JP2016019327A - 同期電動機の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 励磁巻線を備えた同期電動機を駆動する手段として、励磁回路の不要な駆動装置を提供する。【解決手段】 駆動装置100Aは、高電位電源線113Pおよび低電位電源線113N間の直流電圧V1のスイッチングを行って、同期電動機10の3相の電機子巻線に与える3相の交流電圧を発生するインバータ110と、同期電動機10においてスター結線された3相の電機子巻線3U、3V、3Wの中性点3Qと低電位電源線113Nとの間に介挿され、励磁巻線5と並列接続されたコンデンサ140とを有する。この構成では、高電位電源線および低電位電源線間の直流電源電圧の1/2の直流電圧がコンデンサ140に充電され、この充電電圧が励磁巻線5に印加され、励磁巻線5に励磁電流が流れる。【選択図】 図1

Description

本発明は、励磁巻線を有する同期電動機を駆動する駆動装置に関する。
回転子を通過する磁束を発生する励磁巻線を備え、この励磁巻線により発生される磁束と固定子巻線が発生する磁束とにより回転子にトルクを発生させる同期電動機が各種提供されている。この同期電動機には、励磁巻線を回転子側に備えた構成のものと、励磁巻線を固定子側に備えた構成のものとがある。前者の同期電動機は、回転子とともに回転する励磁巻線に電流を流すために、回転子にスリップリングを設け、このスリップリングを介して励磁巻線に電流を供給する必要がある。従って、この構成は、スリップリングにおいて火花が発生する問題、スリップリングを使用するため同期電動機の寿命が短くなる問題がある。これに対し、後者の構成には、このような問題がない。
図7は励磁巻線を固定子側に備えた同期電動機10の構成例を示す縦断面図である。なお、この同期電動機10は、特許文献1に開示されている。図7において、同期電動機10の固定子1は、中空円筒状の電機子ヨーク4と、その内周に固定された電機子鉄心2とを有する。この電機子鉄心2は、軸方向に2分割された成層鉄心であり、片側の部分がN極側鉄心2a、他の片側の部分がS極側鉄心2bとなっている。このN極側鉄心2aとS極側鉄心2bは、リング状の直流の励磁巻線5を挾むように軸方向に沿って備えられている。そして、N極側鉄心2aとS極側鉄心2bとは、電機子ヨーク4によって磁気的に結合されかつ機械的に支持されている。また、電機子巻線3は、N極側鉄心2aとS極側鉄心2bとをまたぐようにして備えられている。
同期電動機10の回転子11は、回転子鉄心12と永久磁石13とを有する。このうち回転子鉄心12はシャフト15に連結された回転子ヨーク14に支持固定されている。そして、回転子鉄心12は、部分的に突き出た構造で突極状をなし、永久磁石13が備えられる部分以外の個所に形成された突極状部12aを有する。
図8は回転子11の構成を示す斜視図である。図7における回転子鉄心12の突極状部12aは、図8に示すように、固定子1のN極側鉄心2aに対向したN極側突極状部12aNと、固定子1のS極側鉄心2bに対向したS極側突極状部12aSとに分けられている。すなわち、突極状部12aは、固定子のN極側鉄心2aとS極側鉄心2bとの軸方向の長さに対応して設けられ、しかも周方向に一定幅を有してN極側突極状部12aNおよびS極側突極状部12aSとして存在する。そして、N極側突極状部12aNの周方向隣りには電機子鉄心2と対向する面にN極を有する永久磁石(以下、N極用永久磁石という)13が配置され、またS極側突極状部12aSの周方向隣りには電機子鉄心2と対向する面にS極を有する永久磁石(以下、S極用永久磁石という)13が配置されている。また、回転子11の軸方向には、N極側突極状部12aNとS極用永久磁石13とが並び、またN極用永久磁石13とS極側突極状部12aSとが並んでいる。この結果、回転子11は、N極側突極状部12aNとN極用永久磁石13とが周方向に交互に配置され、軸方向に励磁巻線5の分だけ隔たってS極側突極状部12aSとS極用永久磁石13とが周方向に交互に配置され、しかも軸方向には突極状部12aと永久磁石13とが並んでいるものである。また、突極状部12aは、周方向に永久磁石13の極数と同じ数だけ形成されている。
