JP2018513263A - オスマンサス匂い物質 - Google Patents

オスマンサス匂い物質 Download PDF

Info

Publication number
JP2018513263A
JP2018513263A JP2017555463A JP2017555463A JP2018513263A JP 2018513263 A JP2018513263 A JP 2018513263A JP 2017555463 A JP2017555463 A JP 2017555463A JP 2017555463 A JP2017555463 A JP 2017555463A JP 2018513263 A JP2018513263 A JP 2018513263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
scented
perfume
ionone
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017555463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6713484B2 (ja
Inventor
ヴィアル クリスティアン
ヴィアル クリスティアン
ソーダン リオネル
ソーダン リオネル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Firmenich SA
Original Assignee
Firmenich SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Firmenich SA filed Critical Firmenich SA
Publication of JP2018513263A publication Critical patent/JP2018513263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6713484B2 publication Critical patent/JP6713484B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0007Aliphatic compounds
    • C11B9/0015Aliphatic compounds containing oxygen as the only heteroatom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0026Essential oils; Perfumes compounds containing an alicyclic ring not condensed with another ring
    • C11B9/0034Essential oils; Perfumes compounds containing an alicyclic ring not condensed with another ring the ring containing six carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0069Heterocyclic compounds
    • C11B9/0073Heterocyclic compounds containing only O or S as heteroatoms

Abstract

本発明は、少なくとも94%w/wの4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールおよび多くとも1%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む組成物の、付香成分としての使用に関する。

