JP2018529361A - クロストリジウム ベイジェリンキー及びその使用、並びにブタノールの製造方法 - Google Patents

クロストリジウム ベイジェリンキー及びその使用、並びにブタノールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018529361A
JP2018529361A JP2018516840A JP2018516840A JP2018529361A JP 2018529361 A JP2018529361 A JP 2018529361A JP 2018516840 A JP2018516840 A JP 2018516840A JP 2018516840 A JP2018516840 A JP 2018516840A JP 2018529361 A JP2018529361 A JP 2018529361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fermentation
butanol
clostridium
medium
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018516840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6942697B2 (ja
Inventor
張全
曹長海
高慧鵬
關浩
王領民
喬凱
Original Assignee
中国石油化工股▲ふん▼有限公司
中國石油化工股▲フン▼有限公司撫順石油化工研究院
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 中国石油化工股▲ふん▼有限公司, 中國石油化工股▲フン▼有限公司撫順石油化工研究院 filed Critical 中国石油化工股▲ふん▼有限公司
Publication of JP2018529361A publication Critical patent/JP2018529361A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6942697B2 publication Critical patent/JP6942697B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • C12N1/205Bacterial isolates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • C12P7/08Ethanol, i.e. non-beverage produced as by-product or from waste or cellulosic material substrate
    • C12P7/10Ethanol, i.e. non-beverage produced as by-product or from waste or cellulosic material substrate substrate containing cellulosic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/16Butanols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
    • C12R2001/145Clostridium
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Abstract

本発明は、寄託番号CGMCC No. 9124であるクロストリジウム ベイジェリンキー、ブタノールの製造におけるその使用、およびブタノールの製造方法を提供する。

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は微生物技術分野に属するものであり、具体的には、ブタノール製造用クロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)及びその使用、並びに該クロストリジウム ベイジェリンキーを用いてブタノールの製造方法に関連する。
[背景技術]
ブタノールは重要な有機化学原料であり、化学、製薬および石油産業などの工業部門において幅広い用途を有する。ブタノールは、エタノールよりメチレンが2つ多いため、より高い疎水性およびより低い揮発性を有し、ガソリンと任意の割合で混合してもよく、そしてガソリンと同じ発熱量を有する。ブタノールは潜在的なガソリンの代用品、且つ再生可能なエネルギー源としてますます世界各国から注目されている。
ブタノールの製造技術は、主に化学合成法と微生物発酵法の2種類がある。石油資源が日増しに枯渇するにつれ、石油を原料とするプロピレンカルボニル合成法を用いてブタノールを製造する方法は、既に難しいステップとなり、そして技術が遅れているため、装置が小さくて生産性が不足することで、中国のブタノール市場は長期的に供給不足になり、国内市場の需要を満たすことができない。微生物発酵法によりブタノールを製造することは独自の優勢を持ち、生物ブタノールを発展させることによってブタノールの供給不足という現状を大きく緩和する。
アセトン-ブタノール発酵(acelone-butanol fermentation, ABF)の主な生成物は、アセトン、ブタノールおよびエタノールであり、前記生成物の濃度比は3:6:1とする。伝統的なアセトン-ブタノール発酵では、一般的に以下の問題を存在している:(1)伝統的なアセトン-ブタノールの発酵菌株は、厳格な嫌気性条件下で発酵を培養する必要がある。わずかな操作不注意で空気に入りやすく、菌体が正常に育つことはできないことを引き起こした。そのため、発酵過程において、一般的にN2などの不活性ガスを導入することで嫌気性環境を確保する必要があるため、エネルギー消費が比較的に高い。(2)ブタノール収率がわずか20重量%程度と低く、ブタノールの発酵過程における原料のコストが高くさせ、ブタノール発酵産業の発展が制限された。(3)発酵生成物は、ブタノール以外の40重量%のアセトン及びエタノール等の副生物があり、製品分離の難しさを増加させ、エネルギー消耗を向上させた。
その中、菌株と原料の問題は常にブタノール発酵を困らせるボトルネックである。近年、国内外に繊維原料を発酵しブタノールを生産する研究が多く、主に菌種の変異育種、適切な繊維原料の見つけ、及びその糖液の調製、発酵工芸条件の最適化及び溶媒抽出などの方面をめぐって研究を行う。現在の工業では、ブタノールの生産用菌株は、主にアクロストリジウム アセトブチリカムとクロストリジウム ベイジェリンキーを使用し、それらは類似の代謝経路を有し、生成物は以下の3種類に分ける;1)溶媒(アセトン、エタノール及びブタノール);2)有機酸(酢酸、乳酸及び酪酸);3)ガス(二酸化炭素、水素等を含む)。産物における水素を回収するのは、さらにABE(すなわち溶媒)の経済競争力を高めることができる。しかし、アセトンやエタノール等の副産物を生成することにより、限られた炭素の代謝流を消耗し、生成物中のブタノールの割合を減らし、ブタノール回収の難易度を増加させた。
