JP2018514378A - 塗装装置、コーティング設備及び対象をコーティングする方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、対象（１２）をコーティングするための塗装ユニット（２４）を有する塗装装置に関し、塗装ユニット（２４）が１つ又は複数の回転可能な構成部品を有しており、かつ少なくとも１つの測定装置（４０、４２、５０、５２）が設けられており、測定装置が塗装ユニット（２４）の振動を検出するように形成されている。本発明は、また、対象（１２）をコーティングするための１つ又は複数の塗装装置を有するしかるべきコーティング設備（２）及び塗装ユニット（２４）によって対象（１２）をコーティングする方法に関し、少なくとも１つの測定装置（４０、４２、５０、５２）によって塗装ユニット（２４）の振動が検出される。本発明によれば、塗装ユニット（２４）に存在する不具合、たとえば外れたベル形皿又はタービン故障を、特に確実かつ比較的短い時間内で認識することができる。【選択図】図１

Description

本発明は、対象をコーティングするための塗装ユニットを有する塗装装置に関するものであって、その場合に塗装ユニットは１つ又は複数の回転可能な構成部品を有している。

本発明は、また、１つ又は複数の回転可能な構成部品を有する、少なくとも１つの塗装ユニットを用いて対象をコーティングするための１つ又は複数の塗装装置を有するコーティング設備に関する。

本発明は、さらに、塗装ユニットによって対象をコーティングする方法に関する。

独国特許出願公開第１０２０１２０１４２１２（Ａ１）号明細書は、塗装ユニットを用いて対象をコーティングするための塗装システムを開示しており、その塗装ユニットは高回転噴霧器を有している。

独国特許出願公開第１０２０１００５２６８４（Ｂ４）号明細書からは、塗料によって対象をコーティングするための方法が知られている。その場合に塗料は、回転噴霧器によって噴霧され、その回転噴霧器が噴霧部材を有しており、その噴霧部材は回転軸を中心に回転し、かつ駆動装置と作用結合されている。

国際公開第２０１１／０３５８８７号パンフレットは、しかるべきコーティングエラーを含めて塗装ユニットの回転噴霧器の誤機能を回避することに取り組むものであって、それは、回転噴霧器のベル状ボディの固定が不用意に外れることによってもたらされることがあり得る。ベル状皿の不用意な外れを検出することができるようにするために、国際公開第２０１１／０３５８８７号パンフレットにおいては、定めることができるローカルな空気流を発生させるための、流れアクティブな構造的部材を設け、かつ発生された流れコンポーネントを流れセンサ又は動圧センサによって測定することが、提案される。その場合に特に、比較的高い費用と手間が欠点となる。さらに、この種の構造的措置は、塗装ユニットの流れ状況に、たとえば塗料の塗装にとって重要な流れ状況にも、好ましくない作用を及ぼすことがある。

独国特許出願公開第１０２０１２０１４２１２（Ａ１）号明細書 独国特許出願公開第１０２０１００５２６８４（Ｂ４）号明細書 国際公開第２０１１／０３５８８７号パンフレット

本発明の課題は、従来技術をさらに発展させ、かつ、塗装ユニットの誤機能を向上した信頼性をもって認識することを可能にすることである。

この課題は、冒頭で挙げた種類の塗装装置によって解決され、その場合に少なくとも１つの測定装置が設けられており、その測定装置は塗装ユニットの振動を検出するように形成されている。このようにして不具合は、特にそれが回転可能な構成部品によってもたらされる場合に、特に確実かつ比較的短い時間内に認識することができる。

たとえば、簡単な後付け可能性に関して、測定装置がマイクロフォンとして形成されていると、効果的であり得る。

不具合を認識する場合の信頼性をさらに改良するために、測定装置として指向性マイクロフォンを設けると、効果的であり得る。

信頼性は、指向性マイクロフォンが移動可能に形成されている場合に、さらに向上させることができる。

好ましくは測定装置は、固体音の記録装置、あるいは、好ましくは加速度測定器の形式の振動記録装置として、形成することができる。このようにして、塗装ユニットの様々な不具合を、特に確実に認識することができる。

構造的には、塗装ユニットを支持する操作ユニットが測定装置を搭載していると、効果的であり得る。

その代わりに、あるいはそれに加えて、塗装装置に測定装置を搭載することができる。

好ましくは、測定装置は、塗装装置のハウジングに配置することができる。

好ましい形態において、塗装ユニットのための清掃装置は、測定装置を搭載することができる。

測定装置が清掃装置の清掃チャンバ内に配置されていると、好ましい場合がある。このようにして、たとえば測定への周囲の影響を減少させることができる。

本発明の課題は、冒頭で挙げた種類のコーティング設備によっても解決され、その場合に少なくとも１つの塗装ユニットの振動を検出するために、少なくとも１つの測定装置が設けられている。その場合にコーティング設備の利点は、塗装装置の利点にほぼ相当して得られる。