このような構成において、励磁巻線5に直流電流を流した場合、例えば図7に実線で示すように、固定子1の電機子ヨーク4→S極側鉄心2b→ギャップ→S極側突極状部12aS→回転子鉄心12→回転子ヨーク14→回転子鉄心12→N極側突極状部12aN→ギャップ→N極側鉄心2a→電機子ヨーク4という具合に閉磁路が形成される。この場合、磁束の方向は、直流電流の向きにより制御でき、大きさは電流の大きさにより制御できる。
ここで、直流励磁電流を0にすると、直流励磁電流による磁束は存在せず、永久磁石13による磁束のみとなる。つまり、N極用永久磁石13から発生した磁束は、ギャップ→N極側鉄心2a→電機子→電機子ヨーク4→S極側鉄心2b→ギャップ→S極用永久磁石13→回転子鉄心12→回転子ヨーク14→回転子鉄心12→N極用永久磁石13からなる経路を辿る。この場合、ギャップ磁束は、永久磁石13の残留磁束密度(磁石の特性)と表面積で決まることになる。かかる状態を回転子表面での磁束としてみると、N極用永久磁石13から電機子ヨーク4を通りS極用永久磁石13に至り、このS極用永久磁石13から回転子ヨーク14を通りN極用永久磁石13に至る。従って、回転子11の回転によって電機子巻線3を構成する各コイルは、N極またはS極のどちらか一方の極の磁束を切ることとなり、この結果、電機子巻線3には回転数と極数とによって定まる周波数の交流電圧が誘起される。こうして、永久磁石13によって生ずる誘起電圧と電源電圧とにより決まる最大回転数が得られる。
また、直流励磁電流による磁束が永久磁石13の磁束と同一方向となる場合、永久磁石13による磁束は、N極用永久磁石13とS極用永久磁石13との間で作られることに変りはない。一方、直流の励磁巻線5による磁束は、磁気抵抗が小さな経路を通り、S極側鉄心2b→ギャップ→S極側突極状部12aS→回転子鉄心12→回転子ヨーク14→回転子鉄心12→N極側突極状部12aN→ギャップ→N極側鉄心2a→電機子ヨーク4を通る。この場合、永久磁石13による透磁率は空気に近く、磁石の磁気抵抗が大きいため、直流磁束は突極状部12aを通る。この結果、回転子表面での合成磁束数をみると、N極側突極状部12aNから出た磁束が軸方向に並んでいるS極用永久磁石13へ至り、N極用永久磁石13から出た磁束が軸方向に並んでいるS極側突極状部12aSへ至ることになる。したがって、電機子巻線3を構成する軸方向に沿って配列された各コイルでは、N極側で切る磁束の方向とS極側で切る磁束の方向が逆となり、互いに反対方向の誘起電圧が生じ、全体として誘起電圧は減少する。つまり、直流励磁電流の大きさによって、誘起電圧を小さくすることができ、その大きさによっては誘起電圧を0とすることができる。こうして、永久磁石13の磁束と同一方向の磁束を作ることによって、等価的に界磁磁束を弱める(減磁する)こととなる。
また、直流励磁電流による磁束が永久磁石13の磁束と異なる(反対)方向となる場合も、永久磁石13による磁束は、N極用永久磁石13とS極用永久磁石13とにより作られることに変りはない。一方、直流の励磁巻線5による磁束は、やはり磁気抵抗の小さな経路を通り、N極側鉄心2a→ギャップ→N極側突極状部12aN→回転子鉄心12→回転子ヨーク14→回転子鉄心12→S極側突極状部12aS→ギャップ→S極側鉄心2b→電機子ヨーク4を通る。この結果、回転子表面での合成磁束をみると、N極用永久磁石13から出た磁束が周方向に隣り合うN極側突極状部12aNへ至り、またS極側突極状部12aSから出た磁束が周方向に隣り合うS極用永久磁石13へ至ることになる。したがって、電機子巻線3を構成する軸方向に沿ってスロット内を通る各コイルでは、N極側で切る磁束の方向とS極側で切る磁束の方向とが同方向となり、同一方向の誘起電圧が生じ、全体として誘起電圧が増加する。つまり、直流励磁電流の大きさによって誘起電圧を高くすることができる。こうして、永久磁石13の磁束と反対方向の磁束を作ることにより、等価的に界磁磁束を強める(増磁する)こととなる。
図9は以上説明した同期電動機10とその駆動装置100の回路構成例を示す回路図である。図9において、駆動装置100は、インバータ110と、インバータ制御回路部120と、励磁回路130とを有する。
