ここから、本開示の種々の実施形態が詳細に参照されることになり、そのうちの一又は複数の例が図示される。図面に関する以下の説明の中で、同じ参照番号は同じ構成要素を指している。下記において、個々の実施形態に関する違いのみが説明される。各実施例は、本開示の説明のために提供されているが、本開示を限定することが意図されているわけではない。更に、1つの実施形態の一部として図示及び説明されている特徴は、更に別の実施形態を得るために、他の実施形態で用いられてもよく、又は他の実施形態と併用されてもよい。本説明は、このような修正及び改変を含むことが意図されている。
本開示において、「堆積速度を測定するための発振水晶」という表現は、発振水晶共振器の周波数における変化を測定することにより、単位面積当たりの発振水晶上の堆積材料の質量変化を測定するための発振水晶と理解され得る。特に、本開示において、発振水晶は、石英水晶共振器と理解され得る。より具体的には、「堆積速度を測定するための発振水晶」は、石英水晶マイクロバランス(QCM)と理解され得る。
本開示で、「測定出口」とは、蒸発材料がそれを通って測定デバイス、例えば発振水晶などに提供できる孔又は開孔と理解され得る。更に、本開示では、「測定出口」とは、蒸発源の分配管の壁、特に裏側の壁に提供される孔又は開孔と理解され得る。とりわけ、「測定出口」とは、堆積源の分配管から分配管の測定側まで蒸発材料の通路を提供し得る。「測定側」とは、測定が、とりわけ堆積速度を測定するための発振水晶を使用することによって実行される分配管の側と理解され得る。例えば、「測定側」は、分配管の裏側であり得る。
本開示において、「磁気閉鎖機構」は、開孔、例えば測定出口を開閉するように構成されている機構と理解され得る。特に、「磁気閉鎖機構」は、測定出口を開閉するためにその内部で磁力が用いられる機構と理解され得る。
図1を参照すると、本明細書に記載の実施形態による蒸発材料の堆積速度を測定するための測定アセンブリ100は、堆積速度を測定するための発振水晶110と、蒸発材料を発振水晶110に供給するための測定出口150と、磁気閉鎖機構160とを含む。磁気閉鎖機構160は、磁力によって測定出口150を開閉するように構成される。
本明細書に記載の磁気閉鎖機構を有する測定アセンブリを提供することによって、測定出口は、迅速かつ効率的方法で閉鎖することができる。例えば、測定出口は、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔で閉鎖することができる。したがって、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔において、発振水晶は、蒸発材料から保護され得る。更に、発振水晶上の蒸発材料の量は、蒸発材料の堆積速度を測定するために必要とされる実際の量まで最小化され、これは、発振水晶の寿命を延長するのに有利であり得る。したがって、本明細書に記載の測定アセンブリの実施形態は、高品質の堆積速度測定を提供し得るが、これは発振水晶が蒸発材料に永続的に露出される構成と比較して、発振水晶が長い時間実行され得るためである。加えて、閉鎖可能な測定出口、例えば閉鎖可能なノズルなどを設けることによって、測定アセンブリの測定側、即ち、発振水晶が配置される側における蒸発材料の粒子発生が、低減され得るか又は回避することさえでき、堆積速度測定の精度に有益であり得る。したがって、本明細書に記載の実施形態による堆積速度を測定するための測定アセンブリを用いることは、高品質なディスプレイ製造、特にOLED製造に有益であり得る。
更に、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定アセンブリ100は、発振水晶110を保持するためのホルダ120を含み得る。図1に典型的に示されるように、発振水晶110は、ホルダ120内部に配置され得る。更に、測定孔121がホルダ120に設けられ、蒸発材料の堆積速度を測定するために蒸発材料を発振水晶110に接近させてもよい。特に、測定孔121は、蒸発材料が、蒸発材料の堆積速度を測定するための発振水晶上に堆積するように、構成及び配置されてもよい。図1の点線矢印は、測定出口150を通って提供される蒸発材料の経路を概略的に示している。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖機構160は、図1から図4に典型的に示される磁気閉鎖要素161を含み得る。例えば、磁気閉鎖要素161は、強磁性材料、特に鉄、ニッケル、コバルト、希少金属合金及び強磁性合金から成る群から選択された少なくとも1つの磁気材料を含み得る。