Description

発明の属する技術分野
本発明は香料の分野に関する。より詳細には、本発明は、少なくとも94%w/wの4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール、および多くとも1%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む組成物の付香成分としての使用に関する。
したがって、本明細書に記載されるものに続いて、本発明は、本発明の化合物を付香組成物または付香消費者製品の一部として含む。
先行技術
本発明者らが知る限り、4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールは1つの文献にしか記載されていない。前記文献、米国特許第4,585,662号明細書(US 4,585,662)では、4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールは、グリーンハーバルの匂い、すなわち、本発明の組成物のものとは全く異なる匂いを有するものとして記載されている。しかしながら、この文献は、純粋な化合物を報告しているが、実際に得られる生成物は、少なくとも3つの異なる化学成分を含む組成物である。
この先行技術文献は、本発明の組成物の官能特性および関連する使用を報告または示唆していない。
発明の詳細な説明
本発明者らはここで、驚くべきことに、
− 少なくとも94%w/wの式
Figure 2018513263
の、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形のもの;ならびに
− 多くとも1%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オン、ここでパーセンテージは、前記組成物の全質量に対して質量対質量基準で表される;
を含む組成物を、例えば、オスマンサス調の香調を付与するための付香成分として使用できることを発見した。
明確にするために、「その立体異性体のいずれか1つ」という表現または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味を意味する、すなわち、本発明の化合物は純粋なエナンチオマー(キラルの場合)またはジアステレオマーであり得る(例えば、二重結合はE配置またはZ配置にあるか、または主鎖の置換基はシン配座またはアンチ配座にあり得る)ことを意味する。
明確にするために、「組成物」という表現または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味を意味する、すなわち、少なくとも2つの異なる化合物(立体異性体ではない)が存在することを意味する。本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、非限定的な例として、かかる化合物(I)は、組成物の99.0%w/wまで、またはさらに99.5%w/wまで、または99.9%w/wまで、またはさらに99.95%w/wまで存在し得る。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記化合物(I)は、そのE異性体もしくはZ異性体の形でまたはそれらの混合物の形であってよく、例えば、本発明は、同じ化学構造であるが、二重結合の立体配置によって異なる1つ以上の式(I)の化合物を含むか、またはさらにそれからなる組成物を含む。特に、化合物(I)は、異性体EおよびZを含むか、またはそれらからなる混合物の形であってよく、ここで、前記異性体Eは全混合物の少なくとも90%、またはさらに少なくとも95%を表す(すなわち、混合物E/Zは95/5〜100/0の間で含まれる)。
本発明の実施形態によれば、前記組成物は、
− 少なくとも95%w/wの式(I);および
− 多くとも0.8%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オン
を含む。
本発明の実施形態によれば、前記組成物は、多くとも0.6%w/w、またはさらに0.3%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む。
特に、96%w/w〜99%w/wの間のE−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールおよび0.5%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む組成物が挙げられ得る。
本発明の組成物の具体例として、非限定的な例として、約96%w/wの4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール(例えば、実質的に純粋なE異性体およびジアステレオ異性体のシン/アンチ48:52混合物として)ならびに0.5%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む組成物が挙げられ得る。前記組成物は、オスマンサスの花、すなわちフローラルグリーン、フルーツ(アプリコット)ノートを強く想起させる匂いを特徴とする。本発明者らの知る限り、複雑な配合を繰り返すことなく、オスマンサス(非常に高く評価されたアジアの花)を強く彷彿とさせる匂いを有することは極めてまれである。
非限定的な例として、約98%の純粋なシン−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール(例えば、本質的に純粋なE異性体として)ならびに0.5%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む組成物が挙げられ得る。前記組成物は、上記の組成物と比較してリナロールノートも有することを特徴とする。
非限定的な例として、約99.5%の純粋なアンチ−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール(例えば本質的に純粋なE異性体として)ならびに約0.3%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含む組成物が挙げられ得る。上記の本願明細書に記載された第1の例と比較して、前記組成物は、強いフルーツの、アプリコットの特性を特徴とする。本発明の実施形態によれば、化合物(I)を主にアンチ立体異性体の混合物(すなわち、1を上回るアンチ/シン比を有する)として含む組成物が特に評価される。
本発明の組成物は、非常に限定された量の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンのみを有することを特徴とする。実際に、本発明者らは驚くべきことに、これらの2つの化合物が、微量よりも多く存在する場合、組成物の嗅覚特性を変えるかまたは消すことができることを見出した。特に、2−メチルペンタ−2−エン−1−オールは非常に強力なアミル、グリーンノートを特徴とするが、3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンは非常に強力なピラジン、アースノートを特徴とする。本発明者らは、化合物(I)の先行技術の開示では、これらの2つの化合物を2%よりも多く含有する組成物を提供し得る合成方法が使用されることに気付いた。
最終的な結果は、先行技術により大変異なる匂い特性を有する様々な組成物が開示されることである。実際に、本発明の組成物の匂いが化合物(I)について先行技術に記載された匂いと比較される場合、本発明の組成物は、C10化合物に関する先行技術の説明には全く見られないクリアなオスマンサスの、フルーティーな特性を有することによって区別される。本発明の化合物の匂いはまた、先行技術の説明の特徴である顕著なグリーンハーバルノートを欠いているか、または有していない。上記の違いは、本発明の化合物および先行技術の化合物を、それぞれ様々な使用に適するようにさせる、すなわち様々な感覚刺激の印象を与えるようにさせる。
上記のように、本発明は、本発明の組成物の付香成分としての使用に関する。換言すれば、本発明は、前記組成物または物品に有効量の本発明の組成物を添加することを含む、付香された組成物または付香された物品の匂い特性を付与、強化、改善または変更する方法に関する。「本発明の組成物の使用」とは、また、本明細書では、香料産業において有利に使用され得る本発明の組成物を含有する組成物の使用のことであると理解されなければならない。
本発明の実施形態によれば、前記方法は、オスマンサス調の香調を与える、付与する、強化する、改善するまたは変更する。
実際に上記の組成物を含む新規な本発明の組成物は、有利には付香成分として利用することができ、また、本発明の対象でもある。
したがって、本発明の別の対象は、付香組成物であって、
i)付香成分として、上記で定義した本発明の組成物;
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分;および
iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む前記付香組成物である。
本発明の実施形態によれば、前記付香組成物は、少なくとも香料ベースを含む。
「香料担体」とは、本明細書では、香料の観点から実質的に中性である、すなわち、付香成分の感覚刺激特性を大きく変化させない材料を意味する。前記担体は液体または固体であり得る。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶媒および界面活性剤系、または香料に通常使用される溶媒が挙げられ得る。香料によく使用される溶媒の性質と種類の詳細な説明は網羅することができない。しかしながら、非限定的な例としては、最も一般的に使用されている溶媒、例えば、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノ、クエン酸トリ−エチルまたはそれらの混合物が挙げられ得る。香料担体および香料ベースの両方を含む組成物の場合、予め明記されたもの以外の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えばIsopar(登録商標)(製造元:エキソン・ケミカル(Exxon Chemical))の商標で知られているものまたはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば、Dowanol(登録商標)(製造元:ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company))の商標で知られているもの、または硬化ヒマシ油、例えばCremophor(登録商標)RH40(製造元:BASF)の商標で知られているものであってもよい。
固体担体とは、付香組成物または付香組成物のいくつかの要素が化学的にまたは物理的に結合され得る材料を意味する。一般に、このような固体担体は、組成物を安定化するために、または組成物もしくはいくつかの成分の蒸発速度を制御するために使用される。固体担体の使用は、当該技術分野において現在有用であり、当業者は所望の効果を達成する方法を知っている。しかしながら、非限定的な例として、固体担体としては、吸収性ガムもしくはポリマーまたは無機材料、例えば多孔性ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルクまたはゼオライトが挙げられ得る。
固体担体の他の非限定的な例としては、封入材料が挙げられ得る。このような材料の例は、壁形成および可塑化材料、例えばモノ、ジまたはトリサッカリド、天然または加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またはさらに参考文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996に引用されている材料を含み得る。カプセル化は当業者に周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集またはさらに押出しなどの技術を用いて実施され得るか;またはコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。非限定的な例として、特に、任意にポリマー安定剤またはカチオンコポリマーの存在下で、重合、界面重合、コアセルベーションまたは全部によって誘発される相分離プロセスなどの技術(前記技術の全てが先行技術に記載されている)を使用する、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアまたはポリウレタンタイプの樹脂またはそれらの混合物(前記樹脂の全ては当業者によく知られている)によるコア−シェルカプセル化が挙げられ得る。
特に、樹脂としては、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびこれらの混合物)とアミン、すなわち尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、ならびにそれらの混合物との重縮合によって生成したものが挙げられ得る。あるいは、予め形成された樹脂のアルキロール化ポリアミン、例えば、Urac(登録商標)(製造元:サイテック・テクノロジー・コーポレーション(Cytec Technology Corp.))、Cymel(登録商標)(製造元:サイテック・テクノロジー・コーポレーション)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(製造元:BASF)の商標で市販されているものが使用され得る。
特に、樹脂としては、ポリオール、例えば、グリセロールと、ポリイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネートの二量体またはキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体(Takenate(登録商標)の商標で知られている、製造元:三井化学株式会社)、中でもキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体およびヘキサメチレンジイソシアネートの二量体との重縮合によって生成されたものが挙げられ得る。
アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル封入に関連するいくつかの精緻な文献は、K. Dietrichらによって刊行された論文、Acta Polymerica、1989年、第40巻、第243頁、第325頁および第683頁ならびに1990年、第41巻、第91頁に示される。このような論文は、特許文献にさらに詳細に例示されている先行技術の方法に従ったコア−シェルマイクロカプセルの調製に影響を及ぼす様々なパラメーターを既に記載している。Wiggins Teape Group Limitedによる米国特許第4’396’670号明細書(US 4’396’670)は後者の適切な初期の例である。それ以来、多くの他の著者やクリエイターは、この分野の文献を豊かにしており、ここで公開されたすべての開発をカバーすることは不可能であろうが、この種のカプセル化の一般的な知識は非常に重要である。このようなマイクロカプセルの適切な使用にも対処する適切な最近の出版物は、例えば、H.Y.Leeらによる論文、Journal of Microencapsulation, 2002年, 第19巻, 第559頁〜569頁、国際公開出願、国際公開第01/41915号(WO 01/41915)、またはさらにS. Boneらによる論文、Chimia, 2011年, 第65巻, 第177頁〜181頁によって表される。
「香料ベース」とは、本明細書では少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物を意味する。
前記付香補助成分は本発明の組成物ではない。また、「付香補助成分」とは、本明細書では、快楽効果を付与するために付香調製物または組成物に使用される化合物を意味する。換言すれば、付香成分であるとみなされるべきこのような補助成分は、単に匂いを有するものではなく、組成物の匂いを積極的なまたは心地良い方法で付与または変更することができるものとして当業者によって認められなければならない。
本発明の実施形態によれば、前記付香組成物は、例えば本明細書で以下に挙げられるものの組み合わせとして、少なくとも2つ、3つ、4つの付香補助成分を含む少なくとも1つの香料ベースを含む。特に、前記付香組成物は、フローラルおよび/またはフルーティー調のものであり得る。
ベース中に存在する付香補助成分の性質と種類は本明細書ではより詳細な説明は行わず、いずれの場合も網羅されないであろうが、当業者は自身の一般的な知識に基づいて、そして意図する使用または用途および所望の感覚刺激効果にしたがってそれらを選択することができる。一般的な用語では、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素または硫黄複素環式化合物および精油などの化学種に属し、かつ前記付香補助成分は、天然または合成由来であるか、またはさらにプロ香料(すなわち、分解時に付香成分を遊離する化合物)であってもよい。プロ香料の例は、A. Herrmannにより出版された論文、Angewandte Chemie International Edition, 2007, 第46巻, 第5836〜5863頁または類似の種類の最新の論文、ならびに当該分野の豊富な特許文献などの文献に記載されている。
本発明の実施形態によれば、付香補助成分としては、特に付香ラクトン、例えばC5〜12単環式ラクトン、特にガンマラクトン類が挙げられ得る。付香ラクトンの非限定な例としては、ガンマノナラクトン、ガンマデカラクトン、ガンマウンデカラクトン、およびガンマドデカラクトンが挙げられ得る。特に、前記ラクトンは、2/1〜1/20、またはさらに1/1〜1/10の間のw/w比(本発明の組成物/ラクトン)で有利に混合され得る。実際に、本発明の組成物は、付香ラクトンとの興味深い相乗効果を示し、前記ラクトンの脂っぽい様相(aspect)を隠した。
