JP2018515088A - 融合タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ペプチドリンカーの使用によってヒトIgGのFc領域に融合したインスリン受容体アゴニストを含む融合タンパク質、及びかかる融合タンパク質の糖尿病の治療における使用に関する。本発明の融合タンパク質は、長期作用プロファイルを有し、基礎グルコース制御を長期間提供するのに有用である。【選択図】 図1

Description

本発明は、糖尿病の治療に使用するための融合タンパク質に関する。より具体的には、本発明は、ペプチドリンカーによってヒトIgGのFc領域に融合したインスリン受容体アゴニストを含む融合タンパク質、及びかかる融合タンパク質の糖尿病の治療における使用に関する。本発明の融合タンパク質は、長期作用プロファイルを有し、持続的な基礎グルコース制御及び肝臓でのグルコース生産の抑制を提供するのに有用である。
真性糖尿病は、インスリン分泌、インスリン作用、またはそれらの両方における欠陥に起因する高血糖を特徴とする慢性疾患である。1型真性糖尿病はインスリン分泌能力がほとんどまたは全くないことを特徴とし、1型真性糖尿病を患う患者は生きるためにインスリンを必要とする。2型真性糖尿病は、インスリン分泌不全、インスリン抵抗性、過剰な肝臓でのグルコース生産、及び/または上記の全ての寄与に起因する血糖値の上昇を特徴とする。2型真性糖尿病を患う患者の少なくとも3分の1において、本疾患は、進行してインスリン療法を不可欠とするようになる。
正常な血糖を達成するためには、正常な個人における内因性インスリン分泌のパターンと可能な限り類似するインスリン補充療法が所望される。毎日のインスリンへの生理的必要性は変動し、(a)食事に関連する血糖の急上昇を処理するためにインスリンのパルス(ボーラス)を必要とする食事時の段階と、(b)最適な空腹時血糖を維持するように肝臓でのグルコース生産を調節するために持続(基礎)量のインスリンを必要とする食間段階との2つの段階に分けることができる。
1型糖尿病患者はインスリンをほとんどまたは全く生産しないため、1型糖尿病に有効なインスリン療法は、一般に、ボーラス注射によって提供される即効型の食事時用インスリン、及び食間に血糖値を制御するために1日1回または2回投与される長時間作用型の基礎インスリンという、2種類の体外投与インスリンの使用を伴う。2型糖尿病を患う患者の治療は、典型的には、規定された体重減少、運動、及び糖尿病食から始まるが、これらの対策が上昇した血糖の制御に失敗する場合には、経口薬及びインクレチン系療法、例えば、インクレチン値を増加させるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体アゴニスト及び/またはジペプチジルペプチダーゼ4(DPP−4)阻害剤の投与が必要となり得る。これらの薬剤が依然として不十分である場合、インスリンによる治療が検討される。疾患がインスリン療法を必要とするところまで進行している2型糖尿病患者は、一般的に、長期作用型の基礎インスリンの1日1回の注射を始めるが、一部の場合には、即効型インスリンの食事時の注射を適宜含めてもよい。
数種類の基礎インスリンが現在利用可能である。LANTUS(登録商標)という商品名で販売されているインスリングラルギンは、インスリンA鎖における位置21のアスパラギンがグリシンで代置され、2つのアルギニンがB鎖のC末端に加えられている、修飾されたインスリン構造を含む。LEVEMIR(登録商標)という商品名で販売されているインスリンデテミルは、B鎖の位置30のトレオニンが欠失し、B鎖の位置29のリジンが、14炭素のミリストイル脂肪酸とB29のリジンのεアミン基との共有結合を通して誘導体化されている、修飾されたインスリン構造を含む。TRESIBA(登録商標)の商品名で欧州及び日本で入手可能なインスリンデグルデクは、B鎖の位置30のトレオニンが欠失し、B鎖の位置29のリジンのε−アミノ基がγ−L−グルタミン酸リンカーを介してヘキサデカン二酸と共有的に誘導体化されている修飾されたインスリン構造を含む。これらのインスリンの全ては、1日1回の投与に適応される。
既存のインスリン療法の毎日の注射を伴う治療レジメンは、複雑かつ投与に痛みを伴い得、低血糖及び体重増加などの望ましくない副作用をもたらし得る。したがって、多くの糖尿病患者は、血糖値の厳密な管理を維持するために必要なインスリン療法に従うことを望まないかまたはそうすることができない、あるいは従う能力がない。不良な血糖管理は、心臓疾患、脳卒中、神経損傷、下肢切断、失明、及び腎臓疾患を含む深刻な糖尿病関連合併症を患者が発症するリスクを増加させる。作用期間がより長く、故に必要な注射頻度が現在利用可能なインスリン製品よりも少なく、忍従及び順守を改善するインスリン製品を特定するための研究が実施されている。
CN103509118は、ヒトインスリンB鎖及びヒトインスリンA鎖が4〜50のアミノ酸C−ペプチド接続配列によって接合し、インスリンA鎖が一切の更なるリンカーを用いずに直接免疫グロブリンFc断片に結合するタンパク質を説明しており、マウスにおける試験が、かかるタンパク質が3日という長さのインビボの半減期を有することを示したと述べている。KR101324828は、非ペプチジルリンカーの使用によって免疫グロブリンFc領域に結合したプロインスリン類似体を説明しており、かかるタンパク質が、既存の療法剤と比べて増大した血清半減期を提供すると述べている。本出版物は、非ペプチジルリンカーがペプチドリンカーと比べて改善を示したと述べ、ペプチドリンカーを使用した融合タンパク質は、ペプチドリンカーが体内の酵素によって容易に切断されるため、血中の活性薬剤の半減期を増加させることができないと主張している。
上記の開示及び/またはいずれの他の出版物にも反し、本発明者らは、多くの困難を克服して、1週間に1回という低頻度での投薬を含む現在利用可能なインスリン製品よりも低い頻度での投薬に十分な、作用期間が増大した血糖低下製品に対する継続的な必要性を満たす、インスリン受容体アゴニスト、ペプチドリンカー、及びヒトIgGのFc領域を含む融合タンパク質を発見した。例えば、所望の長期間作用プロファイルを達成するためには、インスリンクリアランスの主要経路である急速な受容体媒介性クリアランスを回避するために減衰した効力を持つが、十分な血糖低下を提供するのに足りる効力を依然として有する融合タンパク質を操作することが必要であった。更に、インスリンクリアランスのもう1つの主要経路である腎クリアランスを最低限に抑えるため、及び流体力学的なサイズが限定された傍細胞拡散による周辺露出を調節するためには、融合タンパク質を、十分に大きく、かつ投与後にインスリン受容体アゴニストがヒトIgGのFc領域からタンパク質分解的に切断されないように操作する必要があり、これは、かかる切断が、例えヒトIgGのFc領域が循環中に留まったとしても所望よりも早いインスリン受容体アゴニストの腎クリアランスをもたらし得るためであった。加えて、IgGのFcドメインは、自己会合して安定した二量体を形成するように進化しており、かかる二量体が、各々IgGのFc領域と融合したインスリン部分を含む2つの融合タンパク質から形成される場合、2つのインスリン部分が互いに近位にもたらされて、インスリンB鎖自己会合領域を通して媒介されるインスリン部分の自己会合または二量体化を可能にする。かかるインスリン二量体は不活性であるため、インスリン受容体アゴニスト部分の自己会合が低減した融合タンパク質を作製する必要があった。複数の更なる困難を克服して、商業的製造及び治療薬としての製剤化に好適な融合タンパク質を創出した。本発明は、既存のインスリン治療と比較して延長した期間の作用を有することで、最大で週に1回を含む既存のインスリン製品よりも低い頻度の注射を可能にするため、より高い頻度の注射を伴う既存の治療レジメンの複雑さ及びそれに関連する痛みを低減する融合タンパク質を提供する。本発明の融合タンパク質は、平坦な薬物動態プロファイル及び限定された周辺露出を有することで、インクレチン系療法剤などの付加的な糖尿病薬剤と組み合わせて提供される場合を含めて、低い日常的変動性及び低血糖の最小限の発生率をもたらす。本発明の融合タンパク質はまた、体重増加を引き起こすことなく長期間の作用を提供し得る。
本発明は、
a)一般式Z−Z−Zを有するインスリン受容体アゴニストと
[式中、
i)Zが、以下のアミノ酸配列を含むインスリンB鎖類似体であり、
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX
(式中、Xが、F、Q、またはAであり;Xが、VまたはGであり;Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり;Xが、E、Y、Q、またはHであり;Xが、HまたはFであり;Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず;Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず;Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず;Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず;但し、インスリンB鎖類似体が、X、X、X、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む)(配列番号1)、
ii)Zが、5〜10個のアミノ酸を含む第1のペプチドリンカーであり(ここで、アミノ酸のうちの少なくとも5個が、G残基である)、
iii)Zが、以下のアミノ酸配列を含むインスリンA鎖類似体である
GIVEQCCTSXCSLXQLENYCX
(式中、Xが、TまたはIであり;Xが、D、Y、Q、またはEであり;Xが、G、N、S、またはAであり;Xが、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず;但し、XがNである場合には、XはGまたはN以外のアミノ酸でなければならない)(配列番号2)]、
b)第2のペプチドリンカーと、
c)ヒトIgGのFc領域と、を含み、
インスリン受容体アゴニストのC末端残基が、第2のペプチドリンカーのN末端残基に直接融合し、第2のペプチドリンカーのC末端残基が、IgGのFc領域のN末端残基に直接融合している、融合タンパク質を提供する。
本発明はまた、
a)一般式Z−Z−Zを有するインスリン受容体アゴニストと、
[式中、
i)Zが、以下のアミノ酸配列を有するインスリンB鎖類似体であり、
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX
(式中、Xが、F、Q、またはAであり;Xが、VまたはGであり;Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり;Xが、E、Y、Q、またはHであり;Xが、HまたはFであり;Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず;Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず;Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず;Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず;但し、インスリンB鎖類似体が、X、X、X、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む)(配列番号1)、
ii)Zが、5〜10個のアミノ酸を含む第1のペプチドリンカーであり(ここで、アミノ酸のうちの少なくとも5個が、G残基である)、
iii)Zが、以下のアミノ酸配列を有するインスリンA鎖類似体である
GIVEQCCTSXCSLXQLENYCX
(式中、Xが、TまたはIであり;Xが、D、Y、Q、またはEであり;Xが、G、N、S、またはAであり;Xが、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず;但し、XがNである場合には、XはGまたはN以外のアミノ酸でなければならない)(配列番号2)]、
b)第2のペプチドリンカーと、
c)ヒトIgGのFc領域と、からなり、
インスリン受容体アゴニストのC末端残基が、第2のペプチドリンカーのN末端残基に直接融合し、第2のペプチドリンカーのC末端残基が、IgGのFc領域のN末端残基に直接融合している、融合タンパク質を提供する。
本発明はまた、本発明の融合タンパク質及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、治療有効量の本発明の融合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することを含む、真性糖尿病、肥満、脂質異常症、またはメタボリック症候群を患う患者を治療する方法を提供する。本発明はまた、治療有効量の本発明の融合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することを含む、心臓疾患、脳卒中、腎症、網膜症、及び腎疾患からなる群から選択される糖尿病関連状態を治療または防止する方法を提供する。
本発明は、療法に使用するための本発明の融合タンパク質も提供する。
本発明は、医薬品の製造における本発明の融合タンパク質の使用も提供する。
本発明は、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドも提供する。
本発明はまた、本発明の融合タンパク質を産生させるためのプロセスを提供し、該プロセスは、
1.本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む哺乳動物宿主細胞を、該融合タンパク質が発現されるような条件下で培養するステップと、
2.融合タンパク質を該宿主細胞から回収するステップと、を含む。
本発明は、上記のプロセスによって産生させた融合タンパク質も提供する。
ストレプトゾトシン(STZ)処理ラット糖尿病モデルにおける例示的な本発明の融合タンパク質についての薬力学データを提供する。 本明細書に記載のタンパク質の構成の模式図を提供する。図2中の略図において使用する特定の形状(例えば、楕円形、半円形など)は、本発明の融合タンパク質の個々の構成要素の意味または構造を説明するかまたは特徴付けるようには意図されず、そのように解釈するように使用されるべきではないことに留意されたい。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のXまたはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリンの分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも2つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のアミノ酸配列を有し、式中、X〜Xは、各々Gである。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を有し、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHである。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の位置X、X、X、X、X、及びXの各々に、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を含み、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、X〜Xは各々Gである。
ある特定の実施形態では、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方に、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはNであり、Xは、G、N、S、V、L、またはP以外のアミノ酸である。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のXまたはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも2つの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のアミノ酸を有し、式中、X〜Xは各々Gであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を含み、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の位置X、X、X、X、X、及びXの各々に、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を有し、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、X〜Xは各々Gであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のXまたはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方に、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも2つの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方に、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方に、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のアミノ酸を有し、式中、X〜Xは各々Gであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方に、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方にヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を含み、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のXまたはXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の位置X、X、X、X、X、及びXの各々に、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXの両方に、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を含み、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、X〜Xは各々Gであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2のX及びXに、ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの修飾を含む。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のXまたはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を含み、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも2つの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX、X、X、及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のアミノ酸を有し、式中、X〜Xは各々Gであり、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1のX及びXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を含み、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の位置X、X、X、X、X、及びXの各々に、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの修飾を含み、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の配列を有し、式中、XはFであり、XはVであり、XはNまたはDであり、XはEであり、XはHであり、X〜Xは各々Gであり、インスリンA鎖類似体は、配列番号2の配列を有し、式中、XはIまたはTであり、XはDであり、XはGであり、Xは存在しない。
ある特定の実施形態では、第1のペプチドリンカー(Z)は、アミノ酸配列XGXGGGGを含み、式中、Xは、Gであるか、または存在せず、Xは、G、Sであるか、または存在しない(配列番号3)。
ある特定の実施形態では、インスリン受容体アゴニスト、即ち、上記の融合タンパク質中のZ−Z−Zは、以下のアミノ酸配列を含み、
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX10GX11GGGGGIVEQCCTSX12CSLX13QLENYCX1415
式中、Xが、F、Q、またはAであり、Xが、VまたはGであり、Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり、Xが、E、Y、Q、またはHであり、Xが、HまたはFであり、Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず、Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず、Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず、Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず、X10が、Gであるか、または存在せず、X11が、G、Sであるか、または存在せず、X12が、TまたはIであり、X13が、D、Y、Q、またはEであり、X14が、G、N、S、またはAであり、X15が、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず、但し、X、X、X、X、X、またはXのうちの少なくとも1つが、それぞれ、ヒトインスリン分子のB鎖の位置B16、B25、B27、B28、B29、またはB30に見出されるものとは異なるアミノ酸でなければならず、更に、X14がNである場合には、X15が、GまたはN以外のアミノ酸でなければならない(配列番号4)。
ある特定の好ましい実施形態では、インスリン受容体アゴニスト、即ち、上記の融合タンパク質中のZ−Z−Zは、以下のアミノ酸配列を有する。
FVNQHLCGSHLVEALELVCGERGFHYGGGGGGSGGGGGIVEQCCTSTCSLDQLENYCG(配列番号5)
ある特定の実施形態では、第2のペプチドリンカーは、10〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、該アミノ酸の少なくとも50%がG残基である。ある特定の実施形態では、第2のペプチドリンカーは、アミノ酸配列[GGGGX]を含むペプチドであり、式中、Xが、Q、E、またはSであり、が、2〜5である。ある特定の実施形態では、第2のペプチドリンカーは、以下のアミノ酸配列を含み、
GGGGXGGGGXGGGGXGGGGX
式中、Xが、QまたはEであり、Xが、QまたはEであり、Xが、QまたはEであり、Xが、G、E、Qであるか、または存在せず、Xが、Gであるか、または存在せず、Xが、Gであるか、または存在しない(配列番号6)。
ある特定の好ましい実施形態では、第2のペプチドリンカーは、以下のアミノ酸配列を有する。
GGGGQGGGGQGGGGQGGGGG(配列番号7)
ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、IgG抗体の1つの重鎖からの断片を含む。かかるIgG領域を含む融合タンパク質の模式図を図2の略図(A)で提供する。他の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、IgG抗体の2つの重鎖からの断片を含む。かかるIgG領域を含む融合タンパク質の模式図を図2の略図(B)で提供する。
ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、IgG1、IgG2、またはIgG4抗体からのFc領域である。
ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、以下のアミノ酸配列を含むIgG1抗体からのFc領域であり、
CPPCPAPELLGGPSVXLXPPKPKDTLMISRTPEVTCXVXDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYXSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGX
式中、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、VまたはTであり、Xが、VまたはTであり、Xが、N、D、またはQであり、
が、Kであるか、または存在しない。(配列番号8)
ある特定の実施形態では、IgGのFc領域は、配列番号8のアミノ酸配列を含み、配列番号8中の位置1でのC残基のN末端側に対して、野生型IgG1のFc配列中に見出され得るアミノ酸の一部または全てを更に含む。
好ましくは、ヒトIgGのFc領域は、IgG2抗体またはIgG4抗体のいずれかに由来する。
ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、以下のアミノ酸配列を含むIgG4抗体からのFc領域であり、
PCPPCPAPEAAGGPSVXLXPPKPKDTLMISRTPEVTCXVXDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFXSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSXLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGX
式中、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、VまたはTであり、Xが、VまたはTであり、Xが、N、D、またはQであり、Xが、RまたはKであり、Xが、Kであるか、または存在しない。(配列番号9)
ある特定の実施形態では、IgGのFc領域は、配列番号9のアミノ酸配列を含み、配列番号9中の位置1でのC残基のN末端側に対して、野生型IgG4のFc配列中に見出され得るアミノ酸の一部または全てを更に含む。ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、配列番号9のアミノ酸配列を含み、式中、XがFであり、XがFであり、XがVであり、XがVであり、XがNであり、XがRであり、Xが存在しない。
ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、以下のアミノ酸配列を有するIgG2抗体からのFc領域であり、
ECPPCPAPPVAGPSVXLXPPKPKDTLMISRTPEVTCXVXDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFXSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGX
式中、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、VまたはTであり、Xが、VまたはTであり、Xが、N、D、またはQであり、Xが、Kであるか、または存在しない。(配列番号10)
ある特定の実施形態では、IgGのFc領域は、配列番号10のアミノ酸配列を含み、配列番号10中の位置1でのE残基のN末端側に対して、野生型IgG2のFc配列中に見出され得るアミノ酸の一部または全てを更に含む。ある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、配列番号10のアミノ酸を含み、式中、XがFであり、XがFであり、XがVであり、XがVであり、XがNであり、Xが存在しない。
ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含み、
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX10GX11GGGGGIVEQCCTSX12CSLX13QLENYCX1415GGGGX16GGGGX17GGGGX18GGGGX19202122CPPCPAPX2324AGX25PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSX26EDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTX27RVVSVLTVX28HQDWLNGKEYKCKVSNKGLPX2930IEKTISKX31KGQPREPQVYTLPPSX32EEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPX33LDSDGSFFLYSX34LTVDKSRWQX35GNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSX36
式中、Xが、F、Q、またはAであり、Xが、VまたはGであり、Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり、Xが、E、Y、Q、またはHであり、Xが、HまたはFであり、Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず、Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず、Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず、Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず、但し、X、X、X、X、X、またはXのうちの少なくとも1つが、それぞれ、ヒトインスリンB鎖の位置B16、B25、B27、B28、B29、またはB30に存在するもの以外のアミノ酸であり、X10が、Gであるか、または存在せず、X11が、G、Sであるか、または存在せず、X12が、TまたはIであり、X13が、D、Y、Q、またはEであり、X14が、G、N、S、またはAであり、X15が、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず、但し、X14がNである場合には、X15がGまたはN以外のアミノ酸でなければならず、X16が、QまたはEであり、X17が、QまたはEであり、X18が、QまたはEであり、X19が、G、E、Qであるか、または存在せず、X20が、Gであるか、または存在せず、X21が、Gであるか、または存在せず、X22が、EまたはPであり、X23が、EまたはPであり、X24が、AまたはVであり、X25が、Gであるか、または存在せず、X26が、QまたはHであり、X27が、YまたはF、X28が、LまたはVであり、X29が、SまたはAであり、X30が、SまたはPであり、X31が、AまたはTであり、X32が、QまたはRであり、X33が、VまたはMであり、X34が、RまたはKであり、X35が、EまたはQであり、X36が、LまたはPである(配列番号11)。
ある特定の実施形態では、本発明は、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、及び配列番号24からなる群から選択される融合タンパク質を提供する。
好ましい実施形態では、融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列を有する。