本発明の課題は、冒頭で挙げた種類の方法によっても解決され、その場合に少なくとも１つの測定装置によって塗装ユニットの振動が検出される。その場合に方法に係る利点は、塗装装置の利点とほぼ同様に得られる。

好ましくは、測定装置によって検出された測定値を用いて、塗装ユニットの固有周波数値を定めることができる。このようにしてたとえば、不具合原因の帰納的推定を許す、共振重畳を確実に認識することができる。それぞれ不具合原因に応じて、この種の帰納的推定は、場合によってはすでに早期に、すなわち本来の不具合場合の発生の前に、可能となり得る。

好ましくは測定装置によって、塗装ユニットの振動は、塗装ユニットの少なくとも１つの作業位置において検出することができる。このようにしてたとえば、駆動の進行中に不具合の確実な認識を行うことができる。

塗装ユニットを定められた測定位置へ移動させ、その場合にこの測定位置において測定装置によって塗装ユニットの振動が検出されると、好ましい場合がある。このようにして、たとえば、不具合を認識するために特に良好に比較可能な測定値を記録することができる。

清掃位置へ移動させることができ、その清掃位置において清掃装置によって清掃することができる、塗装ユニットにおいては、塗装ユニットの振動を清掃位置において検出すると、好ましい場合がある。

本発明の他の好ましい形態が、以下の説明から明らかにされる。その場合に本発明の実施例を、それに限定することなく、図面を用いて詳細に説明する。図は、簡略化された図式的な表示である。

コーティング設備の一部を示す斜視図である。

図１は、コーティング設備２のための例として、塗装設備を示しており、その中で対象１２が塗料の形式のコーティングを設けられる。図示の例において、コーティングすべき対象１２として、車両ボディが示されている。コーティングすべき対象１２は、たとえば車両ボディの一部であっても、あるいは他の工作物であってもよい。

図１は、塗装トンネル４の一部を斜視図で例示している。図示される塗装トンネル４は、２つの平行な側壁６を有し、それらは図面ではもはや示されない領域内で、前側によって閉鎖することができ、その場合にこの前側は既知のように、対象１２のためのゲート又は堰を有することができる。図示の例において、塗装トンネル４の底８は、実質的に格子によって形成され、その格子がスチール構造の上に載置されている。塗装トンネル４の詳しく図示されない天井は、少なくとも部分セクションにおいて、塗装トンネル４の内部空間へ調整された空気を案内することができるように、形成することができる。

コーティングすべき対象１２は、コンベアシステム１０によって移動される。すなわちたとえば、車両ボディ１２は塗装トンネル４の内部空間を通して連続的又は間欠的に移動することができる。

コーティング設備２内で、コーティングすべき対象１２が、１つ又は複数の塗装装置を有する塗装システムを用いてコーティングを設けられる。塗装装置は、たとえば機械、たとえばルーフマシン又はサイドマシンあるいはロボット、たとえば工業ロボット又はジョイントアームロボットとすることができる。塗装装置は、１つ又は複数の塗装ユニット２４を有している。特にロボットの場合には、１つ又は複数の操作ユニット２２を設けることができ、それらが少なくとも１つの塗装ユニットを支持する。

図示の例において、塗装装置として複数の塗装ロボット２０が設けられており、それらがコーティングすべき対象１２に塗料の形式のコーティングを設ける。塗装ロボット２０においては、移動可能な操作ユニット２２としてロボットアームを設けることができ、そのロボットアームが塗装ユニット２４を支持し、かつ、図示の例で示唆するように、関節で動くように形成することができる。

塗装装置から、そして特に付属の塗装ユニット２４から、汚れを除去するために、清掃装置３０を設けることができ、その清掃装置は、たとえば側壁６の近傍に配置することができる。例示される清掃装置３０は、図面では示唆されるだけの清掃チャンバ３２を有しており、その中へ塗装ユニット２４が少なくとも部分的に沈み込むことができる。清掃チャンバ３２内で、沈み込んだ塗装ユニット２４を清掃することができ、その場合に塗装ユニット２４に付着した汚れが除去される。

塗装ユニット２４は、図１に示唆されるように、回転噴霧器２６を有することができ、その回転噴霧器は、たとえばベル形皿２８のような、回転可能な構成部品を有している。回転可能なベル形皿２８は、スプレイビームの雲の形式のコーティング材料を放出する。その場合にスプレイビームの雲は、コーティングすべき対象１２の条件に、かつ／又は得るべきコーティングに、適合させることができる。回転噴霧器２６において使用されるベル形皿２８は、たとえばその幾何学配置及び／又はその寸法特にその直径に関して、区別することができる。ベル形皿２８のための駆動装置として、回転噴霧器２６は、詳しく図示されないタービンを有することができ、そのタービンは、たとえば空気軸承して形成することができる。