中国特許出願CN102162001Aは、クロストリジウム アセトブチリカムを用いて嫌気性発酵によりブタノールを製造する方法を提供し、クロストリジウム アセトブチリカム菌Clostridium acetobutylicum XY16、クロストリジウム アセトブチリカム菌Clostridium acetobutylicum AS1.134、またはクロストリジウム アセトブチリカム菌Clostridium acetobutylicum AS1.135を発酵菌株(厳格な嫌気性菌)とし、グルコースを基質として、初期のグルコース濃度が60g/Lで、N2を導入することで発酵缶の厳密な嫌気性環境を保持する場合には、クロストリジウム アセトブチリカム菌の酸生産期間およびアルコール生産期間のpHに対する制御を行い、全溶媒とブタノールの生産量はそれぞれ19.20〜19.65g/Lおよび11.43〜12.30g/Lで、ブタノールの選択性は58.2〜63.1%で、溶媒の収率は32.03〜32.8%で、ブタノールの収率は19.1〜20.5%となった。しかしながら、該方法は厳密な嫌気性環境下で発酵させる必要があり、脱酸素が不十分となることにより菌体は生長しないリスクがあり、且つ発酵生成物に多くのアセトンおよびエタノールが副生するため、後続のブタノール回収の圧力が比較的大きく、分離のエネルギー消費が比較的高い。
中国特許出願CN102719371Aにはブタノール製造用クロストリジウム ベイジェリンキーClostridium beijerinckii Y-3が開示され、該菌株は、原菌株Clostridium beijerinckii NCIMB8052に対してメタンスルホン酸エチル(EMS)で変異誘発させることで変異株(厳格な嫌気性菌)を得る。キシロース残渣を原料として生物学的ブタノールを調製してもよい。キシロース残渣の酵素加水分解物を炭素源として使用する場合、全溶媒の生産量は16g/Lで、ブタノールの生産量は8.2g/Lで、アセトンの含有量は6.8g/Lで、エタノール含有量は1.0g/Lだった。該菌株は、伝統的な生物発酵でのブタノール生産能力と原料不足という問題を解決したのに、発酵プロセスは同様に厳格な嫌気性環境下で行わせる必要があり、且つ発酵生成物に多くのアセトンおよびエタノールが副生したため、依然として後続のブタノール回収の圧力が比較的大きく、分離のエネルギー消費が比較的高い欠陥がある。
[発明の内容]
本発明は、現有技術における上記欠点を克服するために、新たなブタノール製造用クロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)及びその使用、並びに該クロストリジウム ベイジェリンキーを用いてブタノールの製造方法を提供することを目的とする。該菌株は、兼気性条件下で成長して発酵され、ブタノールを製造することができ、ブタノールの生産量および収率が高く、アセトンとエタノールの副産物が少ない特徴がある。
上記の目的を達成するために、本発明の発明者らは大量の実験を行い、クロストリジウム ベイジェリンキーを1株得て、該クロストリジウム ベイジェリンキーの発酵でブタノールを製造した時に、抗酸化性能が強く、兼気性条件下で成長することができ、ブタノールの生産量および収率が高く、また発酵産物には、アセトンとエタノールの副産物がほとんど副生されない。
そのため、本発明は、第一方面では、中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センターに、寄託番号CGMCC No. 9124で、寄託されたクロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)を提供する。
本発明は、第二方面では、ブタノールの製造における上記クロストリジウム ベイジェリンキーの使用を提供する。
本発明は、第三方面では、上記クロストリジウム ベイジェリンキーを発酵培地中に接種し、発酵培養するブタノールの製造方法を提供する。
本発明の寄託番号CGMCC No. 9124であるクロストリジウム ベイジェリンキーは、兼気性菌株に属し、pH値は4〜9であり、温度は20〜42℃の条件下でいずれも良好に成長することができ、且つブタノールを発酵で製造する過程に、抗酸化能が強く、培地には除酸素剤を入れる必要がなく、全過程でN2および/または不活性ガスなどを通して嫌気性環境を維持する必要はない。従来の嫌気性菌発酵過程における酸素除去のステップが減少し、酸素除去の不充分による菌体の増殖しないことを避け、エネルギー消費を低減させた。また、本発明のクロストリジウム ベイジェリンキーを用いて兼気性条件下で発酵し、ブタノールの生産量および収率が高く、そして得られた発酵産物には、アセトンとエタノールの副産物がほとんどなく、後続のブタノール回収の圧力を軽減し、分離のエネルギー消費を低減させた。また、該クロストリジウム ベイジェリンキーは、嫌気性条件下で発酵してブタノールを製造することもできる。
本発明の他の特徴と利点は、その後の具体的な実施方式の部分において詳しく説明する。
[生物保蔵]
本発明のクロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)は2014年5月4日に、中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センター(CGMCC、住所:〒100101北京市朝陽区北辰西路1-3、中国科学院微生物研究所)に、寄託番号CGMCC No. 9124で寄託された。
[発明の詳細な説明]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ここに説明される実施例は例示であり、本発明を解釈するためのものであって、本発明を限定するものではないと理解すべきである。
本文に開示された範囲内の端点と如何なる値は、いずれも該正確な範囲内または値に限らず、これらの範囲内または値は、これらの範囲内または値に近い値を含むことと理解すべきである。数値範囲において、各範囲の端点値の間、各範囲の端点値と単独の点値との間に、個別の点値との間で互いに組み合わせて1つまたは複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値範囲内は本文で具体的に開示されたと見なすべきである。
本発明は、第一方面では、寄託番号CGMCC No. 9124であるクロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)を提供する。
本発明に記載のクロストリジウム ベイジェリンキーはグラム陽性菌で、その細胞形態を棒状とし、芽胞を形成することができる。生理生化の鑑定により、カタラーゼ陰性、オキシダーゼ陰性、及び硝酸塩を同化しないことであった。具体的な生理的および生化学的特性は表1に示す。
該クロストリジウム ベイジェリンキーに対して菌株の総DNAを抽出し、16S rRNAを配列分析し、その配列16S rRNAはSEQ ID NO:1に示す。該クロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)とXH0906と命名し、そして中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センターに寄託番号CGMCC No. 9124で寄託された。
