JP2018514610A - 掘削流体のための添加剤組成物およびそれらの使用のための方法 - Google Patents

掘削流体のための添加剤組成物およびそれらの使用のための方法 Download PDF

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Abstract

掘削流体のための添加剤組成物、ならびに掘削流体の潤滑性を増加させ、摩擦係数を低下させる方法を開示する。添加剤組成物は、i)ヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;iii)およびポリアルキレングリコールの反応生成物から形成されたポリマーエステルを含む。本明細書中に記載の発明は、さらに、少なくとも1つのジカルボン酸が、脂肪族酸、芳香族酸、ダイマー酸、トライマー酸、またはダイマー脂肪酸の1つまたは1つより多くを含む添加剤組成物を提供する。

Description

本発明は、掘削流体のための添加剤組成物、ならびに掘削流体の潤滑性を増加させ、摩擦係数を低下させる方法に関する。添加剤組成物は、さらに、潤滑効果をさらに増強する金属ジチオホスファート化合物を含むことができる。
発明の背景
掘削流体は、掘削泥水とも呼ばれ、掘削装置を冷却して潤滑し、坑井からの掘屑を地上に上げ、掘削中に遭遇する地層圧を平衡するために掘削操作中に頻繁にこの掘削流体を坑井内に循環させる。掘削流体の機能のうちの1つは、ドリルパイプの外側と井壁および/またはケーシング・ストリングとの間の摩擦によって生じる回転ドリルステムに関連するかなり大きなトルクを低下させることである。オフセット掘削、ディープウェル、および高傾斜井または水平井は摩擦力が高く、掘削流体の潤滑性に対する要求が高い。
油系泥水または合成泥水(すなわち、インバートエマルション(invert emulsion))は、通常、膨潤頁岩または崩壊頁岩、塩、セッコウ、硬セッコウ、または他の蒸発岩地層、硫化水素含有地層、および高温(約300°F超)坑井を掘削するために使用されるが、地下層を貫通する他の坑井でも使用することができる。これらの非水系掘削流体は、典型的には、連続相として油もしくは合成油または他の合成材料もしくは合成流体(「合成物」)を含み、乳化によって流体中に明確な水層が存在しないように連続相中に分散された水も含み得る。用語「油泥」または「油系泥水または合成泥水」は、典型的には、インバートオイルマッドエマルションまたはインバート合成マッドエマルションまたはインバートエマルションを意味する。全油泥は単純に100体積%の油を液相として含む;すなわち、水性内相が存在しない。インバートエマルション掘削流体は、通常、水相に対する容積比が約50:50〜95:5の油相を含み得る。
掘削作業において、各種添加剤を含む油系泥水によって摩擦を低下させる試みがなされている。ディーゼル油および他の鉱油もしばしば潤滑剤として使用されている。
発明の要旨
本明細書中に記載の発明は、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリドii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む、掘削流体のための添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、ヒドロキシ脂肪酸が、2−ヒドロキシリノレン酸、2−ヒドロキシオレイン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸(tetraconsanic acid)、2−ヒドロキシ−15−テトラコセン酸(tetracosenic acid)、2−ヒドロキシパルミチン酸、10−ヒドロキシ−2−デセン酸、3,10−ジヒドロキシデカン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、w−ヒドロキシオクタデセン酸、15−ヒドロキシリノレアート、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシ−11−エイコセン酸、11−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシ−ヘキサデカン酸、または17−ヒドロキシ−オクタデカン酸の1つまたは1つより多くを含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、少なくとも1つのジカルボン酸が、脂肪族酸、芳香族酸、ダイマー酸、トライマー酸、またはダイマー脂肪酸の1つまたは1つより多くを含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸(azelic acid)、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、トラウマチン酸およびムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、またはジフェン酸を含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールの1つまたは1つより多くを含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、ポリアルキレングリコールがMn200〜10,000のポリプロピレングリコールを含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、ポリアルキレングリコールがMn2000未満のポリプロピレングリコールを含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、i)ヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)アジピン酸;およびc)ポリプロピレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