前掲図7の同期電動機10の電機子巻線3は、図9に示すようにスター結線された3相の電機子巻線3U、3Vおよび3Wにより構成されている。インバータ110は、この3相の電機子巻線3U、3Vおよび3Wに3相の交流電圧を供給する手段である。
図9に示すように、インバータ110は、高電位電源線113Pおよび低電位電源線113N間に介在する3相の上アームスイッチング素子111U、111Vおよび111Wと、3相の下アームスイッチング素子112U、112Vおよび112Wとを有する。ここで、高電位電源線113Pおよび低電位電源線113N間には直流電源114から直流電源電圧V1が出力される。
上アームスイッチング素子および下アームスイッチング素子の各々は、互いに逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)とフライホイールダイオードとにより構成されている。
ここで、上アームスイッチング素子111U、111Vおよび111Wの各IGBTのコレクタは、高電位電源線113Pに各々接続され、下アームスイッチング素子112U、112Vおよび112Wの各IGBTのエミッタは、低電位電源線113Nに各々接続されている。そして、上アームスイッチング素子111UのIGBTのエミッタは、下アームスイッチング素子112UのIGBTのコレクタと接続されており、このエミッタおよびコレクタの接続点が同期電動機10のU相の電機子巻線3Uに接続されている。同様に、上アームスイッチング素子111VのIGBTのエミッタは、下アームスイッチング素子112VのIGBTのコレクタと接続されており、このエミッタおよびコレクタの接続点が同期電動機10のV相の電機子巻線3Vに接続されている。また、上アームスイッチング素子111WのIGBTのエミッタは、112WのIGBTのコレクタと接続されており、このエミッタおよびコレクタの接続点が同期電動機10のW相の電機子巻線3Wに接続されている。
励磁回路130は、図7に示す励磁巻線5に励磁電圧V2を供給する可変電源131を有する。励磁回路130は、この可変電源131が出力する励磁電圧V2を変化させることにより励磁巻線5に流す励磁電流を変化させ、上述した増磁、減磁等の界磁磁束の制御を行う。
インバータ制御回路部120は、図示しないコントローラから与えられるトルク指令値に基づいて、インバータ110の各上アームスイッチング素子および各下アームスイッチング素子の各IGBTのゲートに与えるゲート信号を制御し、インバータ110から同期電動機10の3相の電機子巻線3U、3Vおよび3Wに与える3相交流電圧を制御する。
特開平6−351206号公報
ところで、上述した従来の同期電動機の駆動装置は、励磁巻線に励磁電流を流すための励磁回路が必要であり、この励磁回路の分だけコストが嵩む問題があった。
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、励磁巻線を備えた同期電動機を駆動する手段として、励磁回路の不要な駆動装置を提供することを目的としている。
この発明は、スター結線された3相の電機子巻線と励磁巻線とを有する同期電動機を駆動する駆動装置において、高電位電源線および低電位電源線間の直流電圧のスイッチングを行って、前記同期電動機の3相の電機子巻線に与える3相の交流電圧を発生するインバータと、前記3相の電機子巻線の中性点と前記低電位電源線または前記高電位電源線の一方との間に介挿され、前記励磁巻線と並列接続されたコンデンサとを具備することを特徴とする駆動装置を提供する。
この発明によれば、高電位電源線および低電位電源線間の直流電源電圧に依存した直流電圧が、3相の電機子巻線の中性点と低電位電源線または高電位電源線との間に介挿されたコンデンサに充電される。そして、このコンデンサの充電電圧が励磁巻線に印加される。従って、励磁回路を設けることなく、同期電動機の励磁巻線に励磁電流を流すことができる。コンデンサに充電される電圧は、インバータから3相の電機子巻線に供給する交流電圧を制御することにより制御可能である。
