JP2018512991A - 特殊効果椅子及びこれを含むシステム - Google Patents
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Abstract
Description
ただし、熱風を用いる従来の技術は、前の座席の背もたれのクッションから後の座席のほうへ熱風を吐出する方式である。このような方式では、前席と後席間の距離が原因で熱風が吐出口から排出される瞬間から温度が急低下するので、高い熱風効果を得るためには熱を発生させる発熱体に高い電力量が求められ、風を発生させる送風機にも高い電力量が求められる。また、送風機の消費電力量が大きいほど速くなるファンの回転速度により騒音が発生するため、観客が熱風を体感するにあたり、過度の騒音は、むしろ観客の映画鑑賞を妨げる原因となる。
また、前席と後席の間隔は、すべての映画館で標準化されているのではなく、それぞれの国や映画館ごとに相違するので、後の座席に着座した観客に適切な熱風効果を提供するためには、前席と後席の間隔に応じて発熱体、送風機などを調節して制御する必要があるという煩わしさがある。特に近ごろ、観客の便宜のために、前席と後席の距離をさらに拡大していることから、熱風効果のために消費される電力により上昇するコストがさらに大きくなると予想される。したがって、前席と後席との間の距離が広い国では、4D技術を商用化することは困難であるという問題がある。
従って、熱風の効果は様々な4D効果を感じる上で必須の要素であるが、商業化のレベルに到達する上で上述した問題がある。
また、本発明の他の目的は、ファンのスピードを落としても十分な熱風効果が得られるようにすることにより、映画の視聴を妨げるファンの回転音を低減し、しかも観客が熱風を感じるときに適切な熱風の強さを提供することにより、観客に快適さを提供することにある。
また、本発明のまた他の目的は、熱風効果を発生させるためのモジュールを小型化及び簡素化することにより、4D効果椅子の製造及び維持保守費用を低減し、且つ他の視覚、聴覚、嗅覚、振動などの効果を椅子に搭載するために椅子内にさらなるスペースを確保することにある。
さらに、本発明の他の目的は、温度センサーを設置して制御することなく、発熱する物質自体の抵抗変化特性を用いることにより、火災の発生をより効果的に防止することである。
また、噴射距離の短縮及び熱風発生モジュールの小型化を図ることにより、ファンの騒音や電力量を自然に低減することができ、しかも観客が熱風を体感するのに適した風速で熱風を噴射するので、快適性を提供することができる。
一方、本発明の発熱体は、特定温度以上で抵抗値が急激に上昇する物質を用いているため、従来技術の構成とは異なり、温度センサを追加設置する必要がなく、製造コストが削減できる。なお、従来技術では温度センサーの不良や故障による火災の危険性があったが、本発明では、温度センサーがないにもかかわらず、温度調節の安定性がかなり高いため、火災防止に適している。
図1は、本発明の実施形態に係る特殊効果椅子100の内部を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係る結合体(以下、発熱体120、送風部130、吐出部140、蓄熱部150の結合を結合体と称する)の構造を示す図である
本発明の一実施形態に係る特殊効果椅子100は、椅子110、発熱体120、送風部130及び吐出部140を備える。より詳細には、特殊効果椅子100は、椅子110と、椅子110の内部に設けられる発熱体120と、発熱体120によって加熱された空気を流動させる送風部130と、送風部130により流動された空気を椅子110の外部に吐出する吐出部140と、を備え、吐出部140は、椅子110の正面側に位置する。
送風部130は、発熱体120によって加熱された空気を流動させる。送風部130は、モータにファンが結合され、モータによりファンが回転することによって風を生成する。熱風は、この風が発熱体120または蓄熱部150を通過する際に発生する。このとき、発熱体120のオン/オフに応じて熱風または送風を選択的に吐出することができる。
このとき、発熱体120の代わりに冷却モジュールを設けることにより冷風を吐出することもできる。例えば、ペルチェ素子を用いて周囲の空気を冷却する方法を用いることができる。また、前記冷却モジュールを発熱体120と共に設け、それぞれを後述する制御サーバにより制御することにより、熱風や冷風を選別的に吐出する構成を実現することもできる。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、冷風を発生させることができる方法であればどのような方法でも適用することができる。
