JP6362164B2 - 電動機 - Google Patents

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本発明は、電動機に関し、特に固定子において電機子巻線、界磁巻線、界磁磁石を備える電動機に関する。
特許文献1,2や非特許文献1,2,3は電動機について記載している。これらに示された電動機は、固定子と回転子とを有しており、回転子は径方向においてエアギャップを介して固定子と対面する。固定子には、ティースとヨークとを有する固定子コア、界磁磁石、界磁巻線および電機子巻線が設けられている。かかる電動機において、界磁巻線の磁束と界磁磁石の磁束との合計が界磁磁束として作用する。
特に非特許文献3では、界磁スロットおよび電機子スロットが交互に形成されたティースが設けられている。界磁巻線は周方向において隣り合う界磁スロットで挟まれる二つのティースに巻回される。電機子巻線は周方向において隣り合う電機子スロットで挟まれる二つのティースに巻回される。界磁磁石は界磁スロットに配置される。
特開2013−201869号公報 米国特許出願公開第2010/0038978号明細書
E.Hoang, M.Lecrivain, M.Gabsi、「A NEW STRUCTURE OF A SWITCHING FLUX SYNCHRONOUS POLYPHASED MACHINE WITH HYBRID EXCITATION」、Power Electronics and Applications, 2007 European Conference on、IEEE、2007年、p.1-8 E.Hoang, S.Hlioui, M.Lecrivain, M.Gabsi、「EXPERIMENTAL COMPARISON OF LAMINATION MATERIAL CASE OF SWITCHING FLUX SYNCHRONOUS MACHINE WITH HYBRID EXCITATION」、Power Electronics and Applications, 2009. EPE '09. 13th European Conference on、IEEE、2009年、p.1-7 松本、小坂、松井、藤網、「ハイブリッド界磁フラックススイッチングモータの高トルク化設計検討」、電気学会研究会資料.VT,自動車研究会、2012年、p.31-36
特許文献1,2および非特許文献1〜3において、界磁磁石に流れる磁束に起因して、界磁磁石に渦電流が生じる。このような渦電流は電動機の効率という観点において好ましくない。
そこで本発明は、界磁磁石の渦電流を低減できる電動機を提供することを目的とする。
本発明にかかる電動機の第1の態様は、回転軸(P)を中心とした径方向において、エアギャップを介して互いに対面する回転子(10)および固定子(20)を備え、前記固定子は、前記回転軸を中心とした周方向において、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)とを交互に規定する複数のティース(211)と、前記回転子とは反対側において前記複数のティースを磁気的に連結する固定子ヨーク(212)と、各々が、隣り合う二つの前記電機子スロット(213b)によって前記周方向において挟まれる二つの前記ティースに巻回される複数の電機子巻線(24)と各々が、隣り合う二つの前記界磁スロット(213a)によって前記周方向において挟まれる二つの前記ティースに巻回される複数の界磁巻線(23)と、各々が前記径方向において前記界磁巻線と対向して前記界磁スロットに設けられ、前記周方向において互いに同じ極性の磁極面を向け合う複数の界磁磁石(22)とを備え、前記界磁巻線の各々のインダクタンスは前記電機子巻線の各々のインダクタンスよりも大きい。
本発明にかかる電動機の第2の態様は、第1の態様にかかる電動機であって、前記固定子ヨーク(212)のうち、前記界磁スロット(213a)と前記径方向で隣接する第1ヨーク部分(212a)の、前記径方向に沿う幅は、前記固定子ヨークのうち、前記電機子スロット(213b)と前記径方向で隣接する第2ヨーク部分(212b)よりも広い。