本発明のクロストリジウム ベイジェリンキーは兼気性菌(すなわち通性嫌気性菌)に属し、pH値4〜9、温度20〜42℃の条件下でいずれも良好に成長することができ、兼気性条件下で発酵培養を行い、ブタノールの生産量が高く、そして発酵産物には、アセトンとエタノールとをほとんど含まない。また、該クロストリジウム ベイジェリンキーは、嫌気性条件下(厳格的な嫌気性条件)で発酵してブタノールを製造してもよい。
本発明は、第二方面では、ブタノールの製造における上記クロストリジウム ベイジェリンキーの使用、特に兼気性条件下でブタノールの発酵製造における使用を提供する。
本発明は、第三方面では、本発明のクロストリジウム ベイジェリンキーを発酵培地中に接種して発酵培養するブタノールの製造方法を提供する。
本発明によるブタノールを製造する方法において、前記発酵培養は嫌気性条件下(厳格的な嫌気性条件)で行ってもよいし、兼気性条件下で行ってもよい。兼気性条件下で行うことが好ましい。
本発明によるブタノールを製造する方法において、好ましくは、兼気性条件下での実施様態は、培地には除酸素剤を入れずに、培養過程においても、嫌気性環境を維持するN2および/または不活性ガスなどを通さないことを含む。つまり、本発明における兼気性条件とは、培養過程(種培養と発酵培養)において、培地には亜ジチオン酸ナトリウム(保険粉とも呼ばれる)などの除酸素剤を入れる必要がなく、N2および/または不活性ガスなどを通して嫌気性環境の保持にする必要もない。一般的に、兼気性条件で培養環境の酸素分圧の変化状況は以下の通りであり、発酵過程においてタンク内圧力が大気圧であり、発酵タンクにおける発酵初期状態時の酸素分圧は20%±1%であり、発酵の進行に伴って大量のCO2と水素が発生し、酸素分圧が低下しゼロまで低下してもよく、発酵後期においてガスの生産量の減少に伴って酸素分圧が再び上昇する。
本発明のブタノールを製造する方法において、発酵培養の条件として、発酵温度は20〜42℃が好ましく、28〜42℃がより好ましく、32〜38℃がさらに好ましいことを含む。
発酵培養の条件として、発酵時間は48〜120hが好ましく、60〜80hがより好ましいことを含む。具体的な発酵時間は、具体的な発酵条件に基づいて確定してもよい。
発酵培養は撹拌しながら進行することが好ましく、撹拌速度は50〜200rpmであることがより好ましい。
発酵培養の条件として、pH値は4〜9が好ましく、5〜7がより好ましいことをさらに含む。その中、発酵培地の初期pH値は5.5〜8.5が好ましく、6〜8がより好ましい。さらに、本発明の発明者らは、また発酵過程において、発酵の進行に伴って発酵液のpH値は、先に低減(4〜5まで低減してもよい)してから上昇し、発酵液のpH値が培地の初期pH値から5.5〜6.5のいずれかの値に低減した時に、該時刻からこの段階の終りまでの発酵液のpH値を5.5〜6.5に制御することで、ブタノールの生産量と収率をさらに向上することができる。したがって、ブタノールの生産量と収率をさらに高めるためには、発酵プロセスにおいて、発酵液のpH値を5.5〜6.5のいずれかの値まで低減した時に、該時刻から発酵の終わりまでこの段階の発酵液のpH値を、5.5〜6.5に制御する(前記範囲内または該範囲の何れかの値に制御する)ことが好ましい。
本発明の好適な一実施形態によれば、発酵培養の条件として、発酵温度は28〜42℃で、34〜38℃であるが好ましい;発酵の初期段階でpHを自然に、対数期の後にpHを4〜7に制御し、5〜6に制御することがより好ましい;発酵時間は72〜120hであることを含む。一般的には、前記発酵培養条件下で12〜36hを培養し、本発明のクロストリジウム ベイジェリンキーが対数期に入ることができる。その中、対数期は、発酵液OD600値(すなわち波長600nmにおける光吸収値)を定期的に検出することによって判断されてもよい。一般的に、対数期のOD600値が1〜5となる。
本発明のブタノールの製造方法では、発酵培養の具体的な技術には特に限定されず、前記発酵培養の条件が満たされる限り、本分野で一般に使われる種々の発酵技術、例えば、バッチ発酵、バッチ供給発酵、連続発酵、原位置抽出発酵、またはガスの原位置抽出発酵等であってもよい。各技術工程の具体的な操作手順は当業者にはよく知られるものであるため、ここではもう贅言しない。
本発明のブタノールの製造方法では、発酵する前に、菌種の活性化培養と種子培養を順次行うことが含まれる。活性化培養は、寄託された状態の菌種を適切な培養基に接種し、発酵性能を回復させるためである。種子培養は高純度で活性が強い培養物、つまり活発で十分な接種数量を有する発酵菌種というものを得るためである。その中、菌種の活性化培養と種子培養には特別な制限がなく、それぞれ本分野によく使われる種々の培養条件であってもよい。本発明では、菌種の活性化培養は嫌気性条件下で行われ、種子培養は兼気性条件で行われることが好ましい。
好ましくは、ブタノールの製造方法は、
(1)クロストリジウム ベイジェリンキーを固体培地に接種し、嫌気性条件下で28〜42℃で、12〜48時間培養する;
(2)ステップ(1)で得られたクロストリジウム ベイジェリンキーを種子培地中に接種し、兼気性条件下で28〜42℃で、12〜48時間そのまま置いて培養して種子液を得る;
(3)ステップ(2)で得られた種子液を、2〜20体積%の接種量にて発酵培地中に接種し、兼気性条件下で発酵培養を行う、ことを含む。具体的な発酵培養条件については、前記の説明を参照し、ここではもう贅言しない。
本発明におけるブタノールの製造方法では、発酵培地は、好ましくは炭素源、窒素源、無機塩、およびビタミンを含み、発酵培地の初期pH値は5.5〜8.5であり、6〜8がより好ましい。
炭素源について特に制限はなく、本分野で一般に使われる種々の炭素源、例えば、糖、スターチおよび木質セルロース原料等の少なくとも一種類であってもよく、好ましくは、グルコース、キシロース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、マルトース、セロビオース、オリゴグルコースとオリゴキシロースからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上であり、好ましくはグルコースおよび/またはキシロースである。また、ブタノールの生産量および収率を更に向上させるために、より好ましくは、炭素源はグルコースおよび/またはキシロースであり、さらに好ましくはグルコースである。
窒素源について特に制限はなく、本分野で一般に使われる種々の窒素源であってもよい。窒素源は有機窒素源と無機窒素源を含み、有機窒素源は牛肉エキス、酵母エキス、ペプトン、コーンシロップ及び大豆ミールの加水分解物からなる群より選択される一種類もしくは二種類以上であることが好ましい。ブタノールの生産量および収率を更に向上させるために、有機窒素源は大豆ミールの加水分解物、ペプトン及び牛肉エキスからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上であることがより好ましく、ペプトンと牛肉エキスであることがさらに好ましい。無機窒素源は、酢酸アンモニウム、硝酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上であることがより好ましく、ブタノールの生産量および収率を更に向上させるために、無機窒素源は硫酸アンモニウムおよび/または酢酸アンモニウムであることがさらに好ましい。