本発明の実施形態によれば、付香補助成分として、特にイオノンも挙げられ得る。イオノンとは、本明細書では、当該技術分野における通常の意味を意味し、この用語はアルファまたはベータイオノン、メチルイオノン、およびアルファまたはベータジヒドロイオノンを含む。本発明の実施形態によれば、前記イオノンは、アルファまたはベータイオノンおよびアルファまたはベータジヒドロイオノンの中から選択される。
特に、前記イオノンは、2/1〜1/10の間、またはさらには1/1〜1/4の間に含まれるw/w比(本発明の組成物/イオノン)で有利に混合され得る。実際に、本発明の組成物は、イオノンとの興味深い相乗効果を示し、前記付香補助成分のドライな様相を隠した。
したがって、本発明の実施形態によれば、組成物(I)ならびに上記ラクトンおよび/またはイオノンのうち少なくとも1つを含む付香組成物も本発明の対象である。
さらに、上記のものに加えて、例えば、次のような付香配合物において通常使用される付香補助成分も挙げられ得る:
− アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、10−ウンデセナール、オクタナールおよび/またはノネナール;
− 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、カンフル、ユーカリプトール、メントールおよび/またはアルファ−ピネン;
− バルサム成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
− シトラス成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1−P−メンテン−8−イルアセテートおよび/または1,4(8)−P−メンタジエン;
− フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、ベータイオノン、メチル2−(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、ヘキシルサリチレート、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、酢酸ベルジル、ゲラニオール、P−メンタ−1−エン−8−オール、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、1,1−ジメチル−2−フェニルエチルアセテート、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、サリチル酸アミル、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、プロピオン酸ベルジル、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、シス−7−P−メンタノール、プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2−メトキシナフタレン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエチルアセテート、4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、4−フェニル−2−ブタノン、酢酸イソノニル、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、ベルジルイソブチレートおよび/またはメチルイオノン異性体の混合物;
− フルーツ成分:ガンマウンデカラクトン、4−デカノライド、エチル2−メチル−ペンタノエート、酢酸ヘキシル、2−メチルブタン酸エチル、ガンマノナラクトン、ヘプタン酸アリル、2−フェノキシエチルイソブチレート、エチル2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテートおよび/またはジエチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート;
− グリーン成分:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2−メチルブトキシ)アセテート、4−メチル−3−デセン−5−オール、ジフェニルエーテル、(Z)−3−ヘキセン−1−オールおよび/または1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;
− ムスク成分:1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−[G]イソクロメン、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート、および/または(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
− ウッディ成分:1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン画分、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、メチルセドリルケトン、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/またはイソボルニルアセテート;
− 他の成分(例えば、琥珀色、粉末状のスパイシーまたは水っぽい):ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、桂皮アルデヒド、クローブ油、3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールおよび/または3−(3−イソプロピル−1−フェニル)ブタナール。
本発明による香料ベースは、上記付香補助成分に限定されず、これらの補助成分の他の多くは、いずれの場合も、S. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals、1969年、Montclair、New Jersey、USA、またはその最新版、または同様の性質の他の論文、ならびに香料分野の豊富な特許文献などの参考文献に列記されている。前記補助成分は、制御された方法で様々な種類の付香化合物を放出することが知られている化合物であってもよいことも理解されている。
「香料補助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性等の付加的に追加される利益を付与できる成分を意味する。付香ベースにおいて一般的に使用されている補助剤の性質と種類の詳細な説明は網羅できないが、前記成分が当業者によく知られていることは記載されるべきである。しかしながら、特定の非限定的な例として以下のものが挙げられ得る:粘度剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー改質剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光およびまたは緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、防腐剤(例えば、抗細菌または抗微生物または抗真菌または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミンおよびそれらの混合物。
当業者は、付香組成物の上記成分を混合することによって、単に当業界の標準的な知識を適用することによって、ならびに試行錯誤によって、所望の効果に最適な配合物を完全に設計可能であることが理解されるべきである。
少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つの香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態ならびに少なくとも1つの式(I)の化合物、少なくとも1つの香料担体、少なくとも1つの香料ベース、および任意に少なくとも1つの香料補助剤を含む付香組成物を表す。
明確にするために、化学合成から直接得られる混合物、例えば、本発明の組成物が出発物質、中間生成物または最終生成物として含まれるであろう、適切な精製をしていない反応媒体は、前記混合物が香料のために適切な形で本発明の組成物を構成しない限り、本発明による付香組成物として考えることができないことも理解されるべきである。
さらに、本発明の組成物は、前記組成物が添加される消費者製品の匂いを積極的に付与または変更するために、現代香料のすべての分野、すなわち香水または機能性香料においても有利に利用され得る。結果的に、本発明の別の対象は、付香成分として、上記で定義された本発明の組成物を含む付香消費者製品によって表される。
本発明の組成物は、それ自体または本発明の付香組成物の一部として添加され得る。