、金属ジアルキルジチオホスファート化合物をさらに含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、金属ジアルキルジチオホスファート化合物がジアルキルジチオリン酸亜鉛を含む添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、添加剤の金属ジチオホスファート化合物に対する比が9:1〜1:9である添加剤組成物を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、定義された添加剤組成物および石油系炭化水素流体を含む掘削流体を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、油系掘削流体である掘削流体を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、掘削流体であって、石油系炭化水素流体、合成炭化水素流体、またはその混合物、ならびにi)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を含む掘削流体を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、石油系炭化水素流体または合成炭化水素流体が、ディーゼル油、ケロシン、ジェット燃料、ホワイト油、鉱油、ミネラルシール油、硬化油、およびその組み合わせを含む掘削流体を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、添加剤組成物が掘削流体に0.5重量%〜2.0重量%添加されている掘削流体を含む。
本明細書中に記載の発明は、さらに、掘削流体を潤滑する方法であって、掘削流体に、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を添加する工程を含む、方法を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を炭化水素に添加することによって炭化水素流体を含む掘削流体の潤滑性を増加させ、摩擦係数を減少させる方法を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、坑井処理流体の摩擦係数を少なくとも10%減少させる方法を提供する。
本明細書中に記載の発明は、さらに、炭化水素が石油系炭化水素流体または合成炭化水素流体を含む方法を提供する。
発明の詳細な説明
種々の好ましい特徴および実施形態を、限定されない例示を目的として以下に記載する。
本明細書中に記載の添加剤組成物は、少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド、ジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物、およびポリアルキレングリコールの反応から調製されたポリマーエステルである。本明細書中に記載の添加剤組成物は、坑井処理組成物の潤滑性を増加することおよび摩擦係数を減少することのうちの1つまたは複数に有効である。添加剤組成物は、いくつかの実施形態では、硫化オレフィンまたは金属ジチオホスファートのいずれかをさらに含むことができ、これらは、ポリマーエステルと組み合わせることによって相乗効果が得られ、坑井処理流体の潤滑性が増加し、そして/または摩擦係数が低下するように作用する。
炭化水素(油)成分
1つの実施形態では、本発明で用いる炭化水素系流体には、合成炭化水素流体、石油系炭化水素流体、天然炭化水素(非水性)流体、または他の類似の炭化水素もしくはその混合物もしくは組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本発明で用いる炭化水素流体は約3×10−6〜約600×10−6/s(3〜約600センチストークス)の範囲の粘度を有する。かかる炭化水素流体の例には、ポリ−α−オレフィン、ポリブテン、ポリオールエステル、バイオディーゼル油、植物または植物油留分の低分子量単純脂肪エステル、アルコールの単純エステル(Exxon ChemicalsのExxate(商標)など)、植物油、動物油またはエステル、他の揮発性油、ディーゼル油、低硫黄含有量または高硫黄含有量のディーゼル油、ケロシン、ジェット燃料、ホワイト油、鉱油、ミネラルシール油、硬化油(PetroCanada(商標)HT−40NもしくはIA−35またはShell Oil Company製造の類似の油など)、約12個と20個との間の炭素原子を有する内部オレフィン(IO)、約14個と20個との間の炭素原子を有する直鎖αオレフィン、約12個と約20個との間の炭素原子を有するポリ−α−オレフィン、約12個と約20個との間の炭素原子を有する異性化α−オレフィン(IAO)、VM&P Naptha、Linparb、13個と約16個との間の炭素原子を有するパラフィン、HF−1000(Sasol、USA製)、およびその混合物または組み合わせが含まれる。
適切なポリ−α−オレフィン(PAO)には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリヘプテン、高級PAO、そのコポリマー、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。PAOの代表例には、Mobil Chemical CompanyがSHF(商標)流体として販売しているPAO、および以前はEthyl Corporationから商品名ETHYLFLO(商標)で販売されており、現在はAlbemarle Corporationから商標名DURASYN(商標)で販売されているPAOが含まれる。かかる流体には、ETHYLFLO(商標)162、164、166、168、170、174、および180と指定されたPAOが含まれる。本発明での使用に十分に適合するPAOには、約56%のETHYLFLO(商標)(現在、DURASYN(商標)174)と約44%のETHYLFLO(商標)(現在、DURASYN(商標)168)とのブレンドが含まれる。PAOの他の例には、Chevron PhillipsグレードPAO2、PAO4、PAO6、およびPAO8(C10αオレフィン系)、ならびにPAO2.5、PAO5、PAO7、およびPAO9(C12αオレフィン系)が含まれる。
