JP2018524332A5 - - Google Patents

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実施例1 軽質液相をリサイクルする場合
[0111]オーバーヘッド軽質留分由来の軽質液相の一部を反応器に直接リサイクルし側流
中の水の含有量を低下させた。この側流は、約1.5重量%の水、約3.6重量%の酢酸
メチル、約2.1重量%のヨウ化メチル、及び25重量ppm又はそれを下回る量のHI
を含み、残部は酢酸、酢酸メチル、及びヨウ化メチルを含んでいた。HI濃度は低すぎて
、直接滴定で測定することができなかった。HI濃度を直接測定することを困難にする他
の陽イオンが存在したためである。無機ヨウ化物の総量、すなわち可能な限り最大限のH
I総量を直接測定した。これら他の無機ヨウ化物は、ヨウ化リチウムに加えて腐食性金属
のヨウ化物を含んでいることがある。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
反応器内で形成した反応媒体をフラッシュ容器内で分離し、液体リサイクル及び蒸気生
成物流を形成すること、
該蒸気生成物流を第1の塔で蒸溜し、側流と、5重量%又はそれを超える量の水を含む
低沸点オーバーヘッド蒸気流とを得ること、
該低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、得られた凝縮流を二相に分離し、重質液相及
び軽質液相を形成すること、
該反応器への軽質液相のリサイクル率を制御することにより、該側流の総重量に対して
、該側流中の水濃度を1重量%から3重量%に維持し、該側流中のヨウ化水素濃度を50
重量ppm又はそれを下回る量に維持すること、及び
該側流を第2の塔で蒸溜し、精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸の製造方法。
[請求項2]
反応器内で形成した0.1重量%から4.1重量%の水を含む反応媒体をフラッシュ容
器内で分離し、液体リサイクル及び蒸気生成物流を形成すること、
該蒸気生成物流の一部を第1の塔で蒸溜し、側流と、5重量%又はそれを超える量の水
を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流と、95重量%又はそれを超える量の酢酸及び5重量
%又はそれを下回る量の水とを含む残渣流を得ること、
該低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、得られた凝縮流を二相に分離し、重質液相及
び軽質液相を形成すること、
該反応器への軽質液相の一部分のリサイクル率を制御することにより、該側流の総重量
に対して、該側流中の水濃度を1重量%から3重量%に維持し、該側流中のヨウ化水素濃
度を50重量ppm又はそれを下回る量に維持すること、及び
該側流を第2の塔で蒸溜し、精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸の製造方法。
[請求項3]
該反応媒体がさらに、酢酸メチル、金属触媒、ヨウ化物塩、及びヨウ化メチルを含む、
請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
[請求項4]
該反応媒体が、0.5重量%から30重量%の酢酸メチル、200重量ppmから30
00重量ppmの金属触媒、1重量%から25重量%のヨウ化物塩、及び1重量%から2
5重量%のヨウ化メチルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[請求項5]
該重質液相の一部分を処理し、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブ
チルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチ
ルアルデヒド、及びこれらのアルドール縮合生成物からなる群より選択される少なくとも
1種の過マンガン酸還元性化合物を除去する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法

[請求項6]
該側流中の水濃度が1.1重量%から2.5重量%に維持される、請求項1〜5のいず
れか1項に記載の方法。
[請求項7]
該側流中のヨウ化水素濃度が0.1重量ppmから50重量ppmに維持される、請求
項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
[請求項8]
該側流がさらに、1種以上のヨウ化C1〜C14アルキルを0.1重量%から6重量%
の濃度で含み、さらに酢酸メチルを0.1重量%から6重量%の濃度で含む、請求項1〜
7のいずれか1項に記載の方法。
[請求項9]
該側流が、該1種以上のヨウ化C1〜C14アルキル及び該酢酸メチルのそれぞれを該
側流中の水濃度の±0.9重量%の量含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[請求項10]
該第1の塔が0.05から0.4の還流比で稼働される、請求項1〜9のいずれか1項
に記載の方法。
[請求項11]
該重質液相、該軽質液相、またはこれらの混合物を該第1の塔に還流させることをさら
に含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
[請求項12]
該軽質液相が、40重量%から80重量%の水を含む、請求項1〜11のいずれか1項
に記載の方法。
[請求項13]
該重質液相が、1重量%又はそれを下回る量の水を含む、請求項1〜12のいずれか1
項に記載の方法。
[請求項14]
該精製酢酸生成物が、該第2の塔の底部またはその近傍から取り出される、請求項1〜
13のいずれか1項に記載の方法。
[請求項15]
水性オーバーヘッドが該第2の塔から取り出される、請求項1〜14のいずれか1項に
記載の方法。
[請求項16]
該水性オーバーヘッドが、該第2の塔に供給される側流中の水の90%又はそれを超え
る水を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
[請求項17]
該水性オーバーヘッド又はその凝縮された一部を該反応器にリサイクルすることをさら
に含み、該反応器への水性オーバーヘッドの質量流量に対する該反応器へリサイクルされ
る軽質液相の質量流量のリサイクル比が2であるか又はそれを下回る、請求項1〜16の
いずれか1項に記載の方法。
[請求項18]
水、酢酸メチル、又はこれらの組合せが、該蒸気流に導入されない、請求項1〜17の
いずれか1項に記載の方法。
[請求項19]
水、酢酸メチル、又はこれらの組合せが、該第1の塔に導入されない、請求項1〜18
のいずれか1項に記載の方法。
[請求項20]
該精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5重量ppm又はそれを下回る場合に該精製酢酸
生成物をガード床に接触させることをさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載
の方法。
[請求項21]
該軽質液相のリサイクル率が、該低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮して得た総軽質液
相の0%から20%である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
[請求項22]
該反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750重量ppm又はそれを下回る量に制御するこ
とをさらに含み、該酢酸生成物からプロピオン酸を直接除去せずに該酢酸生成物が250
重量ppm未満のプロピオン酸を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
[請求項23]
該反応媒体中のヨウ化エチル及び該酢酸生成物中のプロピオン酸が3:1から1:2の
重量比で存在する、請求項22に記載の方法。
[請求項24]
アセトアルデヒド及びヨウ化エチルが該反応媒体中に2:1から20:1の重量比で存
在する、請求項22に記載の方法。
[請求項25]
反応器内で形成した反応媒体をフラッシュ容器内で分離し、液体リサイクル及び
蒸気生成物流を形成すること、
該蒸気生成物流を第1の塔で蒸溜し、側流及び低沸点オーバーヘッド蒸気流を得ること