明確にするために、「付香消費者製品」とは、それが適用された表面(例えば、皮膚、毛髪、テキスタイル、または家庭内表面)に少なくとも心地良い付香効果をもたらすことが期待される消費者製品を意味することが記載されるべきである。換言すれば、本発明による付香消費者製品は、機能性配合物、ならびに所望の消費者製品に対応する任意に追加される有益剤、例えば、洗剤またはエアフレッシュナー、および嗅覚的有効量の本発明の組成物を含む付香された消費者製品である。明確にするために、前記付香消費者製品は非食用製品である。
香料消費者製品の構成成分の性質と種類は、本明細書ではより詳細な説明を行わず、いずれの場合も網羅されないであろうが、当業者は自身の一般的な知識に基づいて、そして前記製品の性質および所望の効果に応じてそれらを選択することができる。
適切な付香消費者製品の非限定的な例は、香料、例えば、香水、スプラッシュまたはオーデパルファン、コロンまたはシェーブもしくはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば液体または固体洗剤、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン掛け水、紙、または漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えば、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、着色調合物またはヘアスプレー、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品)、殺菌剤、インティメイトケア製品;化粧品(例えば、スキンクリームまたはローション、バニシングクリームまたはデオドラントまたは制汗剤(例えば、スプレーまたはロールオン)、脱毛剤、日焼け剤または日焼け止め剤または日焼け後製品、爪製品、皮膚洗浄、メイクアップ);またはスキンケア製品(例えば、付香された石鹸、シャワーまたはバスムース、オイルまたはジェル、または衛生用品またはフット/ハンドケア製品);エアケア製品、例えば、家庭内空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴または車)および/または公共空間(ホール、ホテル、モール等)に使用することができるエアフレッシュナーまたは「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;またはホームケア製品、例えば、カビ除去剤、家具ケア、ワイプ、食器用洗剤または硬質表面(例えば、床、浴、衛生表面または窓)洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば、磨き剤、ワックスまたはプラスチッククリーナーであり得る。
上記消費者製品の一部は、本発明の組成物に対して攻撃的な媒体になり得るので、これを早期の分解から保護する必要があり、例えば、カプセル化によって、またはこれを別の化学物質に化学的に結合させることによって保護し、この別の化学物質は、酵素、光、熱またはpHの変化などの適切な外部刺激時に純粋な化合物(I)を放出させるのに適している。
本発明による組成物が種々の前記物品または組成物に配合され得る割合は、広い範囲の値で変化する。これらの値は、本発明による組成物が、当該技術分野で一般的に使用されている付香補助成分、溶媒または添加剤と混合される際に、付香されるべき物品の性質および所望の感覚刺激効果ならびに所与のベース中の補助成分の性質に依存する。
例えば、付香組成物の場合、典型的な濃度は、それらが組み込まれる組成物の質量を基準として、0.01質量%〜10質量%、またはそれ以上の本発明の組成物のオーダーである。これらの組成物が付香された物品中に組み込まれる際に、これらよりも低い濃度、例えば、0.001質量%〜4質量%のオーダーを使用することができ、パーセンテージは物品の質量に対するものである。
本発明の組成物は、本明細書に以下に記載されるような方法、例えば、sec−ブチル−マグネシウムブロマイドを2−メチル−2−ペンテナールに添加し、次いで粗生成物を適切な方法(例えば、クロマトグラフィーまたは効率的な分留)で精製して、副生物として形成される望ましくない化合物(すなわち、2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルへキサン−2−オン)を可能な限り除去する方法に従って得られる。
実施例
本発明は、ここで以下の実施例によってさらに詳細に説明されるが、省略形は当該技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏(℃)で示され;NMRスペクトルデータは、Hおよび13Cの場合、400MHzまたは500MHzの装置を用いてCDCl(別段の記載がない場合)で記録され、化学シフトσは基準としてのTMSに対してppmで示され、結合定数JはHzで表される。
実施例1
式(I)の化合物の合成
組成物1:
ジエチルエーテル(270ml)中の新たに蒸留した2−メチル−2−ペンテナール17.5g(178ミリモル)の氷冷溶液に、THF中の1Mのsec−ブチル−マグネシウムブロミド180ml(180ミリモル)を滴下した。0℃で30分および室温で1時間後、反応混合物を氷冷した飽和NHCl200ml中に注ぎ、濃HClでpHを1に調整した。溶媒に通常の処理を行って蒸発させた後(Rotavapor)、粗アルコール(33.2g)を、フィッシャーカラム(Eb(10ミリバール)=82〜84°)を用いて蒸留すると、48:52の立体異性体の混合物(シン立体異性体およびアンチ立体異性体であり、その分離は極性GCカラムでのみ見られる)として約96%w/wの純粋なE−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールと0.5%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンとを含む組成物19.6g(収率=70.3%)が得られた。
Figure 2018513263
組成物2:
− 工程a)主にアンチ−(E)−3,5−ジメチルオクタ−1,5−ジエン−4−オール:
CHCl(2ml)中の2−メチルペンテナール(1.0324g、10.5ミリモル)の溶液を、CHCl(5ml)中のトランス−クロチルピナコールボロン酸エステル(1.919g、10.5ミリモル)の冷溶液(−78℃)に滴下した。さらにCHCl(3×1ml)を加えて濯いだ。2時間45分後、冷却浴を外し、溶液を室温で36時間撹拌した。次に、CHCl(4ml)中のトリエタノールアミン(1.582g、10.6ミリモル)の溶液を加え、この溶液を24時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、白色懸濁液をCHClで溶出するシリカゲルのプラグで濾過すると、所望の生成物が無色の液体(1.539g、9.98ミリモル)として得られた。
Figure 2018513263
− 工程b)主にアンチ−(E)−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール:
シクロヘキサン(10ml)中の上記で得られたアンチ−(E)−3,5−ジメチルオクタ−1,5−ジエン−4−オール(1.617g、10.5ミリモル)およびリンドラー触媒(163.3mg)の懸濁液を、水素下(5バール)で2時間撹拌した。次に、懸濁液をシリカゲルで直接ろ過し、ペンタン/EtO(500/1〜1/1)で溶出させた。溶媒を蒸発させた後、所望の生成物を黄色液体(1.607g)として得た。クーゲルロール蒸留に続いてシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt(5%)/THF(1%)を行い、続いて第2のクーゲルロール蒸留を行って精製すると、純粋な生成物が無色油状物(0.934g、6ミリモル、収率=57%)として得られた。
このようにして得られた組成物は、99.5%w/wのアンチ−(E)−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールおよび0.3%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含有していた。
Figure 2018513263
組成物3:
− 工程a)主にシン−(E)−3,5−ジメチルオクタ−1,5−ジエン−4−オール:
CHCl(2ml)中の2−メチルペンテナール(1.0439g、10.6ミリモル)の溶液を、CHCl(5ml)中のシス−クロチルピナコールボロン酸エステル(1.943g、10.7ミリモル)の冷溶液(−78℃)に滴下した。さらにCHCl(3×1ml)を加えて濯いだ。冷却浴を室温まで一晩(15時間)温め、この溶液を室温でさらに9時間撹拌した。次に、CHCl(5ml)中のトリエタノールアミン(1.596g、10.7ミリモル)の溶液を加え、この溶液を15時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、白色懸濁液をCHClで溶出するシリカゲルのプラグでろ過すると、所望の生成物が無色の液体として得られた(1.549g、9.82ミリモル)。