本発明にかかる電動機の第3の態様は、第1または第2の態様にかかる電動機であって、前記界磁巻線(23)の各々の巻数は前記電機子巻線(24)の各々の巻数よりも大きい。
本発明にかかる電動機の第4の態様は、第1から第3のいずれか一つの態様にかかる電動機であって、前記界磁磁石は希土類磁石である。
本発明にかかる電動機の第1の態様によれば、界磁磁石は界磁磁石と径方向において隣り合い、かつ、径方向に沿って見て電機子巻線の内部に位置しているので、界磁磁石には、電機子巻線の磁束よりも界磁巻線の磁束の方が流れやすい。かかる電動機において、界磁巻線のインダクタンスを電機子巻線のインダクタンスよりも大きくするので、界磁巻線に流れる電流の高調波成分、とりわけ、PWM制御によるキャリア周波数成分を低減することができ、ひいては、界磁巻線の磁束の高調波成分を低減できる。磁束の高調波成分は渦電流を引き起こすので、界磁磁石の渦電流を効果的に低減できる。
本発明にかかる電動機の第2の態様によれば、界磁巻線のインダクタンスを電機子巻線のインダクタンスよりも大きくしやすい。
本発明にかかる電動機の第3の態様によれば、界磁巻線のインダクタンスを電機子巻線のインダクタンスよりも大きくしやすい。
本発明にかかる電動機の第4の態様によれば、希土類磁石は渦電流が流れやすい。よって、本電動機がより有効である。
電動機の概略的な構成の一例を示す断面図である。 磁束の流れを説明するための図である。 磁束の流れを説明するための図である。 固定子の概略的な構成の一例を示す断面図である。 電動機の概略的な構成の一例を示す断面図である。
<電機子の全体構成>
図1は電動機1の概略的な構成の一例を示す断面図であり、仮想的な回転軸Pを含む断面において、電動機1の構成を示している。この電動機1は例えば自動車用モータに適用することができる。
以下では、回転軸Pに沿う方向を軸方向と呼び、回転軸Pを中心とした周方向および径方向をそれぞれ単に周方向および径方向と呼ぶ。
電動機1は回転子10と固定子20とを備えている。回転子10と固定子20とは径方向においてエアギャップを介して互いに対面している。図1の例示では、回転子10は固定子20に対して回転軸P側(内周側)において対面する。このような電動機1はいわゆるインナーロータ型の電動機である。
回転子10は回転子コア11を有している。回転子コア11は軟磁性体で形成されており、複数の突部111と、回転子ヨーク112とを有している。複数の突部111は周方向に沿って間隔を空けて並んで配置されており、回転軸Pを中心とした径方向において固定子20側へと突出する。回転子ヨーク112は、複数の突部111の固定子20とは反対側の端部同士を周方向において磁気的に連結する。回転子コア11は、軸方向に沿って見て、歯車形状を有している。
図1の例示では、回転子ヨーク112には回転軸Pを含む領域において、貫通孔113が形成されている。貫通孔113は軸方向に沿って回転子ヨーク112を貫通する。この貫通孔113には不図示のシャフトが挿入されて、回転子ヨーク112がシャフトに固定される。なお、シャフトが、回転子10の軸方向の両側に設けられる端板に取り付けられる場合などには、貫通孔113は不要である。
回転子コア11は例えば軸方向に沿って積層された複数の積層鋼板によって形成されてもよく、あるいは、絶縁物を含んで構成される圧粉磁心であってもよい。これによって、回転子コア11に生じる渦電流を低減できる。
固定子20は、固定子コア21と、界磁磁石22と、界磁巻線23と、電機子巻線24とを備えている。
固定子コア21は軟磁性体で形成されており、複数のティース211と固定子ヨーク212とを備えている。図1の例示では、ティース211は偶数個設けられており、これらが回転軸Pの周囲に配置される。より具体的には、ティース211は周方向に沿って間隔を空けて並んで配置され、回転軸Pを中心として放射状に配置される。
固定子ヨーク212はティース211の一端(回転子10とは反対側の一端)同士を磁気的に連結する。固定子ヨーク212は例えば回転軸Pを中心とした略円筒状の形状を有している。このような固定子コア21には、ティース211の周方向における相互間に空間(以下、スロットと呼ぶ)213が形成されることになる。図1の例示では、ティース211が偶数個設けられるので、スロット213も偶数個形成される。