無機塩について特に制限はなく、本分野で一般に使われる種々の無機塩類であってもよい。好ましくは、無機塩はリン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸亜鉄、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、塩化カルシウムと硫酸マンガンからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上である。その中、リン酸塩の導入により、pH値を緩衝する役割を果たすことができる。
好ましくは、前記ビタミンは、ビタミンB1、ビオチン、p-アミノ安息香酸からなる群より選択される一種類もしくは二種類以上である。
1L当たりの発酵培地で計算すると、炭素源の使用量は20〜60gが好ましく、40〜50gがさらに好ましい;有機窒素源の使用量は1〜20gが好ましく、10〜18gがさらに好ましく、無機窒素源の使用量は0.1〜10gが好ましく、0.5〜5gがさらに好ましい;無機塩の使用量は0〜10gが好ましく、2.5〜5gがさらに好ましい;ビタミンの使用量は0〜0.2gが好ましく、0.04〜0.12gがさらに好ましい。
本発明の発明者らは、大量な実験を通し、1L当たりの発酵培地で計算すると、培地の組成は以下:40〜50gのグルコース、8〜12gのペプトン、4〜8gの牛肉エキス、0.6〜1.2gの硫酸アンモニウム、0.25〜0.75gの塩化ナトリウム、0.05〜0.2gの硫酸鉄、0.15〜0.45gの硫酸マグネシウム、0.05〜0.15gの塩化カルシウム、0.5〜4gのリン酸二水素カリウム、1〜4gのリン酸水素二ナトリウム、0.01〜0.06gのp-アミノ安息香酸、0.01〜0.06gのビタミンB1、および0.001〜0.006gのビオチンを含む時に、ブタノールの生産量および収率を更に向上できることを見出した。そのため、1L当たりの発酵培地で計算すると、培地の組成は、40〜50gのグルコース、8〜12gのペプトン、4〜8gの牛肉エキス、0.6〜1.2gの硫酸アンモニウム、0.25〜0.75gの塩化ナトリウム、0.05〜0.2gの硫酸鉄、0.15〜0.45gの硫酸マグネシウム、0.05〜0.15gの塩化カルシウム、0.5〜4gのリン酸二水素カリウム、1〜4gのリン酸水素二ナトリウム、0.01〜0.06gのp-アミノ安息香酸、0.01〜0.06gのビタミンB1、および0.001〜0.006gのビオチンを含むことが好ましい。
本発明のブタノールの製造方法において、種子培地は発酵培地の組成と同じであってもよく、固体培地は、液体培地(例えば発酵培地)に1〜2wt%の寒天を加えることにより製造され、そしてこれに限りない。当業者は、その他の活性化培養と種子培養に用いる可能な通常の培地は本発明の範囲内にもあることを理解できる。
実施例
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例における実験方法は、特別に説明しない場合、いずれも本分野の通常の方法である。下記の実施例で使われている実験材料は、特別な説明なしで、いずれも通常の生化学試薬販売店から購入されるものである。
大豆ミールの加水分解物の調製方法は、以下の工程を含む。即ち、適当な大豆ミールを称し、5倍の水と均一に混合した;水量体積の2%によって質量濃度98%の濃硫酸を加え、迅速かつ均一に混合し、材料局部を炭化させないことにする;蒸気を通して材料の温度を100℃まで上昇させ、その温度を20時間保持し、1時間ごとに5分間攪拌した;加水分解した後に、味噌赤色を呈し、且つ果実の香りを有する大豆ミールの加水分解物を得た、ことを含む。
液体クロマトグラフ装置を用いて発酵液における生成物と副産物を分析し、その中の主要成分の濃度を計算する。液体クロマトグラフ装置(アジレント1200)、クロマトグラフカラムをバイオ・ラッドHPX-87H(300mm×7.8)、移動相を0.005mol/LのH2SO4、流速を0.6ml/min、カラム温度箱を65℃、検出器を差動検出器(アジレント1200)、検出器の温度を45℃、注入量を5μLとする。
ブタノール収率=発酵で得たブタノール濃度/(発酵前のグルコース濃度-発酵後のグルコース濃度)
実施例1
本実施例は、兼気性条件下で本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーの発酵によるブタノールの製造方法を説明する。
液培地(種子培地と発酵培地を含む)の組成は、以下の通りである:ペプトン10g/L、牛肉エキス6g/L、グルコース45g/L、塩化ナトリウム0.5g/L、硫酸アンモニウム0.9g/L、硫酸鉄0.1g/L、硫酸マグネシウム0.3g/L、塩化カルシウム0.1g/L、リン酸二水素カリウム1g/L、リン酸水素二ナトリウム2g/L、p-アミノ安息香酸0.04g/L、ビタミンB1 0.04g/L、およびビオチン0.004g/L。pH値は7.0とし、121℃で15min滅菌した。固体培地は、1wt%の寒天を液培地に添加してなったものである。
クロストリジウム ベイジェリンキーを用いて兼気性条件下で発酵によるブタノールの製造方法は以下のステップを含む:
(1)クロストリジウム ベイジェリンキーを固体培地の斜面上に接種し、嫌気性条件下で30℃で、24時間培養した;
(2)ステップ(1)で得られたクロストリジウム ベイジェリンキーを斜面上から2リングを取って振盪フラスコの種子培地中に置き、除酸素剤に加える必要はないし、N2を通して嫌気性環境を維持する必要もなく、35℃で24時間そのまま置いて培養して種子液を得た;
(3)ステップ(2)で得られた種子液を、10体積%の接種量にて5Lの発酵タンクに置かれる3Lの液発酵培地中に接種し、除酸素剤に加える必要はないし、N2を通して嫌気性環境を維持する必要もなく、37℃で発酵培養を行い、撹拌速度は150r/minとし、発酵の進行に伴って発酵液のpH値は先に下がってから上昇し、発酵液のpH値は原始の7.0から6.0まで下がった時に、10MのNaOH溶液を連続的に加えることで、この時点から発酵終了までのこの段階内にある発酵液のpH値を6.0に制御した。測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は9.67g/L、アセトン濃度は0.04g/L、エタノール濃度は0.02g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ10.17g/L、0.56g/L及び0.42g/Lであり、ブタノール収率は28.79%である。
実施例2
実施例1の方法に従って、異なったのは、それぞれ異なった炭素源と窒素源を採用して培地中のグルコース、ペプトン或いは硫酸アンモニウムを置換した。測定により、72h後に発酵液中のアセトン濃度はいずれも0.1g/Lより小さく、エタノール濃度はいずれも0.1g/Lより小さくなった。残存したグルコース濃度(残糖)、酢酸、酪酸及びブタノールの発酵結果を表2に示す。