この発明の第1実施形態である同期電動機の駆動装置の構成を示す回路図である。 この発明の第2実施形態である同期電動機の駆動装置の構成を示す回路図である。 降圧コンバータの構成例を示す回路図である。 同実施形態における励磁電圧の制御方法を説明する図である。 この発明の第3実施形態である同期電動機の駆動装置の構成を示す回路図である。 同実施形態の動作を示す図である。 励磁巻線を備えた同期電動機の構成例を示す縦断面図である。 同電動機の回転子の構成を示す斜視図である。 同電動機とその駆動装置の回路構成を示す回路図である。
以下、図面を参照しつつこの発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態である同期電動機の駆動装置100Aの回路構成を示す回路図である。なお、この図において前掲図9に示された各部と対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施形態による駆動装置100Aの駆動対象は、前掲図9の駆動装置100と同様、図7〜図9に示されるような励磁巻線5を固定子1に備えた同期電動機10である。本実施形態による駆動装置100Aは、前掲図9の駆動装置100と異なり、励磁回路130を備えていない。その代わりに、本実施形態による駆動装置100Aは、コンデンサ140を備えている。このコンデンサ140は、同期電動機10においてスター結線された3相の電機子巻線3U、3Vおよび3Wの中性点3Qと低電位電源線113Nとの間に介挿され、励磁巻線5と並列接続されている。以上が本実施形態の構成である。
本実施形態では、インバータ制御回路部120からインバータ110の上アームスイッチング素子および下アームスイッチング素子の各IGBTにゲート信号が供給され、各IGBTのON/OFF駆動が行われる。ここで、低電位電源線113Nの電位を0V、高電位電源線113Pの電位をV1とした場合、各IGBTのON/OFF駆動が行われることにより、瞬時には、0VまたはV1がU相、V相、W相の電圧としてインバータ110から出力される。そして、この電圧を時間軸上で均して観測すると、電位V1/2を中性点レベルとして平衡した3相の交流電圧がインバータ110から同期電動機10の3相の電機子巻線3U、3Vおよび3Wに供給されることとなる。この結果、同期電動機10の固定子1内において、回転子11の回転軸廻りに回転する回転磁界が発生する。
また、同期電動機10では、電圧V1/2を中心として平衡した3相の交流電圧が3相の電機子巻線3U、3Vおよび3Wに供給される結果、3相の電機子巻線の中性点3Qの電圧V2がV1/2となる。この結果、電圧V2=V1/2がコンデンサ140に充電され、このコンデンサ140の充電電圧V2=V1/2が励磁巻線5に印加され、励磁巻線5に励磁電流が流れる。そして、本実施形態では、電圧V2=V1/2が印加された場合に最適な励磁電流が流れるように励磁巻線5の巻回数が決定されている。従って、本実施形態によれば、励磁回路を設けることなく、適切な励磁電流を励磁巻線5に流すことができる。
<第2実施形態>
図2は、この発明の第2実施形態である同期電動機の駆動装置100Bの回路構成を示す回路図である。なお、この図において前掲図9および図1に示された各部と対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態による駆動装置100Bは、上記第1実施形態の駆動装置100Aに対し、減算器141、PI調節器142および電流検出器143を追加し、かつ、インバータ制御回路部120をインバータ制御回路部120Bに置き換えた構成となっている。ここで、電流検出器143は、励磁巻線5に流れる電流を検出し、電流検出値Ifとして出力する。減算器141は、この電流検出値Ifから励磁巻線5に流す目標電流値Ifを減算し、差分If−Ifを出力する。PI調節器142は、この差分If−Ifに対してP(比例)要素およびI(積分)要素を作用させることにより、励磁電圧V2の目標値V2を生成する。そして、インバータ制御回路部120Bは、目標値V2に基づいて、主回路部110に供給するゲート信号の制御を行うことにより主回路部110から同期電動機10に供給するU相、V相、W相の各交流電圧の中性点レベルを制御し、励磁電圧V2を目標値V2に一致させる。