(配列番号12)。
ある特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、二量体の形態で存在する。かかる二量体の模式図を図2の略図(C)で提供する。ある特定の実施形態では、二量体はホモ二量体であり、この二量体を作る2つの融合タンパク質のアミノ酸配列は同じである。ある特定の実施形態では、二量体はヘテロ二量体であり、この二量体を構成する2つの融合タンパク質のアミノ酸配列は異なる。
ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明の融合タンパク質、緩衝剤、界面活性剤、及び等張剤を含む。ある特定の実施形態では、緩衝剤は、クエン酸及び/またはクエン酸塩であり、界面活性剤はポリソルベート80であり、等張剤はマンニトールである。ある特定の実施形態では、組成物のpHは、約5.5〜約8.0の範囲である。ある特定の実施形態では、pHは、約6.0〜約7.4の範囲である。ある特定の実施形態では、pHは、約6.0〜6.75の範囲である。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、付加的な活性成分を更に含む。ある特定の実施形態では、付加的な活性成分はインクレチン系療法剤である。ある特定の好ましい実施形態では、インクレチン系療法剤はGLP−1Rアゴニストである。好ましくは、GLP−1Rアゴニストはデュラグルチドである。
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、1日1回の治療有効量の融合タンパク質の投与を含む。好ましい実施形態では、治療有効量の融合タンパク質は、週に1回投与される。ある特定の実施形態では、治療有効量の融合タンパク質は、月に1回投与される。ある特定の実施形態では、本発明は、治療有効量の本発明の融合タンパク質を患者に投与することを含む、低血糖及び/または体重増加のリスクを低減しながら真性糖尿病を患う患者を治療する方法を提供する。
本発明はまた、治療有効量の本発明の融合タンパク質を付加的な活性成分と組み合わせて投与することを含む、真性糖尿病、肥満、脂質異常症、またはメタボリック症候群を患う患者を治療する方法を提供する。かかる実施形態における融合タンパク質及び付加的な活性成分は、同時に、逐次に、または単一の組み合わせた製剤として投与され得るある特定の実施形態では、付加的な活性成分はインクレチン系療法剤である。ある特定の好ましい実施形態では、インクレチン系療法剤はGLP−1Rアゴニストである。好ましくは、GLP−1Rアゴニストはデュラグルチドである。ある特定の実施形態では、本組み合わせは1日1回投与される。ある特定の好ましい実施形態では、本組み合わせは、週に1回投与される。ある特定の実施形態では、本組み合わせは月1回投与される。
ある特定の実施形態では、本発明は、真性糖尿病、肥満、脂質異常症、またはメタボリック症候群の治療に使用するための本発明の融合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、心臓疾患、脳卒中、腎症、網膜症、及び腎疾患からなる群から選択される糖尿病関連状態の治療または防止に使用するための本発明の融合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、本発明の融合タンパク質を患者に投与することを含む、低血糖及び/または体重増加のリスクを低減しながら真性糖尿病を患う患者を治療することにおいて使用するための本発明の融合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、別の活性成分と同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するために提供される。ある特定の実施形態では、付加的な活性成分はインクレチン系療法剤である。ある特定の好ましい実施形態では、インクレチン系療法剤はGLP−1Rアゴニストである。
ある特定の実施形態では、本発明は、真性糖尿病、肥満、脂質異常症、またはメタボリック症候群の治療用医薬品の製造における本発明の融合タンパク質の使用を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、心臓疾患、脳卒中、腎症、網膜症、及び腎疾患からなる群から選択される糖尿病関連状態の治療または防止用医薬品の製造における本発明の融合タンパク質の使用を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、本発明の融合タンパク質を患者に投与することを含む、低血糖及び/または体重増加のリスクを低減しながら真性糖尿病を治療するための医薬品の製造における本発明の融合タンパク質の使用を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、真性糖尿病、肥満、脂質異常症、またはメタボリック症候群の治療用医薬品の製造における本発明の融合タンパク質の使用を提供し、本医薬品は、別の活性成分と組み合わせて、同時、別々、または逐次に投与されることになる。
本明細書で使用する場合、「インスリン受容体アゴニスト」という用語は、インスリン受容体に結合し、それを活性化することで、下記の研究で示されるものなどの既知の技法を使用して試験及び測定することができる特徴である血糖値の低下及び/または肝臓でのグルコース生産の抑制をもたらすタンパク質を指す。
本発明の融合タンパク質のインスリン受容体アゴニスト部分は、インスリンB鎖の類似体及びインスリンA鎖の類似体を含む。本明細書で使用する場合、「インスリンA鎖」及び「インスリンB鎖」という用語は、天然の野生型配列が周知であるヒトインスリン分子(CAS番号11061−68−0)のA及びB鎖を指す。ヒトインスリンA鎖は、以下の配列を有する当該技術分野ではA〜A21と称される21個のアミノ酸で構成される。
GIVEQCCTSICSLYQLENYCN(配列番号13)
ヒトインスリンB鎖は、以下の配列を有する当該技術分野ではB〜B30と称される30個のアミノ酸で構成される。
FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKT(配列番号14)
ヒトインスリン分子中、A及びB鎖は、CysA7−CysB7及びCysA20−CysB19という2つのジスルフィド結合によって接合される。A鎖はCysA6−CysA11に鎖内ジスルフィド結合を有する。
所望の長期間作用プロファイルを達成するために、本発明の融合タンパク質のインスリン受容体アゴニストは、長時間にわたって循環中に留まり、インスリン受容体と相互作用することが可能でなければならない。本発明の融合タンパク質が所望の期間循環中に留まるためには、融合タンパク質の排除を減衰させる必要がある。インスリン排除の2つの主要経路は、腎クリアランス及びインスリン受容体媒介性クリアランスである。Iglesias P,et al.Diabetes Obes.Metab.2008;10:811−823を参照されたい。腎クリアランスを最低限に抑えるためには、流体力学的サイズが少なくともヒト血清アルブミン程度のサイズである分子が必要とされ、かかる流体力学的サイズは、ヒトIgGのFc領域によって本発明の融合タンパク質に提供される。受容体媒介性クリアランスについては、融合タンパク質は、所望よりも急速な受容体媒介性クリアランスをもたらす程にインスリン受容体に対して強力であることはできないが、しかし、融合タンパク質は、商業的に適した用量で十分なグルコース制御を提供するのに足りる程には強力でなければならない。そのため、融合タンパク質の効力は慎重にバランスを取る必要があり、本発明の融合タンパク質の構造により、かかるバランスを達成することが可能となる。
インスリン分子は、二量体及び六量体へと自己会合する傾向にある。多数の役割がインスリンの進化的に保存された自己会合傾向について提案されており、これらには、(1)細胞内空胞貯蔵中の分子の化学的及び熱的安定化、(2)インビボでの単量体インスリンのフィブリル化からの保護、(3)細胞内発現中のシャペロン支援型安定化及び折り畳みの代用、ならびに/または(4)分泌輸送への不可欠性が含まれる。しかしながら、インスリンの活性形態は単量体である。
インスリン分子の自己会合傾向及びかかる自己会合した分子の不活性は本発明に関係しており、これは、ヒトIgGのFc領域も、自己会合して二量体を形成する傾向にあり、典型的には、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合を通して共有的に会合し、かかる二量体は本発明の融合タンパク質中のヒトIgGのFc領域から形成される。ヒトIgGのFc領域の二量体化の結果として、2つのインスリン受容体アゴニスト「アーム」は互いに近位にあるため、比較的高い局所濃度で存在する。ヒトインスリンの場合、かかる近位は、インスリン部分の自己会合または二量体化に有利に働いて、分子の活性に影響し得る。インスリン部分アームが自己会合または二量体化状態となったFc融合タンパク質二量体の模式図を、図2の略図(D)で提供する。インスリン分子が自己会合する傾向は、1つ超のFc融合タンパク質二量体からのインスリン部分の自己会合または二量体化にも繋がり得る。2つのFc融合タンパク質二量体の自己会合または二量体化したインスリン部分との二量体の模式図を図2の略図(E)で提供する。更に、2つ超のFc融合タンパク質二量体におけるインスリン部分も、例えば、3つの二量体で構成される三量体、または3つ超の二量体で構成される更により高次の集合体を形成するような様式で自己会合し得る。
しかしながら、本発明の融合タンパク質のインスリン受容体アゴニスト部分は自己会合または二量体化する傾向が減少しているため、本発明の融合タンパク質で構成される融合タンパク質二量体は、図2の略図(D)及び(E)に示す構造とは対照的に、図2の略図(C)に示す構造に有利に働く傾向にある。このため、本発明は2つの融合タンパク質の二量体を提供するが、二量体中の各融合タンパク質のインスリン受容体アゴニスト「アーム」は、例えば図1の略図(C)に示すように、主に単量体である状態を維持するため、インスリン受容体と相互作用することが更に可能である。
本発明の融合タンパク質において、インスリン受容体アゴニスト中のインスリンB鎖の類似体は、ヒトインスリンB鎖のアミノ酸配列に対する1つ以上の修飾を含む。具体的には、インスリン受容体アゴニスト部分が自己会合または二量体化する性向を低減するために、インスリンB鎖類似体は、それぞれ位置X、X、及びX6〜9として配列番号1中で表される位置B16、B25、またはB27〜30,に、ヒトインスリン分子のB鎖からの1つ以上の修飾を含む。例えば、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のB16と対応する)は、E、Q、またはHに修飾され得、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のB25と対応する)は、Hに修飾され得、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のB27と対応する)は、欠失するか、またはG、S、H、もしくはVに修飾され得、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のB28と対応し)は、欠失するか、またはG、E、K、D、S、もしくはHであり得、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のB29と対応する)は、欠失するか、またはG、E、P、Q、D、もしくはHに修飾され得、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のB30と対応する)は、欠失するか、またはG、S、E、またはKに修飾され得る。インスリン受容体アゴニスト部分が自己会合する性向の低減に加えて、インスリンB鎖類似体上の位置B16及びB25(それぞれ、配列番号1のX及びX)に修飾を行って、効力を調整し、発現を改善し、化学的及び/または物理的安定性を改善し、融合タンパク質を他の一般に使用される賦形剤と共に製剤化し得る容易性を改善し、かつ/あるいは脱アミド化を排除してもよい。インスリンB鎖類似体も、これらの理由で更なる修飾を含み得る。配列番号1中の変数を参照して、かかる更なる修飾には、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のBと対応する)のQもしくはAへの修飾、X(ヒトインスリン分子のB鎖中のBと対応する)のGへの修飾、及び/またはX(ヒトインスリン分子のB鎖中のBと対応する)のK、D、またはGへの修飾が含まれる。