実施例3
実施例1の方法によれば、異なったのは、液培地の組成は以下の通りである:ペプトン10g/L、牛肉エキス6g/L、グルコース45g/L、塩化ナトリウム0.5g/L、硫酸アンモニウム0.9g/L、硫酸鉄0.1g/L、硫酸マグネシウム0.3g/L、塩化カルシウム0.1g/L、リン酸二水素カリウム1g/L及びリン酸水素二ナトリウム2g/L。pH値は7.0とした。
測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は10.95g/L、アセトン濃度は0.09g/L、エタノール濃度は0.05g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ9.33g/L、0.55g/L及び0.47g/Lであり、ブタノール収率は27.4%である。
実施例4
実施例1の方法によれば、異なったのは、ステップ(3)では、全発酵過程はpH値を制御せず、発酵の進行に伴って発酵液のpH値が先に下がってから上昇し、発酵過程においてpH値が最低4.5まで下がった。測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は13.36g/L、アセトン濃度は0.05g/L、エタノール濃度は0.03g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ8.61g/L、0.496g/L及び0.326g/Lであり、ブタノール収率は27.21%である。
実施例5
実施例1の方法によれば、異なったのは、ステップ(3)では、発酵液のpH値は元の7.0から5.5まで下がった時に、10MのNaOH溶液を連続的に加えることで、この時点から発酵終了までのこの段階内にある発酵液のpH値を5.5とした。測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は9.55g/L、アセトン濃度は0.05g/L、エタノール濃度は0.03g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ9.92g/L、0.54g/L及び0.32g/Lであり、ブタノール収率は27.98%である。
実施例6
実施例1の方法によれば、異なったのは、ステップ(3)では、発酵液のpH値は元の7.0から6.5まで下がった時に、10MのNaOH溶液を連続的に加えることで、この時点から発酵終了までのこの段階内にある発酵液のpH値を6.5とした。測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は10.41g/L、アセトン濃度は0.07g/L、エタノール濃度は0.04g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ9.67g/L、0.54g/L及び0.9g/Lであり、ブタノール収率は27.96%である。
実施例7
実施例1の方法によれば、異なったのは、ステップ(3)では、発酵液のpH値は元の7.0から5まで下がった時に、10MのNaOH溶液を連続的に加えることで、この時点から発酵終了までのこの段階内にある発酵液のpH値を5とした。測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は11.15g/L、アセトン濃度は0.08g/L、エタノール濃度は0.04g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ8.54g/L、0.51g/L及び0.23g/Lであり、ブタノール収率は25.23%である。
実施例8
実施例1の方法によれば、異なったのは、ステップ(2)では、種子培養においては、完全に密閉する嫌気性ボトルを使用し、嫌気性チャンバーに培地を脱酸素化し、しかも亜ジチオン酸ナトリウムを加えることによって嫌気性ボトル内の酸素分圧を0まで下げさせ、そして嫌気性チャンバーに接種して培養した。ステップ(3)では、発酵タンクの培地に亜ジチオン酸ナトリウムを加えて酸素を除去し、そして全過程でN2を通し嫌気性環境を維持し、全発酵過程はpH値を制御しない。測定により、72時間の後、発酵液に残留するグルコース濃度は5.0g/L、アセトン濃度は0.21g/L、エタノール濃度は0.07g/Lとし、ブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ9.98g/L、1.22g/L及び1.46g/Lであり、ブタノール収率は24.95%である。
実施例9
液培地の組成は以下の通りである:ペプトン10g/L、牛肉エキス6g/L、グルコース40g/L、塩化ナトリウム0.5g/L、硫酸アンモニウム0.9g/L、硫酸鉄0.1g/L、硫酸マグネシウム0.3g/L、塩化カルシウム0.1g/L。pH値は7.0とし、121℃で15min滅菌した。固体培地は、1wt%の寒天を液培地に添加してなったものである。
本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーの兼気的発酵によるブタノールの製造方法は以下のステップを含む:
(1)クロストリジウム ベイジェリンキーを固体培地の斜面上に接種し、嫌気性条件下で30℃で、24時間培養した;
(2)ステップ(1)で得られたクロストリジウム ベイジェリンキーを斜面上から2リングを取って振盪フラスコの種子培地中に置き、除酸素剤に加える必要はないし、N2を通して嫌気性環境を維持する必要はせず、35℃で24時間そのまま置いて培養して種子液を得た;
(3)ステップ(2)で培養された種子液を、10体積%の接種量にて液発酵培地中に接種し、除酸素剤に加える必要はないし、N2を通して嫌気性環境を維持する必要もせず、pHを自然にして、37℃で88時間を発酵した。88時間を発酵した後に、発酵液におけるブタノール濃度は7.5g/Lとなって、アセトンとエタノールの生成物はなく、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ1.0g/Lと0.6g/Lとなった。
実施例10
実施例9の方法によれば、異なったのは、それぞれ異なった炭素源と窒素源を採用して培地中のグルコース、ペプトン或いはアンモニウムを置換した。発酵の結果を表3に示す。
実施例11
5Lの発酵タンクを利用してグルコースを基質にし、初期の培地におけるグルコース濃度は40g/Lである。発酵培地の組成は、実施例9の上で0.1%のリン酸二水素カリウム(1g/L)、0.2%のリン酸水素二ナトリウム(2g/L)、0.004%のp-アミノ安息香酸(0.04g/L)、0.004%のビタミンB1(0.04g/L)と0.0004%のビオチン(0.004g/L)を加えた。積載量は3Lで、攪拌速度150r/min、発酵開始の16hはpHを制御せず、それは自然に下って、16時間の後、10MのNaOH溶液を連続に加えることによってpH値を6.0に調整し、72時間後にグルコースが完全に消費された。測定により、発酵液におけるブタノール、酢酸及び酪酸の濃度はそれぞれ8.25g/L、1.2g/L及び0.8g/Lである。