本明細書に記載の測定アセンブリ100の実施形態によれば、磁気閉鎖要素は、測定出口150の開放状態と閉鎖状態との間を移動するように構成され得る。図1は、本明細書に記載の実施形態による測定アセンブリ100の概略側面図であって、測定出口150が開放状態にある。図2は、図1による測定アセンブリ100の概略側面図であって、測定出口150が閉鎖状態にある。図2に典型的に示されるように、測定出口150の閉鎖状態において、磁気閉鎖要素161は、測定出口150が磁気閉鎖要素161によって遮断される測定出口150内の位置にあり得る。したがって、磁気閉鎖要素161及び測定出口150は、測定出口150が磁気閉鎖要素161によって密閉できるように構成され得る。よって、測定出口を通る経路は、測定出口の閉鎖状態において、蒸発材料に対して遮断され得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖機構160は、図1及び図2に典型的に示される電磁装置165を含み得る。電磁装置165は、磁気閉鎖要素161に磁力を及ぼし、磁気閉鎖要素161を測定出口150の開状態から閉鎖状態に移動させるように構成されている。図1に典型的に示されるように、電磁装置165は、測定出口150周囲に配置される。例えば、電磁装置165は、測定側に隣接して位置する測定出口の位置に配置され得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、開放位置で磁気閉鎖要素161を保持するための保持要素163が提供され得る。図1を参照すると、保持要素163は、ばねなどの弾性要素であり得る。保持要素163は、磁気閉鎖要素161に結合され得る。更に、保持要素163は、測定出口150の通路の内壁に結合され得る。したがって、電磁装置165のスイッチが入り、磁気閉鎖要素161に磁力が及ぶ場合、磁気閉鎖要素は、電磁装置165の位置に向かって移動し、結果として、図2に示されるように、測定出口150が閉鎖される。図1及び図2から、当業者は、電磁装置165のスイッチが切れると、保持要素163が磁気閉鎖要素161に力を及ぼし、磁気閉鎖要素161がそれの最初の位置、例えば図1に示される開放状態の位置に戻ることを理解する。とりわけ、保持要素163は、磁気閉鎖要素161に弾力を及ぼし、例えば、図2に典型的に示されるように、磁気閉鎖要素161の閉鎖状態の位置の弾性細長保持要素163に蓄えられたばね力を及ぼし得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖要素161は、様々な形状寸法の形態をとることができる。特に、磁気閉鎖要素は、空気力学的形状、層促進形状、及び/又は乱気流低減形状を含み得る。例えば、磁気閉鎖要素161は、図2に典型的に示されるように、測定出口150の閉鎖状態において測定出口150を密閉するように構成される、球のような形状を有し得る。代替的には、磁気閉鎖要素161は、楕円形状、円錐のような形状、二重円錐のような形状、ピラミッド形状、ダイヤモンドのような形状又は任意の他の適した形状を含み得る。本明細書に記載の実施形態による磁気閉鎖要素161に使用され得る様々な形状寸法の例が、図5Aから図5Cに示されている。例えば、図5Aは、円錐のような又はコーヌスのような形状を有する磁気閉鎖要素161を示し、図5Bは、二重円錐のような又はダイヤモンドのような形状を有する磁気閉鎖要素161を示し、図5Cは、楕円形状を有する磁気閉鎖要素161を示す。本明細書に記載の実施形態によれば、閉鎖要素161の形状寸法及び測定出口150の形状寸法は、閉鎖要素161の閉鎖位置において測定出口150が密閉されるように、互いに対して構成及び適合されると理解すべきである。
図1から図4に典型的に示されるように、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、電磁装置は、電源180に結合され得る。電源は、DC電源、AC電源などの可変電圧電源を含むことができる。例えば、電磁装置は、電源180によってエネルギー供給されるとき、磁気閉鎖要素161がエネルギー供給された電磁装置が配置される位置に向かって結果的に移動するように、磁気閉鎖要素161を磁気的に付勢し得る。磁気閉鎖要素161の移動が、図1において、磁気閉鎖要素161上の矢印によって、典型的に示されている。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、電磁装置165は、図1及び図2に典型的に示されるように、測定出口150周囲に配置されたリング磁石として構成され得る。代替的には、電磁装置165は、測定出口150周囲に配置される一又は複数の電磁要素を含み得る。