ある特定の好ましい実施形態では、インスリンB鎖類似体は、配列番号1の位置X、X、及びX6〜9に、ヒトインスリンB鎖のアミノ酸配列への1つ超の修飾を含む。好ましい実施形態では、XはEであり、XはHである。ある特定の実施形態では、配列番号1のX〜Xのアミノ酸配列は、GGES、GGGS、GGDS、GGEG、GGGG、SSES、SSGS、GGEE、GGGE、GGEK、GGGK、TPGS、TGGS、HGES、GHES、GGHS、GGEH、HGGS、GHGS、GGGH、GGDD、VGES、TEET、TKPT、GGGG、TGGG、TPGG、EPKT、TDKT、TPGS、EGGS、EGES、EEES、EPES、EPEP、及びGGDDからなる群から選択される。好ましい実施形態では、これら4つのアミノ酸の配列は、GGGS、GGGG、またはTEETである。特に好ましい実施形態では、XはEであり、XはHであり、X6〜9はGGGGである。
配列番号1のX〜XはインスリンB鎖類似体(Z)のC末端部を含むと上に記載したが、これらのアミノ酸は、インスリン受容体での融合タンパク質の活性に不可欠ではないため、代替的に第1のペプチドリンカー(Z)の延長と見なしてもよいことに留意されたい。例えば、配列番号4の文脈では、X〜Xは、そのインスリン受容体アゴニストにおけるインスリンB鎖類似体の一部または第1のペプチドリンカーのいずれかと見なし得る。
本発明の融合タンパク質において、インスリン受容体アゴニスト部分中のインスリンA鎖の類似体は、化学的及び物理的安定性を改善し、効力を調整し、かつ/または発現を強化することを意図した1つ以上のヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列への1つ以上の修飾を含んでもよい。配列番号2中の変数を参照して、これらの修飾には、X(ヒトインスリン分子のA鎖中のA10と対応する)のTへの修飾、X(ヒトインスリン分子のA鎖中のA14と対応する)のD、Q、もしくはEへの修飾、及び/またはX(ヒトインスリン分子のA鎖中のA21と対応する)のG、S、もしくはAへの修飾が含まれる。好ましい実施形態では、XはTであり、XはDであり、XはGである。
更に、脱アミド化ならびに化学的及び/またはタンパク質分解的切断を回避するために、インスリン受容体アゴニスト中のインスリンA鎖の類似体における位置21のアミノ酸、即ち、配列番号2におけるXがNである場合(ヒトインスリン分子における対応する位置に存在するアミノ酸)、その直後にC末端側で、GもしくはN、またはある特定の実施形態では、P、S、V、またはLなどのある特定のアミノ酸が続いてはならない。例えば、Vlasak J,Ionescu R.,MAbs.2011 May−Jun;3(3):253−63.Fragmentation of Monoclonal Antibodiesを参照されたい。この要件はインスリンA鎖の類似体に関する配列番号2における位置X及びXについての選択肢の文脈で上に記載した第1の融合タンパク質において列挙されるが、インスリンA鎖の類似体における位置21でのアスパラギン残基に続く非グリシン残基が、第2のペプチドリンカーとは対照的に、必ずしもインスリン受容体アゴニストの一部と見なされる必要はないことに留意されたい。例えば、配列番号11の文脈では、A鎖類似体部分における位置21と対応する残基はX14によって表され、続くアミノ酸X15は、インスリン受容体アゴニストの一部または第2のペプチドリンカーのいずれかと見なされ得る。
上記のように、本発明の融合タンパク質においては、インスリンB鎖類似体のC末端残基は、第1のペプチドリンカーのN末端残基に直接融合し、第1のペプチドリンカーのC末端残基は、インスリンB鎖類似体のN末端残基に直接融合している。第1のペプチドリンカーは、インスリン受容体への結合に必要な構造を達成するためにインスリンA鎖及びB鎖の類似体に十分な柔軟性を提供する必要があるが、それが長すぎてその結合に過度に干渉するようではならない。融合タンパク質の効力及び/または発現を調整するために、第1のペプチドリンカーの長さ及び組成を調整してもよい。一部の実施形態では、第1のペプチドリンカーは、アミノ酸長が5〜10個であり、そのうちの少なくとも5個がG残基である。ある特定の実施形態では、第1のペプチドリンカーのアミノ酸配列は、GGGGGG、GGGGG、EGGGGG、GEGGGG、GGEGGG、GGGEGG、GGGGEG、GGGGGE、KGGGGG、GKGGGG、GGKGGG、GGGKGG、GGGGKG、GGGGGK、HGGGGG、GHGGGG、GGHGGG、GGGHGG、GGGGHG、GGGGGH、GGGGGA、GGGGGR、SGGGGG、GSGGGG、GGSGGG、GGSGGGK、GGSGGGG、及びGGSGGGからなる群から選択される。ある特定の好ましい実施形態では、第1のペプチドリンカーの配列は、配列番号3を含む。最も好ましくは、第1のペプチドリンカーの配列は、GGSGGGG(配列番号15)である。本発明の融合タンパク質のインスリン受容体アゴニスト部分はまた、上記のヒトインスリン分子中に見出されるジスルフィド結合、つまり、CysA7−CysB7及びCysA20−CysB19に、インスリンA鎖及びB鎖の類似を接合する2つのジスルフィド結合、ならびにCysA6−CysA11でのインスリンA鎖の類似体中の鎖内ジスルフィド結合を含む。
上記のように、本発明の融合タンパク質のインスリン受容体アゴニスト部分のC末端残基は、第2のペプチドリンカーのN末端残基に融合し、第2のペプチドリンカーのC末端残基は、Fc部分のN末端残基に直接融合している。十分な配座柔軟性を提供するために、第2のペプチドリンカーがグリシン豊富であることが好ましい。好ましくは、第2のペプチドリンカーは、アミノ酸長が30個未満である。ある特定の好ましい実施形態では、第2のペプチドリンカーは、アミノ酸長が10〜25個であり、これらのアミノ酸の少なくとも50%がグリシン残基である。好ましい第2のペプチドリンカーは、配列(GGGGX15を含み、式中、X15は、Q、E、またはSであり、n=2〜5である。より好ましい第2のペプチドリンカーは、配列番号6のアミノ酸配列である。最も好ましい第2のペプチドリンカーは、アミノ酸配列GGGGQGGGGQGGGGQGGGGG(配列番号7)を有する。
本明細書で使用する場合、「ヒトIgGのFc領域」という用語は、免疫学の分野で一般的に付与される意味を有する。具体的には、本用語は、抗体から2つの抗原結合領域(Fab断片)を除去することによって得られるヒトIgG抗体断片を指す。特に、Fc領域は、抗体のCH2及びCH3定常領域ドメインを含み、またヒンジ領域の一部または全てを含んでもよい。
上記のように、本発明の融合タンパク質のある特定の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、IgG抗体の1つの重鎖からの定常領域の断片を含み(この模式図は図2の略図(A)で提供する)、他の実施形態では、ヒトIgGのFc領域は、IgG抗体の2つの重鎖からの定常領域の断片を含む(この模式図は図2の略図(B)で提供する)。この実施形態では、2つの重鎖の定常領域は、非共有的相互作用及びジスルフィド結合を通して互いに会合する。
4つのIgGサブクラス(G1、G2、G3、及びG4)が存在し、その各々が、異なる構造、及びエフェクター機能として知られる生物学的機能を有する。これらのエフェクター機能は、一般に、Fc受容体(FcγR)との相互作用を通して、または相補因子C1qの結合によって媒介される。FcγRへの結合は抗体依存性細胞媒介性細胞溶解をもたらし得る一方、相補因子への結合は補体媒介性細胞溶解をもたらし得る。IgGサブクラスのFc領域の構造及び特性は当該技術分野で既知である。本発明の融合タンパク質は、IgGサブクラスのうちのいずれからのFc領域を含んでもよいが、G2及びG4は、G1及びG3抗体よりも低い受容体結合及びエフェクター機能活性を有するため、好ましい。
本明細書で使用する場合、「ヒトIgGのFc領域」という用語はまた、例えば、補体及び/もしくはFc受容体結合機能、エフェクター機能、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)、製造可能性、ならびに/または安定性などの特性または特徴を改変するために、修飾された、伸長された、ならびに/または短縮されたバージョンのかかる抗体断片を含む。例えば、本発明の融合タンパク質のヒトIgGのFc領域は、N結合グリコシル化部位を低減または除去するように修飾されてもよく、これが、C1q結合親和性及び細胞毒性を低減することになり、免疫原性を補助し、配座安定性及びインビボのクリアランス速度に影響し、かつ/またはエフェクター機能を修飾し得る。本発明の融合タンパク質のヒトIgGのFc領域はまた、ジスルフィド媒介性Fc二量体化を簡素化するために、ヒンジ領域の一部または全てが除去されていてもよい。改変の他の例としては、リン酸化、硫酸化、アシル化、グリコシル化、メチル化、アセチル化、アミド化、及び/またはヘテロ二量体分子の産生を可能にする修飾が挙げられる。IgGサブクラスのヒトIgGのFc領域の構造及び特性を修飾するための技法は、当該技術分野で既知である。
融合タンパク質の最終構造にかかわらず、ヒトIgGのFc領域は、インスリン受容体アゴニストのインビボの血漿半減期を延長するように作用する必要がある。半減期を延長する能力のためにFc部分を利用する場合の異種Fc融合タンパク質の調製においては、いずれのエフェクター機能も最低限に抑えることが重要である。更に、融合インスリン受容体アゴニストは、下記の研究で示されるものなどの既知の技法を使用して試験及び測定することができる特徴である血糖値の低下及び/または肝臓でのグルコース生産の抑制をもたらすために、依然としてインスリン受容体に結合し、それを活性化することが可能でなければならない。本発明の融合タンパク質中の長い半減期は、例えば、下記の方法を使用して示すことができる。
1つの好ましいヒトIgGのFc領域は、エフェクター機能を更に低減し、ホモ二量体形成を促進し、式中、XがFであり、XがFであり、XがVであり、XがVであり、XがNであり、XがRであり、Xが存在しない、配列番号9においてのように、ヒンジの一部が欠失するように修飾されたIgG4のFc領域である。
別の好ましいヒトIgGのFc領域は、XがFであり、XがFであり、XがVであり、XがVであり、XがNであり、Xが存在しない、配列番号10のように、ヒンジの一部が欠失したIgG2のFc領域である。
上に挙げた好ましいヒトIgGのFc領域のアミノ酸配列は、ジスルフィド媒介性二量体化を簡素化するためにヒンジ領域の一部が除去されているが、これらのヒンジ領域は、ある特定の実施形態では存在してもよいことに留意されたい。例えば、野生型IgG2のFc領域は、そのN末端部に6つのアミノ酸配列ERKCCVを含み、これらのアミノ酸は配列番号10において示すIgG2のFc領域配列中では挙げられていないものの、配列番号10において示すアミノ酸配列を含むヒトIgGのFc領域は、そのN末端部に6個のアミノ酸配列ERKCCVの一部または全てを更に含み得ることが企図される。同様に、配列番号9において示すアミノ酸配列を含むヒトIgGのFc領域は、IgG4のFc領域のN末端部に見出される6個のアミノ酸、即ち、ESKYGPの一部または全てを更に含んでもよい。同じく、配列番号8において示すアミノ酸配列を含むヒトIgGのFc領域は、IgG1のFc領域のN末端部に見出される10個のアミノ酸、即ち、EPKSCDKTHTの一部または全てを更に含んでもよい。更に、第2のペプチドリンカーのC末端部を構成するアミノ酸と、ヒトIgGのFc領域のN末端部を構成するアミノ酸との間の厳密な描写は、本発明の融合タンパク質の構造または機能に必須ではない。例えば、配列番号11の文脈では、位置X19〜X22と対応する残基は、第2のペプチドリンカーのC末端部またはヒトIgGのFc領域のN末端伸長部のいずれかとして記載され得る。
上記のように、本発明は、本発明の融合タンパク質のうちのいずれかをコードするポリヌクレオチドにも関する。上記の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、cDNA及び合成DNAを含み、かつ二本鎖または一本鎖であってもよい、RNAまたはDNAの形態であり得る。本発明のタンパク質をコードするコード配列は、遺伝子コードの重複または縮退の結果として変化し得る。