いくつかの実施形態では、ポリブテンには、それぞれ、Amoco Chemical CompanyおよびExxon Chemical Companyから商標名INDOPOLおよびPARAPOLで販売されているものが含まれるが、これらに限定されない。本発明での使用に十分に適合するポリブテンには、AmocoのINDOPOL「L」シリーズおよび「H」シリーズ(H−100、H−300、H−6000、およびH−21000など)が含まれる。
いくつかの実施形態では、ポリオールエステルには、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール(pentaerythriol)、ジペンタエリスリトール、ならびにジオクチルセバカート(DOS)、ジアセチルアゼラート(diactylazelate)(DOZ)、およびジオクチルアジパートなどのジエステルが含まれるが、これらに限定されない。ポリオールエステルの代表例には、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール(pentaerythriol)、ジペンタエリスリトール、ならびにジオクチルセバカート(DOS)、ジアセチルアゼラート(diactylazelate)(DOZ)、およびジオクチルアジパートなどのジエステルが含まれるが、これらに限定されない。石油系流体の代表例には、白色鉱油、パラフィン系オイル、および40℃で約3×10−6〜約600×10−6/s(3〜約600センチストーク)の粘度範囲を有する中粘度指数(medium-viscosity-index)(MVI)ナフテン系オイルが含まれるが、これらに限定されない。白色鉱油の代表例には、Witco Corporation、Arco Chemical Company、PSI、およびPenrecoから販売されているものが含まれる。パラフィン系オイルの代表例には、Exxon Chemical Companyから入手可能な溶剤ニュートラル油(solvent neutral oil)、Shell Chemical Companyから入手可能な高粘度指数(HVI)ニュートラル油、およびArco Chemical Companyから入手可能な溶剤処理ニュートラル油が含まれる。MVIナフテン系オイルの代表例には、Exxon Chemical Companyから入手可能な溶剤抽出海洋ペール油、Shell Chemical Companyから入手可能なMVI抽出/酸処理油、およびCalumetから商品名HYDROCAL(商標)およびCALSOL(商標)で販売されているナフテン系オイル、ならびに硬化油(PETROCANADA(商標)またはShell Oil CompanyのHT−40NおよびIA−35など)または他の類似の硬化油が含まれる。いくつかの実施形態では、植物油には、ヒマシ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ゴマ油、ピーナッツ油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、乳脂肪、キャノーラ油、ナタネ油、フラックスシード油(flax seed oil)、綿実油、亜麻仁油(linseed oil)、他の植物油、改質植物油(架橋ヒマシ油など)、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。動物油の代表例には、獣脂、ミンク油、ラード脂、他の動物油、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。他の揮発性油も同様に作用する。勿論、上記で特定した全ての油の混合物も使用することができる。
ヒドロキシ脂肪酸成分
本明細書中に記載の発明の添加剤組成物を、i)ヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリドを使用して作製する。適切なヒドロキシ脂肪酸は、飽和または不飽和のアルキル基を有し得る。ヒドロキシカルボン酸中の飽和アルキル基は、1つの実施形態では、3〜40個の炭素原子、1つの実施形態では、12〜20個の炭素原子を有する。これらのヒドロキシカルボン酸中のヒドロキシル基数は、一般に、1個もしくは1個より多く、または1つの実施形態では2個、または1つの実施形態では3個、または別の実施形態では1〜3個であってよく;これらのヒドロキシカルボン酸中のカルボキシル基数は、1つの実施形態では1個または1個より多く、別の実施形態では1〜10個であってよい。
ヒドロキシ脂肪酸成分には、1つの実施形態では、1つのヒドロキシル基および1つのカルボキシル基を有する飽和脂肪酸が含まれる。
アルキル部分中に直鎖アルキル基を有するヒドロキシ脂肪酸の具体例には、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシエナント酸、7−ヒドロキシエナント酸、2−ヒドロキシカプリル酸、3−ヒドロキシカプリル酸、8−ヒドロキシカプリル酸、2−ヒドロキシペラルゴン酸、3−ヒドロキシペラルゴン酸、9−ヒドロキシペラルゴン酸、2−ヒドロキシカプリン酸、3−ヒドロキシカプリン酸、10−ヒドロキシカプリン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、2−ヒドロキシラウリン酸、3−ヒドロキシラウリン酸、12−ヒドロキシラウリン酸、2−ヒドロキシトリデカン酸、3−ヒドロキシトリデカン酸、13−ヒドロキシトリデカン酸、2−ヒドロキシミリスチン酸、3−ヒドロキシミリスチン酸、14−