないことを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第1波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御し、前記永久磁石ロータの前記回転速度が前記所定の速度を超えていることを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第2波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御する、各ステップを含む。前記第2波形は、前記モータを、前記第1波形で駆動した場合の当該モータの効率よりも低い効率で駆動するように選択される。
ブラシレスDCモータは、制動効果が不要な場合は第1波形で駆動され、速度の増加が検出されると、モータの効率を低下させる他の波形で駆動され、モータのエネルギーが放出され、この結果、所望の制動効果が達成される。
本発明は、また、コンピュータプログラムであって、コンピュータで実行されると、上述の前記方法の前記ステップを実行させるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムにも関する。また、コンピュータで実行されると、上述の前記方法を実行させるプログラムコード手段を格納したコンピュータ可読媒体にも関する。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
アクチュエータシステムを用いた機械装置である。 リニアアクチュエータの実施例を示す模式図である。 リニアアクチュエータの他の実施例を前側から見た斜視図である。 図3のアクチュエータの縦断面を示す図である。 3相ブラシレスDCモータの実施例の模式的な構成を示す図である。 ブラシレスDCモータの駆動回路及び制御回路を示す図である。 3相ブラシレスDCモータにおける台形波の逆EMFの例を示す図である。 台形波の逆起電力を有する3相ブラシレスDCモータにおける3つの相間のモータ電流の切り換えの様子と、モータの生成トルクと、を示す図である。 図5のブラシレスDCモータにおけるモータ電流の整流の様子を示す図である。 3相ブラシレスDCモータにおける正弦波の逆起電力の例を示す図である。 正弦波の逆起電力を有する3相ブラシレスDCモータにおける3つの相間のモータ電流の切り換えの様子と、モータの生成トルクと、を示す図である。 ブラシレスDCモータ用の駆動回路と、速度検出器を備える制御回路と、を示す図である。 ブラシレスDCモータの効率を下げるべく、当該モータにおけるある相から別の相へ整流を、ホール効果センサにより提示される角度位置とは異なる角度位置で行う様子を示す図である。 ブラシレスDCモータの効率を下げるべく、当該モータに印加する波形をどのように調節するか示す図であり、印加する3相電圧の周波数を短期間だけ高くしていることが示されている。 ブラシレスDCモータの効率を下げるべく、当該モータに印加する波形をどのように調節するか示す図であり、必要なブレーキ効果に基づく期間だけ、高い周波数の信号を通常の3相電圧に重畳して印加していることが示されている。 ブラシレスDCモータの効率を下げるべく、当該モータに印加する波形をどのように調節するか示す図であり、必要なブレーキ効果に基づいて決定される振幅を有する高い周波数の信号を通常の3相電圧に重畳して印加していることが示されている。 ブラシレスDCモータを備えるリニアアクチュエータを、当該モータの効率を下げるように制御する方法を示すフローチャートである。
図1a及び図1bは、本発明を利用可能なアクチュエータシステムを用いる機械装置1を示す図である。装置1は、例えば、トラック、農業機械、産業オートメーション機器、病院ベッドや介護ベッド、レジャーベッドや椅子、テーブル、その他の家具における高さ調節などのいくつかの異なる用途、及び、これに類する他のいくつかの用途のいずれであってもよい。装置1は、リニアアクチュエータ2を含み、これは、ベース4と、負荷6が載置されている支持要素(carrying element)5との間に配置されている。あるいは、装置1は、2つ以上のリニアアクチュエータを含んでもよい。このようなアクチュエータは、負荷や物体を水平方向に移動させるためにも利用可能であるが、本明細書では、負荷を垂直方向、あるいは、少なくとも非水平方向に移動させる用途について説明する。このような用途では、リニアアクチュエータには、圧縮負荷と引張負荷(push and pull loads)の両方が、動的にも、静的にも作用しうる。リニアアクチュエータを図1a及び図1bに示すような垂直方向に配置することは、負荷を垂直方向に移動させるために必須ではない。リンク機構を用いれば、例えば、水平方向など、他の位置関係で配置したリニアアクチュエータによって垂直方向の移動を実現することができる。
図1aでは、支持要素5及び負荷6は下降位置に示されているが、図1bでは、支持要素5及び負荷6は、リニアアクチュエータ2によって上昇位置まで持ち上げられている。
図2は、図1a及び図1bに示すリニアアクチュエータ2に対応するリニアアクチュエータ10の実施例を模式的に示す。リニアアクチュエータ10は、可逆電気モータ12、典型的にはいくつかの減速段数を有するトランスミッション又は減速ギア13、ねじ部15を有するスピンドル14、ねじ部15に係合したスピンドルナット16、及び、筒状の作動部材17を含む。作動部材17の一端には、取り付けブラケット18が配置されており、これは、リニアアクチュエータ10を、例えば、支持要素に取り付けるためのものである。モータ12によってスピンドル14を回転させると、スピンドルナット16がスピンドル14に沿って移動し、これにより回転が作動部材17の直線運動に変換される。モータの種類によっては、可逆電気モータ12がスピンドル14を直接に駆動する構成にして、トランスミッション13を省くことも可能である。
重量の大きな負荷の場合は特に、負荷を上に持ち上げるには、負荷を下に降ろすのに比べてかなり大きなエネルギーを必要とする。換言すると、電気モータ12は、負荷を上方に移動させる時は、同じ負荷を下方に移動させる時よりも高いトルクを供給する必要がある。モータは、負荷を上方に移動させる時は、システムにエネルギーを供給し、負荷を下方に移動させる時は、このエネルギーを放出する必要がある。スピンドルがセルフロックタイプでない場合、負荷の下方移動に際し、スピンドル14が、ひいては、負荷が、予定速度を超える速度に加速することを防止する制動効果が必要である。
リニアアクチュエータ10のスピンドルがセルフロックタイプであるか、非セルフロックタイプであるかは、スピンドル14のねじのピッチに依存する。ねじピッチが摩擦角より小さければ、そのスピンドルはセルフロックタイプであり、ねじピッチが摩擦角より大きければ、そのスピンドルは非セルフロックタイプである。
図3及び図4に、リニアアクチュエータ20の別の実施例をより詳細に示す。アクチュエータ20の主なコンポーネントには、筐体21、可逆電気モータ22、減速段数を有する減速ギア23、スピンドル24、スピンドルナット26、筒状のピストンの形態であって、内側パイプとも呼ぶ作動部材27、当該作動部材のための、外側パイプとも呼ぶガイド28、取付けブラケット29、及び、後部取付け部(rear mount)30が含まれる。
現在までのところ、リニアアクチュエータにおいて最も一般的に使用されてきたモータの種類は、従来のブラシ付きDCモータである。この種類のモータは、設計が簡易で、コストが低く、また、DC電圧又はパルス幅変調電圧によって直接速度を制御することが可能である。ただし、いわゆるブラシレスDCモータがリニアアクチュエータに用いられる場合もある。ブラシレスDCモータは、より効率が高く、より信頼性が高く、より電磁干渉が少ない。半面、このようなモータは、よりコストが高く、より複雑な制御回路を必要とする。