本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下を含み得る:タンパク質に対するコード配列のみ、タンパク質に対するコード配列及び更なるコード配列、例えば、リーダーもしくは分泌配列または前駆タンパク質配列、タンパク質に対するコード配列及び非コード配列、例えば、タンパク質に対するコード配列のイントロンまたは非コード配列5’及び/もしくは3’。このため、「タンパク質をコードするポリヌクレオチド」という用語は、タンパク質に対するコード配列だけでなく、更なるコード及び/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを含み得るポリヌクレオチドを包含する。
本発明のポリヌクレオチドは、配列が発現制御配列に動作可能に結合した後で宿主細胞において発現されることになる。発現ベクターは、典型的には、エピソーム、または宿主染色体DNAの不可欠な部分のいずれかとして宿主生物中で複製可能である。一般的に、発現ベクターは、所望のDNA配列によって転換された細胞の検出を可能にするための選択マーカーを含有することになる。
本発明の融合タンパク質は、当該技術分野で既知の技法を使用して培養される、CHO、NSO、HEK293、BHK、またはCOS細胞などの哺乳動物細胞において、E.coli、Bacillus subtilis、もしくはPseudomonas fluorescenceなどの細菌細胞において、昆虫細胞において、または真菌もしくは酵母菌細胞において容易に産生され得る。しかしながら、昆虫及び酵母菌または他の真菌細胞は非ヒトN−グリカンを産生するため、かかる細胞中で産生されたN結合グリコシル化を有するタンパク質は、患者に投与すると免疫原性反応を引き起こし得る。かかる細胞における産生は、このため、当該技術分野で既知の技法を使用する、N結合グリコシル化部位の除去及び/またはヒトN−グリカンを産生させるための細胞の遺伝子操作を必要とする。例えば、Hamilton SR,et al.,Production of complex human glycoproteins in yeast,301Science(5637):1244−6(August 2003)を参照されたい。哺乳動物細胞における産生が好ましく、好ましい哺乳動物宿主細胞は、グルタミン合成酵素(GS)発現系を含有するCHOK1SV細胞株である(米国特許第5,122,464号を参照されたい)。
関心のポリヌクレオチド配列(例えば、融合タンパク質及び発現制御配列)を含有するベクターは、細胞宿主の種類に応じて異なる周知の方法によって宿主細胞中に移入することができる。例えば、原核細胞には塩化カルシウム転換が一般的に利用される一方、他の細胞宿主にはリン酸カルシウム処理またはエレクトロポレーションが使用され得る。
タンパク質精製の種々の方法を用いてもよく、かかる方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology 182:83−89(1990)及びScopes,Protein Purification:Principles and Practice,3rd Edition,Springer,N.Y.(1994)に記載されている。
上記のように、ある特定の実施形態における本発明の融合タンパク質は、二量体として産生される。かかる二量体において、融合タンパク質のヒトIgGのFc領域は、非共有的相互作用及びジスルフィド結合を通して互いに会合する。かかる二量体の模式図を図2の略図(C)で提供する。かかる二量体を構成する2つの融合タンパク質(例えば、図2の略図(C)で示す二量体における融合タンパク質A及び融合タンパク質B)のアミノ酸配列が同じである場合、この二量体を本明細書では「ホモ二量体」と称する。上述のように、哺乳動物細胞における本発明の融合タンパク質の発現が好ましく、かかる細胞中の発現がホモ二量体をもたらす。かかるホモ二量体中の融合タンパク質は、Fc部分における非共有的相互作用及び分子間ジスルフィド結合を通して会合する。例えば、配列番号12の融合タンパク質をコードする遺伝子によって産生されるタンパク質は、鎖間ジスルフィド結合、即ち、C80からC80及びC83からC83を通して共有結合するホモ二量体であり得る。
二量体を構成する2つの融合タンパク質(例えば、図2の略図(C)中の融合タンパク質A及び融合タンパク質B)のアミノ酸配列が異なる場合、この二量体を本明細書では「ヘテロ二量体」と称する。かかるヘテロ二量体は、当該技術分野で既知の技法によって調製され得る。例えば、Lewis SM,et al.Nat.Biotechnol.32(2):191−8(2014)、Carter,J.Immunol.Methods,248(1−2):7−15(2001)、Ridgway,J.B.et al.Protein Eng.9(7):617−2(1996)を参照されたい。
融合タンパク質を含む医薬組成物への本明細書における言及は、その融合タンパク質のホモ二量体を含有し、かつ/またはヘテロ二量体の一員がその融合タンパク質であるヘテロ二量体を含有する、医薬組成物を含む。同様に、融合タンパク質の投与を含む方法への本明細書における言及は、その融合タンパク質のホモ二量体の投与、及び/またはヘテロ二量体の一員がその融合タンパク質であるヘテロ二量体の投与を含む。同じく、療法に使用するための融合タンパク質及び/または医薬品の製造に使用するための融合タンパク質への言及は、療法及び/または医薬品の製造に使用するための、その融合タンパク質のホモ二量体、及び/またはヘテロ二量体の一員がその融合タンパク質であるヘテロ二量体を含む。
「治療」または「治療すること」という用語は、本明細書で使用する場合、糖尿病もしくは高血糖、または他の状態(インスリン投与がこれらの状態の症状及び合併症に対抗するかまたはそれらを緩和する目的に適応されるもの)を有する患者の管理及び看護を指す。治療することは、本発明の融合タンパク質を投与して症状もしくは合併症の発症を防止するかもしくは遅延させること、症状もしくは合併症を緩和すること、または疾患、状態、もしくは障害を排除することを含む。治療される患者は、哺乳動物、好ましくは、人間である。
「防止する」または「防止すること」という用語は、本明細書で使用する場合、1つ以上の状態、症状、合併症、もしくは疾患のリスクもしくは発生率の低減、またはそれらの進行の排除もしくは遅延を指す。
本発明の融合タンパク質を使用して、多岐にわたる疾患及び状態を患う対象を治療することができる。未治療対象及び経口薬剤による治療を受けている対象を含む、高血糖、インスリン依存性糖尿病を患う対象、及び非インスリン依存性糖尿病を患う対象が含まれ、経口薬剤とは、スルホニル尿素、メトホルミン、ピオグリタゾンなどのチアゾリジンジオン、アカルボースなどのα−グルコシダーゼ阻害剤、ならびに/またはDPP−4阻害剤及びGLP−1Rアゴニストなどのインクレチン系療法剤を含む非インスリン注射剤などである。本発明の融合タンパク質は、かかる患者において血糖を調節するために使用してもよく、網膜症、神経障害、または腎疾患などの不十分な血糖管理から生じる状態または合併症を治療し得る。
ある特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、毎日、隔日、週に2回、週に3回、週に1回、月に2回、または月に1回投与される。好ましい実施形態では、作用期間が著しく延長されて、週に1回の投薬が可能である。しかしながら、かかる長時間作用型分子であっても、有効なグルコース制御は、1日1回などのより頻繁の高い治療レジメンを使用して、長期の薬物動態プロファイルを有する薬物を徐々に投薬蓄積することによっても提供され得ることが、当業者によって認識されるであろう。例えば、Heise T and Meneghini LF,20 Endocr.Pract.p75−83(2014)を参照されたい。
ある特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、インスリンもしくはインスリン類似体、インクレチン系療法剤、または経口糖尿病薬、例えば、スルホニル尿素、メトホルミン、ピオグリタゾンなどのチアゾリジンジオン、もしくはアカルボースなどのα−グルコシダーゼ阻害剤といった、付加的な活性成分と組み合わせて投与される。
「インクレチン系療法剤」は、インクレチンとして知られる代謝ホルモンの、GLP−1及び胃抑制ペプチド(GIP)を含む群の投与を含むか、またはその効果を促進し、可能にし、強化し、かつ/もしくは刺激する、任意の治療を含む。現在利用可能なインクレチン系療法剤としては、DPP−4阻害剤及びGLP−1Rアゴニストが挙げられる。
「DPP−4阻害剤」は、インクレチン分解に関与するDPP−4酵素を妨害する化合物である。現在利用可能なDPP−4阻害剤としては、シタグリプチン(Januvia(登録商標))及びリナグリプチン(Tradjenta(登録商標))が挙げられる。
「GLP−1Rアゴニスト」は、GLP−1受容体に対して活性を維持する、天然ヒトGLP−1のアミノ酸配列(配列番号25)、GLP−1類似体、GLP−1誘導体、またはGLP−1融合タンパク質を含む化合物として定義される。GLP−1R活性は、当該技術分野で既知の方法によって測定してもよく、これには、それぞれEP 619,322及び米国特許第5,120,712号に記載されているように、GLP−1受容体結合活性または受容体活性化を測定するインビボ実験及びインビトロアッセイ、例えば、膵島細胞またはインスリノーマ細胞を用いるアッセイの使用が含まれる。GLP−1類似体は、天然ヒトGLP−1のアミノ酸配列(配列番号25)と比較したときに、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、反転、または付加を含む修飾を有する分子である。GLP−1誘導体は、天然ヒトGLP−1(配列番号25)またはGLP−1類似体のアミノ酸配列を有するが、そのアミノ酸側基、α−炭素原子、末端アミノ基、または末端カルボン酸基のうちの1つ以上の少なくとも1つの化学的修飾を更に有する分子である。GLP−1融合タンパク質は、GLP−1、GLP−1類似体、またはGLP−1誘導体部分、及び第2のポリペプチドを含む異種タンパク質である。現在利用可能なGLP−1Rアゴニストとしては、(Byetta(登録商標)及びBydureon(登録商標))、リラグルチド(Victoza(登録商標))、アルビグルチド(Tanzeum(登録商標))、及びデュラグルチド(Trulicity(登録商標))が挙げられ、これらの構造は当該技術分野で既知である。例えば、US 5,424,286(エキセナチド)、US 6,268,343(リラグルチド)、US 2014044717(アルビグルチド)、及びUS 7,452,966(デュラグルチド)を参照されたい。
本発明の融合タンパク質が付加的な活性成分と組み合わせて提供される実施形態では、融合タンパク質及び付加的な活性成分は、同時に、逐次に、または単一の組み合わせた製剤として投与され得る。
本発明の融合タンパク質は、治療有効量の本発明の融合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することによって、かかる疾患及び状態を治療することにおいて有効である。本明細書で使用する場合、「治療有効量」という語は、許容されない副作用を引き起こすことなく患者における血糖を調節するのに十分な本発明の融合タンパク質の量を指す。対象に投与される治療有効量の融合タンパク質は、疾患の種類及び重症度、ならびに全般的な健康、年齢、性別、体重、及び薬物耐性などの対象の特徴に応じることになる。当業者であれば、これら及び他の因子に応じて適切な用量を決定することができるであろう。ある特定の実施形態では、週に1回投与される場合の本発明の融合タンパク質の治療有効量は、約0.01nmol/kg〜約100nmol/kgの範囲である。より好ましくは、週に1回投与される場合の本発明の融合タンパク質の治療有効量は、約1nmol/kg〜約50nmol/kgの範囲である。より好ましくは、週に1回投与される場合の本発明の融合タンパク質の治療有効量は、約16nmol/kg〜約25nmol/kgの範囲である。ある特定の実施形態では、週に1回投与される場合の本発明の融合タンパク質の治療有効量は、約1mg〜約200mgの範囲である。より好ましくは、週に1回投与される場合の本発明の融合タンパク質の治療有効量は、約25mg〜約175mgの範囲である。より好ましくは、週に1回投与される場合の本発明の融合タンパク質の治療有効量は、約100mg〜約160mgの範囲である。