Figure 2018513263
− 工程b)主にシン−(E)−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール:
シクロヘキサン(8.5ml)中の上記で得られたシン−(E)−3,5−ジメチルオクタ−1,5−ジエン−4−オール(1.323g、8.6ミリモル)およびリンドラー触媒(133.8mg)の懸濁液を水素下(5バール)で2時間撹拌した。次に、懸濁液をシリカゲルで直接ろ過し、EtOで溶出した。溶媒を蒸発させた後、所望の生成物を黄色の液体(1.362g)として得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt(5%)/THF(1%))に続いてクーゲルロール蒸留を行って精製すると、純粋な生成物が無色油状物(0.541g、3.5ミリモル、収率=40%)として得られた。
このようにして得られた組成物は、98%w/wのシン−(E)−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールと0.5%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含有していた。
Figure 2018513263
比較組成物:
米国特許第4585662号明細書(US 4585662)の実施例8を、先行技術に記載されているように再現し、精製した。このようにして得られた生成物の嗅覚分析は先行技術の嗅覚的な説明を裏付けた。
このようにして得られた生成物のGC分析は、これが以下を含む組成物であることを示した:
− 1:1の立体異性体の混合物(シン立体異性体およびアンチ立体異性体であり、その分離は極性GCカラムでのみ見られる)として少なくとも96%のE−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オール;
− 約1.5%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オール;および
− 約1.2%w/wの3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オン。
「約・・・%」に言及すると、これが値±0.1を指すことが理解されるべきである。
実施例2
付香組成物の調製
フローラルムスク調のシャワージェル用の付香組成物を、以下の成分を混合することによって調製した:
Figure 2018513263
Figure 2018513263
1)3−メチル−2−ヘキセニルアセテートa)
2)ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランa)
3)4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノールa)
4)(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オールa)
5)ペンタデセノリドa)
6)メチルシス−ジヒドロジャスモネートa)
7)(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエートa)
8)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノンb)
9)4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒドb)
10)(2Z)−2−フェニル−2−ヘキセンニトリルa)
a)製造元:フィルメニッヒ(Firmenich)SA、ジュネーブ、スイス
b)製造元:インターナショナルフレーバー&フレグランス(International Flavors & Fragrances)、USA
実施例1で得られた組成物1(本明細書で上記に記載された)150質量部を上記組成物に添加して、これにフローラル/フルーティーな様相を付与し、エチル−2−メチルブチレートのフルーツノートを立ち上がらせ、強力なオスマンサス特性を加えた。
本発明の化合物の代わりに上記の比較組成物を同量使用した場合、得られた効果は、フレグランスにおいて不均衡をもたらすグリーンな炭化水素系ノートの追加であり、これは立ち上がりに欠如しかつ本発明の組成物で見られるフルーティーなオスマンサス特性にも欠如していた。
本発明の化合物の代わりに4−メチル−3−デセン−5−オール(Undecavertolとして知られる;製造元:ジボダン(Givaudan)SA、ベルニエ、スイス)を同量使用した場合、イオノンノートが立ち上がり、フレグランスはバイオレットツイストを得た。
実施例3
付香組成物の調製
フローラルフルーティー調の女性用オードトワレのための付香組成物を、以下の成分を混合することによって調製した:
Figure 2018513263
Figure 2018513263
1)ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランa)
2)7−イソプロピル−2h,4h−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンa)
3)配合された香料ベースa)
4)4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノールa)
5)ペンタデカノリドa)
6)1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピランb)
7)メチルジヒドロジャスモネートa)
8)3−(3,3/1,1−ジメチル−5−インダニル)プロパナールa)
9)メチルイオノン異性体の混合物a)
10)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナールc)
11)4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒドb)
12)3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンa)
13)1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンa)
14)2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテートb)
a)製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
b)製造元:インターナショナルフレーバー&フレグランス、USA
c)製造元:ジボダン−ルールSA、ベルニエ、スイス
実施例1で得られた組成物1(本明細書で上記に記載された)300質量部を上記組成物に添加して、これにオスマンサス/ピオニーの方向にフローラル/フルーティーな様相を付与し、組成物の上品なローズのジャスミンノートと融合させた。
本発明の化合物の代わりに上記の比較組成物を同量使用した場合、得られた効果は、フレグランスにおいて不均衡をもたらすグリーンな炭化水素系ノートの追加であり、これは立ち上がりに欠如しかつ本発明の組成物で見られるフローラル/フルーティー特性にも欠如していた。
本発明の化合物の代わりに4−メチル−3−デセン−5−オール(Undecavertolとしても知られる;製造元:ジボダンSA、ベルニエ、スイス)を同量使用した場合、香料のグリーンなバイオレットノートが増強し、フルーティーなオマンサスツイストはなかった。
実施例4
付香組成物の調製
アプリコット調の付香組成物を、以下の成分を混合することによって調製した:
Figure 2018513263
実施例1で得られた組成物1(本明細書で上記に記載された)400質量部を上記組成物に添加して、これを、ラクトンの脂っぽい様相ならびにイオノンおよびジヒドロ−ベータ−イオノンのドライな様相を隠すことによってジューシーでフレッシュなコノテーションに向けてツイストした。
全体的に、組成物1を含有する付香組成物は、フレッシュでジューシーなアプリコットの感覚を与え、上記の付香組成物(組成物1を含まない)は乾燥したフルーツの感覚をより多く与えた。
実施例5
付香組成物の調製
オスマンサス調の付香組成物を、以下の成分を混合することによって調製した:
Figure 2018513263
実施例1で得られた組成物1(本明細書で上記に記載された)300質量部を上記組成物に添加して、これを、ラクトンの脂っぽい様相ならびにイオノンおよびジヒドロ−ベータ−イオノンのドライな様相を隠すことによってよりフルーティーで鮮やかなコノテーションに向けてツイストした。
全体的に、組成物1を含有する付香組成物は、さらなる朝露効果と共にフレッシュなオスマンサスの花の感覚を与え、上記付香組成物(組成物1を含まない)は乾燥した花の感覚をより多く与えた。