該低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、得られた凝縮流を二相に分離し、重質液相及
び軽質液相を形成すること、
該側流中のヨウ化水素濃度を測定すること、
該測定されたヨウ化水素濃度に応じて該反応器への軽質液相のリサイクル率を制御し、
該側流中のヨウ化水素濃度を50重量ppm又はそれを下回る量に維持すること、及び
該側流を第2の塔で蒸溜し、精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸の製造方法。
[請求項26]
該側流中のヨウ化水素濃度が、滴定試薬として酢酸リチウムを用いた電位差滴定により
測定される、請求項25に記載の方法。
[請求項27]
反応器内で形成した反応媒体をフラッシュ容器内で分離し、液体リサイクル及び蒸気生
成物流を形成すること、
該蒸気生成物流を第1の塔で蒸溜し、低沸点オーバーヘッド蒸気流と、1〜3重量%の
水、0.1〜6重量%の1種以上のヨウ化C1〜C14アルキル、及び50重量ppm又
はそれを下回る量のヨウ化水素を含む側流とを得ること、
該側流を第2の塔で蒸溜し、精製酢酸生成物を得ること、及び
該精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5重量ppm又はそれを下回る場合に該精製酢酸
生成物をガード床に接触させることを含む、酢酸の製造方法。

Claims (10)

  1. 酢酸の製造方法であって、
    メタノール供給物を反応器内で、水、ロジウム触媒、ヨウ化物塩及びヨウ化メチルの存在下でカルボニル化して、反応媒体を形成すること、
    当該反応媒体を蒸気流と液体流とに分離すること、ここで、当該蒸気流は酢酸を含み、そして第1の塔に導入され、
    当該蒸気流を第1の塔中で精製し、側流であって、当該蒸気流からの大部分の酢酸と、当該側流の総重量に対して1重量%から3重量%の水と、当該側流の総重量に対して50重量ppm又はそれを下回るヨウ化水素とを含む当該側流を得ること、
    当該側流を第2の塔中で精製して、90重量%を超える量の酢酸を含む塔底流を得ること、及び
    該塔底流を精製し、ヨウ化物を除去して、100重量ppb未満のヨウ化物を含む精製酢酸組成物を得ること
    を含む、前記方法。
  2. 第1の塔が100℃から160℃の温度で稼働される、請求項1に記載の方法。
  3. 第2の塔が100℃から160℃の温度で稼働される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記塔底流の精製が、一つ又はそれを超えるガード床において行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記一つ又はそれを超えるガード床における流速が、0.1床体積/時間(bed volumes per hour)から50床体積/時間である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記塔底流が、95重量%を超える量の酢酸を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1の塔において、前記蒸気流を分離して、5重量%であるか又はそれを超える量の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流を得る、請求項1に記載の方法。
  8. 前記低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、凝縮された流れを二相に分離し、重質液相と軽質液相とを形成することをさらに含み、当該軽質液相が、40〜80重量%の水と5重量%未満のヨウ化メチルを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 該重質液相の一部、該軽質液相の一部、またはこれらの混合物を該第1の塔に還流させることをさらに含み、前記第1の塔が、0.05〜0.4の還流比で稼働される、請求項8に記載の方法。
  10. 該反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750重量ppm又はそれを下回る量に制御することをさらに含み、該酢酸生成物からプロピオン酸を直接除去せずに該酢酸生成物が250重量ppm未満のプロピオン酸を含む、請求項1に記載の方法。
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