当業者であれば、本発明の融合タンパク質をGLP−1Rアゴニストなどの別の活性成分と組み合わせて投与する場合、組み合わせた2つの治療の活性が患者において血糖を調節するのに十分であるように、用量を調整してもよいことを理解することになる。このため、かかる組み合わせで血糖値を調節するために投与する必要がある融合タンパク質の量は、融合タンパク質を単剤療法として投与した場合に必要とされるものより少なくてもよい。例えば、本発明の融合タンパク質をGLP−1Rアゴニストと組み合わせて提供する場合、週1回の投薬で提供すべき融合タンパク質の量は、前段落で記載した用量などの単剤療法として使用するための同じ融合タンパク質の量と比較して、最大で50%低減し得る。
好ましくは、一部の実施形態における治療有効量の本発明の融合タンパク質の投与は、既存の治療と比較して、低血糖及び/または体重増加のリスクを低減しながら効果的なグルコース制御を提供することになる。インスリン受容体を刺激する糖尿病療法によって引き起こされる低血糖の発生率は、投与後に治療薬の濃度が急上昇するのを回避することによって最低限に抑え得る。本発明の融合タンパク質は、投与後に濃度が急上昇しない長期間作用プロファイルを有する。
更に、本発明の融合タンパク質を、別の活性成分、特にGLP−1Rアゴニストと組み合わせて提供する実施形態では、本発明の融合タンパク質の肝臓選択的活性は、血糖値を制御しながら低血糖のリスクも低減し得る。本発明の融合タンパク質は有窓類洞内皮を通して肝臓に容易にアクセスできるため、分子は、周辺での活性がほぼないに等しく肝臓でのグルコース生産を制御することができ、同時にGLP−1Rアゴニストが、周辺に容易に分散することができる膵臓からの内因性インスリンのグルコース依存性分泌を促進して、筋肉及び脂肪中のグルコース取り込みを制御する。
本発明の融合タンパク質は、非経口、経鼻投与、または肺吸入によって投与される。非経口投与が好ましく、これには、例えば、全身投与、筋肉内、静脈内、皮下、または腹腔内注射によるものなどの全身投与が含まれ得る。
融合タンパク質は、本発明の融合タンパク質及び少なくとも1つの 薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物で対象に投与することができる。かかる医薬組成物は、必ずではないが典型的に、本来非経口であり、当該技術分野で周知である非経口製品用の従来の賦形剤を使用して種々の技法のいずれかによって調製され得る。例えば、Remington:the Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy,Editor,21st Edition,Lippincott,Williams&Wilkins,2006)を参照されたい。上記のように、本発明の融合タンパク質は、哺乳動物細胞中で発現される場合、ホモ二量体である。このため、本明細書で使用する場合、「融合タンパク質を含む組成物」という用語は、融合タンパク質のホモ二量体を含有する組成物を含む。ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明の融合タンパク質が、少なくとも1mg/mL、少なくとも2mg/mL、少なくとも5mg/mL、少なくとも10mg/mL、少なくとも20mg/mL、少なくとも25mg/mL、少なくとも30mg/mL、少なくとも35mg/mL、少なくとも50mg/mL、少なくとも55mg/mL、少なくとも50mg/mL、少なくとも65mg/mL、少なくとも75mg/mL、少なくとも100mg/mL、またはそれ以上の濃度で存在する組成物を含む。好ましい実施形態では、融合タンパク質は、10〜100mg/mLの濃度で存在する。より好ましい実施形態では、融合タンパク質は、15〜75mg/mLの濃度で存在し、最も好ましい実施形態では、融合タンパク質は、20〜65mg/mLの濃度で存在する。
「賦形剤」という用語は、融合タンパク質または任意の他の付加的な活性成分(複数可)以外の、組成物に添加される任意の物質を意味する。本発明の組成物中で使用され得るかかる賦形剤の例としては、緩衝剤、界面活性剤、等張剤、及び防腐剤が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物のpHを制御するために1つ以上の緩衝剤を含む。「緩衝剤」は、その酸塩基共役体構成要素の作用によってpHの変化に抵抗する物質である。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、約5.5〜約8.0、好ましくは約6.0〜約7.4、より好ましくは約6.0〜約6.75のpHを有する。所望の範囲にある本発明の組成物のpHを制御するのに好適な緩衝剤としては、リン酸塩、済酸塩、クエン酸塩、またはこれらの酸、アルギニン、TRIS、及びヒスチジン緩衝液、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。「TRIS」は、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3,−プロパンジオール、及びその任意の薬理学的に許容される塩を指す。遊離塩基及び塩酸塩形態(即ち、TRIS−HCl)は、2つの一般的なTRISの形態である。TRISは、当該技術分野では、トリメチロールアミノメタン、トロメタミン、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとしても知られる。本発明の組成物中で好ましい緩衝剤は、クエン酸塩またはクエン酸、及びリン酸である。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、細胞腫脹または細胞破裂による注射時の痛みを最低限に抑えるために1つ以上の等張剤を含む。「等張剤」は、生理学的に認められ、投与される医薬組成物と接触している細胞膜にわたる水の流入を防止するために製剤に好適な等張性を授ける化合物である。既知の等張剤としては、グリセロール、塩化ナトリウムなどの塩、ならびにマンニトール、ブドウ糖、及び乳糖を含むがこれらに限定されない単糖が挙げられる。好ましい等張剤(複数可)は、マンニトール及び塩化ナトリウムである。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は界面活性剤を含む。「界面活性剤」は、液体の表面張力を低下させる物質である。医薬組成物中で使用され、本発明のある特定の組成物中で使用されてもよい界面活性剤の例としては、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 400、PEG 3000、TRITON X−100)、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例えば、BRIJ)、ポリプロピレングリコールコポリマー(例えば、ポロキサマー、PLURONIC F68;ポロキサマー407、PLURONIC F127;TETRONICS)、ソルビタンアルキルエステル(例えば、SPAN)、ポリエトキシル化ヒマシ油(例えば、KOLLIPHOR、CREMOPHOR)、及びトレハロースが挙げられる。
本発明の医薬組成物はまた、防腐剤を含有してもよい。「防腐剤」という用語は、多回使用型及び/または滴定型組成物中で抗菌剤として作用するように薬学的製剤に添加される化合物を指す。非経口製剤中で効果的かつ許容可能であるとして当該技術分野で既知である防腐剤は、中でも、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン(chlorohexidine)、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチル−またはプロピル−パラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、及びこれらの種々の混合物である。フェノール系防腐剤としては、化合物であるフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、メチルパラベン、及びこれらの混合物が挙げられる。防腐剤が必要な場合、本発明の組成物中で使用される防腐剤は、m−クレゾールまたはフェノールのいずれかであることが好ましい。
フェノール及びm−クレゾールなどのある特定のフェノール系防腐剤は、インスリン及びインスリン六量体に結合することで配座変化を安定させ、これが物理的安定性もしくは化学的安定性のいずれか、またはそれらの両方を増加させることが知られている。しかしながら、他のタンパク質を含む組成物中では、かかる防腐剤は、タンパク質集合体または高分子ポリマー(HMWP)の形成に寄与し得る。例えば、Maa YF and Hsu CC,Int J Pharm 140:155−168(1996)、Fransson J,et al.,Pharm.Res.,14:606−612(1997)、Lam XM,et al.,Pharm.Res.,14: 725−729(1997)、Remmele RL Jr,et al.,Pharm Res 15:200−208.(1998)、Thirumangalathu R,et al.,J Pharm Sci 95:1480−1497(2006)を参照されたい。治療用製剤中のかかるタンパク質集合体は、免疫応答を誘導するその傾向に起因して望ましくない。
ある特定の好ましい実施形態では、本発明の融合タンパク質のアミノ酸配列は、同じくフェノール系防腐剤を含有する組成物中の融合タンパク質の物理的安定性を強化するように最適化される。例えば、本発明者らは、驚くべきことに、インスリンA鎖の類似体における位置10でのアミノ酸突然変異の存在(配列番号2中で挙げるインスリンA鎖の類似体における可変のX)が、以下の安定性研究で示すように、フェノール保存性物質の存在下で融合タンパク質の集合体の蓄積を低減することを発見した。
本発明は、限定的であると解釈されるべきではない以下の実施例によって更に例解される。
融合タンパク質の発現及び精製
本発明の融合タンパク質は、CHOグルタミン合成酵素(GS)ノックアウト(GSKO)細胞株を使用して、哺乳動物細胞発現系において産生させる。GS遺伝子ノックアウトは、分泌条件下で低生産性または非生産性の細胞の生存を許容し得る内因性GS背景活性を排除することによって、厳しい選択厳密性を可能にする。融合タンパク質をコードする遺伝子を、発現プラスミドを含有するグルタミン合成酵素(GS)にサブクローニングする。融合タンパク質をコードするcDNA配列を、細胞培地への融合タンパク質の分泌を強化するシグナルペプチドのコード配列とインフレームで融合させる。発現はサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動される。CHO GSKO細胞を、エレクトロポレーション及び適量の組み換え発現プラスミドを使用して安定してトランスフェクトする。
トランスフェクトした細胞を、グルタミンを含まない培地中でのバルクセレクションに供する。トランスフェクトしたプールを、安定した発現細胞のクローン伸長に近づけるようにするために、低密度でプレーティングする。マスターウェルを融合タンパク質発現についてスクリーニングし、次いで無血清懸濁培養においてスケールアップして、産生に使用する。
培地に分泌された融合タンパク質は、タンパク質A親和性クロマトグラフィー、続いてサイズ排除クロマトグラフィー、続いて標準的なクロマトグラフィー技法によって精製し得る。端的には、澄まし培地からの融合タンパク質を、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水で平衡化したMab Select Protein A(GE)によって捕捉する。pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水による洗浄ステップの後、結合した融合タンパク質をpH3.0の10mMのクエン酸で溶出させる。融合タンパク質を含有する画分をプールし、pH8.0の1MのTrisの1/10容積を添加することによって中和する。可溶性集合体及び多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、またはイオン交換クロマトグラフィーを含む一般的な技法によって効率的に除去し得る。サイズ排除クロマトグラフィーによって決定して単量体融合タンパク質(共有結合したホモ二量体)を含有する画分をプールし、滅菌濾過し、貯蔵した。
例示的な本発明の融合タンパク質のアミノ酸配列を以下に示す。
実施例1