一又は複数の電磁要素は、一又は複数の電磁要素にエネルギー供給するための電源180に結合することができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖要素161は、図3A、図3B、図4、及び図5Aから図5Cに典型的に示されるように、コーティング162を含み得る。コーティング162は、測定される蒸発材料に対して非反応性である材料を含み得る。とりわけ、コーティングは、蒸発有機材料に対して非反応性である材料を含み得る。例えば、コーティング162は、チタン(Ti)、セラミック、特に酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)から成る群から選択された少なくとも1つの材料を含み得る。したがって、磁気閉鎖要素161上での蒸発材料の蓄積は、低減又は回避さえされ得る。
図4を参照すると、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖機構160は、第1の電磁装置165A及び第2の電磁装置166を含み得る。第1の電磁装置165Aは、測定出口150の測定側111に隣接して位置する測定出口の位置に配置され、第2の電磁装置166は、測定側111の対向側に112に隣接して位置する測定出口の位置に配置され得る。したがって、蒸発材料の通路は、図1に典型的に示されるように第1の位置において、又は図3Bに典型的に示されるように第2の位置において、磁気閉鎖要素161によって遮断され得る。したがって、磁気閉鎖要素は、開放位置(図3Aに典型的に示される)と第1の閉鎖位置(図1に典型的に示される)又は第2の閉鎖位置(図3Bに典型的に示される)との間を移動可能に構成され得る。2つの異なる閉鎖位置の間での磁気閉鎖要素のそのような見込まれる移動が、磁気閉鎖要素161における両面矢印によって図3Aに典型的に示されている。
更に、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、図3A及び図3Bに典型的に示されるように、第1の電磁装置165Aと第2の電磁装置166との間に配置される第3の電磁装置167が提供され得る。例えば、第3の電磁装置167は、第1の閉鎖位置又は第2の閉鎖位置から図3Aに示される開放位置に磁気閉鎖要素を移動させるために使用され得る。例えば、第3の電磁装置167は、電源180によってエネルギー供給されるとき、磁気閉鎖要素161が第3の電磁装置が配置される位置に向かって結果的に移動するように、磁気閉鎖要素161を磁気的に付勢し得る。したがって、第3の電磁装置167は、測定出口の開放状態が維持できるように、閉鎖要素を開放位置に保持するためだけではなく、閉鎖した測定出口を開放するためにも使用され得る。
図3A及び図3Bを参照すると、第1の電磁装置165A,第2の電磁装置166及び第3の電磁装置167は、電源180に結合され得る。代替的には、第1の電磁装置165A、第2の電磁装置166及び第3の電磁装置167の各々が、別個の電源(図示されず)に結合されてもよい。本明細書に記載の電源は、電源が結合されるそれぞれの電磁装置にエネルギー供給するために使用され、それぞれの電磁装置が磁気閉鎖要素161を磁気的に付勢し得ると理解すべきである。したがって、磁気閉鎖要素は、エネルギー供給されたそれぞれの電磁装置が配置される位置に向かって移動し得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定出口150への通路の内壁は、空気力学的形状寸法、層促進形状寸法及び/又は乱気流低減形状寸法を有するように構成され得る。更に、測定出口150への通路の内壁は、図4に典型的に示されるように、表面コーティング155を含み得る。表面コーティング155は、蒸発材料に対して非反応性である、特に蒸発有機材料に対して非反応性である材料を含み得る。例えば、コーティング155は、チタン(Ti)、セラミック、特に酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)から成る群から選択された少なくとも1つの材料を含み得る。したがって、測定出口150の通路の内壁における蒸発材料の蓄積は、低減され得、又は回避することさえでき、これは、測定出口150の閉塞を回避するために有益であり得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定アセンブリ100は、図4に典型的に示されるような制御システム170を含み得る。制御システム170は、磁気閉鎖要素161に作用する磁力を生成するためにそれぞれの電磁装置に結合され得る。