通常のブラシ付きDCモータでは、回転するコアに巻線を設けてなる電磁石を備えるロータの周りに配置された永久磁石を備えるステータが用いられる。例えば、グラファイトやその他の材料から成るブラシを用いて、ロータの回転中にコイルへの供給電圧の切り換え又は整流を行って、運動を継続させる。
ブラシレスDCモータでは、この基本構造の内側と外側を逆にして、ロータに永久磁石を配置し、ステータに巻線を配置する。これにより、運動する電機子に電流を供給することに関わる問題を回避することができる。ブラシ付きDCモータのブラシ又は整流子の代わりに用いられる電流制御回路が、巻線の位相を連続的に変化させて、モータの回転を維持する。コントローラは、ブラシや整流システムの代わりにソリッドステート回路(solid-state circuit)を用いて、ブラシ付きDCモータと同様の配電を行う。
実際は、ブラシレスDC電気モータは、DC電源から電力供給を受けるAC同期モータであって、制御回路がAC電気信号を供給することで、モータが駆動される。このAC電気信号は、必ずしも正弦波を有するものでなくてもよく、交流の電流であれば、波形については特に限定されない。
ロータに配置された永久磁石は、ロータ磁束を生成し、励磁されたステータ巻線は、電磁石の磁極を生成する。ロータは、つまりは1つ以上の棒磁石と同じと考えてよく、励磁状態にあるステータ相(stator phase)に引き付けられる。ステータ相に適切な順序で供給することにより、ステータに回転磁界が形成、維持される。ロータがステータの磁極に追従するこの動作は、永久磁石同期モータに利用される基本の動作である。
トルクを生成するためには、ロータと回転磁界との間の差(lead)を制御することが必須であり、この同期は、ロータ位置の把握を意味する。換言すると、コントローラは、ステータコイルに対するロータの向き及び位置を特定する何らかの手段を必要とする。いくつかの設計では、ホール効果センサ又はロータリエンコーダを利用して、ロータ位置を直接測定する。他には、駆動されていないコイルの逆起電力(EMF)を測定してロータ位置を割り出す設計のものがある。このようなコントローラは、ホール効果センサを別途設ける必要がないので、しばしばセンサレスコントローラと呼ばれる。
永久磁石を備えるAC同期モータは、その逆EMFのプロファイルによって、即ち、逆EMFの形によって、分類することができる。なお、ブラシレスDCモータのロータを手動で回転させると、発電機として動作するが、この際に生成される電圧が逆EMFである。ここで、2つの種類のモータに言及する。とちらも、ロータに永久磁石を有する同期モータであるが、磁束の分布、及び、逆EMFのプロファイルが異なる。両モータ間の違いは、ステータコイルの巻回の仕方が異なることに起因する誘導電圧の波形にある。一方の種類は、台形波の逆EMFを有し、他方は、正弦波の逆EMFを有する。時としてブラシレスDC(BLDC)モータなる用語は、台形波の逆EMFを有するモータについて用いられ、正弦波の逆EMFを有するものは、永久磁石同期モータ(PMSM)と呼ばれる場合がある。本明細書では、いずれの種類も、ブラシレスDCモータとみなす。逆EMFが台形波であり、ステータ電流が矩形波であるモータは、幅広く利用されている。なぜならば、そのようなモータは、モータが純粋な台形波の逆EMFを有し、ステータ相の整流プロセスが正確であれば、一定した機械的トルクを生成できるからである。
ブラシレスDCモータの効率は、駆動電圧がモータからの逆EMFと一致する場合に最も高くなる。つまり、台形波の逆EMFを有するモータについては、これに対応する台形波の駆動電圧を用いれば、効率が最も高くなり、同様に、正弦波の逆EMFを有するモータについては、正弦波の駆動電圧を用いれば、効率が最も高くなる。
以下に、整流プロセスの実施例をさらに詳細に説明する。説明においては、ロータに永久磁石の磁極を1対有する3相同期モータを例として用いる。尚、ステータ側には、3相が最も一般的である。なぜならば、制御の精密さと、ステータ電流の制御に必要な電力電子機器の数と、のバランスが妥当であるからである。ただし、ロータ側には、より多くの磁極が用いられることが多い。なぜならば、通常、磁極が多い方が、同じレベルの電流でより大きなトルクを生成できるからである。また、3相より多くの相を用いるモータも利用される。
図5は、1つ永久磁石を有するロータ32を備える3相ブラシレスDCモータ31の実施例の模式的な構成を示す。この実施例では、ステータは、6つの電磁石33、34、35、36、37、38から成り、各電磁石は、コアに巻回されたステータ巻線又はステータコイルを有する。図示のとおり、ステータコイルは、それぞれ、A、A′、B、B′、C及びC′(訳注:ダッシュ「′」は、上付きバーの代用とする)と標記されており、また、相A、A′、B、B′、C及びC′と呼ぶこともある。ステータコイルAとA′は、直列に接続され、また、それぞれのコアに巻回されている。よって、これらのコイルを流れる電流が相AにN極の磁極を生成すると、その電流が相A′にS極の磁極を生成し、また、この逆も生じる。同様のことが、相B及びB′、並びに、相C及びC′にもそれぞれ該当する。コイルA′、B′、C′の自由端は、中性点とも呼ばれる共通の接点に結合されている。換言すると、モータの巻線は、スター(Y)結線で接続されている。図5には、ロータ位置を検出するための3つのホール効果センサ39、40、41も示されており、その詳細は後述する。
コイルA、B及びCの自由端は、図6に示すように駆動回路51により駆動可能である。駆動回路51は、6つの電子スイッチ52、53、54、55、56、57を含んでおり、各コイルを正の供給電圧又はグランド端子(又は、負の供給電圧)のいずれかに接続することができる。駆動回路51は、3相インバータとも呼ばれ、モータの各相においてDC電流を生成する。スイッチ52、53、54、55、56、57は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又はバイポーラトランジスタなど、電気的に制御される任意の種類のスイッチで構成することができる。詳細は後述するが、これらスイッチのオンオフは、コントローラ58によって制御される。DC電圧を平滑化するためのコンデンサ59が、正の供給電圧とグランド端子の間に接続されている。
スイッチングトランジスタ52、53、54、55、56、57のオンオフ、ひいては、モータ相の電流のオンオフを適時に実行するために、コントローラ58は、ステータコイルに対するロータの向き及び位置についての情報を必要とする。この実施例では、ホール効果センサが使用される。ホール効果センサ部60は、互いに120°の角度でモータに配置された3つの別個のホール効果センサ39、40、41を有する。3つのホール効果センサ39、40、41は、互いに重複する60°の位置範囲の信号を供給する。これらセンサからの信号に基づいて、コントローラ58は、ロータ32の現在位置を特定することができ、よって、1つのステータコイルから次のステータコイルへ電流を切り換える適切なタイミングを特定することができる。ステータ間で相電流の整流が適時に行われないと、モータの効率は低下する。
図7は、この実施例のモータ31が、台形波の逆EMFを有する設計であることを示す。3つのステータ相A、B及びCそれぞれの逆EMFが、ロータの完全な1回転、つまり360°に相当する期間について示されている。