実施例1と実施例2との比較から分かるように、本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーの発酵を利用して、兼気性条件下でブタノールを製造する過程では、培地における炭素源はグルコースで、有機窒素源はペプトンと牛肉エキスで、無機窒素源は硫酸アンモニウムである時に、ブタノールの生産量及び収率をさらに向上できた。
実施例1と実施例3との比較から分かるように、本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーの発酵を利用して、兼気性条件下でブタノールを製造する過程では、培地中に特定種類のビタミンを更に含有する時に、ブタノールの生産量及び収率をさらに向上できた。
実施例1と実施例4〜7との比較から分かるように、本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーの発酵を利用して、兼気性条件下でブタノールを製造する過程では、発酵の進行に伴って発酵液のpH値を5.5〜6.5のいずれかの値まで下がった時に、該時刻から発酵終了までのこの段階内の発酵液のpH値を5.5〜6.5に抑制して、ブタノールの生産量及び収率をさらに向上できた。
実施例8の結果から分かるように、本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーを利用して、嫌気性条件下で発酵でブタノールを製造することによって、依然としてブタノールの高生産量及び高収率を有する。
要するに、本発明における受託番号CGMCC No.9124で受託されたクロストリジウム ベイジェリンキーは、兼気性条件下で成長して、そして発酵によってブタノールを製造することができ、抗酸化能が強く、培地には除酸素剤を入れる必要がなく、全過程でN2および/または不活性ガスなどを通して嫌気性環境を維持する必要はない。従来の嫌気性菌発酵過程における酸素除去のステップが減少し、酸素除去の不充分による菌体の増殖しないことを避け、エネルギー消費を低減した。また、本発明のクロストリジウム ベイジェリンキーを用いて発酵し、ブタノールの生産量が高く、そして得られた発酵産物には、アセトンとエタノールの副産物がほぼなく、後続のブタノールの回収圧力を軽減し、分離のエネルギー消費を低減した。
以上、本発明の好適な実施の形態を詳しく説明したが、しかしながら、本発明は上記のような具体的な実施形態に限らず、本発明の技術構想の範囲内で本発明の技術方案に対して様々な簡単な変更が実施できる。このような簡単な変更も本発明の範囲に含まれる。
また、上記の具体的な実施形態において説明された各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合には、如何なる適切な方法で組み合わせて、不要な重複を避けるために、本発明は、様々な可能な組み合わせ方式については別に説明しないことである。
また、本発明の様々な実施形態の間にも任意の組み合わせを行うことができ、本発明の思想に反しない限り、本発明の公開内容としても同様に考えられる。

Claims (11)

  1. 受託番号CGMCC No.9124であるクロストリジウム ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)。
  2. ブタノールの製造における請求項1に記載のクロストリジウム ベイジェリンキーの使用。
  3. 請求項1に記載のクロストリジウム ベイジェリンキーを、発酵培地中に接種し、発酵培養することでブタノールを製造することを特徴とする、ブタノールの製造方法。
  4. 前記発酵培養は兼気性条件下で行う、請求項3に記載の方法。
  5. 前記発酵培養の条件として、発酵温度は20〜42℃、好ましくは28〜42℃であり、発酵時間は48〜120h、好ましくは60〜80hであり、pH値は4〜9、好ましくは5〜7であることを含む、請求項3または請求項4に記載の方法。
  6. 発酵培地の初期pH値は5.5〜8.5、好ましくは6〜8であり、発酵過程では、発酵液のpH値を5.5〜6.5のいずれかの値まで下がる時に、該時刻から発酵終了までのこの段階内の発酵液のpH値を5.5〜6.5に抑制する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記発酵培地は、炭素源、窒素源、無機塩およびビタミンを含み、前記発酵培地の初期pH値は5.5〜8.5、好ましくは6〜8である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記炭素源はグルコース、キシロース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、マルトース、セロビオース、オリゴグルコースとオリゴキシロースからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上であり、好ましくはグルコースおよび/またはキシロースである;
    前記窒素源は有機窒素源と無機窒素源を含み、前記有機窒素源は牛肉エキス、酵母エキス、ペプトン、コーンシロップと大豆ミールの加水分解物からなる群より選択される一種類もしくは二種類以上であり、好ましくはペプトンと牛肉エキスである;前記無機窒素源は酢酸アンモニウム、硝酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上、好ましくは硫酸アンモニウムである;
    前記無機塩はリン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸亜鉄、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、塩化カルシウムと硫酸マンガンからなる群より選択される一種類もしくは二種類以上である;
    前記ビタミンは、ビタミンB1、ビオチン、p-アミノ安息香酸からなる群より選択される一種類もしくは二種類以上である;
    好ましくは、1L当たりの発酵培地で計算すると、前記炭素源の使用量は20〜60gが好ましく、40〜50gがさらに好ましい;前記有機窒素源の使用量は1〜20gが好ましく、10〜18gがさらに好ましい;前記無機窒素源の使用量は0.1〜10gが好ましく、0.5〜5gがさらに好ましい;前記無機塩の使用量は0〜10gが好ましく、2.5〜5gがさらに好ましい;前記ビタミンの使用量は0〜0.2gが好ましく、0.04〜0.12gがさらに好ましいことである、請求項7に記載の方法。
  9. 1L当たりの発酵培地で計算すると、前記発酵培地は、40〜50gのグルコース、8〜12gのペプトン、4〜8gの牛肉エキス、0.6〜1.2gの硫酸アンモニウム、0.25〜0.75gの塩化ナトリウム、0.05〜0.2gの硫酸鉄、0.15〜0.45gの硫酸マグネシウム、0.05〜0.15gの塩化カルシウム、0.5〜4gのリン酸二水素カリウム、1〜4gのリン酸水素二ナトリウム、0.01〜0.06gのp-アミノ安息香酸、0.01〜0.06gのビタミンB1、および0.001〜0.006gのビオチンである、請求項8に記載の方法。
  10. 発酵培養する前に、株の活性化や種子培養を順次行うことを含む;
    好ましくは、ブタノールの製造方法は、
    (1)クロストリジウム ベイジェリンキーを固体培地に接種し、嫌気性条件下で28〜42℃で、12〜48時間培養する;