例えば、図4に示される例示的実施形態では、制御システム170は、第1の電磁装置165A及び第2の電磁装置166に結合される。図1から図3に明確に示されていないが、当業者は、制御システム170が、図1及び図2に示す電磁装置165又は図3A及び図3Bに示す第1の電磁装置165A、第2の電磁装置166及び第3の電磁装置167に接続され得ることを理解する。図4に典型的に示されるように、制御システム170は、それぞれの電磁装置にエネルギー供給するための電源、例えば、第1の電磁装置165Aにエネルギー供給するための第1の電源180A、及び第2の電磁装置166にエネルギー供給するための第2の電源180Bに、結合され得る。とりわけ、制御システム170は、それぞれの電磁装置にエネルギー供給するために用いられるそれぞれの電源の電力を制御し得る。したがって、それぞれの電源の電力を制御することによって、それぞれの電磁装置が生成する磁力は調節され得、測定出口の閉鎖状態から測定出口の開放状態への又はその逆の切替時間を制御するのに有益であり得る。
図6A及び図6Bは、本明細書に記載の実施形態による蒸発源200の概略側面図を示す。実施形態によれば、蒸発源200は、材料を蒸発させるように構成されている蒸発るつぼ210を含む。更に、蒸発源200は、図6Bに典型的に示されるように、蒸発材料を提供するための分配管の長さに沿って設けられた一又は複数の出口222を有する分配管220を含む。実施形態によれば、分配管220は、図6Bに典型的に示されるように、例えば、蒸気導管232によって、蒸発るつぼ210と流体連通している。蒸気導管232は、分配管の中心部分で、又は分配管の下端と分配管の上端との間の別の位置で、分配管220に対して設けることができる。更に、本明細書に記載の実施形態による蒸発源200は、本明細書に記載の実施形態による測定アセンブリ100を含む。したがって、堆積速度が高精度で測定できるような蒸発源200が提供される。したがって、本明細書に記載の実施形態による蒸発源200を用いることは、高品質なディスプレイ製造、特にOLED製造に有益であり得る。
図6Aに例示的に示されるように、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、分配管220は、加熱要素215を含む細長いチューブであり得る。蒸発るつぼ210は、材料、例えば、有機材料を、加熱ユニット225で蒸発させるためのリザーバとすることができる。例えば、加熱ユニット225は、蒸発るつぼ210の筐体内に設けられ得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、分配管220は、線源を提供し得る。例えば、図6Bに例示的に示されるように、ノズルなどの複数の出口222は、少なくとも1つの線に沿って配置することができる。代替的実施形態(図示されず)によれば、少なくとも1つの線に沿って延びるスリットなどの1つの細長い孔が設けられ得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、線源は、本質的に垂直に延び得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、分配管220の長さは、堆積装置において材料が堆積する基板の高さに対応し得る。代替的には、分配管220の長さは、材料が堆積する基板の高さよりも長く、例えば少なくとも10%又は20%長いことがある。これにより、基板の上端及び/又は基板の下端における均一な堆積を提供することができる。例えば、分配管220の長さは、1.3m以上、例えば2.5m以上とすることができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、蒸発るつぼ210は、図6Aに例示的に示されるように、分配管220の下端に設けられ得る。例えば有機材料などの材料は、蒸発るつぼ210で蒸発させることができる。蒸発材料は、分配管220の底部で分配管に侵入し、分配管220の複数の出口222を通して本質的に横向きに、例えば、本質的に垂直な基板に向かって、案内され得る。図6Bを参照すると、本明細書に記載の実施形態による測定アセンブリ100は、分配管220の上部分、特に上端に設けられ得る。