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシペンタデカン酸、3−ヒドロキシペンタデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸、3−ヒドロキシパルミチン酸、16−ヒドロキシパルミチン酸、2−ヒドロキシマルガリン酸、3−ヒドロキシマルガリン酸、17−ヒドロキシマルガリン酸、2−ヒドロキシステアリン酸、3−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシステアリン酸、5−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシステアリン酸、7−ヒドロキシステアリン酸、8−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、11−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、13−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシステアリン酸、15−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシステアリン酸、17−ヒドロキシステアリン酸、18−ヒドロキシステアリン酸、2−ヒドロキシノナデカン酸、3−ヒドロキシノナデカン酸、19−ヒドロキシノナデカン酸、2−ヒドロキシアラキン酸、3−ヒドロキシアラキン酸、20−ヒドロキシアラキン酸、3−ヒドロキシヘンエイコサン酸(hydroxyheneicosanoic acid)、21−ヒドロキシヘンエイコサン酸、2−ヒドロキシベヘン酸、3−ヒドロキシベヘン酸、3−ヒドロキシトリコサン酸、2−ヒドロキシリグノセリン酸、3−ヒドロキシリグノセリン酸、2−ヒドロキシヘキサコサン酸、2−ヒドロキシトリアコンタン酸、および2−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、ヒドロキシ脂肪酸は、アルキル部分中に分枝アルキル基を有して良い。具体例には、2−メチル−2−ヒドロキシエナント酸、2−メチル−3−ヒドロキシペラルゴン酸、3−メチル−3−ヒドロキシペラルゴン酸、2−メチル−3−ヒドロキシカプリン酸、2−メチル−3−ヒドロキシウンデカン酸、3−メチル−3−ヒドロキシウンデカン酸、2−メチル−2−ヒドロキシラウリン酸、2−メチル−3−ヒドロキシラウリン酸、2−メチル−2−ヒドロキシトリデカン酸、2−メチル−3−ヒドロキシトリデカン酸、3−メチル−3−ヒドロキシトリデカン酸、2−メチル−2−ヒドロキシミリスチン酸、2−メチル−3−ヒドロキシミリスチン酸、2−メチル−2−ヒドロキシペンタデカン酸、2−メチル−3−ヒドロキシペンタデカン酸、3−メチル−3−ヒドロキシペンタデカン酸、2−メチル−2−ヒドロキシパルミチン酸、2−メチル−2−ヒドロキシマルガリン酸、2−メチル−3−ヒドロキシマルガリン酸、3−メチル−3−ヒドロキシマルガリン酸、2−メチル−2−ヒドロキシステアリン酸、2−メチル−2−ヒドロキシノナデカン酸、2−メチル−3−ヒドロキシノナデカン酸、および3−メチル−3−ヒドロキシノナデカン酸が含まれ得る。一般式:
Figure 2018514610
(式中、Rは1〜25個の炭素原子を有するアルキル基を示し;Rは5〜25個の炭素原子を有するアルキル基を示し;RおよびRは同一でも異なっていても良い)の3,3−ジアルキル−3−ヒドロキシプロピオン酸も本明細書中で有用である。化合物の具体例として、以下の表1に示すアルキル基を有する化合物を記載する。
Figure 2018514610
Figure 2018514610
いくつかの実施形態では、ヒドロキシ脂肪酸はまた、不飽和脂肪酸(2−ヒドロキシ−3−ペンテン酸、4−ヒドロキシ−3−ペンテン酸、4−ヒドロキシ−4−ペンテン酸、5−ヒドロキシ−2,4−ペンタジエン酸、4−ヒドロキシ−2−ヘキセン酸、3−ヒドロキシ−4−ヘキセン酸、4−ヒドロキシ−13−テトラデセン酸、16−ヒドロキシ−6−ヘキサデセン酸、16−ヒドロキシ−7−ヘキサデセン酸、9−ヒドロキシ−12−オクタデセン酸、(+)−12−ヒドロキシ−シス−9−オクタデセン酸、(+)−12−ヒドロキシ−トランス−9−オクタデセン酸、4−ヒドロキシヘンエイコセン酸(hydroxyheneicosenoic acid)、2−ヒドロキシ−15−テトラコセン酸、および18−ヒドロキシ−9,11,13−オクタデカトリエン酸の1つまたは1つより多くを含む)であり得る。
2個または2個より多くのヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ脂肪酸の具体例には、2,3−ジヒドロキシカプロン酸、2,3−ジヒドロキシエナント酸、2,3−ジヒドロキシカプリル酸、2,3−ジヒドロキシペラルゴン酸、2,3−ジヒドロキシカプリン酸、2,3−ジヒドロキシウンデカン酸、2,3−ジヒドロキシラウリン酸、2,3−ジヒドロキシミリスチン酸、3,11−ジヒドロキシミリスチン酸、15−ジヒドロキシペンタデカン酸、2,3−ジヒドロキシパルミチン酸、15,16−ジヒドロキシパルミチン酸、2,3−ジヒドロキシステアリン酸、6,7−ジヒドロキシステアリン酸、7,8−ジヒドロキシステアリン酸、8,9−ジヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、10,11−ジ−ヒドロキシステアリン酸、11,12−ジヒドロキシステアリン酸、12,13−ジヒドロキシステアリン酸、11,12−ジヒドロキシアラキン酸;種々のジヒドロキシトリアコンタン酸、2,5,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸、8,9,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸、9,10,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸、11,12,15−トリヒドロキシヘキサデカン酸、種々のテトラヒドロキシヘキサデカン酸、および9,14−ジ−ヒドロキシ−10,12−オクタデカジエン酸が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、ヒドロキシ脂肪酸は、2−ヒドロキシリノレン酸、2−ヒドロキシオレイン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、2−ヒドロキシ−15−テトラコセン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸、10−ヒドロキシ−2−デセン酸、3,10−ジヒドロキシデカン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、w−ヒドロキシオクタデセン酸、15−ヒドロキシリノレアート、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシ−11−エイコセン酸、11−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシ−ヘキサデカン酸、または17−ヒドロキシ−オクタデカン酸であり得る。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ脂肪酸は、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸(リシノール酸)、または12−ヒドロキシステアリン酸であり得る。1つの実施形態では、ヒドロキシ脂肪酸は12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸である。
ジカルボン酸成分
本発明での使用に適切なジカルボン酸は、脂肪族、芳香族、またはその組み合わせであり得る。適切な酸は、2、4、または6〜20、15、8、または6個の炭素原子を含んでよく、いくつかの実施形態では、2〜15、4〜15、4〜8、または6個の炭素原子を含んでよい。いくつかの実施形態では、ジカルボン酸には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸(glutatonic acid)、トラウマチン酸、ムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、またはその組み合わせが含まれる。他の実施形態では、列挙したジカルボン酸の1つまたは1つより多くを、本発明から排除することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のジカルボン酸はまた、上記の酸の1つまたは1つより多くのエステルもしくは無水物またはかかる材料の組み合わせに由来し得る。適切なエステルには、1つの実施形態では、アジピン酸ジメチルまたはアジピン酸ジエチルなどの低級アルキルエステルが含まれる。適切な無水物には、無水コハク酸、アルキルおよび/またはアルケニルコハク酸無水物、無水フタル酸、ならびにテトラヒドロフタル酸無水物が含まれる。いくつかの実施形態では、酸はアジピン酸である。2つまたは2個より多くの酸のブレンドを使用することができる。いくつかの実施形態では、ジカルボン酸には、ダイマー酸、トライマー酸、またはダイマー脂肪酸が含まれる。ダイマー酸およびトライマー酸は、通常は粘土触媒にて、トール油、オレイン酸、キャノーラ油、または綿実油から得た不飽和脂肪酸分子または不飽和脂肪酸エステルの2つまたは2個より多くの分子の反応によって得た生成物に適用する一般用語である。市販のダイマー酸、トライマー酸、およびダイマー脂肪酸の例には、BASFから入手可能なEmpol(登録商標)およびCrodaから入手可能なPripol(商標)が含まれる。
ポリアルキレングリコール成分
本明細書中に記載の掘削流体組成物または仕上げ流体組成物(completion fluid composition)を、ii)ポリアルキレングリコール成分を使用して作製する。
適切なポリアルキレングリコールには、全部で2〜15個の炭素原子を有するジオールまたはポリオール、いくつかの実施形態では、2〜6個の炭素原子を有するアルキレンオキシド、典型的には、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたはその混合物を含むエーテルと反応したアルキルジオールまたはグリコール由来のポリエーテルポリオールが含まれる。例えば、ヒドロキシル官能性ポリエーテルを、最初にプロピレングリコールをプロピレンオキシドと反応させ、その後にエチレンオキシドと反応させることによって生成することができる。エチレンオキシドに由来する第一級ヒドロキシル基は、第二級ヒドロキシル基より反応性が高く、したがって、好ましい。有用な市販のポリアルキレンオキシドには、エチレングリコールと反応したエチレンオキシドを含むポリ(エチレングリコール)、およびプロピレングリコールと反応したプロピレンオキシドを含むポリ(プロピレングリコール)が含まれる。種々のポリアルキレングリコールは、一般に、末端官能基のアッセイによって決定された数平均分子量(Mn)が、少なくとも約150、または約600(約700〜約10,000、約1,450〜約5,000、または約1,450〜約2,500など)または約1,000、または2,000である。
いくつかの実施形態では、ポリアルキレングリコール成分には、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)とポリ(プロピレングリコール)とのコポリマーなど、またはその組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリアルキレングリコール成分には、ポリ(プロピレングリコール)が含まれる。
金属チオホスファート化合物