(配列番号12)
実施例2

(配列番号16)
実施例3

(配列番号17)
実施例4

(配列番号18)
実施例5

(配列番号19)
実施例6

(配列番号20)
実施例7

(配列番号21)
実施例8

(配列番号22)
実施例9

(配列番号23)
実施例10

(配列番号24)
インビトロ活性
実施例1〜3、5、及び9の試験ロットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)または10mMのクエン酸塩緩衝液(pH6.5)中で調製し、4℃で貯蔵する。生合成ヒトインスリン(Eli Lilly and Company)を0.01NのHCl中で調製し、凍結したアリコートとして貯蔵するか、または100単位/mLでm−クレゾール、亜鉛、塩化ナトリウム、及びTRIS緩衝液(pH7.3)を含有する配合混合物中で調製し、4℃で貯蔵する。
C末端にC9エピトープ標識を含むヒトインスリン受容体アイソフォームA(hIR−A)またはヒトインスリン受容体アイソフォームB(hIR−B)のいずれかを過剰発現している安定してトランスフェクトした293EBNA細胞(EBNA−1を発現している293HEKヒト胎児腎細胞)から調製したP1膜に行った受容体結合アッセイにおいて融合タンパク質の親和性を決定する。結合親和性を、ヒト組み換え(3−[125I]−ヨードチロシル−A14)−インスリンを使用して定常状態で行う競合的放射性リガンド結合アッセイから決定する。試験試料についての値は、非標識ヒトインスリンの活性に対するパーセントとして計算する。IC50値は、4パラメータロジスティック非線形回帰分析(XLFitバージョン4.0、IDBS)から決定する。必要であれば、曲線上部または底部パラメータを、それぞれ100または0に設定する。
親和性定数(Ki)を方程式Ki=IC50/(1+D/Kd)に基づいてIC50値から計算し、式中、Dは、実験に使用する放射性リガンドの濃度と等しく、Kdは、飽和結合分析から決定したその同起源受容体に対する放射性リガンドの平衡結合親和性定数と等しい(hIR−A=0.205nM、hIR−B=0.251nM)。Kについての報告値を幾何平均±平均値の標準誤差(SEM)として示し、反復測定の数を「n」で示す(表1)。
例示する融合タンパク質は、hIR−A及びhIR−Bの両方で親和性を有する。ヒトインスリンと比較して、例示する融合タンパク質は、hIR−A及びhIR−Bに対して低減した結合親和性を示す(表1)。
インビボ研究
ストレプトゾトシン(STZ)処理したラット糖尿病モデルにおける研究
融合タンパク質の効果をSTZ処理したラット糖尿病モデルにおいて調査する。体重400〜425グラムの雄のSprague−Dawley系ラットをイソフルランで麻酔し、Zanosar(登録商標)(STZ品番89256、Teva Parenteral Medicines、40mg/kg IV)の単回注射を与える。ラットをZanosar(登録商標)の注射から3日後に研究に使用する。非空腹時の血糖が400〜550mg/dLである動物のみをこれらの研究に使用する。
ラットを、血糖及び体重における同等の分散をもたらすようにグループ分けした後、ランダム化する。血糖を、Accucheck Aviva血糖計(Roche)を使用して測定する。STZ処理したラットに、30nmol/kg用量の単回皮下(SC)注射を与える。
グルコース測定のための血液試料を、尾の断切りによって収集する。動物は実験中ずっと自由摂餌摂水させる。血糖データを図1に提供する。図1に示すデータは平均±SEMである(実施例1及び8についてn=6、残りの実施例についてn=3)。初期の給餌期間中の時点(0〜24時間)についての血糖データを収集するが、視覚表示の簡便性のため図1には含めない。図1に示すように、実施例1〜10は、各々、長期間のグルコース低下を提供する。
実施例1、3〜6、及び9〜10の薬物動態特性も、上記のSTZ処理したラットにおける皮下(SC)投薬後に特性評価する。インスリン受容体と結合することができるインスリンの存在を必要とするインスリン受容体ELISAアッセイを使用して、データを生成する。インスリン受容体ELISAは、ヒトインスリン受容体(R&D Systems#1544−IR/CF aa28−944)を捕捉として利用する。ヒトインスリン受容体は、マウス抗6x HisTag抗体(Novagen 70796)によってImmunlon 4 HBXプレートに結合させる。融合タンパク質標準曲線及び試料を、100%のラットK3 EDTA血漿中で希釈し、マウス抗ヒトIgGのFc西洋ワサビペルオキシダーゼ(SouthernBiotech 9040−05)によって検出する。336時間の時点での実施例3〜6及び9〜10の濃度は全て、22.1±9.8mg/mL〜1498±690mg/mLである。表3は経時的な実施例1の濃度を示し、表4は実施例1についてのデータの非コンパートメント分析後の薬物動態パラメータを示す。データは、本発明の融合タンパク質についてのバイオアベイラビリティの延長した期間を支持する。