図6Bを参照すると、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定出口150は、分配管220の壁又は分配管の端部に、例えば、図6B及び図7に典型的に示されるような分配管の裏側224Aの壁に、設けられ得る。代替的には、測定出口150は、分配管220の上壁224Cに設けられ得る。図6B及び図7で矢印151によって例示的に示されるように、蒸発材料は、分配管220の内側から測定出口150を通って測定アセンブリ100まで提供され得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定出口150は、直径0.5mmから4mmまでの孔を有し得る。測定出口150は、ノズルを含み得る。例えば、ノズルは、測定アセンブリ100に提供される蒸発材料の流れを調節するための調節可能な孔を含み得る。とりわけ、ノズルは、蒸発源によって提供される全流量の1/70の下限、特に蒸発源によって提供される全流量の1/60の下限、更に具体的には蒸発源によって提供される全流量の1/50の下限から、蒸発源によって提供される全流量の1/40の上限、特に蒸発源によって提供される全流量の1/30の上限、更に具体的には蒸発源によって提供される全流量の1/25の上限までの範囲から選択される測定流量を提供するように構成され得る。例えば、ノズルは、蒸発源によって提供される全流量の1/54の測定流量を提供するように構成され得る。
図7は、本明細書に記載の実施形態による蒸発源200の斜視図を示す。図7に典型的に示されるように、分配管220は、三角形状に設計され得る。三角形状の分配管220は、2以上の分配管が互いに隣合わせに配置される場合に有利であり得る。特に、三角形状の分配管220により、隣接する分配管の出口は、互いにできるだけ接近させることが可能になる。これにより、例えば、2つ、3つ又は更に多い異なる材料の同時蒸発の場合など、異なる分配管からの異なる材料の混合が改良可能となる。図7に典型的に示されるように、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定アセンブリ100は、分配管220の中空空間、特に分配管の上端に設けられ得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、分配管220は、壁、例えば側壁224B、及び分配管の裏側224Aにおける壁、例えば分配管の端部を含み、それらは加熱要素215によって加熱することができる。加熱要素215は、分配管220の壁に装着又は取り付けられ得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、蒸発源200は、シールド204を含み得る。シールド204は、堆積エリアの方への熱放射を低減し得る。更に、シールド204は、冷却要素216によって冷却され得る。例えば、冷却要素216は、シールド204に装着され、流体を冷却するための導管を含み得る。
図8は、本明細書に記載の実施形態による真空チャンバ310の中の基板333に材料を塗布するための堆積装置300の概略上面図を示す。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、蒸発源200は、軌道、例えば線形ガイド320又はループ状軌道などの上の真空チャンバ310内に設けられ得る。線形ガイド320の軌道が、蒸発源200の並進運動のために構成されてもよい。したがって、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、並進運動のためのドライバは、真空チャンバ310内の軌道及び/又は線形ガイド320において、蒸発源200に提供することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、隣接する真空チャンバ(図8には示されず)への真空密閉を可能にする、第1のバルブ305、例えばゲートバルブが設けられてもよい。第1のバルブは、基板333又はマスク332の真空チャンバ310内への又は真空チャンバ310から外への搬送のために開放することができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、保守真空チャンバ311などの更なる真空チャンバが、図8に典型的に示されるように、真空チャンバ310に隣接して設けられてもよい。したがって、真空チャンバ310及び保守真空チャンバ311は、第2のバルブ307に結合され得る。第2のバルブ307は、真空チャンバ310と保守真空チャンバ311との間の真空密閉を開閉するように構成され得る。蒸発源200は、第2のバルブ307が開放状態にある間、保守真空チャンバ311に移送することができる。その後、第2のバルブ307は、真空チャンバ310と保守真空チャンバ311との間に真空密閉を設けるよう閉じることができる。第2のバルブ307が閉じられる場合、保守真空チャンバ311は、真空チャンバ310の中の真空を破壊せずに、蒸発源200保守のために換気及び開放することができる。