いくつかの実施形態では、添加剤組成物は、金属チオホスファート化合物をさらに含む。ジアルキルジチオリン酸亜鉛を、その調製で使用されるアルコールの構造に応じて、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛または第二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛と記載することができる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、第二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、第一級および第二級のジアルキルジチオリン酸亜鉛の混合物を含む。いくつかの実施形態では、成分(b)は、第一級および第二級のジアルキルジチオリン酸亜鉛の混合物であり、ここで、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛の第二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛に対する比(重量基準で)が少なくとも1:1、または少なくとも1:1.2、または少なくとも1:1.5もしくは1:2、または1:10である。いくつかの実施形態では、成分(b)は、第一級および第二級のジアルキルジチオリン酸亜鉛の混合物であり、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛が少なくとも50重量パーセントであるか、または第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛が少なくとも60、70、80、もしくは90重量パーセントである。いくつかの実施形態では、成分(b)は第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含まない。
金属ジチオホスファートを含む実施形態では、金属ジチオホスファートは、添加剤組成物中に、ポリマーエステルの金属ジチオホスファートに対する比が約1:1〜約15:1、別の実施形態では約1:1〜10:1、さらなる実施形態では約2:1〜約9:1で存在する。
さらなる添加剤
油系掘削泥水は、一定の慣習的な成分および添加剤をさらに含み得る。
いくつかの実施形態では、揺変性の増粘剤およびゲル化剤、例えば、親有機性粘土を使用することができる。使用される粘土は、実質的な塩基交換能力を有する任意の粘土であり得る。種々のかかる材料が当業者に公知であり、ワイオミング産のベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、イライト、フラー土、バイデライト(beidillite)、サポナイト、バーミキュライト、およびゼオライトなどが含まれる。ワイオミング産の膨潤ベントナイトおよびヘクトライトを通常利用する。油系泥水配合物の親有機性粘土含有量は、油泥の密度に反対して変化する。親有機性粘土含有量は、低密度の約25〜30ポンド/バレル(ppg)から高密度のほぼ0までの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、泥水1バレルあたり約2〜約15ポンドの粘土を使用する。当業者に周知のように、必要とされる懸濁度またはホールクリーニングによって粘土濃度は影響を受ける。
乳化剤(インバートエマルションおよび湿潤剤の両方)には、通常使用される乳化剤(脂肪酸、ロジン酸、トール油酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、合成乳化剤(アルキル芳香族スルホナート、芳香族アルキルスルホナート、長鎖スルファート、酸化トール油(tall oilt)、カルボキシル化2−アルキルイミダゾリン、イミダゾリン塩、アミドアミン、アルコキシフェノール、ポリアルコキシアルコール、アルキルフェノール、および高分子量アルコールなど)が含まれる)が含まれる。
本発明での使用に適切であり得る湿潤剤には、粗トール油、酸化粗トール油、界面活性剤、有機リン酸エステル、修飾イミダゾリンおよびアミドアミン、アルキル芳香族スルファートおよびスルホナートなど、ならびにこれらの組み合わせまたは誘導体が含まれる。Versawet(登録商標)およびVersawet(登録商標)NSは、本発明で使用することが可能なM−I L.L.C.から製造および流通されている市販の湿潤剤の例である。Silwet L−77、L−7001、L7605、およびL−7622は、Union Carbide Chemical Company Inc.から製造および流通されている市販の界面活性剤および湿潤剤の例である。
流体損失調整剤(fluid loss control agent)は、典型的には、坑井を掘削する際に穿孔の壁をコーティングすることによって作用する。本発明での有用性を見出され得る適切な流体損失調整剤には、改変褐炭、アスファルト化合物、ギルソナイト(登録商標)親有機性フマート(フミン酸をアミドまたはポリアルキレンポリアミンと反応させることによって調製)、および他の非毒性流体損失添加剤が含まれる。典型的には、流体損失調整剤を、流体の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満で添加する。
さらなる添加剤には、腐食防止剤(例えば、有機カルボン酸のアンモニウム塩系(この塩はフィルムを形成する傾向がある)または複素環芳香族系(非鉄金属の腐食を保護する場合));抗酸化剤または安定剤(例えば、アミン系)、さらなる従来の乳化剤;静電気防止剤;メタロセン(フェロセンなど);潤滑性向上剤(特定の脂肪酸、アルケニルコハク酸エステル、ビス(ヒドロキシアルキル)脂肪アミン、ヒドロキシアセトアミド、またはヒマシ油など);色素(マーカー)、流体損失添加剤(例えば、ポリマー)、密度を調整するための物質、レオロジー改変剤、および濾過ケークを構築する物質(例えば、ベントナイトまたは粘土)、または石灰が含まれ得る。