固定子コア21は例えば軸方向に沿って積層された複数の積層鋼板によって形成されてもよく、あるいは、絶縁物を含んで構成される圧粉磁心であってもよい。これによって、固定子コア21に生じる渦電流を低減できる。
界磁磁石22は永久磁石であって、例えば希土類磁石である。希土類磁石は高い残留磁束密度と保磁力とを有している。よって、電動機1の効率を高めることができる。その一方で、希土類磁石には渦電流が生じやすい。特にネオジム磁石(ネオジム、鉄およびホウ素を主成分とした磁石)は鉄を主成分の一つとして含むので、その焼結体は、導電率が高く、渦電流が生じやすい。よって、以下で述べるように、界磁磁石22の渦電流を低減できる本電動機1は、特に有効である。
複数の界磁磁石22は、スロット213のうち、複数の界磁スロット213a内に配置される。図1の例示では、界磁スロット213aはスロット213のうち、周方向において一つ飛ばしで隣り合うスロットである。これら複数の界磁磁石22は周方向において互いに同じ極性の磁極面を向けて配置されている。つまり、界磁磁石22は略周方向に沿って磁化されており、周方向で隣り合う界磁磁石22の対向面は、互いに同じ極性の磁極面である。言い換えれば、複数の界磁磁石22は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面を向けて配置される。
界磁巻線23は界磁スロット213aにおいてティース211に巻回される。より具体的には、界磁巻線23は、周方向において互いに隣り合う一対の界磁スロット213aによって挟まれる一対のティース211(以下、一対の界磁ティース211aとも呼ぶ)に対して、巻回される。つまり、この一対の界磁ティース211aを一つのティースとみなして、これに界磁巻線23が電機子スロット213bを無視すれば集中巻で巻回されるのである。界磁巻線23は径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対の界磁ティース211aに巻回される。
以上のように、界磁スロット213aには界磁磁石22と界磁巻線23とが配置されるところ、界磁巻線23は界磁磁石22と径方向において隣り合っている。図1の例示では、界磁磁石22が界磁巻線23に対して回転子10側に配置されている。
界磁巻線23は直流励磁されて、直流電流が流れる。界磁巻線23に流れる直流電流の向きは、当該界磁巻線23と隣り合う界磁磁石22の極性に応じて決まる。この直流電流の向きについては後に詳述する。
電機子巻線24は、スロット213のうち、界磁スロット213a以外の電機子スロット213bにおいて、ティース211に巻回されている。電機子スロット213bはスロット213のうち界磁スロット213aの相互間に位置するスロットである。つまり、ティース211は界磁スロット213aおよび電機子スロット213bを周方向において交互に形成する。電機子巻線24は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット213bによって挟まれる一対のティース211(以下、電機子ティース211bとも呼ぶ)に対して、巻回される。つまり、この一対の電機子ティース211bを一つのティースとみなして、これに電機子巻線24が集中巻で巻回されるのである。電機子巻線24も径方向に沿う軸を巻回軸として、一対の電機子ティース211bに巻回される。
このような固定子20において、径方向に沿って見れば、界磁磁石22が電機子巻線24の内部に位置することとなる。
電機子巻線24は交流励磁されて、交流電流が流れる。電機子巻線24に適切に交流電流が流されることによって、電機子巻線24は回転子10へと回転磁界を供給することができる。回転子コア11はこの回転磁界に応じて回転軸Pの周りを回転する。
なお、電機子巻線24および界磁巻線23は、これを構成する導線の一本一本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指す。これは図面においても同様である。また、巻き始め及び巻き終わりの引き出し線、及びそれらの結線も図面においては省略した。
<界磁巻線の直流励磁>