図8に典型的に示されるように、2つの基板は、真空チャンバ310内のそれぞれの搬送軌道上で支持され得る。更に、その上にマスクを提供するための2つの軌道を設けることができる。したがって、コーティング中に、基板333は、それぞれのマスクによってマスキングすることができる。例えば、マスクは、マスク332を所定の位置に保持するために、マスクフレーム331に設けられ得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、基板333は、位置合わせユニット312に結合することができる基板支持体326によって支持され得る。位置合わせユニット312は、マスク332に対する基板333の位置を調節し得る。図8に典型的に示されるように、基板支持体326は、位置合わせユニット312に結合され得る。したがって、基板は、材料の堆積中に、基板とマスクとの間で正確な位置合わせを行うために、マスク332に対して移動するのだが、これは高品質なディスプレイ製造に有益であり得る。代替的に又は追加的に、マスク332及び/又はマスク332を保持するマスクフレーム331は、位置合わせユニット312に結合することができる。したがって、マスク332を基板333に対して位置付けることができるか、マスク332及び基板333の双方を互いに対して位置付けることができるかのどちらかである。
図8に示されるように、線形ガイド320は、蒸発源200の並進運動の方向を提供し得る。マスク332は、蒸発源200の両側に設けられ得る。マスクは、並進運動の方向に実質的に平行に延び得る。更に、蒸発源200の対向面の基板はまた、並進運動の方向に本質的に平行に延びることができる。図8に典型的に示されるように、堆積装置300の真空チャンバ310に設けられた蒸発源200は、線形ガイド320に沿った並進運動のために構成され得る支持体202を含み得る。例えば、支持体202は、2つの蒸発るつぼ、及び蒸発るつぼ210の上に設けられた2つの分配管220を支持し得る。これにより、蒸発るつぼで生成された蒸気は、上に向かって、分配管の一又は複数の排出口から移動することができる。
したがって、本明細書に記載の堆積装置は、改善された品質のディスプレイ製造、特にOLED製造を提供する。
図9において、本明細書に記載の実施形態による蒸発材料の堆積速度を測定するための方法を図示するブロック図が示される。実施形態によれば、蒸発材料の堆積速度を測定するための方法400は、材料、例えば有機材料を蒸発させること410と;蒸発材料の第1の部分を基板に塗布すること420と;蒸発材料の第2の部分を発振水晶110に転向させること430と;本明細書に記載の実施形態による測定アセンブリ100を使用することによって堆積速度を測定すること440とを含む。したがって、本明細書に記載の実施形態による蒸発材料の堆積速度を測定するための方法を用いることによって、堆積速度は、高い精度で測定され得る。とりわけ、本明細書に記載の堆積速度を測定するための方法を用いることによって、測定出口の閉鎖状態から測定出口の開放状態への又はその逆の切替時間を、堆積速度を測定するための従来の方法の切替時間よりも短縮することができる。更に、切替時間は、非常に正確に制御され得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、材料を蒸発させること410は、本明細書に記載されるような蒸発るつぼ210を使用することを含む。更に、蒸発材料の第1の部分を基板に塗布すること420は、本明細書に記載の実施形態による蒸発源200を使用することを含み得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、蒸発材料の第2の部分を発振水晶110に転向させること430は、本明細書に記載の実施形態による測定出口150を使用することを含み得る。とりわけ、蒸発材料の第2の部分を発振水晶110に転向させること430は、蒸発源によって提供される全流量の1/70の下限、特に蒸発源によって提供される全流量の1/60の下限、更に具体的には蒸発源によって提供される全流量の1/50の下限から、蒸発源によって提供される全流量の1/40の上限、特に蒸発源によって提供される全流量の1/30の上限、更に具体的には蒸発源によって提供される全流量の1/25の上限までの範囲から選択される測定流量を提供することを含み得る。例えば、蒸発材料の第2の部分を発振水晶110に転向させること430は、蒸発源によって提供される全流量の1/54の測定流量を提供することを含み得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、堆積速度を測定すること440は、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTで堆積速度を測定することを含み得、本明細書に記載の実施形態による測定出口150は、第1の測定と第2の測定との間で閉鎖状態にある。