Claims (11)

  1. オスマンサス調の香調を付与するための、付香成分としての組成物の使用であって、前記組成物は、
    − 少なくとも94%w/wの、式
    Figure 2018513263
    の、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形のもの;および
    − 多くとも1%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オン
    を含み、
    その際、パーセンテージは前記組成物の全質量に対して質量対質量基準で表される、前記使用。
  2. 前記組成物が、
    − 少なくとも95%w/wの式(I);および
    − 多くとも0.8%w/wの2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オン
    を含むことを特徴とする、請求項1記載の使用。
  3. 前記組成物が99.9%w/wまでの化合物(I)を含むことを特徴とする、請求項1記載の使用。
  4. 前記組成物が96%w/w〜99%w/wの間のE−4,6−ジメチル−3−オクテン−5−オールおよび0.5%w/w未満の2−メチルペンタ−2−エン−1−オールおよび3−エチル−4−メチルヘキサン−2−オンを含むことを特徴とする、請求項1記載の使用。
  5. 付香組成物であって、
    i)請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物;
    ii)少なくとも1つの付香ラクトンおよび/またはイオノン;
    iii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分;ならびに
    iv)任意に少なくとも1つの香料補助剤
    を含む、前記付香組成物。
  6. 前記付香ラクトンがC5〜12単環式ガンマラクトンであり、かつ2/1〜1/20の間のw/w比(本発明の組成物/ラクトン)で存在することを特徴とする、請求項5記載の付香組成物。
  7. 前記イオノンがアルファまたはベータイオノンおよびアルファまたはベータジヒドロイオノンの中から選択され、かつ2/1〜1/10の間のw/w比(本発明の組成物/イオノン)で存在することを特徴とする、請求項5記載の付香組成物。
  8. 前記付香ラクトンおよびイオノンが両方とも請求項6または7に規定される比で存在することを特徴とする、請求項5記載の付香組成物。
  9. 請求項5から8までのいずれか1項記載の付香組成物を含む付香消費者製品。
  10. 香料消費者製品が、香料、ファブリックケア製品、ボディケア製品、エアケア製品、ホームケア製品、レザーケア製品またはカーケア製品であることを特徴とする、請求項9記載の付香消費者製品。
  11. 香料消費者製品が、香水、スプラッシュまたはオーデパルファン、コロンまたはシェーブまたはアフターシェーブローション、液体または固体洗剤、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン掛け水、紙、または漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、ヘアケア製品、殺菌剤、インティメイトケア製品;化粧品、スキンケア製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、カビ除去剤、家具ケア、ワイプ、食器用洗剤または硬質表面洗剤、磨き剤、ワックスまたはプラスチッククリーナーであることを特徴とする、請求項9記載の付香消費者製品。
JP2017555463A 2015-04-23 2016-04-12 オスマンサス匂い物質 Active JP6713484B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15164862 2015-04-23
EP15164862.3 2015-04-23
PCT/EP2016/057970 WO2016169802A1 (en) 2015-04-23 2016-04-12 Osmanthus odorant