界磁巻線23には、次のように電流を流す。即ち、界磁磁石22が発生させる磁束(以下「磁石磁束」と仮称する)が回転子コア11を経由するように、界磁巻線23に直流電流を流す。もし磁石磁束が固定子ヨーク212を通れば、磁石磁束の多くは固定子ヨーク212を通って回転子コア11を通らない。よって、磁石磁束が固定子ヨーク212を通らないように、界磁巻線23に電流を流すのである。したがって、界磁巻線23には次のように電流を流せばよい。即ち、界磁巻線23に電流が流れない状態で磁石磁束が固定子ヨーク212を流れる方向と反対方向に、界磁巻線23の磁束(以下、「巻線磁束」と仮称)が固定子ヨーク212を流れるように、界磁巻線23に電流を流せばよい。これにより、磁石磁束および巻線磁束が回転子コア11を経由して流れることとなる。
このように、磁石磁束および巻線磁束は回転子コア11を経由して流れて、界磁磁束として作用する。したがって、界磁巻線23に流れる直流電流を制御することで、界磁磁束の大きさを制御することができる。例えば低速回転時に界磁磁束の大きさを増大させて、大きなトルクを出力する強め界磁制御を行い、高速回転時に界磁磁束の大きさを低減させて、回転速度を高める弱め界磁制御を行うことができる。
界磁巻線23に流れる直流電流は、例えばチョッパ回路(例えば降圧回路、昇圧回路または昇降圧回路)などによって制御される。より具体的には、界磁巻線23に印加される直流電圧を、当該チョッパ回路によって生成する。このチョッパ回路はスイッチング素子を有し、スイッチング素子のオン/オフが適宜に切り替わることによって、直流電圧が制御される。このようなスイッチング素子の制御は例えば周知のPWM(Pulse Width Modulation)方式によって行うことができる。
したがって、界磁巻線23に流れる直流電流は、スイッチング素子のオン/オフに伴う高調波成分を含んでおり、この直流電流の高調波成分は、巻線磁束の高調波成分を生じさせる。このような巻線磁束の高調波成分は、渦電流を生じさせるので好ましくない。
<電機子巻線の交流励磁>
電機子巻線24には適宜に交流電流が流れ、これにより回転子10へと回転磁界を印加する。例えば電機子巻線24は三相の電機子巻線が採用され、これら電機子巻線24には三相の交流電流が流れる。電機子巻線24に流れる交流電流は、例えばインバータなどによって制御される。より具体的には、電機子巻線24に印加される交流電圧(例えば三相の交流電圧)を、当該インバータによって生成する。このインバータはスイッチング素子を有し、スイッチング素子のオン/オフが適宜に切り替わることによって、交流電圧の振幅および周波数が適宜に制御される。このようなスイッチング素子の制御も例えば周知のPWM(Pulse Width Modulation)方式によって行うことができる。
したがって、電機子巻線24に流れる交流電流は、主として回転磁界を生じさせる基本波成分と、スイッチング素子のオン/オフに伴う高調波成分とを含んでいる。
電機子巻線24の磁束は交番磁束であるので、これに起因して渦電流が生じる。またスロット高調波等の影響により、交流電流に生じる高調波成分に起因して、交番磁束にも高調波成分が生じる。この交番磁束の高調波成分も渦電流を生じさせる。
<界磁磁石に生じる渦電流>
上述の通り、界磁巻線23および電機子巻線24の磁束によって渦電流が生じる。磁束は回転子コア11、固定子コア21および界磁磁石22を流れるので、渦電流は回転子コア11、固定子コア21および界磁磁石22において生じるが、ここでは界磁磁石22の渦電流について考察する。
さて、電機子巻線24による磁束は界磁磁石22をあまり通らず、界磁巻線23による磁束の方が界磁磁石22を通りやすい。その理由について以下に述べる。ここでは簡単のために、回転子コア11を無視する。つまり、電機子巻線24および界磁巻線23の磁束が流れる経路は、回転子コア11の回転位置によって変化するものの、ここでは簡単のために、当該経路を平均的に考慮しているのである。