例えば、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTは、測定された堆積速度に依存して調節され得る。特に、測定された堆積速度の依存は、堆積速度の関数であり得る。例えば、第1の測定及び/又は第2の測定は、5分以下、特に3分以下、より具体的には1分以下で実施され得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTは、50分以下、特に35分以下、より具体的には20分以下に調節され得る。したがって、堆積速度の関数に依存した2つの測定の間の時間間隔を調節することによって、堆積速度の測定精度が増すことがある。特に、堆積速度の関数に依存して2つの測定の間の時間間隔を調節することによって、堆積測定デバイスの寿命が延長されることがある。特に、蒸発材料の堆積速度を測定するための測定デバイスの蒸発材料への露出は、最小値まで低減され、これは、測定デバイスの寿命全体、とりわけ発振水晶の寿命に有益となり得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、予め選択されたターゲット堆積速度の最初の調節中に、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTは、予め選択されたターゲット堆積速度に到達したときの第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTと比較して短くなり得る。例えば、予め選択されたターゲット堆積速度の最初の調節中に、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTは、10分以下、特に5分以下、より具体的には3分以下であり得る。予め選択されたターゲット堆積速度に到達したとき、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTは、10分の下限、特に20分の下限、より具体的には30分の下限と、35分の上限、特に45分の上限、より具体的には50分の上限との間の範囲から選択され得る。特に、予め選択されたターゲット堆積速度に到達したとき、第1の測定と第2の測定との間の時間間隔ΔTは、40分であり得る。したがって、本明細書に記載の実施形態による蒸発材料の堆積速度を測定するための方法を用いることによって、発振水晶上の蒸発材料の量は、蒸発材料の堆積速度を測定するために必要とされる実際の量まで最小化され、これは、発振水晶の寿命を延長するのに有利であり得る。
したがって、本明細書に記載の実施形態による蒸発材料の堆積速度を測定するための測定アセンブリ、蒸発源、堆積装置及び堆積速度を測定するための方法は、改善された堆積速度測定及び高品質なディスプレイの製造、例えば高品質なOLED製造を提供する。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖要素161は、様々な形状寸法の形態をとることができる。特に、磁気閉鎖要素は、空気力学的形状、層促進形状、及び/又は乱気流低減形状を含み得る。例えば、磁気閉鎖要素161は、図2に典型的に示されるように、測定出口150の閉鎖状態において測定出口150を密閉するように構成される、球のような形状を有し得る。代替的には、磁気閉鎖要素161は、楕円形状、円錐のような形状、二重円錐のような形状、ピラミッド形状、ダイヤモンドのような形状又は任意の他の適した形状を含み得る。本明細書に記載の実施形態による磁気閉鎖要素161に使用され得る様々な形状寸法の例が、図5Aから図5Cに示されている。例えば、図5Aは、円錐のような又はコーヌスのような形状を有する磁気閉鎖要素161を示し、図5Bは、二重円錐のような又はダイヤモンドのような形状を有する磁気閉鎖要素161を示し、図5Cは、楕円形状を有する磁気閉鎖要素161を示す。本明細書に記載の実施形態によれば、磁気閉鎖要素161の形状寸法及び測定出口150の形状寸法は、磁気閉鎖要素161の閉鎖位置において測定出口150が密閉されるように、互いに対して構成及び適合されると理解すべきである。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖要素161は、図3A、図3B、図4、及び図5Aから図5Cに典型的に示されるように、コーティング162を含み得る。コーティング162は、測定される蒸発材料に対して非反応性である材料を含み得る。とりわけ、コーティングは、蒸発有機材料に対して非反応性である材料を含み得る。例えば、コーティング162は、チタン(Ti)、セラミック、特に酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、及び酸化ジルコニウム(ZrO2)から成る群から選択された少なくとも1つの材料を含み得る。したがって、磁気閉鎖要素161上での蒸発材料の蓄積は、低減又は回避さえされ得る。