塗装ロボット２０として、たとえばリンクアームロボットとして形成されいてる塗装ユニット２４において、好ましくは回転噴霧器２６として高回転噴霧器を設けることができ、それは特に高い回転数を有するタービン出力を特徴としている。

図１は、塗装ユニット２４の振動を測定することができる測定装置４０、４２、５０、５２の複数の例を、図式的かつ簡略化した表示で示している。その場合に塗装ユニット２４に、１つ又は複数の測定装置４０、４２、５０、５２を対応づけることができる。測定装置４０、４２、５０、５２は、たとえばマイクロフォンとして、かつ／又は固体音用の測定装置として、かつ／又は振動記録装置として形成することができ、その振動記録装置は、たとえば加速度測定器の形式で存在することができる。この種の振動記録装置は、加速度計又は地震計の概念でも、知られている。

マイクロフォンとして、たとえば指向性マイクロフォンを使用することができ、それは、場合によっては、たとえば塗装ユニット２４の運動に追従するために、移動可能に形成することができる。複数の指向性マイクロフォンは、たとえば、測定を塗装ユニット２４の少なくとも１つの作業位置において実施しようとする場合に、使用することができる。

塗装ユニット２４の作業位置における測定は、コーティングの間に行うことができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、塗装ユニット２４を測定のために測定位置へ移動させることができる。塗装ユニット２４の測定位置は、たとえば、該当する塗装ユニット２４の作業位置よりも、マイクロフォンとして形成されている測定装置４０、４２のより近傍に位置することができる。

測定は、清掃装置３０内で、あるいは清掃装置に接して行うこともできる。たとえば清掃位置において測定を実施するために、測定装置５２は、たとえば清掃装置３０のハウジングに配置することができる。詳しく図示されない測定装置を、清掃装置３０の清掃チャンバ３２内に設けることもできる。

測定装置４０、５０は、たとえば塗装装置と結合して配置することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、測定装置４２はコーティング設備２内に他のように配置することができ、たとえば塗装トンネル４の側壁６に配置し、もしくは側壁６と結合することができる。

塗装装置の塗装ユニット２４及び／又は操作ユニット２２も、１つ又は複数の測定装置５０を搭載することができる。測定装置５０は、構造的に効果的にロボットアーム内に、あるいはロボットアームに配置することができる。

測定装置５０は、たとえば塗装装置のハウジング部分に配置することができ、たとえばロボットアームの金属ハウジングの適切な箇所に配置することができる。測定装置を操作ユニット２２内に、あるいは操作ユニットに、もしくは操作ユニット２２のハウジングと結合して設けることは、固体音を測定するために、特に効果的であり得る。

測定装置４０、４２、５０、５２を用いて、塗装ユニット２４の回転可能な部分の共振周波数を求めることができる。測定装置４０、４２、５０、５２によって、塗装ユニット２４の回転可能な部分の共振が検出される。この種の回転可能な部分は、たとえば塗装ユニット２４のタービンもしくはその軸及びベル形皿２８である。所定のベル形皿２８を有する、もしくは持たない塗装ユニット２４の駆動について典型的な共振は、区別することができる。それに応じた共振周波数は、移動される異なる質量に基づいて区別される。すなわちベル形皿２８を有するタービンとそれを持たないタービンの固有周波数は、クリティカルな回転数の通過後に、したがって遅くとも塗装終了後に、区別される。外れたベル形皿又は外れつつあるそれのような不具合又はタービン故障を迅速に検出することによって、構成部品のコーティングエラーが少なくなり、かつコーティング手段、たとえば塗料を節約することができる。

本発明の基礎となる考えは、以下のように要約される：本発明は、対象１２をコーティングするための塗装ユニット２４を有する塗装装置に関するものであって、その場合に塗装ユニット２４が１つ又は複数の回転可能な構成部品を有しており、かつその場合に少なくとも１つの測定装置４０、４２、５０、５２が設けられており、その測定装置は塗装ユニット２４の振動を検出するように形成されている。本発明は、また、対象１２をコーティングするための１つ又は複数の塗装装置を有する、しかるべきコーティング設備２と塗装ユニット２４によって対象１２をコーティングする方法に関するものであって、その場合に少なくとも１つの測定装置４０、４２、５０、５２によって塗装ユニット２４の振動が検出される。振動測定によって塗装ユニット２４の固有周波数値を定めることができ、その固有周波数値は塗装ユニット２４の回転可能な構成部品の状態を確実に帰納的に推定することを可能にする。本発明によれば、塗装ユニット２４に存在する不具合、たとえば外れたベル形皿又はタービン故障を、特に確実かつ比較的短い時間内に認識することができる。