図8は、コントローラ58の制御下で、スイッチ52、53、54、55、56、57によって実行される3つの相A、B及びC間のモータ電流の切り換えの様子を示す。原則として、ある相の逆EMFが高い正のレベルにある間は、その相は、スイッチ52、54又は56のいずれか1つによって、正の供給電圧に接続されており、その結果、対応するステータコイルに正の電流が流れる。同様に、逆EMFが高い負のレベルにある間は、その相は、スイッチ53、55又は57のいずれか1つによってグランド(又は、負の供給電圧)に接続されており、その結果、対応するステータコイルに負の電流が流れる。このように、印加電圧は、逆EMFと合致する。ある相の逆EMFが方向を反転する間は、その相は切断される。
図5においては、ロータ32がステータコイルA及びA′と整列しており、即ち、角度位置θ0は0°であるが、これに対応する状態を図9に示す。ロータ32を時計回りに回転させるには、スイッチ56を介して相Cを正の電圧に接続して、コイルC及びコイルC′に正のステータ電流を流し、これとともに、スイッチ55を介して相Bをグランドに接続して、コイルB及びB′に負のステータ電流を流す。この際の電流の値も図8に示している。この結果、電磁石B′及びCには、N極が形成され、電磁石C′及びBには、S極が形成される。よって、ロータのN極は、相C′のS極に引き付けられ、また、相B′のN極から押し出される。同様に、ロータのS極は、相CのN極に引き付けられ、また、相BのS極から押し出される。この結果、ロータは、時計回りに回転する。
ロータ32が、θ1=30°の角度位置に到達すると、即ち、ロータのN極が電磁石AとC′との中間点に到達すると、ホール効果センサがこれを検出する。ここで、スイッチ56をオフにし、スイッチ52をオンにすることで、正の電流を相Cから相Aに切り換える(整流する)。この状態を図10に示し、電流の整流については、図8に示す。
図8には、ロータを時計回りに回転させる間、この整流プロセスがどのように継続されるか示されている。θ2(=90°)において、スイッチ55をオフにし、スイッチ57をオンにすることで、負の電流が相Bから相Cに整流される。以降も同様である。どの時点においても、ロータ32の各磁極は、前方に位置する電磁石に引き付けられるとともに、後方に位置する電磁石から押し出される。ホール効果センサ39、40、41は、コントローラ58が整流を正確なタイミングで実行することを保証する。原則的には、常に、最も高いトルクを生成できる相の組に通電する。よって、ロータの位置に対応した正確なタイミングで整流が行われないと、生成されるトルクが低下し、この結果、モータの効率も低下する。
図8には、3つの相A、B及びCの各々で生成されたトルクTA、TB及びTCも示されている。各相の生成トルクは、相電流にほぼ正比例する。ただし、相電流が正であっても負であっても、正のトルクが生成される。モータにより生成される総トルクT、即ち、3つの相により生成されるトルクの合計は、経時的にほとんど一定である。ただし、実際には、各モータ相における電流は、図8に示されているように瞬時には生成されない。したがって、60°での相整流の都度、わずかなトルクリップル(torque ripple)が発生する。
図8において、相電流及び生成トルクは、ロータ32の角度位置θの関数として示されている。ただし、モータが一定の速度で駆動される場合、x軸は時間tを示していることにもなるので、これらの曲線は、相電流及び生成トルクを時間の関数として示しているとみなすことができる。
モータの逆EMFは、モータ速度に正比例し、また、逆EMFは印加電圧と一致するので、印加するDC電圧のレベルを調節すれば、モータ速度を制御できることになる。つまり、モータ速度を加速する場合には、より高いDC電圧をモータに印加すれば、その結果、これに対応して速度も速くなる。ホール効果センサによれば、高速回転に対して整流を同期させることができる。あるいは、パルス幅変調(PWM)を利用することもできる。その場合、DC電圧は定電圧とし、代わりに、パルス幅変調のデューティーサイクルを調節することで、モータ速度を制御する。
上述したように、ブラシレスDCモータは、正弦波の逆EMFを有する設計でもよく、この場合、モータを矩形波の駆動電圧で駆動すると、最も高い効率が得られる。図11は、そのようなモータの逆EMFを示す図である。3つのステータ相A、B、Cそれぞれの逆EMFが、360°に相当するロータの完全な1回転に相当する期間について示されている。
図8と同様に、図12は、モータに矩形波の駆動電圧を印加した場合の3つの相A、B及びCにおけるモータ電流を示す。この駆動にも、図6に示した6つのトランジスタ52、53、54、55、56、57が用いられる。ただし、ここでは、これらのトランジスタは、上述の場合のようにスイッチとしではなく、コントローラ58の制御下で増幅器として駆動される。繰り返しになるが、印加電圧は逆EMFと一致し、コントローラ58は、ホール効果センサ39、40、41からの信号に基づいて、矩形波の駆動電圧をロータの回転と同期させることができる。
図12には、3つの相A、B及びCの各々で生成されたトルクTA、TB及びTCも示されている。ここでも、各相の生成トルクは、相電流にほぼ正比例する。ただし、相電流が正であっても負であっても、正のトルクが生成される。モータにより生成される総トルクT、即ち、3つの相により生成されるトルクの合計は、経時的に実質的に一定である。よって、この場合、トルクリップルは存在しない。
この場合、モータ速度は、印加する矩形波電圧の振幅を調節することで、あるいは、上述のようにパルス幅変調を利用することで制御できる。
尚、上述し、また、図5に示したブラシレスDCモータは、従来の、つまり、インランナータイプと呼ばれる構成あり、ロータの永久磁石を、ステータ巻線が取り囲んでいる。ブラシレスDCモータには、アウトランナータイプあるいはアウトロータタイプと呼ばれる構成もありコイルと磁石の周方向の位置関係が逆になっており、ステータコイルがモータの中心部(コア)を形成し、永久磁石は、コアを取り巻く張り出し(overhanging)ロータの中に配置されている。本発明に関しては、いずれの構成も利用可能である。
上述したように、リニアアクチュエータのスピンドルがセルフロックタイプでない場合は、負荷を下方向に移動させる際に、スピンドルが、ひいては、負荷が、予定速度を超える速度に加速することを防止する制動効果が必要である。
以下に、必要な制動効果を作用させるためにブラシレスDCモータをどのように制御するかについて記載する。
図13に示す本発明の一実施形態において、コントローラ58は、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速したことを検出できる速度検出器61を含む。モータの実速度は、様々な方法で検出することができる。1つの選択肢では、3つのホール効果センサ39、40、41からモータの実速度を検出する。これらのセンサからの信号に基づいて、速度検出器61は、ロータ32の現在の速度を検出し、検出結果を予定速度又は予定速度を表す基準値と比較する。予定速度を超過している場合、速度検出器61はコントローラ58に信号を送出して、モータに対して制動効果を作用させる制御をコントローラに実行させる。その詳細は、以下に記載する。
ホール効果センサ39、40、41を用いる代わりに、速度検出器61が、モータにより生成される逆EMFの周波数を測定することでモータの実速度を検出することも可能である。この場合も、検出結果を予定速度又は予定速度を表す基準値と比較する。予定速度を超過している場合、速度検出器61はコントローラ58に信号を送出して、モータに対して制動効果を作用させる制御をコントローラに実行させる。