図4を参照すると、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、磁気閉鎖機構160は、第1の電磁装置165A及び第2の電磁装置166を含み得る。第1の電磁装置165Aは、測定出口150の測定側111に隣接して位置する測定出口の位置に配置され、第2の電磁装置166は、測定側111の対向側に112に隣接して位置する測定出口の位置に配置され得る。したがって、蒸発材料の通路は、図2に典型的に示されるように第1の位置において、又は図3Bに典型的に示されるように第2の位置において、磁気閉鎖要素161によって遮断され得る。したがって、磁気閉鎖要素は、開放位置(図3Aに典型的に示される)と第1の閉鎖位置(図2に典型的に示される)又は第2の閉鎖位置(図3Bに典型的に示される)との間を移動可能に構成され得る。2つの異なる閉鎖位置の間での磁気閉鎖要素のそのような見込まれる移動が、磁気閉鎖要素161における両面矢印によって図3Aに典型的に示されている。
更に、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、図3A及び図3Bに典型的に示されるように、第1の電磁装置165Aと第2の電磁装置166との間に配置される第3の電磁装置167が提供され得る。例えば、第3の電磁装置167は、第1の閉鎖位置又は第2の閉鎖位置から図3Aに示される開放位置に磁気閉鎖要素を移動させるために使用され得る。例えば、第3の電磁装置167は、電源180によってエネルギー供給されるとき、磁気閉鎖要素161が第3の電磁装置が配置される位置に向かって結果的に移動するように、磁気閉鎖要素161を磁気的に付勢し得る。したがって、第3の電磁装置167は、測定出口の開放状態が維持できるように、磁気閉鎖要素を開放位置に保持するためだけではなく、閉鎖した測定出口を開放するためにも使用され得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定出口150への通路の内壁は、空気力学的形状寸法、層促進形状寸法及び/又は乱気流低減形状寸法を有するように構成され得る。更に、測定出口150への通路の内壁は、図4に典型的に示されるように、表面コーティング155を含み得る。表面コーティング155は、蒸発材料に対して非反応性である、特に蒸発有機材料に対して非反応性である材料を含み得る。例えば、コーティング155は、チタン(Ti)、セラミック、特に酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、及び酸化ジルコニウム(ZrO2)から成る群から選択された少なくとも1つの材料を含み得る。したがって、測定出口150の通路の内壁における蒸発材料の蓄積は、低減され得、又は回避することさえでき、これは、測定出口150の閉塞を回避するために有益であり得る。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、測定アセンブリ100は、図4に典型的に示されるような制御システム170を含み得る。制御システム170は、磁気閉鎖要素161に作用する磁力を生成するためにそれぞれの電磁装置に結合され得る。例えば、図4に示される例示的実施形態では、制御システム170は、第1の電磁装置165A及び第2の電磁装置166に結合される。図1から図3Bに明確に示されていないが、当業者は、制御システム170が、図1及び図2に示す電磁装置165又は図3A及び図3Bに示す第1の電磁装置165A、第2の電磁装置166及び第3の電磁装置167に接続され得ることを理解する。図4に典型的に示されるように、制御システム170は、それぞれの電磁装置にエネルギー供給するための電源、例えば、第1の電磁装置165Aにエネルギー供給するための第1の電源180A、及び第2の電磁装置166にエネルギー供給するための第2の電源180Bに、結合され得る。とりわけ、制御システム170は、それぞれの電磁装置にエネルギー供給するために用いられるそれぞれの電源の電力を制御し得る。したがって、それぞれの電源の電力を制御することによって、それぞれの電磁装置が生成する磁力は調節され得、測定出口の閉鎖状態から測定出口の開放状態への又はその逆の切替時間を制御するのに有益であり得る。