正常なラットにおける正常血糖クランプ
実施例1のグルコース利用に対する全体的なインビボ活性を理解するため、及び肝臓対周辺組織における実施例1の活性を決定するために、雄のSprague−Dawley系ラットにおける正常血糖クランプ研究を行った。3−H−グルコースのボーラス/持続注入を、慢性的にカテーテル処置した一晩絶食させたラットにおいて開始して、基礎条件下での内因性グルコース産生(EGP)を決定した。次に、試験物品のボーラス/持続静脈内注入(7nmol/kg[ボーラス]及び1nmol/kg/時間[持続速度])またはインスリンリスプロコンパレーター([ボーラスなし]及び0.75mU/kg/分[持続速度])を投与し、20%のグルコースの変動する静脈内注入を開始し、血糖濃度を100〜110mg/dLに維持するように定期的に調整する。ボーラス/注入速度は、各群において正常血糖クランプ条件下で同等のグルコース注入速度(GIR)及びEGPの同等の抑制を達成するように選択する。ソマトスタチンを投与して、内因性インスリン分泌を阻害する。実験中に動脈血試料を得て、ヘマトクリット、血漿インスリン、及び遊離脂肪酸、C−ペプチド、ならびに基礎及びクランプEGPを監視する。実験終了時、2−[1−14C]−デオキシグルコースを投与して、定常状態グルコース濃度下の組織グルコース取り込みを測定する。これらの一致条件下で、試験物品及びコンパレーターの周辺活性を、ヒラメ筋におけるグルコース取り込み及び血漿遊離脂肪酸(FFA)の抑制として分析する。全てのデータを、インスリンリスプロ群を対照コンパレーターとして使用するダネットのポストホック検定による一方向性の分散分析を使用して分析する。
実施例1のボーラス及び注入により、クランプ実験にわたって274±57nMの一定の血漿濃度を得る。表5に示すように、両群の動物が実験のクランプ相中に同等のGIRを達成する。実施例1群における平均血糖は、インスリンリスプロ群よりもわずかに高い。両群は、同様の基礎及びクランプEGP速度を有する(表5)。更に、実施例1群における基礎EGPからの変化率は、インスリンリスプロ対照群と同等である(表5)。等しくクランプした条件下の周辺活性を評定するために、血漿FFA及び筋グルコース取り込みの抑制を測定する。インスリンリスプロがクランプ実験にわたって血漿FFAレベルの低減をもたらした一方、実施例1はもたらさなかった。(表5)。加えて、実施例1の注入は、インスリンリスプロと比較して、ヒラメ筋におけるグルコース取り込みの33%の減少をもたらした。(表5)。総合すると、これらのデータは、実施例1がインスリンリスプロと比較して低減した周辺活性を呈することを示す。
カニクイザルにおけるインビボ有効性
実施例1の薬物動態(PK)パラメータを、カニクイザルにおいて1.5nmol/kgの単回静脈内投薬及び3nmol/kgの単回皮下投薬後に評価する。PK分析のための血漿試料を、3週かけて群/経路当たり3匹の動物から収集する。インスリン受容体ELISA及び総IgG Fc ELISAという2つのアッセイをPK分析に利用する。インスリン受容体ELISAは、ヒトインスリン受容体(R&D Systems1544−IR/CF)を捕捉として利用する。ヒトインスリン受容体をマウス抗HisTag抗体(Novagen 70796)によってImmunlon 4 HBXプレートに結合させる。実施例1の標準曲線及び試料を100%のカニクイザル血漿中で希釈し(抗凝血剤はK3 EDTAであった)、マウス抗ヒトIgGのFc西洋ワサビペルオキシダーゼ(SouthernBiotech 9040−05)によって検出する。総IgG ELISAは、抗ヒトIgG(Abcam ab1933)を捕捉試薬として利用する。実施例1を100%のカニクイザル血漿中で希釈し、検出抗体はインスリン受容体ELISAのものと同じである。両アッセイからの結果を表6に示し、関連するPKパラメータを表7に示す。実施例1はサルにおいて完全なバイオアベイラビリティを示し、活性インスリンアッセイ及び総Fcアッセイは同様の結果を出す。

安定性
実施例1の非保存65mg/mL製剤化
実施例1は、pH6.5の10mMのクエン酸塩、46.4mg/mLのマンニトール、0.02%のポリソルベート80中で65mg/mLで製剤化し、30℃で貯蔵する。試料を、1μLの65mg/mL試料を注射することによって、0、2、及び4週目に、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって高分子量パーセントについて分析する。TSKgel SuperSW3000(Tosoh Bioscience)カラムを装備し、50mMのリン酸ナトリウム、300mMのNaCl、pH7.0の移動相を15分間0.4mL/分で流すAgilent 1100システム上で分析SECを行う。ピークを280nmの吸光度で検出し、ChemStationソフトウェアを使用して分析する。ゼロ時点での高分子量パーセントは1.13%であり、2週時点では1.68%であり、4週時点では1.74%である。これらの結果は、30℃での4週後の可溶性集合体の成長が最小限で、65mg/mLの濃度での実施例1の安定性を支持する。
実施例1及び3の保存及び非保存1mg/mL製剤化
実施例1及び3を、30mMのm−クレゾールの存在下または非存在下で、pH6.5の10mMのクエン酸塩中1mg/mLで製剤化し、30℃で貯蔵する。試料を、10μLの1mg/mL試料を注射することによって、ゼロ時点及び2週目に、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって高分子量パーセントについて分析する。TSKgel G3000SWxl(Tosoh Bioscience)カラムを装備し、PBS+350mMのNaCl、pH7.4の移動相を、それぞれm−クレゾールの存在下または非存在下の試料について35分間または45分間0.5mL/分で流すAgilent 1100システム上で分析SECを行う。ピークを214nmの吸光度で検出し、ChemStationソフトウェアを使用して分析する。実施例3については、m−クレゾールなし及びありで、ゼロ時点の高分子量パーセントは、それぞれ、0.2%及び3.06%である。m−クレゾールなし及びありでの2週目の高分子量パーセントは、それぞれ、0.2%及び1.73%であった。これらの結果は、ゼロ時点での実施例3へのm−クレゾール添加後の可溶性集合体の即時の増加を示す。実施例1については、m−クレゾールの非存在下及び存在下で、ゼロ時点での高分子量パーセントは、それぞれ、0.16%及び0.15%であった。m−クレゾールの非存在下及び存在下での2週目の高分子量パーセントは、それぞれ、0.18%及び0.31%であった。これらの結果は、防腐剤の存在下での実施例1の安定性を示し、この実施例1は、インスリンA鎖の類似体における位置10でのアミノ酸(配列番号2中の変数X、上記の最初の融合タンパク質中のZ)のT残基への修飾を、その位置に天然のI残基を含むがそれ以外は実施例1と同じインスリン受容体アゴニストアミノ酸配列を含む実施例3と比較して、含む。

配列
配列番号1−インスリンB鎖の類似体
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX
式中、Xが、F、Q、またはAであり、Xが、VまたはGであり、Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり、Xが、E、Y、Q、またはHであり、Xが、HまたはFであり、Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず、Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず、Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず、Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず、但し、前記インスリンB鎖類似体が、X、X、X、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む。
配列番号2−インスリンA鎖の類似体
GIVEQCCTSXCSLXQLENYCX
式中、Xが、TまたはIであり、Xが、D、Y、Q、またはEであり、Xが、G、N、S、またはAであり、Xが、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず、但し、XがNである場合には、XはGまたはN以外のアミノ酸でなければならない。
配列番号3−第1のペプチドリンカー
GXGGGG、式中、Xが、Gであるか、または存在せず、Xが、G、Sであるか、または存在しない。
配列番号4−インスリン受容体アゴニスト
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX10GX11GGGGGIVEQCCTSX12CSLX13QLENYCX1415
式中、Xが、F、Q、またはAであり、Xが、VまたはGであり、Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり、Xが、E、Y、Q、またはHであり、Xが、HまたはFであり、Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず、Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず、Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず、Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず、X10が、Gであるか、または存在せず、X11が、G、Sであるか、または存在せず、X12が、TまたはIであり、X13が、D、Y、Q、またはEであり、X14が、G、N、S、またはAであり、X15が、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず、但し、X、X、X、X、X、またはXのうちの少なくとも1つが、それぞれ、ヒトインスリン分子のB鎖の位置B16、B25、B27、B28、B29、またはB30に見出されるものとは異なるアミノ酸でなければならず、更に、X14がNである場合には、X15が、GまたはN以外のアミノ酸でなければならない。
配列番号5−インスリン受容体アゴニスト
FVNQHLCGSHLVEALELVCGERGFHYGGGGGGSGGGGGIVEQCCTSTCSLDQLENYCG
配列番号6−第2のペプチドリンカー
GGGGXGGGGXGGGGXGGGGX
式中、Xが、QまたはEであり、Xが、QまたはEであり、Xが、QまたはEであり、Xが、G、E、Qであるか、または存在せず、Xが、Gであるか、または存在せず、Xが、Gであるか、または存在しない。
配列番号7−第2のペプチドリンカー
GGGGQGGGGQGGGGQGGGGG
配列番号8−ヒトIgGのFc領域
CPPCPAPELLGGPSVXLXPPKPKDTLMISRTPEVTCXVXDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYXSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGX
式中、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、VまたはTであり、Xが、VまたはTであり、Xが、N、D、またはQであり、
が、Kであるか、または存在しない。
配列番号9−ヒトIgGのFc領域
PCPPCPAPEAAGGPSVXLXPPKPKDTLMISRTPEVTCXVXDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFXSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSXLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGX
式中、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、VまたはTであり、Xが、VまたはTであり、Xが、N、D、またはQであり、Xが、RまたはKであり、Xが、Kであるか、または存在しない。
配列番号10−ヒトIgGのFc領域
ECPPCPAPPVAGPSVXLXPPKPKDTLMISRTPEVTCXVXDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFXSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGX
式中、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、F、Q、またはEであり、Xが、VまたはTであり、Xが、VまたはTであり、Xが、N、D、またはQであり、Xが、Kであるか、または存在しない。
配列番号11−融合タンパク質
QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX10GX11GGGGGIVEQCCTSX12CSLX13QLENYCX1415GGGGX16GGGGX17GGGGX18GGGGX19202122CPPCPAPX2324AGX25PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSX26EDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTX27RVVSVLTVX28HQDWLNGKEYKCKVSNKGLPX2930IEKTISKX31KGQPREPQVYTLPPSX32EEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPX33LDSDGSFFLYSX34LTVDKSRWQX35GNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSX36
式中、Xが、F、Q、またはAであり、Xが、VまたはGであり、Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり、Xが、E、Y、Q、またはHであり、Xが、HまたはFであり、Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず、Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず、Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず、Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず、但し、X、X、X、X、X、またはXのうちの少なくとも1つが、それぞれ、ヒトインスリンB鎖の位置B16、B25、B27、B28、B29、またはB30に存在するもの以外のアミノ酸であり、X10が、Gであるか、または存在せず、X11が、G、Sであるか、または存在せず、X12が、TまたはIであり、X13が、D、Y、Q、またはEであり、X14が、G、N、S、またはAであり、X15が、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず、但し、X14がNである場合には、X15がGまたはN以外のアミノ酸でなければならず、X16が、QまたはEであり、X17が、QまたはEであり、X18が、QまたはEであり、X19が、G、E、Qであるか、または存在せず、X20が、Gであるか、または存在せず、X21が、Gであるか、または存在せず、X22が、EまたはPであり、X23が、EまたはPであり、X24が、AまたはVであり、X25が、Gであるか、または存在せず、X26が、QまたはHであり、X27が、YまたはF、X28が、LまたはVであり、X29が、SまたはAであり、X30が、SまたはPであり、X31が、AまたはTであり、X32が、QまたはRであり、X33が、VまたはMであり、X34が、RまたはKであり、X35が、EまたはQであり、X36が、LまたはPである。
配列番号12−融合タンパク質
配列番号13−ヒトインスリンA鎖
GIVEQCCTSICSLYQLENYCN
配列番号14−ヒトインスリンB鎖
FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKT
配列番号15−第1のペプチドリンカー
GGSGGGG
配列番号16−融合タンパク質
配列番号17−融合タンパク質
配列番号18−融合タンパク質
配列番号19−融合タンパク質
配列番号20−融合タンパク質
配列番号21−融合タンパク質
配列番号22−融合タンパク質
配列番号23−融合タンパク質
配列番号24−融合タンパク質
配列番号25−GLP−1
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG
配列番号25−GLP−1
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 融合タンパク質であって、
a)一般式Z −Z −Z を有するインスリン受容体アゴニストと
[式中、
i)Z が、以下のアミノ酸配列を含むインスリンB鎖類似体であり、
QHLCGSHLVEALX LVCGERGFX YX
(式中、X が、F、Q、またはAであり;X が、VまたはGであり;X が、N、K、D、G、Q、A、またはEであり;X が、E、Y、Q、またはHであり;X が、HまたはFであり;X が、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず;X が、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず;X が、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず;X が、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず;但し、前記インスリンB鎖類似体が、X 、X 、X 、X 、X 、またはX に、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む)(配列番号1)、
ii)Z が、5〜10個のアミノ酸を含む第1のペプチドリンカーであり(ここで、前記アミノ酸のうちの少なくとも5個が、G残基である)、
iii)Z が、以下のアミノ酸配列を含むインスリンA鎖類似体である
GIVEQCCTSX CSLX QLENYCX
(式中、X が、TまたはIであり;X が、D、Y、Q、またはEであり;X が、G、N、S、またはAであり;X が、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず;但し、X がNである場合には、X がGまたはN以外のアミノ酸でなければならない)(配列番号2)]、
b)第2のペプチドリンカーと、
c)ヒトIgGのFc領域と、を含み、
前記インスリン受容体アゴニストのC末端残基が、前記第2のペプチドリンカーのN末端残基に直接融合し、前記第2のペプチドリンカーのC末端残基が、前記ヒトIgGのFc領域のN末端残基に直接融合している、融合タンパク質。
[2] 前記インスリンB鎖類似体が、配列番号1のX またはX に、前記ヒトインスリンB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、
前記インスリンA鎖類似体が、配列番号2のX またはX に、前記ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む、[1]に記載の融合タンパク質。
[3] 前記インスリンB鎖類似体が、配列番号1の配列を含み(式中、X がFであり、X がVであり、X がNまたはDであり、X がEであり、X がHである)、
前記インスリンA鎖類似体が、配列番号2の配列を含む(式中、X がIまたはTであり、X がDであり、X がGであり、X が存在しない)、[1]または[2]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[4] 前記インスリンB鎖類似体が、配列番号1の配列を含む(式中、X 〜X が、各々Gである)、[1]〜[3]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[5] 前記第1のペプチドリンカーが、以下のアミノ酸配列を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の融合タンパク質:
GX GGGG
(式中、X がGであるか、または存在せず;X が、GもしくはSであるか、または存在しない)(配列番号3)。
[6] 配列番号3のX 及びX が、それぞれ、G及びSである、[5]に記載の融合タンパク質。
[7] 前記インスリン受容体アゴニストが、以下のアミノ酸配列を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の融合タンパク質:
FVNQHLCGSHLVEALELVCGERGFHYGGGGGGSGGGGGIVEQCCTSTCSLDQLENYCG(配列番号5)。
[8] 前記第2のペプチドリンカーが、10〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、前記アミノ酸の少なくとも50%がG残基である、[1]〜[7]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[9] 前記第2のペプチドリンカーが、配列[GGGGX] を有するペプチドを含む(式中、Xが、Q、E、またはSであり; が、2〜5である)、[1]〜[8]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[10] 前記第2のペプチドリンカーが、以下のアミノ酸配列を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の融合タンパク質:
GGGGX GGGGX GGGGX GGGGX
が、QまたはEであり、
が、QまたはEであり、
が、QまたはEであり、
が、G、E、Qであるか、または存在せず、
が、Gであるか、または存在せず、
が、Gであるか、または存在しない
(配列番号6)。
[11] 前記第2のペプチドリンカーが、以下のアミノ酸配列を有する、[1]〜[10]のいずれかに記載の融合タンパク質:
GGGGQGGGGQGGGGQGGGGG(配列番号7)。
[12] 前記ヒトIgGのFc領域が、IgG1、IgG2、またはIgG4からのFc領域である、[1]〜[11]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[13] 前記ヒトIgGのFc領域が、配列番号8、配列番号9、及び配列番号10からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、[1]〜[12]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[14] 配列番号12のアミノ酸配列を有する、融合タンパク質。
[15] [1]〜[14]のいずれかに記載の2つの融合タンパク質のホモ二量体。
[16] [1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質または[15]に記載のホモ二量体のいずれか、及び少なくとも1つの賦形剤を含む、医薬組成物。
[17] 前記組成物が、1つ以上の緩衝剤、1つ以上の界面活性剤、及び1つ以上の等張剤を更に含む、[16]に記載の医薬組成物。
[18] クエン酸塩、クエン酸、ポリソルベート80、及びマンニトールを更に含む、[16]に記載の医薬組成物。
[19] pHが約5.5〜約8.0の範囲である、[16]〜[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[20] pHが約6.0〜約6.75の範囲である、[16]〜[19]のいずれかに記載の医薬組成物。
[21] 付加的な活性成分を更に含む、[16]〜[20]のいずれかに記載の医薬組成物。
[22] 前記付加的な活性成分がインクレチン系療法剤である、[21]に記載の医薬組成物。
[23] 前記インクレチン系療法剤がGLP−1Rアゴニストである、[23]に記載の医薬組成物。
[24] 前記GLP−1Rアゴニストがデュラグルチドである、[23]に記載の医薬組成物。
[25] [15]に記載のホモ二量体及びデュラグルチドを含む、医薬組成物。
[26] 治療有効量の[1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することを含む、真性糖尿病を患う患者を治療する方法。
[27] [1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質が、付加的な活性成分と組み合わせて投与される、[26]に記載の方法。
[28] 前記付加的な活性成分がインクレチン系療法剤である、[27]に記載の方法。
[29] 前記インクレチン系療法剤がGLP−1Rアゴニストである、[28]に記載の方法。
[30] 前記GLP−1Rアゴニストがデュラグルチドである、[29]に記載の方法。
[31] [15]に記載のホモ二量体をデュラグルチドと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む、真性糖尿病を患う患者を治療する方法。
[32] 療法に使用するための、[1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[33] 真性糖尿病の治療に使用するための、[1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[34] 付加的な活性成分と、同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するための[1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[35] デュラグルチドと、同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するための[1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質。
[36] デュラグルチドと、同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するための[15]に記載のホモ二量体。
[37]
[1]〜[14]のいずれかに記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。