    (2)ステップ(1)で得られたクロストリジウム ベイジェリンキーを種子培地中に接種し、兼気性条件下で28〜42℃で、12〜48時間そのまま置いて培養して種子液を得る;
    (3)ステップ(2)で得られた種子液を、2〜20体積%の接種量にて発酵培地中に接種し、兼気性条件下で発酵培養を行うことを含む、請求項3〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記兼気性条件の実施様態は、培地には除酸素剤を入れずに、培養過程においても、嫌気性環境を維持するN2および/または不活性ガスを通さないことを含む、請求項4または10に記載の方法。
JP2018516840A 2015-09-30 2016-09-29 クロストリジウム ベイジェリンキー及びその使用、並びにブタノールの製造方法 Active JP6942697B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201510638879.7 2015-09-30
CN201510638879.7A CN106554931B (zh) 2015-09-30 2015-09-30 一株拜氏羧菌及其应用
PCT/CN2016/100764 WO2017054748A1 (zh) 2015-09-30 2016-09-29 一种拜氏梭菌及其应用和生产丁醇的方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018529361A true JP2018529361A (ja) 2018-10-11
JP6942697B2 JP6942697B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=58417534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018516840A Active JP6942697B2 (ja) 2015-09-30 2016-09-29 クロストリジウム ベイジェリンキー及びその使用、並びにブタノールの製造方法

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP3358001B1 (ja)
JP (1) JP6942697B2 (ja)
KR (1) KR102568703B1 (ja)
CN (1) CN106554931B (ja)
DK (1) DK3358001T3 (ja)
SG (1) SG11201802596XA (ja)
WO (1) WO2017054748A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108690853B (zh) * 2017-04-05 2021-10-08 中国石油化工股份有限公司 一种发酵生产丁醇的方法
CN107400646B (zh) * 2017-08-29 2018-07-27 汕头大学 一株高产丁醇梭菌及其筛选与应用
CN113122522B (zh) * 2019-12-31 2022-05-03 中国石油化工股份有限公司 一种促进生物发酵产纤维素酶的方法
CN115058361B (zh) * 2022-06-14 2023-06-09 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 一种拜氏梭菌及其生产丁醇的方法
CN117844897A (zh) * 2022-09-30 2024-04-09 中国科学院长春应用化学研究所 一种培养基的制备及其在水体毒性比色检测中的应用
CN116536223B (zh) * 2023-07-03 2023-10-03 中国食品发酵工业研究院有限公司 一种梭菌菌种及其应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012021678A2 (en) * 2010-08-12 2012-02-16 The Administrators Of The Tulane Educational Fund Isolated bacteria, methods for use, and methods for isolation
CN102533612A (zh) * 2012-02-16 2012-07-04 广西科学院 拜氏梭菌菌株及其筛选方法和应用
CN102719371A (zh) * 2012-03-30 2012-10-10 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 拜氏梭菌及其以木糖渣为原料发酵制备生物丁醇的方法
JP5395667B2 (ja) * 2007-08-29 2014-01-22 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 イソプロパノール生産能を有する形質転換体
CN103820367A (zh) * 2014-02-27 2014-05-28 南京工业大学 一种高产丁醇的基因工程菌株及其应用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5243748B2 (ja) * 2007-08-08 2013-07-24 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 ブタノール生産能を有する形質転換体
KR100986733B1 (ko) * 2008-08-08 2010-10-08 한국화학연구원 증진된 부탄올 내성 및 부탄올 고생산 균주의 제조방법
KR101149882B1 (ko) * 2010-01-15 2012-05-25 한국화학연구원 부탄올 고생산 균주를 이용한 고생산성 부탄올 생산 방법
CN102618479B (zh) * 2012-04-24 2013-08-21 中南林业科技大学 一种能耐受高浓度丁醇的梭菌及其构建方法与应用

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5395667B2 (ja) * 2007-08-29 2014-01-22 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 イソプロパノール生産能を有する形質転換体
WO2012021678A2 (en) * 2010-08-12 2012-02-16 The Administrators Of The Tulane Educational Fund Isolated bacteria, methods for use, and methods for isolation
CN102533612A (zh) * 2012-02-16 2012-07-04 广西科学院 拜氏梭菌菌株及其筛选方法和应用
CN102719371A (zh) * 2012-03-30 2012-10-10 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 拜氏梭菌及其以木糖渣为原料发酵制备生物丁醇的方法