従来の技術は、吐出部140を椅子110の背面側に位置させた構成であり、観客は前方の椅子110から吐出された熱風を体感することになる。従来の技術のように、吐出口から観客までの熱風の分射距離が1Mであると仮定し、温度降下の程度を実験したところ(図7参照)、吐出口温度が128℃であるとき、吐出口から1M離れた測定温度は36℃であり、外部温度により大きな温度降下が生じ、熱風の効果を観客に感じさせるためには非常に大きな電力(1台当たり2000W)が必要となる。しかし、本発明では、吐出部140が椅子110の正面側に位置し、観客の身体への噴射距離が非常に短いため、低電力(1台当たり100W)及び軽い風の吹き出しによっても効率的な熱風効果が得られるので、電力量を20分の1に低減できる効果がある。
これに対し、本発明では、特定の温度以上で抵抗値が急激に上昇するので、上昇した抵抗値が電流を制限することにより、外部の温度または電源電圧の変動に関係なくその温度をほぼ一定に維持できる。したがって、本発明では、別の温度センサーを取り付けることなく、物質自体により温度を制御できるので、従来の技術に比べて、構造を簡素化することで設置コストを削減するとともに、温度センサーの故障に起因する火災の危険性を解決することができる。
シート部111は、観客が座席に着座した際に臀部に当接する部分であり、ベース部112は、シート部111の下部を支持する。背もたれ113は、シート部111またはベース部112と結合して上方に延設され、観客の背中及び頭部を支える。また、肘掛け114は、シート部111または背もたれ113の少なくともいずれか一方の側に結合して、観客の映画観覧時に腕を支えたり、飲み物、ポップコーンなどを置いたりする役割をする。
また、本発明の他の実施形態(図3参照)において、椅子110は、シート部111または背もたれ113の少なくともいずれか一方の側に結合される肘掛け114をさらに備え、吐出部140は、肘掛け114に位置することができる。これにより、肘掛け114(図5参照)から観客に向かって熱風効果を与えることができ、なお、複数の結合体を異なる部分に設けることにより、観客にとってより強い熱風効果を感じさせることができる。
本発明のまた他の実施形態において、吐出部140は、吐出される空気の方向または量を制御する空気抜きブレードを備えてもよい。例えば、空気抜きブレードを吐出部140の孔の両端部に結合させてブレードを上下または左右に調整することができ、ブレードを噛み合わせるように調整して、空気が吐出できなくなるように吐出部140を塞ぐことができる。 ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、風向及び風量を制御できる方法であればいずれの方法をも適用することができる。このような方法において、観客は熱風効果を望まない場合は、空気抜きブレードを用いて風量を調整することができる。
蓄熱部150を使用する場合、 発熱体120に結合した蓄熱部150は、椅子110の内部に配置された発熱体120により発生した熱を受け取り、空気を加熱して保存し、さらに、送風部130が作動すると、蓄熱部150によって加熱されて保存された空気をすぐに吐出部140に向かって流動させる。 なお、 椅子110の正面側に位置した吐出部140を介して熱風が吐出すると、観客は熱風効果を体感する構造の一実施形態を構成することができる。このように蓄熱部150を使用すると、予め空気を加熱してこの加熱された空気を蓄えるので、電力を節約することができる。
本発明のまた他の実施形態(図3参照)において、椅子110は、発熱体120または送風部130の駆動を制御するスイッチ160をさらに備えてもよい。スイッチ160は、発熱体120または送風部130の駆動を制御して熱風効果をオン/オフすることができる。スイッチ160は、観客がスイッチを操作しやすい位置であればどこにも位置可能であり、発熱体120及び送風部130に連結されて電源を遮断または連結する役割をする。
また、本発明の他の実施形成では、金属製のケース内部に結合体を設ける構成を採用することにより、熱を保存する構成を採用することができる。