他の選択肢としては、モータ電流の測定により、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速したことを検出できる。このためには、6つのスイッチングトランジスタ52、53、54、55、56、57への供給線に、小さな抵抗を挿入し、この抵抗における電圧降下を測定すればよい。上述したように、モータ電流は、そのモータが必要とするトルクに比例する。リニアアクチュエータの負荷が下方向に加速される場合、モータはトルクをほとんど、あるいは、全く必要としないので、モータ電流が非常に低い値まで降下する。つまり、モータ電流が所定の限界値よりも降下すれば、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超えて加速していることを示唆するので、速度検出器61は、コントローラ58に信号を送出して、モータに対して制動効果を作用させる制御をコントローラに実行させる。
さらに他の選択肢では、6つのスイッチングトランジスタ52、53、54、55、56、57への供給電圧を測定することで、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速したことを検出することができる。リニアアクチュエータの負荷が下方向に加速されると、モータは、少なくとも部分的に発電機として動作し、生成された電圧が元々の供給電圧に加わるので、供給電圧が増加する。よって、供給電圧の増加が検出されれば、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速していることを示唆するので、速度検出器61は、コントローラ58に信号を送出して、モータに対して制動効果を作用させる制御をコントローラに実行させる。
コントローラ58は、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速していることを示す信号を速度検出器61から受け取ると、トランジスタ52、53、54、55、56、57に送出する制御信号を変更し、これによりモータに印加する相電圧及び相電流を調整して、制動効果を作用させる。
上述のとおり、ブラシレスDCモータの効率は、駆動電圧がモータからの逆EMFと一致する場合に最も高くなる。台形波の逆EMFを有するモータの場合、これに対応する台形波の駆動電圧を用いると、最も高い効率が得られる。同様に、正弦波の逆EMFを有するモータの場合、これに対応する正弦波の駆動電圧を用いると、最も高い効率が得られる。また、既に言及したように、ステータコイル間の相電流の整流が、ホール効果センサ39、40、41によって定められる適切なタイミングで行われないと、モータの効率が低下する。つまり、印加波形を調節し、及び/又は、整流タイミングを変更すれば、モータ効率を意図的に低下させることができる。このように、モータのエネルギーを消失させることで、制動効果を達成することができる。
正弦波の逆EMFを有するブラシレスDCモータのモータ効率を意図的に低下させる1つの方法は、台形波の駆動電圧を用いる、つまり、図12ではなく、図8にしたがってモータを駆動することである。この結果、生成トルクは図12に比べて減少し、また、部分部分が全体としてサイン波をするような、一定でない生成トルクになる。生成トルクが減少すると、効率も低下し、よって、制動効果を達成することができる。
モータの効率を低下させる他の例として、図14に、台形波の逆EMFを有するブラシレスDCモータについての実施例を示す。この実施例では、ある相から別の相への整流を実行する角度位置やタイミングを、ホール効果センサ39、40、41が示す角度位置やタイミングとずらすことによって、効率を低下させる。通常の状態、つまり、制動が不要な場合には、図8に示すように、ロータの角度位置θ3において、正の電流を相Aから相Cに整流させるべきである。しかし、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速していることを示す信号をコントローラ58が速度検出器61から受信した場合は、コントローラ58は、図14に示すように、ロータが角度位置θ4に到達するまで整流を遅延、つまり、タイミングを遅らせる。したがって、角度位置θ3から角度位置θ4までの期間、相Bには電流が流れないのでトルクは発生しない。また、相Aでは、ロータが相Aのコイルと整列する位置に近づくにつれて、そのトルクが徐々に小さくなる。この位置を通過すると、つまり、θ4の直前の位置にくると、相Aの電磁石がロータをこの位置に引き戻そうとするため、そのトルクはマイナスになる。この結果、図14に示すように総トルクが減少する。繰り返しになるが、トルクが減少すると、制動効果が生じる。
制動効果が生じると速度検出器61により検出され、これに基づいて、整流の遅延を数回繰り返し、及び/又は、得られた制動効果にしたがって、遅延の大きさを調節する。図14で示したような整流の延期の代わりに、ホール効果センサ39、40、41により示唆される角度位置又はタイミングよりも整流を先行させることも可能である。
モータ効率を低減させるこの手法は、正弦波の逆EMFを有するブラシレスDCモータにも適用可能である。この場合は、正弦波には、遅延又は先行の大きさに依存した歪が生じる。
図15は、ブラシレスDCモータが予定速度を超える速度に加速している場合に、ブラシレスDCモータの効率を意図的に低下させて制動効果を作用させる他の実施例を示す。この実施例は、正弦波の逆EMFを有するブラシレスDCモータについて説明するが、台形波の逆EMFを有するブラシレスDCモータにも同じ手法を適用することができる。コントローラ58は、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超えて加速していることを示す信号を速度検出器61から受信すると、コントローラ58は、印加する3相電圧の周波数を短期間だけ高くすることで印加波形を調節する構成を有する。つまり、この期間中、ブラシレスDCモータのステータコイルにより生成される磁界の回転は、ロータが追従可能な速度よりも相当に速く、この期間の大部分において、少なくとも1つの相ではマイナスのトルクが生成される。この様子は、図15に示されている。ある相における電流が、ロータ位置に基づいて予測される方向とは逆方向に流れる場合、その相ではマイナスのトルクが生成される。このようにして、ブレーキ効果を達成することができる。
図15において、高い周波数は、その周波数の1周期中、即ち、ロータの角度位置θ5から角度位置θ6までの期間、維持されており、その後、コントローラは、所望の回転速度に応じた通常の周波数の使用を再開している。ただし、その状況で必要な制動の大きさに基づいて、より短い期間あるいは長い期間、高い周波数を維持することも可能である。また、周波数を変化させることも可能である。図15では、より高い周波数は、所望の回転速度に対応する通常の周波数より約6倍高い周波数として示されている。ただし、現実的な装置においては、通常、この倍数はもっと大きい。2つの周波数が互いに近いほど、得られる制動効果は大きい。一例を挙げると、速度検出器61からの信号が、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速していることを示す場合、コントローラ58が、通常の周波数の20倍の周波数の使用を開始することができる。速度検出器61からの信号が、さらに制動が必要であることを示す場合、コントローラは、通常の周波数の10倍の周波数を続けて使用することができる。それでもまだ十分でない場合には、コントローラは、通常の周波数の5倍の周波数を使用することができる。