この励磁電圧V2の制御について具体的に説明すると次の通りである。まず、図3に例示する降圧コンバータは、スイッチSと、インダクタLと、コンデンサCと、抵抗Rと、ダイオードD0と、電圧V1の直流電源とにより構成されている。この降圧コンバータにおいて、スイッチSを周期的に開閉した場合、コンデンサCの両端に得られる出力電圧V2は、直流電源からの入力電圧V1と、スイッチSのONデューティ比D(D=0〜1)により次式のように表すことができる。
V2=D×V1 ……(1)
図2においてインバータ100Bによる励磁電圧V2の制御は、この降圧コンバータと基本的に同様な原理に基づいて行われる。図4(a)は、インバータ制御回路部120Bに与えられる1相分の電圧指令値の波形を例示している。この例では、0Vを中心に正負対称な正弦波状に変化する電圧指令値がインバータ制御回路部120Bに与えられている。この場合、インバータ制御回路部120Bは、当該相の交流電圧を出力するスイッチング素子のONデューティ比Dを0.5を中心として上下対称に正弦波状に変化させる。当該相以外の他の2相に関しても同様な制御が行われる。この結果、インバータ110から同期電動機10のU、V、W各相の電機子巻線に対し、0Vを中心として正負対称な正弦波状の交流電圧が与えられる。この場合、コンデンサ140の両端の励磁電圧V2はV1/2となる。そして、インバータ110では、ONデューティ比Dを0〜1まで変化させることにより、最大振幅±V1/2の交流電圧を同期電動機10のU、V、W各相の電機子巻線に与えることが可能である。
本実施形態では、励磁電圧V2をV1/2以外に制御することを可能にするため、インバータのすべての相電圧の指令値に同じオフセットを重畳する。例えば、励磁電圧V2を0.75×V1とする場合、図4(b)に示すように+V1/4を中心として上下対称な電圧指令値を生成する。この場合、各相の交流電圧を出力するスイッチング素子のONデューティ比Dを0.75±0.25の範囲で変化させることにより、最大振幅±V1/4の交流電圧を同期電動機10のU、V、W各相の電機子巻線に与えることが可能である。この場合、コンデンサ140に充電される励磁電圧V2は3V1/4となる。そして、インバータ110では、ONデューティ比Dを0.5〜1まで変化させることにより、最大振幅±V1/4の交流電圧を同期電動機10のU、V、W各相の電機子巻線に与えることが可能である。
以上のようにインバータ制御回路部120Bの電圧指令値に基づいて、励磁電圧V2を直流電圧V1の0〜1.0倍の間で制御することができる。
本実施形態に好適な同期電動機10の制御方法として、次のような方法が考えられる。まず、同期電動機10が低速であり、電機子巻線に与える電圧が低い領域では、ONデューティ比を大きめにして界磁を強めた状態で同期電動機10を制御する。また、同期電動機10が高速であり、電機子巻線に与える電圧が高い領域では、励磁電圧V2をV1/2として同期電動機10を制御するのである。
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加え、励磁電圧V2の可変制御が可能であるため、励磁巻線5に流す励磁電流を最適値に制御することができる、という効果が得られる。
なお、上記第1実施形態ではオープンループ制御となるが、同様にインバータ制御回路部120の電圧指令値を調整することにより、直流電圧V1の0〜1.0倍の間で励磁電圧V2の可変制御が可能である。
<第3実施形態>
図5は、この発明の第3実施形態である同期電動機の駆動装置100Cの回路構成を示す回路図である。なお、この図において前掲図9および図1に示された各部と対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施形態による駆動装置100Cは、上記第1実施形態の駆動装置100Aに対し、スイッチ144を追加した構成となっている。
このスイッチ144は、同期電動機10の回転速度が所定の閾値未満である低速域ではONとなり、コンデンサ140および励磁巻線5の接続点を3相の電機子巻線の中性点3Qに接続する。このため、低速域では、中性点3Qおよび低電位電源線113N間の電圧V2が励磁巻線5に与えられ、励磁巻線5に励磁電流が流れる。従って、低速域において、同期電動機では、回転子の永久磁石によって生成される磁束と励磁電流による磁束とを合わせた磁束が界磁磁束となり、大きなトルクを発生することが可能である。