同様に、設けられている塗装ユニット２４のための様々なプロセスパラメータにおいて、塗装駆動のための固有振動プロフィールを形成することができる。塗装ユニット２４の周波数挙動は、特に圧力と温度及び／又は塗装すべきコーティング材料の種類のような、プロセスパラメータに依存している。コーティング設備の駆動開始時に、リアル条件のもとで校正シーケンスを実施することができ、それにおいて塗装装置２４の振動挙動もしくは振動値が監視され、かつ振動プロフィールとして記録される。場合によってはこの種の振動プロフィールは、シミュレーションによって形成することもできる。

記憶されている振動プロフィールからの小さい偏差がすでに、より著しい不具合が生じつつあることを示唆することができ、それについて塗装ユニット２４を検査して、場合によっては整備することができる。また、駆動の間に検出された振動値を静的な評価の枠内で、記憶されている振動プロフィールと関連させて、結果において得られるコーティングの品質を帰納的に推定することができる。たとえば塗装ユニット２４の摩耗が、塗装された色に従って定められる。

Claims (16)

1. 対象（１２）をコーティングするための塗装ユニット（２４）を有する塗装装置であって、塗装ユニット（２４）が１つ又は複数の回転可能な構成部品を有する、塗装装置において、
   少なくとも１つの測定装置（４０、４２、５０、５２）が設けられており、前記測定装置が前記塗装ユニット（２４）の振動を検出するように形成されている、ことを特徴とする塗装装置。
2. 前記測定装置（４０、４２）が、マイクロフォンとして形成されている、ことを特徴とする請求項１に記載の塗装装置。
3. 前記マイクロフォンが指向性マイクロフォンとして形成されている、ことを特徴とする請求項２に記載の塗装装置。
4. 前記指向性マイクロフォンが移動可能に形成されている、ことを特徴とする請求項３に記載の塗装装置。
5. 前記測定装置（５０、５２）が、固体音を記録するため、又は振動記録器として、好ましくは加速度測定器の形式で、形成されている、ことを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の塗装装置。
6. 前記塗装装置が、前記塗装ユニット（２４）を支持する操作ユニット（２２）を有し、かつ
   操作ユニット（２２）が測定装置（５０）を搭載している、
   ことを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の塗装装置。
7. 前記塗装ユニット（２４）が測定装置（５０）を搭載している、ことを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の塗装装置。
8. 前記測定装置（４０、５０）が、前記塗装装置のハウジング部分に配置されている、ことを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の塗装装置。
9. 前記塗装ユニット（２４）のための清掃装置（３０）が設けられており、かつ
   前記清掃装置（３０）が測定装置（５２）を搭載している、
   ことを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の塗装装置。
10. 前記測定装置が、前記清掃装置（３０）の清掃チャンバ（３２）内に配置されている、ことを特徴とする請求項９に記載の塗装装置。
11. 少なくとも１つの塗装ユニット（２４）によって対象（１２）をコーティングするための１つ又は複数の塗装装置を有し、前記塗装ユニットが１つ又は複数の回転可能な構成部品を有する、コーティング設備（２）において、
    前記少なくとも１つの塗装ユニット（２４）の振動を検出するために、少なくとも１つの測定装置（４０、４２、５０、５２）が設けられている、ことを特徴とするコーティング設備。
12. 塗装ユニット（２４）によって対象（１２）をコーティングする方法において、
    少なくとも１つの測定装置（４０、４２、５０、５２）によって塗装ユニット（２４）の振動が検出される、ことを特徴とするコーティングする方法。
13. 前記測定装置（４０、４２、５０、５２）によって検出される測定値を用いて、前記塗装ユニット（２４）の固有周波数値が定められる、ことを特徴とする請求項１２に記載の方法。
14. 前記塗装ユニット（２４）の振動が、前記塗装ユニット（２４）の少なくとも１つの作業位置において検出される、ことを特徴とする請求項１２又は１３に記載の方法。
15. 前記塗装ユニット（２４）が定められた測定位置へ移動され、かつ
    前記測定位置において前記塗装ユニット（２４）の振動が検出される、
    ことを特徴とする請求項１２から１４のいずれか１項に記載の方法。
16. 塗装ユニット（２４）が清掃位置へ移動され、前記清掃位置内で塗装ユニット（２４）が清掃装置（３０）によって清掃可能であり、かつ
    塗装ユニット（２４）の振動が、清掃位置において検出される、
    ことを特徴とする請求項１２から１５のいずれか１項に記載の方法。

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