印加する3相電圧の周波数を短期間だけ高くすることによって印加波形を調節する代わりに、他の実施形態では、コントローラ58は、印加する3相電圧の周波数を短期間だけ低くすることによって印加波形を調節する構成でもよい。この場合、ブラシレスDCモータのステータコイルにより生成される回転磁界は、ロータとの同期を外れたものになるので、この結果、制動効果が達成される。
ブラシレスDCモータの効率を意図的に低下させて制動効果を達成するさらに他の実施例を図16に示す。この実施例は、正弦波の逆EMFを有するブラシレスDCモータについて説明する。コントローラ58は、ブラシレスDCモータ31が予定速度を超える速度に加速していることを示す信号を速度検出器61から受信すると、コントローラ58は、通常の3相印加電圧に対して、より高い周波数の信号を重畳する。この重畳の期間は、必要な制動効果に基づく。図16では、ロータの角度位置θ7と角度位置θ8の期間、高い周波数の信号が重畳されている。重畳信号は、ノイズ信号又は変調信号とみなされる。この重畳信号によっても、モータのトルク生成を小さくして、制動効果を達成することができる。
周波数を重畳する時間長は、必要とする制動効果に依存して選択することができる。得られた制動効果が十分でない旨を速度検出器61からの信号が示す場合、時間長を延長したり、あるいは、重畳する信号の振幅を大きくしたりすることができる。
この手法について他の実施形態では、より周波数の高い信号を永続的に重畳しておき、必要な制動効果に基づいて、その振幅を変化させる。制動効果が不要な場合、つまり、通常の状態では、この振幅をゼロかほぼゼロに設定する。制動効果が必要であることを速度検出器61からの信号が示した場合に、この振幅を所定の値まで増加させる。次いで、得られた制動効果が十分でない旨を速度検出器61からの信号が示す場合、振幅をさらに大きくする。得られた制動効果が大きすぎる旨を速度検出器61が示すような場合には、振幅を小さくする。
このような状況を、図17に示す。この図では、ロータの角度位置θ9の前は、制動効果が不要な状況を示しており、したがって、重畳周波数信号の振幅はゼロに設定されている。ロータの角度位置θ9において、速度検出器61は制動効果が必要である旨を示し、よって、振幅は、予め定められた値まで増加される。また、ロータの実速度と予定速度との差を検出し、この差に基づいて、重畳信号の振幅を選択することも可能である。このようにして、制動効果を必要に合わせて自動的に調節することが可能である。
ブラシレスDCモータの効率を意図的に低下させることで制動効果を達成する上述の実施形態はいずれも、コントローラ58の制御プログラムを変更することで実現可能である。図13に示すように、コントローラ58はメモリ62を含み、これは、制御プログラム、即ち、コントローラ58により読み取り可能な形式のコンピュータプログラムを格納するよう構成されている。メモリ62は、取り外し可能に構成することもでき、よって、コンピュータ可読媒体としてのメモリ62を、所望の実施形態に即した他のメモリに取り換えれば、上述の実施形態を他の実施形態に変形することができる。
また、万が一、システムの電力が意図せず遮断された場合でも、上述の実施形態によれば、リニアアクチュエータの負荷が制御されない状態で降下することを、少なくともある程度は防止することができる。電力が遮断されても、コントローラ58及び駆動回路51は、コンデンサ59が十分な電力を供給可能である限り、引き続き作動する。これが持続できなくなると、モータへの印加電圧がなくなり、重量の大きな負荷の場合には、制御されない状態で下方移動が加速し始める。しかしながら、このような状況が発生すると、モータが発電機として動作し始めるので、生成された電圧によりコンデンサ59が充電される。コンデンサ59が十分な電圧レベルまで充電さると、コントローラ58及び駆動回路51への電圧供給が直ちに再開されて、動作が再開し、上述の制動効果が作用して再びモータが制御される。当然ながら、コンデンサ59は再び放電されてしまうが、上述のプロセスが繰り返されて、負荷は、制動効果が全くない場合に比べて大幅に低減された速度で下降位置に到達する。
図18は、駆動回路51及びコントローラ58を備えるブラシレスDCモータ31を用いたリニアアクチュエータを、上述の制動効果を達成するように制御する方法を示すフローチャート100である。ステップ101において、駆動回路51からブラシレスDCモータ31のステータコイルに多相電圧信号が供給されて、ロータ32を回転させる。ステップ102において、ロータ32の現在位置が、例えば、ホール効果センサ39、40、41を手段として用いて検出される。ステップ103において、この位置に基づいて、コントローラ58から駆動回路51に制御信号が供給されて、回転磁界とロータを同期させる。ステップ104においてロータの現在の速度を示す信号が速度検出器61で検出される。上述したように、この信号は、例えば、ホール効果センサ39、40、41、モータ電流、又は、供給電圧を使って導出すことができる。次いで、ステップ105において、この信号は、予定又は所定の速度を示す信号と比較される。予定速度を超過していないことを信号が示していれば、ステップ106において、通常期待されるモータ効率を保証する波形を有する多相電圧でモータを駆動する。一方、予定速度を超過していることを信号が示していれば、ステップ107において、駆動回路は、上述のように調整された波形を有する多相電圧信号でモータを駆動し、これにより、モータ効率を低下させて、上述した制動効果を達成する。
換言すると、開示されているリニアアクチュエータは、複数のステータコイル及び永久磁石ロータを含むブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータの前記ステータコイルに多相電圧信号を供給するよう構成された駆動回路と、前記永久磁石ロータの位置を検出し、当該ロータ位置に基づいて、前記駆動回路に制御信号を供給するコントローラと、を含でいる。前記リニアアクチュエータは、さらに、前記永久磁石ロータの回転速度を示す示唆信号を検出する検出回路部を含む。前記コントローラは、さらに、前記永久磁石ロータの前記回転速度が所定の速度を超えていないことを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第1波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御し、前記永久磁石ロータの前記回転速度が前記所定の速度を超えていることを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第2波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御するよう構成されている。前記第2波形は、前記モータを、前記第1波形で駆動した場合の当該モータの効率よりも低い効率で駆動するように選択されたものである。
ブラシレスDCモータは、制動効果が不要な場合は第1波形で駆動され、速度の増加が検出されると、モータの効率を低下させる他の波形で駆動され、モータのエネルギーが放出され、この結果、所望の制動効果が達成される。
いくつかの実施形態において、前記ブラシレスDCモータは、台形波の逆起電力を有するタイプのものである。前記コントローラ及び前記駆動回路は、前記ロータ位置に基づいて決定されるタイミングで、相電流を前記ステータコイル間で整流することで前記第1波形の前記多相電圧信号を供給するように構成されており、よって、前記多相電圧信号は、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する周波数を有する。