本発明は、掘削流体を潤滑する方法を提供する。本方法は、掘削流体に、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を添加する工程を含む。
本発明は、さらに、掘削流体の潤滑性を増加させ、摩擦係数を減少させるための添加剤組成物の調製方法を提供する。本方法は、成分が実質的にまたは完全に溶解するまで成分を混合する工程を含む。組成物成分の添加順序は過度に制限されない。任意選択的な添加剤を、他の成分と同時にまたはその後の時点で混合することができる。1つの実施形態では、添加剤組成物の成分は、ヒドロキシ脂肪酸およびジカルボン酸の等価な酸性基のポリアルキレングリコール中のヒドロキシル(hydryoxyl)基に対する全比率が約0.3〜約2.5、1つの実施形態では約0.4〜約1.5であるように存在する。
いくつかの実施形態では、任意選択的な添加剤には、任意の上記添加剤が含まれる。いくつかの実施形態では、これらの任意選択的な添加剤を、全組成物の約0、0.01、0.1、または0.25重量%の範囲で存在するように添加することができる。
本発明は、さらに、掘削流体に、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を添加する工程を含む、掘削流体の潤滑性を増加させ、摩擦係数を減少させる方法を提供する。本方法では、いくつかの実施形態では、摩擦係数を、少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも20%、または約5%〜約95%、または10%〜約85%、または約25%〜約75%低下させることができる。
産業上の利用可能性
本明細書中に記載の添加剤組成物を、いくつかの実施形態では、掘削流体の潤滑性を増加させ、いくつかの実施形態では、掘削流体の摩擦係数を低下させるために掘削流体中で利用することができる。いくつかの実施形態では、掘削流体は油系掘削流体である。添加剤組成物はまた、生産のために坑井を完成および準備することができるように、坑井の掘削後に地層からデブリおよび残渣を除去することができる。
本明細書中に記載の発明の添加剤組成物は、掘削流体中に、1つの実施形態では、約0.5重量%〜約3重量%、1つの実施形態では約1重量%〜約3重量%、1つの実施形態では少なくとも約1重量%、または少なくとも約2重量%存在し得る。
記載の各化学成分は、別段の指示がない限り、市販の物質中に慣習的に存在し得る任意の溶媒を除外した量で、すなわち、活性化学物質に基づいた量で存在する。しかし、別段の指示がない限り、本明細書中で言及した各化学物質または組成物は、商用グレードの物質であると解釈すべきであり、商用グレードで通常存在すると理解される異性体、副生成物、誘導体、および他の材料を含む可能性がある。
上記の材料のうちのいくらかは最終配合物中で相互作用する可能性があり、その結果、最終配合物の成分が最初に添加した成分と異なる可能性があることが公知である。例えば、金属イオン(例えば、清浄剤の金属イオン)は、他の分子の他の酸性部位または塩基性部位に移動し得る。それによって形成された生成物(本発明の組成物を意図する用途で使用した際に形成された生成物が含まれる)は、容易に説明することは可能ではない。それにもかかわらず、全てのかかる改変物および反応生成物が本発明の範囲内に含まれ;本発明は、上記成分を混合することによって調製された組成物を含む。
本発明は、以下の実施例によってさらに例示され、これらの実施例は特に有利な実施形態を記載している。実施例を、本発明を例示するために提供したが、これらの実施例は本発明を制限することを意図しない。
油系掘削泥水を、表1に記載の配合にしたがって調製した。次いで、潤滑組成物を、以下の表2〜4に記載の配合にしたがって調製した。潤滑流体の潤滑性を、OFI Testing Equipment,Inc.製のEP潤滑性試験機(EP Lubricity Tester)を使用して評価した。この試験機では、流体の流体抵抗を、2つの硬化鋼表面の間に150インチ−重量ポンド(inch-pounds of force)(5,000〜10,000psi−34,500〜69,000kPaに相当)−流体への圧力)を印加し、ブロックおよびリングを60rpmで5分間回転させることによって測定した。表3〜5は、油系泥水および本発明の配合物の21℃における摩擦係数を示す。
Figure 2018514610
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表4および5に例示するように、金属ジアルキルジチオホスファートの添加剤組成物への添加によって相乗効果が得られ、それにより、金属ジアルキルジチオホスファートのみまたは添加剤組成物のみを含む組成物と比較して、摩擦係数が低減し、摩擦係数の低下率%が増加することが認められ得る。溶媒としてPnBエーテルを添加すると潤滑組成物の粘度が低下するが、摩擦係数の低下に悪影響を及ぼさない。
上記で言及された各文書は、本明細書中で参考として援用され、この文書には、上記で具体的に列挙されているかどうかと無関係に、優先権が主張された任意の先行出願が含まれる。いかなる文書の言及も、かかる文書が、任意の法域内において、先行技術と見なされたり、当業者の一般的知識を構成したりすることを容認しない。実施例または他で明確に指定している場合を除き、本説明における材料の量、反応条件、分子量、および炭素原子数などを指定する全ての数量は、用語「約」によって修飾されると理解すべきである。本明細書中に記載の量、範囲、および比の上限および下限は、独立して組み合わせることができると理解すべきである。同様に、本発明の各要素についての範囲および量を、任意の他の要素の範囲または量と共に使用することができる。