一方、スイッチ144は、同期電動機10の回転速度が所定の閾値以上である高速域ではOFFとなり、コンデンサ140および励磁巻線5の接続点を3相の電機子巻線の中性点3Qから切り離す。このため、高速域では、励磁巻線5に励磁電流が流れず、同期電動機では、回転子の永久磁石によって生成される磁束のみが界磁磁束となる。その影響は、3相の電機子巻線に発生する誘起電圧の変化となって現れる。
図6は本実施形態における同期電動機10の回転速度と3相の電機子巻線に発生する誘起電圧との関係を示す図である。図6に示すように、3相の電機子巻線に発生する誘起電圧は、同期電動機10の回転速度に依存して大きくなる。そして、本実施形態では、図6に示すように、同期電動機10の回転速度が閾値以上になると、スイッチ144がOFFとなり、同期電動機10では、回転子の永久磁石によって生成される磁束のみが界磁磁束となる。このため、3相の電機子巻線に発生する誘起電圧が低下する。ここで、誘起電圧が3相の電機子巻線に与えられる端子電圧を越えると、同期電動機10において回生制動が働くため、回転速度をさらに高めることが困難になる。しかしながら、本実施形態では、高速域において、スイッチ144がOFFとなって界磁磁束が減り、誘起電圧が低下するため、同期電動機10の回転速度の上限値を高めることが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、上記第1実施形態に対してスイッチ144を追加した簡単な構成により、特別な励磁回路を設けることなく、同期電動機10の励磁巻線5に流す励磁電流を制御し、同期電動機10の回転速度の範囲を広げることができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば上記各実施形態では、3相の電機子巻線の中性点3Qと低電位電源線113Nとの間に励磁巻線5およびコンデンサ140を介挿したが、3相の電機子巻線の中性点3Qと高電位電源線113Pとの間に励磁巻線5およびコンデンサ140を介挿してもよい。また、上記実施形態では、励磁巻線5が生成する磁束と永久磁石が生成する磁束とを界磁磁束とする同期電動機に本発明を適用したが、励磁巻線5が生成する磁束のみを界磁磁束とする同期電動機に本発明を適用してもよい。
100A,100B,100C……駆動装置、10……同期電動機、3U,3V,3W……電機子巻線、5……励磁巻線、140……コンデンサ、110……主回路部、111U,111V,111W……上アームスイッチング素子、112U,112V,112W……下アームスイッチング素子、113P……高電位電源線、113N……低電位電源線、114……直流電源、120……インバータ制御回路部、141……減算器、142……PI調節器、143……電流検出器、144……スイッチ。

Claims (3)

  1. スター結線された3相の電機子巻線と励磁巻線とを有する同期電動機を駆動する駆動装置において、
    高電位電源線および低電位電源線間の直流電圧のスイッチングを行って、前記同期電動機の3相の電機子巻線に与える3相の交流電圧を発生するインバータと、
    前記3相の電機子巻線の中性点と前記低電位電源線または前記高電位電源線の一方との間に介挿され、前記励磁巻線と並列接続されたコンデンサと
    を具備することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記3相の電機子巻線の中性点と前記コンデンサおよび前記励磁巻線の接続点との間に介挿されたスイッチを具備することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記励磁巻線に流れる電流値を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器により検出される電流値を目標値に一致させるための前記インバータの制御を行う手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
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