他の実施形態において、前記ブラシレスDCモータは、正弦波の逆起電力を有するタイプのものである。前記コントローラ及び前記駆動回路は、前記第1波形の前記多相電圧信号を前記ロータ位置に基づいて供給することで、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する周波数を有する多相正弦波電圧信号として供給するよう構成されている。
前記リニアアクチュエータの一実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記ロータ位置に基づいて決定される前記タイミングとは異なるタイミングで、少なくとも1つの相電流を整流することによって、前記第2波形を供給するよう構成されている。ある相から他の相への整流のタイミング又は角度位置を遅延又は先行させると、前記モータにより生成されるトルクが、ひいては、モータ効率が低下し、その結果、制動効果が達成される。
前記リニアアクチュエータの他の実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記多相電圧信号の周波数を、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する前記周波数とは異なる周波数に、所定の期間にわたって変更することによって、前記第2波形を供給するよう構成されている。多相電圧信号の周波数が変化すると、前記ブラシレスDCモータの前記ステータコイルにより生成される回転磁界と、前記ロータの回転との同期が外れる。これにより、トルクの生成及びモータの効率が低下し、制動効果が達成される。
前記リニアアクチュエータの他の実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記多相電圧信号に対して、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する前記周波数よりも高い周波数を有する信号を重畳することによって、前記第2波形を供給するよう構成されている。
この実施形態において、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記高い周波数の信号を所定の期間にわたって、あるいは、前記永久磁石ロータの前記回転速度を示す前記示唆信号に基づいて決定される期間にわたって重畳するよう構成されている。あるいは、前記コントローラ及び前記駆動回路は、さらに、前記高い周波数の信号を、前記永久磁石ロータの前記回転速度を示す前記示唆信号に基づいて決定される振幅で重畳するよう構成されている。
アクチュエータシステムは、上述のリニアアクチュエータを少なくとも1つ含む。これにより、当該アクチュエータシステムは、上述したリニアアクチュエータの効果を享受することができる。
リニアアクチュエータの制御方法において、前記リニアアクチュエータは、複数のステータコイル及び永久磁石ロータを含むブラシレスDCモータと、駆動回路と、コントローラと、を含む。当該方法は、前記駆動回路から前記ブラシレスDCモータの前記ステータコイルに多相電圧信号を供給し、前記永久磁石ロータの位置を検出し、当該ロータ位置に基づいて、前記駆動回路に制御信号を供給し、前記永久磁石ロータの回転速度を示す示唆信号を検出し、前記永久磁石ロータの前記回転速度が所定の速度を超えていないことを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第1波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御し、前記永久磁石ロータの前記回転速度が前記所定の速度を超えていることを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第2波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路を制御する、各ステップを含む。前記第2波形は、前記モータを、前記第1波形で駆動した場合の当該モータの効率よりも低い効率で駆動するように選択される。
ブラシレスDCモータは、制動効果が不要な場合は第1波形で駆動され、速度の増加が検出されると、モータの効率を低下させる他の波形で駆動され、モータのエネルギーが放出され、この結果、所望の制動効果が達成される。
また、コンピュータプログラムであって、コンピュータで実行されると、上述の前記方法の前記ステップを実行させるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムも開示されている。また、コンピュータで実行されると、上述の前記方法を実行させるプログラムコード手段を格納したコンピュータ可読媒体も開示されている。
本発明の様々な実施形態について記載及び図示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の態様によっても実施可能であり、これらも、後述の請求絞によって定義される主題の範囲に包含される。

Claims (13)

  1. 複数のステータコイル(A、A′、B、B′、C、C′)及び永久磁石ロータ(32)を含むブラシレスDCモータ(31)と、
    前記ブラシレスDCモータ(31)の前記ステータコイルに多相電圧信号を供給するよう構成された駆動回路(51)と、
    前記永久磁石ロータ(32)の位置を検出し、当該ロータ位置に基づいて、前記駆動回路(51)に制御信号を供給するコントローラ(58)と、
    を含む、リニアアクチュエータ(2、3、10、20)であって、
    当該リニアアクチュエータ(2、3、10、20)は、さらに、前記永久磁石ロータ(32)の回転速度を示す示唆信号を検出する検出回路部(61)を含み、
    前記コントローラ(58)は、さらに、
    前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度が所定の速度を超えていないことを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第1波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路(51)を制御し、
    前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度が前記所定の速度を超えていることを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第2波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路(51)を制御するよう構成されており、