本明細書中で使用する場合、移行語「〜を含む(comprising)」は、「〜を含む(including)」、「〜を含む(containing)」、または「〜によって特徴付けられる」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、さらなる引用していない要素または方法の工程を排除しない。しかし、本明細書中の「〜を含む(comprising)」の各引用において、本用語はまた、代替の実施形態として、句「〜から本質的になる」および「〜からなる」を含み、ここで、「〜からなる」は、特定していないいかなる要素や工程も排除し、「〜から本質的になる」は、対象とされる組成物または方法の本質的または基本的であり、且つ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないさらなる引用していない要素または工程の包含を許容することを意図する。

Claims (20)

  1. i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む、掘削流体のための添加剤組成物。
  2. 前記ヒドロキシ脂肪酸が、2−ヒドロキシリノレン酸、2−ヒドロキシオレイン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、2−ヒドロキシ−15−テトラコセン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸、10−ヒドロキシ−2−デカン酸、3,10−ジヒドロキシデカン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、w−ヒドロキシオクタデセン酸、15−ヒドロキシリノレアート、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシ−11−エイコセン酸、11−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシ−ヘキサデカン酸、または17−ヒドロキシ−オクタデカン酸の1つまたは1つより多くを含む、請求項1に記載の添加剤組成物。
  3. 前記少なくとも1つのジカルボン酸が、脂肪族酸、芳香族酸、ダイマー酸、トライマー酸、またはダイマー脂肪酸の1つまたは1つより多くを含む、請求項1または2に記載の添加剤組成物。
  4. 前記ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、トラウマチン酸およびムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、またはジフェン酸を含む、請求項3に記載の添加剤組成物。
  5. 前記ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールの1つまたは1つより多くを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の添加剤組成物。
  6. 前記ポリアルキレングリコールが、Mn200〜10,000のポリプロピレングリコールを含む、請求項5に記載の添加剤組成物。
  7. 前記ポリアルキレングリコールが、Mn2000未満のポリプロピレングリコールを含む、請求項5に記載の添加剤組成物。
  8. 前記潤滑剤組成物が、
    a)i)ヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)アジピン酸;およびc)ポリプロピレングリコールの反応生成物を含む、請求項1に記載の添加剤組成物。
  9. 金属ジチオホスファート化合物をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の添加剤組成物。
  10. 前記金属ジチオホスファート化合物がジアルキルジチオリン酸亜鉛を含む、請求項9に記載の添加剤組成物。
  11. 前記添加剤の前記金属ジチオホスファート化合物に対する比が9:1〜1:9である、請求項10に記載の添加剤組成物。
  12. 請求項1で定義した添加剤組成物および石油系炭化水素流体を含む掘削流体。
  13. 油系掘削流体である、請求項12に記載の掘削流体。
  14. 掘削流体であって、
    a)石油系炭化水素流体、合成炭化水素流体、またはその混合物;および
    b)添加剤組成物であって、
    i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;
    ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;および
    iii)少なくとも1つのポリアルキレングリコール
    の反応生成物を含む添加剤組成物
    を含む、掘削流体。
  15. 前記石油系炭化水素流体または合成炭化水素流体が、ディーゼル油、ケロシン、ジェット燃料、ホワイト油、鉱油、ミネラルシール油、硬化油、およびその組み合わせを含む、請求項14に記載の掘削流体。
  16. 前記添加剤組成物が前記掘削流体中に0.5重量%〜2.0重量%存在する、請求項14または15に記載の掘削流体。
  17. 掘削流体を潤滑する方法であって、
    前記掘削流体に、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を添加する工程を含む、方法。
  18. 炭化水素流体を含む掘削流体の潤滑性を増加させ、摩擦係数を減少させる方法であって、前記炭化水素に、i)少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド;ii)少なくとも1つのジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水物;およびiii)少なくとも1つのポリアルキレングリコールの反応生成物を含む添加剤組成物を添加する工程を含む、方法。
  19. 前記坑井処理流体の摩擦係数が少なくとも5%減少する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記炭化水素が石油系炭化水素流体または合成炭化水素流体を含む、請求項18に記載の方法。
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