Claims (37)

  1. 融合タンパク質であって、
    a)一般式Z−Z−Zを有するインスリン受容体アゴニストと
    [式中、
    i)Zが、以下のアミノ酸配列を含むインスリンB鎖類似体であり、
    QHLCGSHLVEALXLVCGERGFXYX
    (式中、Xが、F、Q、またはAであり;Xが、VまたはGであり;Xが、N、K、D、G、Q、A、またはEであり;Xが、E、Y、Q、またはHであり;Xが、HまたはFであり;Xが、G、T、S、H、Vであるか、または存在せず;Xが、G、E、P、K、D、S、Hであるか、または存在せず;Xが、G、E、K、P、Q、D、Hであるか、または存在せず;Xが、G、T、S、E、K、Aであるか、または存在せず;但し、前記インスリンB鎖類似体が、X、X、X、X、X、またはXに、ヒトインスリン分子のB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む)(配列番号1)、
    ii)Zが、5〜10個のアミノ酸を含む第1のペプチドリンカーであり(ここで、前記アミノ酸のうちの少なくとも5個が、G残基である)、
    iii)Zが、以下のアミノ酸配列を含むインスリンA鎖類似体である
    GIVEQCCTSXCSLXQLENYCX
    (式中、Xが、TまたはIであり;Xが、D、Y、Q、またはEであり;Xが、G、N、S、またはAであり;Xが、任意の天然に存在するアミノ酸であるか、または存在せず;但し、XがNである場合には、XがGまたはN以外のアミノ酸でなければならない)(配列番号2)]、
    b)第2のペプチドリンカーと、
    c)ヒトIgGのFc領域と、を含み、
    前記インスリン受容体アゴニストのC末端残基が、前記第2のペプチドリンカーのN末端残基に直接融合し、前記第2のペプチドリンカーのC末端残基が、前記ヒトIgGのFc領域のN末端残基に直接融合している、融合タンパク質。
  2. 前記インスリンB鎖類似体が、配列番号1のXまたはXに、前記ヒトインスリンB鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含み、
    前記インスリンA鎖類似体が、配列番号2のXまたはXに、前記ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列からの少なくとも1つの修飾を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 前記インスリンB鎖類似体が、配列番号1の配列を含み(式中、XがFであり、XがVであり、XがNまたはDであり、XがEであり、XがHである)、
    前記インスリンA鎖類似体が、配列番号2の配列を含む(式中、XがIまたはTであり、XがDであり、XがGであり、Xが存在しない)、請求項1または2のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  4. 前記インスリンB鎖類似体が、配列番号1の配列を含む(式中、X〜Xが、各々Gである)、請求項1〜3のいずれかに記載の融合タンパク質。
  5. 前記第1のペプチドリンカーが、以下のアミノ酸配列を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の融合タンパク質:
    GXGGGG
    (式中、XがGであるか、または存在せず;Xが、GもしくはSであるか、または存在しない)(配列番号3)。
  6. 配列番号3のX及びXが、それぞれ、G及びSである、請求項5に記載の融合タンパク質。
  7. 前記インスリン受容体アゴニストが、以下のアミノ酸配列を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の融合タンパク質:
    FVNQHLCGSHLVEALELVCGERGFHYGGGGGGSGGGGGIVEQCCTSTCSLDQLENYCG(配列番号5)。
  8. 前記第2のペプチドリンカーが、10〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、前記アミノ酸の少なくとも50%がG残基である、請求項1〜7のいずれかに記載の融合タンパク質。
  9. 前記第2のペプチドリンカーが、配列[GGGGX]を有するペプチドを含む(式中、Xが、Q、E、またはSであり;が、2〜5である)、請求項1〜8のいずれかに記載の融合タンパク質。
  10. 前記第2のペプチドリンカーが、以下のアミノ酸配列を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の融合タンパク質:
    GGGGXGGGGXGGGGXGGGGX
    が、QまたはEであり、
    が、QまたはEであり、
    が、QまたはEであり、
    が、G、E、Qであるか、または存在せず、
    が、Gであるか、または存在せず、
    が、Gであるか、または存在しない
    (配列番号6)。
  11. 前記第2のペプチドリンカーが、以下のアミノ酸配列を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の融合タンパク質:
    GGGGQGGGGQGGGGQGGGGG(配列番号7)。
  12. 前記ヒトIgGのFc領域が、IgG1、IgG2、またはIgG4からのFc領域である、請求項1〜11のいずれかに記載の融合タンパク質。
  13. 前記ヒトIgGのFc領域が、配列番号8、配列番号9、及び配列番号10からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の融合タンパク質。
  14. 配列番号12のアミノ酸配列を有する、融合タンパク質。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の2つの融合タンパク質のホモ二量体。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質または請求項15に記載のホモ二量体のいずれか、及び少なくとも1つの賦形剤を含む、医薬組成物。
  17. 前記組成物が、1つ以上の緩衝剤、1つ以上の界面活性剤、及び1つ以上の等張剤を更に含む、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. クエン酸塩、クエン酸、ポリソルベート80、及びマンニトールを更に含む、請求項16に記載の医薬組成物。
  19. pHが約5.5〜約8.0の範囲である、請求項16〜18のいずれかに記載の医薬組成物。
  20. pHが約6.0〜約6.75の範囲である、請求項16〜19のいずれかに記載の医薬組成物。
  21. 付加的な活性成分を更に含む、請求項16〜20のいずれかに記載の医薬組成物。
  22. 前記付加的な活性成分がインクレチン系療法剤である、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 前記インクレチン系療法剤がGLP−1Rアゴニストである、請求項23に記載の医薬組成物。
  24. 前記GLP−1Rアゴニストがデュラグルチドである、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 請求項15に記載のホモ二量体及びデュラグルチドを含む、医薬組成物。
  26. 治療有効量の請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することを含む、真性糖尿病を患う患者を治療する方法。
  27. 請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質が、付加的な活性成分と組み合わせて投与される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記付加的な活性成分がインクレチン系療法剤である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記インクレチン系療法剤がGLP−1Rアゴニストである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記GLP−1Rアゴニストがデュラグルチドである、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項15に記載のホモ二量体をデュラグルチドと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む、真性糖尿病を患う患者を治療する方法。
  32. 療法に使用するための、請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質。
  33. 真性糖尿病の治療に使用するための、請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質。
  34. 付加的な活性成分と、同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するための請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質。
  35. デュラグルチドと、同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するための請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質。
  36. デュラグルチドと、同時、別々、または逐次の組み合わせで使用するための請求項15に記載のホモ二量体。
  37. 請求項1〜14のいずれかに記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
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