    前記第2波形は、前記モータ(31)を、前記第1波形で駆動した場合の当該モータの効率よりも低い効率で駆動するように選択されたものである、ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記ブラシレスDCモータ(31)は、台形波の逆起電力を有するタイプのものであり、前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、前記ロータ位置に基づいて決定されるタイミングで、相電流を前記ステータコイル間で整流することで前記第1波形の前記多相電圧信号を供給するように構成されており、よって、前記多相電圧信号は、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する周波数を有する、ことを特徴とする、請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記ブラシレスDCモータ(31)は、正弦波の逆起電力を有するタイプのものであり、前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、前記第1波形の前記多相電圧信号を前記ロータ位置に基づいて供給することで、前記永久磁石ロータの前記回転速度に対応する周波数を有する多相正弦波電圧信号として供給するよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、さらに、前記ロータ位置に基づいて決定される前記タイミングとは異なるタイミングで、少なくとも1つの相電流を整流することによって、前記第2波形を供給するよう構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、さらに、前記多相電圧信号の周波数を、前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度に対応する前記周波数とは異なる周波数に、所定の期間にわたって変更することによって、前記第2波形を供給するよう構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載のリニアアクチュエータ。
  6. 前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、さらに、前記多相電圧信号に対して、前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度に対応する前記周波数よりも高い周波数を有する信号を重畳することによって、前記第2波形を供給するよう構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のリニアアクチュエータ。
  7. 前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、さらに、前記高い周波数の信号を所定の期間にわたって重畳するよう構成されていることを特徴とする、請求項6に記載のリニアアクチュエータ。
  8. 前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、さらに、前記高い周波数の信号を、前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度を示す前記示唆信号に基づいて決定される期間にわたって重畳するよう構成されていることを特徴とする、請求項6に記載のリニアアクチュエータ。
  9. 前記コントローラ(58)及び前記駆動回路(51)は、さらに、前記高い周波数の信号を、前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度を示す前記示唆信号に基づいて決定される振幅で重畳するよう構成されていることを特徴とする、請求項6に記載のリニアアクチュエータ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載のリニアアクチュエータを少なくとも1つ含む、アクチュエータシステム。
  11. リニアアクチュエータ(2、3、10、20)の制御方法であって、前記リニアアクチュエータは、
    複数のステータコイル(A、A′、B、B′、C、C′)及び永久磁石ロータ(32)を含むブラシレスDCモータ(31)と、
    駆動回路(51)と、
    コントローラ(58)と、を含み、
    当該方法は、
    前記駆動回路(51)から前記ブラシレスDCモータ(31)の前記ステータコイルに多相電圧信号を供給し(101)、
    前記永久磁石ロータ(32)の位置を検出すること(102)と、当該ロータ位置に基づいて、前記駆動回路(51)に制御信号を供給し(103)、
    前記永久磁石ロータ(32)の回転速度を示す示唆信号を検出し(104)、
    前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度が所定の速度を超えていないことを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第1波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路(51)を制御し(106)、
    前記永久磁石ロータ(32)の前記回転速度が前記所定の速度を超えていることを前記示唆信号が示す場合、前記モータの前記ステータコイルを第2波形の前記多相電圧信号で駆動するように前記駆動回路(51)を制御する(107)、各ステップを含み、
    前記第2波形は、前記モータ(31)を、前記第1波形で駆動した場合の当該モータの効率よりも低い効率で駆動するように選択される、ことを特徴とする方法。
  12. コンピュータプログラムであって、コンピュータで実行されると、請求項11に記載の前記ステップを実行させるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム。
  13. コンピュータで実行されると、請求項11に記載の前記方法を実行させるプログラムコード手段を格納したコンピュータ可読媒体。
JP2018523028A 2015-11-16 2016-11-15 ブラシレスdcモータを備えるリニアアクチュエータ Active JP6941607B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DKPA201500727 2015-11-16
DKPA201500727 2015-11-16
PCT/DK2016/000043 WO2017084668A1 (en) 2015-11-16 2016-11-15 A linear actuator with a brushless dc motor

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018533903A true JP2018533903A (ja) 2018-11-15
JP6941607B2 JP6941607B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=58717400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018523028A Active JP6941607B2 (ja) 2015-11-16 2016-11-15 ブラシレスdcモータを備えるリニアアクチュエータ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10879818B2 (ja)
EP (1) EP3378154A1 (ja)
JP (1) JP6941607B2 (ja)
CN (1) CN109874390B (ja)
WO (1) WO2017084668A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102695851B1 (ko) * 2023-12-22 2024-08-20 인터콘시스템스 주식회사 Bldc 모터 제어장치
KR102695849B1 (ko) * 2023-08-09 2024-08-20 인터콘시스템스 주식회사 Bldc 모터 제어장치

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2020003028A (es) * 2017-09-20 2020-11-06 Mainspring Energy Inc Frenado automatico para una maquina electromagnetica.