電機子巻線24は上述のように径方向に沿う軸を巻回軸として巻回されている。よって、電機子巻線24の内部において磁束は径方向に沿って流れる。また図1から理解されるように、電機子巻線24の内部には、一対の電機子ティース211b、界磁磁石22および界磁巻線23が配置されている。そして、界磁磁石22と界磁巻線23とが、一対の電機子ティース211bの間において、径方向で互いに隣り合う。この界磁磁石22の透磁率は固定子コア21の透磁率に比べて低い。また界磁巻線23はその導線間が絶縁されており、その絶縁部材の透磁率は固定子コア21の透磁率に比べて低い。したがって、電機子巻線24による当該磁束は電機子巻線24の内部において、主として一対の電機子ティース211bを径方向に沿って通り、界磁巻線23および界磁磁石22を通りにくい。
界磁巻線23も上述のように径方向を軸として巻回されている。よって、界磁巻線23の内部において磁束は径方向に沿って流れる。しかるに界磁磁石22は電機子巻線24とは違って、界磁巻線23と径方向において隣り合う位置に設けられている。巻線磁束は、界磁巻線23と径方向で隣接する領域において周方向に流れるところ、より界磁巻線23に近い界磁磁石22を流れやすい。
したがって、界磁磁石22の渦電流の低減という観点では、界磁巻線23の磁束に起因する渦電流を低減させることが望ましい。
<界磁巻線23のインダクタンスと電機子巻線24のインダクタンス>
界磁巻線23のインピーダンスは周波数とインダクタンスとの積で表される。よって、当該インダクタンスを高めることで、特に高調波成分についてのインピーダンスを増大できる。したがって、界磁巻線23に流れる直流電流の高調波成分を低減することができる。よって界磁巻線23のインダクタンスを高めることにより、磁束の高調波成分も低減することができ、ひいては界磁磁石22に生じる渦電流を低減することができるのである。しかも、上述のとおり、界磁巻線23による磁束の方が、電機子巻線24による磁束よりも、界磁磁石22を通りやすい。
また電機子巻線24のインピーダンスも周波数とインダクタンスとの積で表されるので、交流電流の周波数が高いほど、電機子巻線24のインピーダンスも高くなる。電機子巻線24に流れる交流電流の周波数(基本波成分の周波数)を高めると、電動機1の回転速度を高めることができる。つまり、電動機1が高速で回転しているときほど、交流電流に対する電機子巻線24のインピーダンスが高くなる。したがって、十分な交流電流を流すために、電機子巻線24のインダクタンスはある程度制限されることが望ましい。
そこで、界磁巻線23のインダクタンスを電機子巻線24のインダクタンスよりも大きく設定する。ここで、「大きい」とは、単なる大小関係を含むが、実際は、たとえば2倍以上、といった、十分に大きいことが望ましい。
なお界磁巻線23および電機子巻線24のインダクタンスは、回転子コア11の回転位置によって変動するところ、全ての回転位置において、界磁巻線23のインダクタンスが電機子巻線24のインダクタンスよりも大きく設定されることが望ましい。
<インダクタンスの設定>
巻線のインダクタンスは、巻線の巻数の二乗と、巻線の磁束が流れる経路の磁気抵抗の逆数との積で決まる。よって、界磁巻線23の巻数は電機子巻線24の巻数よりも大きく設定されるとよい。これにより、その逆の場合に比べて、界磁巻線23のインダクタンスを電機子巻線24のインダクタンスよりも大きくしやすい。
次に、界磁巻線23の磁束が流れる経路と、電機子巻線24の磁束が流れる経路について考察するとともに、その磁気抵抗について考える。まず回転子コア11の偏在を平均的に考慮すべく、回転子コア11を無視する。図2に示すように、界磁巻線23の磁束は、固定子ヨーク212のうち、界磁スロット213aと径方向において隣接する第1ヨーク部分212aを通る。一方で、電機子巻線24の磁束は、図3に示すように、固定子ヨーク212のうち、電機子スロット213bと径方向において隣接する第2ヨーク部分212bを通る。
但し、電機子巻線24の磁束は、周知のように、第1ヨーク部分212aを流れることもある。これは電機子巻線24に印加される交流電圧の状態に依存する。そして、電機子巻線24の磁束が第1ヨーク部分212aを流れないときには、第1ヨーク部分212aは電機子巻線24のインダクタンスに影響を与えない。よって、第1ヨーク部分212aは界磁巻線23のインダクタンスに対してより大きな影響を与える。簡潔に言えば、第1ヨーク部分212aの磁気抵抗を小さくすれば、電機子巻線24のインダクタンスよりも大きい量で、界磁巻線23のインダクタンスを大きくできる。