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018513263A true JP2018513263A (ja) 2018-05-24
JP6713484B2 JP6713484B2 (ja) 2020-06-24

Family

ID=52997983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017555463A Active JP6713484B2 (ja) 2015-04-23 2016-04-12 オスマンサス匂い物質

Country Status (9)

Country Link
US (1) US10047318B2 (ja)
EP (1) EP3286290B1 (ja)
JP (1) JP6713484B2 (ja)
CN (1) CN107532111B (ja)
BR (1) BR112017018618B1 (ja)
ES (1) ES2718940T3 (ja)
IL (1) IL254798B (ja)
MX (1) MX2017013278A (ja)
WO (1) WO2016169802A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4267093A1 (en) * 2021-03-19 2023-11-01 Firmenich SA Antimicrobial perfuming consumer products
CN114164219B (zh) * 2022-01-12 2023-09-08 南京林业大学 一种增强桂花香气物质合成相关OfMYB1R114基因及其编码蛋白和应用
CN114887545A (zh) * 2022-05-05 2022-08-12 广州芬豪香精有限公司 一种天然清新花果味香精的制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5758636A (en) * 1980-07-31 1982-04-08 Givaudan & Cie Sa Novel perfume and flavoring substance
JP2009051770A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Takasago Internatl Corp 食欲抑制用組成物

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ196601A (en) 1980-04-08 1982-12-21 Wiggins Teape Group Ltd Production of microcapsules
US4482762A (en) * 1980-07-31 1984-11-13 Givaudan Corporation Odorant and/or flavoring substances
DE3360094D1 (en) * 1982-01-27 1985-05-15 Givaudan & Cie Sa Unsaturated ethers, process for their preparation, use of these ethers as fragrances, and flavouring compositions containing these ethers
FR2801811B1 (fr) 1999-12-06 2002-05-03 Gerard Habar Procede de fabrication de microcapsules portant des charges cationiques
GB0426816D0 (en) * 2004-12-08 2005-01-12 Givaudan Sa Organic compounds
DE502007004084D1 (de) * 2007-10-09 2010-07-22 Symrise Gmbh & Co Kg 2-Alkoxymethyl-3-isoalkenyl-1-methylcyclopentene, deren Verwendung insbesondere als Riechstoffe, entsprechende Artikel sowie Herstellverfahren
MX2014003631A (es) * 2011-09-30 2014-05-28 Firmenich & Cie Composiciones florales de perfumeria como sustitutos para lilial.

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5758636A (en) * 1980-07-31 1982-04-08 Givaudan & Cie Sa Novel perfume and flavoring substance
JP2009051770A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Takasago Internatl Corp 食欲抑制用組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"3・2・30 オスマンサス OSMANTHUS", 周知・慣用技術集(香料)第III部香粧品用香料, JPN6019050872, 15 June 2001 (2001-06-15), pages 457 - 462, ISSN: 0004182779 *

Also Published As

Publication number Publication date
US10047318B2 (en) 2018-08-14
BR112017018618B1 (pt) 2021-07-06
US20180105765A1 (en) 2018-04-19
MX2017013278A (es) 2018-01-26
ES2718940T3 (es) 2019-07-05
EP3286290B1 (en) 2019-01-09
BR112017018618A2 (pt) 2018-04-17
CN107532111B (zh) 2020-11-27
IL254798B (en) 2019-12-31
EP3286290A1 (en) 2018-02-28
CN107532111A (zh) 2018-01-02
JP6713484B2 (ja) 2020-06-24
WO2016169802A1 (en) 2016-10-27
IL254798A0 (en) 2017-12-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6763017B2 (ja) グリーン、スズランの付香成分
IL256212A (en) A compound with the scent of the lily of the valley
JP2020505501A (ja) ミュゲ香気を有する組成物
JP6713484B2 (ja) オスマンサス匂い物質
JP6768063B2 (ja) ベチバー着香剤
JP2020505500A (ja) ミュゲ香気を有する組成物
JP2018531308A6 (ja) ベチバー着香剤
JP6643338B2 (ja) ローズの香りを有する脂肪族ニトリル
JP2020527539A (ja) シクラメンにおい物質
JP6945640B2 (ja) ベチバーの匂い物質
JP2021528505A (ja) 賦香成分としてのシクロヘキセンプロパナール誘導体
US10883066B2 (en) Vetiver odorant
US10519397B2 (en) Powerful woody powdery odorant
JP2023511005A (ja) グリーン匂い物質
WO2018050655A1 (en) Perfuming composition
JP2020517617A (ja) 多環オレフィンによるアルデヒドのアルファアルキル化

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6713484

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250