US20200366224A1 (en) * 2017-11-20 2020-11-19 Linak A/S Determining an electrical current flowing in one of a plurality of electric motors
EP3731408B1 (en) 2019-04-25 2024-10-16 Black & Decker Inc. Dual-controller system for a sensorless brushless motor control
EP3751723A1 (en) 2019-06-10 2020-12-16 Black & Decker Inc. Field-oriented sensorless brushless motor control in a power tool
EP4158760A1 (en) 2020-06-02 2023-04-05 Linak A/S Locking against rotation of electric motor of a linear actuator
US20220290482A1 (en) * 2021-03-10 2022-09-15 Hi-Lex Controls, Inc. Split-axis power strut
CN116054679B (zh) * 2021-10-28 2024-05-07 武汉市聚芯微电子有限责任公司 线性马达控制方法及装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02276491A (ja) * 1989-01-18 1990-11-13 Hitachi Ltd ブラシレス直流モータの制御方法
JP2005057852A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Ito Denki Kk ブラシレスモータの駆動装置
JP2006006067A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Nidec Shibaura Corp ブラシレスdcモータの駆動装置
JP2009118647A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Seiko Epson Corp Pwm制御回路及びこれを備えた電動機
JP2010252480A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Panasonic Corp モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫
JP2015133868A (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 株式会社ケーヒン モータ制御装置、電動式アクチュエータシステム及びモータ制御方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2649978A (en) * 1950-10-07 1953-08-25 Smith Henry Such Belt charging apparatus
US2912632A (en) * 1957-08-23 1959-11-10 Ite Circuit Breaker Ltd Motor reversing and dynamic braking circuit
US3897312A (en) * 1974-01-17 1975-07-29 Interlake Inc Coke oven charging system
US4380724A (en) * 1980-11-24 1983-04-19 Westinghouse Electric Corp. Shunt field control apparatus and method
JPS57172978A (en) * 1981-04-17 1982-10-25 Kawatetsu Kagaku Kk Apparatus for feeding pressure molded briquette into oven chamber
DK4094A (da) 1994-01-10 1995-07-11 Linak As Lineær aktuator
US5847522A (en) * 1995-11-13 1998-12-08 Gec-Marconi Aerospace Inc. Locking devices and control circuitry for permanent magnet electric motors
US6166500A (en) * 1997-07-18 2000-12-26 Siemens Canada Limited Actively controlled regenerative snubber for unipolar brushless DC motors
US6059932A (en) * 1998-10-05 2000-05-09 Pennsylvania Coke Technology, Inc. Coal bed vibration compactor for non-recovery coke oven
US6259175B1 (en) * 1999-11-18 2001-07-10 Dana Corporation Linear actuator
US6622963B1 (en) * 2002-04-16 2003-09-23 Honeywell International Inc. System and method for controlling the movement of an aircraft engine cowl door
US7262536B2 (en) * 2003-08-11 2007-08-28 General Motors Corporation Gearless wheel motor drive system
JP4374284B2 (ja) * 2004-06-07 2009-12-02 関西熱化学株式会社 コークス炉用レベラー
US7497930B2 (en) * 2006-06-16 2009-03-03 Suncoke Energy, Inc. Method and apparatus for compacting coal for a coal coking process
US7880416B2 (en) * 2007-09-17 2011-02-01 GM Global Technology Operations LLC Low speed synchronous motor drive operation
DE102007057348A1 (de) * 2007-11-28 2009-06-04 Uhde Gmbh Verfahren zum Befüllen einer Ofenkammer einer Koksofenbatterie
DE102009015690A1 (de) * 2009-03-31 2010-10-07 Logicdata Electronic & Software Entwicklungs Gmbh Linearantrieb und Tisch mit Linearantrieb
DE102012101890A1 (de) * 2012-03-06 2013-09-12 Daniel Kollreider Tisch mit einer höhenverstellbaren Tischplatte
JP6208919B1 (ja) * 2014-08-28 2017-10-04 サンコーク テクノロジー アンド ディベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニー コークス工場の操作及び生産高を最適化するための方法及びシステム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02276491A (ja) * 1989-01-18 1990-11-13 Hitachi Ltd ブラシレス直流モータの制御方法
JP2005057852A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Ito Denki Kk ブラシレスモータの駆動装置
JP2006006067A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Nidec Shibaura Corp ブラシレスdcモータの駆動装置
JP2009118647A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Seiko Epson Corp Pwm制御回路及びこれを備えた電動機
JP2010252480A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Panasonic Corp モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫
JP2015133868A (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 株式会社ケーヒン モータ制御装置、電動式アクチュエータシステム及びモータ制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102695849B1 (ko) * 2023-08-09 2024-08-20 인터콘시스템스 주식회사 Bldc 모터 제어장치
KR102695851B1 (ko) * 2023-12-22 2024-08-20 인터콘시스템스 주식회사 Bldc 모터 제어장치

Also Published As

Publication number Publication date
US20180331638A1 (en) 2018-11-15
US10879818B2 (en) 2020-12-29
EP3378154A1 (en) 2018-09-26
WO2017084668A1 (en) 2017-05-26
CN109874390B (zh) 2023-04-18
JP6941607B2 (ja) 2021-09-29
CN109874390A (zh) 2019-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6941607B2 (ja) ブラシレスdcモータを備えるリニアアクチュエータ
EP2959573B1 (en) Method and system for determining the position of a synchronous motor's rotor
US20130307450A1 (en) Electrical Control System
JPWO2018142836A1 (ja) モータ制御装置、ブラシレスモータ、送風装置及びモータ制御方法
JP2010011637A (ja) 永久磁石回転電機及びそれを用いたエレベータ用巻上機
JP5557282B2 (ja) 電動モータ,モータ駆動システム、及びそれを搭載した車両
JP2005528078A (ja) Srm又はpmbdcmドライブシステムのドライブ制御、電力変換及び始動制御のための方法、装置及びシステム
KR20080056188A (ko) 기계적으로 정류되는 전기 모터를 제어하는 방법
US20070278987A1 (en) Electrical Multiphase machine and method for operating same
JP6262336B2 (ja) モジュール式多相電動機
JP4802958B2 (ja) 回転電機装置
JP4853232B2 (ja) 回転電機装置
US8427090B2 (en) Magnetic-drive-pulsation motor
JP2016019327A (ja) 同期電動機の駆動装置
JP2014131470A (ja) Srm制御方法及びこのような方法を用いる装置
US9929684B2 (en) Motor control system and method of controlling a motor
KR100827414B1 (ko) Bldc hub모터의 제어장치 및 제어방법
WO2016194835A1 (ja) 直流ブラシレスモータ制御装置
JP2013118782A (ja) モータ制御装置
KR102015867B1 (ko) 모터 구동 장치
JP4312115B2 (ja) モータ駆動装置
JP2024112339A (ja) ブラシレス直流電動機の駆動装置、および制御方法
Лаженко Brushless DC motor: construction and working principle
JP2022077528A (ja) 電力変換装置
JP2012223065A (ja) モータの位置検出装置及びそれを用いたモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6941607

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250