さて磁気抵抗は、コアの当該磁束に垂直な断面の面積が大きいほど、小さい。そして、磁束は第1ヨーク部分212aおよび第2ヨーク部分212bをそれぞれ周方向に沿って流れるので、第1ヨーク部分212aおよび第2ヨーク部分212bの径方向に沿う幅が、それぞれ第1ヨーク部分212aおよび第2ヨーク部分212bの磁気抵抗に影響する。より具体的には、当該幅が広いほど磁気抵抗は小さい。
そこで図4に例示するように、第1ヨーク部分212aの幅W1を、第2ヨーク部分212bの幅W2よりも広く設定するとよい。これにより、その逆の場合に比べて、界磁巻線23のインダクタンスを電機子巻線24のインダクタンスよりも大きく設定しやすい。
<界磁磁石と界磁巻線との位置>
図5は電動機1の概略的な構成の他の一例を示す断面図である。この電動機1は界磁磁石22と界磁巻線23との位置という点で、図1の電動機1と相違する。図5の例示では、界磁磁石22は界磁巻線23に対して回転子10とは反対側に設けられている。
かかる電動機1においても、界磁巻線23には、自身と隣り合う界磁磁石22の磁束が、対応する第1ヨーク部分212aに流れないように、直流電流を流す。そして、この直流電流が制御されることで、界磁磁束の大きさが制御される。
また図5の電動機1であっても、界磁巻線23のインダクタンスが電機子巻線24のインダクタンスよりも大きく設定される。これにより、上述した効果を奏する。また、界磁巻線23の巻数は電機子巻線24の巻数よりも大きく設定されることが望ましく、さらに、第1ヨーク部分212aの径方向に沿う幅は第2ヨーク部分212bの径方向に沿う幅よりも広いことが望ましい。界磁巻線23のインダクタンスを電機子巻線24のインダクタンスよりも大きくしやすいからである。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、相互に矛盾しない限り、上記の種々の実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 電動機
10 回転子
20 固定子
22 界磁磁石
23 界磁巻線
24 電機子巻線
211 ティース
212 ヨーク
212a 第1ヨーク部分
212b 第2ヨーク部分
213 スロット
213a 界磁スロット
213b 電機子スロット

Claims (4)

  1. 回転軸(P)を中心とした径方向において、エアギャップを介して互いに対面する回転子(10)および固定子(20)を備え、
    前記固定子は、
    前記回転軸を中心とした周方向において、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)とを交互に規定する複数のティース(211)と、
    前記回転子とは反対側において前記複数のティースを磁気的に連結する固定子ヨーク(212)と、
    各々が、隣り合う二つの前記電機子スロット(213b)によって前記周方向において挟まれる二つの前記ティースに巻回される複数の電機子巻線(24)と
    各々が、隣り合う二つの前記界磁スロット(213a)によって前記周方向において挟まれる二つの前記ティースに巻回される複数の界磁巻線(23)と、
    各々が前記径方向において前記界磁巻線と対向して前記界磁スロットに設けられ、前記周方向において互いに同じ極性の磁極面を向け合う複数の界磁磁石(22)と
    を備え、
    前記界磁巻線の各々のインダクタンスは前記電機子巻線の各々のインダクタンスよりも大きい、電動機。
  2. 前記固定子ヨーク(212)のうち、前記界磁スロット(213a)と前記径方向で隣接する第1ヨーク部分(212a)の、前記径方向に沿う幅は、前記固定子ヨークのうち、前記電機子スロット(213b)と前記径方向で隣接する第2ヨーク部分(212b)よりも広い、請求項1に記載の電動機。
  3. 前記界磁巻線(23)の各々の巻数は前記電機子巻線(24)の各々の巻数よりも大きい、請求項1または2に記載の電動機。
  4. 前記界磁磁石は希土類磁石である、請求項1から3のいずれか一つに記載の電動機。
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