CN103820367A (zh) * 2014-02-27 2014-05-28 南京工业大学 一种高产丁醇的基因工程菌株及其应用

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIORESOUR TECHNOL., vol. 99, no. 13, JPN6020015859, 2008, pages 5915 - 5922, ISSN: 0004400220 *

Also Published As

Publication number Publication date
SG11201802596XA (en) 2018-04-27
EP3358001B1 (en) 2020-01-29
KR102568703B1 (ko) 2023-08-21
WO2017054748A1 (zh) 2017-04-06
EP3358001A4 (en) 2019-03-06
CN106554931A (zh) 2017-04-05
CN106554931B (zh) 2020-03-17
KR20180083319A (ko) 2018-07-20
DK3358001T3 (da) 2020-04-27
JP6942697B2 (ja) 2021-09-29
EP3358001A1 (en) 2018-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6942697B2 (ja) クロストリジウム ベイジェリンキー及びその使用、並びにブタノールの製造方法
Sun et al. Efficient production of lactic acid from sugarcane molasses by a newly microbial consortium CEE-DL15
Wisselink et al. Novel evolutionary engineering approach for accelerated utilization of glucose, xylose, and arabinose mixtures by engineered Saccharomyces cerevisiae strains
US8222013B2 (en) Bacteria and methods of use thereof
Dien et al. Recombinant Escherichia coli engineered for production of L-lactic acid from hexose and pentose sugars
CN102791869B (zh) 通过发酵的酸产生
US20110144393A1 (en) Production of butanediol by anaerobic microbial fermentation
Hong et al. Strain isolation and optimization of process parameters for bioconversion of glycerol to lactic acid
Hermann et al. Isolation and characterization of butanol-resistant mutants of Clostridium acetobutylicum
Wang et al. Mixed culture of Saccharomyces cerevisiae and Acetobacter pasteurianus for acetic acid production
Ikeuchi et al. Screening of microorganisms for xylitol production and fermentation behavior in high concentrations of xylose
Khan et al. Mannitol production from glycerol by resting cells of Candida magnoliae
Yoshikawa et al. Production of D-arabitol from raw glycerol by Candida quercitrusa
CN101631864A (zh) 使用酵母菌通过丁酰-CoA作为中间体制备丁醇的方法
Xin et al. High biobutanol production integrated with in situ extraction in the presence of Tween 80 by Clostridium acetobutylicum
Yang et al. Production of erythritol from glucose by an osmophilic mutant of Candida magnoliae
Guerrero et al. Continuous biohydrogen production by a degenerated strain of Clostridium acetobutylicum ATCC 824
Drahokoupil et al. Production of butyric acid at constant pH by a solventogenic strain of Clostridium beijerinckii.
Öngen-Baysal et al. Production of inulinase by mixed culture of Aspergillus niger and Kluyveromyces marxianus
Teramoto et al. Effects of potential inhibitors present in dilute acid-pretreated corn stover on fermentative hydrogen production by Escherichia coli
JP6445018B2 (ja) 糖を基質とする微生物発酵プロセス及び当該プロセスにおける原子状、イオン状及び気体状の水素の使用
Koussémon et al. Glucose fermentation by Propionibacterium microaerophilum: effect of pH on metabolism and bioenergetic
Anastassiadis et al. Process optimization of continuous gluconic acid fermentation by isolated yeast‐like strains of Aureobasidium pullulans
CN102226163A (zh) 一株丙酮丁醇梭杆菌菌株及其应用
CN108690853B (zh) 一种发酵生产丁醇的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180330

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6942697

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150