特殊効果椅子100は、椅子110の内部に設けられる発熱体120と、発熱体120によって加熱された空気を流動させる送風部130と、送風部130によって流動された空気を前記椅子110の外部に吐出する吐出部140と、を備え、吐出部140は、椅子110の正面側に位置する。このとき、特殊効果椅子100は、通信部を備えてもよく、通信部及び有線または無線ローカル・エリア・ネットワークを介して制御サーバに接続され、この制御サーバによって制御される。
制御サーバ200は、特殊効果椅子100の発熱体120および送風部130の少なくともいずれか一方を制御する。制御サーバーのメモリには、映画の特殊効果のために、発熱体120および送風部130をオンまたはオフにすべき時点に関するあらゆる作動設定が記憶されている。したがって、映像開始後、既定の制御時間に応じて特殊効果椅子100の各構成要素が制御されるので、すべての特殊効果椅子100を同時に制御することができ、必要に応じて手動で制御することもできる。
また、以上説明した様々な実施形態の構成に示すように、特殊効果椅子100を適用することができる。
このように、本発明の属する技術分野における当業者により、本発明は、その精神や主要な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形で実施することができると理解されるであろう。そのため、前述の実施例はあらゆる点で例示的にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示すものであって、 特許請求の範囲及びその均等範囲でなされた変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものであると解釈されるべきである。
110 椅子
111 シート部
112 ベース部
113 背もたれ
114 肘掛け
120 発熱体
130 送風部
140 吐出部
150 蓄熱部
160 スイッチ
200 制御サーバ
Claims (12)
- 椅子と、
前記椅子の内部に設けられる発熱体と、
前記発熱体によって加熱された空気を流動させる送風部と、
前記送風部により流動された空気を前記椅子の外部に吐出する吐出部と、
を備え、
前記吐出部は、前記椅子の正面側に位置することを特徴とする特殊効果椅子。 - 前記発熱体は、特定温度以上で抵抗値が急激に上昇する物質から形成されることを特徴とする請求項1に記載の特殊効果椅子。
- 前記発熱体は、PTCヒーターを備えることを特徴とする請求項2に記載の特殊効果椅子。
- 前記椅子は、
シート部と、
前記シート部の下部を支持するベース部と、
前記シート部または前記ベース部と結合されて上方に延設された背もたれと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の特殊効果椅子。 - 前記吐出部は、前記背もたれの正面側に位置することを特徴とする請求項4に記載の特殊効果椅子。
- 前記吐出部は、前記背もたれの正面側の上部に位置し、
前記発熱体は、 前記背もたれの中央部と前記吐出部が形成される上部との間に配置されることを特徴とする請求項5に記載の特殊効果椅子。 - 前記シート部または前記背もたれの少なくともいずれか一方の側に結合される肘掛けをさらに備え、
前記吐出部は、前記肘掛けに位置することを特徴とする請求項4に記載の特殊効果椅子。 - 前記吐出部は、吐出される空気の方向または量を制御する空気抜きブレードを備えることを特徴とする請求項1に記載の特殊効果椅子。
- 前記発熱体によって加熱された空気を保存する蓄熱部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の特殊効果椅子。
- 前記蓄熱部は、前記発熱体の表面に結合されるか、または前記発熱体を取り囲む形状を有することを特徴とする請求項9に記載の特殊効果椅子。
- 前記発熱体または前記送風部の駆動を制御するスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載 特殊効果椅子。
- 椅子の内部に設けられる発熱体と、前記発熱体によって加熱された空気を流動させる送風部と、前記送風部により流動された空気を前記椅子の外部に吐出する吐出部と、を備える特殊効果椅子と、
前記椅子の発熱体及び送風部のうちの少なくともいずれか一方を制御する制御サーバと、を備え、
前記吐出部は、前記椅子の正面側に位置することを特徴とする特殊効果システム。
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